電子機器
【課題】筺体のヒートスポット抑制と、筺体と基板とのグラウンド接続とを両立する電子機器を提供する。
【解決手段】筺体は、基板をビスで締結する締結部を有する。締結部は、筺体の床面(底面)から起立し、スペーサを介在させて基板を支持する。スペーサは、締結部の台座上に載置される。スペーサは、所定の高さを有し、締結部と基板の間に介在して、筺体と基板との間に所定の間隙を設ける。スペーサは、コ字状(あるいはU字状)の導電部品に断熱部品を嵌装する。断熱部品は、底面の外形をD字状とする柱状の基板支持部と、基板支持部の両側に、基板支持部より一段低い舌状の取付部を備える。断熱部品は、断熱性を有して、基板から筺体への伝熱を制限する。導電部品は、導電性を有して、基板のグラウンドと筺体とをグラウンド接続する。導電部品は、熱抵抗を大きくするために、薄板で形成されている。
【解決手段】筺体は、基板をビスで締結する締結部を有する。締結部は、筺体の床面(底面)から起立し、スペーサを介在させて基板を支持する。スペーサは、締結部の台座上に載置される。スペーサは、所定の高さを有し、締結部と基板の間に介在して、筺体と基板との間に所定の間隙を設ける。スペーサは、コ字状(あるいはU字状)の導電部品に断熱部品を嵌装する。断熱部品は、底面の外形をD字状とする柱状の基板支持部と、基板支持部の両側に、基板支持部より一段低い舌状の取付部を備える。断熱部品は、断熱性を有して、基板から筺体への伝熱を制限する。導電部品は、導電性を有して、基板のグラウンドと筺体とをグラウンド接続する。導電部品は、熱抵抗を大きくするために、薄板で形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、携帯型ゲーム機、デジタルカメラなどの電子機器は、高性能化、高機能化とともに、小型軽量化が図られてきている。電子機器は、高性能化、高機能化に伴い発熱量の大きな部品を搭載することがあっても、電子機器の筺体の薄型化や小型化に応えるために放熱対策がますます困難になってきている。
【0003】
放熱対策が十分でない場合に、電子機器の筺体の一部が高温化するヒートスポットが生じる。このような局所的な高温化を抑制するために、発熱体を実装する基板と筺体との間に放熱板を備え、放熱板と筺体との間に空気層を形成した電子機器の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−55642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、提案の電子機器は、基板と筺体の間に、放熱板と空気層とを備えることから、電子機器の筺体の一層の薄型化や小型化に応えるには十分でない。また、基板を支持する支持部からの熱伝導を避けるために支持部の配置の制約は、電子機器の筺体の一層の薄型化や小型化にとって不利である。また、提案の電子機器は、筺体と基板とのグラウンド接続についてまで、考慮されていない。
【0006】
本技術は、このような点に鑑みてなされたものであり、筺体のヒートスポット抑制と、筺体と基板とのグラウンド接続とを両立する電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、電子機器は、筺体と、基板と、スペーサとを備える。筺体は、少なくとも一部に導電性を有する。基板は、発熱体を搭載し、グラウンドパタンを有する。スペーサは、筺体とグラウンドパタンの間に位置し、グラウンドパタンおよび筺体と接触してグラウンドパタンと筺体を導通する導通部と、断熱性を有する本体部とからなる。
【発明の効果】
【0008】
上記の電子機器によれば、筺体のヒートスポット抑制と、筺体と基板とのグラウンド接続とを両立する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の電子機器の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す分解斜視図である。
【図4】第1の実施形態の電子機器の筺体の基板取付部の斜視図である。
【図5】第1の実施形態のスペーサの斜視図である。
【図6】第1の実施形態の断熱部品の斜視図である。
【図7】第1の実施形態の導電部品の斜視図である。
【図8】第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。
【図9】第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。
【図10】第1の実施形態の断熱部品の厚さとホットスポット温度、IC温度の関係を示すグラフである。
【図11】第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。
【図12】第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【図13】第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【図14】第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【図15】第2の実施形態のスペーサの斜視図である。
【図16】第2の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の電子機器について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の電子機器の一例を示す図である。
【0012】
電子機器1は、入力装置(たとえば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなど)と出力装置(たとえば、液晶ディスプレイ、スピーカなど)を一体化し、2つ折りにして持ち運び可能なノート型パーソナルコンピュータである。なお、第1の実施形態では、電子機器の一例としてノート型パーソナルコンピュータを例示するが、携帯電話、携帯型ゲーム機、デジタルカメラなどの携帯型電子機器のほか、デスクトップ型パーソナルコンピュータなどの非携帯型電子機器であってもよい。
【0013】
電子機器1は、底部をなす箱型の筺体3と、筺体3の蓋体となる筺体2を備える。筺体2は、入力装置や出力装置などのユーザインタフェースを備える。筺体3は、基板4、および図示しない二次電池など、所要の部品を箱体に収容する。
【0014】
筺体3は、少なくとも一部に導電性を有する。たとえば、筺体3は、マグネシウム合金や導電性樹脂等の導電性材料の成形品や、ステンレスやアルミニウムなどの導電性材料の加工品である。あるいは、筺体3は、不導体である樹脂等の成形品または加工品を、金属板や金属箔で覆ったり、メッキや蒸着により導電性を付与したものであってもよい。
【0015】
なお、筺体2も筺体3と同様に、少なくとも一部に導電性を有する。電子機器1は、導電性を有する、筺体2と筺体3を用いることで、筺体内からのノイズ放出と、筺体外からのノイズ侵入を防止する。
【0016】
基板4は、発熱部品(たとえば、集積回路(IC:Integrated Circuit)、パワートランジスタ)5を実装(搭載)する。基板4は、裏面(筺体3と対向する面)にGND(グラウンド)パタン6を備える。基板4は、図示しないスペーサを介在して、ビス7により筺体3に締結される。
【0017】
スペーサは、後で詳述するが、断熱性を有する本体部と、筺体3とGNDパタン6と接触して筺体3とGNDパタン6とを導通する導通部とからなる。スペーサは、本体部により基板4から筺体3への熱伝導を抑制し、導通部により筺体3と基板4とのグラウンド接続をおこなう。
【0018】
このようにして、電子機器1は、筺体3のヒートスポット抑制と、筺体3と基板4とのグラウンド接続とを両立する。たとえば、筺体3のヒートスポット抑制は、ユーザが電子機器1を膝上において操作する場合に、ユーザの不快感を軽減する。
【0019】
なお、筺体3が基板4を支持する例を示したが、これに限らず、筺体2が基板を支持するものであってもよい。筺体2のヒートスポット抑制は、ユーザが電子機器1を操作する場合に、操作部やパームレスト部におけるユーザの不快感を軽減する。
【0020】
