説明

電子部品ユニット

【課題】高い生産性で複数の特定電子部品を取り付け面に固定することができ、さらに、複数の特定電子部品から発生した熱を効率よく放熱することが可能な構造を有する電子部品ユニットを提供する。
【解決手段】ケース本体110と、所定の電子部品グループに属する複数の特定電子部品120と、ケース本体110に設けられ、複数の特定電子部品120を並べた状態で取り付けるための取り付け面131を有する電子部品取り付け部130と、複数の特定電子部品120に接触した状態で複数の特定電子部品120を押さえることによって複数の特定電子部品120を取り付け面131に同時に固定する押さえプレート140とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、電子部品ユニットに関する。
【0002】
なお、本明細書において「特定電子部品」とは、複数の電子部品グループのうちの所定の電子部品グループに属し、並べられた状態でケースに取り付けられる電子部品を指す。
【0003】
従来、複数の特定電子部品を並べた状態で取り付け面に取り付ける特定電子部品の取り付け方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図8は、従来の特定電子部品の取り付け方法によって複数の特定電子部品が取り付けられた電子部品ユニットを示す図である。
【0005】
従来の特定電子部品の取り付け方法は、図8に示すように、位置決め治具(図示せず)を用いて複数の特定電子部品920を位置決めする工程と、複数の特定電子部品920を並べた状態で取り付け面931に取り付ける工程と、複数の特定電子部品920を個々の特定電子部品ごとに固定部材950を用いて固定する工程と、位置決め治具(図示せず。)を取り除く工程とをこの順序で含む。この方法により、複数の特定電子部品920を並べた状態で取り付け面931に取り付けることができる。
【0006】
従来の特定電子部品の取り付け方法によって特定電子部品が取り付けられた電子部品ユニット900によれば、複数の特定電子部品920を個々の特定電子部品ごとに固定部材950を用いて固定するため、複数の特定電子部品920を取り付け面931に安定して固定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−311538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の特定電子部品の取り付け方法においては、複数の特定電子部品920を個々の特定電子部品ごとに固定部材950を用いて固定するため、時間と手間とがかかり生産性を高くするのが困難である。
【0009】
また、複数の特定電子部品が取り付けられる電子部品ユニットにおいては、特定電子部品の部品数が多くなることに伴って複数の特定電子部品からの発熱量が多くなるため、その分だけ、特定電子部品からの発熱量が多くなり、動作性能が低下するおそれがある。このため、特定電子部品からの熱を効率よく放熱することも重要な課題である。
【0010】
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、高い生産性で複数の特定電子部品を取り付け面に固定することができ、さらに、複数の特定電子部品から発生した熱を効率よく放熱することが可能な構造を有する電子部品ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]本発明の電子部品ユニットは、複数の電子部品グループに属する電子部品を電子部品グループごとに収容するためのケース本体と、前記複数の電子部品グループのうちの所定の電子部品グループに属する複数の特定電子部品と、前記ケース本体に設けられ、前記複数の特定電子部品を並べた状態で取り付けるための取り付け面を有する電子部品取り付け部と、前記複数の特定電子部品に接触した状態で前記複数の特定電子部品を押さえることによって前記複数の特定電子部品を前記取り付け面に同時に固定する押さえプレートとを有することを特徴とする。
【0012】
[2]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記取り付け面には、前記複数の特定電子部品を取り付ける際に個々の特定電子部品の位置決めを行うための第1突起が設けられ、前記複数の特定電子部品は、前記第1突起と接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることが好ましい。
【0013】
[3]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記第1突起は、前記個々の特定電子部品のそれぞれに対応して設けられていることが好ましい。
【0014】
[4]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記第1突起は、前記個々の特定電子部品のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられていることが好ましい。
【0015】
[5]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記押さえプレートには、前記複数の特定電子部品を取り付ける際に前記個々の特定電子部品の位置決めを行うための第2突起が設けられ、前記複数の特定電子部品は、前記第2突起と接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることが好ましい。
【0016】
