説明

電子部材の収納体及び電子部材の梱包方法

【課題】汎用性の高いトレイを電子部材の収納に用いることで、梱包にかかるコストを抑制する。
【解決手段】電子部材の収納体は、底板及び該底板の周縁部から立設された側壁を有する合成樹脂製のトレイと、収納する電子部材の形状に対応した開口部を有する発泡プラスチック製の第一シート部材とを備えている。トレイの底板上に第一シート部材が載置された単位収納体を複数積層している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部材の収納体及び電子部材の梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の電子部材の梱包方法においては、まず電子部材収納用の複数の凹部を有するプラスチック製のパレット(収納体)に対して、各凹部に1つずつ電子部材を収納する。その後、各凹部に電子部材が収容されたパレットを複数積み重ねた上で、段ボールからなる梱包箱に収納して蓋を閉じるといった手順で梱包が行われている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−157774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、振動試験や落下試験は、梱包されたままの状態で行われるので、電子部材も凹部内に収納されたままとなっている。振動試験では、電子部材が凹部の内面と擦れて、パレットを削ってしまうと、そのゴミが不合格要因として大きい。一方、落下試験では、パレットが割れることによって製品に破片が混入してしまう点が不合格要因として大きい。
したがって、従来から収納される電子部材の形状に対応させて、パレットの凹部を形成する必要があった。収納される電子部材の形状が異なる場合には、その形状に応じた凹部を有するパレットを用意しなければならず、設計変更が必要となる。
ところで、保管時や運搬時の取り扱いやすさを考慮すると、電子部材が収納された状態で所望の形状を保持できる程度に丈夫であることが好ましいため、パレットは例えば剛性の大きい樹脂により形成されている。また、梱包される電子部材の設計変更に伴い、このような樹脂からなるパレットを設計変更する必要が生じるが、パレットの設計変更に際しては、パレット成型用の金型の製作費用が増加するだけでなく、パレット自体の開発期間が必要になるために、梱包にかかるコストが大変大きくなってしまっていた。
本発明の課題は、電子部材の形状が異なる毎に必要となる収納体の設計変更かかるコストを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様によれば、
底板及び該底板の周縁部から立設された側壁を有する合成樹脂製のトレイと、
収納する電子部材の形状に対応した開口部を有する発泡プラスチック製の第一シート部材とを備え、
前記トレイの前記底板上に前記第一シート部材が載置された単位収納体を複数積層したことを特徴とする電子部材の収納体が提供される。
【0006】
上記電子部材の収納体において好ましくは、
前記トレイの前記側壁は前記底板の周縁部から立設されていて、
前記第一シート部材の周縁部に内側に向けて凹む第一切欠部が形成されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記電子部材は、本体部と、前記本体部の周縁部から外方に向けて突出するように前記本体部に接合された配線基板とを有し、
前記前記第一シート部材の前記開口部は、前記本体部が収納される本体収納部と、該本体収納部に繋がり前記配線基板が収納される配線基板収納部とを有し、
前記第一切欠部は、その所定部分が前記本体収納部よりも前記配線基板収納部の近くに配置されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記単位収納体は、前記第一シート部材の前記開口部に重ねられる矩形状の第二シート部材を備え、
前記第二シート部材は、当該第二シート部材の周縁部に内側に向けて凹む第二切欠部が形成されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記第二シート部材の前記第二切欠部は、当該第二シート部材の下に配置される前記第一シート部材の第一切欠部に重なるように配置されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記単位収納体毎に前記第二シート部材が複数備えられている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記単位収納体に用いられる前記第二シート部材の厚みと、前記第一シート部材の厚みの和は、前記トレイの深さと同じである。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記トレイの前記側壁のうち該側壁に対して前記第一シート部材が配置される側の面に外側に向けて凹む第三切欠部が形成されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記トレイの深さと、前記第一シート部材の厚さとが同じである。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記第一シート部材の前記開口部の縁部は、所定の二箇所で前記電子部材と接触し、且つ前記所定の二箇所の間の中間箇所で前記電子部材から離間するように形成されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記電子部材は、本体部と、前記本体部の周縁部から外方に向けて突出するように前記本体部に接合された配線基板とを有し、