次に、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取り付け、および構成部品について図2から図7を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す分解斜視図である。図4は、第1の実施形態の電子機器の筺体の基板取付部の斜視図である。図5は、第1の実施形態のスペーサの斜視図である。図6は、第1の実施形態の断熱部品の斜視図である。図7は、第1の実施形態の導電部品の斜視図である。
【0021】
筺体3は、基板4をビス7で締結する締結部8を有する。締結部8は、筺体3の床面(底面)から起立し、スペーサ9を介在させて基板4を支持する。締結部8は、筺体3の一部をなし、筺体3と一体に成形される。締結部8は、導電性を有し、たとえば、筺体3と同様にマグネシウム合金でできている。
【0022】
締結部8は、床面から一段立ちあがった略円形のベース部34を備える。ベース部34は、ベース部34と中心を同一にして、ベース部34の上に主ボス35を立設する。ベース部34は、それぞれ90度の間隔を置いて主ボス35の円周面に隣接する、副ボス(小)33と副ボス(大)38とフィン32とフィン36を、ベース部34と床面とに跨るようにして立設する。副ボス(小)33と副ボス(大)は、主ボス35を間に置いて対向するように配置される。フィン32とフィン36は、主ボス35を間に置いて対向するように配置される。
【0023】
主ボス35は、上面(基板4と対向する面)を、スペーサ9を載置する台座30として、ビス7のタッピング用の下穴29を中心部に備える。主ボス35は、下穴29と台座30の接続部にテーパ部28を備える。
【0024】
副ボス(小)33は、下方(床面)から上方に向かって小径になる円柱状のボスである。副ボス(小)33は、主ボス35より高さがあり、主ボス35までの高さで主ボス35と側方で接続し、台座30を超えて突出する。これにより、副ボス(小)33は、スペーサ9の孔(小)16に嵌入し、スペーサ9の載置位置を案内する。
【0025】
副ボス(大)38は、下方(床面)から上方に向かって小径になる円柱状のボスである。副ボス(大)38は、主ボス35より高さがあり、主ボス35までの高さで主ボス35と側方で接続し、台座30を超えて突出する。これにより、副ボス(大)38は、スペーサ9の孔(大)20に嵌入し、スペーサ9の載置位置を案内する。副ボス(大)38と副ボス(小)33は、異径であり、載置する際のスペーサ9の向きを一意に決める。副ボス(大)38は、副ボス(小)33と比較して大径であり、スペーサ9の孔(大)20への嵌入位置の探りを容易にしている。
【0026】
フィン32とフィン36は、略台形の薄板状である。フィン32とフィン36は、主ボス35より高さがあり、主ボス35までの高さで主ボス35と側方で接続し、台座30を超えて突出する。これにより、フィン32は、側方支持部31でスペーサ9を側方から支持する。フィン36は、側方支持部37でスペーサ9を側方から支持する。
【0027】
副ボス(小)33と副ボス(大)38とフィン32とフィン36は、締結部8の体積を増大して熱容量を増大させ、締結部8の表面積を増大して放熱量を増大させる。これにより、締結部8は、基板4から伝導する熱による、筺体3のヒートスポット発生を抑制する。
【0028】
スペーサ9は、締結部8の台座30上に載置される。スペーサ9は、所定の高さを有し、締結部8と基板4の間に介在して、筺体3と基板4との間に所定の間隙を設ける。スペーサ9は、断熱性を有する断熱部品10と導電性を有する導電部品11とから構成される。スペーサ9は、コ字状(あるいはU字状)の導電部品11に断熱部品10を嵌装する。
【0029】
断熱部品10は、底面の外形をD字状とする柱状の基板支持部14と、基板支持部14の両側に、基板支持部14より一段低い舌状の取付部12,15を備える。基板支持部14と取付部12,15は、台座30に載置される面を面一にする。断熱部品10は、断熱性(たとえば、熱伝導率0.026W/m・K以上)を有して、基板4から筺体3への伝熱を制限する。断熱部品10は、たとえば、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体(ABS樹脂)の成形品を用いることができる。
【0030】
基板支持部14は、外形をD字状の底面(基板4に対向する面、および台座30に載置される面)を導電部品11と接触する導電部品接触面13とする。基板支持部14は、締結部8に載置されて、締結部8との間に所定の間隙(概ね基板支持部14の高さに相当)を設けて基板4を支持する。導電部品接触面13は、中心部にビス孔17を備える。導電部品接触面13は、ビス孔17と導電部品接触面13の接続部にテーパ部18を備える。ビス孔17は、基板4のビス孔80、導電部品11のビス孔21とともにビス7を挿通する。
【0031】
基板支持部14は、平面となる側面に導電部品11のグラウンド経路が迂回する迂回接続部26に対向する導電部品迂回面19を備える。断熱部品10は、導電部品迂回面19から導電部品11に嵌装される。
【0032】
取付部12は、孔(大)20を備え、スペーサ9が台座30に載置されるときに副ボス(大)38を挿通する。取付部15は、孔(大)20より小径の孔(小)16を備え、スペーサ9が台座30に載置されるときに副ボス(小)33を挿通する。
【0033】
導電部品11は、導電性を有して、基板4のグラウンドと筺体3とをグラウンド接続する。導電部品11は、導電性の素材からなり、たとえば、アルミニウムやステンレスなどの金属である。導電部品11は、角部を丸めた長方形の薄板を2度折り返してコ字状にした形状をしている。導電部品11は、熱抵抗を大きくするために、薄板(たとえば、0.1mm厚)で形成されている。
【0034】
導電部品11は、断熱部品10を挟持する挟持部23,27と、挟持部23と挟持部27を迂回接続する迂回接続部26を有する。迂回接続部26は、導電部品迂回面19と接触し、導電部品11に断熱部品10を嵌装する際の突き当て部となる。
【0035】
挟持部23,27は、外形をD字状とし、直線部で迂回接続部26と接続する。挟持部23,27は、それぞれが対向する面を断熱部品10と接触する断熱部品接触面24とする。挟持部23,27は、断熱部品接触面24を背とする面を、基板4のグラウンドと接触、あるいは筺体3と接触するGND接触面22とする。挟持部23,27は、それぞれビス7を挿通するビス孔21を備える。
【0036】
なお、一枚の薄板を曲げ加工されて挟持部23,27、および迂回接続部26を有する導電部品11を例示したが、導電部品11は、挟持部23,27、および迂回接続部26としての機能を有する別体部品を結合して構成してもよい。
【0037】
次に、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造について図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。
【0038】
図8に示す断面図は、筺体3が基板4を支持した状態において、副ボス(大)38と、副ボス(小)33を通る位置で、基板4の底面から垂直に切断した基板取付構造の断面図である。
【0039】
筺体3と基板4のそれぞれの対向面は、高さh1の間隙を有して離間する。締結部8は、床面(筺体3の基板4に対する対向面)から高さh2だけ立ちあがった位置に台座30を有する。台座30は、高さh3のスペーサ9を載置する。スペーサ9は、板厚h4の導電部品11が高さh5の断熱部品10を嵌装する。
【0040】
基板4の下面(基板4の筺体3に対する対向面)には、GNDパタン6がある。GNDパタン6は、導電部品11のGND接触面22と面接触する。導電部品11は、もう一つのGND接触面22で台座30と面接触する。したがって、基板4のGNDパタン6と筺体3は、導電部品11を介して導通して、グラウンド接続する。同時に、導電部品11は、基板4の熱を筺体3に伝導する。
【0041】
しかしながら、スペーサ9の本体となる断熱部品10は、断熱性を有するため、基板4から筺体3に伝導する熱量は制限される。このように、スペーサ9は、基板4を支持可能でありながら、基板4から筺体3に伝導する熱量を制限可能である。
【0042】
また、電子機器1は、基板4から筺体3に伝導する熱を締結部8によって受けるため、締結部8の体積により温度上昇を緩和し、締結部8の表面積により放熱をおこなうことができる。
【0043】
