電子玩具及びプログラム
【課題】周囲の色にあわせて、自分の目の色を変化させるとともに、所定の音階で鳴く玩具を提供する。
【解決手段】音響発生部BZ1と、物体に光を照射する発光素子D1と、物体で反射された光を受光する受光素子Q1と、目の位置に設けられた発光素子D2,D3と、制御部IC1とを備える。制御部は、発光素子で三色の光を順番に発光させ、受光素子の出力信号をデジタル値に変換して発光の順番に応じてRGB信号とし、RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換し、変換された前記色相(H)に基づき予め定められた音階を発生するとともに、RGB信号で目を発光させる。周囲の環境によって色を変えるアマガエルのように、周囲の色にあわせて目の色を変化させ、鳴く。鳴き声は周囲の色によって音程が変わり、あらかじめ用意されたカラーバーコードの上を移動させて、曲を演奏させることもできる。
【解決手段】音響発生部BZ1と、物体に光を照射する発光素子D1と、物体で反射された光を受光する受光素子Q1と、目の位置に設けられた発光素子D2,D3と、制御部IC1とを備える。制御部は、発光素子で三色の光を順番に発光させ、受光素子の出力信号をデジタル値に変換して発光の順番に応じてRGB信号とし、RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換し、変換された前記色相(H)に基づき予め定められた音階を発生するとともに、RGB信号で目を発光させる。周囲の環境によって色を変えるアマガエルのように、周囲の色にあわせて目の色を変化させ、鳴く。鳴き声は周囲の色によって音程が変わり、あらかじめ用意されたカラーバーコードの上を移動させて、曲を演奏させることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、周囲の色にあわせて、自分の目の色を変化させるとともに、所定の音階で鳴く玩具に関する。特に、周囲の環境によって色を変えるアマガエルのように、周囲の色にあわせて目の色を変化させ、鳴く玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−033640「玩具ロボット、その制御方法、制御プログラム及び可読記録媒体」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CCDカメラを備える玩具は知られていたが、周囲の色にあわせて、自分の目の色を変化させるとともに、所定の音階で鳴く玩具は、今まで提供されていなかった。
【0004】
この発明は、周囲の色にあわせて、所定の音階で鳴く玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、基板と、前記基板に設けられ、所定の音を発生する音響発生部と、前記基板に設けられ、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子を駆動し、前記受光素子からの信号に基づき前記音響発生部を駆動して所定の音を発生させる制御部とを備える玩具において、
前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、かつ、前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御できるものであり、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップとを実行する、ものである。
【0006】
前記三色の光を表現可能な色彩の表現部を備え、
前記制御部は、
前記色測定第3ステップで変換された前記彩度(S)及び明度(V)を強調する色表現第1ステップと、
前記色相(H)、強調された前記彩度(S)及び明度(V)をRGB信号に戻す色表現第2ステップと、
戻された前記RGB信号に基づき前記色彩の表現部を発光させる色表現第3ステップとを実行する、ようにしてもよい。
【0007】
前記基板は、動物の外形を模した形状をもち、
前記発光素子及び前記受光素子は、前記動物の腹の位置に設けられて、前記基板の下に位置する物体に向けられており、
前記色彩の表現部は、前記動物の目の位置に設けられている、ようにしてもよい。
【0008】
前記色彩の表現部に代えて、前記発光素子からの光を導き、外部へ光を放射する導光部材を備え、
前記制御部は、前記色表現第2ステップで戻された前記RGB信号に基づき前記発光素子を発光させる、ようにしてもよい。
【0009】
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色校正第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して補正用RGB信号を取得する色校正第2ステップと、
取得された前記補正用RGB信号に基づき補正係数を算出する色校正第3ステップと、を実行するとともに、
前記色測定第2ステップにおいて、得られた前記RGB信号を前記補正係数で補正し、
前記色測定第3ステップにおいて、補正された前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)へ変換する、ようにしてもよい。
【0010】
認識する色と音階を対応づけて登録するためのスイッチを備え、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色記憶第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して色情報用RGB信号を取得する色記憶第2ステップと、
取得された前記色情報用RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色記憶第3ステップと、
変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記スイッチで指定された音階に対応づけて記憶する色記憶第4ステップと、を実行するとともに、
前記音響発生第1ステップに代えて、
前記色測定第3ステップで変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記色記憶第4ステップで記憶された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)と比較して最も近いものを選択し、選択されたものに対応づけられた音階を決定するステップを実行する、ようにしてもよい。
【0011】
この発明は、所定の音を発生する音響発生部と、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、マイコンとを備え、前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、前記マイコンは前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御する玩具において、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップと、を前記マイコンに実行させるためのプログラムである。
【0012】
この発明に係るプログラムは、例えば、記録媒体に記録される。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【0013】
媒体とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の実施の形態1.
