説明

電子機器

【課題】一例として、ヒンジの近傍で配線の移動等を抑制することが可能な電子機器を得る。
【解決手段】実施形態にかかる電子機器は、一例として、第一の筐体と、第二の筐体と、ヒンジ部と、配線と、保持部と、を備える。第一の筐体は、第一電気部品を収容する。第二の筐体は、第二電気部品を収容する。ヒンジ部は、第一の筐体と第二の筐体とにそれぞれ固定され、回転軸部を有し、該回転軸部を中心に第一の筐体と第二の筐体とを回動可能に接続する。配線は、第一電気部品と第二電気部品とを電気的に接続するとともに、第一の筐体内で回転軸部に沿う。保持部は、回転軸部と配線とを束ねる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置が収容された筐体と他の部分とがヒンジを介して回動可能に接続され、ヒンジが設けられた部分で筐体内と他の部分とを繋ぐ配線が通された電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−182464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビジョン受像機等の電子機器では、ヒンジの近傍で配線の移動等が抑制されるのが望まれている。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、一例として、ヒンジの近傍で配線の移動等を抑制することが可能な電子機器を得ることを、目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかる電子機器は、一例として、第一の筐体と、第二の筐体と、ヒンジ部と、配線と、保持部と、を備える。第一の筐体は、第一電気部品を収容する。第二の筐体は、第二電気部品を収容する。ヒンジ部は、第一の筐体と第二の筐体とにそれぞれ固定され、回転軸部を有し、該回転軸部を中心に第一の筐体と第二の筐体とを回動可能に接続する。配線は、第一電気部品と第二電気部品とを電気的に接続するとともに、第一の筐体内で回転軸部に沿う。保持部は、回転軸部と配線とを束ねる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例を正面側から見た斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例を側面側から見た斜視図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例の一部の内部構造を背面側から見た斜視図である。
【図4】図4は、第2実施形態にかかる電子機器の一例の展開状態での斜視図である。
【図5】図5は、第2実施形態にかかる電子機器の一例の折り畳み状態での平面図である。
【図6】図6は、第2実施形態にかかる電子機器の一例の折り畳み状態での側面図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかる電子機器の一例の一部の分解斜視図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかる電子機器の一例の別の一部の分解斜視図である。
【図9】図9は、図8に示された部分の内部構造の一部を図7とは反対側から見た斜視図である。
【図10】図10は、図7に示された部分の内部構造の一部を図8とは反対側から見た斜視図である。
【図11】図11は、第2実施形態にかかる電子機器のヒンジカバーの一例の斜視図である。
【図12】図12は、図11のヒンジカバーの一例を別の角度から見た斜視図である。
【図13】図13は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が組み立てられる際にテープが筐体に貼り付けられた状態(テープでハーネスが固定される前の状態)の一例が示された斜視図である。
【図14】図14は、第2実施形態にかかる電子機器のテープの一例の側面図である。
【図15】図15は、図4のXV−XV断面図である。
【図16】図16は、図5のXVI−XVI断面図である。
【図17】図17は、第2実施形態にかかる電子機器の第一筐体を構成する部材の一例の一部を筐体内側から見た斜視図である。
【図18】図18は、第2実施形態にかかる電子機器の第一筐体を構成する別の部材の一例であって図17に示された部材と組み合わせられる部材の一部を筐体内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の例示的な複数の実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。
【0009】
また、以下の実施形態では、電子機器がテレビジョン受像機や所謂ノートブック型のパーソナルコンピュータとして構成された場合が例示されるが、本実施形態にかかる電子機器は、これには限定されない。本実施形態にかかる電子機器は、例えば、ヒンジ部によって回動可能に接続された二つの部分を有した電子機器、例えば、スマートテレビ、携帯電話機、映像表示装置、テレビ電話機等として構成することができる。
【0010】
<第1実施形態>
本実施形態では、一例として、図1,2に示されるように、テレビジョン受像機1は、支持部2と筐体3とを備える。具体的に、筐体3(第一筐体、第一部分、第一部品)は、表示装置4の少なくとも一部を収容する。支持部2(スタンド部、台、支部、第二筐体、第二部分、他の部分、他の部品)は、筐体3を支持する。支持部2は、外部載置面に載置された場合にこの外部載置面と向かい合う領域20a(底壁、壁、領域、部分、ゴム脚、脚)を有する。
【0011】
また、本実施形態では、一例として、支持部2は、筐体3を、ヒンジ部9(接続部、連結部、回動支持部、ヒンジ機構、接続機構、連結機構、回動支持機構、図3参照)を介して回動可能に支持する。すなわち、ヒンジ部9は、支持部2と筐体3とを回動可能に接続(連結)している。本実施形態では、一例として、ヒンジ部9は、表示画面4aの上下方向の角度を変化させる。すなわち、ヒンジ部9はチルトの調整を可能としている。なお、支持部2は筐体3を他の方向への回動(例えば、ピボット、スイベル等)を可能に支持することができる。
【0012】
テレビジョン受像機1の筐体3は、本実施形態では、一例として、図1に示されるように、正面視および背面視では矩形状(本実施形態では、一例として長方形状)に構成されている。また、筐体3は、本実施形態では、一例として、図2に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。筐体3は、面3a(前面、正面、第一面、第一面部)とこの反対側の面3b(後面、背面、第二面、第二面部)と、を有する。面3aと面3bとは略並行している。また、筐体3は、図1に示されるように、正面視では、四つの端部3c〜3f(辺部、縁部)と、四つの角部3g〜3j(尖部、曲部、端部)と、を有する。端部3c,3eは、長辺部の一例である。また、端部3d,3fは、短辺部の一例である。
