電機部品
【課題】絶縁体表面の放電を抑制し、電機部品の絶縁耐久性の向上を図る。
【解決手段】絶縁体12の表面において通電部11の周縁領域には抵抗体13が設けられている。この抵抗体13は、絶縁体12の表面において、この抵抗体13の周縁に印加される電圧(周縁印加電圧)が放電開始電圧Vs以下となる条件を具備する抵抗値Rを有している。
【解決手段】絶縁体12の表面において通電部11の周縁領域には抵抗体13が設けられている。この抵抗体13は、絶縁体12の表面において、この抵抗体13の周縁に印加される電圧(周縁印加電圧)が放電開始電圧Vs以下となる条件を具備する抵抗値Rを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体によって保持される通電部を有する電機部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、端子台といった電機部品では、絶縁耐久性の向上を図る種々の手法が提案されている。例えば特許文献1には、電界集中の起こりやすい碍子本体の絶縁釉層とセメント材との境界領域に、導電釉層(抵抗体)を形成する手法が開示されている。これにより、電界集中を緩和することができ、コロナ放電やRIVの発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−264052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、抵抗体を設けてもなお、放電が生じない程度に電界を緩和することができない可能性がある。そのため、絶縁体表面の放電を低減することができず、電機部品の絶縁耐久性が低下する虞がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁体表面の放電を抑制することで、電機部品の絶縁耐久性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明は、電機部品が、絶縁体表面において通電部の周囲に設けられる電圧分担手段を有している。この電圧分担手段は、隣り合う一対の通電部間において絶縁体表面に印加される電圧を分担することにより、絶縁体表面に分布する電位差を放電開始電圧以下に設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通電部の周囲に設けた電圧分担手段により、絶縁体表面に分布する電位差が放電開始電圧以下に抑えることができるので、通電部近傍の電界を緩和することが可能となる。これにより、絶縁体の表面に生じる放電を抑制することができ、電機部品の絶縁耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電機部品10が適用された電動機1の構成を模式的に示す説明図
【図2】第1の実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図
【図3】図2に示す電機部品10と対比して説明するための電機部品20の説明図
【図4】図2に示す電機部品10と対比して説明するための電機部品20の説明図
【図5】電機部品10の抵抗体13による電界緩和効果の説明図
【図6】第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図7】第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図8】第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図9】第2の実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図
【図10】第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図11】第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる電機部品10が適用された電動機1の構成を模式的に示す説明図である。この電機部品10は、図示しない外部装置(例えばインバータ)および電動機1とケーブルを介して接続し、自己を介してインバータと電動機1とを電気的に接続するための端子台として実現されている。
【0010】
電動機1は、中性点を中心に星形結線された複数の相巻線(例えば3つの相巻線)がステータ2にそれぞれ巻回された永久磁石同期電動機である。この電動機1は、断面がリング状のステータ(固定子)2と、図示しないシャフトに連結されたロータ(可動子)3とを備えており、ロータ3は、ステータ2の内周側にエアギャップを介して配置されている。ステータ2およびロータ3はケース4に収容されており、このケース4の一部には、端子台としての電機部品10が設けられている。
【0011】
ステータ2に巻回された各相巻線の一部であるコイルリード線5は、電機部品10に設けられた3つの通電部(電極端子)11に対して相毎に接続されている。個々の通電部11は、ケース4の外部に配線されてインバータと接続するケーブル(図示せず)が接続されており、個々の通電部11を介して要求電力に応じた電力が各相の相巻線に通電される。
【0012】
電動機1は、電機部品10を介してインバータから三相の交流電力が各相のコイル(ステータ巻線)にそれぞれ供給されることにより生じる磁界と、回転子の永久磁石が作る磁界との相互作用により駆動する。具体的には、電動機1では、ロータ3に埋め込まれた永久磁石と、ロータ3自体を構成する磁性体(電磁鋼板)と、ステータ2を構成する磁性体(電磁鋼板)とによって、磁気回路が形成される。そして、永久磁石からの磁石磁束、およびインバータ制御により相巻線へ通電することで発生する交番磁束が、この磁気回路を流れることで電磁力によるトルクが発生し、ロータ3およびこれに連結されたシャフトが回転する。
【0013】
図2は、本実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図である。電子部品10は、通電部11と、絶縁体12と、抵抗体13とで構成されている。なお、本実施形態では、電機部品10として端子台を想定しており、図1に示すように電機部品10は三相に対応した3つの通電部11を備えている。しかしながら、以下の説明および図2以降の図面では、便宜上、要部となる隣接した一対の通電部11を中心に電機部品10を説明するが、残余の通電部11についても同様に考えることができる。
【0014】
通電部11のそれぞれは、導電性を備える材料、例えば、金属材料で形成されており、電流が通電可能に構成されている。通電部11のそれぞれ、例えば、インサート成形といった手法により、絶縁体12と一体化されている。例えば、通電部11としては、ナットを絶縁体12でモールドし、当該ナットにボルトを締結した形態として実現することができる。
【0015】
絶縁体12は、樹脂などの絶縁材料で構成されており、金型内に通電部11を装填した上で樹脂を注入してこれを固化させることにより、所定形状に形成されている。この絶縁体12は、通電部11の一部を表面から露出させた格好で、通電部11のそれぞれを絶縁状態で保持している。
【0016】
抵抗体13は、絶縁体12の表面において通電部11の周縁領域に設けられている。具体的には、抵抗体13は、通電部11の周縁を含む外周領域を囲むように、絶縁体12の表面に設けられている。換言すれば、抵抗体13は、通電部11の全周において、この通
電部11の縁部から半径方向に向かう所定領域幅に設けられている。本実施形態では、抵抗体13は、その外縁形状が円形に設定されている。抵抗体13は、例えば接着剤により、絶縁体12の表面に接着することにより、絶縁体12の表面に固着されている。もっとも、この抵抗体13は、通電部11と同様、インサート成形により絶縁体12と一体化することで、絶縁体12の表面に固着してもよい。
【0017】
