説明

電子機器

【課題】プリント配線基板と電気部品とを有する電子機器の薄型化を実現する。
【解決手段】携帯電話機は、板面上に基板接点352aが形成された操作側フロント基板352と、バイブレータと、操作側フロント基板352とバイブレータとを接続する接点プレート364を備える。接点プレート364は、基板接点352aに接触する第1の接触部364a、及び第1の接触部364aから操作側フロント基板352の板面に沿って基板外形の外側まで延伸する板状の延伸部364b,c,dを有する。また、接点プレート364は、延伸部364b,c,dの基板外形の外側の板面に形成された第2の接触部364eを有する。バイブレータは、第2の接触部364eに接触する部品接点3626及び本体部3622を有し、部品接点3626及び本体部3622の一部が操作側フロント基板352の端面352bに対向するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの電子機器には、バイブレータ、スピーカ、又はレシーバなどの各種の電気部品が搭載される。これらの電気部品は、電子機器に搭載されたプリント配線基板の配線パターンを介して、他の部品との間で電気信号の送信又は受信を行う。
【0003】
電気信号の送信又は受信を行うため、プリント配線基板上には、電気部品との接続用に接点部が形成され、電気部品の部品ボディーには、接点部との接続用に接触部が形成される。そして、プリント配線基板の接点部と電気部品の接触部は、例えば、アースバネ又は柔軟導電部材(メフィット)を介して電気的に接続される。また、プリント配線基板の接点部と電気部品の接触部は、他の部材を介さずに直接接続されることもある。
【0004】
また、従来技術では、プリント配線基板に形成された接点部と、プリント配線基板の板面に対向する位置に設けられたバイブレータの金属製のボディーとを、導電材料で形成されたシールドケース及びコンタクトを介して電気的に接続することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−49915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術は、プリント配線基板と電気部品とを有する電子機器の薄型化を実現することは考慮されていない。
【0007】
例えば、アースバネ又は柔軟導電部材を介して電気部品の接触部をプリント配線基板の接点部に接続する場合を考える。この場合、電気部品は、プリント配線基板の板面に対向する位置に存在することになる。したがって、少なくともプリント配線基板の板厚、アースバネ又は柔軟導電部材の厚み、電気部品の接触部の厚み、及び電気部品の部品ボディーの厚みを合計した厚みが全体の厚みとなる。
【0008】
仮に、電気部品の接触部をプリント配線基板の接点部に直接接続したとしても、やはり電気部品はプリント配線基板の板面に対向する位置に存在することになる。したがって、少なくともプリント配線基板の板厚、電気部品の接触部の厚み、及び電気部品の部品ボディーの厚みを合計した厚みが全体の厚みになる。その結果、プリント配線基板と電気部品とを合わせた全体の厚みが電子機器の薄型化を阻害する場合がある。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、プリント配線基板と電気部品とを有する電子機器の薄型化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する電子機器は、一つの態様において、板面上に他の部品との接点となる基板接点部が形成されたプリント配線基板を備える。また、電子機器は、前記基板接点部に接触する第1の接触部、該第1の接触部から前記プリント配線基板の前記板面に沿って前記プリント配線基板の外形の外側まで延伸する板状の延伸部、及び該延伸部の前記プリント配線基板の外形の外側の板面に形成された第2の接触部を有する導電部材を備える。また、電子機器は、前記第2の接触部に接触する部品接点部、及び該部品接点部が形成された本体部を有し、前記部品接点部又は前記本体部の少なくとも一部が前記プリント配線基板の端面に対向するように配置される電気部品を備える。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する電子機器の一つの態様によれば、プリント配線基板と電気部品とを有する電子機器の薄型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】図1Aは、携帯電話機を開いた状態の正面図である。