【0013】
また、筐体3は、面3aを有する壁部3k(第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)と、面3bを有する壁部3m(第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部、図2参照)と、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では、一例として長方形状)である。また、筐体3は、壁部3kと壁部3mとの間に亘った面3p(側面、周面、第三面)を有する四つの壁部3n(第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)を有する。なお、壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。よって、壁部3kは、矩形状かつ枠状である。
【0014】
さらに、筐体3は、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されることができる。筐体3は、本実施形態では、一例として、少なくとも壁部3kを含む第一筐体部材31(第一部分、前側部材、マスク、マスク部、カバー、フロントカバー、カバー部、第一領域)と、少なくとも壁部3mを含む第二筐体部材32(第二部分、後側部材、ベース、ベース部、ボトム、ボトム部、カバー、リヤカバー、カバー部、第二領域)とを有する。壁部3nは、第一筐体部材31および第二筐体部材32のうち少なくともいずれか一方(例えば、第二筐体部材32)に含まれる。また、筐体3は、第一筐体部材31および第二筐体部材32とは別に、これらの間に位置した第三筐体部材(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム、第三領域、図示されず)や、第四筐体部材(第四部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、覆部材、シールド、第四領域、図示されず)等を有することができる。
【0015】
筐体3は、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。第一筐体部材31および第二筐体部材32は、比較的剛性の低い材料(第三筐体部材や第四筐体部材より剛性の低い材料、例えば合成樹脂材料等)で構成されることができる。なお、第一筐体部材31や第二筐体部材32の筐体3内側には、リブ等の壁部(突出部、突出壁部、図示されず)が設けられることができる。壁部により、筐体3の剛性が高くなりやすい。
【0016】
また、本実施形態では、一例として、図2に示されるように、筐体3の面3bや面3p等には、コネクタ11や操作部12等が設けられることができる。コネクタ11は、例えば、電源ケーブル用のコネクタや、USB(universal serial bus)コネクタ、カードコネクタ、イヤホンやマイクのコネクタ等であることができる。操作部12は、例えば、押しボタンや、押しスイッチ、スライドスイッチ、ポインティングデバイス、ダイヤル等であることができる。また、図1に示されるように、面3aには、カメラモジュール10(カメラ、撮像装置)を設けることができる。コネクタ11や、操作部12、カメラモジュール10等は、筐体3の壁部3k,3m,3nに設けられた開口部3sから露出している。
【0017】
また、本実施形態では、一例として、図1に示されるように、表示装置4(表示部、ディスプレイ、パネル)の、面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して筐体3の前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
【0018】
また、本実施形態では、一例として、表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、入力操作パネル5(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)が設けられている。入力操作パネル5は、透明な比較的薄い矩形状に構成され、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば、手指や部品(例えばスタイラス等、図示されず)等で入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは手指やスタイラス等を入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから筐体3の前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
【0019】
そして、本実施形態では、一例として、図1に示されるように、筐体3内には、表示装置4の後側(裏側、背後側、壁部3m側、表示画面4aとは反対側)に、一つ以上の基板6(回路基板、制御基板、メイン基板、電気部品、第一電気部品)が収容されている。基板6は、表示装置4と並行して設けられている。基板6は、壁部3k,3m,3n等と離間した状態で、すなわち、壁部3k,3m,3n等との間に空間(隙間)が形成された状態で、設けられている。
【0020】
また、本実施形態では、一例として、基板6には、例えば、CPU(central processing unit)や、グラフィックコントローラ、電源回路部品、PCH(platform controller hub)、メモリスロットコネクタ、LCDコネクタ、I/O(input/output)コネクタ、電源コイル、素子、コネクタ等の複数の部品(図示されず)を実装することができる。また、制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
【0021】