[6]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記第2突起は、前記個々の特定電子部品それぞれに対応して設けられていることが好ましい。
【0017】
[7]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記第2突起は、前記個々の特定電子部品のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられていることが好ましい。
【0018】
[8]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記電子部品取り付け部は、前記ケース本体の底面に設けられている台座部と、当該台座部から立設されている板状部とを有し、前記取り付け面は、前記板状部の板面に設けられ、前記複数の特定電子部品は、前記台座部と接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることが好ましい。
【0019】
[9]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記板状部、台座部及び前記ケース本体は一体形成されていることが好ましい。
【0020】
[10]本発明の電子部品ユニットにおいては、前記電子部品取り付け部は、前記ケース本体の底面に立設する板状部として形成されており、前記押さえプレートは、前記複数の特定電子部品における前記ケース本体の底面からの高さ方向の位置決めを行うための第3突起をさらに有し、前記複数の特定電子部品は、前記第3突起と接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電子部品ユニットによれば、1つの押さえプレートで複数の特定電子部品を取り付け面に同時に固定することができるため、複数の特定電子部品を個々の特定電子部品ごとに固定する必要がない。その結果、高い生産性で複数の特定電子部品を取り付け面に固定することが可能となる。
【0022】
また、本発明の電子部品ユニットによれば、押さえプレートは複数の特定電子部品に接触した状態で複数の特定電子部品を押さえるため、複数の特定電子部品から発生した熱を押さえプレートを介して効率よく放熱することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1に係る電子部品ユニット100を説明するために示す図である。
【図2】実施形態1における電子部品取り付け部130を説明するために示す図である。
【図3】実施形態1における押さえプレート140を説明するために示す図である。
【図4】実施形態1における特定電子部品の取り付け方法を説明するために示す図である。
【図5】実施形態2における電子部品取り付け部230を説明するために示す図である。
【図6】実施形態3における押さえプレート340を説明するために示す図である。
【図7】実施形態4に係る電子部品ユニット400を説明するために示す図である。
【図8】従来の電子部品ユニット900を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の電子部品ユニット及び押さえプレートについて図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0025】
[実施形態1]
1.実施形態1に係る電子部品ユニット100の構成
まず、実施形態1に係る電子部品ユニット100の構成を説明する。
図1は、実施形態1に係る電子部品ユニット100を説明するために示す図である。図1(a)は実施形態1に係る電子部品ユニット100の斜視図であり、図1(b)は図1(a)のAで示す範囲をさらに拡大して示す図である。なお、図1(a)において、本発明に関連しない電子部品グループの図示は省略している。
図2は、実施形態1における電子部品取り付け部130を説明するために示す図である。図2(a)は特定電子部品取り付け工程を実施する前の電子部品取り付け部130の正面図であり、図2(b)は特定電子部品取り付け工程を実施する前の電子部品取り付け部130の側面図であり、図2(c)は特定電子部品取り付け工程を実施した後の電子部品取り付け部130の正面図であり、図2(d)は特定電子部品取り付け工程を実施した後の電子部品取り付け部130の側面図である。
図3は、実施形態1における押さえプレート140を説明するために示す図である。
【0026】
実施形態1に係る電子部品ユニット100は、図1(a)に示すように、ケース本体110と、複数の特定電子部品120と、電子部品取り付け部130と、押さえプレート140とを有する。
【0027】
実施形態1に係る電子部品ユニット100は、図1(b)に示すように、所定の電子部品グループに属する複数の特定電子部品120を取り付け面131に並べた状態で取り付け、複数の特定電子部品120に接触した状態で複数の特定電子部品120を押さえプレート140によって取り付け面131に同時に固定する。
【0028】
ケース本体110は、複数の電子部品グループに属する電子部品を電子部品グループごとに収容するための筐体である。ケース本体110は、電子機器を周囲の衝撃から守るとともに、内部で発生する熱の放熱等を行う。ケース本体110の材料としては、例えば、アルミニウムなどの金属やポリブチレンテレフタレート(PBT)などのプラスチックを用いることができる。
【0029】
複数の特定電子部品120は、複数の電子部品グループのうちの所定の電子部品グループに属し、一列に並んで取り付けられる。特定電子部品120としては、例えば、トランジスタ、ダイオード等を挙げることができる。