【図1B】図1Bは、携帯電話機を開いた状態の側面図である。
【図2A】図2Aは、携帯電話機を折りたたんだ状態の正面図である。
【図2B】図2Bは、携帯電話機を折りたたんだ状態の側面図である。
【図3】図3は、表示側モジュールの分解斜視図である。
【図4】図4は、操作側モジュールの分解斜視図である。
【図5】図5は、バイブレータの斜視図である。
【図6】図6は、図1の携帯電話機のA−A線における断面図である。
【図7】図7は、バイブレータと操作側フロント基板との接点構造の拡大模式図である。
【図8】図8は、スピーカの斜視図である。
【図9】図9は、図1の携帯電話機のB−B線における断面図である。
【図10】図10は、スピーカと操作側リア基板との接点構造の拡大模式図である。
【図11】図11は、レシーバの斜視図である。
【図12】図12は、図1の携帯電話機のC−C線における断面図である。
【図13】図13は、レシーバと表示側メイン基板との接点構造の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。例えば、以下の実施形態では、電子機器の一例として携帯電話機を挙げて説明するが、これに限らず、スマートフォン、PC(Personal Computer)又はPDA(Personal Digital Assistant)など、プリント配線基板と、このプリント配線基板に電気的に接続される電気部品とを備えた電子機器であれば以下の実施形態を適用することができる。また、以下の実施形態では、携帯電話機の電気部品として、バイブレータ、スピーカ、レシーバを例に挙げて説明したが、これに限らず、プリント配線基板と電気的に接続される電気部品に本実施形態を適用することができる。
【0014】
図1Aは、携帯電話機を開いた状態の正面図である。図1Bは、携帯電話機を開いた状態の側面図である。図2Aは、携帯電話機を折りたたんだ状態の正面図である。図2Bは、携帯電話機を折りたたんだ状態の側面図である。
【0015】
図1A,1B,2A,2Bに示すように、携帯電話機100は、表示側モジュール200と、操作側モジュール300とを有する。表示側モジュール200及び操作側モジュール300は、表示側モジュール200の一部を形成するヒンジ部210及び操作側モジュール300の一部を形成するヒンジ部310を介して互いに折りたたみ可能に接続されている。
【0016】
表示側モジュール200は、一面が開口した表示側フロントケース220と、一面が開国した表示側リアケース230とを有する。また、表示側モジュール200は、表示側フロントケース220及び表示側リアケース230の開口面を向かい合わせて互いに嵌め合うことにより形成される空間に収容される各種部品を有する。例えば、表示側フロントケース220の開口面の反対側の面の一部に開口が形成されており、この開口部分には、LCD(Liquid Crystal Display)240などの表示部が設けられる。
【0017】
操作側モジュール300は、一面が開口した操作側フロントケース320と、一面が開口した操作側リアケース330と、操作側リアケース330の開口面の反対側の面の約半分の範囲を覆うように操作側リアケース330に着脱可能に嵌合された操作側リアカバー332とを有する。また、操作側モジュール300は、操作側フロントケース320及び操作側リアケース330の開口面を向かい合わせて互いに嵌め合うことにより形成される空間に収容される各種部品を有する。例えば、操作側フロントケース320の開口面の反対側の面には、携帯電話機100の各種操作を行うためのキートップ340などが設けられる。
【0018】
次に、表示側モジュール200の詳細について説明する。図3は、表示側モジュールの分解斜視図である。図3に示すように、表示側モジュール200は、表示側フロントケース220及び表示側リアケース230によって形成される内部空間に、LCD240、及び表示側メイン基板250を有する。また、表示側モジュール200は、表示側フロントケース220及び表示側リアケース230によって形成される内部空間に、レシーバ262、接点プレート264、及びGPS(Global Positioning System)アンテナ266を有する。
【0019】
LCD240は、携帯電話機100の出力インターフェースであり、各種情報及び各種画面を表示する液晶パネルである。GPSアンテナ266は、GPS衛星から発信された電波を受信するアンテナである。レシーバ262は、GPSアンテナ266で受信された電波信号を受信して復調処理を行う受信機である。表示側メイン基板250は、例えばGPSアンテナ266で受信した電波信号をレシーバ262との間で送受信するための配線パターンが形成されたプリント配線基板である。接点プレート264は、表示側メイン基板250と、レシーバ262との間で信号を送受信するために用いられる板金である。表示側メイン基板250、レシーバ262、及び接点プレート264等の構造の詳細は後述する。