このようにして、電子機器1は、筺体3のヒートスポット抑制と、筺体3と基板4とのグラウンド接続とを両立する。
【0044】
また、ビス7が金属性である場合など熱抵抗が小さい場合には、ビス7が基板4から筺体3に伝導する熱を無視できないが、その場合であっても、スペーサ9は、基板4から筺体3に伝導する熱量を制限可能である。なお、ビス7が樹脂性である場合など熱抵抗が大きい場合には、ビス7が基板4から筺体3に伝導する熱を無視することができる場合がある。
【0045】
次に、第1の実施形態のスペーサの変形例について図9を用いて説明する。図9は、第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。図9(a)に示すスペーサ42と、図9(b)に示すスペーサ45と、図9(c)に示すスペーサ48とは、取付部90,92,93,95,96,98の高さをd1とする点で共通する。
【0046】
スペーサ42は、基板支持部91の高さが取付部90,92と同じd1である。スペーサ42は、基板支持部91の高さd1の断熱部品40と、基板支持部91の高さd1に対応する導電部品41によって構成される。
【0047】
スペーサ45は、基板支持部94の高さが取付部93,95の高さd1より大きな(d1+d2)である。スペーサ45は、基板支持部94の高さ(d1+d2)の断熱部品43と、基板支持部94の高さ(d1+d2)に対応する導電部品44によって構成される。
【0048】
スペーサ48は、基板支持部97の高さが取付部96,98の高さd1より大きな(d1+d3)である。スペーサ48は、基板支持部97の高さ(d1+d3)の断熱部品46と、基板支持部97の高さ(d1+d3)に対応する導電部品47によって構成される。ただし、d3は、d2より大きい。
【0049】
このように、電子機器1は、基板支持部の高さを任意に設定可能である。スペーサ42,45,48を載置する台座30の高さを同一にすれば、電子機器1は、用いるスペーサによって、筺体3と基板4の間隙を調整可能である。また、スペーサ42,45,48を載置する台座30の高さを用いるスペーサによって異ならせれば、電子機器1は、断熱性能を違えながら、筺体3と基板4の間隙を一定にすることができる。
【0050】
次に、第1の実施形態の断熱部品の厚さ(高さ)とホットスポット温度、IC温度との関係について図10を用いて説明する。図10は、第1の実施形態の断熱部品の厚さとホットスポット温度、IC温度の関係を示すグラフである。なお、温度単位は、摂氏温度(℃)である。
【0051】
図10に示すグラフは、断熱部品の厚さ(基板支持部の高さ)を0(すなわち、断熱部品なし)から、0.5mm刻みで、0.5mm、1.0mm、1.5mm、および2.0mmとした場合のホットスポット温度と、IC温度との関係を示す。ホットスポット温度は、筺体3の表面温度分布のうち最高温度となる場所の温度である。IC温度は、基板4が実装する発熱体であるICの表面温度である。
【0052】
IC温度は、断熱部品の厚さが大きくなるほど上昇する傾向にある。より具体的には、IC温度は、断熱部品の厚さが0.5mmを超える程度までで顕著な温度上昇がみられ、断熱部品の厚さが0.5mmを超えてからは、緩やかな温度上昇がみられる。
【0053】
一方、ホットスポット温度は、断熱部品の厚さが大きくなるほど低減する傾向にある。より具体的には、ホットスポット温度は、断熱部品の厚さが0.5mmを超える程度までで顕著な温度低下がみられ、断熱部品の厚さが0.5mmを超えてからは、緩やかな温度低下がみられる。
【0054】
このように、ICは、基板4を通じて筺体3に熱を逃がすことによって温度上昇を抑制可能であり、筺体3は、基板4と断熱することによりホットスポットの発生を抑制可能である。
【0055】
電子機器1が備えるスペーサは、断熱部品により断熱しながら、導電部品により伝熱する。そのため、電子機器1は、断熱部品の厚さを適切に設定することにより、ICの温度上昇の抑制と、ホットスポットの発生の抑制という対立する要求を両立可能である。
【0056】
電子機器1は、基板4が実装するICの温度を動作保証温度以下にする範囲で、ホットスポット温度を低減する断熱部品の厚さを設定することが望ましい。たとえば、ICの動作保証温度が摂氏89.5度であれば、電子機器1は、断熱部品の厚さを1.5mm程度に設定可能である。
【0057】
次に、第1の実施形態のスペーサの変形例について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。
【0058】
スペーサ51は、取付部99,101の高さをd1とする点で、上記したスペーサ42,45,48と共通する。スペーサ51は、基板支持部100が取付部99,101の1つの面より高さd4だけ突出し、取付部99,101のもう1つの面より高さd5だけ突出する。すなわち、スペーサ51は、基板支持部100の高さが取付部99,101の高さd1より大きな(d1+d4+d5)である。スペーサ51は、基板支持部100の高さ(d1+d4+d5)の断熱部品49と、基板支持部100の高さ(d1+d4+d5)に対応する導電部品50によって構成される。
【0059】
これにより、電子機器1は、台座30の高さを変えることなく高さd4を任意に設定すれば、筺体3と基板4の間隙を調整可能である。また、電子機器1は、副ボス(小)33と副ボス(大)38の高さを変えることなく高さd5を任意に設定すれば、断熱性能を違えながら、筺体3と基板4の間隙を一定にすることができる。
【0060】
次に、第1の実施形態の導電部品の変形例について図12から図14を用いて説明する。図12から図14は、第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【0061】
図12(a)に示す導電部品52は、迂回接続部53の両脇に切欠き部54,54を備える。迂回接続部53は、幅w1を有し、切欠き部54,54によって切欠かれた部分で幅w1より狭い幅w2を有する。したがって、導電部品52は、切欠き部54,54によって熱抵抗が増大する。このように、導電部品52は、切欠き部54,54によって切欠かれた部分の幅w2により熱抵抗を調整可能である。
【0062】
図12(b)に示す導電部品55は、迂回接続部56の両脇に切欠き部57,57を備え、切欠き部57,57を挟んで上下に窓部58,58を備える。迂回接続部56は、切欠き部57,57、および窓部58,58によって、熱が伝導する経路幅が狭くなるとともに、経路長が増大する。したがって、導電部品55は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品55は、迂回接続部56における熱伝導路の経路幅および経路長により熱抵抗を調整可能である。
【0063】
図13(a)に示す導電部品59は、迂回接続部61の両脇に切欠き部60,60と、フィン62,62を備える。迂回接続部61は、切欠き部60,60によって、熱が伝導する経路幅が狭くなる。したがって、導電部品59は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品59は、迂回接続部61における熱伝導路の経路幅により熱抵抗を調整可能である。また、迂回接続部61は、フィン62,62によって、伝導する熱を放熱する。このように、導電部品59は、迂回接続部61における表面積の増大により放熱可能である。
【0064】
図13(b)に示す導電部品63は、迂回接続部64の両脇にフィン65,65を備える。迂回接続部64は、フィン65,65によって、伝導する熱を放熱する。このように、導電部品63は、迂回接続部64における表面積の増大により放熱可能である。
【0065】
図14(a)に示す導電部品66は、迂回接続部67に屈曲部68を備える。迂回接続部67は、屈曲部68によって熱が伝導する経路長が増大する。したがって、導電部品66は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品66は、迂回接続部67における熱伝導路の経路長により熱抵抗を調整可能である。また、迂回接続部67は、断熱部品の導電部品迂回面と非接触となるため、断熱部品との間に空気層を有し、迂回接続部67を伝導する熱を放熱する。このように、導電部品66は、迂回接続部67における空気と接触する表面積の増大により放熱可能である。