【0030】
電子部品取り付け部130は、図2に示すように、ケース本体110に設けられ、複数の特定電子部品120を並べた状態で取り付けるための取り付け面131を有する。本実施形態において電子部品取り付け部130は、ケース本体110の底面に設けられている台座部132と、台座部132から立設されている板状部133とを有し、取り付け面131は、板状部133の板面に設けられ、複数の特定電子部品120は、台座部132と接触した状態で取り付け面131に取り付けられている。電子部品取り付け部130は、ケース本体110に固定するための固定部(図示せず。)を有する。
【0031】
取り付け面131には、図2に示すように、複数の特定電子部品120を取り付ける際に個々の特定電子部品120の位置決めを行うための第1突起134が設けられ、複数の特定電子部品120は、第1突起134と接触した状態で取り付け面131に取り付けられている。取り付け面131には、所定の位置に後述する押さえプレート140を固定するための雌ネジ部135が設けられている。
【0032】
第1突起134は、個々の特定電子部品120のそれぞれに対応して設けられている。第1突起134は、複数の特定電子部品120を固定する際に後述する押さえプレート140と接触する。
【0033】
押さえプレート140は、図3に示すように、板状の金属からなり、雌ネジ部135に対応した位置にネジ孔142を有する。押さえプレート140によって複数の特定電子部品120に接触した状態で複数の特定電子部品120を押さえながら、ネジ150をネジ孔142を貫通して雌ネジ部135に螺合することにより、複数の特定電子部品120を取り付け面131に同時に固定する。
【0034】
2.実施形態1における複数の特定電子部品の取り付け方法
次に、実施形態1における複数の特定電子部品の取り付け方法を説明する。
図4は、実施形態1における特定電子部品の取り付け方法を説明するために示す図である。図4(a)〜図4(c)は各工程図である。
【0035】
実施形態1における複数特定電子部品の取り付け方法は、電子部品取り付け部準備工程と、特定電子部品取り付け工程と、押さえプレート取り付け工程とをこの順序で含む。
【0036】
(1)電子部品取り付け部準備工程
まず、取り付け面131、台座部132、板状部133、第1突起134、雌ネジ部135を有する電子部品取り付け部130を準備する。本実施形態において電子部品取り付け部130は金型成型によって作られる。この際、取り付けられる個々の特定電子部品120に応じた取り付け領域を2つの第1突起134と台座部132とによって三方を囲むように設置する(図4(a)参照。)。
【0037】
(2)特定電子部品取り付け工程
次に、取り付け面131に複数の特定電子部品120を並べた状態で取り付ける。具体的には、個々の特定電子部品120をそれぞれに対応した取り付け領域に第1突起134と接触した状態で、かつ、台座部132とも接触した状態で取り付け面131に取り付ける(図4(b)参照。)。
【0038】
(3)押さえプレート取り付け工程
次に、並べた状態で取り付けられた複数の特定電子部品120に接触した状態で複数の特定電子部品120を押さえることによって複数の特定電子部品120を取り付け面131に同時に固定する。具体的には、押さえプレート140で複数の特定電子部品120を押さえながら、ネジ150を押さえプレート140におけるネジ孔142を貫通して雌ネジ部135に螺合する。このことにより、押さえプレート140によって複数の特定電子部品120を取り付け面131に同時に固定する。(図4(c)参照。)。
このようにして、複数の特定電子部品120が取り付けられた電子部品取り付け部130を固定部(図示せず。)によってケース本体110に固定する。
【0039】
以下、実施形態1に係る電子部品ユニット100の効果を記載する。
【0040】
実施形態1に係る電子部品ユニット100によれば、1つの押さえプレートで複数の特定電子部品を取り付け面に同時に固定することができるため、複数の特定電子部品を個々の特定電子部品ごとに固定する必要がない。その結果、高い生産性で複数の特定電子部品を取り付け面に固定することが可能となる。
【0041】
また、実施形態1に係る電子部品ユニット100によれば、押さえプレートは複数の特定電子部品に接触した状態で複数の特定電子部品を押さえるため、複数の特定電子部品から発生した熱を押さえプレートを介して効率よく放熱することが可能となる。
【0042】
また、実施形態1に係る電子部品ユニット100によれば、第1突起及び台座部を有するため、複数の特定電子部品を取り付け面における所定の取り付け領域に取り付けるだけで複数の特定電子部品の位置決めをすることができる。その結果、位置決め治具を用いることなく容易に複数の特定電子部品を位置決めすることが可能となり、複数の特定電子部品を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
【0043】
また、実施形態1に係る電子部品ユニット100によれば、第1突起及び台座部を有するため、位置決め治具を用いることなく特定電子部品を正確に位置決めすることができ、位置決めをする工程や位置決め治具を取り外す工程を省くことができる。その結果、時間と手間とがかかることがなく、電子部品ユニットを一層高い生産性で製造することが可能となる。
【0044】
また、実施形態1に係る電子部品ユニット100によれば、複数の特定電子部品は第1突起及び台座部と接触した状態で取り付け面に取り付けられているため、複数の特定電子部品から発する熱を第1突起及び台座部を介して効率よく放熱することが可能となる。
