説明

電子音楽装置

【課題】特定の音楽データファイル/フォルダを識別可能に表示し、表示性能の低い表示器であっても、ユーザが所望のファイル/フォルダを容易に選べるようにする。
【解決手段】この電子音楽装置では複数の音楽データファイルが記憶手段の複数フォルダ下に記憶される。フォルダ選択の際は、フォルダのフォルダ名を取得し、取得したフォルダがID文字列を含むかどうかを調べ、ID文字列を含むフォルダ名を第1の条件でソートし、ID文字列を含まないフォルダ名を第2の条件でソートし、ソート順に、フォルダを指し示す文字列CSをセグメントタイプの文字表示器に表示する。その際、ID付きフォルダ名については、ID文字列を表示すると共に当該ID文字列が特定のフォルダを示すIDであることを付加的な表示(例えば、ドット付き)で知らせ、IDなしフォルダ名についてはソート順位の数字を表示する。ファイル選択の際も同様の態様で表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示性能が低い表示器に対して音楽データファイルやフォルダを示す情報の表示法を改良した電子楽器などの電子音楽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子楽器などの電子音楽装置には、表示性能の低い文字表示器をもつものがあり、楽曲データなどの音楽データファイルを選択する場合、かなや漢字、アルファベット等で表現されるファイル名は、表示器に表示することができないので、代わりにファイル番号を表示して音楽データファイルを選ぶ方法が一般的である。例えば、非特許文献1に示される「MODUS H11」と呼ばれる電子楽器では、ドットセグメント付き7セグメントによる3桁1行のディスプレイにより、プリセットのソングやUSBフラッシュメモリ内の曲を指定する曲番号が表示され(第17〜18、20〜21頁)、この楽器に内蔵された多数曲のプリセットソング(演奏データ)から所望曲のソングを選ぶ場合は、予め各ソングと曲番号(ソングナンバ)とを対応付けたリストを用意しておくことで、選びたいソングが何番であるかをユーザが認識することができる(第48〜49頁)。
【0003】
しかし、USBフラッシュメモリ内の音楽データファイルを選ぶ場合については、ユーザが自分で作成した音楽データを保存或いは削除したり、ウェブサイト等から音楽データを購入するといった操作により、随時、USBフラッシュメモリ内で音楽データの増減が行なわれるようなことがあると、予めファイルと表示されるナンバとを対応付けておくことができない。従って、このようなファイルについては、ファイル名の昇降順など、何らかの方法で、自動的にソートされ、例えば、ファイル名の昇順で自動ソートされた場合は、ソート順に、「001」、「002」、…などと、ナンバ表示されることになる。また、USBフラッシュメモリ内で音楽データファイルをフォルダで管理する場合のフォルダについても、同様の事態が生じる。
【0004】
そして、このようにソートする方法には次のような問題があり、ユーザが目的のファイルを選ぶのが困難である:
(1)ユーザが特定のデータ(ファイルやフォルダ)を選びたいときに、どのナンバを選べばよいかわからない(つまり、データからナンバを特定することができない)。
(2)データの追加や削除、データ名(ファイル名やフォルダ名)の変更などを行う度に、ナンバが変わってしまい、以前に選んだナンバを選んでも、以前とは別のデータが選ばれてしまう可能性がある(つまり、ナンバからデータを特定することができない)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「MODUS H11取扱説明書」、ヤマハ株式会社、2008年、第17〜18、20〜21、48〜49頁(http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/emi/japan/cla/h11_ja_om_a0.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、このような事情に鑑み、特定の音楽データファイル又はフォルダを識別可能に表示し、表示性能の低い表示器であっても、ユーザが所望のファイル又はフォルダを容易に選ぶことができるようにした電子音楽装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一つの特徴に従うと、セグメントタイプの文字表示器(12)と、複数の音楽データファイルが記憶されるファイル記憶手段(ST)と、ファイル記憶手段(ST)に記憶されている複数の音楽データファイルのファイル名(FiN)を取得するファイル名取得手段(P1〜P2)と、取得されたファイル名(FiN)が特定の文字列(ID文字列)を含むか否かを判定するファイル名判定手段(P3〜P4)と、特定の文字列(ID文字列)を含む(P4=YES)と判定されたファイル名(ID付きファイル名)について第1の条件(例えば、ID文字列)で所定の順番にソートし(P7〜P9)、特定の文字列を含まない(P4=NO)と判定されたファイル名(IDなしファイル名)について第2の条件(例えば、ファイル名FiN)で所定の順番にソートする(P10)ソート手段(P7〜P11)と、第1の条件(例えば、ID文字列)でソートされたファイル名(ID付きファイル名)に対応して、当該ファイル名に含まれる特定の文字列(ID文字列)を文字表示器(12)に表示すると共に、当該特定の文字列(ID文字列)が特定のファイル(ID付きファイル)を示す識別情報(ID)であることを併せて表示し、第2の条件(例えば、ファイル名FiN)でソートされたファイル名(IDなしファイル名)に対応して、ソート順位を示す数字(「001」、「002」、…)を文字表示器(12)に表示する表示制御手段〔P11,S1〜S16(図5)〕とを具備する電子音楽装置〔請求項1〕が提供される。なお、括弧書きは、理解の便のために付記した実施例の参照記号や用語等であり、以下においても同様である。
