説明

電子機器

【課題】 プレビュー画像に応じてその表示時間を比較的容易に変更することが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】撮影部(16)と、当該撮影部(16)によって撮影された画像を撮影してから所定の時間が経過するまでプレビュー画像として表示する表示部(11)と、ユーザの入力を受け付ける入力部(12,13)とを有し、入力部(12,13)がプレビュー画像の表示中に予め決められた第1の入力を受け付けると、表示部(11)は、所定の時間の経過後も当該プレビュー画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影機能を備えた携帯電話機等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の撮影機能を備えた携帯電話機には、撮影を行うと、撮影した画像が全く若しくは短時間しか表示されずに自動的にメモリに保存されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−298987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の携帯電話機では、ユーザが撮影した画像を十分に確認することができないという課題があった。
【0005】
これを解決するために、撮影した画像をプレビュー表示する時間を十分長く設定しておくということも考えられるが、プレビュー表示される画像(プレビュー画像)によっては、確認するための時間がそれほど必要でないものもある。この場合、ユーザは、プレビュー表示の時間が必要以上に長いために、不快に感じる可能性がある。また、プレビュー表示の時間の設定を頻繁に変更することはユーザにとって面倒である。
【0006】
よって、プレビュー画像に応じてその表示時間を比較的容易に変更することができる電子機器が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、撮影部と、当該撮影部によって撮影された画像を撮影してから所定の時間が経過するまでプレビュー画像として表示する表示部と、ユーザの入力を受け付ける入力部とを有する。前記入力部が前記プレビュー画像の表示中に予め決められた第1の入力を受け付けると、前記表示部は、前記所定の時間の経過後も当該プレビュー画像を表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態に係る電子機器によれば、プレビュー画像に応じてその表示時間を比較的容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態による電子機器を正面から見たときの外観斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による電子機器を背面から見たときの外観斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による電子機器の構成例を示すブロック図である。
【図4】制御部による撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】制御部による撮影処理の一例を示すフローチャートであって、図4の続きを示すフローチャートである。
【図6】表示画面に表示される画像の例であり、(a)はスルー画像の一例、(b)はプレビュー画像の一例である。
【図7】ユーザによるタッチ操作を説明するための図である。
【図8】制御部による撮影処理の他の例を示すフローチャートであって、図4の続きを示すフローチャートである。
【図9】撮影後ポップアップが表示された表示画面の一例を示す図である。
【図10】(a)は表示画面におけるスライド方向の一例を示す図であり、(b)は(a)に示したスライド方向と当該スライド方向に対応した処理との関係を示すテーブルである。
【図11】本発明の第2の実施形態による電子機器の制御部による撮影処理の例を示すフローチャートであって、図4の続きを示すフローチャートである。
【図12】制御部による撮影処理の例を示すフローチャートであって、図11の続きを示すフローチャートである。
【図13】制御部による撮影処理の例を示すフローチャートであって、図12の続きを示すフローチャートである。
【図14】制御部による撮影処理の例を示すフローチャートであって、図12,図13の続きを示すフローチャートである。
【図15】ユーザによるスライド操作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
<1.構成>
