電気かみそりと充電器との保持構造
【課題】簡単な構造で安定して電気かみそりを保持することのできる電気かみそりと充電器との保持構造を得る。
【解決手段】電気かみそり10を装着させて少なくとも充電を行う充電器20における電気かみそり10と充電器20との保持構造において、電気かみそり10の本体11より通電端子101を突出させ、通電端子101を定位置104に誘導するガイド部103を充電器20の接点部102に設け、接点部102をばね107にて付勢している。
【解決手段】電気かみそり10を装着させて少なくとも充電を行う充電器20における電気かみそり10と充電器20との保持構造において、電気かみそり10の本体11より通電端子101を突出させ、通電端子101を定位置104に誘導するガイド部103を充電器20の接点部102に設け、接点部102をばね107にて付勢している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気かみそりと充電器との保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気かみそりを充電器に安定して装着保持するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、洗浄充電器に設けた可動保持アームで電気かみそりを引っ張って洗浄充電器に保持させる機械式保持機構が開示されている。また、特許文献2には、電気かみそりと洗浄充電器との保持に磁石の吸着力を利用した磁石式保持機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−261208号公報
【特許文献2】特開2008−18128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術によると、電気かみそりと充電器とを電気接続するためには、磁石などの吸着力を必要としたり、何らかの機構が必要であった。また、樹脂成形部分同士での位置決めや保持を実施しているため、着脱を繰り返すと樹脂成形部品に傷が入るという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、簡単な構造で安定して電気かみそりを保持することのできる電気かみそりと充電器との保持構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電気かみそりを装着させて少なくとも充電を行う充電器における電気かみそりと充電器との保持構造において、前記電気かみそり本体より通電端子を突出させ、前記通電端子を定位置に誘導するガイド部を前記充電器の接点部に設け、前記接点部を弾性体にて付勢していることを特徴とする。
【0007】
また、本発明において、前記通電端子は、前記電気かみそりの両側面の対称位置に設置されており、前記ガイド部は、前記電気かみそりの前後方向をガイドしてもよい。
【0008】
また、本発明において、前記接点部は、導電部材と非導電部材からなり、前記ガイド部は、非導電部材で構成されていてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記ガイド部は、上端開放の略V字形状に形成されていてもよい。
【0010】
また、本発明において、前記ガイド部の略V字形状は、前面側の角度の方が後面側の角度より小さくてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な構造で安定して電気かみそりを保持することのできる電気かみそりと充電器との保持構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの正面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの側面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの背面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの中央断面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりを充電器に装着したときの正面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態にかかる充電器の正面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態にかかる充電器の側面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態にかかる充電器の中央断面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態にかかる充電器の分解斜視図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態にかかる充電器の接点部の拡大図であって、(A)は電気かみそり側から見た場合の斜視図、(B)は充電器の本体ケース側から見た場合の斜視図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態にかかる充電器の接点部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、複数の外刃が並設される方向を前後方向X、各外刃が延在する方向を左右方向Y、外刃が上方を向くようにヘッド部を配置した状態における上下方向を上下方向Zとする。また、電気かみそりのスイッチ部が設けられている側を前後方向X前方とする。