前記前記第一シート部材の前記開口部は、前記本体部が収納される本体収納部と、該本体収納部に繋がり前記配線基板が収納される配線基板収納部とを有し、
前記中間箇所は、前記本体収納部の縁部に形成されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記中間箇所は、前記本体収納部における前記配線基板収納部側とは反対側の周縁部に形成されている。
上記電子部材の収納体において好ましくは、前記中間箇所は、前記本体収納部における前記配線基板収納部側とは反対側の周縁部のうち、前記本体収納部の角部を形成する部分に形成されている。
【0007】
また、本発明の他の態様によれば、
電子部材の形状に対応した開口部を有する発泡プラスチック製の第一シート部材の前記開口部内に、当該開口部の縁部が複数の箇所で前記電子部材と接触するように、前記電子部材を嵌め込む嵌め込み工程と、
底板及び該底板の周縁部から立設された側壁を有する合成樹脂製のトレイの前記底板上に、前記第一シート部材と該第一シート部材と同じ外形を有する第二シート部材とを含む単位収納体を載置する載置工程と、を含み、
前記第一シート部材の周縁部には内側に向けて凹む第一切欠部が形成され、
前記第二シート部材の周縁部には内側に向けて凹む第二切欠部が形成され、
前記載置工程において、前記第二シート部材の前記第二切欠部が前記第一シート部材の前記第一切欠部に重なるように、前記第二シート部材を前記第一シート部材上に配置することを特徴とする電子部材の梱包方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子部材の形状が異なる毎に必要となる収納体の設計変更にかかるコストを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る電子部材の収納体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の収納体に備わる第一シート部材の概略構成を示す上面図である。
【図3】図1の電子部材を梱包する際の一工程を示す斜視図である。
【図4】図1の電子部材を梱包する際の一工程を示す斜視図である。
【図5】図1の電子部材を梱包する際の一工程を示す斜視図である。
【図6】図1に示す第一シート部材及び第二シート部材の変形例を示す説明図であり、(a)は上側の第二シート部材の変形例を示す上面図、(b)は第一シート部材の変形例を示す上面図、(c)は下側の第二シート部材の変形例を示す上面図である。
【図7】図1に示す第一シート部材の変形例を示す上面図である。
【図8】図1に示す第一シート部材の変形例を示す上面図である。
【図9】図1に示すトレイの変形例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
図1は本発明に係る電子部材の収納体の概略構成を示す斜視図である。まず、電子部材について説明する。図1に示すように、電子部材1は、本体部2と、本体部2に接合された配線基板3とを有している。本体部2は、例えば矩形状に形成された液晶表示パネル等の表示パネルである。この本体部2の一辺から突出するように配線基板3が接合されている。以下、本体部2の四辺のうち、配線基板3が接合されている辺を基板用辺21、基板用辺21に対向する辺を他端辺22、基板用辺21及び他端辺22に挟まれ、互いに対向する一対の辺を側辺23,24と称す。配線基板3は、一対の側辺23,24の間隔よりも幅が狭く形成されている。
【0012】
次に、収納体10について説明する。収納体10は、複数の単位収納体20を有しており、複数の単位収納体20を積層した状態で梱包されるようになっている。
単位収納体20は、トレイ30と、第一シート部材40と、第二シート部材50とを備えている。
【0013】
トレイ30は、例えばPET、PP、PS等の合成樹脂製であり、矩形状の底板31と、底板31の周縁部から立設する側壁32とを有している。具体的に側壁32は、当該側壁32により囲まれた領域が矩形状となるように底板31の4つの辺部から立設されている。
【0014】
図2は、第一シート部材40の概略構成を示す上面図である。第一シート部材40は、例えば発泡プラスチック製のシート部材であり、図1及び図2に示すように、側壁32にそれぞれ対向する4つの辺部を有するように矩形状に形成されている。第一シート部材40は、底板31上に載置された際に側壁32により囲まれた領域内に収まる大きさに形成されている。なお、搬送中のがたつきを防止すべく、第一シート部材40と側壁32との隙間は極力小さくすることが好ましい。
また、第一シート部材40には、電子部材1を個別に収納するための複数の開口部41が形成されている。第一シート部材40は、開口部41内に電子部材1を収納した際に電子部材1の上部もしくは下部が第一シート部材40の上面もしくは下面から突出しない厚さに形成されている。
【0015】
開口部41は、第一シート部材40の上面から下面まで貫通する開口であり、電子部材1の本体部2が収納される本体収納部42と、該本体収納部42に繋がり配線基板3が収納される配線基板収納部43とを有している。