【0066】
図14(b)に示す導電部品69は、迂回接続部70に曲面部71を備える。迂回接続部70は、曲面部71によって熱が伝導する経路長が増大する。したがって、導電部品69は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品69は、迂回接続部70における熱伝導路の経路長により熱抵抗を調整可能である。また、迂回接続部70は、断熱部品の導電部品迂回面と非接触となるため、断熱部品との間に空気層を有し、迂回接続部70を伝導する熱を放熱する。このように、導電部品69は、迂回接続部70における空気と接触する表面積の増大により放熱可能である。
【0067】
このように、電子機器1は、導電部品の形状によって熱抵抗と放熱量とを設定可能であり、基板4から筺体3に伝導する熱量を調整可能である。
【0068】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の電子機器について図15、図16を用いて説明する。図15は、第2の実施形態のスペーサの斜視図である。図16は、第2の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。第2の実施形態の電子機器は、断熱部品の表面に導電性処理を施すことにより、導電部品を用いない点で第1の実施形態の電子機器と異なる。なお、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同様の構成について符号を同じにして詳細な説明を省略する。
【0069】
図15(a)に示すスペーサ75は、断熱性を有する本体部の表面にメッキ加工(導電性処理)をおこなっている。たとえば、ABS樹脂からなる本体部にクロムメッキを施す。これにより、スペーサ75は、断熱性と導電性とを両立する。
【0070】
図15(b)に示すスペーサ76は、断熱性を有する本体部の表面に蒸着加工(導電性処理)をおこなっている。たとえば、ABS樹脂からなる本体部にアルミ蒸着を施す。これにより、スペーサ76は、断熱性と導電性とを両立する。
【0071】
図16に示す断面図は、筺体3が基板4を支持した状態において、副ボス(大)38と、副ボス(小)33を通る位置で、基板4の底面から垂直に切断した基板取付構造の断面図である。
【0072】
筺体3と基板4のそれぞれの対向面は、高さh1の間隙を有して離間する。締結部8は、床面(筺体3の基板4に対する対向面)から高さh2だけ立ちあがった位置に台座30を有する。台座30は、高さh6のスペーサ75を載置する。
【0073】
基板4の下面(基板4の筺体3に対する対向面)には、GNDパタン6がある。GNDパタン6は、スペーサ75と面接触する。スペーサ75は、台座30と面接触する。したがって、基板4のGNDパタン6と筺体3は、スペーサ75を介して導通して、グラウンド接続する。同時に、スペーサ75は、基板4の熱を筺体3に伝導する。
【0074】
しかしながら、スペーサ75は、断熱性を有するため、基板4から筺体3に伝導する熱量は制限される。このように、スペーサ75は、基板4を支持可能でありながら、基板4から筺体3に伝導する熱量を制限可能である。
【0075】
また、電子機器1は、基板4から筺体3に伝導する熱を締結部8によって受けるため、締結部8の体積により温度上昇を緩和し、締結部8の表面積により放熱をおこなうことができる。
【0076】
このようにして、電子機器1は、筺体3のヒートスポット抑制と、筺体3と基板4とのグラウンド接続とを両立する。
【0077】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)少なくとも一部に導電性を有する筺体と、
発熱体を搭載し、グラウンドパタンを有する基板と、
前記筺体と前記グラウンドパタンの間に位置し、前記グラウンドパタンおよび前記筺体と接触して前記グラウンドパタンと前記筺体を導通する導通部と、断熱性を有する本体部とからなるスペーサと、
を備える電子機器。
(2)前記筺体は、導電性を有するとともに前記基板を支持する支持部を備え、
前記スペーサは、前記基板と前記支持部との間に備えられる、
(1)記載の電子機器。
(3)前記スペーサは、前記本体部である断熱部材と、前記導通部である導電性部材とからなる(1)または(2)記載の電子機器。
(4)前記スペーサは、前記本体部である断熱部材の表面に導電性処理を施して導通部とする(1)または(2)記載の電子機器。
(5)前記導電性部材は、
前記断熱部材と前記グラウンドパタンの間に位置する第1のグラウンド接続部と、
前記断熱部材と前記筺体の間に位置する第2のグラウンド接続部と、
前記断熱部材を迂回して、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部を接続する迂回接続部と、
を備える(3)記載の電子機器。
(6)前記導電性部材は、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部と前記迂回接続部をU字状にして接続する(5)記載の電子機器。
(7)前記導電性部材は、前記迂回接続部に熱抵抗増大部を備える(5)記載の電子機器。
(8)前記導電性部材は、前記迂回接続部に放熱部を備える(5)記載の電子機器。
(9)前記筺体は、前記支持部に放熱部を備える(2)乃至(8)のいずれか1つに記載の電子機器。
【0078】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0079】
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0080】
1……電子機器、2,3……筺体、4……基板、5……発熱部品、6……GNDパタン、7……ビス、8……締結部、9,42,45,48,51,75,76……スペーサ、10,40,43,46,49……断熱部品、11,41,44,47,50,52,55,59,63,66,69……導電部品、12,15,90,92,93,95,96,98,99,101……取付部、13……導電部品接触面、14,91,94,97,100……基板支持部、16……孔(小)、17,21,80……ビス孔、18,28……テーパ部、19……導電部品迂回面、20……孔(大)、22……GND接触面、23,27……挟持部、24……断熱部品接触面、26,53,56,61,64,67,70……迂回接続部、29……下穴、30……台座、31,37……側方支持部、32,36,62,65……フィン、33……副ボス(小)、34……ベース部、35……主ボス、38……副ボス(大)、54,57,60……切欠き部、58……窓部、68……屈曲部、71……曲面部
【技術分野】
【0001】
本技術は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、携帯型ゲーム機、デジタルカメラなどの電子機器は、高性能化、高機能化とともに、小型軽量化が図られてきている。電子機器は、高性能化、高機能化に伴い発熱量の大きな部品を搭載することがあっても、電子機器の筺体の薄型化や小型化に応えるために放熱対策がますます困難になってきている。
【0003】
放熱対策が十分でない場合に、電子機器の筺体の一部が高温化するヒートスポットが生じる。このような局所的な高温化を抑制するために、発熱体を実装する基板と筺体との間に放熱板を備え、放熱板と筺体との間に空気層を形成した電子機器の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−55642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、提案の電子機器は、基板と筺体の間に、放熱板と空気層とを備えることから、電子機器の筺体の一層の薄型化や小型化に応えるには十分でない。また、基板を支持する支持部からの熱伝導を避けるために支持部の配置の制約は、電子機器の筺体の一層の薄型化や小型化にとって不利である。また、提案の電子機器は、筺体と基板とのグラウンド接続についてまで、考慮されていない。
【0006】