図1および図2は、本発明の第1の実施形態による電子機器の構成例を示す外観斜視図であり、図1は、本実施形態による電子機器を正面から見たときの外観斜視図、図2は、本実施形態による電子機器を背面から見たときの外観斜視図である。図1および図2に示すように、ここでは、本実施形態による電子機器の一例として、携帯電話機10を挙げている。携帯電話機10は、その外観に、表示部11、タッチパネル入力部12、キー入力部13a,13b,13c(特に区別する必要がない場合は、まとめて「キー入力部13」ということがある。)、音出力部14、音入力部15、および撮影部16を備えている。
【0011】
表示部11は、カラー表示を行うバックライト方式の液晶表示部であって、液晶パネルからなる表示画面と当該液晶パネルに光を照射するためのバックライトとを備えている。表示部11は、後述する制御部28から入力された制御信号に基づき文字、図形、記号、画像などの各種情報を表示画面に表示する。表示部11は、液晶表示部に限らず、例えば、有機ELディスプレイであってもよいし、複数のLEDがマトリックス上に配列されたディスプレイであってもよい。
【0012】
タッチパネル入力部12は、表示部11の表示画面上に配され、ユーザからの画面操作を受け付ける。タッチパネル入力部12は、受け付けた画面操作を入力信号として制御部28に出力する。
【0013】
キー入力部13a,13b,13cは、ユーザからの操作を受け付ける。各キー入力部13a,13b,13cが受け付けた入力は、入力信号として制御部28に出力される。各キー入力部13a,13b,13cには、携帯端末装置100に備えられた各種機能に関する操作が割り当てられる。キー入力部13aは、例えば、電源のオンオフの切替えを行うためのキーである。キー入力部13bは、例えば、音量の調整、又は表示部11の輝度の調整などを行うためのキーである。キー入力部13cは、例えば、表示部11に表示された画面を切り換えるためのキーである。なお、キー入力部13とタッチパネル入力部
12を特に区別する必要がない場合は、まとめて「ユーザ入力部12,13」という。
【0014】
音出力部14は、スピーカなどで構成され、制御部28から出力された制御信号に基づいて外部に音を出力する。
【0015】
音入力部15は、マイクなどで構成され、音声などの外部からの音をアナログ信号に変換して後述する音声信号処理部21に出力する。
【0016】
撮影部16は、光学レンズ、およびCCDやCMOS等の光学センサを有し、光学レンズを介して入力される画像を光学センサによって電気信号に変換し、画像データを生成する。さらに、撮影部16は、画像データの画質を向上させるための画像処理を実行する画像処理回路等を含んでいてもよい。
【0017】
図3は、本実施形態による携帯電話機10の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、携帯電話機10は、表示部11、タッチパネル入力部12、キー入力部13、音出力部14、音入力部15、撮影部16、音声信号処理部17、アンテナ部18、無線信号処理部19、振動部20、ROM21、RAM22、画像メモリ23、I/F24、近距離通信部25、電源制御部26、時間計測部(タイマー)27、および制御部28を有する。
【0018】
アンテナ部18は、所定の周波数の電磁波を受信して高周波信号として無線信号処理部19に出力する。また無線信号処理部19より出力された高周波信号を所定の周波数の電磁波として出力する。
【0019】
無線信号処理部19は、他の携帯端末や基地局と無線通信を行う。無線信号処理部19はアンテナ部18から入力された高周波信号に復調処理および復号処理を施してデジタルの音声信号へと変換する。また、無線信号処理部19は、制御部28から入力されたデジタルの音声信号に符号化処理および変調処理を施して高周波信号に変換し、その高周波信号をアンテナ部18へ出力する。さらに、携帯電話機10は、メール機能を有しており、無線信号処理部19およびアンテナ部18を介して他の携帯端末などとメールの送受信を行う。
【0020】
振動部20は、モータによって構成され、制御部28から出力された制御信号によって機械的振動を生じさせる。振動部20は、例えば、電話の着信、メールの受信、およびアラーム日時到来などを機械的振動によって報知する。
【0021】
音声信号処理部17は、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して、当該変換したアナログ信号を音出力部14へ出力する。さらに、音声信号処理部17は、音入力部15より入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0022】
ROM21は、携帯電話機10に備えられた機能を実行するためのプログラムやデータなどを記憶する。制御部28は、ROM21へアクセス可能であり、機能を実行するために必要なプログラムやデータなどを読み出す。
【0023】
