説明

電子部品ユニット

【課題】電子部品に悪影響を及ぼすことなく当該電子部品から発生する熱を効率よく放熱可能とする電子部品ユニットを提供する。
【解決手段】基板12の一面側に装着されている発熱性の電子部品14を箱状のケース16に収容した電子部品ユニット10Aであって、電子部品14は、当該電子部品14の先端面14aがケース16の底面(仕切り部20の0底面20a)に対向するとともに、底面20aとの間に所定の間隙t1を有するようにケース16に収容され、ケース16の底面20a側には、間隙t1を埋めることが可能で、かつ、基板12との間に空間部28を形成可能な厚みを有する底面側放熱部材(放熱性樹脂層24)が設けられ、電子部品14の側面14bの少なくとも一部は空間部28に面している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に装着した電子部品を箱状のケース内に収容した電子部品ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電気器具等には、基板に装着した電子部品を箱状のケース内に収容した電子部品ユニットが組み込まれている。このような電子部品ユニットに収容された電子部品に電流を供給して作動させると、電子部品から熱が発生する。この熱がケース内に蓄熱されると、電子部品ユニットとしての性能を満足することができない。このため、電子部品から発生した熱を効率よく放熱させることが必要である。電子部品から発生した熱を効率よく放熱可能とした電子部品ユニットは従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図6は、特許文献1に開示されている電子部品ユニット900を説明するために示す図である。特許文献1に開示されている電子部品ユニット900(従来の電子部品ユニット900という。)は、図6に示すように、基板910の一面側に装着された発熱性の電子部品920が金属製の箱状のケース930内に収容され、当該ケース930内には放熱性部材としての放熱性樹脂940が充填されている。このため、個々の電子部品920は全周に渡って放熱性樹脂940で覆われた状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−294703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子部品ユニット900によれば、個々の電子部品920から発生した熱は放熱性樹脂940を介してケース930に効率よく伝熱される。このため、ケース930内に熱が蓄熱されにくくなり、電子部品920の温度が異常に高くなることを防止できる。
【0006】
しかしながら、従来の電子部品ユニット900においては、個々の電子部品920が全周に渡って放熱性樹脂940で覆われた状態となっている。このため、発熱量の多い電子部品の場合、放熱性樹脂の膨張・収縮の度合いが大きく、放熱性樹脂940が膨張・収縮を繰り返すと、電子部品に悪影響を及ぼす場合もある。特に、電子部品がチョークコイルの場合、チョークコイルのコア部は脆い素材であるのが一般的であるため、当該チョークコイル全体を樹脂で覆ってしまうと、放熱性樹脂940が膨張・収縮を繰り返すことにより、コア部が破損してしまうといった不具合が生じる可能性もある。このような不具合は、チョークコイルだけではなく、放熱性樹脂940の膨張・収縮の影響を受けやすい素材を用いた電子部品には共通に生じる可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、電子部品に悪影響を及ぼすことなく当該電子部品から発生する熱を効率よく放熱可能とする電子部品ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本発明の電子部品ユニットは、基板の一面側に装着されている発熱性の電子部品を箱状のケースに収容した電子部品ユニットであって、前記電子部品は、当該電子部品の先端面が前記ケースの底面に対向するとともに、前記底面との間に所定の間隙を有するように前記ケースに収容され、前記ケースの底面側には、前記間隙を埋めることが可能で、かつ、前記基板との間に空間部を形成可能な厚みを有する底面側放熱部材が設けられ、前記電子部品の側面の少なくとも一部は前記空間部に面していることを特徴とする。
【0009】
[2]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記底面側放熱部材は、前記電子部品の先端面が前記底面側放熱部材に埋設した状態となるような厚みとすることが好ましい。
【0010】
[3]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記底面側放熱部材は、前記電子部品の先端面が前記底面側放熱部材の表面に圧接した状態となるような厚みとすることもまた好ましい。
【0011】
[4]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記底面側放熱部材は、前記電子部品の先端面が前記底面側放熱部材の表面に接触した状態となるような厚みとすることもまた好ましい。
【0012】
[5]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記電子部品の先端面の外周縁を全周に渡って囲むような突出壁を前記ケースの底面に設け、前記突出壁で囲まれた空間内に前記底面側放熱部材が設けられていることが好ましい。
【0013】
[6]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記底面側放熱部材は、放熱性樹脂であることが好ましい。
【0014】
[7]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記基板の他面側と前記ケースの蓋板との間に蓋側放熱部材が設けられていることが好ましい。
【0015】
[8]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記電子部品が電源用の電子部品であることが好ましい。
【0016】
[9]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記電子部品がチョークコイルであることが好ましい。
【0017】