本技術は、このような点に鑑みてなされたものであり、筺体のヒートスポット抑制と、筺体と基板とのグラウンド接続とを両立する電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、電子機器は、筺体と、基板と、スペーサとを備える。筺体は、少なくとも一部に導電性を有する。基板は、発熱体を搭載し、グラウンドパタンを有する。スペーサは、筺体とグラウンドパタンの間に位置し、グラウンドパタンおよび筺体と接触してグラウンドパタンと筺体を導通する導通部と、断熱性を有する本体部とからなる。
【発明の効果】
【0008】
上記の電子機器によれば、筺体のヒートスポット抑制と、筺体と基板とのグラウンド接続とを両立する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の電子機器の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す分解斜視図である。
【図4】第1の実施形態の電子機器の筺体の基板取付部の斜視図である。
【図5】第1の実施形態のスペーサの斜視図である。
【図6】第1の実施形態の断熱部品の斜視図である。
【図7】第1の実施形態の導電部品の斜視図である。
【図8】第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。
【図9】第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。
【図10】第1の実施形態の断熱部品の厚さとホットスポット温度、IC温度の関係を示すグラフである。
【図11】第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。
【図12】第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【図13】第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【図14】第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【図15】第2の実施形態のスペーサの斜視図である。
【図16】第2の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の電子機器について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の電子機器の一例を示す図である。
【0012】
電子機器1は、入力装置(たとえば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなど)と出力装置(たとえば、液晶ディスプレイ、スピーカなど)を一体化し、2つ折りにして持ち運び可能なノート型パーソナルコンピュータである。なお、第1の実施形態では、電子機器の一例としてノート型パーソナルコンピュータを例示するが、携帯電話、携帯型ゲーム機、デジタルカメラなどの携帯型電子機器のほか、デスクトップ型パーソナルコンピュータなどの非携帯型電子機器であってもよい。
【0013】
電子機器1は、底部をなす箱型の筺体3と、筺体3の蓋体となる筺体2を備える。筺体2は、入力装置や出力装置などのユーザインタフェースを備える。筺体3は、基板4、および図示しない二次電池など、所要の部品を箱体に収容する。
【0014】
筺体3は、少なくとも一部に導電性を有する。たとえば、筺体3は、マグネシウム合金や導電性樹脂等の導電性材料の成形品や、ステンレスやアルミニウムなどの導電性材料の加工品である。あるいは、筺体3は、不導体である樹脂等の成形品または加工品を、金属板や金属箔で覆ったり、メッキや蒸着により導電性を付与したものであってもよい。
【0015】
なお、筺体2も筺体3と同様に、少なくとも一部に導電性を有する。電子機器1は、導電性を有する、筺体2と筺体3を用いることで、筺体内からのノイズ放出と、筺体外からのノイズ侵入を防止する。
【0016】
基板4は、発熱部品(たとえば、集積回路(IC:Integrated Circuit)、パワートランジスタ)5を実装(搭載)する。基板4は、裏面(筺体3と対向する面)にGND(グラウンド)パタン6を備える。基板4は、図示しないスペーサを介在して、ビス7により筺体3に締結される。
【0017】
スペーサは、後で詳述するが、断熱性を有する本体部と、筺体3とGNDパタン6と接触して筺体3とGNDパタン6とを導通する導通部とからなる。スペーサは、本体部により基板4から筺体3への熱伝導を抑制し、導通部により筺体3と基板4とのグラウンド接続をおこなう。
【0018】
このようにして、電子機器1は、筺体3のヒートスポット抑制と、筺体3と基板4とのグラウンド接続とを両立する。たとえば、筺体3のヒートスポット抑制は、ユーザが電子機器1を膝上において操作する場合に、ユーザの不快感を軽減する。
【0019】
なお、筺体3が基板4を支持する例を示したが、これに限らず、筺体2が基板を支持するものであってもよい。筺体2のヒートスポット抑制は、ユーザが電子機器1を操作する場合に、操作部やパームレスト部におけるユーザの不快感を軽減する。
【0020】
次に、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取り付け、および構成部品について図2から図7を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の一例を示す分解斜視図である。図4は、第1の実施形態の電子機器の筺体の基板取付部の斜視図である。図5は、第1の実施形態のスペーサの斜視図である。図6は、第1の実施形態の断熱部品の斜視図である。図7は、第1の実施形態の導電部品の斜視図である。
【0021】
筺体3は、基板4をビス7で締結する締結部8を有する。締結部8は、筺体3の床面(底面)から起立し、スペーサ9を介在させて基板4を支持する。締結部8は、筺体3の一部をなし、筺体3と一体に成形される。締結部8は、導電性を有し、たとえば、筺体3と同様にマグネシウム合金でできている。
【0022】
締結部8は、床面から一段立ちあがった略円形のベース部34を備える。ベース部34は、ベース部34と中心を同一にして、ベース部34の上に主ボス35を立設する。ベース部34は、それぞれ90度の間隔を置いて主ボス35の円周面に隣接する、副ボス(小)33と副ボス(大)38とフィン32とフィン36を、ベース部34と床面とに跨るようにして立設する。副ボス(小)33と副ボス(大)は、主ボス35を間に置いて対向するように配置される。フィン32とフィン36は、主ボス35を間に置いて対向するように配置される。
【0023】
主ボス35は、上面(基板4と対向する面)を、スペーサ9を載置する台座30として、ビス7のタッピング用の下穴29を中心部に備える。主ボス35は、下穴29と台座30の接続部にテーパ部28を備える。
【0024】
副ボス(小)33は、下方(床面)から上方に向かって小径になる円柱状のボスである。副ボス(小)33は、主ボス35より高さがあり、主ボス35までの高さで主ボス35と側方で接続し、台座30を超えて突出する。これにより、副ボス(小)33は、スペーサ9の孔(小)16に嵌入し、スペーサ9の載置位置を案内する。
【0025】
副ボス(大)38は、下方(床面)から上方に向かって小径になる円柱状のボスである。副ボス(大)38は、主ボス35より高さがあり、主ボス35までの高さで主ボス35と側方で接続し、台座30を超えて突出する。これにより、副ボス(大)38は、スペーサ9の孔(大)20に嵌入し、スペーサ9の載置位置を案内する。副ボス(大)38と副ボス(小)33は、異径であり、載置する際のスペーサ9の向きを一意に決める。副ボス(大)38は、副ボス(小)33と比較して大径であり、スペーサ9の孔(大)20への嵌入位置の探りを容易にしている。
【0026】
フィン32とフィン36は、略台形の薄板状である。フィン32とフィン36は、主ボス35より高さがあり、主ボス35までの高さで主ボス35と側方で接続し、台座30を超えて突出する。これにより、フィン32は、側方支持部31でスペーサ9を側方から支持する。フィン36は、側方支持部37でスペーサ9を側方から支持する。
【0027】
副ボス(小)33と副ボス(大)38とフィン32とフィン36は、締結部8の体積を増大して熱容量を増大させ、締結部8の表面積を増大して放熱量を増大させる。これにより、締結部8は、基板4から伝導する熱による、筺体3のヒートスポット発生を抑制する。
