電子計算機及びプログラム
【課題】演算過程を把握可能としつつ、演算結果を直ぐに得る。
【解決手段】関数電卓1は、ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を含む数式を入力式として入力するキー入力部14と、入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出するCPU11と、入力式及び出力式を表示する表示部15とを備える。CPU11は、表示部15により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で表示部15に表示させる。また、CPU11は、表示部15により表示される単項演算部のオペランドのうち、入力式に含まれるとともに出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で表示部15に表示させる。
【解決手段】関数電卓1は、ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を含む数式を入力式として入力するキー入力部14と、入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出するCPU11と、入力式及び出力式を表示する表示部15とを備える。CPU11は、表示部15により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で表示部15に表示させる。また、CPU11は、表示部15により表示される単項演算部のオペランドのうち、入力式に含まれるとともに出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で表示部15に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子計算機及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、計算機能を有する電子計算機においては、入力された数式について演算を行い、演算結果を数式の形態で出力する場合がある。この場合、例えば「√7(√2+√5)」という数式が入力された場合には、演算結果「√35+√14」が出力される。
【0003】
ところで、このように演算結果を単純に出力する場合には、どのような演算過程で演算結果が得られたのかが分からず、特に学習初心者にとっては不親切である。
【0004】
そこで、近年の電子計算機では、演算過程に従って順次、途中解を表示するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−200483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、演算過程の途中解を順次表示する方法では、最終的な演算結果が表示されるのに時間が掛かったり、表示される内容が増加して最終の演算結果を見つけるのに手間が掛かったりするという新たな問題が生じる。
【0007】
本発明の課題は、演算過程を把握可能としつつ、演算結果を直ぐに得ることのできる電子計算機及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子計算機において、
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力手段と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算手段と、
前記入力式及び前記出力式を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子計算機において、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電子計算機において、
前記出力式表示態様制御手段は、
出力式に含まれる前記出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示色で前記表示手段に表示させ、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれの表示色を混合した表示色で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子計算機において、
前記単項演算子は、根号であることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、プログラムにおいて、
表示手段を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力機能と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算機能と、
前記入力式及び前記出力式を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御機能と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザ操作に基づいて、少なくとも1つの単項演算子を含む数式が入力式として入力されると、入力式が演算により単純化され、少なくとも1つの単項演算子を含む形態で計算結果としての出力式が算出され、入力式及び出力式が表示されるので、演算過程の途中解を順次表示する従来の場合と異なり、最終的な演算結果が表示されるのに時間が掛かったり、表示内容が増加することで最終の演算結果を見つけるのに手間が掛かったりするのが防止され、演算結果を直ぐに得ることができる。
また、単項演算子のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドがそれぞれ異なる表示態様で表示され、入力式に含まれるとともに出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドが当該出力式側オペランドに対応する表示態様で表示されるので、出力式の各部分が入力式の何れの部分に起因して算出されたのかを把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図5】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図6】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図10】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
[1.1 外観構成]
図1は、本発明に係る電子機器を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0017】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、DELキー24等を備えている。
【0018】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の演算子や括弧、分数の括線、定数(円周率「π」や光速度「c」等)などの入力操作を受けるキーである。また、この演算記号キー21は、根号(√)や対数記号、三角関数記号などの単項演算子の入力操作を受けることも可能となっている。
【0019】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0020】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後には演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。DELキー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0021】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0022】
[1.2 機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0023】
この図に示すように、関数電卓1は、キー入力部14と、表示部15と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0024】
キー入力部14は、上述の入力キー群2を備えており、押下されたキーに対応する操作信号をCPU11に出力するようになっている。
【0025】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。また、この表示部15は、ディスプレイ3と一体的に設けられたタッチパネル30を備えており、表示画面に対する入力ペンの接触位置情報をCPU11に出力するようになっている。
【0026】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。例えば、本実施の形態におけるRAM12は、ワークエリアとして入力式記憶領域120、出力式記憶領域121、引継ぎ情報記憶領域122などを有するようになっている。
【0027】
入力式記憶領域120には、後述の計算処理(図3参照)において入力される数式が記憶されるようになっている。
【0028】
出力式記憶領域121には、後述の計算処理(図3参照)において算出される計算結果としての出力式が記憶されるようになっている。
【0029】
なお、これらの入力式記憶領域120及び出力式記憶領域121は、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を1つ以上、入力式,出力式に含めて記憶することが可能となっている。
【0030】
引継ぎ情報記憶領域122には、後述の計算処理(図3参照)において入力式における何れの単項演算部の内容が出力式の単項演算部に引き継がれたかについての情報、換言すれば、算出元の単項演算部と算出結果の単項演算部との対応関係を示す情報(以下、引継ぎ情報とする)が、入力式の単項演算部ごとに記憶されるようになっている。
【0031】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての計算プログラム130と、色割り当て順テーブル131とを記憶している。
【0032】
計算プログラム130は、後述の計算処理(図3参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0033】
色割り当て順テーブル131は、後述の計算処理(図3参照)において単項演算部のオペランドに割り当てるべき表示色を割り当て順に記憶したテーブルであり、本実施の形態においては、1番目,2番目の表示色として「青色」,「赤色」を記憶している。
【0034】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0035】
[1.3 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
【0036】
図3は、計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この計算処理は、ユーザによりタッチパネル30やキー入力部14を介して計算処理の実行指示が入力されると、記憶部13から計算プログラム130が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該計算プログラム130とCPU11との協働によって実行される。
【0037】
この図に示すように、計算処理においては、まずユーザが入力キー群2を操作して、数式を入力式として入力すると(ステップS1)、CPU11は、当該入力式を入力式記憶領域120に記憶させるとともに、当該入力式をディスプレイ3に表示させる。そして、演算の実行指示が行われるか否かを判定し(ステップS2)、行われないと判定した場合(ステップS2;No)には、ステップS1に移行する。
