電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器
【課題】表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制する。
【解決手段】電気光学装置の制御方法は、画像書き換えの際、フレーム期間中に、第1階調(白色)から第2階調(黒色)へ変化することとなる第1領域(Rwb)の画素電極(21)に第2階調電位(VH)を供給し、第2階調から第1階調へ変化することとなる第2領域(Rbw)の画素電極に第1階調電位(VL)を供給し、第1階調で変化しない第3領域(Rww)及び第2階調で変化しない第4領域(Rbb)に対応する画素電極に対向電極(22)の電位と同一の電位(GND)を供給するように、駆動部(60、70)を制御する工程と、フレーム期間中に、第3領域のうち第1領域に隣り合うとともに第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む第5領域(Rs)に対応する画素電極に第1階調電位を供給するように、駆動部を制御する工程とを含む。
【解決手段】電気光学装置の制御方法は、画像書き換えの際、フレーム期間中に、第1階調(白色)から第2階調(黒色)へ変化することとなる第1領域(Rwb)の画素電極(21)に第2階調電位(VH)を供給し、第2階調から第1階調へ変化することとなる第2領域(Rbw)の画素電極に第1階調電位(VL)を供給し、第1階調で変化しない第3領域(Rww)及び第2階調で変化しない第4領域(Rbb)に対応する画素電極に対向電極(22)の電位と同一の電位(GND)を供給するように、駆動部(60、70)を制御する工程と、フレーム期間中に、第3領域のうち第1領域に隣り合うとともに第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む第5領域(Rs)に対応する画素電極に第1階調電位を供給するように、駆動部を制御する工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気泳動表示装置等の電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例として、電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟んで対向する画素電極及び対向電極間に電圧を印加して、例えば黒色粒子及び白色粒子等の電気泳動粒子を移動させることで表示部に画像を表示する電気泳動表示装置がある(例えば特許文献1及び2参照)。電気泳動素子は、例えば、複数の電気泳動粒子を夫々含む複数のマイクロカプセルから構成され、画素電極及び対向電極間に、樹脂等からなる接着剤によって固定される。なお、対向電極は、共通電極と呼ばれることもある。
【0003】
このような電気泳動表示装置では、表示部に表示されている画像を書き換える際、画像が部分的にしか変化しない場合には、変化する部分に対応する画素のみの画素電極及び対向電極間に電圧を印加することにより、画像を部分的に書き換える駆動方法(以下「部分書き換え駆動」と適宜称する)が採用されることがある。このような部分書き換え駆動が採用された電気泳動表示装置では、例えば、表示部に表示される画像のうち黒色で表示される黒画像部分と白色で表示される白画像部分との境界部が滲んだように表示されてしまうおそれがある、言い換えれば、黒画像部分の輪郭部が白画像部分側に広がったように(或いは膨らんだように)表示されてしまうおそれがあることが知られている(例えば特許文献2参照)。このような境界部の滲みが発生すると、黒画像部分に対応する画素のみに電圧を印加することにより、表示部に表示される画像を全白画像に書き換えた場合、境界部の滲みが残像として残ってしまう、言い換えれば、表示されていた黒画像部分の輪郭部に沿った残像が発生してしまうおそれがある。なお、以下では、このような輪郭部に沿った残像が発生する現象、或いは、このような輪郭部に沿った残像そのものを「輪郭残像」と適宜称する。例えば特許文献2には、表示部に表示された画像を部分書き換え駆動により全白画像に書き換える(即ち、黒画像部分を消去する)際、黒画像部分に対応する画素に加えて、黒画像部分の輪郭部に対応する画素と隣り合って配置され白色を表示する画素にも電圧を印加することにより、輪郭残像を消去する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3750565号公報
【特許文献2】特開2010−113281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した例えば特許文献2に開示された技術によれば、輪郭残像を消去できるが、前述したような境界部の滲みの発生を抑制できないという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、高品質な画像を表示可能な電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気光学装置の制御方法は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御工程と、前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御工程とを含む。
【0008】
本発明に係る電気光学装置の制御方法によって制御される電気光学装置は、例えばアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置などであり、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して例えばマトリクス状に配列された複数の画素を有する表示部と、各画素の画素電極に画像データに応じたデータ電位を供給する駆動部とを備える。駆動部が、所定のフレーム期間中に、複数の画素の各々における画素電極に画像データに応じたデータ電位を供給する(具体的には、所定のフレーム期間中に、複数の走査線を所定の順番で1回ずつ選択するとともに、該選択した走査線に対応する画素における画素電極にデータ電位を複数のデータ線を介して供給する)電位供給(言い換えれば、所定のフレーム期間中に画像データに応じたデータ電位を複数の画素の各々の画素電極に書き込む書き込み動作)を複数回行うことにより、表示部に画像データに応じた画像が表示される。即ち、複数の画素の各々の画素電極に所定のフレーム期間を周期としてデータ電位が複数回書き込まれることにより、表示部に画像データに応じた画像が表示される。ここで、本発明に係る「フレーム期間」は、複数の走査線を所定の順番で1回ずつ選択する期間として予め定められた期間である。つまり、連続する複数のフレーム期間の各々において、複数の画素の各々における画素電極にデータ電位を供給する電位供給が駆動部によって1回ずつ行われることにより表示部に画像データに応じた画像が表示される。
【0009】
本発明に係る電気光学装置の制御方法によれば、表示部に表示されている画像(例えば、白色及び黒色の2階調からなる2階調画像)を書き換える画像書き換えの際、前述した複数回の電位供給として、第1制御工程及び第2制御工程が行われる。
【0010】
第1制御工程は、フレーム期間において、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)から第2階調(例えば黒色)へ変化することとなる第1領域に対応する画素の画素電極にデータ電位として第2階調に応じた第2階調電位(例えば、対向電極の電位よりも高い高電位、具体的には、例えば+15ボルト)を供給し、表示すべき階調が第2階調(例えば黒色)から第1階調(例えば白色)へ変化することとなる第2領域に対応する画素の画素電極にデータ電位として第1階調に応じた第1階調電位(例えば、対向電極の電位よりも低い低電位、具体的には、例えば−15ボルト)を供給し、表示すべき階調が変化しない第3及び第4領域の各々に対応する画素の画素電極に対向電極の電位と同一の電位(例えば0ボルト)を供給するように、駆動部を制御する。よって、第1制御工程では、画像書き換えの際、画像が部分的にしか変化しない場合には、変化する部分(即ち、第1及び第2領域)に対応する画素のみにおける画素電極及び対向電極間に電圧が印加され、画像が部分的に書き換えられる。この際、変化しない部分(即ち、第3及び第4領域)に対応する画素の画素電極には対向電極の電位と同一の電位が供給されているため、画素電極及び対向電極間に電圧が印加されず、画像は変化しない。ここで、「対向電極の電位と同一の電位」とは、厳密に等しい電位のみを指す趣旨ではなく、僅かに異なる電位であることを含む。例えば、対向電極電位が、フィードスルーによる画素電極電位の変動を考慮して、第3、第4領域の画素電極に供給される電位とは異なる値とされている場合においても、第3、第4領域の画素電極に供給される電位と対向電極の電位とが同一であるとみなす。
【0011】
第2制御工程は、フレーム期間において、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)のままで変化しない第3領域のうち、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)から第2階調(例えば黒色)へ変化することとなる第1領域に隣り合うとともに該第1領域を所定幅(例えば一画素の大きさに対応する幅)で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する画素の画素電極にデータ電位として第1階調電位(例えば、対向電極の電位よりも低い低電位、具体的には、例えば−15ボルト)を供給するように、駆動部を制御する。よって、第2制御工程では、画像書き換えの際、第5領域に対応する画素の画素電極及び対向電極間に第1階調電位(例えば−15ボルト)と対向電極の電位(例えば0ボルト)との電位差に応じた電圧が印加される。なお、本発明に係る「所定幅」は、例えば一画素の大きさに対応する幅や二画素の大きさに対応する幅などであり、第1領域の縁から、第3領域に対応する画素のうち第1領域に対応する画素からの電気的な悪影響を受けない画素までの長さとして設定される。
