説明

電子黒板及び記録媒体

【課題】無線ネットワーク機能を有する電子黒板において、セキュリティの向上を図る。
【解決手段】使用者が自由に手書きできる描写面11と、使用者が手書きした文字を読み取ることができるOCR部12と、読み取ったデータを無線にて配信できる配信部17とを備えた電子黒板1において、OCR部12にて読み出された手書き文字から秘密鍵を生成するためのキーワードを抽出するキーワード抽出部13と、キーワード抽出部13で抽出されたキーワードをもとに配信部17で配信する際の秘密鍵を設定する秘密鍵生成部14を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線にて配信する機能を有する電子黒板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子黒板をネットワーク対応にし、自由度を高めるものとして、特許文献1記載の技術が挙げられる。これは、電子黒板に無線機能を搭載し、会議内容(議事録)を無線ネットワークにて配信することを可能となるものである。
一方で、無線での配信はその転送媒体の性質上、セキュリティの観点から、情報漏れや盗聴のリスクにさらされる。無線ネットワーク(LAN)ではこの様なリスクに対し、IEEE802.11iに代表される暗号を使用する手法で対処している。
【特許文献1】特開平11−220478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、暗号化における鍵の管理は使用者に委ねられており、鍵の管理体制(鍵を定期的に変更する等の鍵運用)がとられていない場合、特に悪意ある第三者に鍵を見破られ、盗聴される危険がある。ましてや、電子黒板はオフィス環境で使用され、それより発信される情報は議事録等、悪意ある第三者に知られると悪用される可能性も否定できない。
そこで、本発明は、無線ネットワーク機能を有する電子黒板において、セキュリティの向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、使用者が自由に手書きできる描写面と、使用者が手書きした文字を読み取ることができるOCR部と、読み取ったデータを無線にて配信できる配信部とを備えた電子黒板において、OCR部にて読み出された手書き文字から秘密鍵を生成するためのキーワードを抽出するキーワード抽出部と、キーワード抽出部で抽出されたキーワードをもとに配信部で配信する際の秘密鍵を設定する秘密鍵生成部を備えた電子黒板を特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1の電子黒板において、会議参加者氏名を抽出する会議参加者氏名抽出部を備え、秘密鍵生成部は、会議参加者氏名抽出部から転送された会議参加者氏名より秘密鍵を設定する電子黒板を特徴とする。
【0005】
請求項3記載の発明は、請求項2の電子黒板において、会議参加者氏名抽出部は、会議参加者氏名を配信部に転送し、配信部は参加者宛てにメールを自動送信する電子黒板を特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1の電子黒板において、キーワード抽出部で抽出されたキーワードを表示する抽出キーワード表示部を備える電子黒板を特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3の電子黒板において、メール送信先を使用者に確認させるメール宛先表示部を備える電子黒板を特徴とする。
【0006】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかの電子黒板において、無線のアンテナを上部に移動可能配置した電子黒板を特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6の電子黒板において、アンテナ位置の調整する操作パネルを備えた電子黒板を特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかの電子黒板において、無線の電波状態を示す電波状態表示部を備えた電子黒板を特徴とする。
【0007】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかの電子黒板において、液晶表示機能付きタブレットを備えた電子黒板を特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかの電子黒板における、キーワード抽出、秘密鍵設定動作を行うためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キーワード抽出手段において、OCR部にて読み出された手書き文字から秘密鍵を生成することで、その場に居ない悪意ある第三者等が秘密鍵を知り得ることができないので、セキュリティの向上を図ることができる。また、秘密鍵は、その都度、変更され続けるのでこの点からもセキュリティの向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
図1は本発明の電子黒板が使用される環境を示す図である。本発明の電子黒板1は、無線ネットワークにて会議の議事録を配信する機能(メール配信)を有する。無線にて会議の議事録を配信した場合、悪意ある第三者であれば、容易に盗聴することが可能である。
ここで、悪意ある第三者は電子黒板1がある特定の部屋(会議室)の外部にいるはずである(会議室内部にいれば無線を盗聴する必要はないため)。従って、議事録の内容はメール配信される前に知ることはできない。この前提のもとに本発明の電子黒板は構成されている。