【0045】
また、実施形態1に係る電子部品ユニット100によれば、第1突起と押さえプレートとが接触しているため、複数の特定電子部品から押さえプレートに熱伝導した熱を第1突起を介して効率よく放熱することが可能となる。
【0046】
[実施形態2]
図5は、実施形態2における電子部品取り付け部230を説明するために示す図である。図5(a)は特定電子部品取り付け工程を実施する前の電子部品取り付け部230の正面図であり、図5(b)は特定電子部品取り付け工程を実施する前の電子部品取り付け部230の側面図であり、図5(c)は特定電子部品取り付け工程を実施した後の電子部品取り付け部230の正面図であり、図5(d)は特定電子部品取り付け工程を実施した後の電子部品取り付け部230の側面図である。
【0047】
実施形態2に係る電子部品ユニット200は、基本的には実施形態1に係る電子部品ユニット100と同様の構成を有するが、第1突起の構成が実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合と異なる。すなわち、実施形態2における第1突起は、図5に示すように、個々の特定電子部品120のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられている。
【0048】
実施形態2における電子部品取り付け部230は、図5(a)及び図5(b)に示すように、個々の特定電子部品120のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられている第1突起234を有する。隣接する特定電子部品がない第1突起236は個々の特定電子部品120のそれぞれに対応して設けられている。第1突起234には雌ネジ部235が設けられている。
【0049】
実施形態2に係る電子部品ユニット200によっても、実施形態1に係る電子部品ユニット100と同様、1つの押さえプレートで複数の特定電子部品120を取り付け面に同時に固定することができ、複数の特定電子部品を個々の特定電子部品ごとに固定する必要がない。その結果、高い生産性で複数の特定電子部品を取り付け面に固定することが可能となる。また、複数の特定電子部品から発生した熱を押さえプレートを介して効率よく放熱することが可能となる。
【0050】
また、実施形態2に係る電子部品ユニット200によれば、第1突起は、個々の特定電子部品のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられているため、隣接する特定電子部品同士の間隔が短い場合であっても、複数の特定電子部品を取り付け面における所定の取り付け領域に取り付けるだけで複数の特定電子部品の位置決めをすることができる。その結果、位置決め治具を用いることなく容易に複数の特定電子部品を位置決めすることが可能となるため、複数の特定電子部品を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
【0051】
また、実施形態2に係る電子部品ユニット200によれば、第1突起は、個々の特定電子部品のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられているため、隣接する特定電子部品同士の間隔が短い場合であっても、第1突起及び台座部を有するため、位置決め治具を用いることなく特定電子部品を正確に位置決めすることができ、位置決めをする工程や位置決め治具を取り外す工程を省くことができる。その結果、時間と手間とがかかることがなく、この観点においても電子部品ユニットを高い生産性で製造することが可能となる。
【0052】
このように、実施形態2に係る電子部品ユニット200は、第1突起の構成が実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合とは異なるが、第1突起の構成以外の点では実施形態2に係る電子部品ユニット200の場合と同様の構成を有するため、実施形態2に係る電子部品ユニット200が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0053】
[実施形態3]
図6は、実施形態3における押さえプレート340を説明するために示す図である。図6(a)は押さえプレート340における特定電子部品320と接触する面とは反対側から見た正面図であり、図6(b)は、押さえプレート340における特定電子部品320と接触する面側から見た背面図である。
【0054】
実施形態3に係る電子部品ユニット300は、基本的には実施形態1に係る電子部品ユニット100と同様の構成を有するが、押さえプレートの構成が実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合と異なる。すなわち、実施形態3における押さえプレート340は、図6に示すように、第2突起344及び第3突起346が設けられている。
【0055】
押さえプレート340は、図6(b)に示すように、押さえプレート330における特定電子部品120と接触する面側に、取り付けられる個々の特定電子部品120に応じた接触領域を有する。接触領域は、2つの第2突起344と第3突起346とによって三方を囲むように設置されている。
【0056】
第2突起344は、複数の特定電子部品120を取り付ける際に個々の特定電子部品120の位置決めを行うことができ、複数の特定電子部品120は、第2突起と接触した状態で取り付け面に取り付けられる。第2突起344は、個々の特定電子部品120それぞれに対応して設けられている。本実施形態において、第2突起344は、押さえプレート340に立設された直方体の突起で、複数の特定電子部品を固定する際に取り付け面と接触する。