【0008】
この発明の別の特徴に従うと、セグメントタイプの文字表示器(10)と、複数のフォルダが設定され、各フォルダに音楽データファイルが記憶されるファイル記憶手段(ST)と、記憶手段に設定されている複数のフォルダのフォルダ名(FdN)を取得するフォルダ名取得手段(P1〜P2)と、取得されたフォルダ名(FdN)が特定の文字列(ID文字列)を含むか否かを判定するフォルダ名判定手段(P3〜P4)と、特定の文字列(ID文字列)を含む(P4=YES)と判定されたフォルダ名(ID付きフォルダ名)について第1の条件(例えば、ID文字列)で所定の順番にソートし(P7〜P9)、特定の文字列(ID文字列)を含まない(P4=NO)と判定されたフォルダ名(IDなしフォルダ名)については第2の条件(例えば、フォルダ名FdN)で所定の順番にソートする(P10)ソート手段(P7〜P11)と、第1の条件(例えば、ID文字列)でソートされたフォルダ名(ID付きフォルダ名)に対応して、当該フォルダ名に含まれる特定の文字列(ID文字列)を文字表示器(12)に表示すると共に、当該特定の文字列(ID文字列)が特定のフォルダ(ID付きフォルダ)を示す識別情報(ID)であることを併せて表示し、第2の条件(例えば、フォルダ名FdN)でソートされたフォルダ名(IDなしフォルダ名)に対応して、ソート順位を示す数字(「001」、「002」、…)を文字表示器(12)に表示する表示制御手段〔P11,S1〜S16(図5)〕とを具備する電子音楽装置〔請求項2〕が提供される。
【発明の効果】
【0009】
この発明による電子音楽装置に備えられるディスプレイ(12)は、セグメントタイプの文字表示器であって、基本的に数字のみの表示が可能であり、限られたアルファベットや記号をも表示することができる場合もあるが、ひらがなやカタカナ、漢字などの表示はできない。この発明の一つの特徴による電子音楽装置では(請求項1)、ファイル記憶手段(ST)に複数の音楽データファイルが記憶されており、ファイル記憶手段(ST)から所望の音楽データファイルを選び出す際は、まず、ファイル記憶手段(ST)に記憶されている複数の音楽データファイルのファイル名(FiN)を取得し(P1〜P2)、取得したファイル名(FiN)が特定の文字列〔ナンバ記号(_##)に続くID文字列。例えば、3桁の数字:「ijk」(i,j,kは任意の整数)〕を含むか否かを判定する(P3〜P4)。次に、特定の文字列(ID文字列)を含む(P4=YES)と判定したファイル名(ID付きファイル名)を、第1の条件で、例えば、特定の文字列(ID文字列)で、所定の順番にソートし(P7〜P9)、特定の文字列を含まない(P4=NO)と判定したファイル名(IDなしファイル名)を、第2の条件で、例えば、ファイル名(FiN)で、所定の順番にソートする(P10)。そして、第1の条件(例えば、ID文字列)でソートしたファイル名(ID付きファイル名)に対応して、特定の文字列(ID文字列)を表示すると共に当該特定の文字列(ID文字列)が特定のファイル(ID付きファイル)を示す識別情報(ID)であることを付加的に表示し〔例えば、ドット(「.」)を追加表示〕、第2の条件(例えば、ファイル名FiN)でソートしたファイル名(IDなしファイル名)に対応して、ソート順位を示す数字(「001」、「002」、…)を表示する〔P11,S1〜S16(図5)〕。従って、この発明によれば、このように、特定の音楽データファイルを識別可能に表示することによって、表示性能の低い表示器にも拘わらず、ユーザは所望のファイルを容易かつ迅速に選ぶことができる。
【0010】
この発明の別の特徴による電子音楽装置では(請求項2)、ファイル記憶手段(ST)には、複数のフォルダが設定され、各フォルダに音楽データファイルが記憶されており、ファイル記憶手段(ST)から所望のフォルダを選び出す際は、フォルダ名について、所望のファイル音楽データを選び出す場合と同様の処理を行う。すなわち、まず、ファイル記憶手段(ST)に設定されている複数のフォルダのフォルダ名(FdN)を取得し(P1〜P2)、取得したフォルダ名(FdN)が特定の文字列(ID文字列)を含むか否かを判定する(P3〜P4)。次に、特定の文字列(ID文字列)を含む(P4=YES)と判定したフォルダ名(ID付きフォルダ名)を、第1の条件で、例えば、特定の文字列(ID文字列)で、所定の順番にソートし(P7〜P9)、特定の文字列を含まない(P4=NO)と判定したフォルダ名(IDなしフォルダ名)を、第2の条件で、例えば、フォルダ名(FdN)で、所定の順番にソートする(P10)。そして、第1の条件(例えば、ID文字列)でソートしたフォルダ名(ID付きフォルダ名)に対応して、特定の文字列(ID文字列)を表示すると共に特定の文字列(ID文字列)が特定のフォルダ(ID付きフォルダ)を示す識別情報(ID)であることを付加的に表示し〔例えば、ドット(「.」)を追加表示〕、第2の条件(例えば、フォルダ名FdN)でソートしたフォルダ(IDなしフォルダ)に対応して、ソート順位を示す数字(「001」、「002」、…)を表示する〔P11,S1〜S16(図5)〕。従って、この発明によれば、このように、特定の音楽データファイルに関する特定のフォルダを識別可能に表示することによって、表示性能の低い表示器にも拘わらず、ユーザは所望のフォルダを容易かつ迅速に選ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施例による電子音楽装置のハードウエア構成例を示す。