また、本実施形態では、一例として、支持部2は筐体3の表示画面4aの反対側の後部(背後部、壁部3m)を、ヒンジ部9を介して回動可能に支持している。具体的には、一例として、図3に示されるように、ヒンジ部9は、比較的(第二部分9bより)細い第一部分9aと、比較的(第一部分9aより)太い第二部分9bと、を有する。また、ヒンジ部9は、シャフト9c(回転軸部、回動軸部)や、支持部9d、抵抗要素9e、結合部9f等を有する。シャフト9cは、支持部2と筐体3との間に亘る。支持部9dは、支持部2および筐体3のうち一方(本実施形態では、一例として支持部2)に設けられ、シャフト9cをその長手方向に沿った軸(中心軸、回動軸Ax)回りに回動可能に支持する。抵抗要素9eは、シャフト9cと支持部9dとの間に介在し、シャフト9cおよび支持部9dに摩擦力を与える。結合部9fは、シャフト9cに設けられ、シャフト9cを支持部2および筐体3のうち他方(本実施形態では、一例として筐体3)に結合する。なお、支持部2は、図示されない結合部を介して一方(本実施形態では、一例として支持部2)に結合される。このようなヒンジ部9により、支持部2と筐体3とは、図3の回動軸Ax回りに回動可能に接続される。ヒンジ部9は、壁部3mや支持部2に設けられたカバー20b,3tによって覆われている。図3では、これらカバー20b,3tが取り外された状態が示されている。
【0022】
また、本実施形態では、一例として、図3に示されるように、支持部2の内部と筐体3の内部との間に亘って、ハーネス13(配線)が配置されている。具体的に、ハーネス13は、例えば、筐体3内の基板6(電気部品、回路)や、該基板6に実装された電気部品(電子部品、図示されず)、筐体3内に収容され基板6に実装されない電気部品(図示されず)等と、支持部2に設けられた電気部品(例えば、スピーカ16(図2参照)等)とを、電気的に接続する。ハーネス13は、ヒンジ部9が通る支持部2および筐体3に設けられた開口部(図示されず)を通っている。すなわち、ハーネス13は、ヒンジ部9のシャフト9cの外周面に沿って配置されている。なお、支持部2の電気部品としては、スピーカ16や、外部接続用のコネクタ(図示されず)や、マイク、カメラ、ランプ、発光素子、操作部(例えばスイッチ等)がある。
【0023】
そして、本実施形態では、一例として、図3に示されるように、ハーネス13は、テープ14(保持部、支持部、保持部品、結合部品、ホルダ)によって、ヒンジ部9に固定されている。本実施形態では、一例として、テープ14は、シャフト9cとこのシャフト9cの周囲に配置された一本以上のハーネス13とを、それらの外周から束ねている。よって、本実施形態によれば、一例としては、ヒンジ部9の近傍でハーネス13の移動が抑制される。よって、一例としては、ハーネス13が支持部2と筐体3との境界部分(開口部)から外部に露出したり飛び出したりするのが抑制されやすい。
【0024】
また、本実施形態では、一例として、テープ14は、ハーネス13の、ヒンジ部9(シャフト9c)の長手方向に沿った部分13aを固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、ハーネス13がテープ14によってシャフト9cにより固定されやすい。
【0025】
また、本実施形態では、一例として、テープ14は、シャフト9cの外周に沿って配置された複数のハーネス13をシャフト9cに固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、複数のハーネス13がシャフト9cの周囲によりコンパクトに配置されやすい。
【0026】
また、本実施形態では、一例として、テープ14は、シャフト9cから離れた位置(第二位置P2)でハーネス13を固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、テープ14を、シャフト9cから離れて位置されたハーネス13の固定(保持)に利用することができる。
【0027】
また、本実施形態では、一例として、テープ14は、シャフト9cの近傍の第一位置P1と、シャフト9cから離れた第二位置P2とでハーネス13を固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、それぞれ別の固定手段(保持手段)で固定した場合に比べて、部品点数が減りやすい。また、一例としては、ハーネス13を組み立てる際の手間が減りやすい。
【0028】
また、本実施形態では、一例として、ハーネス13は、第一位置P1と第二位置P2との間で屈曲されている。よって、一例としては、支持部2の第二電気部品側から筐体3の第一電気部品側に向けて、第一位置P1で延びる方向(シャフト9cに沿った方向、図3の例では左方向)と第二位置P2で延びる方向(図3の例では右方向)とが異なる(本実施形態では、一例として逆である)ハーネス13を、一つのテープ14で固定する(保持する)ことができる。
【0029】
また、本実施形態では、一例として、テープ14は、第二部分9bより細い第一部分9a(シャフト9c)に固定された。よって、本実施形態によれば、一例としては、ヒンジ部9にハーネス13が固定された領域が大きくなる(かさばる)のが抑制されやすい。よって、一例としては、筐体3や支持部2内での部品のレイアウトの自由度がより高まりやすい。
【0030】
<第2実施形態>
本実施形態では、一例として、電子機器1Aは、第一筐体3Aと第二筐体2Aとを備える。具体的に、第一筐体3A(第一部分)は、表示装置4の少なくとも一部を収容する。第二筐体2Aは、基板6Aを収容する。第二筐体2Aには、キーボード7(入力操作部、第一入力操作部、入力受付部、入力部)や、ポインティングデバイス8a(入力操作部、第二入力操作部、入力受付部、入力部)、クリックボタン8b(入力操作部、第三入力操作部、入力受付部、入力部)等が設けられる。
【0031】
第一筐体3Aと第二筐体2Aとは、ヒンジ部9(接続部、連結部、回動支持部、ヒンジ機構、接続機構、連結機構、回動支持機構、図7〜10参照)によって回動可能に接続されている。第一筐体3Aおよび第二筐体2Aは、ヒンジ部9により、少なくとも図4に示される展開状態と、図5に示される折り畳み状態との間で回動可能に接続されている。本実施形態では、一例として、ヒンジ部9は、第一筐体3Aと第二筐体2Aとを、回動軸Ax回りに回動可能に、接続している。表示装置4の表示画面4aは、第一筐体3Aの面3a(前面、正面、第一面、第一面部)に設けられた開口部3rから露出している。また、キーボード7や、ポインティングデバイス8a、クリックボタン8b等は、第二筐体2Aの面2a(上面、正面、第一面、第一面部)に露出している。折り畳み状態では、第一筐体3Aの面3aと第二筐体2Aの面2aとが重なり、表示画面4aや、キーボード7、ポインティングデバイス8a、クリックボタン8b等が、第一筐体3Aおよび第二筐体2Aに隠される。展開状態では、第一筐体3Aの面3aおよび第二筐体2Aの面2aが露出され、表示画面4aや、キーボード7、ポインティングデバイス8a、クリックボタン8b等が使用可能(視認可能あるいは操作可能)になる。
【0032】
