説明

電子機器

【課題】簡単な構造にて高い防滴機能を実現する。
【解決手段】ストラップ取付金具20は、その他端部22aが外装から右方に突出するように組み付けられる。ストラップ取付金具20には、その外周を取り巻くように環状の防滴ゴム5が装着される。外装の一部であるサイドカバー3は、X方向に組み付けられて防滴ゴム5の下側部5bを押圧し、下側部5bを、ストラップ取付金具20の垂直部23の当接面23aが受け止める。また、外装の一部である上カバー1はY方向に組み付けられて下側部5bを押圧し、下側部5bをメインシャーシ6の受け面6a及びサイドカバー3の延設壁部31の受け面31aが協働して受け止める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ等の電子機器に関し、特にストラップ取付部材を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等の電子機器において、ストラップ取付部材が外側に突出して露出するように設けられたものが知られている。このような機器では、ストラップ取付部材の設けられる外装部材の開口部分から水滴が入ることを防ぐ、いわゆる防滴機能を確保したものが知られている。
【0003】
例えば特許文献1では、丸形の取付孔を有する外装カバーと、この外装カバーに挿通され、取付孔に回転自在に嵌合する外周面を有するストラップ取付金具とを備える。このストラップ取付金具の内側挿通端部を係止する略L字状のホルダーを外装カバー内にネジ止めする。外装カバーの取付孔が丸形状であることからOリングを取付孔の内周面に密着させることができる。
【0004】
また、特許文献2では、ストラップ取付金具を、外装カバーの開口との間の隙間を封じるように、接着剤(シール材)を用いて外装カバーの内面に固定する。ストラップ取付金具と外装カバーに、これらを貫通する取付穴を形成し、ボディフレームに貫通穴を通して取付ネジを締め付けるためのネジ穴を形成し、ボディフレームにストラップ取付金具と外装カバーを共締めする構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−269015号公報
【特許文献2】特開平9−185113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1では、防滴するためのOリングが追加されるだけでなく、略L字状のホルダーも必要となり、コストアップの要因となってしまう。さらに、この構成では外装カバーの金型抜き方向に直交する取付孔を加工するための2次加工の工程が必要となり加工コストも上昇する。
【0007】
また、上記の特許文献2では、接着剤によりストラップ取付金具と外装カバーの開口との間の隙間を封じる構成であるため、接着剤を塗布するという煩雑な工程が必要となりコストアップの要因となってしまう。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構造にて高い防滴機能を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、シャーシ部材と、一端部が前記シャーシ部材に固定されると共に、他端部が外側に突出するストラップ取付部材と、前記ストラップ取付部材の外周を覆うように装着される略環状の弾性部材と、前記ストラップ取り付け部材の一方面側で前記ストラップ取付部材の突出方向から前記シャーシ部材に組み付けられ、前記シャーシ部材に組み付けられた状態で、前記ストラップ取付部材に装着された前記弾性部材を組み付け方向に押圧する第1の外装部材と、前記ストラップ取付部材の他方面側で前記ストラップ取付部材の突出方向に垂直な方向から前記シャーシ部材に組み付けられ、前記シャーシ部材に組み付けられた状態で、前記ストラップ取付部材に装着された前記弾性部材を組み付け方向に押圧する第2の外装部材と、前記シャーシ部材に組み付けられた状態の前記第1の外装部材によって押圧される前記弾性部材を受け止める第1の受け部と、前記シャーシ部材に組み付けられた状態の前記第2の外装部材によって押圧される前記弾性部材を受け止める第2の受け部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構造にて高い防滴機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子機器の一例としてのカメラの斜視図、側面図である。
【図2】ストラップ取付金具及びサイドカバーの取り付け方を示すカメラの主要分解斜視図、防滴ゴムの斜視図である。