【図2】この発明の一実施例による情報表示ルール及び表示例を示す。
【図3】この発明の一実施例による表示順決定処理フロー例を示す。
【図4】この発明の一実施例によるファイルリストの例を示す。
【図5】この発明の一実施例による次ファイル表示処理フロー例の一部を示す。
【図6】この発明の一実施例による次ファイル表示処理フロー例の他部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔ハードウエア構成例〕
図1は、この発明の一実施例による電子音楽装置のハードウエア構成例である。この発明の一実施例による電子音楽装置は、典型的には、電子楽器のような音楽専用機器が用いられ、中央処理装置(CPU)1、ランダムアクセスメモリ(RAM)2、読出専用メモリ(ROM)3、演奏操作検出回路4、設定操作検出回路5、表示回路6、音源・効果回路7、通信インターフェース(通信I/F)8等の要素を備え、これら要素1〜8はバス9を介して互いに接続される。
【0013】
装置全体を制御するCPU1は、RAM2及びROM3と共に、各種制御プログラムに従って各種処理を実行するデータ処理部を構成し、各種制御プログラムに従い種々の処理を実行し、ファイル/フォルダ表示選択処理の際には、表示方法を決定するための各種判断や制御を行う。RAM2は、これらの処理に際して必要な各種データを記憶しておいたり、カレントバッファとして一時的にデータを保持するのに用いられる。ROM3には、ファイル/フォルダ表示選択処理プログラムを含む各種制御プログラムや必要な制御データ(例えば、ソートテーブル等)、各種データ(例えば、プリセットの演奏データ等)が予め記憶されている。
【0014】
演奏操作検出回路4は、鍵盤などの演奏操作子10と共に演奏操作部を構成しており、演奏操作子10の演奏操作を検出し、演奏操作の内容に対応する演奏操作情報をデータ処理部(1〜3)に導入し、データ処理部は、この演奏操作情報に基づく演奏データを生成して音源・効果回路7に送る。
【0015】
設定操作検出回路5は、スイッチ等の設定操作子(パネル操作子)11と共に設定操作部(パネル操作部ともいう)を構成しており、設定操作子11の設定操作を検出し、設定操作の内容に対応する設定操作情報をデータ処理部に導入し、データ処理部は、この設定操作情報に基づき装置各部について種々の設定を行う。例えば、ファイル/フォルダ表示選択処理の際には、ユーザは、次データや前データを指示するための設定操作子(INCスイッチやDECスイッチ)を使い、現在のディスプレイ表示を変更して別のファイル情報/フォルダ情報(ファイル/フォルダを指し示す情報をいう)をディスプレイ(12)に表示するように指示することができる。また、ファイル/フォルダを選択するための設定操作子(OKスイッチ)を使い、現在のディスプレイ表示に対応したファイル情報/フォルダ情報を選択することができる。
【0016】
表示回路6は、LCD等のディスプレイ12やLED等のインジケータ/ランプ(図示せず)の表示・点灯内容をデータ処理部からの指令に従って制御し、演奏操作や設定操作などに関する表示援助を行う。例えば、ファイル/フォルダ表示選択処理の際には、CPU1により制御された情報表示ルールに従って所定形式のファイル情報/フォルダ情報をディスプレイ12に表示する。
【0017】
ここで、ディスプレイ12は、演奏や設定に必要な各種情報を文字列で表示するセグメントタイプの文字表示器であって、マトリックスタイプの表示器に比べて表示性能が非常に低い。つまり、基本的に数字のみの表示が可能であり、限られた種類のアルファベットや記号(A,C,…など)を表示することができる場合もあるが、一般的に、ひらがなやカタカナ、漢字などを表示することができない。以下の例では、ドット付き7セグメント・3桁・1行の文字表示器が用いられるが、これに限らず、1文字当りのセグメント数や桁数を増やしてもよいい。例えば、14セグメントや16セグメントなどでもよい。
【0018】
音源・効果回路7は、音源部やオーディオ入力部、DSPを有する効果回路部などから成り、音源部は、演奏操作部10−4の演奏操作情報から得られる演奏データに基づくオーディオ楽音信号を生成したり、ROM3や通信I/F8から入力される演奏データに基づくオーディオ楽音信号を生成することができ、生成したオーディオ楽音信号を効果回路部に出力する。また、オーディオ入力部は、ROM3や通信I/F8から入力されるオーディオデータに基づくオーディオ楽音信号を効果回路部に出力する。そして、効果回路部は、音源部或いはオーディオ入力部から入力されるオーディオ楽音信号に所定の効果を付与しサウンドシステム13に出力する。つまり、音源部と共に演奏データ再生部として機能し、オーディオ入力部と共にオーディオデータ再生部として機能する。サウンドシステム13は、音源・効果回路7と共に楽音生成部と呼ばれ、D/A変換部やアンプ、スピーカ等を備え、音源・効果回路7からのオーディオ楽音信号に基づく楽音を発生する。