電機部品10では、使用に伴い周囲環境より飛来したイオン性汚損物14が絶縁体12の表面に付着する。抵抗体13は、イオン性汚損物14を介して絶縁体12の表面に印加される電圧を分担することで、通電部11近傍の電界を緩和する機能を担っている。特に、本実施形態では、この電界緩和効果を適切に得るべく、抵抗体13は、適宜の材料を単一で用いて、あるいは複合的に組み合わせることにより、所定の抵抗値Rを有するように設定されている。以下、抵抗体13の詳細について説明する。
【0018】
図3〜図5を参照し、本実施形態にかかる電機部品10が備える抵抗体13による電界緩和効果について説明する。ここで、図3,4は、図2に示す電機部品10と対比して説明するための電機部品20の説明図であり、図5は、本実施形態にかかる電機部品10の抵抗体13による電界緩和効果の説明図である。
【0019】
まず、図3を参照し、電機部品20が、通電部21と絶縁体22とから構成されている状態を考える。電機部品20の使用により、周囲環境より飛来したイオン性汚損物24が絶縁体22の表面に付着する。このイオン性汚損物24は、周囲環境湿度の上昇により吸湿・潮解し、導電性を発現する。絶縁体22の表面において一対の通電部21が対向して配置された構成では、吸着・潮解したイオン性汚損物24を介して絶縁体22の表面に漏れ電流が流れる(図3(b)の矢印を参照)。この場合、図3(c)に示すように、絶縁体22の表面に印加される電圧は、通電部21の近傍に集中する。そのため、絶縁体22の表面で発生する放電は、通電部21の近傍に集中する。
【0020】
図4(a),(b)に示すように、通電部21近傍の電界を緩和する目的で、絶縁体22表面の通電部21の周縁領域に抵抗体23を配置する。この場合、図4(c)に示すように、抵抗体23が電圧の一部を分担することで、絶縁体22の表面において抵抗体23の周縁に印加される電圧(以下「周縁印加電圧」という)が下がる。これにより、通電部21近傍における電界が等価的に緩和されることとなる。
【0021】
しかしながら、通電部21の周縁領域に抵抗体23を単に配置したとしても、気中放電を十分に抑制する程度に電界緩和効果を得るには、周縁印加電圧を放電開始電圧Vs以下に抑える必要がある。そこで、本実施形態の電機部品10における抵抗体13は、気中放電を十分に抑制する程度に電界緩和効果を得るべく設定されている。すなわち、この抵抗体13は、放電開始電圧Vsと、隣り合う一対の通電部21間の印加電圧とを比較した上で、抵抗体13が分担する必要がある電圧値を演算し、この電圧値とイオン性汚損物の種類や量さらには環境湿度より定まる漏れ電流とに基づいて必要とされる抵抗値が設定されている。
【0022】
以下、本実施形態にかかる抵抗体13の詳細について説明する。図5を参照するに、イオン性汚損物14中を流れる漏れ電流の方向に対して垂直となる断面において、単位面積あたりの漏れ電流iは下式により導出される。
【数1】
【0023】
ここで、nは汚損物が吸湿・潮解して生じるイオンの価数であり、Fはファラデー定数である。また、cは周囲雰囲気と同一水蒸気圧となる汚損物水溶液の濃度であり、Dは汚損物が吸湿・潮解して生じたイオンの拡散係数である。また、tは通電時間である。
【0024】
漏れ電流iは通電が継続するに従って一定値に飽和する傾向を有する。この場合、拡散層厚みを比例定数aとすると、数式1は下式に置き換えることができる。
【数2】
【0025】
また、絶縁体12の単位表面積あたりの汚損物付着量pを用いると、汚損物が吸着・潮解してできた水溶液の厚みtは下式にて導出される。
【数3】
【0026】
よって、導通部11の周方向における単位長さあたりの漏れ電流Iは、印加電圧に拘わらず、下式にて決定される。
【数4】
【0027】
これにより、絶縁体12の表面に生じる放電を抑制するために必要な、通電部11の周囲方向における単位長さあたりの抵抗体13の抵抗値Rは、通電部11間に印加される電圧Vを用いて下式により導出される。
【数5】
【0028】
同数式において、Vsは、パッシェンの法則による放電開始限界電圧であり、常温大気圧環境下では概ね300Vである。
【0029】
このように本実施形態において、絶縁体12の表面において通電部11の周縁領域には抵抗体13が設けられている。この抵抗体13は、絶縁体12の表面において、この抵抗体13の周縁に印加される電圧(周縁印加電圧)が放電開始電圧Vs以下となる条件を具備する抵抗値Rを有している。
【0030】
かかる構成によれば、絶縁体12の表面における通電部11の周縁領域に、抵抗値Rが適切に設定された抵抗体13が配置されることとなる。この抵抗体13により、単に抵抗体を通電部11の周縁領域に設けることでは為しえない、周縁印加電圧を放電開始電圧Vs以下に抑えるという所定の目的を達成することができる(図5(b)参照)。そのため、通電部11近傍における電界緩和効果を十分に得ることができる。これにより、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を図ることができる。
【0031】
また、本実施形態において、抵抗体13は、通電部11の周縁を含む外周領域を囲むように、絶縁体12の表面に設けられている。かかる構成によれば、隣り合う一対の通電部11間において絶縁体12の表面に印加される電圧を抵抗体13が分担することにより、
絶縁体12の表面に分布する電位差(周縁印加電圧)が放電開始電圧Vs以下に設定される。すなわち、抵抗体13が電圧分担手段として機能することで、電界緩和効果を十分に得ることが可能となり、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。
【0032】
以下、第1の実施形態にかかる電機部品10の抵抗体13に関する変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上述した実施形態と同様な構成については符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。
【0033】
(第1の変形例)
図6は、第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、抵抗体13の領域幅(半径方向の長さ)xが適切に設定されている。具体的には、隣り合う一対の通電部11の最短区間を対象として、周縁印加電圧が放電開始電圧Vs以下となる領域幅を選択することで、この選択された領域幅が、抵抗体13の領域幅xとして決定される。
【0034】
以下、抵抗体13の領域幅xの設定方法について詳述する。具体的には、抵抗体13の領域幅xは、パッシェンの法則を用いて、通電部11間に印加される電圧Vと、パッシェンの法則による放電開始限界電圧Vsとの関係で示される(数式6参照)。
【数6】
【0035】
ここで、pは大気圧であり、A,Bは気体の衝突電離係数を定める定数である。また、γは二次電子放出係数である。
【0036】
このように本実施形態によれば、隣り合う一対の通電部11の最短区間を対象として領域幅を選択することにより、抵抗体13の領域幅xを必要最低限の値に設定することができる。これにより、十分な放電抑制効果を得つつも、電機部品10の大型化を抑制することができる。
【0037】
(第2の変形例)
図7は、第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、一対の通電部11のうちの一方の通電部11のみに抵抗体13を配置している。例えば、抵抗体13を設ける通電部11は、一対の通電部11のうち、高電位側の通電部11であることが好ましい。このようなレイアウトは、低電位側の通電部11と比較して高電位側の通電部11の方が放電が生じやすいとの知得に基づくものである。
【0038】