この発明の実施の形態に係る玩具は、カエルを模したものである。当該玩具は、周囲の環境によって色を変えるアマガエルのように、周囲の色にあわせて、自分の目の色(LED)を変化させるものである。また、当該玩具は、スイッチを押すと鳴き始める。鳴き声は周囲の色によって音程が変わるため、あらかじめ用意されたカラーバーコードの上を移動させて、曲を演奏させることもできる。
【0015】
図1は、発明の実施の形態に係る玩具の斜視図を示す。図2は、当該玩具をひっくり返した状態の斜視図を示す。図3は、当該玩具を表面から見た平面図を示す。図4は、当該玩具を裏面から見た平面図を示す。通常の使用状態は図1及び図3であり、裏面が下側、言い換えれば物体(床面)側に向けられる。図1〜図4からわかるように、当該玩具はプリント基板PWBとその上に実装された部品及び電池BATからなり、ケースや筐体に相当するものを備えないが、カエルの形状を模したプラスチックのケースに収納するようにしてもよい。
【0016】
図5は、当該玩具の回路図である。
【0017】
図1〜図5に示された符号について説明する。
【0018】
PWBは、カエルの形状を模したプリント基板(以下、「基板」)である。
D1〜D3は発光ダイオードである。この発光ダイオードは、1つのパッケージにいわゆるRGB三原色の3つの発光ダイオード素子を内蔵するもので、それらに流す電流を調節することにより、任意の色で発光させることができる。D1は、基板PWBの裏面のほぼ中央に設けられ、物体に対して光を照射するものである。当該玩具を、図1及び図3のように物体(例えば平面状の板や図10に示すような印刷物)の上に置いた状態で、発光ダイオードD1の先端は当該物体の直近に位置し、当該物体に直接光を照射するようになる。これに対して、D2及びD3は、基板PWBの表面の端(カエルの目の位置)に設けられている。
【0019】
Q1は、基板PWBの裏面に発光ダイオードD1に隣接して設けられたフォトトランジスタである。フォトトランジスタQ1には、可視光領域で反応するタイプを使用する。フォトトランジスタQ1は、発光ダイオードD1から出て物体で反射した光を受ける。発光ダイオードD1とフォトトランジスタQ1は、図6で示すように、図のように床面(物体)に対して、発光ダイオードD1からの光が所定の角度で当たり、その反射光がフォトトランジスタQ1に効率よく入射するように取り付けられる。典型的には、発光ダイオードD1からの光が自分自身に還らないように、垂直ではなく斜めに光を当てる。フォトトランジスタQ1の受光方向を、発光ダイオードD1の光が照射されている床面の位置に向ける。フォトトランジスタQ1は、発光ダイオードD1と同様に斜めにするとよい。フォトトランジスタQ1は発光ダイオードD1の光以外の光(例えば照明の光や太陽光)を受けないことが好ましいので、図6に示すように、フォトトランジスタQ1の周囲に筒状のシールド(フード)Cを設けると良い。例えば、熱収縮チューブやビニールテープ等で、その周りを囲むとよい。
【0020】
BZ1は、音響を発生するブザーである。ブザーBZ1は、単一の音響だけではなく、ドレミファソラシドのような音程をもつ音響を発生することができる。
【0021】
SWは、当該玩具のオンオフ、及び、動作モードの切り替えを行うための押しボタンスイッチ(タクトスイッチ)である。
【0022】
ICは、フォトトランジスタQ1からの信号に基づき、発光ダイオードD1〜D3及びブザーBZ1を制御するマイコン(制御部)である。この発明の実施の形態では、DIP8ピンパッケージに収納されたワンチップマイコンを使用している。このマイコンは5Vでも動作するために、順方向電圧が3.5Vと高い青色LEDも直接ドライブすることができる。ピン数が8つと少ないため、色検出用の発光ダイオードD1と表現用の発光ダイオードD2、D3を同時に制御している。フォトトランジスタQ1の出力をA/D変換するための入力ピンが1つ、発光ダイオードD1〜D3用の出力ピンが3つ、ブザーBZ1用の出力ピンが1つ、タクトスイッチSWの検出のための入力ピンが1つ、電源ピンが2つ、合計8ピンの全てを使用している。マイコンICの動作については、後に詳しく説明する。
【0023】
BATは、当該玩具を動作させるための電源である。電源として、ボタン電池LR44を3個使っている。これで、連続20時間程度動作させることができる。
【0024】
10は、基板PWBの裏面に設けられた4つの脚部(突起)である。脚部10は、裏面に発光ダイオードD1とフォトトランジスタQ1が直接に床面に触れないようにこれを保護するものであるとともに、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1と床面の距離を一定に保つものである(図6参照)。脚部10は、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1とほぼ同一の高さをもち(正確には少し高い)、本件玩具を床面に置いたときに、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1と床面の距離が一定の距離で接近する(1mm〜3mm程度)。これにより、後述の動作を安定させている。
【0025】
基板PWB上には、図5に示すように上記以外の部品、7個の抵抗、コンデンサ、ツェナーダイオード、電池ホルダ(電池クリップ)、ICソケットが設けられるが、これらについての説明は省略する。
【0026】
発明の実施の形態に係る玩具の動作について説明する。
【0027】
(1)動作原理
人間の目は、対象物の色を赤、緑、青の光の強さで判別している。つまり、赤く見える物は自然光の光の赤成分を多く反射し、青く見える物も同様に青成分を多く反射している。それ以外の色の場合は、人間の目は赤、緑、青の組み合わせで判断している。例えば、黄色の物は、赤と緑、紫色の物は、赤と青といった組み合わせで認識されている。
【0028】
本発明の実施の形態では、この性質を利用して、高価なCCD等を利用するかわりに、マイコンといくつかの部品を組み合わせて色を判別させている。一般的なフォトトランジスタは色を判別できないが、本発明の実施の形態では、次のようにして色を判別させている。光源となる発光ダイオードD1にRGB三原色を発光できるフルカラーLEDを用い、その光を、赤−>緑−>青と順番に切替えつつ対象物に光を当てる。フォトトランジスタQ1で、反射した光の強さを順番にマイコンICのA/Dコンバータで測定することで、赤、緑、青の強さを知り、これらの組み合わせで対象物の色を判定している。
【0029】