【0028】
スペーサ9は、締結部8の台座30上に載置される。スペーサ9は、所定の高さを有し、締結部8と基板4の間に介在して、筺体3と基板4との間に所定の間隙を設ける。スペーサ9は、断熱性を有する断熱部品10と導電性を有する導電部品11とから構成される。スペーサ9は、コ字状(あるいはU字状)の導電部品11に断熱部品10を嵌装する。
【0029】
断熱部品10は、底面の外形をD字状とする柱状の基板支持部14と、基板支持部14の両側に、基板支持部14より一段低い舌状の取付部12,15を備える。基板支持部14と取付部12,15は、台座30に載置される面を面一にする。断熱部品10は、断熱性(たとえば、熱伝導率0.026W/m・K以上)を有して、基板4から筺体3への伝熱を制限する。断熱部品10は、たとえば、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体(ABS樹脂)の成形品を用いることができる。
【0030】
基板支持部14は、外形をD字状の底面(基板4に対向する面、および台座30に載置される面)を導電部品11と接触する導電部品接触面13とする。基板支持部14は、締結部8に載置されて、締結部8との間に所定の間隙(概ね基板支持部14の高さに相当)を設けて基板4を支持する。導電部品接触面13は、中心部にビス孔17を備える。導電部品接触面13は、ビス孔17と導電部品接触面13の接続部にテーパ部18を備える。ビス孔17は、基板4のビス孔80、導電部品11のビス孔21とともにビス7を挿通する。
【0031】
基板支持部14は、平面となる側面に導電部品11のグラウンド経路が迂回する迂回接続部26に対向する導電部品迂回面19を備える。断熱部品10は、導電部品迂回面19から導電部品11に嵌装される。
【0032】
取付部12は、孔(大)20を備え、スペーサ9が台座30に載置されるときに副ボス(大)38を挿通する。取付部15は、孔(大)20より小径の孔(小)16を備え、スペーサ9が台座30に載置されるときに副ボス(小)33を挿通する。
【0033】
導電部品11は、導電性を有して、基板4のグラウンドと筺体3とをグラウンド接続する。導電部品11は、導電性の素材からなり、たとえば、アルミニウムやステンレスなどの金属である。導電部品11は、角部を丸めた長方形の薄板を2度折り返してコ字状にした形状をしている。導電部品11は、熱抵抗を大きくするために、薄板(たとえば、0.1mm厚)で形成されている。
【0034】
導電部品11は、断熱部品10を挟持する挟持部23,27と、挟持部23と挟持部27を迂回接続する迂回接続部26を有する。迂回接続部26は、導電部品迂回面19と接触し、導電部品11に断熱部品10を嵌装する際の突き当て部となる。
【0035】
挟持部23,27は、外形をD字状とし、直線部で迂回接続部26と接続する。挟持部23,27は、それぞれが対向する面を断熱部品10と接触する断熱部品接触面24とする。挟持部23,27は、断熱部品接触面24を背とする面を、基板4のグラウンドと接触、あるいは筺体3と接触するGND接触面22とする。挟持部23,27は、それぞれビス7を挿通するビス孔21を備える。
【0036】
なお、一枚の薄板を曲げ加工されて挟持部23,27、および迂回接続部26を有する導電部品11を例示したが、導電部品11は、挟持部23,27、および迂回接続部26としての機能を有する別体部品を結合して構成してもよい。
【0037】
次に、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造について図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。
【0038】
図8に示す断面図は、筺体3が基板4を支持した状態において、副ボス(大)38と、副ボス(小)33を通る位置で、基板4の底面から垂直に切断した基板取付構造の断面図である。
【0039】
筺体3と基板4のそれぞれの対向面は、高さh1の間隙を有して離間する。締結部8は、床面(筺体3の基板4に対する対向面)から高さh2だけ立ちあがった位置に台座30を有する。台座30は、高さh3のスペーサ9を載置する。スペーサ9は、板厚h4の導電部品11が高さh5の断熱部品10を嵌装する。
【0040】
基板4の下面(基板4の筺体3に対する対向面)には、GNDパタン6がある。GNDパタン6は、導電部品11のGND接触面22と面接触する。導電部品11は、もう一つのGND接触面22で台座30と面接触する。したがって、基板4のGNDパタン6と筺体3は、導電部品11を介して導通して、グラウンド接続する。同時に、導電部品11は、基板4の熱を筺体3に伝導する。
【0041】
しかしながら、スペーサ9の本体となる断熱部品10は、断熱性を有するため、基板4から筺体3に伝導する熱量は制限される。このように、スペーサ9は、基板4を支持可能でありながら、基板4から筺体3に伝導する熱量を制限可能である。
【0042】
また、電子機器1は、基板4から筺体3に伝導する熱を締結部8によって受けるため、締結部8の体積により温度上昇を緩和し、締結部8の表面積により放熱をおこなうことができる。
【0043】
このようにして、電子機器1は、筺体3のヒートスポット抑制と、筺体3と基板4とのグラウンド接続とを両立する。
【0044】
また、ビス7が金属性である場合など熱抵抗が小さい場合には、ビス7が基板4から筺体3に伝導する熱を無視できないが、その場合であっても、スペーサ9は、基板4から筺体3に伝導する熱量を制限可能である。なお、ビス7が樹脂性である場合など熱抵抗が大きい場合には、ビス7が基板4から筺体3に伝導する熱を無視することができる場合がある。
【0045】
次に、第1の実施形態のスペーサの変形例について図9を用いて説明する。図9は、第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。図9(a)に示すスペーサ42と、図9(b)に示すスペーサ45と、図9(c)に示すスペーサ48とは、取付部90,92,93,95,96,98の高さをd1とする点で共通する。
【0046】
スペーサ42は、基板支持部91の高さが取付部90,92と同じd1である。スペーサ42は、基板支持部91の高さd1の断熱部品40と、基板支持部91の高さd1に対応する導電部品41によって構成される。
【0047】
スペーサ45は、基板支持部94の高さが取付部93,95の高さd1より大きな(d1+d2)である。スペーサ45は、基板支持部94の高さ(d1+d2)の断熱部品43と、基板支持部94の高さ(d1+d2)に対応する導電部品44によって構成される。
【0048】
スペーサ48は、基板支持部97の高さが取付部96,98の高さd1より大きな(d1+d3)である。スペーサ48は、基板支持部97の高さ(d1+d3)の断熱部品46と、基板支持部97の高さ(d1+d3)に対応する導電部品47によって構成される。ただし、d3は、d2より大きい。
【0049】
このように、電子機器1は、基板支持部の高さを任意に設定可能である。スペーサ42,45,48を載置する台座30の高さを同一にすれば、電子機器1は、用いるスペーサによって、筺体3と基板4の間隙を調整可能である。また、スペーサ42,45,48を載置する台座30の高さを用いるスペーサによって異ならせれば、電子機器1は、断熱性能を違えながら、筺体3と基板4の間隙を一定にすることができる。
【0050】
次に、第1の実施形態の断熱部品の厚さ(高さ)とホットスポット温度、IC温度との関係について図10を用いて説明する。図10は、第1の実施形態の断熱部品の厚さとホットスポット温度、IC温度の関係を示すグラフである。なお、温度単位は、摂氏温度(℃)である。
【0051】
図10に示すグラフは、断熱部品の厚さ(基板支持部の高さ)を0(すなわち、断熱部品なし)から、0.5mm刻みで、0.5mm、1.0mm、1.5mm、および2.0mmとした場合のホットスポット温度と、IC温度との関係を示す。ホットスポット温度は、筺体3の表面温度分布のうち最高温度となる場所の温度である。IC温度は、基板4が実装する発熱体であるICの表面温度である。
【0052】
IC温度は、断熱部品の厚さが大きくなるほど上昇する傾向にある。より具体的には、IC温度は、断熱部品の厚さが0.5mmを超える程度までで顕著な温度上昇がみられ、断熱部品の厚さが0.5mmを超えてからは、緩やかな温度上昇がみられる。