【図3】図1(b)のA−A線に沿う断面図である。
【図4】防滴ゴムが各方向から押圧力を受けたときの変形の挙動を示す図である。
【図5】防滴ゴムが各方向から押圧力を受けたときの変形の挙動を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るストラップ取付部材の取り付け構造が適用されるカメラの図1(b)のA−A線に沿う断面図、及び変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器の一例としてのカメラの斜視図である。図1(b)は、同カメラの側面図である。本実施の形態では、カメラとして一眼レフカメラを例示するが、一眼レフに限られず、また、デジタル式であるか否かは問わない。本実施の形態は主に、ストラップ部材の取り付け部分における防滴構造に工夫を加えてカメラの防滴効果を高めたものである。
【0014】
図1(a)では、カメラを撮影レンズが配置される前側(被写体側)且つ斜め方向から見ており、左右方向については被写体側から見て呼称する。従って、図1(b)は、カメラの右側面図となる。
【0015】
このカメラの外装の一部を構成する部材として、右側部を覆う第1の外装部材であるサイドカバー3、及び、上部を覆う第2の外装部材である上カバー1がある。外装の一部を構成する部材として、上部や右側部以外の領域を覆うカバーも存在するが、それらについての説明は省略する。
【0016】
カメラの右側部には、ストラップ取付部材としてのストラップ取付金具20が配設される。ストラップ取付金具20は、上下方向における上カバー1とサイドカバー3の間、すなわちカバー合わせ部に位置する。カメラ前面右部には滑り止めラバー4が貼り付けられている。滑り止めラバー4は、ストラップ取付金具20の下側まで周り込ませてあり、カメラを保持したときに滑りにくくしている。
【0017】
図2(a)は、ストラップ取付金具20及びサイドカバー3の取り付け方を示すカメラの主要分解斜視図である。この図では、前カバー、後カバー、底面カバー、ミラーボックス等の図示は省略している。ストラップ取付金具20には、環状の弾性部材である防滴ゴム5が装着される。このカメラの外装の内部には、シャーシ部材としてのメインシャーシ6が配設され、メインシャーシ6に対して各種の部品が固定的に取り付けられる。
【0018】
図2(b)は、防滴ゴム5の斜視図である。防滴ゴム5は、ストラップ取付金具20が挿入される内周部5gを有した略環状(円形ではないが繋がった輪状)の部材である。内周部5gの貫通方向から見て、上部に上側部5a、下部に下側部5bがあり、上側部5aと下側部5bとの間が接続部5dと接続部5cとで繋がって、全体としてリング状乃至ループ状になっている。防滴ゴム5がストラップ取付金具20の外周を覆うように装着されるとき、ストラップ取付金具20の一方面側に下側部5bが位置し、ストラップ取付金具20の他方面側に上側部5aが位置する。上側部5aよりも下側部5bの方が上下方向の厚みが厚い。また、上側部5a及び下側部5bには、凹状のネジ避け用の逃げ部5fが形成されている。
【0019】
上カバー1の材質はマグネシウム合金、サイドカバー3及びメインシャーシ6の材質は樹脂である。防滴ゴム5の材質は弾性を有する部材であって、例えばシリコンラバーであり、硬度は70度である。しかし、これらの各部材の材質は、上記例示したものと同じ材質ではなくても良い。例えば、上カバー1の材質は樹脂でもよいし、サイドカバー3及びメインシャーシ6は金属でもよいし、防滴ゴム5の材質はシリコンラバーに限られず、硬度も70度でなくてもよい。
【0020】
図3は、図1(b)のA−A線に沿う断面図である。図2(a)、(b)、図3を参照して、各構成要素やその組み付け態様を組み付け順に説明する。
【0021】
まず、防滴ゴム5をストラップ取付金具20に横方向(右方)から嵌め込む。すなわち、防滴ゴム5の内周部5gにストラップ取付金具20を挿入することで、防滴ゴム5とストラップ取付金具20を一体化する。防滴ゴム5を嵌め込んだストラップ取付金具20を上方からメインシャーシ6に取り付け、ネジ7a、7bでストラップ取付金具20の一端部(左端部)をメインシャーシ6に固定する。次に上カバー1を上方からメインシャーシ6に取り付け、ネジ7cでストラップ取付金具20を上カバー1に固定する。ネジ7cはストラップ取付金具20を下方から上カバー1に固定する。逃げ部5fはネジ7cを逃げるために形成されている。上カバー1を取り付けると、防滴ゴム5は、上側部5aがストラップ取付金具20と上カバー1とに挟み込まれる状態となることで、上カバー1とストラップ取付金具20との間の隙間が塞がれる。次にサイドカバー3をカメラ右側方からメインシャーシ6に取り付け、ネジ7d、7eでサイドカバー3をメインシャーシ6に固定する。