RAM22は、制御部28からアクセス可能であり、制御部28の作業記憶領域やバッファ領域として利用される。RAM22は、撮影中の画像を一度バッファリングするための記憶領域を含む。
【0024】
画像メモリ23は、撮像部16で撮像された画像ファイルやアンテナ18および無線信号処理部18を介してダウンロードされた画像ファイルを記憶する。
【0025】
I/F24には、着脱可能な外部メモリMが装着される。制御部28は、I/F24を介して外部メモリMへのアクセスが可能であり、例えば外部メモリMに記憶されたプログラムやデータなどを読み出し実行する。外部メモリMは、プログラムやデータなどを記憶する媒体であればよく、例えば、メモリーカード、HDD(HARD DISC DRIVE)、SIMカードなどがある。また上記プログラムやデータには、外部メモリMから直接読み出し実行可能なプログラムに限られず、暗号化されたプログラム、圧縮処理されたプログラム、画像データ、音声データ、又は文章データなどが含まれる。
【0026】
本実施形態による携帯電話機10では、撮影部16よって撮影された画像が、一旦RAM22に記憶されるとともに、その画像が、撮影してから所定の時間T(第1の時間T)が経過するまでプレビュー画像として表示部11の表示画面に表示される。そして、第1の時間Tが経過した後、そのプレビュー画像が表示画面から消える。また、第1の時間Tが経過した後、そのRAM22に記憶された画像が、自動的に画像メモリ23又は外部メモリMに保存される。
【0027】
近距離通信部25は、赤外線通信などの近距離無線通信を行う。近距離通信部25は、例えば、アドレス帳に登録された発信先情報やデータフォルダに記憶された画像データを近距離にいる通信相手先と送受信する。
【0028】
電源制御部26は、電源Pwとしての電池の残量の測定を行うとともに、制御部28の指示に基づいて、必要な電圧を必要な期間、各構成要素へ供給する。
【0029】
時間計測部(タイマー)27は、制御部28の指示に基づいて時間の計測を開始する。この時間計測部27は、例えば、プレビュー画像を表示する表示時間(第1の時間T)を計測し、当該第1の時間Tが経過したときは、経過したことを示す信号を制御部28に出力する。
【0030】
制御部28は、携帯電話機10に備えられた機能やハードウェアを制御する。また、タッチパネル入力部12およびキー入力部13からの制御信号の入力により携帯電話機10に備えられた各種機能を実行する。
【0031】
本実施の形態による携帯電話10では、表示部11の表示画面にプレビュー画像が表示されている間に、ユーザが所定の画面操作を行うと、第1の時間Tの経過後も当該プレビュー画像が継続して表示される。以下に、この場合の携帯電話機10の動作について詳細に説明する。
【0032】
<2.動作>
図4および図5は、図1の携帯電話機10の制御部28による撮影処理の一例を示すフローチャートである。タッチパネル入力部12は、ユーザから撮影部16の起動を指示する旨の入力、すなわち、ユーザが表示画面に表示されたカメラアイコンをタッチするなど、撮影機能を実行するタッチ操作を受け付けた場合、受け付けた画面操作を入力信号として制御部28に出力する。
【0033】
制御部28は、タッチパネル入力部12から入力信号を受け付けると(ステップ11:S11)、撮影部16を起動する(ステップ12:S12)。次に、図6(a)に示すように、表示部11にリアルタイム画像(スルー画像)を表示させる(ステップ13:S13)。スルー画像の表示画面には、受信状態表示アイコン101、電池残量表示アイコン102、現在時刻表示103、カメラモード(静止画モード)とムービーモード(動画モード)とを切り替えるモード切り替えアイコン104、およびシャッターアイコン105が表示される。図6(a)に示すように、ここでは、静止画像の撮影動作であるカメラモードが選択されている。なお、これらのアイコン表示は一例であり、例えば、受信状態表示アイコン101、電池残量表示アイコン102、および現在時刻表示103などは、省略されてもよい。また、図6(a)に示したアイコン以外の別のアイコンが表示されていてもよい。
【0034】
次に、制御部28は、シャッターアイコン105が押圧されたか否か判断する(ステップ14:S14)。制御部28は、ユーザがシャッターアイコン105を指でタッチするなどして、シャッターアイコンが押圧されたと判断すると(S14においてYES)、撮影部16に撮影処理を行わせ(ステップ15:S15)、得られた画像データをRAM22に記憶させる。なお、制御部16は、撮像部16による撮影処理によって得られた画像データをRAM22に記憶させる前に、当該画像データに対して、例えば、撮影部16が有する画像処理回路に各種画像処理を行わせることもできる。
【0035】