【0014】
まず、本実施形態にかかる電気かみそり10の構成を図1〜図5を用いて説明する。図1は電気かみそり10の正面図、図2は電気かみそり10の側面図、図3は電気かみそり10の背面図、図4は電気かみそり10の中央断面図、図5は電気かみそり10の分解斜視図である。
【0015】
これらの図に示すように、電気かみそり10は、手で把持する本体(グリップ部)11と、本体11に支持されるヘッド部12とを備えている。本体11には、図示しない回転モータの駆動をオン・オフさせるスイッチ部13が設けられている。ヘッド部12の上方に向けて露出する外刃14の内方に配設された内刃15を外刃14に対して相対移動(左右方向Yへ往復動)させることで、外刃14の刃穴内に挿入された体毛を外刃14と内刃15とで協働して切断する。本体11の両側面の対称位置からは一対の通電端子101が突出している。この通電端子101を後述する充電器の接点部と電気接続することで電気かみそり10が充電される構造となっている。
【0016】
図5に示すように、通電端子101は充電プラグ30を介してリード線31に接続され、リード線31は電池陰極金具32及び電池陽極金具33を介して電池基台34内の蓄電池35と接続されている。通電端子101を充電器の接点部と電気接続すると、充電器から給電された電力により蓄電池35を充電することができる。
【0017】
次に、充電器20の構成を図6〜図10を用いて説明する。図6は電気かみそり10を充電器20に装着したときの正面図である。図7は充電器20の正面図、図8は充電器20の側面図、図9は充電器20の中央断面図、図10は充電器20の分解斜視図である。
【0018】
充電器20の本体ケース4の上方及び前方は開放され、充電器20の上方及び斜め前方から電気かみそり10を容易に投入できるようになっている。ヘッド部12を上向きにして電気かみそり10を充電器20に投入すると、電気かみそり10は自重で充電器20の底方向に挿入されて行く。その挿入途中で充電器20のガイド部103に電気かみそり10の通電端子101がガイドされ、充電器20の接点部102の所定の位置に電気かみそり10の通電端子101が落ち着く。充電器20の接点部102は弾性的に付勢され、接点部102が電気かみそり10の通電端子101を両側から挟み込む構造となっている。
【0019】
図10の分解斜視図では、充電器20の本体ケース4を上下方向に分解するとともに、本体ケース4と底面ケース9とを分解した状態を示している。本体ケース4と底面ケース9との間には、電源を変圧するトランス7が収容されている。本体ケース4には、LEDの駆動を制御するLED回路8と、LEDの光を導くLEDカバー5が配置されている。電気かみそり10が充電器20に装着され、電気かみそり10の通電端子101が充電器20の接点部102と電気接続されると、LEDが点灯して、充電中であることをユーザーが認識できるようになっている。
【0020】
図11は、充電器20の接点部102の拡大図であって、(A)は電気かみそり10側から見た場合の斜視図、(B)は充電器20の本体ケース4側から見た場合の斜視図である。接点部102は、金属で構成される通電部である接続金具106と、ばね107による反力により接触圧を確保する接点制動子108と、非導電部材である接点カバー105とを備えている。この図に示すように、通電端子101を定位置104に誘導するガイド部103を接点部102に設け、接点部102をばね107にて付勢している。定位置104とは、通電端子101がガイドされて最終的に落ち着く位置(下端)である。ここでは、コイル状のばね107の径の中心が定位置104に対応している。このようにすれば、ばね107による反力で通電端子101と接点部102に適切な接触圧を付加することができる。ガイド部103は、定位置104より内側に突出しているが、この突出量がばね107によって変化する。すなわち、適切な接触圧を出すために接点部102が左右方向Yに可動する構成となっている。
【0021】
このような構成によれば、電気かみそり10の通電端子101自体を充電器20の接点部102の形状のみで定位置104に誘うことができるため、通電端子101を安定して接点部102の所定の位置に接触させることが可能である。また、電気かみそり10を充電器20に装着した後に振動等で通電端子101が外れることを防ぐことも可能である。
【0022】
電気かみそり10を充電器20に装着したとき、電気かみそり10の左右方向Yの装着位置は、接点部102のピッチ距離で決まり、また、電気かみそり10の上下方向Zの装着位置は、電気かみそり10の自重で決まる。そこで、ガイド部103は、電気かみそり10の前後方向Xをガイドするようになっている。これにより、XYZの各方向が決まるため、通電端子101を安定して接点部102の定位置104に接触させることが可能である。
【0023】
電気かみそり10の下支点が充電器20と接触するかどうかは特に限定されるものではない。すなわち、電気かみそり10の通電端子101が定位置104にあるとき、電気かみそり10の下支点は浮いた状態であってもよいし、充電器20の部材と接触する状態であってもよい。
【0024】