【0019】
通信I/F8は、MIDIなどの音楽専用有線I/F、USBやIEEE1394などの汎用近距離有線I/F、Ethernet(登録商標)などの汎用ネットワークI/F、無線LANやBluetooth(登録商標)などの汎用近距離無線I/F、デジタル電話回線網などの1又は複数で構成され、外部装置との間で種々の情報授受を行うことができ、図示の例では、外部装置として記憶装置STが接続される。
【0020】
記憶装置STは、ハードディスク、FD(フレキシブルディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多目的ディスク)、フラッシュメモリなどの半導体メモリなどの記憶媒体と、その駆動装置を含み、演奏データやオーディオ音楽データ等の音楽データを多数記憶しておくことができる。ここで、演奏データは、MIDI等のイベント形式の音楽データであり、オーディオ音楽データは、楽音の波形を表わす音楽データである。また、以下の例では、通信I/F8としてUSBI/Fが用いられ、記憶装置STとしてUSBフラッシュメモリが用いられる。
【0021】
なお、電子音楽装置には、上述した電子楽器だけでなく、オーディオ機器などを適用することができる。例えば、オーディオプレーヤーの場合は、演奏操作部(10−4)は不要であり、オーディオデータレコーダーの場合には、演奏操作部(10−4)、楽音生成部(7−11)は不要である。
【0022】
〔フォルダ情報/ファイル情報の表示ルール〕
この発明の一実施例による電子音楽装置では、記憶装置(USBフラッシュメモリ)ST内に、演奏データやオーディオ音楽データ等の音楽データファイルが多数保存されており、フォルダ別に区分されて格納される。記憶装置STから所望のフォルダを選び出したり、選び出したフォルダから更に所望の音楽データファイルを選び出したりする際は、所定の情報表示ルールに従って、対象のディレクトリにあるフォルダ又はファイルの名称(フォルダ名又はファイル名)を調べ、調べた結果に基づき、これらフォルダ又はファイルを指し示す所定の文字列をフォルダ情報又はファイル情報として所定の順序でディスプレイ12に表示し、所望の文字列が表示されたときに選択スイッチが操作されると、当該所望の文字列が指し示す所望のフォルダ又はファイルが選ばれる。図2は、この発明の一実施例による情報表示ルール及び表示例を示す。
【0023】
ユーザが、パーソナルコンピュータ(PC)などを用いて、ソングファイル或いは楽曲データと呼ばれる音楽データファイル(演奏データファイル)を記憶装置STに保存して管理する際に、ディレクトリとして、例えば、ジャンル毎或いはアーティスト毎などにフォルダを分けて管理するケースがある。また、楽曲データをデータダウンロードサイトから購入する際や、楽曲データを楽曲データ販売店で購入する際も、数曲分の楽曲データを1フォルダにまとめた状態でPCを介して記憶装置STに記憶することができる。このような場合におけるフォルダ情報の表示ルールを図2に従って説明する。
【0024】
図2(1)に示す情報表示ルールの例では、記憶装置STには、当初、同図左側に白抜きのフォルダ図形で示すように、ジャンル別に3つのフォルダ名FdN=「Jポップ」、「アニメソング1」及び「クラシック」がそれぞれ付与された3つのフォルダFd1〜Fd3が設定されており、各フォルダFd1〜Fd3に所定の音楽データファイルが格納されている。この場合、フォルダ表示を指示するための設定操作子(フォルダスイッチ)の操作により、フォルダ情報の表示が指示されると、右表第2欄(「フォルダ追加前」の欄)に示すように、例えば、3つのフォルダFd1〜Fd3に対応するフォルダ名FdNの所定の昇順〔例えば、数値(数字0〜9)順>アルファベット順>50音順(>は、ソートテーブルに定義された文字種の優先性を示す)〕に従い、「001」から始まる3つの表示文字列CS=「001」〜「003」が表示すべきフォルダ情報に決定される。そして、ディスプレイ12には、まず、フォルダFd1に対応する表示文字列CS=「001」が表示され、INCスイッチを操作する毎に、順次、「002」、「003」へと表示が変更される。また、DECスイッチの操作で直前の表示に戻すことができる。
【0025】
これに対して、同図左側に斜線を施したフォルダ図形で示すように、新たにジャンル名=「JAZZ」及び「アニメソング2」の2つの楽曲データ群を購入し、PCなどの外部機器において、記憶装置STに新たに設定したフォルダ名FdN=「JAZZ_##001」及び「アニメソング2_##123」のフォルダFda,Fdbに格納してフォルダFdが5つになった場合には、表示文字列CSは右表第3欄(「フォルダ追加後」の欄)に示すようになる。
【0026】