【0020】
次に、操作側モジュール300の詳細について説明する。図4は、操作側モジュールの分解斜視図である。図4に示すように、操作側モジュール300は、操作側フロントケース320及び操作側リアケース330によって形成される内部空間に、操作側フロント基板ユニット350、バイブレータ362、接点プレート364、及びバイブレータホルダ366を有する。また、操作側モジュール300は、操作側フロントケース320及び操作側リアケース330によって形成される内部空間に、操作側リア基板370、スピーカ382、接点プレート384、及び電池372を有する。操作側リアカバー332は、電池372を外部から出し入れできるように、操作側リアケース330の開口面と反対側の面の約半分の範囲を覆って操作側リアケース330に着脱可能に嵌合されている。
【0021】
操作側フロント基板ユニット350は、操作側フロント基板352、及び操作側フロント基板352の板面上に貼り付けられるトップテープ354等を有する。操作側フロント基板352は、例えばキートップ340のユーザによる押下にともなう操作信号を他の部品との間で送受信するための配線パターンが形成されたプリント配線基板である。トップテープ354は、操作側フロント基板352の板面上に形成された操作用接点となるメタルドームを覆う絶縁用のシートである。
【0022】
バイブレータ362は、携帯電話機の着信、又はメールの受信などをユーザに通知するために設けられた振動器である。バイブレータホルダ366は、バイブレータ362を収容するための空間が形成された収容容器である。接点プレート364は、操作側フロント基板352と、バイブレータ362との間で信号を送受信するために用いられる板金である。操作側フロント基板352、バイブレータ362、及び接点プレート364等の構造の詳細は後述する。
【0023】
操作側リア基板370は、例えばスピーカ382を駆動するための駆動信号をスピーカ382との間で送受信するための配線パターンが形成されたプリント配線基板である。スピーカ382は、操作側リア基板370から送信された駆動信号に応じて音声を外部へ出力するスピーカである。接点プレート384は、操作側リア基板370と、スピーカ382との間で信号を送受信するために用いられる板金である。操作側リア基板370、スピーカ382、及び接点プレート384等の構造の詳細は後述する。
【0024】
次に、操作側フロント基板352、バイブレータ362、及び接点プレート364等の構造について説明する。図5は、バイブレータの斜視図である。図6は、図1の携帯電話機のA−A線における断面図である。図7は、バイブレータと操作側フロント基板との接点構造の拡大模式図である。なお、図7は、説明の便宜上、各部品を模式的に描いているので、実際の部品寸法とは異なる場合がある。
【0025】
まず、図5に示すように、バイブレータ362は、本体部3622、重り部3624、及び本体部3622に形成された部品接点3626を有する。本体部3622の内部には重り部3624を回転させるためのモータが収容される。重り部3624は、モータの軸に重心を偏らせて設けられており、モータの回転により振動を発生させる。部品接点3626は、モータを駆動して振動を発生させるための駆動信号を他の部品から受信するための電気的な接点である。部品接点3626は、例えば一端がモータに接続された帯状の板金であり、板金の他端をアーチ状に折り曲げることによりバネ性を有している。
【0026】
次に、図6に示すように、操作側フロントケース320及び操作側リアケース330は、ネジ346によって互いに接続されている。また、操作側リアケース330には、ワンセグアンテナ342が設けられ、ワンセグアンテナ342で受信された電波信号は、接点バネ344を介して操作側フロント基板352に伝達される。
【0027】
また、図6及び図7に示すように、操作側フロント基板352には、板面上に他の部品(バイブレータ)との接点となる基板接点352aが形成される。基板接点352aは、例えば操作側フロント基板352に形成された配線パターンの導電部が剥き出しになったランドなどである。また、バイブレータ362は、本体部3622及び部品接点3626の一部が操作側フロント基板352の端面352bに対向するように配置されている。