接点部102は、導電部材と非導電部材からなり、ガイド部103は、非導電部材で構成されている。このようにガイド部103を非導電部材で構成することで、通電端子101の前後方向位置が定位置104に取り付けられていない場合は導通しない構造とすることができる。すなわち、定位置104に取り付けられていない場合は、電気かみそり10の通電端子101と充電器20の接点部102に適切な接触圧が付加されていない可能性がある。そこで、このような場合は、取り付け位置が異常であることをユーザーが認識できるようにするのが好ましい。ガイド部103を非導電部材で構成することで、定位置104に取り付けられていない場合は導通しないため、LEDが点灯しない。これにより、ユーザーは取り付け位置が異常であることを認識することができる。
【0025】
ガイド部103は、上端開放の略V字形状となるように成形材料で構成されている。このように略V字形状とすることで、より安定して通電端子101をガイドすることができる。ガイド部103の略V字形状は、図12に示すように、前面側の角度αの方が後面側の角度βより小さいのが好ましい。前面側の角度αとは、前方ガイド部103aのガイド方向と水平方向との間の角度である。後面側の角度βとは、後方ガイド部103bのガイド方向と水平方向との間の角度である。このように前面側の角度αを小さくすることで使用性が向上する。すなわち、電気かみそり10を充電器20に斜め前方から装着することが容易になる。また、電気かみそり10を充電器20から斜め前方に取り外すことも容易になる。
【0026】
以上のように、本実施形態では、電気かみそり10の本体11より通電端子101を突出させ、通電端子101を定位置104に誘導するガイド部103を充電器20の接点部102に設け、接点部102をばね107にて付勢している。これにより、簡単な構造で安定して電気かみそりを保持することのできる電気かみそり10と充電器20との保持構造を得ることが可能である。すなわち、磁石など吸着力を必要する機構が不要となるため、部品点数を削減することができる。また、電気かみそり10の金属端子を保持するようにしているため、樹脂成形部の傷を防止することができる。
【0027】
また、通電端子101は、電気かみそり10の両側面の対称位置に設置されており、ガイド部103は、電気かみそり10の前後方向をガイドするようになっている。これにより、通電端子101をより安定して接点部102の定位置104に接触させることが可能である。
【0028】
また、接点部102は、導電部材と非導電部材からなり、ガイド部103は、非導電部材で構成されている。このようにガイド部103を非導電部材で構成することで、通電端子101の前後方向位置が定位置104に取り付けられていない場合は導通しないため、LEDが点灯しない。これにより、ユーザーは取り付け位置が異常であることを認識することができる。また、ガイド部103を非導電部材にすることで、形状設定の自由度が向上するという効果もある。
【0029】
また、ガイド部103は、上端開放の略V字形状に形成されている。このように略V字形状とすることで、より安定して通電端子101をガイドすることができる。
【0030】
また、ガイド部103の略V字形状は、前面側の角度の方が後面側の角度より小さい。このように前面側の角度αを小さくすることで使用性が向上する。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ここでは、電気かみそり10の両側面の対称位置に通電端子101が設置されているが、通電端子101の位置はこれに限定されるものではない。充電器20の接点部102の位置も通電端子101の位置に合わせて適宜変更することができる。接点部102の細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜変更することが可能である。もちろん、充電器20は、電気かみそり10のヘッド部12を洗浄する機能など、充電以外の機能を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 電気かみそり
11 本体
20 充電器
101 通電端子
102 接点部
103 ガイド部
105 接点カバー(非導電部材)
106 接続金具(導電部材)
107 ばね(弾性体)
α 略V字形状の前面側の角度
β 略V字形状の後面側の角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気かみそりと充電器との保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気かみそりを充電器に安定して装着保持するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、洗浄充電器に設けた可動保持アームで電気かみそりを引っ張って洗浄充電器に保持させる機械式保持機構が開示されている。また、特許文献2には、電気かみそりと洗浄充電器との保持に磁石の吸着力を利用した磁石式保持機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−261208号公報