第一筐体3Aは、本実施形態では、一例として、図4,5に示されるように、正面視および背面視では矩形状(本実施形態では、一例として長方形状)に構成されている。また、第一筐体3Aは、本実施形態では、一例として、図6に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。第一筐体3Aは、面3a(前面、正面、第一面、第一面部)とこの反対側の面3b(後面、背面、第二面、第二面部)と、を有する。面3aと面3bとは略並行している。また、第一筐体3Aは、図4に示されるように、正面視では、四つの端部3c〜3f(辺部、縁部)と、四つの角部3g〜3j(尖部、曲部、端部)と、を有する。端部3c,3eは、長辺部の一例である。また、端部3d,3fは、短辺部の一例である。
【0033】
また、第一筐体3Aは、面3aを有する壁部3k(第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)と、面3bを有する壁部3m(第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部)と、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では、一例として長方形状)である。また、第一筐体3Aは、壁部3kと壁部3mとの間に亘った面3p(側面、周面、第三面)を有する四つの壁部3n(第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)を有する。なお、壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。よって、壁部3kは、矩形状かつ枠状である。
【0034】
さらに、第一筐体3Aは、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されることができる。第一筐体3Aは、本実施形態では、一例として、少なくとも壁部3kを含む第一筐体部材31(第一部分、前側部材、マスク、マスク部、カバー、フロントカバー、カバー部、第一領域)と、少なくとも壁部3mを含む第二筐体部材32(第二部分、後側部材、ベース、ベース部、ボトム、ボトム部、カバー、リヤカバー、カバー部、第二領域)とを有する。壁部3nは、第一筐体部材31および第二筐体部材32のうち少なくともいずれか一方(例えば、第二筐体部材32)に含まれる。また、第一筐体3Aは、第一筐体部材31および第二筐体部材32とは別に、これらの間に位置した第三筐体部材(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム、第三領域、図示されず)や、第四筐体部材(第四部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、覆部材、シールド、第四領域、図示されず)等を有することができる。
【0035】
第一筐体3Aは、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。第一筐体部材31および第二筐体部材32は、比較的剛性の低い材料(第三筐体部材や第四筐体部材より剛性の低い材料、例えば合成樹脂材料等)で構成されることができる。なお、第一筐体部材31や第二筐体部材32の第一筐体3A内側には、リブ等の壁部(突出部、突出壁部、図示されず)が設けられることができる。壁部により、第一筐体3Aの剛性が高くなりやすい。
【0036】
また、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、第一筐体3Aの面3aには、カメラモジュール10(カメラ、撮像装置)を設けることができる。カメラモジュール10等は、第一筐体3Aの壁部3kに設けられた開口部3sを介して露出している。なお、第一筐体3Aの面3pに、コネクタや操作部を設けることができる。
【0037】
また、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、表示装置4(表示部、ディスプレイ、パネル)の、面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して第一筐体3Aの前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
【0038】
また、本実施形態では、一例として、表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、入力操作パネル5(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)が設けられている。入力操作パネル5は、透明な比較的薄い矩形状に構成され、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば、手指や部品(例えばスタイラス等、図示されず)等で入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは手指やスタイラス等を入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから第一筐体3Aの前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
【0039】
第二筐体2Aは、本実施形態では、一例として、図4,5に示されるように、正面視および背面視では矩形状(本実施形態では、一例として長方形状)に構成されている。また、第二筐体2Aは、本実施形態では、一例として、図6に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。第二筐体2Aは、面2a(上面、正面、第一面、第一面部)とこの反対側の面2b(下面、背面、第二面、第二面部)と、を有する。面2aと面2bとは略並行している。また、第二筐体2Aは、図4に示されるように、正面視では、四つの端部2c〜2f(辺部、縁部)と、四つの角部2g〜2j(尖部、曲部、端部)と、を有する。端部2c,2eは、長辺部の一例である。また、端部2d,2fは、短辺部の一例である。
【0040】
また、第二筐体2Aは、面2aを有する壁部2k(第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)と、面2bを有する壁部2m(第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部、図6参照)と、を有する。壁部2k,2mは、矩形状(本実施形態では、一例として長方形状)である。また、第二筐体2Aは、壁部2kと壁部2mとの間に亘った面2p(側面、周面、第三面)を有する四つの壁部2n(第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)を有する。なお、壁部2kには、一例としては矩形状の開口部2rが設けられている。よって、壁部2kは、矩形状かつ枠状である。
【0041】