【0012】
よって、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)のままで変化しない第3領域のうち、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)から第2階調(例えば黒色)へ変化することとなる第1領域に隣り合うとともに該第1領域を少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する画素における画素電極及び対向電極間に第1階調に応じた電圧を印加することができ、第5領域に対応する画素に第1階調(例えば白色)を確実に表示させることができる。したがって、表示部に表示される画像のうち第1階調で表示される第1階調画像(例えば白画像)と第2階調で表示される第2階調画像(例えば黒画像)との境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生も抑制できる。
【0013】
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置によれば、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。この結果、高品位な画像を表示することが可能となる。
【0014】
本発明に係る電気光学装置の制御方法の一態様では、前記第2制御工程は、前記複数回の電位供給のうち後半の電位供給の少なくとも一の電位供給として行われる。
【0015】
この態様によれば、第2制御工程は、複数回の電位供給のうち後半の少なくとも一の電位供給(典型的には、最終回の電位供給であり、最終回の電位供給が、全画素に基準電位GNDを書き込んで残留電荷を抜く「ディスチャージ」に相当する場合には最終回の一つ前の電位供給)として行われるので、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生をより確実に抑制できる。
【0016】
本発明に係る電気光学装置の制御方法の他の態様では、前記第2制御工程は、前記第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調電位を供給し、前記第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する。
【0017】
この態様によれば、画像書き換えの際、表示すべき階調が変化することとなる画素(言い換えれば、階調を変化させるべき画素)における画素電極及び対向電極間に第1階調又は第2階調に応じた電圧をより長い時間印加でき、階調を変化させるべき画素の階調をより確実に変化させることができる。よって、よりくっきりとした画像を表示部に表示させることができる。更に、各画素についてDCバランス比(即ち、画素電極及び対向電極間に第1階調に応じた電圧が印加される時間と、画素電極及び対向電極間に第2階調に応じた電圧が印加される時間との比)が崩れてしまうのを抑制或いは防止できる。即ち、各画素について、画素電極及び対向電極間に第1階調に応じた電圧が印加される時間と第2階調に応じた電圧が印加される時間との差を小さくすることができる。
【0018】
本発明に係る電気光学装置の制御装置は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々における前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御手段と、前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御手段とを備える。
【0019】
本発明に係る電気光学装置の制御装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法と同様に、電気光学装置において、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。
【0020】
なお、本発明に係る電気光学装置の制御装置においても、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0021】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0022】
本発明に係る電気光学装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置を備えるので、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。
【0023】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0024】
本発明に係る電子機器によれば、前述した本発明に係る電気光学装置を備えるので、高品質な画像を表示することが可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
【0025】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図3】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【図4】書き換え前の画像と書き換え後の画像の一例を示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係る電気泳動表示装置における画像書き換えの際の複数の画素電極へのデータ電位の供給方法を概念的に示す概念図である。
【図6】第1フレーム期間T1に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図である。
【図7】第4フレーム期間T4に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図である。
【図8】表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を説明するための模式図である。
【図9】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図である。
【図10】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ノートの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置の一例である電気泳動表示装置を例にとる。
【0028】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図7を参照して説明する。
【0029】
まず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【0031】
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置であり、表示部3と、コントローラー10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。なお、コントローラー10が本発明に係る「電気光学装置の制御装置」の一例である。また、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70が本発明に係る「駆動部」の一例を構成する。
【0032】
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
【0033】
コントローラー10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
【0034】
走査線駆動回路60は、コントローラー10による制御下で、所定のフレーム期間中に、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
【0035】
データ線駆動回路70は、コントローラー10による制御下で、データ線X1、X2、…、Xnにデータ電位を供給する。データ電位は、基準電位GND(例えば0ボルト)、高電位VH(例えば+15ボルト)又は低電位VL(例えば−15ボルト)のいずれかの電位をとる。なお、後述するように、本実施形態では、前述した部分書き換え駆動が採用されている。また、低電位VLが本発明に係る「第1階調電位」の一例であり、高電位VHが本発明に係る「第2階調電位」の一例である。
【0036】
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcom(本実施形態では、基準電位GNDと同一の電位)を供給する。なお、共通電位Vcomは、共通電位Vcomが供給された対向電極22と基準電位GNDが供給された画素電極21との間に電圧が実質的に生じない範囲内で、基準電位GNDとは異なる電位であってもよい。例えば、共通電位Vcomが、フィードスルーによる画素電極21の電位の変動を考慮して、画素電極21に供給される基準電位GNDとは異なる値とされていてもよく、この場合であっても、本明細書では、共通電位Vcomと基準電位GNDとが同一であるとみなす。ここで、フィードスルーとは、走査線40に走査信号が供給され、データ線50を介して画素電極21に電位が供給された後に、走査線40への走査信号の供給が終了した際(例えば走査線40の電位が低下した際)、画素電極21の電位が、走査線40との間の寄生容量に起因して変動する(例えば走査線40の電位低下とともに低下する)現象をいう。共通電位Vcomは、フィードスルーにより画素電極21の電位が低下することを予め想定して、画素電極21に供給される基準電位GNDより僅かに低い値とされることがあるが、この場合も共通電位Vcomと基準電位GNDとが同電位であるとみなす。