【実施例1】
【0010】
図2は本発明の実施例1に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。本電子黒板1は、使用者が自由に手書きできる描写面11、描写面11を読み取るOCR部12、OCR部12で読み取られたデータより秘密鍵を生成するためのキーワードを抽出するキーワード抽出部13、キーワード抽出部13により抽出されたキーワードより、ハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成部14を備える。
また同様に、メール配信対象者全員が登録されているメールアドレスデータベース15、OCR部12から読み出された情報(議事録内容)を秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵にて暗号化する暗号化部16、暗号化された議事録内容をメールにて配信できるようにする配信部(メール送信部)17、配信部17からのデータを変調し無線送信を行う無線変復調部18、無線変復調部18からの無線信号を送信するアンテナ19を備える。
【0011】
次にその動作を説明する。使用者は描写面11にマーカーなどで自由に議事録を書く。議事録を配信したい場合、電子黒板1に設置されている所定のスイッチを押し、OCR部12を起動して議事録内容を読み込ませる。OCR部12で読み込まれたデータはキーワード抽出部13と暗号化部16に送られる。
キーワード抽出部13は送られてきたデータの内容より鍵生成を行うためのキーワードを抽出する。会議の議事録は通常、図3に示されるようなフォーマットとなっていることが多い。図3の例では、会議名称、会議の日時、参加者と言う会議の基本情報が描写面11の上に存在している。
【0012】
本実施例では、キーワード抽出部13は会議名称を抽出することにする。キーワード抽出部13より抽出されたキーワード(会議名称)は秘密鍵生成部14に送られ、ここでハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する。一方、OCR部12より暗号化部16に送られた議事録内容データは、秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵により暗号化が施される。
暗号化された議事録内容データは配信部17に送られ、配信部17で、メールアドレスデータベース15よりメール配信先を確認し、メールの送信を無線変復調部18に依頼する。無線変復調部18はアンテナ19よりメールの配信を行う。受信側の端末に配信された議事録は、会議名称から鍵を生成し復号すればよい。
このように、配信された議事録は「会議名称」が秘密鍵になっているため、会議参加者(利用者)は会議名称さえ覚えていれば、暗号の復号を行うことができ、かつ鍵は常に使用者の管理なしで変更され続けるのである。さらに、会議室内に存在しない悪意ある第三者は会議に参加していないため、会議名称(秘密鍵)が分からず、盗聴することができない。
【実施例2】
【0013】
図4は本発明の実施例2に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。本電子黒板1は、使用者が自由に手書きできる描写面11、描写面11を読み取るOCR部12、OCR部12で読み取られたデータより秘密鍵を生成するための会議参加者氏名を抽出する会議参加者氏名抽出部21、会議参加者氏名抽出部21により抽出された参加者氏名より、ハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成部14を備える。
また同様に、メール配信対象者全員が登録されているメールアドレスデータベース15、OCR部から12読み出された情報(議事録内容)を秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵にて暗号化する暗号化部16、暗号化された議事録内容をメールにて配信できるようにする配信部(メール送信部)17、配信部17からのデータを変調し無線送信を行う無線変復調部18、無線変復調部18からの無線信号を送信するアンテナ19を備える。
【0014】
本実施例で、使用者は描写面11にマーカーなどで自由に議事録を書く。議事録を配信したい場合、電子黒板1に設置されている所定のスイッチを押し、OCR部12を起動し、議事録内容を読み込ませる。OCR部12で読み込まれたデータは会議参加者氏名抽出部21と暗号化部16に送られる。
会議参加者氏名抽出部21は送られてきたデータの内容より会議参加者を認識し、参加者のリストデータを秘密鍵生成部14に転送する。秘密鍵生成部14は、参加者リストデータよりハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する。一方、OCR部12より暗号化部16に送られた議事録内容データは秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵により暗号化が施される。
【0015】
暗号化された議事録内容データは配信部17に送られ、配信部17で、メールアドレスデータベース15よりメール配信先を確認し、メールの送信を無線変復調部18に依頼する。無線変復調部18はアンテナ19よりメールの配信を行う。受信側の端末に配信された議事録は、会議参加者氏名から鍵を生成し復号すればよい。