すなわち、本実施形態によれば、一方の通電部11のみに抵抗体13を設ける構成であるため、部品点数増加に伴うコスト増加を抑制することができる。また、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11に抵抗体13を設けることで、十分な放電抑制効果を得ることができる。そのため、電機部品10の絶縁耐久に関する信頼性の向上を図ることができる。
【0039】
なお、三相交流を接続する端子台の場合には、3つの通電部11のうち高電位となる通電部11が周期的に変動する。そのため、直流電流を接続する端子台といったように、通電部11の電位状態が変位しない電機部品10において本変形例は有効である。
【0040】
(第3の変形例)
図8は、第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、絶縁体12の表面における通電部11の周縁領域に塗料を塗布することにより、抵抗体13を形成している。ここで、抵抗体13として塗布する塗料は、前述した実施形態の如く、イオン性汚損物14の通電部11近傍に印加される電圧を放電開始電圧Vs以下に抑えるように、適切な抵抗値Rに設定されている。この類の塗料としては、導電性を有する塗料を用いることができる。例えば、金属粉を配合した塗料などがこれに該当するが、この場合には、エレクトロマイグレーションを起こす可能性の低い金属を配合した塗料を使用することが望ましい。
【0041】
本変形例によれば、導電性を備える塗料を塗布することにより抵抗体13が形成される。これにより、抵抗体13を簡単な手法で形成することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を容易に実現することができる。
【0042】
また、抵抗体13として塗料を塗布する領域は、第1の変形例で示した如く、領域幅xとなる領域に限定して塗布してもよいし、第3の変形例で示した如く、端子台の種類に応じて、一方の通電部11のみに設けてもよい。
【0043】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図である。以下、第1の実施形態と共通する構成については符号を引用して説明を省略することとし、第1の実施形態との相違点を中心に電機部品10の構成を説明する。なお、本実施形態では、電機部品10として端子台を想定しており、電機部品10は三相に対応した3つの通電部11を備えるものである。ただし、以下の説明および図9以降の図面では、説明の便宜上、要部となる隣接した一対の通電部11を中心に電機部品10を説明するが、残余の通電部11との関係について同様に考えることができる。
【0044】
本実施形態において、電機部品10は、通電部11と、絶縁体12と、導電体15とで構成されている。本実施形態の特徴の一つである導電体15は、絶縁体12の表面において通電部11の周囲に設けられている。具体的には、導電体15は、例えばループ形状を備えており、通電部11の周縁から所定距離隔てた状態で当該通電部15を囲んでいる。本実施形態では、導電体15は、円環形状として実現されている。導電体15は、例えば接着剤により、絶縁体12の表面に接着することにより、絶縁体12の表面に固着されている。もっとも、この導電体15は、絶縁体12により、通電部11を構成するナットとともにインサート成形することで、絶縁体12の表面に固着してもよい。
【0045】
同図において、電機部品10は、各通電部11に対応して導電体15を一つ設けた状態を示しているが、この導電体15は、以下に示す概念に従い適宜の個数設けることができる。すなわち、通電部11に設ける通電部11の個数nは、隣り合う一対の通電部11間に印加される電圧と、パッシェンの法則を用いて導出される放電開始電圧Vsとから導出される。ここで、パッシェンの法則を用いて導出される放電開始電圧Vsは、下式により示される。
【数7】
【0046】
同数式において、pは大気圧であり、A,Bは気体の衝突電離係数を定める定数である。また、γは二次電子放出係数であり、x1は電位差を有する部位間の距離である。
【0047】
そのため、導電体15の個数nは、通電部11間に印加される電圧Vと、放電開始電圧Vsとを用いることにより、下式より算出される。
【数8】
【0048】
ここで、個数nが自然数とならない場合には、nよりも大きな値となる直近の自然数を導電体15の個数nとすることが好ましい。
【0049】
また、数式7に示すパラメータである距離x1は、絶縁体12の表面に生じる潮解したイオン性汚損物14の挙動により決定される。しかしながら、潮解したイオン性汚損物14の挙動は、絶縁体12がおかれる環境によって大きく影響を受けるため、この距離x1を一義的に決定することが難しいことがある。この場合には、放電開始電圧Vsが300V程度で下限値を持つことを鑑みて、下式により、個数nを導出することができる。
【数9】
【0050】
なお、数式9で演算される値が自然数とならない場合には、nよりも大きな値となる直近の自然数を導電体15の個数nとすることが好ましい。
【0051】
このように本実施形態において、導電体15は、絶縁体12の表面において通電部11および導電体15の周縁に印加される周縁印加電圧ΔVのそれぞれが放電開始電圧Vs以下となる条件を具備して配置される。
【0052】
かかる構成によれば、導電体15により、隣り合う一対の通電部11間において絶縁体12の表面に印加される電圧が分担されることとなる(電圧分担手段)。これより、図9(c)で示すように、通電部11および導電体15の周縁に印加される周縁印加電圧のそれぞれが放電開始電圧Vs以下に設定される。すなわち、絶縁体12の表面に分布する電位差(周縁印加電圧ΔV)のそれぞれを、放電開始電圧Vs以下に抑えることができる。これにより、電界緩和効果を十分に得ることが可能となるので、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。そして、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を図ることができる。
【0053】
また、本実施形態において、導電体15は、通電部11を中心として同心状に一つ以上配置することが可能であり、導電体15の個数nは、絶縁体12の表面において隣り合う一対の通電部11間に印加される電圧Vと、放電開始電圧Vsとに基づいて設定される。
【0054】
かかる構成によれば、導電体15を設ける個数nを適切に設定することで、絶縁体12の表面に分布する電位差(周縁印加電圧ΔV)のそれぞれを放電開始電圧Vs以下に抑えることができる。これにより、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。
【0055】
なお、本実施形態に示す導電体15は、少なくとも導電性を有していればよく、所定の電気抵抗を備えるような抵抗体であってもよい。抵抗体により導電体15を実現した場合であっても、前述の如く、電界緩和効果を十分に得ることが可能となるので、絶縁体12
の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。
【0056】
以下、第2の実施形態にかかる電機部品10の導電体15に関する変形例について説明する。
【0057】
(第1の変形例)
図10は、第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例において、導電体15は、金属製の筒状部材で構成されている。導電体15は、インサート成形などの手法により、通電部11の周囲を取り囲むように配置されており、絶縁体12の表面から端部を突出させた格好で絶縁体12に埋設されている。この場合、導電体15の突出高さは、通電部11の高さよりも低く設定されていることが好ましい。
【0058】
また、本実施形態では、一対の通電部11のうちの一方の通電部11のみに導電体15を配置している。ここで、導電体15を設ける通電部11は、一対の通電部11のうち、高電位側の通電部11であることが好ましい。このようなレイアウトは、低電位側の通電部11と比較して高電位側の通電部11の方が放電が生じやすいとの知得に基づくものである。