【0022】
このようにして組み付けられたストラップ取付金具20は、その自由端部である他端部22aが外装(ここでは上カバー1及びサイドカバー3)から右方外側に突出した状態となる(図3参照)。従って、ストラップ取付金具20の突出方向は左右方向と略一致する。
【0023】
組み付け状態をより詳細に説明する。図3に示すように、ストラップ取付金具20は前側から見てクランク形状に形成されており、左半部である第1の水平部21と右半部である第2の水平部22とが垂直部23で繋がっている。防滴ゴム5は、下側部5bの左方(内側)が垂直部23の当接面23aに当接している。当接面23aが第1の受け部として機能している。防滴ゴム5を装着したストラップ取付金具20がメインシャーシ6に固定されると、防滴ゴム5の下側部5bがメインシャーシ6の受け面6aに当接する。受け面6aは第2の受け部として機能する。そして、ストラップ取付金具20を固定したメインシャーシ6に上カバー1を固定すると、防滴ゴム5の上側部5aが上カバー1の押圧面1aによって下方に押圧される。防滴ゴム5の下側部5bの下方は受け面6aに当接しているので、防滴ゴム5の上側部5aおよび下側部5bは共に圧縮される。
【0024】
サイドカバー3の上部に延びる縦壁部32の内側には、左方に延設壁部31が延設形成されている。さらに、サイドカバー3が組み付けられると、サイドカバー3の縦壁部32の押圧面32aが下側部5bを左方(内側)に押圧し、延設壁部31の受け面31aが下側部5bの下面に当接する。延設壁部31の受け面31aが第3の受け部として機能する。このとき、防滴ゴム5の下側部5bの左面(内側)は当接面23aに当接し、防滴ゴム5の下側部5bの下面は受け面6aおよび延設壁部31の受け面31aに当接している。従って、防滴ゴム5の下側部5bは、当接面23aと押圧面32aとの間で圧縮される。
【0025】
ところで、図3の上方、右方がカメラの上方、右方であるが、以降、力を受ける方向を特定するために、左右方向、上下方向、前後方向について別途、向きの呼称を設ける。まず、左右方向において、外装の右側部から外装の内側へ向く方向をX方向(左方と一致)と称する。上下方向において、外装の上部から外装の内側へ向く方向をY方向(下方と一致)と称する。Y方向は、ストラップ取付金具20の突出方向に垂直であり、X方向とY方向とは直交する。X方向が、サイドカバー3の組み付け方向となり、Y方向が、上カバー1の組み付け方向となる。
【0026】
図4、図5は、防滴ゴム5が各方向から押圧力を受けたときの変形の挙動を示す図である。図4(a)、(b)は、上記のA−A線に沿う断面で示し、図4(c)、(d)、図5(a)は、防滴ゴム5を、内周部5gを貫通する方向(右方)から示している。図5(b)は、防滴ゴム5が装着されたストラップ取付金具20を前側から見た図となっている。
【0027】
上記したように、防滴ゴム5は、上カバー1の押圧面1aからY方向の圧縮力を受けると共に、サイドカバー3の押圧面32aからX方向の圧縮力を受ける(図4(a))。このように、ストラップ取付金具20の突出方向(X方向)からサイドカバー3を組み付けることで防滴ゴム5が圧縮されると、図4(b)に示すように、下側部5bがX方向において下方に撓むように変形しようとする。
【0028】
一方、ストラップ取付金具20の突出方向から見ると、サイドカバー3の組み込みによるX方向からの圧縮力により、図4(c)に示す状態から、図4(d)に示す状態のように、下側部5bが前後方向において下方に撓むように変形しようとする。この変形は、防滴ゴム5をストラップ取付金具20に装着しただけでも起こりうる。
【0029】
ストラップ取付金具20と防滴ゴム5との密着性を高めるために、防滴ゴム5の開口部である内周部5gの大きさをストラップ取付金具20の外周の大きさよりも若干小さくしている。しかし、ストラップ取付金具20に防滴ゴム5を組み付けると、防滴ゴム5の接続部5d及び接続部5cにおける内側のR形状には、ストラップ取付金具20に倣って若干大きくなる方向に力が働く。そのため、防滴ゴム5が開口部の前後両端(接続部5d、5c)を起点に図4(d)に示すように変形する可能性がある。このような変形も前述したように防滴性を低下させる要因となる。
【0030】