一方、シャッターアイコン105が押圧されていないと判断すると(S14においてYES)、ステップS14に戻り、シャッターアイコン105が押圧されたか否かの判断を繰り返す。そして、その後、シャッターアイコンが押圧されたと判断すると(S14においてYES)、ステップS15に進む。
【0036】
制御部28は、撮影部16に撮影処理を行わせた(S15)後、表示部11に、撮影された画像(RAM22に記憶された画像)をプレビュー表示させる(ステップ16:S16)。ここで、プレビュー表示された画像(プレビュー画像)の一例を図6(b)に示す。
【0037】
また、制御部28は、撮影後プレビュー画像を表示させると、タイマー27を起動し、時間の計測を開始させる(ステップ17:S17)。
【0038】
次に、制御部28は、タッチパネル入力部12に対してユーザが所定の入力を行ったか否か判断する(ステップ18:S18)。ここで、所定の入力とは、ユーザがタッチパネル入力部12に対して行うタッチ操作である。
【0039】
なお、「タッチ操作」とは、図7に示すように、ユーザがタッチパネル入力部12の上面を指で触れる操作である。また、タッチパネル入力部12に対してユーザが所定の入力を行ったか否かは、タッチ操作がなされた場合にタッチパネル入力部12が制御部28に対して出力する信号を制御部28が検知したか否かで判断することができる。
【0040】
制御部28は、当該所定の入力が行われていないと判断した場合(S18においてNO)、タイマー27による計測時間が第1の時間Tを超えたか否か、すなわちプレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えたか否かを判断する(ステップ19:S19)。
【0041】
制御部28は、プレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えていない場合には(S19においてNO)、ステップ19に戻り、プレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えたか否かの判断を繰り返す。当該表示時間が第1の時間Tを超えたと判断すると(S19においてYES)、ステップS20に進む。
【0042】
制御部28は、プレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えたと判断すると(S19においてYES)、表示部11にプレビュー画像の表示を停止させ(ステップ20:S20)、RAM22に記憶された画像を撮影画像として、ユーザによって保存先に設定された画像メモリ23又は外部メモリMに保存させて(ステップ21:S21)、処理を終了する。
【0043】
一方、制御部28は、ステップS18において、ユーザが所定の入力を行ったと判断すると(S18においてYES)、タイマー27による計測時間が第1の時間Tを超えたか否か、すなわちプレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えたか否かを判断する(ステップ22:S22)。
【0044】
制御部28は、プレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えていない場合には(S22においてNO)、ステップ22に戻り、プレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えたか否かの判断を繰り返す。当該表示時間が第1の時間Tを超えたと判断すると(S22においてYES)、ステップS23に進む。
【0045】
制御部28は、プレビュー画像の表示時間が第1の時間Tを超えたと判断すると(S22においてYES)、ユーザによる入力が解除されていないか判断する(ステップ23:S23)。制御部28は、入力が解除されていない、つまり、本実施形態では引き続きタッチ操作が行われていると判断すると(S23においてYES)、表示部11にプレビュー画像を継続して表示させる(ステップS24)。そして、ステップS23に戻って、ユーザによる入力は解除されていないかの判断を繰り返す。
【0046】
一方、制御部28は、入力が解除された、つまり、ユーザがタッチパネルから指を離すなどしてタッチ操作が行われなくなったと判断すると(S23においてNO)、上記ステップS20,S21の処理を行う。
【0047】
この例では、タッチパネル入力部12に対してタッチ操作が行われている間は、プレビュー画像が表示され、ユーザがタッチ操作を止めて、タッチパネル入力部12に対するタッチ操作が行われなくなると、プレビュー画像の表示が停止される。すなわち、表示部11は、撮影から時間Tが経過した後は、上記タッチ操作が行われている間のみプレビュー画像を表示する。
【0048】
また、別の例として、以下のような処理も可能である。図8は、制御部による撮影処理の他の例を示すフローチャートであって、図5の代わりに図4の続きを示すフローチャートである。図8において、図5と同一の処理には同一の符合を付し、説明を省略する。