【0053】
一方、ホットスポット温度は、断熱部品の厚さが大きくなるほど低減する傾向にある。より具体的には、ホットスポット温度は、断熱部品の厚さが0.5mmを超える程度までで顕著な温度低下がみられ、断熱部品の厚さが0.5mmを超えてからは、緩やかな温度低下がみられる。
【0054】
このように、ICは、基板4を通じて筺体3に熱を逃がすことによって温度上昇を抑制可能であり、筺体3は、基板4と断熱することによりホットスポットの発生を抑制可能である。
【0055】
電子機器1が備えるスペーサは、断熱部品により断熱しながら、導電部品により伝熱する。そのため、電子機器1は、断熱部品の厚さを適切に設定することにより、ICの温度上昇の抑制と、ホットスポットの発生の抑制という対立する要求を両立可能である。
【0056】
電子機器1は、基板4が実装するICの温度を動作保証温度以下にする範囲で、ホットスポット温度を低減する断熱部品の厚さを設定することが望ましい。たとえば、ICの動作保証温度が摂氏89.5度であれば、電子機器1は、断熱部品の厚さを1.5mm程度に設定可能である。
【0057】
次に、第1の実施形態のスペーサの変形例について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のスペーサの変形例の斜視図である。
【0058】
スペーサ51は、取付部99,101の高さをd1とする点で、上記したスペーサ42,45,48と共通する。スペーサ51は、基板支持部100が取付部99,101の1つの面より高さd4だけ突出し、取付部99,101のもう1つの面より高さd5だけ突出する。すなわち、スペーサ51は、基板支持部100の高さが取付部99,101の高さd1より大きな(d1+d4+d5)である。スペーサ51は、基板支持部100の高さ(d1+d4+d5)の断熱部品49と、基板支持部100の高さ(d1+d4+d5)に対応する導電部品50によって構成される。
【0059】
これにより、電子機器1は、台座30の高さを変えることなく高さd4を任意に設定すれば、筺体3と基板4の間隙を調整可能である。また、電子機器1は、副ボス(小)33と副ボス(大)38の高さを変えることなく高さd5を任意に設定すれば、断熱性能を違えながら、筺体3と基板4の間隙を一定にすることができる。
【0060】
次に、第1の実施形態の導電部品の変形例について図12から図14を用いて説明する。図12から図14は、第1の実施形態の導電部品の変形例の斜視図である。
【0061】
図12(a)に示す導電部品52は、迂回接続部53の両脇に切欠き部54,54を備える。迂回接続部53は、幅w1を有し、切欠き部54,54によって切欠かれた部分で幅w1より狭い幅w2を有する。したがって、導電部品52は、切欠き部54,54によって熱抵抗が増大する。このように、導電部品52は、切欠き部54,54によって切欠かれた部分の幅w2により熱抵抗を調整可能である。
【0062】
図12(b)に示す導電部品55は、迂回接続部56の両脇に切欠き部57,57を備え、切欠き部57,57を挟んで上下に窓部58,58を備える。迂回接続部56は、切欠き部57,57、および窓部58,58によって、熱が伝導する経路幅が狭くなるとともに、経路長が増大する。したがって、導電部品55は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品55は、迂回接続部56における熱伝導路の経路幅および経路長により熱抵抗を調整可能である。
【0063】
図13(a)に示す導電部品59は、迂回接続部61の両脇に切欠き部60,60と、フィン62,62を備える。迂回接続部61は、切欠き部60,60によって、熱が伝導する経路幅が狭くなる。したがって、導電部品59は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品59は、迂回接続部61における熱伝導路の経路幅により熱抵抗を調整可能である。また、迂回接続部61は、フィン62,62によって、伝導する熱を放熱する。このように、導電部品59は、迂回接続部61における表面積の増大により放熱可能である。
【0064】
図13(b)に示す導電部品63は、迂回接続部64の両脇にフィン65,65を備える。迂回接続部64は、フィン65,65によって、伝導する熱を放熱する。このように、導電部品63は、迂回接続部64における表面積の増大により放熱可能である。
【0065】
図14(a)に示す導電部品66は、迂回接続部67に屈曲部68を備える。迂回接続部67は、屈曲部68によって熱が伝導する経路長が増大する。したがって、導電部品66は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品66は、迂回接続部67における熱伝導路の経路長により熱抵抗を調整可能である。また、迂回接続部67は、断熱部品の導電部品迂回面と非接触となるため、断熱部品との間に空気層を有し、迂回接続部67を伝導する熱を放熱する。このように、導電部品66は、迂回接続部67における空気と接触する表面積の増大により放熱可能である。
【0066】
図14(b)に示す導電部品69は、迂回接続部70に曲面部71を備える。迂回接続部70は、曲面部71によって熱が伝導する経路長が増大する。したがって、導電部品69は、熱抵抗が増大する。このように、導電部品69は、迂回接続部70における熱伝導路の経路長により熱抵抗を調整可能である。また、迂回接続部70は、断熱部品の導電部品迂回面と非接触となるため、断熱部品との間に空気層を有し、迂回接続部70を伝導する熱を放熱する。このように、導電部品69は、迂回接続部70における空気と接触する表面積の増大により放熱可能である。
【0067】
このように、電子機器1は、導電部品の形状によって熱抵抗と放熱量とを設定可能であり、基板4から筺体3に伝導する熱量を調整可能である。
【0068】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の電子機器について図15、図16を用いて説明する。図15は、第2の実施形態のスペーサの斜視図である。図16は、第2の実施形態の電子機器の筺体への基板取付構造の断面図である。第2の実施形態の電子機器は、断熱部品の表面に導電性処理を施すことにより、導電部品を用いない点で第1の実施形態の電子機器と異なる。なお、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同様の構成について符号を同じにして詳細な説明を省略する。
【0069】
図15(a)に示すスペーサ75は、断熱性を有する本体部の表面にメッキ加工(導電性処理)をおこなっている。たとえば、ABS樹脂からなる本体部にクロムメッキを施す。これにより、スペーサ75は、断熱性と導電性とを両立する。
【0070】
図15(b)に示すスペーサ76は、断熱性を有する本体部の表面に蒸着加工(導電性処理)をおこなっている。たとえば、ABS樹脂からなる本体部にアルミ蒸着を施す。これにより、スペーサ76は、断熱性と導電性とを両立する。
【0071】
図16に示す断面図は、筺体3が基板4を支持した状態において、副ボス(大)38と、副ボス(小)33を通る位置で、基板4の底面から垂直に切断した基板取付構造の断面図である。
【0072】
筺体3と基板4のそれぞれの対向面は、高さh1の間隙を有して離間する。締結部8は、床面(筺体3の基板4に対する対向面)から高さh2だけ立ちあがった位置に台座30を有する。台座30は、高さh6のスペーサ75を載置する。
【0073】
基板4の下面(基板4の筺体3に対する対向面)には、GNDパタン6がある。GNDパタン6は、スペーサ75と面接触する。スペーサ75は、台座30と面接触する。したがって、基板4のGNDパタン6と筺体3は、スペーサ75を介して導通して、グラウンド接続する。同時に、スペーサ75は、基板4の熱を筺体3に伝導する。
【0074】
しかしながら、スペーサ75は、断熱性を有するため、基板4から筺体3に伝導する熱量は制限される。このように、スペーサ75は、基板4を支持可能でありながら、基板4から筺体3に伝導する熱量を制限可能である。
【0075】
また、電子機器1は、基板4から筺体3に伝導する熱を締結部8によって受けるため、締結部8の体積により温度上昇を緩和し、締結部8の表面積により放熱をおこなうことができる。