本体収納部42は、本体部2の基板用辺21に対向する第一辺421と、他端辺22に対向する第二1辺422と、側辺23,24のそれぞれに対向する第三辺423、第四辺424とを有している。第一辺421には、配線基板収納部43に連続する開口425が形成されている。第二辺422は、その全てが本体部2の他端辺22に接触している。第三辺423、第四辺424は、その両端部が本体部2に接触していて、中間箇所426,427が本体部2から離間している。第三辺423、第四辺424の中間箇所426,427は指が入りやすいように半円状に形成されている。
【0016】
配線基板収納部43は、本体収納部42の開口425を介して、当該本体収納部42に繋がるように形成されている。配線基板収納部43は、配線基板3に接触しないようにその周囲を囲っている。
【0017】
第二シート部材50は、例えば発泡ポリエチレン等の発泡プラスチック製であり、図1に示すように、一つの単位収納体20あたり二枚設けられている。第二シート部材50は、第一シート部材40のすべての開口部41を覆うように、外形が第一シート部材40とほぼ同じ大きさの矩形状に形成されている。また、第二シート部材50は、第一シート部材40よりも薄く形成されている。一つの単位収納体20に備わる二枚の第二シート部材50は、梱包後においては、一方の第二シート部材50がトレイ30の底板31上に載置されて第一シート部材40の下方を覆い、他方の第二シート部材50が第一シート部材40上に載置されて第一シート部材40の上方を覆っている。
そして、単位収納体20に用いられる二枚の第二シート部材50の厚みと、第一シート部材40の厚みの和はトレイ30の深さと同じに設定されている。
【0018】
次に、電子部材1の梱包方法について説明する。
まず、トレイ30及び電子部材1を準備する(トレイ準備工程、電子部材準備工程)。
ついで、第一シート部材40の開口部41内に電子部材1を嵌め込む(嵌め込み工程)。このとき、開口部41の第二辺422、第三辺423、第四辺424が電子部材1の本体部2に接触する。
【0019】
ついで、第一シート部材40の開口部41に重なるように、二枚の第二シート部材50を配置する(第二シート部材配置工程)。この二枚の第二シート部材50のうち、一方の第二シート部材50は第一シート部材40の下方に配置し、他方の第二シート部材50は第一シート部材40の上方に配置する。
そして、重ね合わせた第一シート部材40及び第二シート部材50を、側壁32の内側における底板31上に載置する。(載置工程)。これにより、一つの単位収納体20が形成される。上記の工程を繰り返して、単位収納体20を複数形成して、これら複数の単位収納体20を積層する(積層工程)。
【0020】
その後、図3に示すように、複数積層された単位収納体20を、例えばシール袋からなる可撓性の容器5内に乾燥剤6とともに収容し、当該容器5内のガスを吸引しながら密封する(密封工程)。
ついで、密封された複数の単位収納体20をカートンボックス7に収納してから、カートンボックス7を内箱8に収納する。この際、カートンボックス7の上面及び下面を中板71によって覆っておく。
内箱8に収納後においては、図4に示すように内箱8の上部を閉じてテープ9で封止する。封止後、内箱8を外装箱11に収納して、図5に示すように外装箱11の上部を閉じてテープ9で封止する。これにより、電子部材1の梱包が完了する。
【0021】
以上のように、本実施形態によれば、電子部材1の梱包時においては、電子部材1を第一シート部材40の開口部41に収納し、その第一シート部材40をトレイ30の底板31に載置するので、電子部材1の形状が異なるごとに合成樹脂製のトレイ30を作り直す必要がなくなる。一方、第一シート部材40は、電子部材1の形状が異なるごとにその形状に対応した開口部41とするべく作り直す必要があるが、第一シート部材40が発泡プラスチック製であるために、合成樹脂製のトレイ30を作り直すよりも安価に作り直すことができる。このように、汎用性の高いトレイ30を電子部材1の収納に用いることができるので、梱包にかかるコストを抑制することが可能となる。
【0022】
また、単位収納体20毎に第二シート部材50が複数備えられているので、第一シート部材40の上方及び下方を第二シート部材50で覆うことができる。これにより、電子部材1の上面及び下面が第二シート部材50で覆われるため、電子部材1の表面を保護することができる。さらに、電子部材1の形状が変更されて、トレイ30の深さが同じまま、第一シート部材40の厚さが薄くなったとしても、第二シート部材50の枚数を調整して厚さ方向の隙間を埋めることが可能となる。
【0023】
また、単位収納体20に用いられる第二シート部材50の厚みと、第一シート部材40の厚みの和は、トレイ30の深さと同じであるので、トレイ30の側壁32から、第二シート部材50や第一シート部材40がはみ出ることが防止される。
また、第一シート部材40の開口部41の第三辺423及び第四辺424は、その両端部が電子部材1の本体部2に接触し、中間箇所426,427が本体部2から離間するように形成されているので、中間箇所426,427に指を入れることで電子部材1を開口部41から容易に取り外すことができる。
また、中間箇所426,427が、本体収納部42の縁部に設けられているので、電子部材1を開口部41から取り外す際には、配線基板3よりも剛性の高い本体部2に指をかけることができる。したがって、配線基板3に指をかけて取り外す場合よりも電子部材1を開口部41から容易に取り外すことができる。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。以下の説明において上記実施形態と同一部分においては同一符号を付してその説明を省略する。