つまり、新たに追加されるフォルダFda,Fdbは、ジャンル名の末尾に文字列:「_##ijk」(「i」,「j」,「k」は、任意の整数)を付加したフォルダ名FdNが付与される。ここで、付加文字列中の文字列:「_##」は、「ナンバ記号」或いは「ID指示記号」と呼ばれる。更に、ナンバ記号:「_##」に続く文字列:「ijk」は、「ID文字列」、「ID番号」、「ID情報」、或いは、単に「ID」と呼ばれ、前半のジャンル名と共に用いることにより、対応するフォルダFda,Fdbを特定することができる。また、追加したフォルダFda,Fdbは、「ID付きフォルダ」或いは「IDありフォルダ」と呼ばれ、ID付きフォルダFda,Fdbに対応するフォルダ名FdNは、ID付きフォルダ名或いはIDありフォルダ名と呼ばれる。これに対して、当初から存在するフォルダFd1〜Fd3は「IDなしフォルダ」と呼ばれ、IDなしフォルダFd1〜Fd3に対応するフォルダ名FdNは、IDなしフォルダ名と呼ばれる。
【0027】
表示すべきフォルダ情報については、まず、ナンバ記号:「_##」に続くID文字列:「ijk」がフォルダ名FdN中に存在するか否かをチェックし、右表第3欄(「フォルダ追加後」の欄)に示すように、ID文字列が存在しないフォルダ名を有するフォルダ即ち当初から記憶装置STに設定されていたIDなしフォルダFd1〜Fd3に対応する表示文字列CSは、フォルダ追加前(右表第2欄)と変わらないが、ID文字列が存在するフォルダ名FdNを有するフォルダFda,Fdbについては、ID文字列:「ijk」=「001」及び「123」をそのまま表示し、さらに、この文字列がID文字列であることを示す付加情報=「.」(ドット)をID文字列の末尾に併せて表示するものとする(※印参照)。フォルダ追加後の※印で示すような表示態様は「ID表示」と呼ばれ、ユーザは、ID表示によって、対応するフォルダFda,Fdbが新規データであることを確実に識別することができる。ディスプレイ12がドット付き7セグメントの場合、フォルダ追加後の各表示文字列CSは、実際には、図2(2)のように、長い矢印で示す表示順に従って表示される。
【0028】
表示文字列CSの表示順序については、フォルダ追加前は、既述のように、図2(1)の右表第2欄中のIDなしフォルダ名をフォルダ名FdNでソートし(ソート:データを何らかの条件に従って並べ替えること)、先ず、先頭フォルダFd1に対応する表示文字列CS=「001」をディスプレイ12に表示し、INCスイッチの操作毎に、ソート順に、順次、第2順位フォルダFd2に対応する表示文字列CS=「002」、第3順位フォルダFd3に対応する表示文字列CS=「003」を表示する。
【0029】
一方、フォルダ追加後は、図2(2)の表示順に従って、表示文字列CSをディスプレイ12に順次表示する。すなわち、ID付きフォルダ名については、第1の条件で、例えば、ID文字列で、ソートすると共に、IDなしフォルダ名については、第2の条件で、例えば、フォルダ名FdNで、ソートし、まず、ソートしたID付きフォルダ名群の先頭フォルダ名に対応する表示文字列CS=「001.」をディスプレイ12に表示し、INCスイッチの操作で、次順位フォルダFdb(この例では、最後位フォルダ)に対応する「123.」を表示する。次に、ID付きフォルダ名群の最後位フォルダ名に対応する表示文字列CS=「123.」を表示しているときに、INCスイッチを操作すると、ソートしたIDなしフォルダ名群の先頭フォルダ名に対応する表示文字列CS=「001」を表示し、以下、フォルダ追加前と同様に、INCスイッチの操作毎に、ソート順に、順次、「002」、「003」を表示する。
【0030】
つまり、ID付きフォルダ名に対応するID付きフォルダFda,Fdbの方がIDなしフォルダ名に対応するIDなしフォルダFd1〜Fd3よりも重要度が高いケースが多いため、ディスプレイ12にフォルダ情報CSを表示する際は、まず、ID付きフォルダFda,Fdbに対応する表示文字列CS(=「001.」、「123.」)をID番号(「001」、「123」)の若い方(「001.」)から順に表示する。そして、その次に、IDなしフォルダFd1〜Fd3に対応する表示文字列CS(=「001」〜「003」)をフォルダ名FdNの昇順に「001」から表示する。従って、当初から存在したIDなしフォルダFd1〜Fd3に対応する番号は、フォルダ追加前と変わらない。
【0031】
参考のために、従来の表示法によるフォルダ追加後の表示文字列の例を図2(1)右表の最右欄に示した。従来の表示法では、フォルダ追加後も、右表第1欄のフォルダ追加前と同様に、全てのフォルダ名がフォルダ名FdNでソートされ、表示文字列はソート順に「001」から順次決定され、その表示順が、スイッチ操作で、ソート順に、順次、「002」、「003」、…、と表示されていく。従って、従来の表示法によると、新規に追加したフォルダFda,Fdbだから、「004」、「005」が表示されるというわけではなく、新たに購入したデータを選ぶには何番を選べばよいか分らない、従来あったデータについても番号が変わってしまう等の問題がある。
【0032】