【0037】
なお、コントローラー10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
【0038】
図2は、画素20の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0039】
図2において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24と、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えている。
【0040】
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図1参照)からデータ線50を介して供給されるデータ電位を、走査線駆動回路60(図1参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及び保持容量27に出力する。
【0041】
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ電位が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して対向電極22と互いに対向するように配置されている。
【0042】
対向電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
【0043】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
【0044】
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によってデータ電位を一定期間だけ維持することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図3を参照して説明する。
【0046】
図3は、電気泳動表示装置1の表示部3の部分断面図である。
【0047】
図3において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
【0048】
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して前述した画素スイッチング用トランジスター24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0049】
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、対向電極22が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。対向電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0050】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。なお、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動素子23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
【0051】
マイクロカプセル80は、画素電極21及び対向電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
【0052】
マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
【0053】
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
【0054】
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
【0055】
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
【0056】
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
【0057】
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と対向電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
【0058】
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
【0059】
図3において、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に対向電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられるとともに、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、対向電極22側)には白色粒子82が集まることになり、表示部3の表示面にはこの白色粒子82の色(即ち、白色)が表示されることとなる。逆に、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられるとともに、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側には黒色粒子83が集まることになり、表示部3の表示面にはこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)が表示されることとなる。
【0060】
なお、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
【0061】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の制御方法について、図4から図7を参照して説明する。以下では、図4に示すように、表示部3に表示される画像が、画像P1から画像P2に書き換えられる場合を例にとりながら、前述した電気泳動表示装置1の制御方法について説明する。なお、画像P1及びP2の各々は、黒色及び白色の2階調からなる2階調画像である。図4は、書き換え前の画像P1と書き換え後の画像P2の一例を示す平面図である。
【0062】
図5は、電気泳動表示装置1における画像書き換えの際の複数の画素電極21へのデータ電位の供給方法を概念的に示す概念図である。なお、図5には、その上段側に、複数のフレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々について複数の画素電極21に供給されるデータ電位が概念的に示されており、その下段側に、各フレーム期間T1、T2、T3及びT4において複数の画素電極21にデータ電位が供給されることにより表示部3に表示されることとなる画像が概念的に示されている。
【0063】
図5に示すように、本実施形態では、表示部3に表示されている画像を画像P1から画像P2へ書き換える際、4つのフレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々において、複数の画素20の各々の画素電極21に、画像P1及びP2の画像データに応じたデータ電位を供給することにより、表示部3に画像P2を表示させる。ここで、フレーム期間T1、T2、T3及びT4は、m本の走査線を順次に1回ずつ選択する期間として予め定められた期間である。つまり、フレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々において、複数の画素20の各々の画素電極21へのデータ電位の供給(以下、「データ電位供給」と適宜称する)が、コントローラー10による制御下で走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70(以下、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70を「駆動部」と適宜総称する)によって1回ずつ行われることにより表示部3に表示されていた画像が画像P1から画像P2に書き換えられる。
【0064】
次に、フレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々におけるデータ電位供給について、図5に加えて図6及び図7を参照して説明する。
【0065】
図6は、第1フレーム期間T1に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図であり、図7は、第4フレーム期間T4に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図である。なお、本実施形態では、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3の各々において、第1フレーム期間T1と同様のデータ電位供給が行われる。
【0066】
図5及び図6において、表示部3に表示されている画像を画像P1から画像P2へ書き換える際、まず、第1フレーム期間T1において、以下のようなデータ電位供給が行われる。なお、データ電位供給は、コントローラー10による制御下で、駆動部(即ち、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70)によって行われる。