さらに、第二筐体2Aは、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されることができる。第二筐体2Aは、本実施形態では、一例として、少なくとも壁部2kを含む第一筐体部材21(第一部分、前側部材、マスク、マスク部、カバー、フロントカバー、カバー部、第一領域、図4参照)と、少なくとも壁部2mを含む第二筐体部材22(第二部分、後側部材、ベース、ベース部、ボトム、ボトム部、カバー、リヤカバー、カバー部、第二領域、図6参照)とを有する。壁部2nは、第一筐体部材21および第二筐体部材22のうち少なくともいずれか一方(例えば、第二筐体部材22)に含まれる。また、第二筐体2Aは、第一筐体部材21および第二筐体部材22とは別に、これらの間に位置した第三筐体部材(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム、第三領域、図示されず)や、第四筐体部材(第四部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、覆部材、シールド、第四領域、図示されず)等を有することができる。
【0042】
第二筐体2Aは、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。第一筐体部材21および第二筐体部材22は、比較的剛性の低い材料(第三筐体部材や第四筐体部材より剛性の低い材料、例えば合成樹脂材料等)で構成されることができる。なお、第一筐体部材21や第二筐体部材22の第二筐体2A内側には、リブ等の壁部(突出部、突出壁部、図示されず)が設けられることができる。壁部により、第二筐体2Aの剛性が高くなりやすい。
【0043】
また、本実施形態では、一例として、図6に示されるように、第二筐体2Aの面2p等には、コネクタ11等が設けられることができる。コネクタ11は、例えば、電源ケーブル用のコネクタや、USB(universal serial bus)コネクタ、カードコネクタ、イヤホンやマイクのコネクタ等であることができる。コネクタ11は、第二筐体2Aの壁部2nに設けられた開口部2sを介して露出している。なお、第二筐体2Aの面2aに、コネクタや操作部を設けることができる。
【0044】
また、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、キーボード7の操作面7a(面、上面)は、開口部2rを介して第二筐体2Aの前方(外方)に露出している。面2aにおいて、キーボード7は、端部2e側に寄せて位置され、ポインティングデバイス8aならびにクリックボタン8bは端部2eとは反対側の端部2c側に寄せて配置されている。端部2eは奥行方向(前後方向)の奥側に位置され、端部2cは手前側に位置されている。
【0045】
そして、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、第二筐体2A内には、キーボード7の後側(裏側、背後側、壁部2m側、操作面7aとは反対側)に、一つ以上の基板6A(回路基板、制御基板、メイン基板、電気部品、第一電気部品)が収容されている。基板6Aは、キーボード7と並行して設けられている。基板6Aは、壁部2k,2m,2n等と離間した状態で、すなわち、壁部2k,2m,2n等との間に空間(隙間)が形成された状態で、設けられている。
【0046】
また、本実施形態では、一例として、基板6Aには、例えば、CPU(central processing unit)や、グラフィックコントローラ、電源回路部品、PCH(platform controller hub)、メモリスロットコネクタ、LCDコネクタ、I/O(input/output)コネクタ、電源コイル、素子、コネクタ等の複数の部品(図示されず)を実装することができる。また、制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
【0047】
また、本実施形態では、一例として、図4,6に示されるように、第二筐体2Aの端部2eの長手方向両端部に、面2aから厚さ方向に突出した突出部2uが設けられている。そして、本実施形態では、一例として、図7,8に示されるように、この突出部2uに、ヒンジ部9の一部(第二筐体2A側の部分)が収容されている。また、本実施形態では、一例として、図6に示されるように、他のコネクタ11より高さ(厚さ)の大きいコネクタ11が、この突出部2uに対応して設けられている。また、本実施形態では、一例として、図8に示されるように、突出部2u内では、コネクタ11に隣接してヒンジ部9が設けられている。また、図6〜8に示されるように、コネクタ11に隣接してヒンジキャップ23が設けられている。よって、一例としては、高さ(厚さ)の大きいコネクタ11が設けられた部分の電子機器1Aの高さ(厚さ)が、コネクタ11とヒンジ部9との間、あるいはコネクタ11とヒンジキャップ23との間に第二筐体2Aの壁部が設けられた場合に比べて、より低くなりやすい。また、ヒンジ部9が収容された突出部2uを、第一筐体部材21および第二筐体部材22とは別の部品であるヒンジキャップ23(カバー、キャップ、覆部、覆部材、第五筐体部材)で覆ったため、一例としては、第一筐体部材21または第二筐体部材22を組み立てる(組み付ける、取り扱う)工程と、ヒンジ部9回りの部品(ヒンジ部9や、コネクタ11、ハーネス13等)を組み立てる(組み付ける、取り扱う)工程とを分けやすくなる。よって、一例としては、製造の手間が減りやすい。また、一例としては、ヒンジキャップ23の表面(外面)を例えばメタリック塗料で塗装する等、ヒンジキャップ23に他の部位(一般部位、第一筐体部材21,31や第二筐体部材22,32等)とは異なった加飾を施すことで、外観にアクセントを加えることができる。また、一例としては、後述したスライドおよび結合具を用いたヒンジキャップ23の着脱や交換、ヒンジキャップ23の選択等により、ユーザが好む外観に変更しやすくなる。
【0048】
本実施形態では、一例として、図7,8に示されるように、第一筐体部材21および第二筐体部材22のうち少なくともいずれか一方(本実施形態では、一例として第一筐体部材21)に突出部21a(壁部、リブ、支持部、内側部材)が設けられる。突出部21aは、ヒンジ部9と並び、ヒンジ部9より高く設けられている。よって、突出部21aにヒンジキャップ23を被せることで、ヒンジキャップ23とヒンジ部9とが干渉するのが抑制されやすい。なお、突出部21aのエッジ21bは、切欠状に構成されている。エッジ21bは、ヒンジ部9を露出させる開口部の一例である。
【0049】