【0028】
また、接点プレート364は、操作側フロント基板352の板厚(t)よりも薄く形成された板厚(i)の板金であり、導電性を有している。接点プレート364は、基板接点352aに接触する第1の接触部から操作側フロント基板352の板面に沿って操作側フロント基板352の外形の外側まで延伸し、操作側フロント基板352の外形の外側の板面に部品接点3626と接触する第2の接触部が形成される。
【0029】
より具体的に、接点プレート364は、基板接点352aに接触する第1の接触部364aと、第1の接触部364aから操作側フロント基板352の板面に沿って操作側フロント基板352の外形の外側まで延伸する第1の延伸部364bとを有する。第1の接触部364aは、第1の延伸部364bの板面に形成された突起である。また、接点プレート364は、第1の延伸部364bの操作側フロント基板352の外形の外側から延伸して操作側フロント基板352の板面の裏面側へ斜めに立ち下がる立ち下がり部364cを有する。また、接点プレート364は、立ち下がり部364cから第1の延伸部364bの延伸方向に沿って延伸する第2の延伸部364dと、第2の延伸部364dにおける第1の接触部364aが形成された面と同一面側に形成された第2の接触部364eとを有する。
【0030】
このように、バイブレータ362は、本体部3622及び部品接点3626の一部が操作側フロント基板352の端面352bに対向するように配置されており、かつ、接点プレート364を介して接続される。このため、本実施形態によれば、操作側フロント基板352と電気部品(バイブレータ362)とを有する携帯電話機100の薄型化を実現することができる。
【0031】
すなわち、バイブレータ362を操作側フロント基板352に直接接続する場合を考える。この場合、操作側フロント基板352の板厚を(t)とし、本体部3622及び部品接点3626を含めたバイブレータ362の厚みを(h)とすると、バイブレータ362と操作側フロント基板352による全体の厚みは(t+h)となる。一方、本実施形態では、接点プレート364の板厚を(i)とすると、最も厚くなる部分であっても、バイブレータ362の厚みと接点プレート364の板厚を加えた(i+h)となる。ここで、接点プレート364の板厚(i)は、操作側フロント基板352の板厚(t)に比べて、十分に薄く形成することができる(i<<t)。したがって、バイブレータ362を操作側フロント基板352に直接接続した場合の全体の厚み(t+h)よりも、本実施形態によるバイブレータ362と接点プレート364による厚み(i+h)を十分に薄くすることができる。
【0032】
また、離れた場所に位置するバイブレータ362と操作側フロント基板352とをジャンパー線で接続することが考えられる。この場合、ジャンパー線の一端をバイブレータ362の部品接点3626に手作業の半田付けで接続し、ジャンパー線の他端を操作側フロント基板352の基板接点352aに手作業の半田付けで接続することになる。すると、手作業の半田付けによる製造工程の増加で製造コストが増加することに加え、手作業の半田付けによって接続部に盛られた半田の厚みによって、例えばバイブレータ362の厚みと半田付け部分の厚みの合計の厚みが厚くなる。これに対して本実施形態では、接点プレート364の板厚(i)は、手作業の半田付けによって接続部に盛られた半田の厚みに比べて十分薄く形成することができる。したがって、バイブレータ362と操作側フロント基板352とをジャンパー線で接続した場合の全体の厚みに比べて、本実施形態によるバイブレータ362と接点プレート364による厚みを十分に薄くすることができる。なお、本実施形態では、接点プレート364が、第1の延伸部364b、立ち下がり部364c、及び第2の延伸部364dを有する場合を例に示したが、これに限らず、折れ曲がりのないストレートな形状の板金とすることもできる。
【0033】
また、基板接点352aと第1の接触部364aとの接触、及び部品接点3626と第2の接触部364eとの接触は、例えば、操作側フロント基板352及びバイブレータ362を操作側フロントケース320側に押し付けることにより実現される。また、これに限らず、例えば、接点プレート364のバネ性を利用して、基板接点352aと第1の接触部364aとの接触、及び部品接点3626と第2の接触部364eとの接触を実現することができる。これは、接点プレート384と操作側リア基板370及びスピーカ382との接触や、接点プレート264と表示側メイン基板250及びレシーバ262との接触についても同様である。