【0067】
即ち、第1フレーム期間T1では、表示すべき階調が白色から黒色へ変化することとなる領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)が供給され、表示すべき階調が黒色から白色へ変化することとなる領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)が供給され、表示すべき階調が白色のままで変化しない領域Rww及び黒色のままで変化しない領域Rbbの各々に対応する画素20の画素電極21にデータ電位として基準電位GND(例えば0ボルト)が供給される。なお、領域Rwbは本発明に係る「第1領域」の一例であり、領域Rbwは本発明に係る「第2領域」の一例であり、領域Rwwは本発明に係る「第3領域」の一例であり、領域Rbbは本発明に係る「第4領域」の一例である。第1フレーム期間T1においてこのようなデータ電位供給が行われることにより、表示部3には例えば画像M1(図5参照)が表示される。即ち、第1フレーム期間T1においてこのようなデータ電供給が行われた後には、白色を表示していた画素20のうち領域Rwbに対応する画素20では例えば薄い灰色など白色から黒色側にやや近づいた色が表示され、黒色を表示していた画素20のうち領域Rbbに対応する画素20では例えば濃い灰色など黒色から白色側にやや近づいた色が表示され、白色を表示していた画素20のうち領域Rwwに対応する画素20では引き続き白色が表示され、黒色を表示していた画素20のうち領域Rbbに対応する画素20では引き続き黒色が表示される。
【0068】
次に、第1フレーム期間T1の後の第2フレーム期間T2、及びこの第2フレーム期間T2の後の第3フレーム期間T3の各々において、第1フレーム期間T1と同様のデータ電位供給が行われる。即ち、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3の各々では、領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)が供給され、領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)が供給され、領域Rww及び黒色のままで変化しない領域Rbbの各々に対応する画素20の画素電極21にデータ電位として基準電位GND(例えば0ボルト)が供給される。第2フレーム期間T2においてこのようなデータ電位供給が行われることにより、表示部3には例えば画像M2(図5参照)が表示され、第3フレーム期間T3においてこのようなデータ電位供給が行われることにより、表示部3には例えば画像M3(図5参照)が表示される。
【0069】
次に、図5及び図7において、第3フレーム期間T3の後の第4フレーム期間T4において、以下のようにデータ電位供給が行われる。
【0070】
即ち、第4フレーム期間T4では、領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)が供給され、領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)が供給され、領域Rbbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として基準電位GND(例えば0ボルト)が供給され、領域Rwwのうち領域Rwbに隣り合うとともに領域Rwbを所定幅(例えば一画素の大きさに対応する幅)で部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VLが供給され、領域Rwwのうち領域Rsを除く領域Rwwaに対応すする画素20の画素電極21に基準電位GND(例えば0ボルト)が供給される。なお、領域Rsは本発明に係る「第5領域」の一例である。ここで、「部分的に取り囲む領域Rs」とは、領域Rwbに隣り合う領域のうち、少なくとも領域Rbbを除いた領域を指す。このようにすれば、黒を表示すべき領域Rbbの画素電極21に低電位VLが供給されて、領域Rbbが白方向に書き換わるのを避けることができる。また、「部分的に取り囲む領域Rs」は、領域Rwbに隣り合う領域のうち、領域Rbbと、輪郭残像が生じないことが予め分かっている領域(例えば領域Rwbに斜めに隣り合う画素)とを除いた領域としてもよい。
【0071】
よって、第4フレーム期間T4では、領域Rwbに隣り合うとともにこの領域Rwbを所定幅で部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20の画素電極21と対向電極22との間に低電位VL(例えば−15ボルト)と基準電位GND(例えば0ボルト)との電位差に応じた電圧が印加される。
【0072】
したがって、表示すべき階調が白色のままで変化しない領域Rwwのうち、表示すべき階調が白色から黒色へ変化することとなる領域Rwbに隣り合うとともにこの領域Rwbを部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20に白色を確実に表示させることができる。これにより、表示部3に表示される画像のうち白色で表示される白画像と黒色で表示される黒画像との境界部の滲みの発生を抑制できる。この結果、輪郭残像の発生も抑制できる。
【0073】
ここで、図5に示すように、例えば第3フレーム期間T3において前述したようなデータ電位供給が行われた後に表示部3に表示される画像M3に、領域Rwwにおける領域Rbwとの境界付近に、例えば灰色など白色から黒色側に近づいた色が表示される滲み部910が発生するおそれがある。
【0074】
図8は、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生を説明するための模式図である。
【0075】
図8に示すように、領域Rwwに対応する画素20wwの画素電極21wwにデータ電位として基準電位GNDが供給されるととともに、この画素20wwに隣り合う領域wbに対応する画素20wbの画素電極21wbにデータ電位として高電位VHが供給された場合、画素スイッチング用トランジスター24(図2参照)がオフ状態とされたときに、画素電極21wbと画素電極21wwとの間にリーク電流が生じて、基準電位GNDであった画素電極21wwの電位が高くなる(即ち、高電位VHに近づく)おそれがある。よって、画素20wwにおいて、画素電極21wwと対向電極22との間に生じた電位差によって、黒色粒子83が対向電極22側に移動するとともに白色粒子が画素電極21ww側に移動してしまうおそれがある。したがって、白色を表示すべき画素20wwにおいて、灰色や黒色などの白色とは異なる色が表示されてしまうおそれがある。この結果、表示部3に表示される画像における黒画像部分と白画像部分との境界部の滲みが発生してしまうおそれがある。
【0076】
しかるに、本実施形態では特に、前述したように、第4フレーム期間T4では、表示すべき階調が白色のままで変化しない領域Rwwのうち、表示すべき階調が白色から黒色へ変化することとなる領域Rwbに隣り合うとともにこの領域Rwbを所定幅で部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VLを供給するので、領域Rsにおける画素20に白色を確実に表示させることができる。よって、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制できる。
【0077】
更に、本実施形態では特に、第4フレーム期間T4において、領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)を供給し、領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)を供給する。よって、階調を白色から黒色に変化させるべき画素20である領域Rwbに対応する画素20の階調を確実に黒色に変化させることができるとともに、階調を黒色から白色に変化させるべき画素20である領域Rbwに対応する画素20の階調を確実に白に変化させることができる。よって、画像P2をよりくっきりとした画像として表示部3に表示させることができる。更に、各画素20についてDCバランス比(即ち、画素電極21及び対向電極22間に白色に応じた電圧(即ち、低電位VLと基準電位GNDとの電位差)が印加される時間と、画素電極21及び対向電極22間に黒色に応じた電圧(即ち、高電位VHと基準電位GNDとの電位差)が印加される時間との比)が崩れてしまうのを抑制或いは防止できる。即ち、各画素20について、画素電極21及び対向電極22間に白色に応じた電圧が印加される時間と黒色に応じた電圧が印加される時間との差を小さくすることができる。
【0078】
加えて、本実施形態では特に、前述したような領域Rsに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VLを供給するデータ電位供給(以下、「境界領域データ電位供給」と適宜称する)は、表示部3に表示されている画像を書き換える際の連続する4つのフレーム期間T1、…、T4のうちの最後のフレーム期間である第4フレーム期間T4で行われる。よって、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生をより確実に抑制できる。
【0079】