【0059】
また、同図(b)に示すように、導電体15は、隣り合う一対の通電部11の最短区間において、各通電部11と筒状導電体15との距離aがそれぞれ対応するように設定されている。ここで、通電部11間の距離(最短区間)を「b」とした場合、距離aは下式より算出される。
【数10】
【0060】
同数式において、Nは、一対の通電部11間に存在する導電体15の本数である。なお、一対の通電部11のそれぞれに導電体15を設ける場合には、各通電部11と導電体15との距離、および隣り合う導電体15間の距離がそれぞれ対応するように各距離aが設定されることが好ましい。
【0061】
このように本変形例によれば、導電体15と通電部11との距離(複数設ける場合によっては、隣接する導電体15との距離)aがそれぞれ対応するように導電体15が配置されている。かかる構成によれば、局所的な乾燥状態を抑制することができるので、通電部11および導電体15の周縁に印加される周縁印加電圧のそれぞれが局所的に増減するといった事態が抑制される。そのため、周縁印加電圧ΔVのそれぞれを放電開始電圧Vs以下に抑えることが可能となり、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。また、金属製の筒状部材により導電体15を構成することにより、簡素な構成で導電体15を絶縁体12に設けることができる。
【0062】
さらに、一方の通電部11のみに導電体15を設ける構成であるため、部品点数増加に伴うコスト増加を抑制することができる。また、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11近傍の放電を有効に抑制することができる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、一方の通電部11のみに導電体15を設けているが、一対の通電部11の双方に導電体15を設ける場合には、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11に導電体15の個数を多く設けることが好ましい。このような個数の設定により、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11近傍の放電を有効に抑制することができ
る。
【0064】
もっとも、高電位側の通電部11のみに導電体15を設ける場合には、直流電流を接続する端子台といったように、通電部11の電位状態が変位しない電機部品10において本変形例は有効となる。
【0065】
(第2の変形例)
図11は、第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、絶縁体12の表面において通電部11の周囲に塗料を塗布することにより、円環形状の導電体15を形成している。ここで、導電体15として塗布する塗料は、前述した実施形態の如く、通電部11近傍に印加される電圧を放電開始電圧Vs以下に抑えるように、適切な個数nに設定されている。また、この類の塗料としては、例えば、金属粉を配合した塗料を用いることができるが、この場合には、エレクトロマイグレーションを起こす可能性の低い金属を配合した塗料を使用することが望ましい。
【0066】
本変形例によれば、導電性を備える塗料を塗布することにより導電体15が形成される。かかる構成によれば、導電体15を簡単な手法で形成することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を容易に実現することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態にかかる電機部品について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えば、電機部品としては、端子台に限定されず、回路基板に設けられた端子といったように、絶縁体に通電部を備える電機部品であれば、本手法を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 電動機
2 ステータ
3 ロータ
4 ケース
5 コイルリード線
10 電機部品
11 通電部
12 絶縁体
13 抵抗体
14 イオン性汚損物
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体によって保持される通電部を有する電機部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、端子台といった電機部品では、絶縁耐久性の向上を図る種々の手法が提案されている。例えば特許文献1には、電界集中の起こりやすい碍子本体の絶縁釉層とセメント材との境界領域に、導電釉層(抵抗体)を形成する手法が開示されている。これにより、電界集中を緩和することができ、コロナ放電やRIVの発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−264052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、抵抗体を設けてもなお、放電が生じない程度に電界を緩和することができない可能性がある。そのため、絶縁体表面の放電を低減することができず、電機部品の絶縁耐久性が低下する虞がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁体表面の放電を抑制することで、電機部品の絶縁耐久性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明は、電機部品が、絶縁体表面において通電部の周囲に設けられる電圧分担手段を有している。この電圧分担手段は、隣り合う一対の通電部間において絶縁体表面に印加される電圧を分担することにより、絶縁体表面に分布する電位差を放電開始電圧以下に設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通電部の周囲に設けた電圧分担手段により、絶縁体表面に分布する電位差が放電開始電圧以下に抑えることができるので、通電部近傍の電界を緩和することが可能となる。これにより、絶縁体の表面に生じる放電を抑制することができ、電機部品の絶縁耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電機部品10が適用された電動機1の構成を模式的に示す説明図
【図2】第1の実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図
【図3】図2に示す電機部品10と対比して説明するための電機部品20の説明図
【図4】図2に示す電機部品10と対比して説明するための電機部品20の説明図
【図5】電機部品10の抵抗体13による電界緩和効果の説明図
【図6】第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図7】第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図8】第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図9】第2の実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図
【図10】第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【図11】第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる電機部品10が適用された電動機1の構成を模式的に示す説明図である。この電機部品10は、図示しない外部装置(例えばインバータ)および電動機1とケーブルを介して接続し、自己を介してインバータと電動機1とを電気的に接続するための端子台として実現されている。