例えば、図6に示すように、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1の下側に赤(R)の表示がされていると、フォトトランジスタQ1では、もっぱら発光ダイオードD1が赤を発光したときの受光レベルが高くなり、緑・青を発光したときの受光レベルが低くなる。単純には、発光ダイオードD1が赤を発光したときの受光レベルをR値とする。緑、青についても同様である。これらの受光レベルに基づき、対象物の色を判定する。他の色についても同様である。
【0030】
(2)処理内容
(2.1)処理全体の流れ
メインループで色の判定を行い、モードに応じて目の色を変えたり、音程を変えたりしている。A/D変換や、フルカラーLEDのPWM制御のタイマには割込みを使用している。
【0031】
(2.2)色の測定(図7のS3〜S7)
発光ダイオードD1を赤点灯してフォトトランジスタQ1の出力をA/D変換する。同じことを、緑、青についても行う。A/D変換された三色のデータに基づき、色を判定している。フォトトランジスタQ1の立ち上がり、立下り時間は、それぞれ2ms、3msなので、それぞれの色の測定時間は5ms必要である。また、測定開始時には10msのウェイトを入れているので、1回の色測定に必要な時間は、約30msほどかかることになる。取得した、R,G,Bの値をセンサの感度係数(青の方が敏感)で演算したR,G,Bの結果をuRed,uGreen,uBIueで保持する。
【0032】
(2.3)色の変換(図7のS8)
取得したRGB値を、人間の知覚に近い、HSV(H:色相、S:彩度、V:明度)に変換する。HSVに変換しておくことで、色相による音程変化や、LED表現色の変換を可能にする。
【0033】
(2.4)フルカラーLEDによる色表現(図8のS10〜S12)及び音程表現(図8のS21及びS22)
取得した色を元に、目の部分の発光ダイオードD2,D3の色を変化させる。目の部分のLEDと色判断用のLEDは同様の素子で同じ配線に接続されているので、測定中も目の点滅周期に一瞬だけ目が光る。センサから取得した色は、まわりの光の状況や対象物の反射率の関係で変化するので、HSVの彩度と明度を最大にして、色相をわかりやすく表現している(図8のS10)。マイコンに内蔵されている図示しないタイマを使用して目の発光ダイオードD2,D3のRGB成分をそれぞれパルス変調で表現している。また、人間の目でわかる程度に一定周期でゆっくり点滅させている。
【0034】
音程表現モード(図8のS21及びS22)では、取得した色(特にH成分)に基づき所定の音階の音を発生させる。S21では、例えば、H成分とドレミファソラシの音階の対応関係が定められており、当該関係はマイコンのメモリにテーブルとして予め記憶されている。S21では、取得されたH成分に基づき当該テーブルを検索し、対応づけられている音階を決定する。そして、S22で決定された音階を発生させる(次項の説明参照)。
【0035】
音程表現モード(図8のS21及びS22)を、音階ではなく、シームレスな周波数変化にして表現力を増やしたり、色相だけでなく、彩度や明度も利用することも可能である。
【0036】
図10に示すように、あらかじめ曲に応じた色をプリンタで印刷したり、折り紙を切りとって貼ったりすることで、発明の実施の形態に係る玩具で演奏させるためのカラーバーコードを作成することができる。図10はモノクロであるが、実際はカラーである。玩具をカラーバーコードの上に置いて矢印の方向に滑らせると、所定の音階を連続して発生する。例えば、「カエルの歌」が奏でられる。そのテンポは玩具の動かす速さに対応する。
【0037】
(2.5)外励式圧電ブザー駆動(鳴き声)
鳴き声の音程表現は、圧電ブザーの発振周波数を変えることで行っている。ここで用いているマイコンは、ハードウェアPWMを内蔵しているので、それを用いてブザーBZ1を駆動している。測定した色相に応じて、ド〜シの音程でブザーを駆動している。
【0038】
(2.6)タクトスイッチによるモード切り替え
マイコンは、その入力を監視して、スイッチSWが押されたことを検出している。
色表現モード(目の色変化:図8のS10〜S12)と音程表現モード(鳴き声:図8のS21〜S22)を切替えるが、長押しされた場合はいわゆるスリープモードに入って、省電カモードに移行する(図8のS13でY)。この際、次回スイッチを押した場合に、起動できるようにIRQを有効にしてSLEEP3モードに入る。
【0039】
図7及び図8に、発明の実施の形態1に係る処理フローチャートを示す。
図7のS8のRGB−>HSV変換、及び、図8のS11のHSV−>RGB変換では、公知の変換式を用いている。
【0040】
発明の実施の形態1は、次のような特長を備える。
【0041】
・CCDのようなカラーセンサではなく、フォトトランジスタとカラーLEDの組み合わせによる順次反射式色識別方法を採用しているので、低コストで生産可能である。
【0042】
・色認識用のデバイス(D1)と、色表現用のデバイス(D2,D3)が同一であるため、デバイス間の特性の差がなく、近似色の表現がより正確に可能である。
【0043】
・反射光測定前に、周囲の明るさを測定する(図7のS2、S14)ことで、より正確に反射光成分のみを測定可能である。
【0044】
・白い物の上で、図7のS14〜S20の校正機能を実行することで、各色におけるフォトトランジスタの感度差や、カラーLEDの各色のばらつきを一度に校正することが可能である。
【0045】
・量産時の調整項目が少なく、安定した特性を維持したまま量産することが可能である。
【0046】
・RGB信号をそのまま使うのではなく、一度HSV色空間に変換し、S(彩度)、V(明度)を強調してからRGB色空間に戻すことで、より明確な色相表現が可能である(図7のS8,S10,S11)。
【0047】
・色相の違いによって、音程を変更してブザーを鳴らす機能を有するので、あらかじめ色分けされた用紙(カラーバーコード)を用意し、それをトレースすることで音楽を演奏することが可能である。この時、R,G,B値ではなく色相を利用する(図8のS21)ことで、周囲の明るさの違いや、対象物との距離の差における誤差を吸収し、正確な演奏を行なうことが可能である。
【0048】
図9は、発明の実施の形態1に係る玩具の機能ブロック図である。これは、図7及び図8のフローチャートをブロック図で表現したものである。
【0049】
色校正部10は、図7のS15〜S19の処理を行うものであり、算出されたセンサ補正係数を補正係数記憶部11に記憶する。
色測定部20は、同図のS3〜S5,S7の処理を行う。
色補正部21は、同図のS6の処理を行う。
RGB−HSV変換部22は、同図のS8の処理を行う。
色強調処理部23は、図8のS10の処理を行う。
HSV−RGB変換部24は、同図のS11の処理を行う。
駆動部25は、同図のS12の処理を行う。
H成分−音階変換部30は、同図のS21の処理を行う。
駆動部31は、同図のS22の処理を行う。
【0050】
発明の実施の形態2.