【0049】
図8に示すように、制御部28は、入力が解除されていない、すなわち引き続きタッチ操作が行われていると判断すると(S23においてYES)、表示部11にプレビュー画像を継続して表示させる(ステップS24)。そして、プレビュー画像の継続表示を開始すると、再度、タイマー27に時間計測を開始させる(ステップ31:S31)。
【0050】
次に、制御部27は、時間計測を開始してから予め決められた第2の時間tmが経過したか否かを判断する(ステップ32:S32)。制御部28は、ステップ32において、第2の時間tmが経過したと判断すると(S32においてYES)、表示部11にプレビュー画像の表示を停止させ(ステップ33:S33)、RAM22に記憶された画像を撮影画像として、ユーザによって保存先に設定された画像メモリ23又は外部メモリMに保存させて(ステップ34:S34)、処理を終了する。なお、ステップS33,S34は、上記ステップS20,S21と同一の処理である。
【0051】
一方、制御部28は、第2の時間tmが経過していないと判断した場合には(S32においてNO)、ステップ32に戻り、プレビュー画像の表示時間が第2の時間tmを超えたか否かの判断を繰り返す。そして、その後、第2の時間tmが経過した場合に、ステップS33に進む。
【0052】
この例では、プレビュー画像の表示中にタッチパネル入力部12に対してタッチ操作が行われた場合には、タッチパネル入力部12に対するタッチ操作が行われてから、第2の時間tmだけプレビュー画像を表示し、その後、プレビュー画像の表示を停止して、ユーザによって設定された保存先に撮影画像を保存する。すなわち、タッチ操作が行われた後、ユーザが表示画面から指を離してタッチ操作をやめた場合でも、第1の時間Tの経過後第2の時間tmは、プレビュー画像が表示される。
【0053】
なお、上述の例では、ステップ19における「所定の入力」を、ユーザがタッチパネル入力部12に対して行うタッチ操作としたがこれに限らない。タッチ操作の代わりに、例えば、画面をタッチして続けて指を離す「タッチアンドリリース」、2回連続してタッチアンドリリースを行う「ダブルタッチ」、2か所にほぼ同時にタッチする「マルチタッチ」等の操作であってもよい。
【0054】
さらに、ステップ19の「所定の入力」は、タッチパネル入力部12に対する入力に限らず、キー入力部13に対する入力、すなわちキー操作であってもよい。キー操作であれば、指がタッチパネル入力部12に触れないので、例えば、プレビュー画像が指によって見えにくくなるといったことを回避できる。
【0055】
以上のように、本実施の形態による携帯電話機10によれば、プレビュー画像の表示中に、ユーザ入力部12,13が入力を受け付けると、第1の時間Tの経過後も当該プレビュー画像を表示する。よって、ユーザは、比較的簡単な方法で、プレビュー画像の表示時間を延長することができ、これにより、プレビュー画像を十分に確認した上で、所望の保存先に保存することが可能になる。
【0056】
以上は、第1の時間Tを経過した後、表示された画像が、ユーザが予め設定された保存先に自動的に保存される場合について説明したが、例えば、図9に示すように、撮影後、第1の時間Tが経過すると、その撮影画像を保存するか否かをユーザに確認するポップアップが表示画面に表示される場合についても適用できる。
【0057】
この場合は、プレビュー画面の表示中にユーザがタッチパネル入力部12をタッチした場合、タッチしている間若しくはタッチしてから一定時間は、ポップアップが表示されないので、ユーザは、ポップアップに遮られずにプレビュー画像を十分に確認することができる。よって、ユーザがプレビュー画像の十分な確認をしていない状態で、保存するか否かの判断が求められるといったことを回避することができる。
【0058】
なお、これまで説明した実施の形態では、撮影部16よって撮影された画像が、一旦RAM22に記憶され、その画像が、撮影してから第1の時間Tが経過するまでプレビュー画像として表示部11の表示画面に表示されるとしたが、一旦RAM22に記憶されるのではなく、直接画像メモリ23又は外部メモリMに保存されてもよい。すなわち、画像メモリ23に保存された画像が、撮影してから第1の時間Tが経過するまでプレビュー画像として表示されてもよい。この場合、例えば、図9に示すポップアップが表示された場合にユーザが「いいえ」を選択すると、画像メモリ23に保存された画像が削除される。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による電子機器について説明する。本実施形態による電子機器についても、一例として、携帯電話機10を挙げている。なお、本実施形態による電子機器は、第1の実施形態による電子機器と比較して、実行する撮影処理は異なるが、その構成(図1〜図3)は同様である。よって、当該構成については、説明を省略する。本実施の形態による電子機器では、プレビュー画像の表示時間の変更に加え、ユーザ入力部12,13に対する入力の種類に応じて、プレビュー画像に対応する画像データの削除や、当該画像データの保存先の選択も行うことができる。