図2ではフォルダ情報について表示ルールを説明したが、ファイル情報についても、全く同様の表示ルールを適用することができる。例えば、選択された或るフォルダFdに格納されている音楽データファイル情報を表示して所望のファイル情報を選択する際には、次のように処理する:当該フォルダFd下にある複数の音楽データファイル(Fi)のファイル名(FiN)を取得し、ID文字列を含むID付きファイル名は第1の条件(例えば、ID文字列)でソートすると共に、ID文字列を含まないIDなしファイル名は第2の条件(例えば、ファイル名FiN)でソートする。次に、第1の条件(例えば、ID文字列)でソートしたID付きファイルに対応して、ID文字列をソート順に文字表示器に表示していくと共に、当該ID文字列が特定のファイルを示すIDであることを付加的な表示(例えば、ドット付き)で知らせる。そして、第2の条件(例えば、ファイル名FiN)でソートしたIDなしファイル名に対応して、ソート順に数字で「001」から表示していく。音楽データファイルのディレクトリについては、このようにフォルダ下に複数の音楽データファイルが格納されている場合だけでなく、記憶装置ST内にフォルダの設定なしに複数の音楽データファイルが保存されている場合についても、上述のようなファイル情報の表示ルールが同様に適用される。なお、以下の説明で使用される用語「/」は原則的に「又は」を意味し、「/」の前後の語は同順で対応している。
【0033】
以上のように、この発明の一実施例による電子音楽装置では、複数の音楽データファイルが、ファイル記憶手段STに設定された複数のフォルダの下に記憶されている。フォルダ表示選択処理/ファイル表示選択処理の際は、まず、フォルダFd/ファイル(Fi)に対応するフォルダ名FdN/ファイル名(FiN)を取得し、取得したフォルダ名FdN/ファイル名がID文字列を含むかどうかを調べる。次いで、ID文字列を含むID付きフォルダ名/ID付きファイル名を第1の条件(例えば、ID文字列)で所定の順番にソートすると共に、ID文字列を含まないIDなしフォルダ名/IDなしファイル名を第2の条件(例えば、フォルダ名FdN/ファイル名)で所定の順番にソートし、ソートした順に、フォルダFd/ファイルを指し示す文字列CSをセグメントタイプの文字表示器12に順次表示する。その際、ID付きフォルダ名/ID付きファイル名に対応して、ID文字列を表示すると共に、当該ID文字列が特定のID付きフォルダ/ID付きファイルを示すID(識別情報)であることを付加的な表示(例えば、ドット付き)で知らせる。また、IDなしフォルダ名/IDなしファイル名に対応して、ソート順位を示す数字が表示される。そして、所望の文字列CSが表示された場合に選択操作を行うと、対応するファイル/フォルダが選択される。
【0034】
〔ファイル/フォルダ表示選択処理における動作フロー例〕
図3は、この発明の一実施例によるファイル/フォルダ表示選択処理における表示順決定処理の動作例を表わすフローチャートであり、図3中の「ファイル(フォルダ)」は「ファイル/フォルダ」と同意である。以下の説明文では便宜的に「ファイル/フォルダ」等と表現しているが、フォルダとファイルの夫々でこの処理フローが適用される。但し、同一ディレクトリにファイルとフォルダが混在している場合は、フォルダとファイルの夫々でこの処理フローを適用してもよいし、ファイルとフォルダを同等に扱ってもよい。
【0035】
図3において、電子音楽装置がファイル/フォルダ表示選択モードで動作しているときに、所定の設定操作子(ファイルスイッチ/フォルダスイッチ)のユーザ操作によりファイル情報/フォルダ情報の表示が指示されると、CPU1は、このファイル/フォルダ表示順決定処理を開始し、まず、ステップP1で、記憶装置ST内におけるファイル情報/フォルダ情報表示の対象となるディレクトリを指定し、ステップP2に進む。
【0036】
ステップP2では、指定されたディレクトリに含まれるファイル名(FiN)/フォルダ名FdNのリストを取得し、RAM2上のカレントバッファに読み込み、リストにおける最初のファイル名情報(FiN)/フォルダ名情報FdNについてID文字列(ナンバ記号:「_##」に続く文字列:「ijk」)をチェックする。つまり、処理対象になっているファイル名/フォルダ名にID文字列が含まれているかどうかをチェックする。次のステップP4では、チェックの結果、当該ファイル名/フォルダ名中ID文字列があるか否かを判定し、ID文字列があるときは(P4=YES)、ステップP5に進んで、当該ファイル名/フォルダ名に「IDあり」のフラグを追加する。
【0037】
ID文字列がないと判定したとき(P4=NO)或いはステップP4の「IDあり」フラグ追加処理の後は、ステップP6に進み、現在のチェック対象が最後のファイル名/フォルダ名であるか否かを判定する。ここで、最後のファイル名/フォルダ名でないときは(P6=NO)、ステップP3に戻り、次のファイル名情報/フォルダ名情報についてステップP3〜P6の処理を繰り返す。そして、最後のファイル名情報/フォルダ名情報についてステップP3〜P5の処理を終えると(P6=YES)、ステップP7に進む。つまり、まず、全てのファイル名/フォルダ名をスキャンしてID文字列があるものに「IDあり」フラグをつけることで、「IDあり」と「IDなし」とに分類する。
【0038】
ステップP7では、「IDあり」フラグを追加したファイル名/フォルダ名をID文字列でソートし、次のステップP8にて、同じID文字列をもつファイル名/フォルダ名があるか否かを判定する。ここで、同じID文字列をもつファイル名/フォルダ名があるか否かを判定し、同じID文字列をもつファイル名/フォルダ名があるときは(P8=YES)、ステップP9に進んで、同じID文字列をもつファイル名/フォルダ名をファイル名/フォルダ名でソートする。つまり、ステップP7〜P9では、「IDあり」のファイル名/フォルダ名はID文字列順にソートし(P7)、同じIDのファイル名/フォルダ名が複数あれば、それらは更にファイル名/フォルダ名でソートする(P9)。