このように、配信された議事録は「会議参加者氏名」が秘密鍵になっているため、会議参加者(利用者)は参加者の氏名さえ覚えていれば、暗号の復号を行うことができ、かつ鍵は常に使用者の管理なしで変更され続けるのである。さらに、会議室内に存在しない悪意ある第三者は会議に参加していないため、参加者(秘密鍵)が分からず、盗聴することができない。
【実施例3】
【0016】
図5は本発明の実施例3に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。本電子黒板1は、使用者が自由に手書きできる描写面11、描写面11を読み取るOCR部12、OCR部12で読み取られたデータより秘密鍵を生成するための会議参加者氏名を抽出する会議参加者氏名抽出部21、会議参加者氏名抽出部21により抽出された参加者氏名より、ハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成部14を備える。
また同様に、メール配信対象者全員が登録されているメールアドレスデータベース15、OCR部12から読み出された情報(議事録内容)を秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵にて暗号化する暗号化部16、暗号化された議事録内容をメールにて配信できるようにする配信部(メール送信部)17、配信部17からのデータを変調し無線送信を行う無線変復調部18、無線変復調部18からの無線信号を送信するアンテナ19を備える。
【0017】
本実施例で、使用者は描写面11にマーカーなどで自由に議事録を書く。議事録を配信したい場合、電子黒板1に設置されている所定のスイッチを押し、OCR部12を起動し議事録内容を読み込ませる。OCR部12で読み込まれたデータは会議参加者氏名抽出部21と暗号化部16に送られる。
会議参加者氏名抽出部21は、送られてきたデータの内容より会議参加者を認識し、参加者のリストデータを秘密鍵生成部14と配信部17に転送する。秘密鍵生成部14は、参加者リストデータよりハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する。一方、OCR部12より暗号化部16に送られた議事録内容データは秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵により暗号化が施される。
【0018】
暗号化された議事録内容データは配信部17に送られる。配信部17は、会議参加者氏名抽出部21により送られてきた参加者リストデータに該当するメールアドレスをメールアドレスデータベース15より検索し、配信先を設定し、暗号化された議事録内容の送信を無線変復調部18に依頼する。無線変復調部18はアンテナ19よりメールの配信を行う。受信側の端末に配信された議事録は、会議参加者氏名から鍵を生成し復号すればよい。
このように、配信された議事録が「会議参加者氏名」が秘密鍵になっているため、会議参加者(利用者)は参加者の氏名さえ覚えていれば、暗号の復号を行うことができ、かつ鍵は常に使用者の管理なしで変更され続けるのである。さらに、会議室内に存在しない悪意ある第三者は会議に参加していないため、参加者(秘密鍵)が分からず、盗聴することができない。
【実施例4】
【0019】
図6は本発明の実施例4に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。本電子黒板1は、使用者が自由に手書きできる描写面11、描写面11を読み取るOCR部12、OCR部12で読み取られたデータより秘密鍵を生成するためのキーワードを抽出するキーワード抽出部13、キーワード抽出部13により抽出されたキーワードより、ハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成部14を備える。
また同様に、メール配信対象者全員が登録されているメールアドレスデータベース15、OCR部12から読み出された情報(議事録内容)を秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵にて暗号化する暗号化部16、暗号化された議事録内容をメールにて配信できるようにする配信部(メール送信部)17、配信部17からのデータを変調し無線送信を行う無線変復調部18、無線変復調部18からの無線信号を送信するアンテナ19、キーワード抽出部13で抽出されたキーワードを表示する抽出キーワード表示部22を備える。
【0020】
本実施例で、使用者は描写面11にマーカーなどで自由に議事録を書く。議事録を配信したい場合、電子黒板1に設置されている所定のスイッチを押し、OCR部12を起動し、議事録内容を読み込ませる。OCR部12で読み込まれたデータはキーワード抽出部13と暗号化部16に送られる。
キーワード抽出部1は、送られてきたデータの内容より鍵生成を行うためのキーワードを抽出する。本実施例のキーワード抽出部13は会議名称を抽出する。キーワード抽出部13より抽出されたキーワード(会議名称)は抽出キーワード表示部22で使用者に提示されると同時に、秘密鍵生成部14に送られ、ハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する。一方、OCR部12より暗号化部16に送られた議事録内容データは秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵により暗号化が施される。
【0021】