【0060】
例えば、プレビュー画像の表示中にユーザが表示画面を撫でる操作を行う場合、撫でる方向によって異なる処理を設定することができる。ここで、このような撫でる操作を「スライド操作」ともいう。図10(a)は、表示画面におけるスライド方向の一例を示している。
【0061】
図10(b)は、図10(a)に示したスライド方向と当該スライド方向に対応した処理との関係を示したテーブルである。このテーブルは、RAM20に格納され、制御部28によって適宜参照される。
【0062】
図11〜図14は、図1の携帯電話機の制御部28による撮影処理の他の例を示すフローチャートであって、図5,図8の代わりに図4の続きを示すフローチャートである。図11〜図14において、図5と同一の処理には同一の符合を付し、説明を省略する。図11に示すように、制御部28は、入力が解除されていない、すなわち引き続きタッチ操作が行われていると判断すると(S23においてYES)、そのまま移動操作が行われたか否か、すなわち表示画面を撫でる操作(スライド操作)が行われたか否かを判断する(ステップ41:S41)。
【0063】
制御部28は、移動操作が行われていないと判断した場合(S41においてNO)、表示部11にプレビュー画像を継続して表示させる(ステップ42:S42)。そして、ステップS23に戻って同様の処理を繰り返す。
【0064】
一方、移動操作が行われたと判断すると(S41においてYES)、制御部28は、その移動方向を判断する。具体的には、図12に示すように、制御部28は、移動方向(スライド方向)がY方向であるか否か判断し(ステップ43:S43)、移動方向がY方向であると判断すると(S43においてYES)、続いてその方向が上方向であるか否かを判断する(ステップ44:S44)。移動方向が上方向とは、例えば、図15におけるYuの方向である。
【0065】
ここで、制御部28が上方向であると判断した場合(S44においてYES)、図10(b)のテーブルを参照すると画像データを外部メモリMへ保存するという処理が設定されているため、表示部11に「画像データを外部メモリに保存します。」という旨を報知するポップアップを表示させる(ステップ45:S45)。ここで、ポップアップにおいて、上記報知とともにOKボタンおよびキャンセルボタンが表示されれば、ユーザの意思確認をより確実に行うことができる。制御部20は、OKボタンが押されたか否かを判断し(ステップ46:S46)、OKボタンが押されれば(S46においてYES)、画像データを外部メモリMに保存する(ステップ47:S47)。一方、キャンセルボタンが押されれば(S46においてNO)、図14の処理に移る。この図14の処理については、後述する。
【0066】
また、制御部28は、ステップS44において、上方向でない(つまり、下方向である)と判断した場合(S44においてNO)、図10(b)のテーブルを参照すると画像データを画像メモリ23へ保存するという処理が設定されているため、表示部11に「画像データを内蔵メモリに保存します。」という旨を報知するポップアップを表示させる(ステップ48:S48)。ここで、ポップアップにおいて、上記報知と同時に、OKボタンおよびキャンセルボタンを表示すれば、ユーザの意思確認をより確実に行うことができる。制御部20は、OKボタンが押されたか否かを判断し(ステップ49:S49)、OKボタンが押されれば(S49においてYES)、画像データを画像メモリ23に保存する(ステップ50:S50)。一方、キャンセルボタンが押されれば(S49においてNO)、図14の処理に移る。
【0067】
また、制御部28は、ステップS43において、移動方向がY方向でないと判断すると(S43においてYES)、図13に示すように、移動方向がX方向か否か判断する(ステップ51:S51)。制御部28は、X方向でないと判断すると(ステップS51においてNO)、図14の処理に移る。一方、X方向であると判断すると(ステップS51においてYES)、その方向が右方向であるか否かを判断する(ステップ52:S52)。移動方向が右方向とは、例えば、図15におけるXrの方向である。
【0068】