[10]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記ケースがアルミニウム製のケースであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電子部品ユニットによれば、電子部品の全周が放熱性部材で覆われることがないため、「放熱性部材が膨張・伸縮を繰り返すことにより、コア部を破損させてしまう」といった悪影響を電子部品に及ぼすことがなくなる。また、電子部品により発生した熱は、当該電子部品の先端面が当接している底面側放熱部材を介してケースに放熱させることがきるため、電子部品により発生する熱を効率よく放熱することができる。
【0019】
また、電子部品の全周を放熱性部材で覆わないため、放熱性部材の量を減らすことができることから、電子部品ユニットを軽量化できるといった効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る電子部品ユニット10Aを説明するために示す分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおける電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。
【図3】実施形態2に係る電子部品ユニット10Bにおける電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。
【図4】実施形態3に係る電子部品ユニット10Cにおける電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。
【図5】実施形態4に係る電子部品ユニット10Dにおける電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。
【図6】特許文献1に開示されている電子部品ユニット900を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aを説明するために示す分解斜視図である。図2は、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおける電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。
【0023】
実施形態1に係る電子部品ユニット10Aは、図1に示すように、箱状のケース16を仕切板18,18で仕切ることによって形成された仕切り部20内に、複数の発熱性電子部品14(以下、単に電子部品14という場合もある)が収納されている。なお、電子部品14は、後端面が基板12の一面側に装着されており、先端面14aが仕切り部20の底面20a(ケース16の底面という場合もある)側となるように収容される。このとき、仕切り部20の底面20aと電子部品14の先端面14aとの間には所定の間隙t1が設けられる。
【0024】
また、仕切板18,18の高さh1(ケース16の底面から仕切り板18,18の上端までの高さh1)は、ケース16の側板の高さh2(ケース16の底面から側板の上端までの高さh2)よりも低くしている。このため、基板12に取り付けた電子部品14を仕切り部20の底面20a側に向けた状態で収容した場合、基板12はケース16の上方側に出っ張ることなくケース16内に収容される。
【0025】
そして、基板12とともに電子部品14が収容されたケース16の開口面は、蓋板22によって塞がれる。なお、ケース16、仕切板18及び蓋板22はアルミニウム製である。このように、ケース16、仕切板18及び蓋板22をアルミニウム製とすることによって、電子部品14から発生する熱の放熱性をより向上させることできる。
【0026】
また、電子部品14は、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおいては、電源用の電子部品であるとする。なお、電源用の電子部品としては、パワートランジスタ、トランス、チョークコイルなどを挙げることができるが、ここでは、チョークコイルであるとする。
【0027】
また、仕切り部20の底面20aと電子部品14の先端面14aとの間には間隙t1を埋めるように底面側放熱部材24が設けられている。実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおいては、底面側放熱部材24は放熱性樹脂であり、当該放熱性樹脂によって放熱性樹脂層が形成されている。なお、以下では、底面側放熱部材24を放熱性樹脂層24と呼ぶ場合もある。この放熱性樹脂層24は、電子部品14を収容したときに、当該電子部品14の先端面14aが放熱性樹脂層24内にわずかな深さだけ埋設されるような厚みt2を有している。このため、放熱性樹脂層24の表面と基板12との間には空間部28が形成される。
【0028】
電子部品14の先端面14aを放熱性樹脂層24内に埋設させる際の深さ(埋設深さという。)は、電子部品14の種類や発熱量によって適宜設定することができ、電子部品14の種類や発熱量などに応じて最適な埋設深さを解析や実験などによって求めておくことが好ましい。
【0029】
なお、放熱性樹脂層24は、ケース16に電子部品14を収容したのち、例えば、フィラ入り樹脂を注入して硬化させることによって形成することができる。
【0030】
実施形態1に係る電子部品ユニット10Aは上記のような構成となっている。このため、電子部品14は、側面14bの少なくとも一部の側面が、ケース16内に形成された空間部28に面した状態となる。なお、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおいては、電子部品14の先端面14aが放熱性樹脂層24にわずかな深さだけ埋設されるようにしているため、電子部品の側面14bはその殆どの部分が空間部28に面した状態となっている。
【0031】
このように、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおいては、電子部品14の全周が放熱性樹脂で覆われることがない。このため、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aによれば、放熱性樹脂が膨張・伸縮を繰り返すことによる電子部品への悪影響を未然に防止することができる。特に、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおいては、電子部品14はチョークコイルとしているので、放熱性樹脂が膨張・伸縮を繰り返すことによって、コア部を破損させてしまうといった不具合を未然に防止することができる。