【0057】
第3突起346は、複数の特定電子部品におけるケース本体の底面からの高さ方向の位置決めを行う。複数の特定電子部品120は、第3突起346と接触した状態で取り付け面に取り付けられる。本実施形態において、第3突起346は、押さえプレート340に立設された直方体の突起で、複数の特定電子部品を固定する際に取り付け面と接触する。
【0058】
実施形態3に係る電子部品ユニット300によっても、実施形態1に係る電子部品ユニット100と同様、1つの押さえプレートで複数の特定電子部品を取り付け面に同時に固定することができ、複数の特定電子部品を個々の特定電子部品ごとに固定する必要がない。その結果、高い生産性で複数の特定電子部品を取り付け面に安定して固定することが可能となる。また、複数の特定電子部品から発生した熱を押さえプレートを介して効率よく放熱することが可能となる。
【0059】
また、実施形態3に係る電子部品ユニット300によれば、第2突起及び第3突起を有するため、複数の特定電子部品を押さえプレートにおける所定の接触領域に取り付けるだけで、複数の特定電子部品の位置決めをすることができる。その結果、位置決め治具を用いることなく容易に複数の特定電子部品を位置決めすることが可能となるため、複数の特定電子部品を取り付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
【0060】
また、実施形態3に係る電子部品ユニット300によれば、第2突起及び第3突起を有するため、位置決め治具を用いることなく特定電子部品を正確に位置決めすることができ、位置決めをする工程や位置決め治具を取り外す工程を省くことができる。その結果、時間と手間とがかかることがなく、電子部品ユニットをより一層高い生産性で製造することが可能となる。
【0061】
また、実施形態3に係る電子部品ユニット300によれば、複数の特定電子部品は第2突起及び第3突起と接触した状態で取り付け面に取り付けられているため、複数の特定電子部品から発する熱を第2突起及び第3突起を介して効率よく放熱することが可能となる。
【0062】
また、実施形態3に係る電子部品ユニット300によれば、押さえプレートに第2突起及び第3突起が設けられているため、設計変更等によって異なる特定電子部品を取り付け面に取り付ける必要が生じたときであっても、押さえプレートを製造しなおすだけで容易に対応することが可能となる。
【0063】
このように、実施形態3に係る電子部品ユニット300は、押さえプレートの構成が実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合とは異なるが、押さえプレートの構成以外の点では実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る電子部品ユニット100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0064】
[実施形態4]
図7は、実施形態4に係る電子部品ユニット400を説明するために示す図である。
【0065】
実施形態4に係る電子部品ユニット400は、基本的には実施形態1に係る電子部品ユニット100と同様の構成を有するが、電子部品取り付け部の構成が実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合と異なる。すなわち、実施形態4に係る電子部品ユニット400は、図7に示すように、板状部、台座部及びケース本体が一体形成されている。
【0066】
実施形態4に係る電子部品ユニット400においては、ケース本体の底面部から逆T字になるように板状部、台座部及びケース本体を金型成型によって一体形成される。
【0067】
実施形態4に係る電子部品ユニット400によれば、板状部、台座部及びケース本体が一体形成されているため、電子部品取り付け部を固定部(図示せず。)によってケース本体に取り付ける工程を省くことができ、作業性が向上する。
【0068】
また、実施形態4に係る電子部品ユニット400によれば、板状部、台座部及びケース本体が一体形成されているため、電子部品取り付け部からケース本体への熱伝導度が向上する。その結果、特定電子部品から発生した熱の放熱効率を向上させることが可能となる。
【0069】
このように、実施形態4に係る電子部品ユニット400は、電子部品取り付け部の構成が実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合とは異なるが、電子部品取り付け部の構成以外の点では実施形態1に係る電子部品ユニット100の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係る電子部品ユニット100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0070】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0071】
(1)上記各実施形態における各構成要素の数、位置関係、大きさは例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0072】
(2)上記実施形態3においては、第2突起344は、個々の特定電子部品320それぞれに対応して設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、個々の特定電子部品のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられていてもよい。