そして、本実施形態でも、一例として、図9,10に示されるように、上記第1実施形態と同様に、第一筐体3Aの内部と第二筐体2Aの内部との間に亘って、ハーネス13(配線)が配置されている。具体的に、ハーネス13は、例えば、第一筐体3Aに設けられた電気部品(例えば、表示装置4、カメラモジュール10、アンテナ(図示されず)、スピーカ等、第一電気部品)と、第二筐体2A内の基板6A(電気部品、回路)や、該基板6Aに実装された電気部品(電子部品)、第二筐体2A内に収容され基板6Aに実装されない電気部品等(第二電気部品)とを、電気的に接続する。ハーネス13は、ヒンジ部9が通る第一筐体3Aに設けられた開口部32c(図13,16参照)および第二筐体2Aに設けられた開口部23a(図8,16参照)等を通っている。すなわち、ハーネス13は、ヒンジ部9のシャフト9cの外周面に沿って配置されている。本実施形態では、ハーネス13としては、例えば、表示装置4用のハーネス、カメラモジュール10用のハーネス、アンテナ用のハーネス、スピーカ用のハーネス等がある。しかし、これらはあくまで一例であって、ハーネス13はこれらには限定されない。
【0050】
そして、本実施形態でも、一例として、図9,10に示されるように、ハーネス13は、テープ14(保持部、支持部、保持部品、結合部品、ホルダ)によって、ヒンジ部9に固定されている。本実施形態では、一例として、テープ14は、シャフト9cとこのシャフト9cの周囲に配置された一本以上のハーネス13とを、それらの外周から束ねている。よって、本実施形態によれば、一例としては、ヒンジ部9の近傍でハーネス13の移動が抑制される。よって、一例としては、ハーネス13が第一筐体2Aと第一筐体3Aとの境界部分(開口部32c,23a等)から外部に露出したり飛び出したりするのが抑制されやすい。
【0051】
また、本実施形態でも、一例として、テープ14は、ハーネス13の、ヒンジ部9(のシャフト9c)の長手方向に沿った部分13aを固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、ハーネス13がテープ14によってシャフト9cにより固定されやすい。
【0052】
また、本実施形態でも、一例として、テープ14は、シャフト9cの外周に沿って配置された複数のハーネス13をシャフト9cに固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、複数のハーネス13がシャフト9cの周囲によりコンパクトに配置されやすい。
【0053】
また、本実施形態でも、一例として、テープ14は、シャフト9cから離れた位置でハーネス13を固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、テープ14を、シャフト9cから離れて位置されたハーネス13の固定(保持)に利用することができる。
【0054】
また、本実施形態では、一例として、テープ14は、シャフト9cの近傍の第一位置P1と、シャフト9cから離れた第二位置P2とでハーネス13を固定している。よって、本実施形態によれば、一例としては、それぞれ別の固定手段(保持手段)で固定した場合に比べて、部品点数が減りやすい。また、一例としては、ハーネス13を組み立てる際の手間が減りやすい。
【0055】
また、本実施形態でも、一例として、ハーネス13は、第一位置P1と第二位置P2との間で屈曲されている。よって、一例としては、第二筐体2Aの第二電気部品側から第一筐体3Aの第一電気部品側に向けて、第一位置P1で延びる方向(シャフト9cに沿った方向、図9の例では左方向、図10の例では右方向)と第二位置P2で延びる方向(図9の例では右方向、図10の例では左方向)とが異なる(本実施形態では、一例として逆である)ハーネス13を、一つのテープ14で固定する(保持する)ことができる。
【0056】
また、本実施形態でも、一例として、テープ14は、第二部分9bより細い第一部分9a(シャフト9c)に固定された。よって、本実施形態によれば、一例としては、ヒンジ部9にハーネス13が固定された領域が大きくなる(かさばる)のが抑制されやすい。よって、一例としては、第一筐体3Aや第二筐体2A内での部品のレイアウトの自由度がより高まりやすい。
【0057】
また、本実施形態では、一例として、図11,12に示されるように、ヒンジキャップ23は、第二筐体2Aの端部2eに沿って延びた細長い直方体状の外観を呈している。また、ヒンジキャップ23は、壁部23b,23c,23dを有している。ヒンジキャップ23の壁部23bの反対側は、開放されている。壁部23b(天壁、頂壁、上壁)は、矩形状(本実施形態では、一例として長方形状、短冊状)かつ板状に構成されている。壁部23bは、面2aから離れた位置で、面2aと並行して(本実施形態では、一例として平行に)設けられている。壁部23c(側壁)は、壁部23bの短手方向の両端部にそれぞれ設けられ、壁部23bと交叉する方向(本実施形態では、一例として直交する方向)に突出している。壁部23cも、矩形状(本実施形態では、一例として長方形状、短冊状)かつ板状に構成されている。壁部23dは、壁部23bの長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、壁部23bと交叉する方向(本実施形態では、一例として直交する方向)に突出している。壁部23d(側壁、端壁)も、矩形状(本実施形態では、一例として長方形状)かつ板状に構成されている。壁部23dのうち一方(本実施形態では、一例として第二筐体2Aの端部2eの中央部側、第一筐体3Aの端部3eと隣接する側)には、開口部23aが設けられる。
【0058】
ヒンジキャップ23は、結合部として、雌ねじ部23eおよび係部23f〜23hを有する。雌ねじ部23eは、壁部23bの内側(裏側、下側)に突出した突出部23i(ボス部)に設けられている。この雌ねじ部23eは、第二筐体2Aに設けられた開口部2v(例えば、貫通孔または切欠等、本実施形態では、一例として貫通孔)と重なっている。開口部2vは、第二筐体2Aを貫通している。そして、第二筐体2Aの下側(裏側、第二筐体部材22側)から開口部2vを通されたねじ等の結合具(図示されず)が雌ねじ部23eに結合されることにより、第二筐体2A(一例として、第一筐体部材21および第二筐体部材22のうち少なくとも一方、本実施形態では、一例として両方)とヒンジキャップ23とが結合される。また、係部23f〜23hは、第二筐体2A(一例として、第一筐体部材21および第二筐体部材22のうち少なくとも一方、本実施形態では、一例として第一筐体部材21)に設けられた係部2w〜2yと係わる。係部23fは、開口部23aが設けられた壁部23dから開放側、すなわち、ヒンジキャップ23が第二筐体2Aに組み付けられた際に壁部2m側となる方向に突出している。係部23fの先端(突端)はL字状に屈曲され、爪部23jが設けられている。爪部23jは、第二筐体2Aの端部2eに沿った一方側(本実施形態では、一例として、端部2eの中央部側)に向けて突出している。