なお、本実施形態では、前述した境界領域データ電位供給が、4つの連続するフレーム期間T1、…、T4のうち最終のフレーム期間である第4フレーム期間T4のみで行われる例を挙げたが、境界領域データ電位供給は、第4フレーム期間T4に加えて、第1フレーム期間T1、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3の少なくともいずれかにおいて行われてもよい。即ち、第4フレーム期間T4に加えて、第1フレーム期間T1、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3のいずれかにおいても、第4フレーム期間T4において行われる前述したデータ電位供給が行われてもよい。また、前述した境界領域データ電位供給は、4つのフレーム期間T1、…、T4の後半のフレーム期間(即ち、第3フレーム期間T3及び第4フレーム期間T4)のうちの少なくとも一のフレーム期間で行われることが好ましい。この場合には、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生をより確実に抑制できる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置1によれば、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。この結果、高品位な画像を表示することが可能となる。
【0081】
<電子機器>
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図9及び図10を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
【0082】
図9は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
【0083】
図9に示すように、電子ペーパー1400は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
【0084】
図10は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
【0085】
図10に示すように、電子ノート1500は、図9で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0086】
前述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。
【0087】
なお、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、前述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
【0088】
なお、上記実施形態では、白色粒子82が負に帯電し、黒色粒子83が正に帯電している例で説明したが、白色粒子82が正に帯電し、黒色粒子83が負に帯電していてもよい。また、電気泳動素子23は、マイクロカプセル80を有する構成に限られず、隔壁によって仕切られた空間に電気泳動分散媒と電気泳動粒子が含まれる構成であってもよい。また、電気光学装置として電気泳動素子23を有するものを例に説明したが、これに限定する趣旨ではない。電気光学装置は、上記実施形態のように輪郭残像が生じ得る表示素子を備えるものであればどのようなものであってもよく、例えば電子粉流体を用いた電気光学装置であってもよい。
【0089】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
3…表示部、10…コントローラー、20…画素、21…画素電極、22…対向電極、24…画素スイッチング用トランジスター、28…素子基板、29…対向基板、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…黒色粒子、220…共通電位供給回路、VL…低電位、VH…高電位、GND…基準電位、Rwb、Rbw、Rww、Rbb、Rs…領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気泳動表示装置等の電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例として、電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟んで対向する画素電極及び対向電極間に電圧を印加して、例えば黒色粒子及び白色粒子等の電気泳動粒子を移動させることで表示部に画像を表示する電気泳動表示装置がある(例えば特許文献1及び2参照)。電気泳動素子は、例えば、複数の電気泳動粒子を夫々含む複数のマイクロカプセルから構成され、画素電極及び対向電極間に、樹脂等からなる接着剤によって固定される。なお、対向電極は、共通電極と呼ばれることもある。
【0003】
このような電気泳動表示装置では、表示部に表示されている画像を書き換える際、画像が部分的にしか変化しない場合には、変化する部分に対応する画素のみの画素電極及び対向電極間に電圧を印加することにより、画像を部分的に書き換える駆動方法(以下「部分書き換え駆動」と適宜称する)が採用されることがある。このような部分書き換え駆動が採用された電気泳動表示装置では、例えば、表示部に表示される画像のうち黒色で表示される黒画像部分と白色で表示される白画像部分との境界部が滲んだように表示されてしまうおそれがある、言い換えれば、黒画像部分の輪郭部が白画像部分側に広がったように(或いは膨らんだように)表示されてしまうおそれがあることが知られている(例えば特許文献2参照)。このような境界部の滲みが発生すると、黒画像部分に対応する画素のみに電圧を印加することにより、表示部に表示される画像を全白画像に書き換えた場合、境界部の滲みが残像として残ってしまう、言い換えれば、表示されていた黒画像部分の輪郭部に沿った残像が発生してしまうおそれがある。なお、以下では、このような輪郭部に沿った残像が発生する現象、或いは、このような輪郭部に沿った残像そのものを「輪郭残像」と適宜称する。例えば特許文献2には、表示部に表示された画像を部分書き換え駆動により全白画像に書き換える(即ち、黒画像部分を消去する)際、黒画像部分に対応する画素に加えて、黒画像部分の輪郭部に対応する画素と隣り合って配置され白色を表示する画素にも電圧を印加することにより、輪郭残像を消去する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3750565号公報
【特許文献2】特開2010−113281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した例えば特許文献2に開示された技術によれば、輪郭残像を消去できるが、前述したような境界部の滲みの発生を抑制できないという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、高品質な画像を表示可能な電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気光学装置の制御方法は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御工程と、前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御工程とを含む。
【0008】
本発明に係る電気光学装置の制御方法によって制御される電気光学装置は、例えばアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置などであり、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して例えばマトリクス状に配列された複数の画素を有する表示部と、各画素の画素電極に画像データに応じたデータ電位を供給する駆動部とを備える。駆動部が、所定のフレーム期間中に、複数の画素の各々における画素電極に画像データに応じたデータ電位を供給する(具体的には、所定のフレーム期間中に、複数の走査線を所定の順番で1回ずつ選択するとともに、該選択した走査線に対応する画素における画素電極にデータ電位を複数のデータ線を介して供給する)電位供給(言い換えれば、所定のフレーム期間中に画像データに応じたデータ電位を複数の画素の各々の画素電極に書き込む書き込み動作)を複数回行うことにより、表示部に画像データに応じた画像が表示される。即ち、複数の画素の各々の画素電極に所定のフレーム期間を周期としてデータ電位が複数回書き込まれることにより、表示部に画像データに応じた画像が表示される。ここで、本発明に係る「フレーム期間」は、複数の走査線を所定の順番で1回ずつ選択する期間として予め定められた期間である。つまり、連続する複数のフレーム期間の各々において、複数の画素の各々における画素電極にデータ電位を供給する電位供給が駆動部によって1回ずつ行われることにより表示部に画像データに応じた画像が表示される。
【0009】
本発明に係る電気光学装置の制御方法によれば、表示部に表示されている画像(例えば、白色及び黒色の2階調からなる2階調画像)を書き換える画像書き換えの際、前述した複数回の電位供給として、第1制御工程及び第2制御工程が行われる。
【0010】