【0010】
電動機1は、中性点を中心に星形結線された複数の相巻線(例えば3つの相巻線)がステータ2にそれぞれ巻回された永久磁石同期電動機である。この電動機1は、断面がリング状のステータ(固定子)2と、図示しないシャフトに連結されたロータ(可動子)3とを備えており、ロータ3は、ステータ2の内周側にエアギャップを介して配置されている。ステータ2およびロータ3はケース4に収容されており、このケース4の一部には、端子台としての電機部品10が設けられている。
【0011】
ステータ2に巻回された各相巻線の一部であるコイルリード線5は、電機部品10に設けられた3つの通電部(電極端子)11に対して相毎に接続されている。個々の通電部11は、ケース4の外部に配線されてインバータと接続するケーブル(図示せず)が接続されており、個々の通電部11を介して要求電力に応じた電力が各相の相巻線に通電される。
【0012】
電動機1は、電機部品10を介してインバータから三相の交流電力が各相のコイル(ステータ巻線)にそれぞれ供給されることにより生じる磁界と、回転子の永久磁石が作る磁界との相互作用により駆動する。具体的には、電動機1では、ロータ3に埋め込まれた永久磁石と、ロータ3自体を構成する磁性体(電磁鋼板)と、ステータ2を構成する磁性体(電磁鋼板)とによって、磁気回路が形成される。そして、永久磁石からの磁石磁束、およびインバータ制御により相巻線へ通電することで発生する交番磁束が、この磁気回路を流れることで電磁力によるトルクが発生し、ロータ3およびこれに連結されたシャフトが回転する。
【0013】
図2は、本実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図である。電子部品10は、通電部11と、絶縁体12と、抵抗体13とで構成されている。なお、本実施形態では、電機部品10として端子台を想定しており、図1に示すように電機部品10は三相に対応した3つの通電部11を備えている。しかしながら、以下の説明および図2以降の図面では、便宜上、要部となる隣接した一対の通電部11を中心に電機部品10を説明するが、残余の通電部11についても同様に考えることができる。
【0014】
通電部11のそれぞれは、導電性を備える材料、例えば、金属材料で形成されており、電流が通電可能に構成されている。通電部11のそれぞれ、例えば、インサート成形といった手法により、絶縁体12と一体化されている。例えば、通電部11としては、ナットを絶縁体12でモールドし、当該ナットにボルトを締結した形態として実現することができる。
【0015】
絶縁体12は、樹脂などの絶縁材料で構成されており、金型内に通電部11を装填した上で樹脂を注入してこれを固化させることにより、所定形状に形成されている。この絶縁体12は、通電部11の一部を表面から露出させた格好で、通電部11のそれぞれを絶縁状態で保持している。
【0016】
抵抗体13は、絶縁体12の表面において通電部11の周縁領域に設けられている。具体的には、抵抗体13は、通電部11の周縁を含む外周領域を囲むように、絶縁体12の表面に設けられている。換言すれば、抵抗体13は、通電部11の全周において、この通
電部11の縁部から半径方向に向かう所定領域幅に設けられている。本実施形態では、抵抗体13は、その外縁形状が円形に設定されている。抵抗体13は、例えば接着剤により、絶縁体12の表面に接着することにより、絶縁体12の表面に固着されている。もっとも、この抵抗体13は、通電部11と同様、インサート成形により絶縁体12と一体化することで、絶縁体12の表面に固着してもよい。
【0017】
電機部品10では、使用に伴い周囲環境より飛来したイオン性汚損物14が絶縁体12の表面に付着する。抵抗体13は、イオン性汚損物14を介して絶縁体12の表面に印加される電圧を分担することで、通電部11近傍の電界を緩和する機能を担っている。特に、本実施形態では、この電界緩和効果を適切に得るべく、抵抗体13は、適宜の材料を単一で用いて、あるいは複合的に組み合わせることにより、所定の抵抗値Rを有するように設定されている。以下、抵抗体13の詳細について説明する。
【0018】
図3〜図5を参照し、本実施形態にかかる電機部品10が備える抵抗体13による電界緩和効果について説明する。ここで、図3,4は、図2に示す電機部品10と対比して説明するための電機部品20の説明図であり、図5は、本実施形態にかかる電機部品10の抵抗体13による電界緩和効果の説明図である。
【0019】
まず、図3を参照し、電機部品20が、通電部21と絶縁体22とから構成されている状態を考える。電機部品20の使用により、周囲環境より飛来したイオン性汚損物24が絶縁体22の表面に付着する。このイオン性汚損物24は、周囲環境湿度の上昇により吸湿・潮解し、導電性を発現する。絶縁体22の表面において一対の通電部21が対向して配置された構成では、吸着・潮解したイオン性汚損物24を介して絶縁体22の表面に漏れ電流が流れる(図3(b)の矢印を参照)。この場合、図3(c)に示すように、絶縁体22の表面に印加される電圧は、通電部21の近傍に集中する。そのため、絶縁体22の表面で発生する放電は、通電部21の近傍に集中する。
【0020】
図4(a),(b)に示すように、通電部21近傍の電界を緩和する目的で、絶縁体22表面の通電部21の周縁領域に抵抗体23を配置する。この場合、図4(c)に示すように、抵抗体23が電圧の一部を分担することで、絶縁体22の表面において抵抗体23の周縁に印加される電圧(以下「周縁印加電圧」という)が下がる。これにより、通電部21近傍における電界が等価的に緩和されることとなる。
【0021】
しかしながら、通電部21の周縁領域に抵抗体23を単に配置したとしても、気中放電を十分に抑制する程度に電界緩和効果を得るには、周縁印加電圧を放電開始電圧Vs以下に抑える必要がある。そこで、本実施形態の電機部品10における抵抗体13は、気中放電を十分に抑制する程度に電界緩和効果を得るべく設定されている。すなわち、この抵抗体13は、放電開始電圧Vsと、隣り合う一対の通電部21間の印加電圧とを比較した上で、抵抗体13が分担する必要がある電圧値を演算し、この電圧値とイオン性汚損物の種類や量さらには環境湿度より定まる漏れ電流とに基づいて必要とされる抵抗値が設定されている。
【0022】
以下、本実施形態にかかる抵抗体13の詳細について説明する。図5を参照するに、イオン性汚損物14中を流れる漏れ電流の方向に対して垂直となる断面において、単位面積あたりの漏れ電流iは下式により導出される。
【数1】
【0023】
ここで、nは汚損物が吸湿・潮解して生じるイオンの価数であり、Fはファラデー定数である。また、cは周囲雰囲気と同一水蒸気圧となる汚損物水溶液の濃度であり、Dは汚損物が吸湿・潮解して生じたイオンの拡散係数である。また、tは通電時間である。
【0024】
漏れ電流iは通電が継続するに従って一定値に飽和する傾向を有する。この場合、拡散層厚みを比例定数aとすると、数式1は下式に置き換えることができる。
【数2】
【0025】
また、絶縁体12の単位表面積あたりの汚損物付着量pを用いると、汚損物が吸着・潮解してできた水溶液の厚みtは下式にて導出される。
【数3】
【0026】
よって、導通部11の周方向における単位長さあたりの漏れ電流Iは、印加電圧に拘わらず、下式にて決定される。
【数4】
【0027】
これにより、絶縁体12の表面に生じる放電を抑制するために必要な、通電部11の周囲方向における単位長さあたりの抵抗体13の抵抗値Rは、通電部11間に印加される電圧Vを用いて下式により導出される。
【数5】
【0028】
同数式において、Vsは、パッシェンの法則による放電開始限界電圧であり、常温大気圧環境下では概ね300Vである。