【0038】
また、ステップS2において演算の実行指示が行われたと判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU11は、入力式を演算により単純化して演算結果としての出力式を算出し、この出力式を出力式記憶領域121に記憶させた後、これらの入力式及び出力式に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれるか否かを判定する(ステップS3)。
【0039】
このステップS3において単項演算部が入力式及び出力式の少なくとも一方には含まれないと判定した場合(ステップS3;No)には、CPU11は、入力式と、演算結果としての出力式とをディスプレイ3に表示させた後(ステップS4)、計算処理を終了する。
【0040】
また、ステップS3において入力式及び出力式に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU11は、入力式における何れの単項演算部の内容が出力式の単項演算部に引き継がれたかについての引継ぎ情報を、入力式の単項演算部ごとに引き継ぎ情報記憶領域122に記憶させる(ステップS5)。
【0041】
次に、CPU11は、出力式に含まれる各単項演算部のオペランドに対し、色割り当て順テーブル131内の順序に従って表示色を設定する(ステップS6)。
【0042】
次に、CPU11は、入力式に含まれる何れかの単項演算部を処理対象として設定し(ステップS11)、引き継ぎ情報記憶領域122内の引継ぎ情報において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に存在するか否か、つまり処理対象の単項演算部を元に算出された単項演算部が出力式内に存在するか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
このステップS12において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に存在しないと判定した場合(ステップS12;No)には、CPU11は、処理対象の単項演算部におけるオペランドの表示色を「既定色」に設定し(ステップS13)、後述のステップS21に移行する。ここで「既定色」とは、数式を表示する際に用いる通常の色で、ステップS1において入力された入力式を表示する際など、特に色の指定がないときには既定色が用いられる。通常は「規定色」として黒など目立たない色が用いられる。
【0044】
また、ステップS12において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に存在すると判定した場合(ステップS12;Yes)には、CPU11は、このような単項演算部(処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部)が出力式内に複数存在するか否かを判定する(ステップS15)。
【0045】
このステップS15において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に複数存在しない、つまり1つのみ存在すると判定した場合(ステップS15;No)には、CPU11は、処理対象の単項演算部におけるオペランドの表示色を、当該出力式内の単項演算部におけるオペランドの表示色と同じ色に設定し(ステップS16)、後述のステップS21に移行する。
【0046】
また、ステップS15において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に複数存在すると判定した場合(ステップS15;Yes)には、CPU11は、処理対象の単項演算部におけるオペランドの表示色を、これら出力式内の単項演算部におけるオペランドの各表示色の混合色に設定する(ステップS17)。
【0047】
そして、以上のステップS13,S16,S17により、入力式に含まれるオペランドが出力式のオペランドの算出元として演算に使用されている場合には、当該入力式のオペランドがそれぞれ当該出力式のオペランドに対応する表示色で表示されることとなる。更に、入力式のオペランドが出力式の複数のオペランドの算出元として演算に使用されている場合には、当該入力式のオペランドが出力式における当該複数のオペランドそれぞれの混合色で表示されることとなる。
【0048】
次に、CPU11は、処理対象として設定されていない単項演算部が未だ入力式に存在するか否かを判定し(ステップS21)、存在すると判定した場合(ステップS21;Yes)には、上述のステップS11に移行する。
【0049】
また、ステップS21において処理対象として設定されていない単項演算部が入力式に存在しないと判定した場合(ステップS21;No)には、CPU11は、入力式と、演算結果としての出力式とをディスプレイ3に表示させるとともに、入力式及び出力式の各単項演算部におけるオペランドを、設定された表示色で表示させ(ステップS22)、計算処理を終了する。なお、このステップS22においてCPU11は、入力式におけるオペランドの表示色が出力式における複数のオペランドの表示色の混合色である場合には、出力式のオペランドの各表示色をドット単位で混合して入力式のオペランドを表示させても良いし、出力式のオペランドの各表示色の中間色としてあらかじめ設定された表示色で、入力式のオペランドを表示しても良い。
【0050】
[1.4 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1の動作を具体的に説明する。但し、以下の動作例では、単項演算部の単項演算子及びオペランドが同色で表示されるとともに、同色の下線を付されて表示されるようになっている。また、図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、この領域に対する符号の対応色(「B」:青色(Blue)、「R」:赤色(Red)、「P」:紫色(Purple))によって当該領域内の文字が表示されていることを示している。
【0051】
(動作例1)
まず図4(a)に示すように、ユーザが数式「√12」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√12」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√12」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「2√3」が算出されて、入力式「√12」及び出力式「2√3」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0052】
次に、入力式「√12」における単項演算部「√12」の内容が出力式「2√3」の単項演算部「√3」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「2√3」に含まれる単項演算部「√3」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0053】
次に、入力式「√12」に含まれる単項演算部「√12」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√12」に対応付けられた単項演算部「√3」が出力式「2√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√12」の表示色が、出力式「2√3」内の単項演算部「√3」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0054】
そして、図4(b)に示すように、入力式「√12」及び出力式「2√3」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√12」,「√3」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0055】
(動作例2)
まず図5(a)に示すように、ユーザが数式「√45−√8+√20−√50」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√45−√8+√20−√50」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√45−√8+√20−√50」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「5√5−7√2」が算出されて、入力式「√45−√8+√20−√50」及び出力式「5√5−7√2」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0056】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」における単項演算部「√45」,「√20」の内容が出力式「5√5−7√2」の単項演算部「5√5」に引き継がれ、単項演算部「√8」,「√50」の内容が出力式「5√5−7√2」の単項演算部「7√2」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「5√5−7√2」に含まれる単項演算部「√5」,「√2」に対し、表示色「青色」,「赤色」が設定される(ステップS6)。
【0057】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√45」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√45」に対応付けられた単項演算部「√5」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√45」の表示色が、出力式内の単項演算部「√5」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0058】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√8」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√8」に対応付けられた単項演算部「√2」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√8」の表示色が、出力式内の単項演算部「√2」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0059】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√20」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√20」に対応付けられた単項演算部「√5」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√20」の表示色が、出力式内の単項演算部「√5」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0060】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√50」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√50」に対応付けられた単項演算部「√2」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√50」の表示色が、出力式内の単項演算部「√2」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0061】