制御部28は、右方向であると判断した場合(ステップ52においてYES)、図10(b)のテーブルを参照するとプレビュー表示を行っている画像データの削除が設定されているため、表示部11に「画像データを削除します。」という旨を報知するポップアップを表示させる(ステップ53:S53)。ポップアップには、上記報知と同時に、OKボタンおよびキャンセルボタンが表示される。制御部20は、OKボタンが押されたか否かを判断し(ステップ54:S54)、OKボタンが押されれば(ステップS54においてYES)、プレビュー画像に対応する画像データを削除し(ステップS55)、処理を終了する。一方、キャンセルボタンが押されれば(ステップS54においてNO)、図14の処理に移る。
【0069】
また、制御部28は、右方向でない(つまり、左方向である)と判断した場合(ステップ52においてYES)、図10(b)のテーブルを参照するとプレビュー画像の表示時間の延長が設定されているため、表示部11に「表示時間を延長します。」という旨を報知するポップアップを表示させる(ステップ56:S56)。ここで、ポップアップにおいて、上記報知と同時に、OKボタンおよびキャンセルボタンが表示される。制御部20は、OKボタンが押されたか否かを判断し(ステップ57:S57)、OKボタンが押されれば(ステップS57においてYES)、図4のステップS17に戻る。一方、キャンセルボタンが押されれば(ステップS57においてNO)、図14の処理に移る。
【0070】
次に、図14の処理について説明する。図14に示すように、制御部28は、入力が行われたか否か、すなわち、ここではタッチパネル入力部12に対してユーザがタッチ操作を行ったか否か判断する(ステップ61:S61)。
【0071】
制御部28は、ステップ61において、ユーザがタッチ操作を行っていないと判断すると(S61においてNO)、タイマー27を起動し、時間の計測を開始させる(ステップ62:S62)。次に、制御部28は、タイマー27による計測時間(経過時間)が第3の時間Tsを超えたか否かを判断する(ステップS63:S63)。
【0072】
タイマー27による計測時間が第3の時間Tsを超えた場合(ステップS63においてYES)、制御部28は、入力が行われていないか、すなわち、ユーザによるタッチ操作が行われていないか判断する(ステップ64:S64)。
【0073】
制御部28は、入力が行われていないと判断すると(ステップS64においてYES)、表示部11にプレビュー画像の表示を停止させ(ステップ65:S65)、そのプレビュー画像を画像メモリ23又は外部メモリM等のデフォルトの保存先に保存させて(ステップ66:S66)、処理を終了する。なお、これらのステップS65,S66は、上記ステップS20,S21と同一の処理である。
【0074】
このように、ユーザがタッチ操作を行っていないと判断してから、第3の時間Tsが経過するまでにタッチ操作が行われないと、プレビュー画像は撮影画像としてデフォルトの保存先に保存される。
【0075】
一方、制御部28は、タイマー27による計測時間が第3の時間Tsを超えていないと判断した場合には(S63においてNO)、ステップS64に戻り、タイマー27による計測時間が第3の時間Tsを超えたか否かの判断を繰り返す。そして、その後、第3の時間Tsが経過した場合に、ステップS65,S66に進む。
【0076】
また、制御部28は、ステップS61において、ユーザがタッチ操作を行ったと判断すると(S61においてYES)、そのまま移動操作が行われたか否か、すなわち表示画面を撫でる操作(スライド操作)が行われたか否かを判断する(ステップ67:S67)。
【0077】
制御部28は、ステップS66において、移動操作が行われていると判断した場合(S67においてYES)、図12のステップS43の処理に進み、上述の動作と同様の動作を繰り返す。
【0078】
一方、制御部28は、移動操作が行われていないと判断した場合(S67においてNO)、タイマー27を起動し、時間の計測を開始させる(ステップ68:S68)。次に、制御部28は、タイマー27による計測時間(経過時間)が第3の時間Tsを超えたか否かを判断する(ステップ69:S69)。
【0079】
タイマー27による計測時間が第3の時間Tsを超えた場合(ステップS69においてYES)、制御部28は、入力が行われていないか、すなわち、ユーザによるタッチ操作が行われていないか判断する(ステップ70:S70)。
【0080】
制御部28は、入力が行われていないと判断すると(ステップS70においてYES)制御部28は、表示部11にプレビュー画像の表示を停止させ(S65)、そのプレビュー画像を画像メモリ23又は外部メモリM等のデフォルトの保存先に保存させて(ステップS66)、処理を終了する。
【0081】
制御部28は、タイマー27による計測時間が第3の時間Tsを超えていないと判断した場合には(S69においてNO)、ステップS69に戻り、タイマー27による計測時間が第3の時間Tsを超えたか否かの判断を繰り返す。そして、その後、第3の時間Tsが経過した場合に、ステップS65,S66に進む。
【0082】