【0034】
次に、操作側リア基板370、スピーカ382、及び接点プレート384等の構造について説明する。図8は、スピーカの斜視図である。図9は、図1の携帯電話機のB−B線における断面図である。図10は、スピーカと操作側リア基板との接点構造の拡大模式図である。なお、図10は、説明の便宜上、各部品を模式的に描いているので、実際の部品寸法とは異なる場合がある。
【0035】
まず、図8に示すように、スピーカ382は、本体部3822、及び本体部3822に形成された部品接点3824を有する。本体部3822の内部には、音声を出力するための振動板及び振動板を物理的に振動させるためのコイル等の電子部品が収容される。部品接点3824は、振動板を物理的に振動させて音声を発生させるための駆動信号を他の部品から受信するための電気的な接点である。部品接点3824は、例えば一端がコイル等の電子部品に接続された帯状の板金であり、板金の他端をアーチ状に折り曲げることによりバネ性を有している。
【0036】
次に、図9に示すように、操作側フロント基板352上にはトップテープ354が設けられ、トップテープ354の上部にはキートップ340が設けられる。また、操作側フロント基板352と操作側リア基板370との間には、操作側メイン基板374が設けられる。操作側フロント基板352と操作側メイン基板374との間は、シールド板金378が設けられており、例えば高周波ノイズなどの各種ノイズ信号をシールドしている。また、操作側メイン基板374と操作側リア基板370との間にも、シールド板金378が設けられており、例えば高周波ノイズなどの各種ノイズ信号をシールドしている。
【0037】
また、図9及び図10に示すように、操作側リア基板370には、板面上に他の部品(スピーカ)との接点となる基板接点370aが形成される。基板接点370aは、例えば操作側リア基板370に形成された配線パターンの導電部が剥き出しになったランドなどである。また、スピーカ382は、部品接点3824の一部が操作側リア基板370の端面370bに対向するように配置されている。
【0038】
また、接点プレート384は、操作側リア基板370の板厚(t)よりも薄く形成された板厚(i)の板金であり、導電性を有している。接点プレート384は、基板接点370aに接触する第1の接触部から操作側リア基板370の板面に沿って操作側リア基板370の外形の外側まで延伸し、操作側リア基板370の外形の外側の板面に部品接点3824と接触する第2の接触部が形成される。
【0039】
より具体的に、接点プレート384は、基板接点370aに接触する第1の接触部384aと、第1の接触部384aから操作側リア基板370の板面に沿って操作側リア基板370の外形の外側まで延伸する第1の延伸部384bとを有する。第1の接触部384aは、第1の延伸部384bの板面に形成された突起である。また、接点プレート384は、第1の延伸部384bの操作側リア基板370の外形の外側から延伸して操作側リア基板370の板面の裏面側へ斜めに立ち下がる立ち下がり部384cを有する。また、接点プレート384は、立ち下がり部384cから第1の延伸部384bの延伸方向に沿って延伸する第2の延伸部384dと、第2の延伸部384dにおける第1の接触部384aが形成された面の反対面側に形成された第2の接触部384eとを有する。
【0040】
このように、スピーカ382は、部品接点3824の一部が操作側リア基板370の端面370bに対向するように配置されており、かつ、接点プレート384を介して接続される。このため、本実施形態によれば、操作側リア基板370と電気部品(スピーカ382)とを有する携帯電話機100の薄型化を実現することができる。
【0041】
すなわち、スピーカ382を操作側リア基板370に直接接続する場合を考える。この場合、操作側リア基板370の板厚を(t)とし、本体部3822及び部品接点3824を含めたスピーカ382の厚みを(h)とすると、スピーカ382と操作側リア基板370による全体の厚みは(t+h)となる。一方、本実施形態では、接点プレート384の板厚を(i)とすると、最も厚くなる部分であっても、スピーカ382の厚みと接点プレート384の板厚を加えた(i+h)となる。ここで、接点プレート384の板厚(i)は、操作側リア基板370の板厚(t)に比べて、十分に薄く形成することができる(i<<t)。したがって、スピーカ382を操作側リア基板370に直接接続した場合の全体の厚み(t+h)よりも、本実施形態によるスピーカ382と接点プレート384による厚み(i+h)を十分に薄くすることができる。
【0042】