仮に、メインシャーシ6の受け面6aや、サイドカバー3の受け面31aが設けられていないとすると、実際に図4(b)、(d)に示すような変形を起こしやすい。この変形を起こすとストラップ取付金具20と防滴ゴム5との密着性が低下し、両者の間に隙間が生じて防滴性が低下する。しかし本実施の形態では、受け面6a及び受け面31aを設け、これらが協働して下側部5bを受け止めるので、図4(b)、(d)に示すような変形が生じるのを効果的に抑制することができる。なお、受け面31aは水平面であるが、サイドカバー3の組み付け時における下側部5bとの係合を円滑にするためには、延設壁部31の先端にいくにつれて受け面31aが若干下がるように傾斜させて形成してもよい。
【0031】
さらに、防滴ゴム5は略環状であって接続部5d及び接続部5cを有する。防滴ゴム5は、X方向、Y方向からの直交する2方向の圧縮力を受けることで、図5(b)に1点鎖線で示す防滴ゴム5xのように、下部が左方に延びようとする。しかし、本実施の形態では、下側部5bを当接面23aでX方向の反対方向から受け止めるようにしているため、防滴ゴム5xのような変形を抑制することができる。
【0032】
これらのように、受け面6a、当接面23a、受け面31aを設けたことで、防滴ゴム5がX方向及びY方向から押圧力を受けても、防滴ゴム5にストラップ取付金具20との密着性を害するような変形が生じにくいようになっている。これにより、ストラップ取付金具20周りの防滴性が向上している。なお、図5(a)に示すように、ストラップ取付金具20のZ方向(前後方向)については、上カバー1が防滴ゴム5をストラップ取付金具20に押し付ける構成となっている。
【0033】
また、上述のように、防滴ゴム5において、上側部5aより下側部5bの方が肉厚が厚い。これにより、防滴ゴム5のサイドカバー3に圧縮される側である下側部5bの断面積が大きくなり、曲げに対する抵抗が大きくなるので、図4(b)、(d)、図5(b)に示すような変形を起こし難くなっている。
【0034】
本実施の形態によれば、サイドカバー3によって押圧される防滴ゴム5の下側部5bを受け止める当接面23aと、上カバー1によって押圧される防滴ゴム5の下側部5bを受け止める受け面6aとを設けた。これらにより、防滴ゴム5の下側部5bが下方に撓みにくく、ストラップ取付金具20との密着性が高まるので、簡単な構造にて高い防滴機能を実現することができる。しかも、受け面6aと協働して受け面31aも下側部5bを受け止めるので、下側部5bが下方に一層撓みにくく、防滴機能が高まる。
【0035】
構造が簡単であることから、部品点数も大幅に増えることがなく、煩雑な工程も不要である。よって、コストアップを抑制することができる。
【0036】
なお、本実施の形態において、受け面6a、当接面23a、受け面31aはいずれも、防滴ゴム5を受け止める機能を有すればよく、平坦な面という形態とすることは必須でない。
【0037】
また、当接面23aについては、ストラップ取付金具20の曲げによって形成した垂直部23の右面を突き当て形状にして利用したが、これに限らない。すなわち、外装内部において固定的な部分を利用すればよく、メインシャーシ6に設けてもよいし、メインシャーシ6以外の内蔵部品に形成してもよい。また、ストラップ取付金具20は、メインシャーシ6以外の内蔵部品に固定してもよい。
【0038】
(第2の実施の形態)
図6(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るストラップ取付部材の取り付け構造が適用されるカメラの図1(b)のA−A線に沿う断面図である。第2の実施の形態においては、上記した第1の実施の形態に対して、防滴ゴム5及びサイドカバー3の構成が異なり、その他の構成は同様であるので、同一部分の構成や組み付け手順の説明を省略する。
【0039】
図6(a)では、サイドカバー3が組み付けられる前の状態が示され、図6(b)では、サイドカバー3が組み付けられた状態を示す。
【0040】
本実施の形態における防滴ゴム5には、下側部5bの右側下部に、突設部5eが突設される。突設部5eの突設方向は下方であり、上カバー1の組み付け方向でもある。防滴ゴム5のその他の部分の構成は第1の実施の形態のものと同じである。
【0041】
サイドカバー3の延設壁部31は、突設部5eに合わせるように、第1の実施の形態のものに比べて低い位置から延設されている。サイドカバー3のその他の部分の構成は第1の実施の形態のものと同じである。
【0042】