【0032】
なお、電子部品14により発生した熱は、当該電子部品14の先端面14aから底面側放熱部材24を介してケースに放熱させることができるため、電子部品14により発生する熱を効率よく放熱することができる。
【0033】
また、電子部品14の全周を放熱性樹脂で覆わないようにしているため、使用する放熱性樹脂の量を少なくすることができ、電子部品ユニット10Aを軽量化できるといった効果も得られる。
【0034】
また、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aにおいては、図2に示すように、基板12の他面側(図2における上面側)と蓋板22との間には、蓋側放熱部材26が設けられている。なお、蓋側放熱部材26は基板12の他面側と蓋板22との間で、かつ、電子部品14に対応する箇所に設けることが好ましい。このような構成とすることにより、電子部品14で発生した熱を、基板12及び蓋側放熱部材26を介して蓋板22に効率よく放熱することができる。なお、蓋側放熱部材26としては、シリコンラバーを好ましく用いることができる。
【0035】
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係る電子部品ユニット10Bにおける電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。なお、図3は図2に対応するものであり、図3において図2と同一部材には同一符号が付されている。
【0036】
実施形態2に係る電子部品ユニット10Bは、図3に示すように、電子部品14の先端面14aを放熱性樹脂層24の表面に圧接させた状態としている。このような構成とすることによっても、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aと同様、電子部品14の全周が放熱性樹脂で覆われることがないため、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aと同様の効果が得られる。
【0037】
また、実施形態2に係る電子部品ユニット10Bにおいては、放熱性樹脂層24をケース16の仕切り部20の底面20a側に予め形成しておくことができる。なお、このときの放熱性樹脂層24の厚みt3は、電子部品14の先端面14aと仕切り部20の底面20aとの間の間隙t1を埋めることができ、かつ、電子部品14の先端面14aが放熱性樹脂層24の表面に圧接状態となる程度の厚みとすることが好ましい。
【0038】
このように、実施形態2に係る電子部品ユニット10Bによれば、放熱性樹脂層24の厚みt3は、電子部品14の先端面14aが当該放熱性樹脂層24の表面に圧接する程度の厚みとしているため、放熱性樹脂層24をケース16の仕切り部20の底面20a側に予め形成しておくことができる。これによって、電子部品ユニット10Bの製造工程を簡素化することができる。また、実際に放熱性樹脂を流し込む前の段階において、流し込む放熱性樹脂と同等の熱伝導率を有し、かつ、放熱性樹脂層24の厚みt3と同等の厚みを有するシリコンラバーなどを敷設して電子部品から発生する熱の放熱性を調べるための実験を容易に行うことができる。このような実験を行った結果、良好な結果が得られたら、実際に放熱性樹脂を厚みt3になるまで流し込むようにすれば、電子部品ユニット10Bを効率よく製造することができる。
【0039】
また、実施形態2に係る電子部品ユニット10Bにおいては、放熱シート(図示せず。)の使用も可能であり、この場合、放熱性樹脂層24の厚みt3と同等の厚みを有し、かつ、放熱性樹脂層24と同等の熱伝導率を有する放熱シートを予め敷設しておけばよい。
【0040】
[実施形態3]
図4は、実施形態3に係る電子部品ユニット10Cにおける発熱性の電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。なお、図4は図3に対応するものであり、図4において図3と同一部材には同一符号が付されている。
【0041】
実施形態3に係る電子部品ユニット10Cは、図4に示すように、電子部品14の先端面14aを放熱性樹脂層24の表面に接触させた状態としている。なお、実施形態3に係る電子部品ユニット10Cにおける放熱性樹脂層24の厚みt4は、電子部品14の先端面14aが放熱性樹脂層24の表面に接触可能となればよいため、電子部品14の先端面14aと仕切り部20の底面20aとの間隙t1と同等であってもよい。
【0042】
このような構成とすることによっても、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aと同様、電子部品14の全周が放熱性樹脂で覆われることがないため、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aと同様の効果が得られる。
【0043】
また、実施形態3に係る電子部品ユニット10Cにおいては、放熱性樹脂層24の厚みt4は、電子部品14の先端面14aが当該放熱性樹脂層24の表面に圧接する程度の厚みとしているため、実施形態2に係る電子部品ユニット10Bと同様、放熱性樹脂層24をケース16の仕切り部20の底面20a側に予め形成しておくことができる。これによって、電子部品ユニット10Cの製造工程を簡素化することができる。また、実際に放熱性樹脂を流し込む前の段階において、流し込む放熱性樹脂と同等の熱伝導率を有し、かつ、放熱性樹脂層24の厚みt4と同等の厚みを有するシリコンラバーなどを敷設して電子部品から発生する熱の放熱性を調べるための実験を容易に行うことができる。このような実験を行った結果、良好な結果が得られたら、実際に放熱性樹脂を厚みt4になるまで流し込むようにすれば、電子部品ユニット10Cを効率よく製造することができる。
【0044】
また、実施形態3に係る電子部品ユニット10Cにおいても、実施形態2に係る電子部品ユニット10Bと同様、放熱シート(図示せず。)の使用も可能である。
【0045】
[実施形態4]
図5は、実施形態4に係る電子部品ユニット10Dにおける発熱性の電子部品14の先端面14aと放熱部材との当接状態を示す拡大部分断面図である。なお、図5は図2に対応するものであり、図4において図2と同一部材には同一符号が付されている。