そして、図5(b)に示すように、入力式「√45−√8+√20−√50」及び出力式「5√5−7√2」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√45」,「√20」,「√5」が表示色「青色」で表示され、単項演算部「√8」,「√50」,「√2」が表示色「赤色」で表示される(ステップS22)。
【0062】
(動作例3)
まず図6(a)に示すように、ユーザが数式「√12×√63」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√12×√63」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√12×√63」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「6√21」が算出されて、入力式「√12×√63」及び出力式「6√21」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0063】
次に、入力式「√12×√63」における単項演算部「√12」,「√63」の内容が出力式「6√21」の単項演算部「√21」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「6√21」に含まれる単項演算部「√21」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0064】
次に、入力式「√12×√63」に含まれる単項演算部「√12」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√12」に対応付けられた単項演算部「√21」が出力式「6√21」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√12」の表示色が、出力式「6√21」内の単項演算部「√21」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0065】
次に、入力式「√12×√63」に含まれる単項演算部「√63」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√63」に対応付けられた単項演算部「√21」が出力式「6√21」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√63」の表示色が、出力式「6√21」内の単項演算部「√21」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0066】
そして、図6(b)に示すように、入力式「√12×√63」及び出力式「6√21」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√12」,「√63」,「√21」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0067】
(動作例4)
まず図7(a)に示すように、ユーザが数式「√7(√2+√5)」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√7(√2+√5)」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√7(√2+√5)」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「√35+√14」が算出されて、入力式「√7(√2+√5)」及び出力式「√35+√14」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0068】
次に、入力式「√7(√2+√5)」における単項演算部「√7」の内容が出力式「√35+√14」の単項演算部「√35」,「√14」に引き継がれ、単項演算部「√2」の内容が出力式「√35+√14」の単項演算部「√14」に引き継がれ、単項演算部「√5」の内容が出力式「√35+√14」の単項演算部「√35」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「√35+√14」に含まれる単項演算部「√35」,「√14」に対し、表示色「青色」,「赤色」が設定される(ステップS6)。
【0069】
次に、入力式「√7(√2+√5)」に含まれる単項演算部「√7」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√7」に対応付けられた単項演算部「√35」,「√14」が出力式「√35+√14」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√7」の表示色が、出力式「√35+√14」内の単項演算部「√35」,「√14」の各表示色「青色」,「赤色」の混合色「紫色」に設定される(ステップS17)。
【0070】
次に、入力式「√7(√2+√5)」に含まれる単項演算部「√2」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√2」に対応付けられた単項演算部「√14」が出力式「√35+√14」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√2」の表示色が、出力式「√35+√14」内の単項演算部「√14」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0071】
次に、入力式「√7(√2+√5)」に含まれる単項演算部「√5」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√5」に対応付けられた単項演算部「√35」が出力式「√35+√14」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√5」の表示色が、出力式「√35+√14」内の単項演算部「√35」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0072】
そして、図7(b)に示すように、入力式「√7(√2+√5)」及び出力式「√35+√14」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√5」,「√35」が表示色「青色」で表示され、単項演算部「√2」,「√14」が表示色「赤色」で表示され、単項演算部「√7」が表示色「紫色」で表示される(ステップS22)。
【0073】
(動作例5)
まず図8(a)に示すように、ユーザが数式「√9×2√3」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√9×2√3」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√9×2√3」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「6√3」が算出されて、入力式「√9×2√3」及び出力式「6√3」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0074】
次に、入力式「√9×2√3」における単項演算部「√3」の内容が出力式「6√3」の単項演算部「√3」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「6√3」に含まれる単項演算部「√3」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0075】
次に、入力式「√9×2√3」に含まれる単項演算部「√9」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√9」に対応付けられた単項演算部が出力式「6√3」内に存在しないと判定され(ステップS12;No)、処理対象の単項演算部「√9」の表示色が「既定色」に設定される(ステップS13)。
【0076】
次に、入力式「√9×2√3」に含まれる単項演算部「√3」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√3」に対応付けられた単項演算部「√3」が出力式「6√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√3」の表示色が、出力式「6√3」内の単項演算部「√3」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0077】
そして、図8(b)に示すように、入力式「√9×2√3」及び出力式「6√3」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√3」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0078】
(動作例6)
まず図9(a)に示すように、ユーザが数式「√8+√5−2√2+2√3」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√8+√5−2√2+2√3」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√8+√5−2√2+2√3」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「√5+2√3」が算出されて、入力式「√8+√5−2√2+2√3」及び出力式「√5+2√3」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0079】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」における単項演算部「√5」の内容が出力式「√5+2√3」の単項演算部「√5」に引き継がれ、入力式「√8+√5−2√2+2√3」における単項演算部「√3」の内容が出力式「√5+2√3」の単項演算部「√3」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「√5+2√3」に含まれる単項演算部「√5」,「√3」に対し、表示色「青色」,「赤色」が設定される(ステップS6)。
【0080】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√8」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√8」に対応付けられた単項演算部が出力式「√5+2√3」内に存在しないと判定され(ステップS12;No)、処理対象の単項演算部「√8」の表示色が「既定色」に設定される(ステップS13)。
また、同様に、「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√2」の表示色が「既定色」に設定される(ステップS13)。
【0081】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√5」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√5」に対応付けられた単項演算部「√5」が出力式「√5+2√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√5」の表示色が、出力式「√5+2√3」内の単項演算部「√5」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0082】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√3」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√3」に対応付けられた単項演算部「√3」が出力式「√5+2√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√3」の表示色が、出力式「√5+2√3」内の単項演算部「√3」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0083】