【0029】
このように本実施形態において、絶縁体12の表面において通電部11の周縁領域には抵抗体13が設けられている。この抵抗体13は、絶縁体12の表面において、この抵抗体13の周縁に印加される電圧(周縁印加電圧)が放電開始電圧Vs以下となる条件を具備する抵抗値Rを有している。
【0030】
かかる構成によれば、絶縁体12の表面における通電部11の周縁領域に、抵抗値Rが適切に設定された抵抗体13が配置されることとなる。この抵抗体13により、単に抵抗体を通電部11の周縁領域に設けることでは為しえない、周縁印加電圧を放電開始電圧Vs以下に抑えるという所定の目的を達成することができる(図5(b)参照)。そのため、通電部11近傍における電界緩和効果を十分に得ることができる。これにより、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を図ることができる。
【0031】
また、本実施形態において、抵抗体13は、通電部11の周縁を含む外周領域を囲むように、絶縁体12の表面に設けられている。かかる構成によれば、隣り合う一対の通電部11間において絶縁体12の表面に印加される電圧を抵抗体13が分担することにより、
絶縁体12の表面に分布する電位差(周縁印加電圧)が放電開始電圧Vs以下に設定される。すなわち、抵抗体13が電圧分担手段として機能することで、電界緩和効果を十分に得ることが可能となり、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。
【0032】
以下、第1の実施形態にかかる電機部品10の抵抗体13に関する変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上述した実施形態と同様な構成については符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。
【0033】
(第1の変形例)
図6は、第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、抵抗体13の領域幅(半径方向の長さ)xが適切に設定されている。具体的には、隣り合う一対の通電部11の最短区間を対象として、周縁印加電圧が放電開始電圧Vs以下となる領域幅を選択することで、この選択された領域幅が、抵抗体13の領域幅xとして決定される。
【0034】
以下、抵抗体13の領域幅xの設定方法について詳述する。具体的には、抵抗体13の領域幅xは、パッシェンの法則を用いて、通電部11間に印加される電圧Vと、パッシェンの法則による放電開始限界電圧Vsとの関係で示される(数式6参照)。
【数6】
【0035】
ここで、pは大気圧であり、A,Bは気体の衝突電離係数を定める定数である。また、γは二次電子放出係数である。
【0036】
このように本実施形態によれば、隣り合う一対の通電部11の最短区間を対象として領域幅を選択することにより、抵抗体13の領域幅xを必要最低限の値に設定することができる。これにより、十分な放電抑制効果を得つつも、電機部品10の大型化を抑制することができる。
【0037】
(第2の変形例)
図7は、第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、一対の通電部11のうちの一方の通電部11のみに抵抗体13を配置している。例えば、抵抗体13を設ける通電部11は、一対の通電部11のうち、高電位側の通電部11であることが好ましい。このようなレイアウトは、低電位側の通電部11と比較して高電位側の通電部11の方が放電が生じやすいとの知得に基づくものである。
【0038】
すなわち、本実施形態によれば、一方の通電部11のみに抵抗体13を設ける構成であるため、部品点数増加に伴うコスト増加を抑制することができる。また、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11に抵抗体13を設けることで、十分な放電抑制効果を得ることができる。そのため、電機部品10の絶縁耐久に関する信頼性の向上を図ることができる。
【0039】
なお、三相交流を接続する端子台の場合には、3つの通電部11のうち高電位となる通電部11が周期的に変動する。そのため、直流電流を接続する端子台といったように、通電部11の電位状態が変位しない電機部品10において本変形例は有効である。
【0040】
(第3の変形例)
図8は、第1の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、絶縁体12の表面における通電部11の周縁領域に塗料を塗布することにより、抵抗体13を形成している。ここで、抵抗体13として塗布する塗料は、前述した実施形態の如く、イオン性汚損物14の通電部11近傍に印加される電圧を放電開始電圧Vs以下に抑えるように、適切な抵抗値Rに設定されている。この類の塗料としては、導電性を有する塗料を用いることができる。例えば、金属粉を配合した塗料などがこれに該当するが、この場合には、エレクトロマイグレーションを起こす可能性の低い金属を配合した塗料を使用することが望ましい。
【0041】
本変形例によれば、導電性を備える塗料を塗布することにより抵抗体13が形成される。これにより、抵抗体13を簡単な手法で形成することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を容易に実現することができる。
【0042】
また、抵抗体13として塗料を塗布する領域は、第1の変形例で示した如く、領域幅xとなる領域に限定して塗布してもよいし、第3の変形例で示した如く、端子台の種類に応じて、一方の通電部11のみに設けてもよい。
【0043】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態にかかる電気部品10の構成を示す説明図である。以下、第1の実施形態と共通する構成については符号を引用して説明を省略することとし、第1の実施形態との相違点を中心に電機部品10の構成を説明する。なお、本実施形態では、電機部品10として端子台を想定しており、電機部品10は三相に対応した3つの通電部11を備えるものである。ただし、以下の説明および図9以降の図面では、説明の便宜上、要部となる隣接した一対の通電部11を中心に電機部品10を説明するが、残余の通電部11との関係について同様に考えることができる。
【0044】
本実施形態において、電機部品10は、通電部11と、絶縁体12と、導電体15とで構成されている。本実施形態の特徴の一つである導電体15は、絶縁体12の表面において通電部11の周囲に設けられている。具体的には、導電体15は、例えばループ形状を備えており、通電部11の周縁から所定距離隔てた状態で当該通電部15を囲んでいる。本実施形態では、導電体15は、円環形状として実現されている。導電体15は、例えば接着剤により、絶縁体12の表面に接着することにより、絶縁体12の表面に固着されている。もっとも、この導電体15は、絶縁体12により、通電部11を構成するナットとともにインサート成形することで、絶縁体12の表面に固着してもよい。
【0045】
同図において、電機部品10は、各通電部11に対応して導電体15を一つ設けた状態を示しているが、この導電体15は、以下に示す概念に従い適宜の個数設けることができる。すなわち、通電部11に設ける通電部11の個数nは、隣り合う一対の通電部11間に印加される電圧と、パッシェンの法則を用いて導出される放電開始電圧Vsとから導出される。ここで、パッシェンの法則を用いて導出される放電開始電圧Vsは、下式により示される。
【数7】
【0046】
同数式において、pは大気圧であり、A,Bは気体の衝突電離係数を定める定数である。また、γは二次電子放出係数であり、x1は電位差を有する部位間の距離である。
【0047】