【0046】
実施形態4に係る電子部品ユニット10Dは、図5に示すように、ケース16の底面(仕切り部20側の底面20a)に突出壁30を有している。環状の突出壁30は、電子部品14の先端面14aの外周縁を全周に渡って囲むように設けられている。そして、当該環状の突出壁30で囲まれる空間部に予め放熱性樹脂を所定の厚み(図2と同様にt2の厚みとする。)だけ充填しておく。
【0047】
このような構成とすることにより、電子部品14の先端面14aを環状の突出壁30で囲まれる空間部に挿入するようにして電子部品14を収容すると、電子部品14の先端面14aが放熱性樹脂層24に埋設された状態となる。この状態は、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aと同様であるため、実施形態1に係る電子部品ユニット10Aと同様の効果が得られ、さらに、電子部品14の先端面に対応する部分のみに放熱性樹脂層24が形成されるため、使用する放熱性樹脂の量を削減できる。
【0048】
また、電子部品14の先端面14aが放熱性樹脂層24に埋設された状態とするのではなく、実施形態2に係る電子部品ユニット10Bと同様、電子部品14の先端面14aを放熱性樹脂層24の表面に圧接させるようにしてもよく、また、実施形態3に係る電子部品ユニット10Cと同様、電子部品14の先端面14aを放熱性樹脂層24の表面に接触させるようにしてもよい。この場合、放熱シートの使用が可能となる。
【0049】
なお、図5においては、環状の突出壁30の内径は電子部品14の外径よりも少し大きくした場合を例示したが、環状の突出壁30の内径及び高さは、部品の種類などによって適宜、適切なサイズのものを設けることができる。また、電子部品の種類によっては、必ずしも環状でなくてもよい。
【0050】
なお、本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能となるものである。例えば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0051】
(1)上記各実施形態においては、底面側放熱部材24として放熱性樹脂を用いた場合を例示したが、放熱性及び電気的絶縁性に優れた部材であれば、他の部材を使用することも可能である。また、蓋側放熱部材26としてシリコンラバーなどを用いた場合を例示したが、放熱性及び電気的絶縁性に優れた部材であれば、他の部材を使用することも可能である。また、電子部品14の先端面からの放熱量が十分であれば、蓋側放熱部材26はなくてもよい。
【0052】
(2)上記各実施形態において、電子部品14の放熱量をさらに増加させるには、例えば、ケース16の外部にファンを設置し、ケース16内に空気の流れを生じさせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10A,10B,10C,10D・・・電子部品ユニット、12・・・基板、14・・・電子部品、14a・・・電子部品の先端面、14b・・・電子部品の側面、16・・・ケース、18・・・仕切板、20・・・仕切り部、20a・・・仕切り部の底面、22・・・蓋板、24・・・放熱性樹脂層(底面側放熱部材)、26・・・蓋側放熱部材、28・・・空間部、30・・・突出壁、h1・・・仕切板18の高さ、h2・・・側板の高さ、t1・・・間隙、t2,t3,t4・・・放熱性樹脂層24の厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一面側に装着されている発熱性の電子部品を箱状のケースに収容した電子部品ユニットであって、
前記電子部品は、当該電子部品の先端面が前記ケースの底面に対向するとともに、前記底面との間に所定の間隙を有するように前記ケースに収容され、
前記ケースの底面の側には、前記間隙を埋めることが可能で、かつ、前記基板との間に空間部を形成可能な厚みを有する底面側放熱部材が設けられ、前記電子部品の側面の少なくとも一部は前記空間部に面していることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記底面側放熱部材は、前記電子部品の先端面が前記底面側放熱部材に埋設した状態となるような厚みとすることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記底面側放熱部材は、前記電子部品の先端面が前記底面側放熱部材の表面に圧接した状態となるような厚みとすることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記底面側放熱部材は、前記電子部品の先端面が前記底面側放熱部材の表面に接触した状態となるような厚みとすることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記電子部品の先端面の外周縁を全周に渡って囲むような突出壁を前記ケースの底面に設け、前記突出壁で囲まれた空間内に前記底面側放熱部材が設けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記底面側放熱部材は、放熱性樹脂であることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記基板の他面側と前記ケースの蓋板との間には、蓋側放熱部材が設けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記電子部品は、電源用の電子部品であることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記電子部品は、チョークコイルであることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記ケースは、アルミニウム製のケースであることを特徴とする電子部品ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−77604(P2013−77604A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215022(P2011−215022)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】