例えば、上記実施形態では、単位収納体20に用いられる第二シート部材50の厚みと、第一シート部材40の厚みの和が、トレイ30の深さと同じである場合を例示して説明したが、第二シート部材50が用いられていない場合には第一シート部材40の厚みとトレイ30の深さとを同じにすることが好ましい。
【0025】
また、図6は第一シート部材40及び第二シート部材50の変形例を示す説明図であり、(a)は上側の第二シート部材の変形例を示す上面図、(b)は第一シート部材の変形例を示す上面図、(c)は下側の第二シート部材の変形例を示す上面図である。図6に示すように、第一シート部材40Aの4つの辺部のうち1つの辺部には、内側に向けて凹む第一切欠部45が形成されている。第一切欠部45は指が入りやすいように半円状に形成されている。この第一切欠部45は、その所定部分が、最も近傍にある開口部41のうち本体収納部42よりも配線基板収納部43の近くに配置されている。配線基板収納部43は本体収納部42よりも小さいために、その余ったスペースを第一切欠部45として有効活用することができる。
【0026】
第二シート部材50Aには、その4つの辺部のうち1つの辺部に内側に向けて凹む第二切欠部46が形成されている。第一切欠部45は指が入りやすいように半円状に形成されている。第二切欠部46は、第二シート部材50Aを表側から見たとき、第一シート部材40Aの第一切欠部45に重なるように形成されている(図6(a)参照)。第二シート部材50Aを裏返すと、第二切欠部46は第一切欠部45とは重ならない位置に配置される(図6(c)参照)。
【0027】
また、上記実施形態では、中間箇所426,427が本体収納部42の第三辺423、第四辺424に形成されている場合を例示したが、図6に示す第一シート部材40Aでは、中間箇所428が、本体収納部42における配線基板収納部43とは反対側の第二辺422aと、第四辺424aとからなる角部に形成されている。この中間箇所428は、指が入りやすいように略四分の三円状に形成されている。このように第二辺422aと、第四辺424aとからなる角部に中間箇所428が形成されていると、電子部材1の本体部2の角部に指をかけることができ、電子部材1を容易に取り出すことができる。
【0028】
そして、第一シート部材40A及び第二シート部材50Aを用いる場合、第二シート部材配置工程では、第一シート部材40Aの直上に配置される第二シート部材50Aを、図6(a)に示すように第二切欠部46と第一切欠部45とが重なるように配置する。一方、第一シート部材40Aの下方に配置される第二シート部材50Aを、図6(c)に示すように第二切欠部46と第一切欠部45とが重ならないように配置する。このように、第二シート部材50Aの第二切欠部46が、当該第二シート部材50A直下の第一シート部材40Aの第一切欠部45に重なっていると、当該第二シート部材50Aと第一シート部材40Aとをまとめて容易にトレイ30から取り外すことができる。
【0029】
また、中間箇所については、上述した設置場所以外にも、例えば、図7に示す第一シート部材40Bの中間箇所429のように、本体収納部42における配線基板収納部43とは反対側の第二辺422bの中央を設置場所としたり、あるいは図8に示す第一シート部材40Cの中間箇所430のように、第三辺423c、第四辺424cにおける本体収納部42と配線基板収納部43の境界付近を設置場所とすることが挙げられる。
【0030】
また、上記の変形例では、第一シート部材40A、第二シート部材50Aをトレイ30から取り外しやすくするために、第一シート部材40A、第二シート部材50Aに切欠部45,46を設けた場合を例示したが、図9に示すように、トレイ30の側壁32に第三切欠部38を設けて、この第三切欠部38に指を入れて第一シート部材40A及び第二シート部材50Aをトレイ30から取り外すようにしてもよい。第一シート部材40Aの設計変更に伴って第三切欠部38の位置を変更する必要が生じないので、本変形例においても、電子部材の形状が異なる毎に必要となる収納体の設計変更にかかるコストを抑制することができる。
【0031】
また、上記実施形態ではトレイ30の底板31、第一シート部材40及び第二シート部材50はそれぞれ矩形状であるとしたが、これに限らず、トレイの底板、第一シート部材及び第二シート部材がそれぞれ同じ外形であればよい。
【符号の説明】
【0032】
1 電子部材
2 本体部
3 配線基板
5 容器
6 乾燥剤
7 カートンボックス
8 内箱
7 テープ
10 収納体
11 外装箱
20 単位収納体
21 基板用辺
22 他端辺
23 側辺
24 側辺
30 トレイ
31 底板
32 側壁
40 第一シート部材
41 開口部
42 本体収納部
43 配線基板収納部
45 第一切欠部
46 第二切欠部
50 第二シート部材
71 中板
421 第一辺
422 第二辺
423 第三辺
424 第四辺
425 開口
426 中間箇所
427 中間箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板及び該底板の周縁部から立設された側壁を有する合成樹脂製のトレイと、
収納する電子部材の形状に対応した開口部を有する発泡プラスチック製の第一シート部材とを備え、