【特許文献2】特開2008−18128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術によると、電気かみそりと充電器とを電気接続するためには、磁石などの吸着力を必要としたり、何らかの機構が必要であった。また、樹脂成形部分同士での位置決めや保持を実施しているため、着脱を繰り返すと樹脂成形部品に傷が入るという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、簡単な構造で安定して電気かみそりを保持することのできる電気かみそりと充電器との保持構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電気かみそりを装着させて少なくとも充電を行う充電器における電気かみそりと充電器との保持構造において、前記電気かみそり本体より通電端子を突出させ、前記通電端子を定位置に誘導するガイド部を前記充電器の接点部に設け、前記接点部を弾性体にて付勢していることを特徴とする。
【0007】
また、本発明において、前記通電端子は、前記電気かみそりの両側面の対称位置に設置されており、前記ガイド部は、前記電気かみそりの前後方向をガイドしてもよい。
【0008】
また、本発明において、前記接点部は、導電部材と非導電部材からなり、前記ガイド部は、非導電部材で構成されていてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記ガイド部は、上端開放の略V字形状に形成されていてもよい。
【0010】
また、本発明において、前記ガイド部の略V字形状は、前面側の角度の方が後面側の角度より小さくてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な構造で安定して電気かみそりを保持することのできる電気かみそりと充電器との保持構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの正面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの側面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの背面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの中央断面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりの分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態にかかる電気かみそりを充電器に装着したときの正面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態にかかる充電器の正面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態にかかる充電器の側面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態にかかる充電器の中央断面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態にかかる充電器の分解斜視図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態にかかる充電器の接点部の拡大図であって、(A)は電気かみそり側から見た場合の斜視図、(B)は充電器の本体ケース側から見た場合の斜視図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態にかかる充電器の接点部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、複数の外刃が並設される方向を前後方向X、各外刃が延在する方向を左右方向Y、外刃が上方を向くようにヘッド部を配置した状態における上下方向を上下方向Zとする。また、電気かみそりのスイッチ部が設けられている側を前後方向X前方とする。
【0014】
まず、本実施形態にかかる電気かみそり10の構成を図1〜図5を用いて説明する。図1は電気かみそり10の正面図、図2は電気かみそり10の側面図、図3は電気かみそり10の背面図、図4は電気かみそり10の中央断面図、図5は電気かみそり10の分解斜視図である。
【0015】
これらの図に示すように、電気かみそり10は、手で把持する本体(グリップ部)11と、本体11に支持されるヘッド部12とを備えている。本体11には、図示しない回転モータの駆動をオン・オフさせるスイッチ部13が設けられている。ヘッド部12の上方に向けて露出する外刃14の内方に配設された内刃15を外刃14に対して相対移動(左右方向Yへ往復動)させることで、外刃14の刃穴内に挿入された体毛を外刃14と内刃15とで協働して切断する。本体11の両側面の対称位置からは一対の通電端子101が突出している。この通電端子101を後述する充電器の接点部と電気接続することで電気かみそり10が充電される構造となっている。
【0016】
図5に示すように、通電端子101は充電プラグ30を介してリード線31に接続され、リード線31は電池陰極金具32及び電池陽極金具33を介して電池基台34内の蓄電池35と接続されている。通電端子101を充電器の接点部と電気接続すると、充電器から給電された電力により蓄電池35を充電することができる。
【0017】
次に、充電器20の構成を図6〜図10を用いて説明する。図6は電気かみそり10を充電器20に装着したときの正面図である。図7は充電器20の正面図、図8は充電器20の側面図、図9は充電器20の中央断面図、図10は充電器20の分解斜視図である。
【0018】