図11及び図12に、発明の実施の形態2に係る処理フローチャートを示す。
図13は、発明の実施の形態2に係る玩具の機能ブロック図である。これは、図11及び図12のフローチャートをブロック図で表現したものである。
【0051】
図11〜図13の処理・要素について、図7〜図9との相違点を中心に説明を加える。
発明の実施の形態2では、色記憶ループ(図11のS12〜図12のS22、図13のRGB−HSV変換部40、色情報記憶部41)を備える。認識する色種別(色番号1〜n)すべての測定を繰り返し、測定された色情報を色種別に対応づけて記憶する。通常の動作モードにおいて、測定された色が記憶されている色情報のいずれに最も近いかを判定し、最も近いものを選択する(図12のS9)。
【0052】
例えば、測定された色情報と記憶されている色情報との距離を計算し、それが最小になるものを選択する。ここで、距離としてユークリッド距離(=((記憶されているH)−(測定されたH))^2+((記憶されているS)−(測定されたS))^2+((記憶されているV)−(測定されたV))^2)などを用いることができる。あるいは、類似度が最大になるものを選択してもよい。ここで、類似度として、ベクトルの内積(=(記憶されているH)*(測定されたH))+(記憶されているS)*(測定されたS)+(記憶されているV)*(測定されたV))などを用いることができる。
【0053】
そして、選択された色情報に予め対応付けられている動作を実行する(例えば、当該色情報と同じ色を表現する、当該色情報に対応付けられた音を発生する(図13の色選択部32、色音階変換部33)。
【0054】
具体的には、ユーザーが、スイッチを操作して色記憶ループを実行させ、所望の色が表示された板のうえに玩具を載せ、スイッチを操作して当該色を登録する。これを所定回数(色番号1〜nについて)繰り返す。例えば、図10のドの上に表示されたカエルの絵に最初に玩具を載せることで、当該絵に付された色はドの音階に対応付けられる。順番にレミファソラシについて繰り返す。なお、この場合、最初に登録された色はド、次に登録された色はレ、・・・というように登録される音程の順番は予め決められている。
【0055】
なお、音程を指定するスイッチを設けてもよい。例えば、3ビットのDIPスイッチを設け、001のときド、010のときレ、・・・というように直接音程を指定できるようにしてもよい。
【0056】
発明の実施の形態2によれば、所望の色を予め登録し、色に応じて異なる動作を行わせることができる。
【0057】
発明の実施の形態3.
以上の例では、色測定用の発光ダイオードD1と、色表現用の発光ダイオードD2,D3を別々に設けていたが、これらをひとつにすることもできる。
【0058】
図14にその例を示す。図14の玩具は、ひとつの発光ダイオードD1の光を導く2つの導光部(光ファイバーなど)F1,F2を備えている。導光部F1の先端は対象物に向けられ、対象物で反射された光はフォトトランジスタQ1に入射する。他方、導光部F1の先端は2つに分けられ、発明の実施の形態1の発光ダイオードD2,D3の位置(カエルの目の位置)に導かれる。
【0059】
図14の玩具は、発明の実施の形態1に係る玩具と同様の作用効果を奏しつつ、発光ダイオードの数を減らすことでコストダウンが可能である。また、色測定用の発光ダイオードと、色表現用の発光ダイオードを共通化することで、デバイスのばらつきによる色の再現性への影響がなくなる、というメリットもある。
【0060】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】発明の実施の形態1に係る玩具の表面斜視図の代用写真である。
【図2】発明の実施の形態1に係る玩具の裏面斜視図の代用写真である。
【図3】発明の実施の形態1に係る玩具の表面平面図の代用写真である。
【図4】発明の実施の形態1に係る玩具の裏面平面図の代用写真である。
【図5】発明の実施の形態1に係る玩具の回路図である。
【図6】発明の実施の形態1に係る色測定の説明図である。
【図7】発明の実施の形態1に係る玩具の処理フローチャートである。
【図8】発明の実施の形態1に係る玩具の処理フローチャートである(続き)。
【図9】発明の実施の形態1に係る玩具の機能ブロック図である。
【図10】発明の実施の形態1で使用する印刷物の一例である。
【図11】発明の実施の形態2に係る玩具の処理フローチャートである。
【図12】発明の実施の形態2に係る玩具の処理フローチャートである(続き)。
【図13】発明の実施の形態2に係る玩具の機能ブロック図である。
【図14】発明の実施の形態3に係る玩具の光経路の説明図である。
【符号の説明】
【0062】
BAT 電池
BZ1 ブザー
D1〜D3 発光ダイオード
IC マイコン(制御部)
PWB 印刷配線基板
Q1 フォトトランジスタ
SS 脚部
SW スイッチ
【技術分野】
【0001】
この発明は、周囲の色にあわせて、自分の目の色を変化させるとともに、所定の音階で鳴く玩具に関する。特に、周囲の環境によって色を変えるアマガエルのように、周囲の色にあわせて目の色を変化させ、鳴く玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−033640「玩具ロボット、その制御方法、制御プログラム及び可読記録媒体」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CCDカメラを備える玩具は知られていたが、周囲の色にあわせて、自分の目の色を変化させるとともに、所定の音階で鳴く玩具は、今まで提供されていなかった。
【0004】
この発明は、周囲の色にあわせて、所定の音階で鳴く玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、基板と、前記基板に設けられ、所定の音を発生する音響発生部と、前記基板に設けられ、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子を駆動し、前記受光素子からの信号に基づき前記音響発生部を駆動して所定の音を発生させる制御部とを備える玩具において、
前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、かつ、前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御できるものであり、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップとを実行する、ものである。
【0006】
前記三色の光を表現可能な色彩の表現部を備え、
前記制御部は、
前記色測定第3ステップで変換された前記彩度(S)及び明度(V)を強調する色表現第1ステップと、
前記色相(H)、強調された前記彩度(S)及び明度(V)をRGB信号に戻す色表現第2ステップと、
戻された前記RGB信号に基づき前記色彩の表現部を発光させる色表現第3ステップとを実行する、ようにしてもよい。
【0007】
前記基板は、動物の外形を模した形状をもち、
前記発光素子及び前記受光素子は、前記動物の腹の位置に設けられて、前記基板の下に位置する物体に向けられており、
前記色彩の表現部は、前記動物の目の位置に設けられている、ようにしてもよい。
【0008】
前記色彩の表現部に代えて、前記発光素子からの光を導き、外部へ光を放射する導光部材を備え、
前記制御部は、前記色表現第2ステップで戻された前記RGB信号に基づき前記発光素子を発光させる、ようにしてもよい。
【0009】
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色校正第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して補正用RGB信号を取得する色校正第2ステップと、
取得された前記補正用RGB信号に基づき補正係数を算出する色校正第3ステップと、を実行するとともに、
前記色測定第2ステップにおいて、得られた前記RGB信号を前記補正係数で補正し、
前記色測定第3ステップにおいて、補正された前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)へ変換する、ようにしてもよい。
【0010】
認識する色と音階を対応づけて登録するためのスイッチを備え、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色記憶第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して色情報用RGB信号を取得する色記憶第2ステップと、
取得された前記色情報用RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色記憶第3ステップと、
変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記スイッチで指定された音階に対応づけて記憶する色記憶第4ステップと、を実行するとともに、
前記音響発生第1ステップに代えて、
前記色測定第3ステップで変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記色記憶第4ステップで記憶された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)と比較して最も近いものを選択し、選択されたものに対応づけられた音階を決定するステップを実行する、ようにしてもよい。
【0011】
この発明は、所定の音を発生する音響発生部と、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、マイコンとを備え、前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、前記マイコンは前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御する玩具において、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップと、を前記マイコンに実行させるためのプログラムである。
【0012】
この発明に係るプログラムは、例えば、記録媒体に記録される。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【0013】
媒体とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の実施の形態1.