第1制御工程は、フレーム期間において、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)から第2階調(例えば黒色)へ変化することとなる第1領域に対応する画素の画素電極にデータ電位として第2階調に応じた第2階調電位(例えば、対向電極の電位よりも高い高電位、具体的には、例えば+15ボルト)を供給し、表示すべき階調が第2階調(例えば黒色)から第1階調(例えば白色)へ変化することとなる第2領域に対応する画素の画素電極にデータ電位として第1階調に応じた第1階調電位(例えば、対向電極の電位よりも低い低電位、具体的には、例えば−15ボルト)を供給し、表示すべき階調が変化しない第3及び第4領域の各々に対応する画素の画素電極に対向電極の電位と同一の電位(例えば0ボルト)を供給するように、駆動部を制御する。よって、第1制御工程では、画像書き換えの際、画像が部分的にしか変化しない場合には、変化する部分(即ち、第1及び第2領域)に対応する画素のみにおける画素電極及び対向電極間に電圧が印加され、画像が部分的に書き換えられる。この際、変化しない部分(即ち、第3及び第4領域)に対応する画素の画素電極には対向電極の電位と同一の電位が供給されているため、画素電極及び対向電極間に電圧が印加されず、画像は変化しない。ここで、「対向電極の電位と同一の電位」とは、厳密に等しい電位のみを指す趣旨ではなく、僅かに異なる電位であることを含む。例えば、対向電極電位が、フィードスルーによる画素電極電位の変動を考慮して、第3、第4領域の画素電極に供給される電位とは異なる値とされている場合においても、第3、第4領域の画素電極に供給される電位と対向電極の電位とが同一であるとみなす。
【0011】
第2制御工程は、フレーム期間において、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)のままで変化しない第3領域のうち、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)から第2階調(例えば黒色)へ変化することとなる第1領域に隣り合うとともに該第1領域を所定幅(例えば一画素の大きさに対応する幅)で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する画素の画素電極にデータ電位として第1階調電位(例えば、対向電極の電位よりも低い低電位、具体的には、例えば−15ボルト)を供給するように、駆動部を制御する。よって、第2制御工程では、画像書き換えの際、第5領域に対応する画素の画素電極及び対向電極間に第1階調電位(例えば−15ボルト)と対向電極の電位(例えば0ボルト)との電位差に応じた電圧が印加される。なお、本発明に係る「所定幅」は、例えば一画素の大きさに対応する幅や二画素の大きさに対応する幅などであり、第1領域の縁から、第3領域に対応する画素のうち第1領域に対応する画素からの電気的な悪影響を受けない画素までの長さとして設定される。
【0012】
よって、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)のままで変化しない第3領域のうち、表示すべき階調が第1階調(例えば白色)から第2階調(例えば黒色)へ変化することとなる第1領域に隣り合うとともに該第1領域を少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する画素における画素電極及び対向電極間に第1階調に応じた電圧を印加することができ、第5領域に対応する画素に第1階調(例えば白色)を確実に表示させることができる。したがって、表示部に表示される画像のうち第1階調で表示される第1階調画像(例えば白画像)と第2階調で表示される第2階調画像(例えば黒画像)との境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生も抑制できる。
【0013】
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置によれば、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。この結果、高品位な画像を表示することが可能となる。
【0014】
本発明に係る電気光学装置の制御方法の一態様では、前記第2制御工程は、前記複数回の電位供給のうち後半の電位供給の少なくとも一の電位供給として行われる。
【0015】
この態様によれば、第2制御工程は、複数回の電位供給のうち後半の少なくとも一の電位供給(典型的には、最終回の電位供給であり、最終回の電位供給が、全画素に基準電位GNDを書き込んで残留電荷を抜く「ディスチャージ」に相当する場合には最終回の一つ前の電位供給)として行われるので、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生をより確実に抑制できる。
【0016】
本発明に係る電気光学装置の制御方法の他の態様では、前記第2制御工程は、前記第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調電位を供給し、前記第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する。
【0017】
この態様によれば、画像書き換えの際、表示すべき階調が変化することとなる画素(言い換えれば、階調を変化させるべき画素)における画素電極及び対向電極間に第1階調又は第2階調に応じた電圧をより長い時間印加でき、階調を変化させるべき画素の階調をより確実に変化させることができる。よって、よりくっきりとした画像を表示部に表示させることができる。更に、各画素についてDCバランス比(即ち、画素電極及び対向電極間に第1階調に応じた電圧が印加される時間と、画素電極及び対向電極間に第2階調に応じた電圧が印加される時間との比)が崩れてしまうのを抑制或いは防止できる。即ち、各画素について、画素電極及び対向電極間に第1階調に応じた電圧が印加される時間と第2階調に応じた電圧が印加される時間との差を小さくすることができる。
【0018】
本発明に係る電気光学装置の制御装置は上記課題を解決するために、互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々における前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御手段と、前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御手段とを備える。
【0019】
本発明に係る電気光学装置の制御装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法と同様に、電気光学装置において、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。
【0020】
なお、本発明に係る電気光学装置の制御装置においても、前述した本発明に係る電気光学装置の制御方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0021】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0022】
本発明に係る電気光学装置によれば、前述した本発明に係る電気光学装置の制御装置を備えるので、表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。
【0023】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明に係る電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0024】
本発明に係る電子機器によれば、前述した本発明に係る電気光学装置を備えるので、高品質な画像を表示することが可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
【0025】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図3】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
【図4】書き換え前の画像と書き換え後の画像の一例を示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係る電気泳動表示装置における画像書き換えの際の複数の画素電極へのデータ電位の供給方法を概念的に示す概念図である。
【図6】第1フレーム期間T1に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図である。
【図7】第4フレーム期間T4に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図である。
【図8】表示部に表示される画像における境界部の滲みの発生を説明するための模式図である。
【図9】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図である。
【図10】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる電子ノートの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置の一例である電気泳動表示装置を例にとる。
【0028】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図7を参照して説明する。
【0029】
まず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【0031】
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置であり、表示部3と、コントローラー10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。なお、コントローラー10が本発明に係る「電気光学装置の制御装置」の一例である。また、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70が本発明に係る「駆動部」の一例を構成する。
【0032】
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
【0033】