充電器20の本体ケース4の上方及び前方は開放され、充電器20の上方及び斜め前方から電気かみそり10を容易に投入できるようになっている。ヘッド部12を上向きにして電気かみそり10を充電器20に投入すると、電気かみそり10は自重で充電器20の底方向に挿入されて行く。その挿入途中で充電器20のガイド部103に電気かみそり10の通電端子101がガイドされ、充電器20の接点部102の所定の位置に電気かみそり10の通電端子101が落ち着く。充電器20の接点部102は弾性的に付勢され、接点部102が電気かみそり10の通電端子101を両側から挟み込む構造となっている。
【0019】
図10の分解斜視図では、充電器20の本体ケース4を上下方向に分解するとともに、本体ケース4と底面ケース9とを分解した状態を示している。本体ケース4と底面ケース9との間には、電源を変圧するトランス7が収容されている。本体ケース4には、LEDの駆動を制御するLED回路8と、LEDの光を導くLEDカバー5が配置されている。電気かみそり10が充電器20に装着され、電気かみそり10の通電端子101が充電器20の接点部102と電気接続されると、LEDが点灯して、充電中であることをユーザーが認識できるようになっている。
【0020】
図11は、充電器20の接点部102の拡大図であって、(A)は電気かみそり10側から見た場合の斜視図、(B)は充電器20の本体ケース4側から見た場合の斜視図である。接点部102は、金属で構成される通電部である接続金具106と、ばね107による反力により接触圧を確保する接点制動子108と、非導電部材である接点カバー105とを備えている。この図に示すように、通電端子101を定位置104に誘導するガイド部103を接点部102に設け、接点部102をばね107にて付勢している。定位置104とは、通電端子101がガイドされて最終的に落ち着く位置(下端)である。ここでは、コイル状のばね107の径の中心が定位置104に対応している。このようにすれば、ばね107による反力で通電端子101と接点部102に適切な接触圧を付加することができる。ガイド部103は、定位置104より内側に突出しているが、この突出量がばね107によって変化する。すなわち、適切な接触圧を出すために接点部102が左右方向Yに可動する構成となっている。
【0021】
このような構成によれば、電気かみそり10の通電端子101自体を充電器20の接点部102の形状のみで定位置104に誘うことができるため、通電端子101を安定して接点部102の所定の位置に接触させることが可能である。また、電気かみそり10を充電器20に装着した後に振動等で通電端子101が外れることを防ぐことも可能である。
【0022】
電気かみそり10を充電器20に装着したとき、電気かみそり10の左右方向Yの装着位置は、接点部102のピッチ距離で決まり、また、電気かみそり10の上下方向Zの装着位置は、電気かみそり10の自重で決まる。そこで、ガイド部103は、電気かみそり10の前後方向Xをガイドするようになっている。これにより、XYZの各方向が決まるため、通電端子101を安定して接点部102の定位置104に接触させることが可能である。
【0023】
電気かみそり10の下支点が充電器20と接触するかどうかは特に限定されるものではない。すなわち、電気かみそり10の通電端子101が定位置104にあるとき、電気かみそり10の下支点は浮いた状態であってもよいし、充電器20の部材と接触する状態であってもよい。
【0024】
接点部102は、導電部材と非導電部材からなり、ガイド部103は、非導電部材で構成されている。このようにガイド部103を非導電部材で構成することで、通電端子101の前後方向位置が定位置104に取り付けられていない場合は導通しない構造とすることができる。すなわち、定位置104に取り付けられていない場合は、電気かみそり10の通電端子101と充電器20の接点部102に適切な接触圧が付加されていない可能性がある。そこで、このような場合は、取り付け位置が異常であることをユーザーが認識できるようにするのが好ましい。ガイド部103を非導電部材で構成することで、定位置104に取り付けられていない場合は導通しないため、LEDが点灯しない。これにより、ユーザーは取り付け位置が異常であることを認識することができる。
【0025】
ガイド部103は、上端開放の略V字形状となるように成形材料で構成されている。このように略V字形状とすることで、より安定して通電端子101をガイドすることができる。ガイド部103の略V字形状は、図12に示すように、前面側の角度αの方が後面側の角度βより小さいのが好ましい。前面側の角度αとは、前方ガイド部103aのガイド方向と水平方向との間の角度である。後面側の角度βとは、後方ガイド部103bのガイド方向と水平方向との間の角度である。このように前面側の角度αを小さくすることで使用性が向上する。すなわち、電気かみそり10を充電器20に斜め前方から装着することが容易になる。また、電気かみそり10を充電器20から斜め前方に取り外すことも容易になる。
【0026】
以上のように、本実施形態では、電気かみそり10の本体11より通電端子101を突出させ、通電端子101を定位置104に誘導するガイド部103を充電器20の接点部102に設け、接点部102をばね107にて付勢している。これにより、簡単な構造で安定して電気かみそりを保持することのできる電気かみそり10と充電器20との保持構造を得ることが可能である。すなわち、磁石など吸着力を必要する機構が不要となるため、部品点数を削減することができる。また、電気かみそり10の金属端子を保持するようにしているため、樹脂成形部の傷を防止することができる。