そして、図9(b)に示すように、入力式「√8+√5−2√2+2√3」及び出力式「√5+2√3」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√5」が表示色「青色」で表示され、単項演算部「√3」が表示色「赤色」で表示される(ステップS22)。
【0084】
(動作例7)
まず図10(a)に示すように、ユーザが数式「log2+log3」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「log2+log3」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「log2+log3」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「log6」が算出されて、入力式「log2+log3」及び出力式「log6」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0085】
次に、入力式「log2+log3」における単項演算部「log2」,「log3」の内容が出力式「log6」の単項演算部「log6」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「log6」に含まれる単項演算部「log6」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0086】
次に、入力式「log2+log3」に含まれる単項演算部「log2」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「log2」に対応付けられた単項演算部「log6」が出力式「log6」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「log2」の表示色が、出力式「log6」内の単項演算部「log6」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0087】
次に、入力式「log2+log3」に含まれる単項演算部「log3」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「log3」に対応付けられた単項演算部「log6」が出力式「log6」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「log3」の表示色が、出力式「log6」内の単項演算部「log6」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0088】
そして、図10(b)に示すように、入力式「log2+log3」及び出力式「log6」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「log2」,「log3」,「log6」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0089】
(動作例8)
まず図11(a)に示すように、ユーザが数式「sin(π/4)+3sin(π/4)」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「4sin(π/4)」が算出されて、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」及び出力式「4sin(π/4)」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0090】
次に、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」における単項演算部「sin(π/4)」の内容が出力式「4sin(π/4)」の単項演算部「sin(π/4)」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「4sin(π/4)」に含まれる単項演算部「sin(π/4)」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0091】
次に、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」に含まれる1つ目の単項演算部「sin(π/4)」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」に対応付けられた単項演算部「sin(π/4)」が出力式「4sin(π/4)」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」の表示色が、出力式「4sin(π/4)」内の単項演算部「sin(π/4)」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0092】
次に、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」に含まれる2つ目の単項演算部「sin(π/4)」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」に対応付けられた単項演算部「sin(π/4)」が出力式「4sin(π/4)」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」の表示色が、出力式「4sin(π/4)」内の単項演算部「sin(π/4)」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0093】
そして、図11(b)に示すように、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」及び出力式「4sin(π/4)」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「sin(π/4)」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0094】
以上、本実施の形態によれば、図3のステップS22や図4〜図11等に示したように、ユーザ操作に基づいて、少なくとも1つの単項演算子を含む数式が入力式として入力されると、入力式が演算により単純化され、少なくとも1つの単項演算子を含む形態で計算結果としての出力式が算出され、入力式及び出力式が表示されるので、演算過程の途中解を順次表示する従来の場合と異なり、最終的な演算結果が表示されるのに時間が掛かったり、表示内容が増加することで最終の演算結果を見つけるのに手間が掛かったりするのが防止され、演算結果を直ぐに得ることができる。
また、図3のステップS6,S16、S17や図4〜図11等に示したように、単項演算子のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドがそれぞれ異なる表示態様で表示され、入力式に含まれるとともに出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドが当該出力式側オペランドに対応する表示態様で表示されるので、出力式の各部分が入力式の何れの部分に起因して算出されたのかを把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを把握することができる。
【0095】
また、図3のステップS17や図7(b)等に示したように、入力式側オペランドが複数の出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合には、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で当該入力式側オペランドが表示されるので、出力式の一部分が入力式の複数の部分に起因して算出されている場合であっても、その対応関係を把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを確実に把握することができる。
【0096】
また、図3のステップS17や図7(b)等に示したように、出力式に含まれる出力式側オペランドはそれぞれ異なる表示色で表示され、入力式側オペランドが複数の出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合には、これら複数の出力式側オペランドそれぞれの表示色を混合した表示色で当該入力式側オペランドが表示されるので、出力式の一部分が入力式の複数の部分に起因して算出されている場合に、その対応関係を容易に把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを確実かつ容易に把握することができる。
【0097】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0098】
例えば、本発明に係る電子計算機を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る計算プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0099】
また、出力式に含まれる単項演算部のオペランドを、それぞれ異なる表示色で表示することとして説明したが、出力式の各オペランドが互いに異なる表示態様で表示されれば良く、例えば出力式の各オペランドを異なる書体で表示することとしてもよい。この場合には、入力式側のオペランドが複数の出力式側オペランドの算出元として演算に使用されているときに、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で、当該入力式側オペランドが表示される。
【符号の説明】
【0100】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 キー入力部
15 表示部
130 計算プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子計算機及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、計算機能を有する電子計算機においては、入力された数式について演算を行い、演算結果を数式の形態で出力する場合がある。この場合、例えば「√7(√2+√5)」という数式が入力された場合には、演算結果「√35+√14」が出力される。
【0003】
ところで、このように演算結果を単純に出力する場合には、どのような演算過程で演算結果が得られたのかが分からず、特に学習初心者にとっては不親切である。
【0004】
そこで、近年の電子計算機では、演算過程に従って順次、途中解を表示するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−200483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、演算過程の途中解を順次表示する方法では、最終的な演算結果が表示されるのに時間が掛かったり、表示される内容が増加して最終の演算結果を見つけるのに手間が掛かったりするという新たな問題が生じる。
【0007】
本発明の課題は、演算過程を把握可能としつつ、演算結果を直ぐに得ることのできる電子計算機及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子計算機において、