前記トレイの前記底板上に前記第一シート部材が載置された単位収納体を複数積層したことを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項2】
請求項1記載の電子部材の収納体において、
前記トレイの前記側壁は前記底板の周縁部から立設されていて、
前記第一シート部材の周縁部に内側に向けて凹む第一切欠部が形成されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項3】
請求項2記載の電子部材の収納体において、
前記電子部材は、本体部と、前記本体部の周縁部から外方に向けて突出するように前記本体部に接合された配線基板とを有し、
前記前記第一シート部材の前記開口部は、前記本体部が収納される本体収納部と、該本体収納部に繋がり前記配線基板が収納される配線基板収納部とを有し、
前記第一切欠部は、その所定部分が前記本体収納部よりも前記配線基板収納部の近くに配置されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項4】
請求項2又は3記載の電子部材の収納体において、
前記単位収納体は、前記第一シート部材の前記開口部に重ねられる矩形状の第二シート部材を備え、
前記第二シート部材は、当該第二シート部材の周縁部に内側に向けて凹む第二切欠部が形成されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項5】
請求項4記載の電子部材の収納体において、
前記第二シート部材の前記第二切欠部は、当該第二シート部材の下に配置される前記第一シート部材の第一切欠部に重なるように配置されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項6】
請求項4又は5記載の電子部材の収納体において、
前記単位収納体毎に前記第二シート部材が複数備えられていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか一項に記載の電子部材の収納体において、
前記単位収納体に用いられる前記第二シート部材の厚みと、前記第一シート部材の厚みの和は、前記トレイの深さと同じであることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子部材の収納体において、
前記トレイの前記側壁のうち該側壁に対して前記第一シート部材が配置される側の面に外側に向けて凹む第三切欠部が形成されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部材の収納体において、
前記トレイの深さと、前記第一シート部材の厚さとが同じであることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の電子部材の収納体において、
前記第一シート部材の前記開口部の縁部は、所定の二箇所で前記電子部材と接触し、且つ前記所定の二箇所の間の中間箇所で前記電子部材から離間するように形成されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項11】
請求項10記載の電子部材の収納体において、
前記電子部材は、本体部と、前記本体部の周縁部から外方に向けて突出するように前記本体部に接合された配線基板とを有し、
前記前記第一シート部材の前記開口部は、前記本体部が収納される本体収納部と、該本体収納部に繋がり前記配線基板が収納される配線基板収納部とを有し、
前記中間箇所は、前記本体収納部の縁部に形成されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項12】
請求項11記載の電子部材の収納体において、
前記中間箇所は、前記本体収納部における前記配線基板収納部側とは反対側の周縁部に形成されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項13】
請求項12記載の電子部材の収納体において、
前記中間箇所は、前記本体収納部における前記配線基板収納部側とは反対側の周縁部のうち、前記本体収納部の角部を形成する部分に形成されていることを特徴とする電子部材の収納体。
【請求項14】
電子部材の形状に対応した開口部を有する発泡プラスチック製の第一シート部材の前記開口部内に、当該開口部の縁部が複数の箇所で前記電子部材と接触するように、前記電子部材を嵌め込む嵌め込み工程と、
底板及び該底板の周縁部から立設された側壁を有する合成樹脂製のトレイの前記底板上に、前記第一シート部材と該第一シート部材と同じ外形を有する第二シート部材とを含む単位収納体を載置する載置工程と、を含み、
前記第一シート部材の周縁部には内側に向けて凹む第一切欠部が形成され、
前記第二シート部材の周縁部には内側に向けて凹む第二切欠部が形成され、
前記載置工程において、前記第二シート部材の前記第二切欠部が前記第一シート部材の前記第一切欠部に重なるように、前記第二シート部材を前記第一シート部材上に配置することを特徴とする電子部材の梱包方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−6599(P2012−6599A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141227(P2010−141227)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】