また、離れた場所に位置するスピーカ382と操作側リア基板370とをジャンパー線で接続することが考えられる。この場合、ジャンパー線の一端をスピーカ382の部品接点3824に手作業の半田付けで接続し、ジャンパー線の他端を操作側リア基板370の基板接点370aに手作業の半田付けで接続することになる。すると、手作業の半田付けによる製造工程の増加で製造コストが増加することに加え、手作業の半田付けによって接続部に盛られた半田の厚みによって、例えばスピーカ382の厚みと半田付け部分の厚みの合計の厚みが厚くなる。これに対して本実施形態では、接点プレート384の板厚(i)は、手作業の半田付けによって接続部に盛られた半田の厚みに比べて十分薄く形成することができる。したがって、スピーカ382と操作側リア基板370とをジャンパー線で接続した場合の全体の厚みに比べて、本実施形態によるスピーカ382と接点プレート384による厚みを十分に薄くすることができる。なお、本実施形態では、接点プレート384が、第1の延伸部384b、立ち下がり部384c、及び第2の延伸部384dを有する場合を例に示したが、これに限らず、折れ曲がりのないストレートな形状の板金とすることもできる。
【0043】
次に、表示側メイン基板250、レシーバ262、及び接点プレート264等の構造について説明する。図11は、レシーバの斜視図である。図12は、図1の携帯電話機のC−C線における断面図である。図13は、レシーバと表示側メイン基板との接点構造の拡大模式図である。なお、図13は、説明の便宜上、各部品を模式的に描いているので、実際の部品寸法とは異なる場合がある。
【0044】
まず、図12に示すように、レシーバ262は、本体部2622、及び本体部2622に形成された部品接点2624を有する。本体部2622の内部には、GPSアンテナ266で受信された電波信号を受信して復調処理を行うための混合器及び検波器などの電子部品が収容される。部品接点2624は、GPSアンテナ266で受信された電波信号を受信するための電気的な接点である。
【0045】
次に、図12に示すように、表示側メイン基板250には、LCD240を保護するための透明のLCDパネル242が設けられる。また、表示側メイン基板250には、周囲の明るさに応じてLCD240のバックライトの輝度を制御するために、周囲の明るさを電流に変換する照度センサ252が設けられる。また、表示側メイン基板250には、GPSアンテナ266が接続され、GPSアンテナ266で受信された電波信号は、表示側メイン基板250及び接点プレート264を介してレシーバ262へ送信される。
【0046】
また、図12及び図13に示すように、表示側メイン基板250には、板面上に他の部品(レシーバ)との接点となる基板接点250aが形成される。基板接点250aは、例えば表示側メイン基板250に形成された配線パターンの導電部が剥き出しになったランドなどである。また、レシーバ262は、本体部2622の一部が表示側メイン基板250の端面250bに対向するように配置されている。
【0047】
また、接点プレート264は、表示側メイン基板250の板厚(t)よりも薄く形成された板厚(i)の板金であり、導電性を有している。接点プレート264は、基板接点250aに接触する第1の接触部から表示側メイン基板250の板面に沿って表示側メイン基板250の外形の外側まで延伸し、表示側メイン基板250の外形の外側の板面に部品接点2624と接触する第2の接触部が形成される。
【0048】
より具体的に、接点プレート264は、基板接点250aに接触する第1の接触部264aと、第1の接触部264aから表示側メイン基板250の板面に沿って表示側メイン基板250の外形の外側まで延伸する第1の延伸部264bとを有する。第1の接触部264aは、第1の延伸部264bの板面に形成された突起である。また、接点プレート264は、第1の延伸部264bの表示側メイン基板250の外形の外側から延伸して表示側メイン基板250の板面から離れる方向へ斜めに立ち上がる立ち上がり部264cを有する。また、接点プレート264は、立ち上がり部264cから第1の延伸部264bの延伸方向に沿って延伸する第2の延伸部264dと、第2の延伸部264dにおける第1の接触部264aが形成された面と同一面側に形成された第2の接触部264eとを有する。第2の接触部264eは、第2の延伸部264dの板面に形成された突起である。
【0049】
このように、レシーバ262は、本体部2622の一部が表示側メイン基板250の端面250bに対向するように配置されており、かつ、接点プレート264を介して接続される。このため、本実施形態によれば、表示側メイン基板250と電気部品(レシーバ262)とを有する携帯電話機100の薄型化を実現することができる。