【0073】
(3)上記各実施形態においては、板状の押さえプレートを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、押さえプレートの端部に取り付け面と接触するような脚を設けてもよい。このような構成とすることにより、押さえプレートから電子部品取り付け部を介してケース本体へ放熱することが可能となる。
【0074】
(4)上記実施形態1及び2においては、押さえプレートと接触している第1突起を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。押さえプレートと接触していない第1突起を用いてもよい。
【0075】
(5)上記実施形態3においては、取り付け面と接触している第2突起及び第3突起を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。押さえプレートと接触していない第2突起及び第3突起を用いてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100,200,300,400,900…電子部品ユニット、110、910…ケース本体、120,220,920…特定電子部品、130,230,330,430、930…電子部品取り付け部、131、231,331,431…電子部品取り付け面、132、232、332,432…台座部、133,233,333,433…板状部、134,234…第1突起、135,235,435…雌ネジ部、140…押さえプレート、142、342…ネジ孔、344…第2突起、346…第3突起、150,950…ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品グループに属する電子部品を電子部品グループごとに収容するためのケース本体と、
前記複数の電子部品グループのうちの所定の電子部品グループに属する複数の特定電子部品と、
前記ケース本体に設けられ、前記複数の特定電子部品を並べた状態で取り付けるための取り付け面を有する電子部品取り付け部と、
前記複数の特定電子部品に接触した状態で前記複数の特定電子部品を押さえることによって前記複数の特定電子部品を前記取り付け面に同時に固定する押さえプレートとを有することを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記取り付け面には、前記複数の特定電子部品を取り付ける際に個々の特定電子部品の位置決めを行うための第1突起が設けられ、
前記複数の特定電子部品は、前記第1突起と接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記第1突起は、前記個々の特定電子部品のそれぞれに対応して設けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項4】
請求項2に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記第1突起は、前記個々の特定電子部品のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記押さえプレートには、前記複数の特定電子部品を取り付ける際に前記個々の特定電子部品の位置決めを行うための第2突起が設けられ、
前記複数の特定電子部品は、前記第2突起と接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記第2突起は、前記個々の特定電子部品それぞれに対応して設けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項7】
請求項5に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記第2突起は、前記個々の特定電子部品のうちの隣接する特定電子部品が共有するように設けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記電子部品取り付け部は、前記ケース本体の底面に設けられている台座部と、当該台座部から立設されている板状部とを有し、
前記取り付け面は、前記板状部の板面に設けられ、
前記複数の特定電子部品は、前記台座部と接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の電子部品ユニットにおいて、
前記板状部、台座部及び前記ケース本体は一体形成されていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品ユニットにおいて、
前記電子部品取り付け部は、前記ケース本体の底面に立設する板状部として形成されており、
前記押さえプレートは、前記複数の特定電子部品における前記ケース本体の底面からの高さ方向の位置決めを行うための第3突起をさらに有し、
前記複数の特定電子部品は、前記第3突起と前記複数の特定電子部品とが接触した状態で前記取り付け面に取り付けられていることを特徴とする電子部品ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−77607(P2013−77607A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215059(P2011−215059)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】