そのため、導電体15の個数nは、通電部11間に印加される電圧Vと、放電開始電圧Vsとを用いることにより、下式より算出される。
【数8】
【0048】
ここで、個数nが自然数とならない場合には、nよりも大きな値となる直近の自然数を導電体15の個数nとすることが好ましい。
【0049】
また、数式7に示すパラメータである距離x1は、絶縁体12の表面に生じる潮解したイオン性汚損物14の挙動により決定される。しかしながら、潮解したイオン性汚損物14の挙動は、絶縁体12がおかれる環境によって大きく影響を受けるため、この距離x1を一義的に決定することが難しいことがある。この場合には、放電開始電圧Vsが300V程度で下限値を持つことを鑑みて、下式により、個数nを導出することができる。
【数9】
【0050】
なお、数式9で演算される値が自然数とならない場合には、nよりも大きな値となる直近の自然数を導電体15の個数nとすることが好ましい。
【0051】
このように本実施形態において、導電体15は、絶縁体12の表面において通電部11および導電体15の周縁に印加される周縁印加電圧ΔVのそれぞれが放電開始電圧Vs以下となる条件を具備して配置される。
【0052】
かかる構成によれば、導電体15により、隣り合う一対の通電部11間において絶縁体12の表面に印加される電圧が分担されることとなる(電圧分担手段)。これより、図9(c)で示すように、通電部11および導電体15の周縁に印加される周縁印加電圧のそれぞれが放電開始電圧Vs以下に設定される。すなわち、絶縁体12の表面に分布する電位差(周縁印加電圧ΔV)のそれぞれを、放電開始電圧Vs以下に抑えることができる。これにより、電界緩和効果を十分に得ることが可能となるので、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。そして、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を図ることができる。
【0053】
また、本実施形態において、導電体15は、通電部11を中心として同心状に一つ以上配置することが可能であり、導電体15の個数nは、絶縁体12の表面において隣り合う一対の通電部11間に印加される電圧Vと、放電開始電圧Vsとに基づいて設定される。
【0054】
かかる構成によれば、導電体15を設ける個数nを適切に設定することで、絶縁体12の表面に分布する電位差(周縁印加電圧ΔV)のそれぞれを放電開始電圧Vs以下に抑えることができる。これにより、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。
【0055】
なお、本実施形態に示す導電体15は、少なくとも導電性を有していればよく、所定の電気抵抗を備えるような抵抗体であってもよい。抵抗体により導電体15を実現した場合であっても、前述の如く、電界緩和効果を十分に得ることが可能となるので、絶縁体12
の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。
【0056】
以下、第2の実施形態にかかる電機部品10の導電体15に関する変形例について説明する。
【0057】
(第1の変形例)
図10は、第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例において、導電体15は、金属製の筒状部材で構成されている。導電体15は、インサート成形などの手法により、通電部11の周囲を取り囲むように配置されており、絶縁体12の表面から端部を突出させた格好で絶縁体12に埋設されている。この場合、導電体15の突出高さは、通電部11の高さよりも低く設定されていることが好ましい。
【0058】
また、本実施形態では、一対の通電部11のうちの一方の通電部11のみに導電体15を配置している。ここで、導電体15を設ける通電部11は、一対の通電部11のうち、高電位側の通電部11であることが好ましい。このようなレイアウトは、低電位側の通電部11と比較して高電位側の通電部11の方が放電が生じやすいとの知得に基づくものである。
【0059】
また、同図(b)に示すように、導電体15は、隣り合う一対の通電部11の最短区間において、各通電部11と筒状導電体15との距離aがそれぞれ対応するように設定されている。ここで、通電部11間の距離(最短区間)を「b」とした場合、距離aは下式より算出される。
【数10】
【0060】
同数式において、Nは、一対の通電部11間に存在する導電体15の本数である。なお、一対の通電部11のそれぞれに導電体15を設ける場合には、各通電部11と導電体15との距離、および隣り合う導電体15間の距離がそれぞれ対応するように各距離aが設定されることが好ましい。
【0061】
このように本変形例によれば、導電体15と通電部11との距離(複数設ける場合によっては、隣接する導電体15との距離)aがそれぞれ対応するように導電体15が配置されている。かかる構成によれば、局所的な乾燥状態を抑制することができるので、通電部11および導電体15の周縁に印加される周縁印加電圧のそれぞれが局所的に増減するといった事態が抑制される。そのため、周縁印加電圧ΔVのそれぞれを放電開始電圧Vs以下に抑えることが可能となり、絶縁体12の表面に生じる放電を有効に抑制することができる。また、金属製の筒状部材により導電体15を構成することにより、簡素な構成で導電体15を絶縁体12に設けることができる。
【0062】
さらに、一方の通電部11のみに導電体15を設ける構成であるため、部品点数増加に伴うコスト増加を抑制することができる。また、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11近傍の放電を有効に抑制することができる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、一方の通電部11のみに導電体15を設けているが、一対の通電部11の双方に導電体15を設ける場合には、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11に導電体15の個数を多く設けることが好ましい。このような個数の設定により、特に放電が生じやすい高電位側の通電部11近傍の放電を有効に抑制することができ
る。
【0064】
もっとも、高電位側の通電部11のみに導電体15を設ける場合には、直流電流を接続する端子台といったように、通電部11の電位状態が変位しない電機部品10において本変形例は有効となる。
【0065】
(第2の変形例)
図11は、第2の実施形態にかかる電機部品10の変形例を模式的に示す説明図である。本変形例では、絶縁体12の表面において通電部11の周囲に塗料を塗布することにより、円環形状の導電体15を形成している。ここで、導電体15として塗布する塗料は、前述した実施形態の如く、通電部11近傍に印加される電圧を放電開始電圧Vs以下に抑えるように、適切な個数nに設定されている。また、この類の塗料としては、例えば、金属粉を配合した塗料を用いることができるが、この場合には、エレクトロマイグレーションを起こす可能性の低い金属を配合した塗料を使用することが望ましい。
【0066】
本変形例によれば、導電性を備える塗料を塗布することにより導電体15が形成される。かかる構成によれば、導電体15を簡単な手法で形成することができるので、電機部品10の絶縁耐久性の向上を容易に実現することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態にかかる電機部品について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えば、電機部品としては、端子台に限定されず、回路基板に設けられた端子といったように、絶縁体に通電部を備える電機部品であれば、本手法を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 電動機