係部23f〜23hと係部2w〜2yとは、ヒンジキャップ23が第二筐体2Aの厚さ方向に動かされて第二筐体2Aに近接し、その後第二筐体2Aの端部2eに沿って当該端部2eの中央部側に動かしてスライドされる(すなわち、図7,8に示されるように、L字状に動かされる)ことで、係わる。本実施形態では、ヒンジキャップ23を、第二筐体2Aとの近接方向と交叉する方向(面2aに沿った方向)にスライドさせて第二筐体2Aと係わらせることで、一例としては、ヒンジキャップ23を近接方向に係わらせて弾性変形を伴って取り付けた構成(すなわち、スナップフィット機構を用いた構成)に比べて、係部23f〜23hと係部2w〜2yとの係わる部分の面積(長さ)をより大きくすることができる。よって、一例としては、ヒンジキャップ23と第二筐体2Aとの結合剛性、結合強度(支持剛性、支持強度)がより高くなりやすい。そして、本実施形態では、一例として、ヒンジキャップ23によって、ヒンジ部9の周囲が開放(露出)されるので、作業者は、ハーネス13をテープ14で留める作業をより容易に行うことができる。
【0059】
また、本実施形態では、一例として、図13に示されるように、テープ14は、予め第一筐体3Aの第二筐体部材32に固定されている。具体的には、テープ14は、ヒンジ部9のシャフト9cと交叉する方向に延びた姿勢で、シャフト9cと第二筐体部材32との間となる位置で、第二筐体部材32に固定されている。図14にも示されるように、テープ14の第一面14aの長手方向中間部(中央部)の第一領域A1に接着剤17が付けられ、この第一領域A1が第二筐体部材32に接着される。また、テープ14の第二面14bの長手方向端部の第二領域A2にも接着剤17が付けられ、この第二領域A2はテープ14の他の部位に接着される。すなわち、本実施形態では、一例として、図15に示されるように、作業者は、テープ14の長手方向端部を折り返してテープ14の他の部位に留める(接着する)ことで、テープ14がシャフト9cおよびハーネス13を巻いた状態を、比較的容易に得ることができる。また、本実施形態では、一例として、図9,10,15に示されるように、ハーネス13は、第一位置P1と第二位置P2とでテープ14に固定されることができる。また、この際、本実施形態では、一例として、第一位置P1と第二位置P2との間で接着剤17によってテープ14の一部分と他の部分とが留められる(接着される)ことができる。これにより、一例としては、第一位置P1と第二位置P2とが離間された状態で固定されやすい。なお、第一領域A1と第二領域A2とは、上述した例には限定されず、種々に変更することが可能である。
【0060】
そして、本実施形態では、一例として、図15に示されるように、テープ14により、シャフト9cの周囲に複数のハーネス13が固定される。この際、シャフト9cに対して第一筐体部材31の係部31aと第二筐体部材32の係部32aとが係わる部分が位置する方向には、ハーネス13が配置されていない。これにより、一例としては、第一筐体3Aがより大きくなるのが抑制されやすい。また、一例としては、ハーネス13をテープ14で固定する作業をより容易に行うことができる。
【0061】
以上のような構成により、本実施形態では、一例として、図16に示されるように、ハーネス13がヒンジ部9に沿って配置され、ハーネス13が移動しにくい構成が得られる。よって、本実施形態によれば、一例としては、ハーネス13が移動することによる不都合が抑制されやすい。また、本実施形態では、一例として、図16に示されるように、ヒンジ部9の結合部9fが、第一筐体3Aの第二筐体部材32に、ねじ等の結合具15によって、結合されている。よって、結合部9fが、他の部品(例えば、表示装置4の周縁部に沿った部材等)に固定される構成に比べて、第一筐体3Aの構成がより簡素になりやすい。
【0062】
また、本実施形態では、一例として、図17,18に示されるように、第一筐体3Aの第一筐体部材31および第二筐体部材32が、スライドされて結合されている。具体的には、一例として、図17に示されるように、第一筐体部材31の端部3cには、壁部3kと隙間をあけて端部3cの縁に向けて突出した係部31bが設けられている。また、図18に示されるように、第二筐体部材32の端部3cには、壁部3mと隙間をあけて係部31bの突出方向とは反対側に突出した係部32bが設けられている。作業者は、第一筐体部材31と第二筐体部材32とを組み付ける際には、図17および図18に示される矢印Sの方向にスライドさせることで、係部31bと係部32bとが係わった状態が得られる。よって、本実施形態では、一例としては、第一筐体部材31と第二筐体部材32とを近接方向に係わらせて弾性変形を伴って取り付けた構成(すなわち、スナップフィット機構を用いた構成)に比べて、係部31bと係部32bとの係わる部分の面積(長さ)をより大きくすることができる。よって、一例としては、第一筐体部材31と第二筐体部材32との結合剛性、結合強度(支持剛性、支持強度)がより高くなりやすい。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、テープに替えて異なる保持部(例えば、保持具、固定具、結合具、接続具、留具、ブラケット、合成樹脂の成形品等)を用いても同様の結果を得ることができる。また、一例としては、ハーネスをテープ等の保持部によってヒンジ部に固定せず、ヒンジ部の周囲に留めておく(保持する、維持する、引っ掛けておく)構成とすることもできる。また、上記各実施形態や変形例の技術的特徴は、適宜に組み合わせて実施することができる。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
なお、以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第一電気部品を収容した第一の筐体と、
第二電気部品を収容した第二の筐体と、
前記第一の筐体と前記第二の筐体とにそれぞれ固定され、回転軸部を有し、該回転軸部を中心に前記第一の筐体と前記第二の筐体とを回動可能に接続したヒンジ部と、
前記第一電気部品と前記第二電気部品とを電気的に接続するとともに、前記第一の筐体内の前記第二の筐体近傍の位置で前記ヒンジ部の前記回転軸部に保持部によって保持された配線と、
を備えた電子機器。
[2]
前記保持部は、テープである、[1]に記載の電子機器。
[3]
前記保持部が、前記配線の、前記ヒンジ部の長手方向に沿った部分を固定した、[1]または[2]に記載の電子機器。
[4]
前記保持部が、前記ヒンジ部の外周に沿って配置された複数の前記配線を固定した、[1]〜[3]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[5]