【0050】
すなわち、レシーバ262を表示側メイン基板250に直接接続する場合を考える。この場合、表示側メイン基板250の板厚を(t)とし、本体部2622及び部品接点2624を含めたレシーバ262の厚みを(h)とすると、レシーバ262と表示側メイン基板250による全体の厚みは(t+h)となる。一方、本実施形態では、接点プレート264の板厚を(i)とすると、最も厚くなる部分であっても、レシーバ262の厚みと接点プレート264の板厚を加えた(i+h)となる。ここで、接点プレート264の板厚(i)は、表示側メイン基板250の板厚(t)に比べて、十分に薄く形成することができる(i<<t)。したがって、レシーバ262を表示側メイン基板250に直接接続した場合の全体の厚み(t+h)よりも、本実施形態によるレシーバ262と接点プレート264による厚み(i+h)を十分に薄くすることができる。
【0051】
また、離れた場所に位置するレシーバ262と表示側メイン基板250とをジャンパー線で接続することが考えられる。この場合、ジャンパー線の一端をレシーバ262の部品接点2624に手作業の半田付けで接続し、ジャンパー線の他端を表示側メイン基板250の基板接点250aに手作業の半田付けで接続することになる。すると、手作業の半田付けによる製造工程の増加で製造コストが増加することに加え、手作業の半田付けによって接続部に盛られた半田の厚みによって、例えばレシーバ262の厚みと半田付け部分の厚みの合計の厚みが厚くなる。これに対して本実施形態では、接点プレート264の板厚(i)は、手作業の半田付けによって接続部に盛られた半田の厚みに比べて十分薄く形成することができる。したがって、レシーバ262と表示側メイン基板250とをジャンパー線で接続した場合の全体の厚みに比べて、本実施形態によるレシーバ262と接点プレート264による厚みを十分に薄くすることができる。なお、本実施形態では、接点プレート264が、第1の延伸部264b、立ち上がり部264c、及び第2の延伸部264dを有する場合を例に示したが、これに限らず、折れ曲がりのないストレートな形状の板金とすることもできる。
【符号の説明】
【0052】
100 携帯電話機
250 表示側メイン基板
250a 基板接点
250b 端面
262 レシーバ
264 接点プレート
264a 第1の接触部
264b,264d 延伸部
264c 立ち上がり部
264e 第2の接触部
352 操作側フロント基板
352a 基板接点
352b 端面
362 バイブレータ
364a 第1の接触部
364b,364d 延伸部
364c 立ち下がり部
364e 第2の接触部
364 接点プレート
370 操作側リア基板
370a 基板接点
370b 端面
374 操作側メイン基板
382 スピーカ
384 接点プレート
384a 第1の接触部
384b,384d 延伸部
384c 立ち下がり部
384e 第2の接触部
2622,3622,3822 本体部
2624,3626,3824 部品接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板面上に他の部品との接点となる基板接点部が形成されたプリント配線基板と、
前記基板接点部に接触する第1の接触部、該第1の接触部から前記プリント配線基板の前記板面に沿って前記プリント配線基板の外形の外側まで延伸する板状の延伸部、及び該延伸部の前記プリント配線基板の外形の外側の板面に形成された第2の接触部を有する導電部材と、
前記第2の接触部に接触する部品接点部、及び該部品接点部が形成された本体部を有し、前記部品接点部又は前記本体部の少なくとも一部が前記プリント配線基板の端面に対向するように配置される電気部品と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記導電部材は、前記プリント配線基板の板厚より薄く形成された板金である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−62747(P2013−62747A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201100(P2011−201100)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(592019877)富士通周辺機株式会社 (149)
【Fターム(参考)】