2 ステータ
3 ロータ
4 ケース
5 コイルリード線
10 電機部品
11 通電部
12 絶縁体
13 抵抗体
14 イオン性汚損物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに電流を通電可能な2個以上の通電部と、
前記通電部のそれぞれを絶縁状態で保持する絶縁体と、
前記絶縁体表面において、前記通電部の周縁領域に設けられる抵抗体とを有し、
前記抵抗体は、前記絶縁体表面において前記抵抗体の周縁に印加される周縁印加電圧が放電開始電圧以下となる条件を具備する抵抗値を有することを特徴とする電機部品。
【請求項2】
前記抵抗体は、前記通電部の周縁を含む外周領域を囲むように、前記絶縁体の表面に設けられることを特徴とする請求項1に記載された電機部品。
【請求項3】
前記抵抗体の領域幅は、隣り合う一対の通電部の最短区間において前記周縁印加電圧が放電開始電圧以下となる領域幅から決定されることを特徴とする請求項1または2に記載された電機部品。
【請求項4】
前記抵抗体は、隣り合う一対の通電部のうち高電位側の通電部に対応することを特徴とする請求項3に記載された電機部品。
【請求項5】
前記抵抗体は、導電性を備える塗料を塗布することにより形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された電機部品。
【請求項6】
それぞれに電流を通電可能な2個以上の通電部と、
前記通電部のそれぞれを絶縁状態で保持する絶縁体と、
前記絶縁体の表面において、前記通電部の周縁から隔てた状態で当該通電部を囲んだ導電体とを有し、
前記導電体は、前記絶縁体表面において前記通電部および前記導電体の周縁に印加される周縁印加電圧のそれぞれが放電開始電圧以下となる条件を具備して配置されることを特徴とする電機部品。
【請求項7】
前記導電体は、前記通電部を中心として同心状に一つ以上配置されており、
前記導電体の個数は、前記絶縁体表面において隣り合う一対の通電部間に印加される電圧と、前記放電開始電圧とに基づいて設定されることを特徴とする請求項6に記載された電機部品。
【請求項8】
前記導電体は、隣り合う一対の通電部の最短区間において、前記通電部と前記導電体との間の距離がそれぞれ対応するように配置されることを特徴とする請求項6または7に記載された電機部品。
【請求項9】
前記導電体は、前記通電部と当該導電体との間の距離に加えて、隣り合う導電体間の距離もそれぞれ対応するように配置されることを特徴とする請求項8に記載された電機部品。
【請求項10】
前記導電体は、隣り合う一対の通電部のうち高電位側となる通電部の方が低電位側となる通電部よりも個数が多く配置されることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載された電機部品。
【請求項11】
前記導電体は、金属製の筒状部材を前記絶縁体に埋設することにより形成されることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載された電機部品。
【請求項12】
前記導電体は、導電性を備える塗料を塗布することにより形成されることを特徴とする
請求項6から10のいずれかに記載された電機部品。
【請求項13】
前記導電体は、抵抗体を含むことを特徴とする請求項6から12のいずれかに記載された電機部品。
【請求項14】
それぞれに電流を通電可能な2個以上の通電部と、
前記通電部のそれぞれを絶縁状態で保持する絶縁体と、
前記絶縁体表面において、前記通電部の周囲に設けられる電圧分担手段とを有し、
前記電圧分担手段は、隣り合う一対の通電部間において前記絶縁体表面に印加される電圧を分担することにより、当該絶縁体表面に分布する電位差を放電開始電圧以下に設定することを特徴とする電機部品。
【請求項1】
それぞれに電流を通電可能な2個以上の通電部と、
前記通電部のそれぞれを絶縁状態で保持する絶縁体と、
前記絶縁体表面において、前記通電部の周縁領域に設けられる抵抗体とを有し、
前記抵抗体は、前記絶縁体表面において前記抵抗体の周縁に印加される周縁印加電圧が放電開始電圧以下となる条件を具備する抵抗値を有することを特徴とする電機部品。
【請求項2】
前記抵抗体は、前記通電部の周縁を含む外周領域を囲むように、前記絶縁体の表面に設けられることを特徴とする請求項1に記載された電機部品。
【請求項3】
前記抵抗体の領域幅は、隣り合う一対の通電部の最短区間において前記周縁印加電圧が放電開始電圧以下となる領域幅から決定されることを特徴とする請求項1または2に記載された電機部品。
【請求項4】
前記抵抗体は、隣り合う一対の通電部のうち高電位側の通電部に対応することを特徴とする請求項3に記載された電機部品。
【請求項5】
前記抵抗体は、導電性を備える塗料を塗布することにより形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された電機部品。
【請求項6】
それぞれに電流を通電可能な2個以上の通電部と、
前記通電部のそれぞれを絶縁状態で保持する絶縁体と、
前記絶縁体の表面において、前記通電部の周縁から隔てた状態で当該通電部を囲んだ導電体とを有し、
前記導電体は、前記絶縁体表面において前記通電部および前記導電体の周縁に印加される周縁印加電圧のそれぞれが放電開始電圧以下となる条件を具備して配置されることを特徴とする電機部品。
【請求項7】
前記導電体は、前記通電部を中心として同心状に一つ以上配置されており、
前記導電体の個数は、前記絶縁体表面において隣り合う一対の通電部間に印加される電圧と、前記放電開始電圧とに基づいて設定されることを特徴とする請求項6に記載された電機部品。
【請求項8】
前記導電体は、隣り合う一対の通電部の最短区間において、前記通電部と前記導電体との間の距離がそれぞれ対応するように配置されることを特徴とする請求項6または7に記載された電機部品。
【請求項9】
前記導電体は、前記通電部と当該導電体との間の距離に加えて、隣り合う導電体間の距離もそれぞれ対応するように配置されることを特徴とする請求項8に記載された電機部品。
【請求項10】
前記導電体は、隣り合う一対の通電部のうち高電位側となる通電部の方が低電位側となる通電部よりも個数が多く配置されることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載された電機部品。
【請求項11】
前記導電体は、金属製の筒状部材を前記絶縁体に埋設することにより形成されることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載された電機部品。
【請求項12】
前記導電体は、導電性を備える塗料を塗布することにより形成されることを特徴とする
請求項6から10のいずれかに記載された電機部品。
【請求項13】
前記導電体は、抵抗体を含むことを特徴とする請求項6から12のいずれかに記載された電機部品。
【請求項14】
それぞれに電流を通電可能な2個以上の通電部と、
前記通電部のそれぞれを絶縁状態で保持する絶縁体と、
前記絶縁体表面において、前記通電部の周囲に設けられる電圧分担手段とを有し、
前記電圧分担手段は、隣り合う一対の通電部間において前記絶縁体表面に印加される電圧を分担することにより、当該絶縁体表面に分布する電位差を放電開始電圧以下に設定することを特徴とする電機部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−18907(P2012−18907A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57353(P2011−57353)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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