前記保持部が、前記ヒンジ部から離れた位置で前記配線を固定した、[1]〜[4]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[6]
前記保持部が、第一位置と該第一位置より前記ヒンジ部から離れた第二位置とで前記配線を固定した、[1]〜[5]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[7]
前記第一位置および前記第二位置で前記保持部に固定された前記配線が、前記第一位置と前記第二位置との間で屈曲された、[6]に記載の電子機器。
[8]
前記保持部が、前記筐体に固定された、[1]〜[7]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[9]
前記保持部はテープであり、
前記テープの、前記筐体に面した第一面の長手方向の中間部に位置した第一領域と、前記第一面の反対側の第二面の第二領域とに、接着剤が付けられた、[8]に記載の電子機器。
[10]
前記ヒンジ部は、第一部分と、該第一部分より太い第二部分とを有し、
前記配線は、前記第一部分に固定された、[1]〜[9]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[11]
前記ヒンジ部が、前記筐体に固定された、[1]〜[10]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[12]
前記第一筐体および第二筐体のうち少なくとも一方に、前記ヒンジ部を露出させる開口部が設けられ、該開口部および前記ヒンジ部を覆うカバーが設けられた、[1]〜[11]のうちいずれか一つに記載の電子機器。
[13]
表示画面を有した表示装置と、
前記表示装置の少なくとも一部が収容された筐体と、
外部載置面に載置された場合に該外部載置面と向かい合う領域を有し、前記筐体を支持した支持部と、
前記筐体と前記支持部とにそれぞれ固定され、回転軸部を有し、該回転軸部を中心に前記筐体と前記支持部とを回動可能に接続したヒンジ部と、
前記筐体内に収容された第一電気部品と、
前記支持部内に収容された第二電気部品と、
前記第一電気部品と前記第二電気部品とを電気的に接続するとともに、前記筐体内の前記支持部近傍の位置で前記ヒンジ部の前記回転軸部に保持部によって保持された配線と、
を備えたテレビジョン受像機。
【符号の説明】
【0064】
1…テレビジョン受像機(電子機器)、1A…電子機器、2…支持部(他の部品)、2A…第二筐体(他の部品)、3…筐体、3A…第一筐体(筐体)、4…表示装置(第一電気部品)、4a…表示画面、6…基板(第一電気部品、第二電気部品)、9…ヒンジ部(接続部)、9a…第一部分、9b…第二部分、9c…シャフト(回転軸部)、10…カメラモジュール(第一電気部品)、14…テープ(保持部)、14a…第一面、14b…第二面、16…スピーカ(第二電気部品)、20a…領域、31…第一筐体部材(マスク部)、32…第二筐体部材(カバー部)、A1…第一領域、A2…第二領域、P1…第一位置、P2…第二位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一電気部品を収容した第一の筐体と、
第二電気部品を収容した第二の筐体と、
前記第一の筐体と前記第二の筐体とにそれぞれ固定され、回転軸部を有し、該回転軸部を中心に前記第一の筐体と前記第二の筐体とを回動可能に接続したヒンジ部と、
前記第一電気部品と前記第二電気部品とを電気的に接続するとともに、前記第一の筐体内で前記回転軸部に沿った配線と、
前記回転軸部と前記配線とを束ねた保持部と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
前記保持部は、テープである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記保持部が、前記配線の、前記ヒンジ部の長手方向に沿った部分を固定した、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記保持部が、前記ヒンジ部の外周に沿って配置された複数の前記配線を固定した、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項5】
前記保持部が、前記ヒンジ部から離れた位置で前記配線を固定した、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記保持部が、第一位置と該第一位置より前記ヒンジ部から離れた第二位置とで前記配線を固定した、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項7】
前記第一位置および前記第二位置で前記保持部に固定された前記配線が、前記第一位置と前記第二位置との間で屈曲された、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記保持部が、前記筐体に固定された、請求項1〜7のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項9】
前記保持部はテープであり、
前記テープの、前記筐体に面した第一面の長手方向の中間部に位置した第一領域と、前記第一面の反対側の第二面の第二領域とに、接着剤が付けられた、請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記ヒンジ部は、第一部分と、該第一部分より太い第二部分とを有し、
前記配線は、前記第一部分に固定された、請求項1〜9のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項11】
前記ヒンジ部が、前記筐体に固定された、請求項1〜10のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項12】
前記第一筐体および第二筐体のうち少なくとも一方に、前記ヒンジ部を露出させる開口部が設けられ、該開口部および前記ヒンジ部を覆うカバーが設けられた、請求項1〜11のうちいずれか一つに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−80953(P2013−80953A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−282963(P2012−282963)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2011−202412(P2011−202412)の分割
【原出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】