【0027】
また、通電端子101は、電気かみそり10の両側面の対称位置に設置されており、ガイド部103は、電気かみそり10の前後方向をガイドするようになっている。これにより、通電端子101をより安定して接点部102の定位置104に接触させることが可能である。
【0028】
また、接点部102は、導電部材と非導電部材からなり、ガイド部103は、非導電部材で構成されている。このようにガイド部103を非導電部材で構成することで、通電端子101の前後方向位置が定位置104に取り付けられていない場合は導通しないため、LEDが点灯しない。これにより、ユーザーは取り付け位置が異常であることを認識することができる。また、ガイド部103を非導電部材にすることで、形状設定の自由度が向上するという効果もある。
【0029】
また、ガイド部103は、上端開放の略V字形状に形成されている。このように略V字形状とすることで、より安定して通電端子101をガイドすることができる。
【0030】
また、ガイド部103の略V字形状は、前面側の角度の方が後面側の角度より小さい。このように前面側の角度αを小さくすることで使用性が向上する。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ここでは、電気かみそり10の両側面の対称位置に通電端子101が設置されているが、通電端子101の位置はこれに限定されるものではない。充電器20の接点部102の位置も通電端子101の位置に合わせて適宜変更することができる。接点部102の細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜変更することが可能である。もちろん、充電器20は、電気かみそり10のヘッド部12を洗浄する機能など、充電以外の機能を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 電気かみそり
11 本体
20 充電器
101 通電端子
102 接点部
103 ガイド部
105 接点カバー(非導電部材)
106 接続金具(導電部材)
107 ばね(弾性体)
α 略V字形状の前面側の角度
β 略V字形状の後面側の角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気かみそりを装着させて少なくとも充電を行う充電器における電気かみそりと充電器との保持構造において、
前記電気かみそり本体より通電端子を突出させ、前記通電端子を定位置に誘導するガイド部を前記充電器の接点部に設け、前記接点部を弾性体にて付勢していることを特徴とする電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項2】
前記通電端子は、前記電気かみそりの両側面の対称位置に設置されており、前記ガイド部は、前記電気かみそりの前後方向をガイドすることを特徴とする請求項1記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項3】
前記接点部は、導電部材と非導電部材からなり、前記ガイド部は、非導電部材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項4】
前記ガイド部は、上端開放の略V字形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項5】
前記ガイド部の略V字形状は、前面側の角度の方が後面側の角度より小さいことを特徴とする請求項4記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項1】
電気かみそりを装着させて少なくとも充電を行う充電器における電気かみそりと充電器との保持構造において、
前記電気かみそり本体より通電端子を突出させ、前記通電端子を定位置に誘導するガイド部を前記充電器の接点部に設け、前記接点部を弾性体にて付勢していることを特徴とする電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項2】
前記通電端子は、前記電気かみそりの両側面の対称位置に設置されており、前記ガイド部は、前記電気かみそりの前後方向をガイドすることを特徴とする請求項1記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項3】
前記接点部は、導電部材と非導電部材からなり、前記ガイド部は、非導電部材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項4】
前記ガイド部は、上端開放の略V字形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【請求項5】
前記ガイド部の略V字形状は、前面側の角度の方が後面側の角度より小さいことを特徴とする請求項4記載の電気かみそりと充電器との保持構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−90523(P2013−90523A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231533(P2011−231533)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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