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力手段と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算手段と、
前記入力式及び前記出力式を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子計算機において、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電子計算機において、
前記出力式表示態様制御手段は、
出力式に含まれる前記出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示色で前記表示手段に表示させ、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれの表示色を混合した表示色で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子計算機において、
前記単項演算子は、根号であることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、プログラムにおいて、
表示手段を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力機能と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算機能と、
前記入力式及び前記出力式を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御機能と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザ操作に基づいて、少なくとも1つの単項演算子を含む数式が入力式として入力されると、入力式が演算により単純化され、少なくとも1つの単項演算子を含む形態で計算結果としての出力式が算出され、入力式及び出力式が表示されるので、演算過程の途中解を順次表示する従来の場合と異なり、最終的な演算結果が表示されるのに時間が掛かったり、表示内容が増加することで最終の演算結果を見つけるのに手間が掛かったりするのが防止され、演算結果を直ぐに得ることができる。
また、単項演算子のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドがそれぞれ異なる表示態様で表示され、入力式に含まれるとともに出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドが当該出力式側オペランドに対応する表示態様で表示されるので、出力式の各部分が入力式の何れの部分に起因して算出されたのかを把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図5】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図6】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図10】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
[1.1 外観構成]
図1は、本発明に係る電子機器を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0017】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、DELキー24等を備えている。
【0018】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の演算子や括弧、分数の括線、定数(円周率「π」や光速度「c」等)などの入力操作を受けるキーである。また、この演算記号キー21は、根号(√)や対数記号、三角関数記号などの単項演算子の入力操作を受けることも可能となっている。
【0019】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0020】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後には演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。DELキー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0021】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0022】
[1.2 機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0023】
この図に示すように、関数電卓1は、キー入力部14と、表示部15と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0024】
キー入力部14は、上述の入力キー群2を備えており、押下されたキーに対応する操作信号をCPU11に出力するようになっている。
【0025】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。また、この表示部15は、ディスプレイ3と一体的に設けられたタッチパネル30を備えており、表示画面に対する入力ペンの接触位置情報をCPU11に出力するようになっている。
【0026】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。例えば、本実施の形態におけるRAM12は、ワークエリアとして入力式記憶領域120、出力式記憶領域121、引継ぎ情報記憶領域122などを有するようになっている。
【0027】
入力式記憶領域120には、後述の計算処理(図3参照)において入力される数式が記憶されるようになっている。
【0028】
出力式記憶領域121には、後述の計算処理(図3参照)において算出される計算結果としての出力式が記憶されるようになっている。
【0029】
なお、これらの入力式記憶領域120及び出力式記憶領域121は、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を1つ以上、入力式,出力式に含めて記憶することが可能となっている。
【0030】
引継ぎ情報記憶領域122には、後述の計算処理(図3参照)において入力式における何れの単項演算部の内容が出力式の単項演算部に引き継がれたかについての情報、換言すれば、算出元の単項演算部と算出結果の単項演算部との対応関係を示す情報(以下、引継ぎ情報とする)が、入力式の単項演算部ごとに記憶されるようになっている。
【0031】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての計算プログラム130と、色割り当て順テーブル131とを記憶している。
【0032】
計算プログラム130は、後述の計算処理(図3参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0033】
色割り当て順テーブル131は、後述の計算処理(図3参照)において単項演算部のオペランドに割り当てるべき表示色を割り当て順に記憶したテーブルであり、本実施の形態においては、1番目,2番目の表示色として「青色」,「赤色」を記憶している。
【0034】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0035】
[1.3 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
【0036】
図3は、計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この計算処理は、ユーザによりタッチパネル30やキー入力部14を介して計算処理の実行指示が入力されると、記憶部13から計算プログラム130が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該計算プログラム130とCPU11との協働によって実行される。
【0037】
この図に示すように、計算処理においては、まずユーザが入力キー群2を操作して、数式を入力式として入力すると(ステップS1)、CPU11は、当該入力式を入力式記憶領域120に記憶させるとともに、当該入力式をディスプレイ3に表示させる。そして、演算の実行指示が行われるか否かを判定し(ステップS2)、行われないと判定した場合(ステップS2;No)には、ステップS1に移行する。
【0038】
また、ステップS2において演算の実行指示が行われたと判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU11は、入力式を演算により単純化して演算結果としての出力式を算出し、この出力式を出力式記憶領域121に記憶させた後、これらの入力式及び出力式に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれるか否かを判定する(ステップS3)。
【0039】
このステップS3において単項演算部が入力式及び出力式の少なくとも一方には含まれないと判定した場合(ステップS3;No)には、CPU11は、入力式と、演算結果としての出力式とをディスプレイ3に表示させた後(ステップS4)、計算処理を終了する。
【0040】
また、ステップS3において入力式及び出力式に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU11は、入力式における何れの単項演算部の内容が出力式の単項演算部に引き継がれたかについての引継ぎ情報を、入力式の単項演算部ごとに引き継ぎ情報記憶領域122に記憶させる(ステップS5)。
【0041】
次に、CPU11は、出力式に含まれる各単項演算部のオペランドに対し、色割り当て順テーブル131内の順序に従って表示色を設定する(ステップS6)。
【0042】
次に、CPU11は、入力式に含まれる何れかの単項演算部を処理対象として設定し(ステップS11)、引き継ぎ情報記憶領域122内の引継ぎ情報において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に存在するか否か、つまり処理対象の単項演算部を元に算出された単項演算部が出力式内に存在するか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
このステップS12において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に存在しないと判定した場合(ステップS12;No)には、CPU11は、処理対象の単項演算部におけるオペランドの表示色を「既定色」に設定し(ステップS13)、後述のステップS21に移行する。ここで「既定色」とは、数式を表示する際に用いる通常の色で、ステップS1において入力された入力式を表示する際など、特に色の指定がないときには既定色が用いられる。通常は「規定色」として黒など目立たない色が用いられる。
【0044】
また、ステップS12において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に存在すると判定した場合(ステップS12;Yes)には、CPU11は、このような単項演算部(処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部)が出力式内に複数存在するか否かを判定する(ステップS15)。
【0045】
このステップS15において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に複数存在しない、つまり1つのみ存在すると判定した場合(ステップS15;No)には、CPU11は、処理対象の単項演算部におけるオペランドの表示色を、当該出力式内の単項演算部におけるオペランドの表示色と同じ色に設定し(ステップS16)、後述のステップS21に移行する。