コントローラー10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
【0034】
走査線駆動回路60は、コントローラー10による制御下で、所定のフレーム期間中に、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
【0035】
データ線駆動回路70は、コントローラー10による制御下で、データ線X1、X2、…、Xnにデータ電位を供給する。データ電位は、基準電位GND(例えば0ボルト)、高電位VH(例えば+15ボルト)又は低電位VL(例えば−15ボルト)のいずれかの電位をとる。なお、後述するように、本実施形態では、前述した部分書き換え駆動が採用されている。また、低電位VLが本発明に係る「第1階調電位」の一例であり、高電位VHが本発明に係る「第2階調電位」の一例である。
【0036】
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcom(本実施形態では、基準電位GNDと同一の電位)を供給する。なお、共通電位Vcomは、共通電位Vcomが供給された対向電極22と基準電位GNDが供給された画素電極21との間に電圧が実質的に生じない範囲内で、基準電位GNDとは異なる電位であってもよい。例えば、共通電位Vcomが、フィードスルーによる画素電極21の電位の変動を考慮して、画素電極21に供給される基準電位GNDとは異なる値とされていてもよく、この場合であっても、本明細書では、共通電位Vcomと基準電位GNDとが同一であるとみなす。ここで、フィードスルーとは、走査線40に走査信号が供給され、データ線50を介して画素電極21に電位が供給された後に、走査線40への走査信号の供給が終了した際(例えば走査線40の電位が低下した際)、画素電極21の電位が、走査線40との間の寄生容量に起因して変動する(例えば走査線40の電位低下とともに低下する)現象をいう。共通電位Vcomは、フィードスルーにより画素電極21の電位が低下することを予め想定して、画素電極21に供給される基準電位GNDより僅かに低い値とされることがあるが、この場合も共通電位Vcomと基準電位GNDとが同電位であるとみなす。
【0037】
なお、コントローラー10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
【0038】
図2は、画素20の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0039】
図2において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24と、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えている。
【0040】
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図1参照)からデータ線50を介して供給されるデータ電位を、走査線駆動回路60(図1参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及び保持容量27に出力する。
【0041】
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ電位が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して対向電極22と互いに対向するように配置されている。
【0042】
対向電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
【0043】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
【0044】
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によってデータ電位を一定期間だけ維持することができる。
【0045】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図3を参照して説明する。
【0046】
図3は、電気泳動表示装置1の表示部3の部分断面図である。
【0047】
図3において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
【0048】
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して前述した画素スイッチング用トランジスター24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0049】
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、対向電極22が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。対向電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0050】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。なお、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動素子23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
【0051】
マイクロカプセル80は、画素電極21及び対向電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
【0052】
マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
【0053】
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
【0054】
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
【0055】
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
【0056】
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
【0057】
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と対向電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
【0058】
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
【0059】
図3において、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に対向電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられるとともに、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、対向電極22側)には白色粒子82が集まることになり、表示部3の表示面にはこの白色粒子82の色(即ち、白色)が表示されることとなる。逆に、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられるとともに、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側には黒色粒子83が集まることになり、表示部3の表示面にはこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)が表示されることとなる。
【0060】
なお、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
【0061】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の制御方法について、図4から図7を参照して説明する。以下では、図4に示すように、表示部3に表示される画像が、画像P1から画像P2に書き換えられる場合を例にとりながら、前述した電気泳動表示装置1の制御方法について説明する。なお、画像P1及びP2の各々は、黒色及び白色の2階調からなる2階調画像である。図4は、書き換え前の画像P1と書き換え後の画像P2の一例を示す平面図である。
【0062】
図5は、電気泳動表示装置1における画像書き換えの際の複数の画素電極21へのデータ電位の供給方法を概念的に示す概念図である。なお、図5には、その上段側に、複数のフレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々について複数の画素電極21に供給されるデータ電位が概念的に示されており、その下段側に、各フレーム期間T1、T2、T3及びT4において複数の画素電極21にデータ電位が供給されることにより表示部3に表示されることとなる画像が概念的に示されている。
【0063】
図5に示すように、本実施形態では、表示部3に表示されている画像を画像P1から画像P2へ書き換える際、4つのフレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々において、複数の画素20の各々の画素電極21に、画像P1及びP2の画像データに応じたデータ電位を供給することにより、表示部3に画像P2を表示させる。ここで、フレーム期間T1、T2、T3及びT4は、m本の走査線を順次に1回ずつ選択する期間として予め定められた期間である。つまり、フレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々において、複数の画素20の各々の画素電極21へのデータ電位の供給(以下、「データ電位供給」と適宜称する)が、コントローラー10による制御下で走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70(以下、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70を「駆動部」と適宜総称する)によって1回ずつ行われることにより表示部3に表示されていた画像が画像P1から画像P2に書き換えられる。