この発明の実施の形態に係る玩具は、カエルを模したものである。当該玩具は、周囲の環境によって色を変えるアマガエルのように、周囲の色にあわせて、自分の目の色(LED)を変化させるものである。また、当該玩具は、スイッチを押すと鳴き始める。鳴き声は周囲の色によって音程が変わるため、あらかじめ用意されたカラーバーコードの上を移動させて、曲を演奏させることもできる。
【0015】
図1は、発明の実施の形態に係る玩具の斜視図を示す。図2は、当該玩具をひっくり返した状態の斜視図を示す。図3は、当該玩具を表面から見た平面図を示す。図4は、当該玩具を裏面から見た平面図を示す。通常の使用状態は図1及び図3であり、裏面が下側、言い換えれば物体(床面)側に向けられる。図1〜図4からわかるように、当該玩具はプリント基板PWBとその上に実装された部品及び電池BATからなり、ケースや筐体に相当するものを備えないが、カエルの形状を模したプラスチックのケースに収納するようにしてもよい。
【0016】
図5は、当該玩具の回路図である。
【0017】
図1〜図5に示された符号について説明する。
【0018】
PWBは、カエルの形状を模したプリント基板(以下、「基板」)である。
D1〜D3は発光ダイオードである。この発光ダイオードは、1つのパッケージにいわゆるRGB三原色の3つの発光ダイオード素子を内蔵するもので、それらに流す電流を調節することにより、任意の色で発光させることができる。D1は、基板PWBの裏面のほぼ中央に設けられ、物体に対して光を照射するものである。当該玩具を、図1及び図3のように物体(例えば平面状の板や図10に示すような印刷物)の上に置いた状態で、発光ダイオードD1の先端は当該物体の直近に位置し、当該物体に直接光を照射するようになる。これに対して、D2及びD3は、基板PWBの表面の端(カエルの目の位置)に設けられている。
【0019】
Q1は、基板PWBの裏面に発光ダイオードD1に隣接して設けられたフォトトランジスタである。フォトトランジスタQ1には、可視光領域で反応するタイプを使用する。フォトトランジスタQ1は、発光ダイオードD1から出て物体で反射した光を受ける。発光ダイオードD1とフォトトランジスタQ1は、図6で示すように、図のように床面(物体)に対して、発光ダイオードD1からの光が所定の角度で当たり、その反射光がフォトトランジスタQ1に効率よく入射するように取り付けられる。典型的には、発光ダイオードD1からの光が自分自身に還らないように、垂直ではなく斜めに光を当てる。フォトトランジスタQ1の受光方向を、発光ダイオードD1の光が照射されている床面の位置に向ける。フォトトランジスタQ1は、発光ダイオードD1と同様に斜めにするとよい。フォトトランジスタQ1は発光ダイオードD1の光以外の光(例えば照明の光や太陽光)を受けないことが好ましいので、図6に示すように、フォトトランジスタQ1の周囲に筒状のシールド(フード)Cを設けると良い。例えば、熱収縮チューブやビニールテープ等で、その周りを囲むとよい。
【0020】
BZ1は、音響を発生するブザーである。ブザーBZ1は、単一の音響だけではなく、ドレミファソラシドのような音程をもつ音響を発生することができる。
【0021】
SWは、当該玩具のオンオフ、及び、動作モードの切り替えを行うための押しボタンスイッチ(タクトスイッチ)である。
【0022】
ICは、フォトトランジスタQ1からの信号に基づき、発光ダイオードD1〜D3及びブザーBZ1を制御するマイコン(制御部)である。この発明の実施の形態では、DIP8ピンパッケージに収納されたワンチップマイコンを使用している。このマイコンは5Vでも動作するために、順方向電圧が3.5Vと高い青色LEDも直接ドライブすることができる。ピン数が8つと少ないため、色検出用の発光ダイオードD1と表現用の発光ダイオードD2、D3を同時に制御している。フォトトランジスタQ1の出力をA/D変換するための入力ピンが1つ、発光ダイオードD1〜D3用の出力ピンが3つ、ブザーBZ1用の出力ピンが1つ、タクトスイッチSWの検出のための入力ピンが1つ、電源ピンが2つ、合計8ピンの全てを使用している。マイコンICの動作については、後に詳しく説明する。
【0023】
BATは、当該玩具を動作させるための電源である。電源として、ボタン電池LR44を3個使っている。これで、連続20時間程度動作させることができる。
【0024】
10は、基板PWBの裏面に設けられた4つの脚部(突起)である。脚部10は、裏面に発光ダイオードD1とフォトトランジスタQ1が直接に床面に触れないようにこれを保護するものであるとともに、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1と床面の距離を一定に保つものである(図6参照)。脚部10は、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1とほぼ同一の高さをもち(正確には少し高い)、本件玩具を床面に置いたときに、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1と床面の距離が一定の距離で接近する(1mm〜3mm程度)。これにより、後述の動作を安定させている。
【0025】
基板PWB上には、図5に示すように上記以外の部品、7個の抵抗、コンデンサ、ツェナーダイオード、電池ホルダ(電池クリップ)、ICソケットが設けられるが、これらについての説明は省略する。
【0026】
発明の実施の形態に係る玩具の動作について説明する。
【0027】
(1)動作原理
人間の目は、対象物の色を赤、緑、青の光の強さで判別している。つまり、赤く見える物は自然光の光の赤成分を多く反射し、青く見える物も同様に青成分を多く反射している。それ以外の色の場合は、人間の目は赤、緑、青の組み合わせで判断している。例えば、黄色の物は、赤と緑、紫色の物は、赤と青といった組み合わせで認識されている。
【0028】
本発明の実施の形態では、この性質を利用して、高価なCCD等を利用するかわりに、マイコンといくつかの部品を組み合わせて色を判別させている。一般的なフォトトランジスタは色を判別できないが、本発明の実施の形態では、次のようにして色を判別させている。光源となる発光ダイオードD1にRGB三原色を発光できるフルカラーLEDを用い、その光を、赤−>緑−>青と順番に切替えつつ対象物に光を当てる。フォトトランジスタQ1で、反射した光の強さを順番にマイコンICのA/Dコンバータで測定することで、赤、緑、青の強さを知り、これらの組み合わせで対象物の色を判定している。
【0029】