【0046】
また、ステップS15において処理対象の単項演算部に対応付けられた単項演算部が出力式内に複数存在すると判定した場合(ステップS15;Yes)には、CPU11は、処理対象の単項演算部におけるオペランドの表示色を、これら出力式内の単項演算部におけるオペランドの各表示色の混合色に設定する(ステップS17)。
【0047】
そして、以上のステップS13,S16,S17により、入力式に含まれるオペランドが出力式のオペランドの算出元として演算に使用されている場合には、当該入力式のオペランドがそれぞれ当該出力式のオペランドに対応する表示色で表示されることとなる。更に、入力式のオペランドが出力式の複数のオペランドの算出元として演算に使用されている場合には、当該入力式のオペランドが出力式における当該複数のオペランドそれぞれの混合色で表示されることとなる。
【0048】
次に、CPU11は、処理対象として設定されていない単項演算部が未だ入力式に存在するか否かを判定し(ステップS21)、存在すると判定した場合(ステップS21;Yes)には、上述のステップS11に移行する。
【0049】
また、ステップS21において処理対象として設定されていない単項演算部が入力式に存在しないと判定した場合(ステップS21;No)には、CPU11は、入力式と、演算結果としての出力式とをディスプレイ3に表示させるとともに、入力式及び出力式の各単項演算部におけるオペランドを、設定された表示色で表示させ(ステップS22)、計算処理を終了する。なお、このステップS22においてCPU11は、入力式におけるオペランドの表示色が出力式における複数のオペランドの表示色の混合色である場合には、出力式のオペランドの各表示色をドット単位で混合して入力式のオペランドを表示させても良いし、出力式のオペランドの各表示色の中間色としてあらかじめ設定された表示色で、入力式のオペランドを表示しても良い。
【0050】
[1.4 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1の動作を具体的に説明する。但し、以下の動作例では、単項演算部の単項演算子及びオペランドが同色で表示されるとともに、同色の下線を付されて表示されるようになっている。また、図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、この領域に対する符号の対応色(「B」:青色(Blue)、「R」:赤色(Red)、「P」:紫色(Purple))によって当該領域内の文字が表示されていることを示している。
【0051】
(動作例1)
まず図4(a)に示すように、ユーザが数式「√12」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√12」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√12」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「2√3」が算出されて、入力式「√12」及び出力式「2√3」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0052】
次に、入力式「√12」における単項演算部「√12」の内容が出力式「2√3」の単項演算部「√3」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「2√3」に含まれる単項演算部「√3」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0053】
次に、入力式「√12」に含まれる単項演算部「√12」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√12」に対応付けられた単項演算部「√3」が出力式「2√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√12」の表示色が、出力式「2√3」内の単項演算部「√3」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0054】
そして、図4(b)に示すように、入力式「√12」及び出力式「2√3」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√12」,「√3」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0055】
(動作例2)
まず図5(a)に示すように、ユーザが数式「√45−√8+√20−√50」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√45−√8+√20−√50」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√45−√8+√20−√50」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「5√5−7√2」が算出されて、入力式「√45−√8+√20−√50」及び出力式「5√5−7√2」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0056】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」における単項演算部「√45」,「√20」の内容が出力式「5√5−7√2」の単項演算部「5√5」に引き継がれ、単項演算部「√8」,「√50」の内容が出力式「5√5−7√2」の単項演算部「7√2」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「5√5−7√2」に含まれる単項演算部「√5」,「√2」に対し、表示色「青色」,「赤色」が設定される(ステップS6)。
【0057】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√45」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√45」に対応付けられた単項演算部「√5」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√45」の表示色が、出力式内の単項演算部「√5」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0058】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√8」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√8」に対応付けられた単項演算部「√2」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√8」の表示色が、出力式内の単項演算部「√2」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0059】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√20」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√20」に対応付けられた単項演算部「√5」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√20」の表示色が、出力式内の単項演算部「√5」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0060】
次に、入力式「√45−√8+√20−√50」に含まれる単項演算部「√50」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√50」に対応付けられた単項演算部「√2」が出力式内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√50」の表示色が、出力式内の単項演算部「√2」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0061】
そして、図5(b)に示すように、入力式「√45−√8+√20−√50」及び出力式「5√5−7√2」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√45」,「√20」,「√5」が表示色「青色」で表示され、単項演算部「√8」,「√50」,「√2」が表示色「赤色」で表示される(ステップS22)。
【0062】
(動作例3)
まず図6(a)に示すように、ユーザが数式「√12×√63」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√12×√63」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√12×√63」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「6√21」が算出されて、入力式「√12×√63」及び出力式「6√21」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0063】
次に、入力式「√12×√63」における単項演算部「√12」,「√63」の内容が出力式「6√21」の単項演算部「√21」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「6√21」に含まれる単項演算部「√21」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0064】
次に、入力式「√12×√63」に含まれる単項演算部「√12」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√12」に対応付けられた単項演算部「√21」が出力式「6√21」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√12」の表示色が、出力式「6√21」内の単項演算部「√21」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0065】
次に、入力式「√12×√63」に含まれる単項演算部「√63」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√63」に対応付けられた単項演算部「√21」が出力式「6√21」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√63」の表示色が、出力式「6√21」内の単項演算部「√21」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0066】
そして、図6(b)に示すように、入力式「√12×√63」及び出力式「6√21」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√12」,「√63」,「√21」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0067】
(動作例4)