暗号化された議事録内容データは配信部17に送られ、配信部17でメールアドレスデータベース15よりメール配信先を確認し、メールの送信を無線変復調部18に依頼する。無線変復調部18はアンテナ9よりメールの配信を行う。受信側の端末に配信された議事録は、会議名称から鍵を生成し復号すればよい。
このように、配信された議事録が「会議名称」が秘密鍵になっているため、会議参加者(利用者)は会議名称さえ覚えていれば、暗号の復号を行うことができ、かつ鍵は常に使用者の管理なしで変更され続けるのである。さらに、会議室内に存在しない悪意ある第三者は会議に参加していないため、会議名称(秘密鍵)が分からず、盗聴することができない。
【実施例5】
【0022】
図7は本発明の実施例5に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。本電子黒板1は、使用者が自由に手書きできる描写面11、描写面11を読み取るOCR部12、OCR部12で読み取られたデータより秘密鍵を生成するための会議参加者氏名を抽出する会議参加者氏名抽出部21、会議参加者氏名抽出部21により抽出された参加者氏名より、ハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成部14を備える。
また同様に、メール配信対象者全員が登録されているメールアドレスデータベース15、OCR部12から読み出された情報(議事録内容)を秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵にて暗号化する暗号化部16、暗号化された議事録内容をメールにて配信できるようにする配信部(メール送信部)17、配信部17からのデータを変調し無線送信を行う無線変復調部18、無線変復調部18からの無線信号を送信するアンテナ19、参加者氏名リストデータよりメール送信先として設定された宛先を表示するメール宛先表示部23を備える。
【0023】
本実施例で、使用者は描写面11にマーカーなどで自由に議事録を書く。議事録を配信したい場合、電子黒板1に設置されている所定のスイッチを押し、OCR部12を起動し議事録内容を読み込ませる。OCR部12で読み込まれたデータは会議参加者氏名抽出部21と暗号化部16に送られる。
会議参加者氏名抽出部21は送られてきたデータの内容より会議参加者を認識し、参加者のリストデータを秘密鍵生成部14と配信部17に転送する。秘密鍵生成部14は、参加者リストデータよりハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する。一方、OCR部12より暗号化部16に送られた議事録内容データは秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵により暗号化される。
【0024】
暗号化された議事録内容データは配信部17に送られる。配信部17は、会議参加者氏名抽出部21より送られてきた参加者リストデータに該当するメールアドレスをメールアドレスデータベース15より検索し、配信先を設定し宛先をメール宛先表示部23に表示すると同時に、暗号化された議事録内容の送信を無線変復調部18に依頼する。無線変復調部18はアンテナ19よりメールの配信を行う。受信側の端末に配信された議事録は、会議参加者氏名から鍵を生成し復号すればよい。
このように、配信された議事録が「会議参加者氏名」が秘密鍵になっているため、会議参加者(利用者)は参加者の氏名さえ覚えていれば、暗号の復号を行うことができ、かつ鍵は常に使用者の管理なしで変更され続けるのである。さらに、会議室内に存在しない悪意ある第三者は会議に参加していないため、参加者(秘密鍵)が分からず、盗聴することができない。
【実施例6】
【0025】
実施例6の構成は図7に示す実施例5と同様である。ただし、配信部17にて参加者リストデータをもとにメールアドレスデータベース15の検索を行った結果、同姓のデータがあった場合、メール宛先表示部23に同姓のデータがあることを表示するものである。
【実施例7】
【0026】
図8は本発明の実施例7に係る電子黒板の正面図である。中央に描写面(表示部)11がある。その下方に使用者が任意の操作を行うことができる操作パネル31、使用者が必要とした場合、描写面11の議事録内容を印刷することができる出力装置32がある。
描写面11の上部の両側に無線配信で使用するアンテナ19があり、アンテナ19はスライド部33によりを左右に移動可能となっている。本実施例で、使用者は電子黒板1が配置されている環境に応じて、さらに、電波の送受信がスムーズに行える様に、アンテナ19を自由に動かすことができるものである。
【実施例8】
【0027】
実施例8では、図8においてスライド部33をなくして、アンテナ19の移動操作を操作パネル31にて行う。
【実施例9】
【0028】
図9は本発明の実施例9に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。本電子黒板1は、使用者が自由に手書きできる描写面11、描写面11を読み取るOCR部12、OCR部12で読み取られたデータより秘密鍵を生成するためのキーワードを抽出するキーワード抽出部13、キーワード抽出部13により抽出されたキーワードより、ハッシュ関数を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成部14を備える。