例えば、図6に示すように、発光ダイオードD1及びフォトトランジスタQ1の下側に赤(R)の表示がされていると、フォトトランジスタQ1では、もっぱら発光ダイオードD1が赤を発光したときの受光レベルが高くなり、緑・青を発光したときの受光レベルが低くなる。単純には、発光ダイオードD1が赤を発光したときの受光レベルをR値とする。緑、青についても同様である。これらの受光レベルに基づき、対象物の色を判定する。他の色についても同様である。
【0030】
(2)処理内容
(2.1)処理全体の流れ
メインループで色の判定を行い、モードに応じて目の色を変えたり、音程を変えたりしている。A/D変換や、フルカラーLEDのPWM制御のタイマには割込みを使用している。
【0031】
(2.2)色の測定(図7のS3〜S7)
発光ダイオードD1を赤点灯してフォトトランジスタQ1の出力をA/D変換する。同じことを、緑、青についても行う。A/D変換された三色のデータに基づき、色を判定している。フォトトランジスタQ1の立ち上がり、立下り時間は、それぞれ2ms、3msなので、それぞれの色の測定時間は5ms必要である。また、測定開始時には10msのウェイトを入れているので、1回の色測定に必要な時間は、約30msほどかかることになる。取得した、R,G,Bの値をセンサの感度係数(青の方が敏感)で演算したR,G,Bの結果をuRed,uGreen,uBIueで保持する。
【0032】
(2.3)色の変換(図7のS8)
取得したRGB値を、人間の知覚に近い、HSV(H:色相、S:彩度、V:明度)に変換する。HSVに変換しておくことで、色相による音程変化や、LED表現色の変換を可能にする。
【0033】
(2.4)フルカラーLEDによる色表現(図8のS10〜S12)及び音程表現(図8のS21及びS22)
取得した色を元に、目の部分の発光ダイオードD2,D3の色を変化させる。目の部分のLEDと色判断用のLEDは同様の素子で同じ配線に接続されているので、測定中も目の点滅周期に一瞬だけ目が光る。センサから取得した色は、まわりの光の状況や対象物の反射率の関係で変化するので、HSVの彩度と明度を最大にして、色相をわかりやすく表現している(図8のS10)。マイコンに内蔵されている図示しないタイマを使用して目の発光ダイオードD2,D3のRGB成分をそれぞれパルス変調で表現している。また、人間の目でわかる程度に一定周期でゆっくり点滅させている。
【0034】
音程表現モード(図8のS21及びS22)では、取得した色(特にH成分)に基づき所定の音階の音を発生させる。S21では、例えば、H成分とドレミファソラシの音階の対応関係が定められており、当該関係はマイコンのメモリにテーブルとして予め記憶されている。S21では、取得されたH成分に基づき当該テーブルを検索し、対応づけられている音階を決定する。そして、S22で決定された音階を発生させる(次項の説明参照)。
【0035】
音程表現モード(図8のS21及びS22)を、音階ではなく、シームレスな周波数変化にして表現力を増やしたり、色相だけでなく、彩度や明度も利用することも可能である。
【0036】
図10に示すように、あらかじめ曲に応じた色をプリンタで印刷したり、折り紙を切りとって貼ったりすることで、発明の実施の形態に係る玩具で演奏させるためのカラーバーコードを作成することができる。図10はモノクロであるが、実際はカラーである。玩具をカラーバーコードの上に置いて矢印の方向に滑らせると、所定の音階を連続して発生する。例えば、「カエルの歌」が奏でられる。そのテンポは玩具の動かす速さに対応する。
【0037】
(2.5)外励式圧電ブザー駆動(鳴き声)
鳴き声の音程表現は、圧電ブザーの発振周波数を変えることで行っている。ここで用いているマイコンは、ハードウェアPWMを内蔵しているので、それを用いてブザーBZ1を駆動している。測定した色相に応じて、ド〜シの音程でブザーを駆動している。
【0038】
(2.6)タクトスイッチによるモード切り替え
マイコンは、その入力を監視して、スイッチSWが押されたことを検出している。
色表現モード(目の色変化:図8のS10〜S12)と音程表現モード(鳴き声:図8のS21〜S22)を切替えるが、長押しされた場合はいわゆるスリープモードに入って、省電カモードに移行する(図8のS13でY)。この際、次回スイッチを押した場合に、起動できるようにIRQを有効にしてSLEEP3モードに入る。
【0039】
図7及び図8に、発明の実施の形態1に係る処理フローチャートを示す。
図7のS8のRGB−>HSV変換、及び、図8のS11のHSV−>RGB変換では、公知の変換式を用いている。
【0040】
発明の実施の形態1は、次のような特長を備える。
【0041】
・CCDのようなカラーセンサではなく、フォトトランジスタとカラーLEDの組み合わせによる順次反射式色識別方法を採用しているので、低コストで生産可能である。
【0042】
・色認識用のデバイス(D1)と、色表現用のデバイス(D2,D3)が同一であるため、デバイス間の特性の差がなく、近似色の表現がより正確に可能である。
【0043】
・反射光測定前に、周囲の明るさを測定する(図7のS2、S14)ことで、より正確に反射光成分のみを測定可能である。
【0044】
・白い物の上で、図7のS14〜S20の校正機能を実行することで、各色におけるフォトトランジスタの感度差や、カラーLEDの各色のばらつきを一度に校正することが可能である。
【0045】
・量産時の調整項目が少なく、安定した特性を維持したまま量産することが可能である。
【0046】
・RGB信号をそのまま使うのではなく、一度HSV色空間に変換し、S(彩度)、V(明度)を強調してからRGB色空間に戻すことで、より明確な色相表現が可能である(図7のS8,S10,S11)。
【0047】
・色相の違いによって、音程を変更してブザーを鳴らす機能を有するので、あらかじめ色分けされた用紙(カラーバーコード)を用意し、それをトレースすることで音楽を演奏することが可能である。この時、R,G,B値ではなく色相を利用する(図8のS21)ことで、周囲の明るさの違いや、対象物との距離の差における誤差を吸収し、正確な演奏を行なうことが可能である。
【0048】
図9は、発明の実施の形態1に係る玩具の機能ブロック図である。これは、図7及び図8のフローチャートをブロック図で表現したものである。
【0049】
色校正部10は、図7のS15〜S19の処理を行うものであり、算出されたセンサ補正係数を補正係数記憶部11に記憶する。
色測定部20は、同図のS3〜S5,S7の処理を行う。
色補正部21は、同図のS6の処理を行う。
RGB−HSV変換部22は、同図のS8の処理を行う。
色強調処理部23は、図8のS10の処理を行う。
HSV−RGB変換部24は、同図のS11の処理を行う。
駆動部25は、同図のS12の処理を行う。
H成分−音階変換部30は、同図のS21の処理を行う。
駆動部31は、同図のS22の処理を行う。
【0050】
発明の実施の形態2.