まず図7(a)に示すように、ユーザが数式「√7(√2+√5)」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√7(√2+√5)」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√7(√2+√5)」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「√35+√14」が算出されて、入力式「√7(√2+√5)」及び出力式「√35+√14」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0068】
次に、入力式「√7(√2+√5)」における単項演算部「√7」の内容が出力式「√35+√14」の単項演算部「√35」,「√14」に引き継がれ、単項演算部「√2」の内容が出力式「√35+√14」の単項演算部「√14」に引き継がれ、単項演算部「√5」の内容が出力式「√35+√14」の単項演算部「√35」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「√35+√14」に含まれる単項演算部「√35」,「√14」に対し、表示色「青色」,「赤色」が設定される(ステップS6)。
【0069】
次に、入力式「√7(√2+√5)」に含まれる単項演算部「√7」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√7」に対応付けられた単項演算部「√35」,「√14」が出力式「√35+√14」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√7」の表示色が、出力式「√35+√14」内の単項演算部「√35」,「√14」の各表示色「青色」,「赤色」の混合色「紫色」に設定される(ステップS17)。
【0070】
次に、入力式「√7(√2+√5)」に含まれる単項演算部「√2」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√2」に対応付けられた単項演算部「√14」が出力式「√35+√14」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√2」の表示色が、出力式「√35+√14」内の単項演算部「√14」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0071】
次に、入力式「√7(√2+√5)」に含まれる単項演算部「√5」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√5」に対応付けられた単項演算部「√35」が出力式「√35+√14」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√5」の表示色が、出力式「√35+√14」内の単項演算部「√35」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0072】
そして、図7(b)に示すように、入力式「√7(√2+√5)」及び出力式「√35+√14」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√5」,「√35」が表示色「青色」で表示され、単項演算部「√2」,「√14」が表示色「赤色」で表示され、単項演算部「√7」が表示色「紫色」で表示される(ステップS22)。
【0073】
(動作例5)
まず図8(a)に示すように、ユーザが数式「√9×2√3」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√9×2√3」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√9×2√3」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「6√3」が算出されて、入力式「√9×2√3」及び出力式「6√3」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0074】
次に、入力式「√9×2√3」における単項演算部「√3」の内容が出力式「6√3」の単項演算部「√3」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「6√3」に含まれる単項演算部「√3」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0075】
次に、入力式「√9×2√3」に含まれる単項演算部「√9」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√9」に対応付けられた単項演算部が出力式「6√3」内に存在しないと判定され(ステップS12;No)、処理対象の単項演算部「√9」の表示色が「既定色」に設定される(ステップS13)。
【0076】
次に、入力式「√9×2√3」に含まれる単項演算部「√3」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√3」に対応付けられた単項演算部「√3」が出力式「6√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√3」の表示色が、出力式「6√3」内の単項演算部「√3」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0077】
そして、図8(b)に示すように、入力式「√9×2√3」及び出力式「6√3」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√3」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0078】
(動作例6)
まず図9(a)に示すように、ユーザが数式「√8+√5−2√2+2√3」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「√8+√5−2√2+2√3」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「√8+√5−2√2+2√3」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「√5+2√3」が算出されて、入力式「√8+√5−2√2+2√3」及び出力式「√5+2√3」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0079】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」における単項演算部「√5」の内容が出力式「√5+2√3」の単項演算部「√5」に引き継がれ、入力式「√8+√5−2√2+2√3」における単項演算部「√3」の内容が出力式「√5+2√3」の単項演算部「√3」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「√5+2√3」に含まれる単項演算部「√5」,「√3」に対し、表示色「青色」,「赤色」が設定される(ステップS6)。
【0080】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√8」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√8」に対応付けられた単項演算部が出力式「√5+2√3」内に存在しないと判定され(ステップS12;No)、処理対象の単項演算部「√8」の表示色が「既定色」に設定される(ステップS13)。
また、同様に、「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√2」の表示色が「既定色」に設定される(ステップS13)。
【0081】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√5」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√5」に対応付けられた単項演算部「√5」が出力式「√5+2√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√5」の表示色が、出力式「√5+2√3」内の単項演算部「√5」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0082】
次に、入力式「√8+√5−2√2+2√3」に含まれる単項演算部「√3」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「√3」に対応付けられた単項演算部「√3」が出力式「√5+2√3」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「√3」の表示色が、出力式「√5+2√3」内の単項演算部「√3」の表示色「赤色」に設定される(ステップS16)。
【0083】
そして、図9(b)に示すように、入力式「√8+√5−2√2+2√3」及び出力式「√5+2√3」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「√5」が表示色「青色」で表示され、単項演算部「√3」が表示色「赤色」で表示される(ステップS22)。
【0084】
(動作例7)
まず図10(a)に示すように、ユーザが数式「log2+log3」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「log2+log3」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「log2+log3」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「log6」が算出されて、入力式「log2+log3」及び出力式「log6」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0085】
次に、入力式「log2+log3」における単項演算部「log2」,「log3」の内容が出力式「log6」の単項演算部「log6」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「log6」に含まれる単項演算部「log6」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0086】
次に、入力式「log2+log3」に含まれる単項演算部「log2」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「log2」に対応付けられた単項演算部「log6」が出力式「log6」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「log2」の表示色が、出力式「log6」内の単項演算部「log6」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0087】
次に、入力式「log2+log3」に含まれる単項演算部「log3」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「log3」に対応付けられた単項演算部「log6」が出力式「log6」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「log3」の表示色が、出力式「log6」内の単項演算部「log6」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0088】
そして、図10(b)に示すように、入力式「log2+log3」及び出力式「log6」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「log2」,「log3」,「log6」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0089】