また同様に、メール配信対象者全員が登録されているメールアドレスデータベース15、OCR部12から読み出された情報(議事録内容)を秘密鍵生成部14で生成された秘密鍵にて暗号化する暗号化部16、暗号化された議事録内容をメールにて配信できるようにする配信部(メール送信部)17、配信部17からのデータを変調し無線送信を行う無線変復調部18、無線変復調部18からの無線信号を送信するアンテナ19、無線変復調部18より算出される無線の品質情報をもとに電波状態を表示する電波状態表示部24を備える。
本実施例は図2に示す実施例1において、無線変復調部18にて算出される電波強度、受信品質情報を電波状態表示部24にて使用者に伝達するものである。
【実施例10】
【0029】
図10は本発明の実施例10に係る電子黒板の正面図である。中央に描写面(表示部)11がある。その下方に使用者が任意の操作を行うことができる操作パネル31、使用者が必要とした場合、描写面11の議事録内容を印刷することができる出力装置32がある。描写面11の上部には会議名称を入力することができる液晶表示機能付きタブレット34がある。
本実施例において、使用者は会議名称を描写面11ではなくタブレット34に入力する。無線にて配信する際の秘密鍵の生成はこのタブレット34に入力された内容から生成する。これによりOCR部12による読み取りミスで誤った秘密鍵を生成することがなくなり、確実かつ正確に暗号化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の電子黒板が使用される環境を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。
【図3】会議の議事録のフォーマットを示す図である。
【図4】本発明の実施例2に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。
【図5】本発明の実施例3に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。
【図6】本発明の実施例4に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。
【図7】本発明の実施例5に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。
【図8】本発明の実施例7に係る電子黒板の正面図である。
【図9】本発明の実施例9に係る電子黒板の機能ブロックとその処理の流れを示す図である。
【図10】本発明の実施例10に係る電子黒板の正面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 電子黒板、11 描写面、12 OCR部、13 キーワード抽出部、14 秘密鍵生成部、15 メールアドレスデータベース、16 暗号化部、17 配信部、18 無線変復調部、19アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が自由に手書きできる描写面と、使用者が手書きした文字を読み取ることができるOCR部と、読み取ったデータを無線にて配信できる配信部と、を備えた電子黒板において、前記OCR部にて読み出された手書き文字から秘密鍵を生成するためのキーワードを抽出するキーワード抽出部と、前記キーワード抽出部で抽出されたキーワードをもとに前記配信部で配信する際の秘密鍵を設定する秘密鍵生成部と、を備えたことを特徴とする電子黒板。
【請求項2】
請求項1に記載の電子黒板において、会議参加者氏名を抽出する会議参加者氏名抽出部を備え、前記秘密鍵生成部は、前記会議参加者氏名抽出部から転送された会議参加者氏名より秘密鍵を設定することを特徴とする電子黒板。
【請求項3】
請求項2に記載の電子黒板において、前記会議参加者氏名抽出部は、会議参加者氏名を前記配信部に転送し、前記配信部は参加者宛てにメールを自動送信することを特徴とする電子黒板。
【請求項4】
請求項1に記載の電子黒板において、前記キーワード抽出部で抽出されたキーワードを表示する抽出キーワード表示部を備えることを特徴とする電子黒板。
【請求項5】
請求項3に記載の電子黒板において、メール送信先を使用者に確認させるメール宛先表示部を備えることを特徴とする電子黒板。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子黒板において、無線のアンテナを上部に移動可能配置したことを特徴とする電子黒板。
【請求項7】
請求項6に記載の電子黒板において、アンテナ位置の調整する操作パネルを備えたことを特徴とする電子黒板。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子黒板において、無線の電波状態を示す電波状態表示部を備えたことを特徴とする電子黒板。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子黒板において、液晶表示機能付きタブレットを備えたことを特徴とする電子黒板。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子黒板における、キーワード抽出、秘密鍵設定動作を行うためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−324995(P2007−324995A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153620(P2006−153620)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】