【0039】
同じID文字列をもつファイル名/フォルダ名がないと判定したとき(P8=NO)或いはステップP9のファイル名/フォルダ名のソート処理の後は、ステップP10に進んで、「IDあり」フラグのないファイル名/フォルダ名をファイル名/フォルダ名でソートする。つまり、IDなしファイル名/IDなしフォルダ名はファイル名/フォルダ名でソートする。なお、この電子音楽装置内部(例えば、ROM3)は、文字種別のソート優先順を定義したソートテーブルを持っており、ステップP7〜P10のソート処理は、このテーブルを参照することで行なわれる。
【0040】
ステップP10の「IDあり」フラグなしファイル名/フォルダ名のソート処理の後は、ステップP11に進み、ステップP7〜P10でソートしたファイル名/フォルダ名をソート順に並べたファイルリスト/フォルダリストをファイル情報/フォルダ情報の呼出し用にセットし、このリストの先頭のファイル情報/フォルダ情報即ち表示文字列CSをディスプレイ12に表示する。そして、この表示順決定処理を終了する。
【0041】
ステップP7〜P11の一連のフローにより、「IDあり」→「IDなし」の順でソート順にファイル名/フォルダ名を並べたファイルリスト/フォルダリストがこの電子音楽装置内部即ちRAM2上に作成される。図4は、この発明の一実施例によるファイルリストの例を示す。このファイルリストでは、図4の枠内に示すように、ファイル名FiN及び表示文字列CSが、IDありファイル名群→IDなしファイル名群の順で、各群でのソート順に従って記述される。理解を容易にするために、枠外の左右には、ファイルリストの各ファイル名FiN及び表示文字列CSに対応するファイルFiとファイル又はファイル名の種類とが示されており、左側のファイルFi欄の各参照記号=「Fia」、「Fib」、…は、ソートされたファイル名FiN=「AA…A_##aaa」、「BB…B_##bbb」、…に対応するファイルを便宜的に示す。
【0042】
ファイル情報の表示については、上述のように、ファイルリストのセットにより、まず、リスト先頭のファイル情報即ち表示文字列CS=「aaa.」をディスプレイ12に表示する。ここで、INCスイッチの操作があった場合、次ファイル表示処理(図5〜図6)により、次ファイル表示が指示され、次順位の表示文字列CS=「bbb.」が表示のために呼び出され、ディスプレイ12に表示される。INCスイッチ操作の度に、リストの昇順に従って表示文字列CSを表示する。一方、DECスイッチの操作があった場合は、前ファイル表示処理(図示せず)により、リストの降順に従って表示文字列CSを表示する。また、OKスイッチの操作があると、そのときにディスプレイ12に表示されている表示文字列CSに対応するファイルFiが選択され記録装置STから読み出される。
【0043】
なお、フォルダリストもファイルリスト(図4参照)と同様に構成され、フォルダ情報の表示についても、次フォルダ表示処理及び前フォルダ表示処理(何れも図示せず)により、上述したファイル情報の表示と同様の態様で行われる。
【0044】
図5及び図6は、この発明の一実施例による次ファイル表示処理の動作例を表わすフローチャートである。この次ファイル表示処理は、ステップS1で、INCスイッチの操作即ち次ファイル指示の操作がなされることによりスタートし、CPU1は、ステップS2〜S16の処理を行う。すなわち、現在ディスプレイ12の画面に表示しているファイル情報CSについて、まずステップS2でIDありファイル名に対応するか否かを判定し、IDありファイル名であれば(S2=YES)、更にステップS3で最後のIDありファイル名に対応するか否かを判定する。ここで、最後のIDありファイル名に対応しなければ(S3=NO)、ファイルリストから次順位のIDありファイル名に対応する表示文字列情報CSを呼び出して(S4)、当該表示文字列CSが示すID文字列及びドットをディスプレイ画面に表示し〔ID表示〕(S5)、この次ファイル表示処理を終了する。
【0045】
ステップS3で、最後のIDありファイル名に対応すると判定したときは(S3=YES)、ステップS6(図6)で、ファイルリストについてIDなしファイル名をチェックし、ステップS7でIDなしファイル名が存在するか否かを判定する。ここで、IDなしファイル名が存在すれば(S7=YES)、ファイルリストから、IDなしグループ先頭のIDなしファイル名に対応する表示文字列情報CSを呼び出して(S8)、当該表示文字列CSが示すナンバ:「001」をディスプレイ画面に表示し(S9)、この次ファイル表示処理を終了する。
【0046】
ステップS2(図5)で、現在の表示がIDなしファイル名に対応すると判定したときは(S2=NO)、更にステップS10(図6)で、最後のIDなしファイル名に対応するか否かを判定する。ここで、最後のIDなしファイル名に対応しなければ(S10=NO)、ファイルリストから、次のIDなしファイル名に対応する表示文字列情報CSを呼び出して(S11)、当該表示文字列CSが示すナンバをディスプレイ画面に表示し(S12)、この次ファイル表示処理を終了する。
【0047】