【0076】
このようにして、電子機器1は、筺体3のヒートスポット抑制と、筺体3と基板4とのグラウンド接続とを両立する。
【0077】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)少なくとも一部に導電性を有する筺体と、
発熱体を搭載し、グラウンドパタンを有する基板と、
前記筺体と前記グラウンドパタンの間に位置し、前記グラウンドパタンおよび前記筺体と接触して前記グラウンドパタンと前記筺体を導通する導通部と、断熱性を有する本体部とからなるスペーサと、
を備える電子機器。
(2)前記筺体は、導電性を有するとともに前記基板を支持する支持部を備え、
前記スペーサは、前記基板と前記支持部との間に備えられる、
(1)記載の電子機器。
(3)前記スペーサは、前記本体部である断熱部材と、前記導通部である導電性部材とからなる(1)または(2)記載の電子機器。
(4)前記スペーサは、前記本体部である断熱部材の表面に導電性処理を施して導通部とする(1)または(2)記載の電子機器。
(5)前記導電性部材は、
前記断熱部材と前記グラウンドパタンの間に位置する第1のグラウンド接続部と、
前記断熱部材と前記筺体の間に位置する第2のグラウンド接続部と、
前記断熱部材を迂回して、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部を接続する迂回接続部と、
を備える(3)記載の電子機器。
(6)前記導電性部材は、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部と前記迂回接続部をU字状にして接続する(5)記載の電子機器。
(7)前記導電性部材は、前記迂回接続部に熱抵抗増大部を備える(5)記載の電子機器。
(8)前記導電性部材は、前記迂回接続部に放熱部を備える(5)記載の電子機器。
(9)前記筺体は、前記支持部に放熱部を備える(2)乃至(8)のいずれか1つに記載の電子機器。
【0078】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0079】
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0080】
1……電子機器、2,3……筺体、4……基板、5……発熱部品、6……GNDパタン、7……ビス、8……締結部、9,42,45,48,51,75,76……スペーサ、10,40,43,46,49……断熱部品、11,41,44,47,50,52,55,59,63,66,69……導電部品、12,15,90,92,93,95,96,98,99,101……取付部、13……導電部品接触面、14,91,94,97,100……基板支持部、16……孔(小)、17,21,80……ビス孔、18,28……テーパ部、19……導電部品迂回面、20……孔(大)、22……GND接触面、23,27……挟持部、24……断熱部品接触面、26,53,56,61,64,67,70……迂回接続部、29……下穴、30……台座、31,37……側方支持部、32,36,62,65……フィン、33……副ボス(小)、34……ベース部、35……主ボス、38……副ボス(大)、54,57,60……切欠き部、58……窓部、68……屈曲部、71……曲面部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に導電性を有する筺体と、
発熱体を搭載し、グラウンドパタンを有する基板と、
前記筺体と前記グラウンドパタンの間に位置し、前記グラウンドパタンおよび前記筺体と接触して前記グラウンドパタンと前記筺体を導通する導通部と、断熱性を有する本体部とからなるスペーサと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記筺体は、導電性を有するとともに前記基板を支持する支持部を備え、
前記スペーサは、前記基板と前記支持部との間に備えられる、
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記スペーサは、前記本体部である断熱部材と、前記導通部である導電性部材とからなる請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記スペーサは、前記本体部である断熱部材の表面に導電性処理を施して導通部とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記導電性部材は、
前記断熱部材と前記グラウンドパタンの間に位置する第1のグラウンド接続部と、
前記断熱部材と前記筺体の間に位置する第2のグラウンド接続部と、
前記断熱部材を迂回して、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部を接続する迂回接続部と、
を備える請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
前記導電性部材は、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部と前記迂回接続部をU字状にして接続する請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記導電性部材は、前記迂回接続部に熱抵抗増大部を備える請求項5記載の電子機器。
【請求項8】
前記導電性部材は、前記迂回接続部に放熱部を備える請求項5記載の電子機器。
【請求項9】
前記筺体は、前記支持部に放熱部を備える請求項2記載の電子機器。
【請求項1】
少なくとも一部に導電性を有する筺体と、
発熱体を搭載し、グラウンドパタンを有する基板と、
前記筺体と前記グラウンドパタンの間に位置し、前記グラウンドパタンおよび前記筺体と接触して前記グラウンドパタンと前記筺体を導通する導通部と、断熱性を有する本体部とからなるスペーサと、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記筺体は、導電性を有するとともに前記基板を支持する支持部を備え、
前記スペーサは、前記基板と前記支持部との間に備えられる、
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記スペーサは、前記本体部である断熱部材と、前記導通部である導電性部材とからなる請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記スペーサは、前記本体部である断熱部材の表面に導電性処理を施して導通部とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記導電性部材は、
前記断熱部材と前記グラウンドパタンの間に位置する第1のグラウンド接続部と、
前記断熱部材と前記筺体の間に位置する第2のグラウンド接続部と、
前記断熱部材を迂回して、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部を接続する迂回接続部と、
を備える請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
前記導電性部材は、前記第1のグラウンド接続部と前記第2のグラウンド接続部と前記迂回接続部をU字状にして接続する請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記導電性部材は、前記迂回接続部に熱抵抗増大部を備える請求項5記載の電子機器。
【請求項8】
前記導電性部材は、前記迂回接続部に放熱部を備える請求項5記載の電子機器。
【請求項9】
前記筺体は、前記支持部に放熱部を備える請求項2記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−45918(P2013−45918A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183307(P2011−183307)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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