図11及び図12に、発明の実施の形態2に係る処理フローチャートを示す。
図13は、発明の実施の形態2に係る玩具の機能ブロック図である。これは、図11及び図12のフローチャートをブロック図で表現したものである。
【0051】
図11〜図13の処理・要素について、図7〜図9との相違点を中心に説明を加える。
発明の実施の形態2では、色記憶ループ(図11のS12〜図12のS22、図13のRGB−HSV変換部40、色情報記憶部41)を備える。認識する色種別(色番号1〜n)すべての測定を繰り返し、測定された色情報を色種別に対応づけて記憶する。通常の動作モードにおいて、測定された色が記憶されている色情報のいずれに最も近いかを判定し、最も近いものを選択する(図12のS9)。
【0052】
例えば、測定された色情報と記憶されている色情報との距離を計算し、それが最小になるものを選択する。ここで、距離としてユークリッド距離(=((記憶されているH)−(測定されたH))^2+((記憶されているS)−(測定されたS))^2+((記憶されているV)−(測定されたV))^2)などを用いることができる。あるいは、類似度が最大になるものを選択してもよい。ここで、類似度として、ベクトルの内積(=(記憶されているH)*(測定されたH))+(記憶されているS)*(測定されたS)+(記憶されているV)*(測定されたV))などを用いることができる。
【0053】
そして、選択された色情報に予め対応付けられている動作を実行する(例えば、当該色情報と同じ色を表現する、当該色情報に対応付けられた音を発生する(図13の色選択部32、色音階変換部33)。
【0054】
具体的には、ユーザーが、スイッチを操作して色記憶ループを実行させ、所望の色が表示された板のうえに玩具を載せ、スイッチを操作して当該色を登録する。これを所定回数(色番号1〜nについて)繰り返す。例えば、図10のドの上に表示されたカエルの絵に最初に玩具を載せることで、当該絵に付された色はドの音階に対応付けられる。順番にレミファソラシについて繰り返す。なお、この場合、最初に登録された色はド、次に登録された色はレ、・・・というように登録される音程の順番は予め決められている。
【0055】
なお、音程を指定するスイッチを設けてもよい。例えば、3ビットのDIPスイッチを設け、001のときド、010のときレ、・・・というように直接音程を指定できるようにしてもよい。
【0056】
発明の実施の形態2によれば、所望の色を予め登録し、色に応じて異なる動作を行わせることができる。
【0057】
発明の実施の形態3.
以上の例では、色測定用の発光ダイオードD1と、色表現用の発光ダイオードD2,D3を別々に設けていたが、これらをひとつにすることもできる。
【0058】
図14にその例を示す。図14の玩具は、ひとつの発光ダイオードD1の光を導く2つの導光部(光ファイバーなど)F1,F2を備えている。導光部F1の先端は対象物に向けられ、対象物で反射された光はフォトトランジスタQ1に入射する。他方、導光部F1の先端は2つに分けられ、発明の実施の形態1の発光ダイオードD2,D3の位置(カエルの目の位置)に導かれる。
【0059】
図14の玩具は、発明の実施の形態1に係る玩具と同様の作用効果を奏しつつ、発光ダイオードの数を減らすことでコストダウンが可能である。また、色測定用の発光ダイオードと、色表現用の発光ダイオードを共通化することで、デバイスのばらつきによる色の再現性への影響がなくなる、というメリットもある。
【0060】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】発明の実施の形態1に係る玩具の表面斜視図の代用写真である。
【図2】発明の実施の形態1に係る玩具の裏面斜視図の代用写真である。
【図3】発明の実施の形態1に係る玩具の表面平面図の代用写真である。
【図4】発明の実施の形態1に係る玩具の裏面平面図の代用写真である。
【図5】発明の実施の形態1に係る玩具の回路図である。
【図6】発明の実施の形態1に係る色測定の説明図である。
【図7】発明の実施の形態1に係る玩具の処理フローチャートである。
【図8】発明の実施の形態1に係る玩具の処理フローチャートである(続き)。
【図9】発明の実施の形態1に係る玩具の機能ブロック図である。
【図10】発明の実施の形態1で使用する印刷物の一例である。
【図11】発明の実施の形態2に係る玩具の処理フローチャートである。
【図12】発明の実施の形態2に係る玩具の処理フローチャートである(続き)。
【図13】発明の実施の形態2に係る玩具の機能ブロック図である。
【図14】発明の実施の形態3に係る玩具の光経路の説明図である。
【符号の説明】
【0062】
BAT 電池
BZ1 ブザー
D1〜D3 発光ダイオード
IC マイコン(制御部)
PWB 印刷配線基板
Q1 フォトトランジスタ
SS 脚部
SW スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板に設けられ、所定の音を発生する音響発生部と、前記基板に設けられ、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子を駆動し、前記受光素子からの信号に基づき前記音響発生部を駆動して所定の音を発生させる制御部とを備える玩具において、
前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、かつ、前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御できるものであり、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップとを実行する、ことを特徴とする電子玩具。
【請求項2】
前記三色の光を表現可能な色彩の表現部を備え、
前記制御部は、
前記色測定第3ステップで変換された前記彩度(S)及び明度(V)を強調する色表現第1ステップと、
前記色相(H)、強調された前記彩度(S)及び明度(V)をRGB信号に戻す色表現第2ステップと、
戻された前記RGB信号に基づき前記色彩の表現部を発光させる色表現第3ステップとを実行する、ことを特徴とする請求項1記載の電子玩具。
【請求項3】
前記基板は、動物の外形を模した形状をもち、
前記発光素子及び前記受光素子は、前記動物の腹の位置に設けられて、前記基板の下に位置する物体に向けられており、
前記色彩の表現部は、前記動物の目の位置に設けられている、ことを特徴とする請求項2記載の電子玩具。
【請求項4】
前記色彩の表現部に代えて、前記発光素子からの光を導き、外部へ光を放射する導光部材を備え、
前記制御部は、前記色表現第2ステップで戻された前記RGB信号に基づき前記発光素子を発光させる、ことを特徴とする請求項2記載の電子玩具。
【請求項5】
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色校正第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して補正用RGB信号を取得する色校正第2ステップと、
取得された前記補正用RGB信号に基づき補正係数を算出する色校正第3ステップと、を実行するとともに、
前記色測定第2ステップにおいて、得られた前記RGB信号を前記補正係数で補正し、
前記色測定第3ステップにおいて、補正された前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)へ変換する、ことを特徴とする請求項1記載の電子玩具。
【請求項6】