また、制御部28は、ステップS64およびステップS70において、入力が行われていないと判断すると(ステップS64においてNO,ステップS70においてNO)、ステップS67に戻って処理を行う。
【0083】
本実施形態による携帯電話機10によれば、プレビュー画像の表示時間の変更に加え、ユーザ入力部12,13に対する入力の種類に応じて、プレビュー画像に対応する画像データの削除や、当該画像データの保存先の選択も行うことができる。また、プレビュー画像の表示時間を延長して、撮影画像を十分に確認した後、比較的簡単な操作で、その撮影画像の削除や所望の保存先への保存を実行することができる。
【0084】
なお、撮影部16よって撮影された画像は、一旦RAM22に記憶されるとともに、プレビュー表示されてよい。この場合、ユーザ入力部12,13に対する入力の種類に応じて、RAM22に記憶された画像データの削除や、当該画像データの保存先の選択を行うことができる。
【0085】
また、撮影部16によって撮影された画像は、一旦RAM22に記憶されるのではなく、画像メモリ23に保存されてもよい。この場合、ユーザが画像データの削除を選択すると、画像メモリ23に保存された画像データが削除される。また、ユーザが画像データの
保存先として画像メモリ23を選択した場合には、その画像データは画像メモリ23に継続して保存され、画像データの保存先として外部メモリMを選択した場合には、その画像データは画像メモリ23から外部メモリMに転送される。
【0086】
なお、上述の実施の形態は本発明が携帯電話気に適用されたものとして説明したが、この発明は、携帯電話機だけではなく、電子(デジタル)カメラ装置にも適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0087】
10:携帯電話機
11:表示部
12:タッチパネル入力部
13:キー入力部
14:音出力部
15:音入力部
16:撮影部
17:音声信号処理部
18:アンテナ部
19:無線信号処理部
20:振動部
21:ROM
22:RAM
23:画像メモリ
24:I/F
25:近距離通信部
26:電源制御部
27:時間計測部(タイマー)
28:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部と、
当該撮影部によって撮影された画像を撮影してから所定の時間が経過するまでプレビュー画像として表示する表示部と、
ユーザの入力を受け付ける入力部と
を有し、
前記入力部が前記プレビュー画像の表示中に予め決められた第1の入力を受け付けると、前記表示部は、前記所定の時間の経過後も当該プレビュー画像を表示する電子機器。
【請求項2】
前記表示部は、前記所定の時間の経過後は当該第1の入力が行われている間のみ前記プレビュー画像を表示する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記入力部が前記第1の入力を受け付けると、前記表示部は、当該第1の入力を受け付けてから一定時間前記プレビュー画像を表示する請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記入力部は、タッチパネルであり、前記第1の入力は、当該タッチパネルに対するタッチ操作である請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記入力部が前記プレビュー画像の表示中に予め決められた第2の入力を受け付けると、当該プレビュー画像に対応する撮影画像を削除する請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記入力部が前記プレビュー画像の表示中に予め決められた第3の入力を受け付けると、当該プレビュー画像に対応する撮影画像を所定の保存先に保存する請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記入力部が前記プレビュー画像の表示中に前記第1の入力を受け付けない場合、前記表示部は、前記所定の時間が経過すると前記プレビュー画像を非表示にする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記入力部が前記プレビュー画像の表示中に前記第1の入力を受け付けない場合、前記表示部は、前記所定の時間が経過すると前記プレビュー画像を保存するか否かの確認画面を表示する請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−73470(P2013−73470A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212903(P2011−212903)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】