(動作例8)
まず図11(a)に示すように、ユーザが数式「sin(π/4)+3sin(π/4)」を入力式として入力すると(ステップS1)、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」が表示される。続けてユーザが演算の実行指示を行うと(ステップS2;Yes)、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」が演算により単純化されて演算結果としての出力式「4sin(π/4)」が算出されて、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」及び出力式「4sin(π/4)」に単項演算部がそれぞれ少なくとも1つ含まれると判定される(ステップS3;Yes)。
【0090】
次に、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」における単項演算部「sin(π/4)」の内容が出力式「4sin(π/4)」の単項演算部「sin(π/4)」に引き継がれた旨の引継ぎ情報が引き継ぎ情報記憶領域122に記憶された後(ステップS5)、出力式「4sin(π/4)」に含まれる単項演算部「sin(π/4)」に対し、表示色「青色」が設定される(ステップS6)。
【0091】
次に、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」に含まれる1つ目の単項演算部「sin(π/4)」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」に対応付けられた単項演算部「sin(π/4)」が出力式「4sin(π/4)」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」の表示色が、出力式「4sin(π/4)」内の単項演算部「sin(π/4)」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0092】
次に、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」に含まれる2つ目の単項演算部「sin(π/4)」が処理対象として設定された後(ステップS11)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」に対応付けられた単項演算部「sin(π/4)」が出力式「4sin(π/4)」内に存在すると判定され(ステップS12;Yes)、処理対象の単項演算部「sin(π/4)」の表示色が、出力式「4sin(π/4)」内の単項演算部「sin(π/4)」の表示色「青色」に設定される(ステップS16)。
【0093】
そして、図11(b)に示すように、入力式「sin(π/4)+3sin(π/4)」及び出力式「4sin(π/4)」が表示されるとともに、これらに含まれる単項演算部「sin(π/4)」が表示色「青色」で表示される(ステップS22)。
【0094】
以上、本実施の形態によれば、図3のステップS22や図4〜図11等に示したように、ユーザ操作に基づいて、少なくとも1つの単項演算子を含む数式が入力式として入力されると、入力式が演算により単純化され、少なくとも1つの単項演算子を含む形態で計算結果としての出力式が算出され、入力式及び出力式が表示されるので、演算過程の途中解を順次表示する従来の場合と異なり、最終的な演算結果が表示されるのに時間が掛かったり、表示内容が増加することで最終の演算結果を見つけるのに手間が掛かったりするのが防止され、演算結果を直ぐに得ることができる。
また、図3のステップS6,S16、S17や図4〜図11等に示したように、単項演算子のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドがそれぞれ異なる表示態様で表示され、入力式に含まれるとともに出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドが当該出力式側オペランドに対応する表示態様で表示されるので、出力式の各部分が入力式の何れの部分に起因して算出されたのかを把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを把握することができる。
【0095】
また、図3のステップS17や図7(b)等に示したように、入力式側オペランドが複数の出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合には、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で当該入力式側オペランドが表示されるので、出力式の一部分が入力式の複数の部分に起因して算出されている場合であっても、その対応関係を把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを確実に把握することができる。
【0096】
また、図3のステップS17や図7(b)等に示したように、出力式に含まれる出力式側オペランドはそれぞれ異なる表示色で表示され、入力式側オペランドが複数の出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合には、これら複数の出力式側オペランドそれぞれの表示色を混合した表示色で当該入力式側オペランドが表示されるので、出力式の一部分が入力式の複数の部分に起因して算出されている場合に、その対応関係を容易に把握することができる。従って、どのような演算過程で演算結果が得られたのかを確実かつ容易に把握することができる。
【0097】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0098】
例えば、本発明に係る電子計算機を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る計算プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0099】
また、出力式に含まれる単項演算部のオペランドを、それぞれ異なる表示色で表示することとして説明したが、出力式の各オペランドが互いに異なる表示態様で表示されれば良く、例えば出力式の各オペランドを異なる書体で表示することとしてもよい。この場合には、入力式側のオペランドが複数の出力式側オペランドの算出元として演算に使用されているときに、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で、当該入力式側オペランドが表示される。
【符号の説明】
【0100】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 キー入力部
15 表示部
130 計算プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力手段と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算手段と、
前記入力式及び前記出力式を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御手段と、
を備えることを特徴とする電子計算機。
【請求項2】
請求項1記載の電子計算機において、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする電子計算機。
【請求項3】
請求項2記載の電子計算機において、
前記出力式表示態様制御手段は、
出力式に含まれる前記出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示色で前記表示手段に表示させ、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれの表示色を混合した表示色で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする電子計算機。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子計算機において、
前記単項演算子は、根号であることを特徴とする電子計算機。
【請求項5】
表示手段を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力機能と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算機能と、
前記入力式及び前記出力式を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御機能と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力手段と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算手段と、
前記入力式及び前記出力式を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御手段と、
を備えることを特徴とする電子計算機。
【請求項2】
請求項1記載の電子計算機において、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれに対応する表示態様で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする電子計算機。
【請求項3】
請求項2記載の電子計算機において、
前記出力式表示態様制御手段は、
出力式に含まれる前記出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示色で前記表示手段に表示させ、
前記入力式表示態様制御手段は、
前記入力式側オペランドが複数の前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用されている場合に、これら複数の出力式側オペランドそれぞれの表示色を混合した表示色で、当該入力式側オペランドを表示させることを特徴とする電子計算機。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子計算機において、
前記単項演算子は、根号であることを特徴とする電子計算機。
【請求項5】
表示手段を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、単項演算子及びオペランドからなる単項演算部を少なくとも1つ含む数式を入力式として入力する数式入力機能と、
前記入力式を演算により単純化し、単項演算部を少なくとも1つ含む形態で計算結果としての出力式を算出する計算機能と、
前記入力式及び前記出力式を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、出力式に含まれる出力式側オペランドを、それぞれ異なる表示態様で前記表示手段に表示させる出力式表示態様制御機能と、
前記表示手段により表示される単項演算部のオペランドのうち、前記入力式に含まれるとともに前記出力式側オペランドの算出元として演算に使用された入力式側オペランドを、当該出力式側オペランドに対応する表示態様で前記表示手段に表示させる入力式表示態様制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−53547(P2012−53547A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193936(P2010−193936)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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