認識する色と音階を対応づけて登録するためのスイッチを備え、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色記憶第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して色情報用RGB信号を取得する色記憶第2ステップと、
取得された前記色情報用RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色記憶第3ステップと、
変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記スイッチで指定された音階に対応づけて記憶する色記憶第4ステップと、を実行するとともに、
前記音響発生第1ステップに代えて、
前記色測定第3ステップで変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記色記憶第4ステップで記憶された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)と比較して最も近いものを選択し、選択されたものに対応づけられた音階を決定するステップを実行することを特徴とする請求項1記載の電子玩具。
【請求項7】
所定の音を発生する音響発生部と、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、マイコンとを備え、前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、前記マイコンは前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御する玩具において、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップと、を前記マイコンに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
基板と、前記基板に設けられ、所定の音を発生する音響発生部と、前記基板に設けられ、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、前記基板に設けられ、前記発光素子を駆動し、前記受光素子からの信号に基づき前記音響発生部を駆動して所定の音を発生させる制御部とを備える玩具において、
前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、かつ、前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御できるものであり、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップとを実行する、ことを特徴とする電子玩具。
【請求項2】
前記三色の光を表現可能な色彩の表現部を備え、
前記制御部は、
前記色測定第3ステップで変換された前記彩度(S)及び明度(V)を強調する色表現第1ステップと、
前記色相(H)、強調された前記彩度(S)及び明度(V)をRGB信号に戻す色表現第2ステップと、
戻された前記RGB信号に基づき前記色彩の表現部を発光させる色表現第3ステップとを実行する、ことを特徴とする請求項1記載の電子玩具。
【請求項3】
前記基板は、動物の外形を模した形状をもち、
前記発光素子及び前記受光素子は、前記動物の腹の位置に設けられて、前記基板の下に位置する物体に向けられており、
前記色彩の表現部は、前記動物の目の位置に設けられている、ことを特徴とする請求項2記載の電子玩具。
【請求項4】
前記色彩の表現部に代えて、前記発光素子からの光を導き、外部へ光を放射する導光部材を備え、
前記制御部は、前記色表現第2ステップで戻された前記RGB信号に基づき前記発光素子を発光させる、ことを特徴とする請求項2記載の電子玩具。
【請求項5】
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色校正第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して補正用RGB信号を取得する色校正第2ステップと、
取得された前記補正用RGB信号に基づき補正係数を算出する色校正第3ステップと、を実行するとともに、
前記色測定第2ステップにおいて、得られた前記RGB信号を前記補正係数で補正し、
前記色測定第3ステップにおいて、補正された前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)へ変換する、ことを特徴とする請求項1記載の電子玩具。
【請求項6】
認識する色と音階を対応づけて登録するためのスイッチを備え、
前記制御部は、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色記憶第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換して色情報用RGB信号を取得する色記憶第2ステップと、
取得された前記色情報用RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色記憶第3ステップと、
変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記スイッチで指定された音階に対応づけて記憶する色記憶第4ステップと、を実行するとともに、
前記音響発生第1ステップに代えて、
前記色測定第3ステップで変換された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)を、前記色記憶第4ステップで記憶された前記色相(H)、彩度(S)及び明度(V)と比較して最も近いものを選択し、選択されたものに対応づけられた音階を決定するステップを実行することを特徴とする請求項1記載の電子玩具。
【請求項7】
所定の音を発生する音響発生部と、床面や壁面などの物体に光を照射する発光素子と、前記発光素子から出て前記物体で反射された光を受光する受光素子と、マイコンとを備え、前記発光素子は、赤、緑及び青の三色の光を発生し、前記マイコンは前記三色の光の点滅をそれぞれ独立に制御する玩具において、
前記発光素子で前記三色の光を順番に発光させる色測定第1ステップと、
前記受光素子の出力信号をデジタル値に変換するとともに、変換された前記デジタル値を前記発光素子の発光の順番に応じて前記三色の光に対応(前記三色の光に対応付けられた前記デジタル値を「RGB信号」と記す)させる色測定第2ステップと、
前記RGB信号を色相(H)、彩度(S)及び明度(V)に変換する色測定第3ステップと、
変換された前記色相(H)に基づき音階を決定する音響発生第1ステップと、
決定された前記音階に基づき前記音響発生部で音響を発生させる音響発生第2ステップと、を前記マイコンに実行させるためのプログラム。
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図10】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図10】
【公開番号】特開2009−89980(P2009−89980A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265019(P2007−265019)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(507337120)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(507337120)
【Fターム(参考)】
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