サイドカバー3が組み付けられるとき、延設壁部31によって突設部5eが左方に付勢されて変形する。そして、図6(b)に示すように、サイドカバー3が組み付けられた状態では、突設部5eが左方に撓んだ状態で受け面31aに当接するようになる。突設部5eの変形により、防滴ゴム5の下側部5bをストラップ取付金具20の側に押し付ける力が働く。このことにより、防滴ゴム5の下側部5bとストラップ取付金具20との密着性が高まるので高い防滴性が確保される。
【0043】
なお、サイドカバー3が組み付けられたときに下側部5bに上方への付勢力が働くようにする観点からは、図6(a)、(b)に示すような構成に限られない。例えば、図6(c)に変形例を示すように、延設壁部31の先端にいくにつれて受け面31aが若干下がるように傾斜させてテーパ状に形成する。受け面31aはテーパ面となる。一方、下側部5bの右側下部には、受け面31aに対応するテーパ面5hを形成する。サイドカバー3が組み付け方向に変位すると、受け面31aがテーパ面5hを押圧するので、下側部5bは上方且つ左方に押しつけられる。このような構成であっても、下側部5bとストラップ取付金具20との密着性が高まる。なお、テーパ面とするのは、受け面31aとテーパ面5hの少なくとも一方であってもよい。
【0044】
なお、本発明は、ストラップ取付部材を設けることがあるような機器であれば、カメラ以外の電子機器であっても適用可能である。
【0045】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 上カバー
3 サイドカバー
5 防滴ゴム
5b 下側部
6 メインシャーシ
6a 受け面
20 ストラップ取付金具
22a 他端部
23a 当接面
31a 受け面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシ部材と、
一端部が前記シャーシ部材に固定されると共に、他端部が外側に突出するストラップ取付部材と、
前記ストラップ取付部材の外周を覆うように装着される略環状の弾性部材と、
前記ストラップ取り付け部材の一方面側で前記ストラップ取付部材の突出方向から前記シャーシ部材に組み付けられ、前記シャーシ部材に組み付けられた状態で、前記ストラップ取付部材に装着された前記弾性部材を組み付け方向に押圧する第1の外装部材と、
前記ストラップ取付部材の他方面側で前記ストラップ取付部材の突出方向に垂直な方向から前記シャーシ部材に組み付けられ、前記シャーシ部材に組み付けられた状態で、前記ストラップ取付部材に装着された前記弾性部材を組み付け方向に押圧する第2の外装部材と、
前記シャーシ部材に組み付けられた状態の前記第1の外装部材によって押圧される前記弾性部材を受け止める第1の受け部と、
前記シャーシ部材に組み付けられた状態の前記第2の外装部材によって押圧される前記弾性部材を受け止める第2の受け部とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の受け部が前記ストラップ取付部材に形成され、前記第2の受け部が前記シャーシ部材に形成されることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の受け部及び前記第2の受け部は、前記ストラップ取付部材の前記一方面側で前記弾性部材に当接することを特徴とする請求項1または2記載の電子機器。
【請求項4】
前記シャーシ部材に組み付けられた状態の前記第2の外装部材によって押圧される前記弾性部材を、前記第2の受け部と協働して受け止める第3の受け部が前記第1の外装部材に形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第3の受け部は、前記ストラップ取付部材の前記一方面側で前記弾性部材に当接することを特徴とする請求項4記載のストラップ部材の取り付け構造。
【請求項6】
前記弾性部材の、前記ストラップ取り付け部材の前記一方面側となる部分には、前記第2の外装部材の組み付け方向に突設される突設部が形成され、前記突設部は、前記シャーシ部材に組み付けられた状態の前記第1の外装部材の前記第3の受け部に対して、撓んだ状態で当接することを特徴とする請求項4または5に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−11806(P2013−11806A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145593(P2011−145593)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】