ステップS10で、現在の表示が最後のIDなしファイル名に対応すると判定したときは(S10=YES)、ファイルリストについて「IDあり」フラグの存否でIDありファイル名の存否をチェックし(S13)、ステップS14で、IDありファイル名が存在するか否かを判定する。このステップS14で、ファイルリストにIDありファイル名が存在すると判定したとき(S14=YES)、或いは、先のステップS7で、ファイルリストにIDなしファイル名が存在しないと判定したときは(S7=NO)、ファイルリストから、先頭のIDありファイル名に対応する表示文字列情報CSを呼び出して(S15)、当該表示文字列CSが示すリスト先頭のID文字列及びドットをディスプレイ画面に表示し〔ID表示〕(S16)、この次ファイル表示処理を終了する。
【0048】
また、ステップS14で、ファイルリストにIDありファイル名が存在しないと判定したときは(S14=NO)、ステップS7でIDなしファイル名が存在すると判定した場合(S7=YES)と同様に、ファイルリストから、IDなしグループ先頭のIDなしファイル名に対応する表示文字列情報CSを呼び出して(S8)、ナンバ:「001」をディスプレイ画面に表示し(S9)、この次ファイル表示処理を終了する。
【0049】
〔種々の実施態様〕
以上、この発明の好適な一実施例について説明したが、これは単なる一例であって、この発明は、発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、種々の態様で実施することができる。例えば、表示選択の対象となる音楽データファイルについては、ソングファイル(演奏データ)やボイスファイル(音色データ)、スタイルファイル(伴奏データ)などの外に、レジストレーションデータなどの電子音楽装置の設定に関するデータや種々のオーディオ楽曲データが含まれる。また、ファイル記憶手段(ST)については、実施例では、USBフラッシュメモリを用いたが、これ以外に、外部に接続された記録用メディア(FD、HDなど)、MIDI接続された機器などでもよく、或いは、インターネット上のサーバでもよい。
【0050】
ファイル名/フォルダ名のソート条件は、名前の昇順或いは降順によるものの外に、作成日順、更新日順、ファイル容量順などによってもよい。
【0051】
ID表示であることを知らせる付加的な表示については、実施例のようにドット:「.」をID文字列の後ではなく、ID文字列の前に追加したり、ID文字列の表示自体を点滅させたり、表示桁数に余裕のある場合は、何らかの記号をID文字列の前や後に追加表示してもよい。また、ファイル情報/フォルダ情報の表示の前進/後退については、実施例では、INC(+)スイッチ/DEC(−)スイッチを用いたが、データダイアル、テンキーなどを用いてもよく、また、自動的に行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
Fd1〜Fd3;Fi1〜Fi15 IDなしフォルダ及びファイル、
Fda,Fdb;Fia〜Fim ID付き(IDあり)フォルダ及びファイル、
FdN;FiN フォルダ名[情報]及びファイル名[情報]、
CS 表示文字列[情報]、即ち、ファイル情報或いはフォルダ情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメントタイプの文字表示器と、
複数の音楽データファイルが記憶されるファイル記憶手段と、
上記ファイル記憶手段に記憶されている複数の音楽データファイルのファイル名を取得するファイル名取得手段と、
取得されたファイル名が特定の文字列を含むか否かを判定するファイル名判定手段と、
特定の文字列を含むと判定されたファイル名について第1の条件で所定の順番にソートし、特定の文字列を含まないと判定されたファイル名について第2の条件で所定の順番にソートするソート手段と、
第1の条件でソートされたファイル名に対応して、当該ファイル名に含まれる特定の文字列を上記文字表示器に表示すると共に、当該特定の文字列が特定のファイルを示す識別情報であることを併せて表示し、第2の条件でソートされたファイル名に対応して、ソート順位を示す数字を上記文字表示器に表示する表示制御手段と
を具備することを特徴とする電子音楽装置。
【請求項2】
セグメントタイプの文字表示器と、
複数のフォルダが設定され、各フォルダに音楽データファイルが記憶されるファイル記憶手段と、
上記ファイル記憶手段に設定されている複数のフォルダのフォルダ名を取得するフォルダ名取得手段と、
取得されたフォルダ名が特定の文字列を含むか否かを判定するフォルダ名判定手段と、
特定の文字列を含むと判定されたフォルダ名について第1の条件で所定の順番にソートし、特定の文字列を含まないと判定されたフォルダ名について第2の条件で所定の順番にソートするソート手段と、
第1の条件でソートされたフォルダ名に対応して、当該フォルダ名に含まれる特定の文字列を上記文字表示器に表示すると共に、当該特定の文字列が特定のフォルダを示す識別情報であることを併せて表示し、第2の条件でソートされたフォルダ名に対応して、ソート順位を示す数字を上記文字表示器に表示する表示制御手段と
を具備することを特徴とする電子音楽装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−173397(P2012−173397A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33217(P2011−33217)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】