【0064】
次に、フレーム期間T1、T2、T3及びT4の各々におけるデータ電位供給について、図5に加えて図6及び図7を参照して説明する。
【0065】
図6は、第1フレーム期間T1に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図であり、図7は、第4フレーム期間T4に行われるデータ電位供給を概念的に示す概念図である。なお、本実施形態では、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3の各々において、第1フレーム期間T1と同様のデータ電位供給が行われる。
【0066】
図5及び図6において、表示部3に表示されている画像を画像P1から画像P2へ書き換える際、まず、第1フレーム期間T1において、以下のようなデータ電位供給が行われる。なお、データ電位供給は、コントローラー10による制御下で、駆動部(即ち、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路70)によって行われる。
【0067】
即ち、第1フレーム期間T1では、表示すべき階調が白色から黒色へ変化することとなる領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)が供給され、表示すべき階調が黒色から白色へ変化することとなる領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)が供給され、表示すべき階調が白色のままで変化しない領域Rww及び黒色のままで変化しない領域Rbbの各々に対応する画素20の画素電極21にデータ電位として基準電位GND(例えば0ボルト)が供給される。なお、領域Rwbは本発明に係る「第1領域」の一例であり、領域Rbwは本発明に係る「第2領域」の一例であり、領域Rwwは本発明に係る「第3領域」の一例であり、領域Rbbは本発明に係る「第4領域」の一例である。第1フレーム期間T1においてこのようなデータ電位供給が行われることにより、表示部3には例えば画像M1(図5参照)が表示される。即ち、第1フレーム期間T1においてこのようなデータ電供給が行われた後には、白色を表示していた画素20のうち領域Rwbに対応する画素20では例えば薄い灰色など白色から黒色側にやや近づいた色が表示され、黒色を表示していた画素20のうち領域Rbbに対応する画素20では例えば濃い灰色など黒色から白色側にやや近づいた色が表示され、白色を表示していた画素20のうち領域Rwwに対応する画素20では引き続き白色が表示され、黒色を表示していた画素20のうち領域Rbbに対応する画素20では引き続き黒色が表示される。
【0068】
次に、第1フレーム期間T1の後の第2フレーム期間T2、及びこの第2フレーム期間T2の後の第3フレーム期間T3の各々において、第1フレーム期間T1と同様のデータ電位供給が行われる。即ち、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3の各々では、領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)が供給され、領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)が供給され、領域Rww及び黒色のままで変化しない領域Rbbの各々に対応する画素20の画素電極21にデータ電位として基準電位GND(例えば0ボルト)が供給される。第2フレーム期間T2においてこのようなデータ電位供給が行われることにより、表示部3には例えば画像M2(図5参照)が表示され、第3フレーム期間T3においてこのようなデータ電位供給が行われることにより、表示部3には例えば画像M3(図5参照)が表示される。
【0069】
次に、図5及び図7において、第3フレーム期間T3の後の第4フレーム期間T4において、以下のようにデータ電位供給が行われる。
【0070】
即ち、第4フレーム期間T4では、領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)が供給され、領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)が供給され、領域Rbbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として基準電位GND(例えば0ボルト)が供給され、領域Rwwのうち領域Rwbに隣り合うとともに領域Rwbを所定幅(例えば一画素の大きさに対応する幅)で部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VLが供給され、領域Rwwのうち領域Rsを除く領域Rwwaに対応すする画素20の画素電極21に基準電位GND(例えば0ボルト)が供給される。なお、領域Rsは本発明に係る「第5領域」の一例である。ここで、「部分的に取り囲む領域Rs」とは、領域Rwbに隣り合う領域のうち、少なくとも領域Rbbを除いた領域を指す。このようにすれば、黒を表示すべき領域Rbbの画素電極21に低電位VLが供給されて、領域Rbbが白方向に書き換わるのを避けることができる。また、「部分的に取り囲む領域Rs」は、領域Rwbに隣り合う領域のうち、領域Rbbと、輪郭残像が生じないことが予め分かっている領域(例えば領域Rwbに斜めに隣り合う画素)とを除いた領域としてもよい。
【0071】
よって、第4フレーム期間T4では、領域Rwbに隣り合うとともにこの領域Rwbを所定幅で部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20の画素電極21と対向電極22との間に低電位VL(例えば−15ボルト)と基準電位GND(例えば0ボルト)との電位差に応じた電圧が印加される。
【0072】
したがって、表示すべき階調が白色のままで変化しない領域Rwwのうち、表示すべき階調が白色から黒色へ変化することとなる領域Rwbに隣り合うとともにこの領域Rwbを部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20に白色を確実に表示させることができる。これにより、表示部3に表示される画像のうち白色で表示される白画像と黒色で表示される黒画像との境界部の滲みの発生を抑制できる。この結果、輪郭残像の発生も抑制できる。
【0073】
ここで、図5に示すように、例えば第3フレーム期間T3において前述したようなデータ電位供給が行われた後に表示部3に表示される画像M3に、領域Rwwにおける領域Rbwとの境界付近に、例えば灰色など白色から黒色側に近づいた色が表示される滲み部910が発生するおそれがある。
【0074】
図8は、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生を説明するための模式図である。
【0075】
図8に示すように、領域Rwwに対応する画素20wwの画素電極21wwにデータ電位として基準電位GNDが供給されるととともに、この画素20wwに隣り合う領域wbに対応する画素20wbの画素電極21wbにデータ電位として高電位VHが供給された場合、画素スイッチング用トランジスター24(図2参照)がオフ状態とされたときに、画素電極21wbと画素電極21wwとの間にリーク電流が生じて、基準電位GNDであった画素電極21wwの電位が高くなる(即ち、高電位VHに近づく)おそれがある。よって、画素20wwにおいて、画素電極21wwと対向電極22との間に生じた電位差によって、黒色粒子83が対向電極22側に移動するとともに白色粒子が画素電極21ww側に移動してしまうおそれがある。したがって、白色を表示すべき画素20wwにおいて、灰色や黒色などの白色とは異なる色が表示されてしまうおそれがある。この結果、表示部3に表示される画像における黒画像部分と白画像部分との境界部の滲みが発生してしまうおそれがある。
【0076】
しかるに、本実施形態では特に、前述したように、第4フレーム期間T4では、表示すべき階調が白色のままで変化しない領域Rwwのうち、表示すべき階調が白色から黒色へ変化することとなる領域Rwbに隣り合うとともにこの領域Rwbを所定幅で部分的に取り囲む領域Rsに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VLを供給するので、領域Rsにおける画素20に白色を確実に表示させることができる。よって、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制できる。
【0077】
更に、本実施形態では特に、第4フレーム期間T4において、領域Rwbに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として高電位VH(例えば+15ボルト)を供給し、領域Rbwに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VL(例えば−15ボルト)を供給する。よって、階調を白色から黒色に変化させるべき画素20である領域Rwbに対応する画素20の階調を確実に黒色に変化させることができるとともに、階調を黒色から白色に変化させるべき画素20である領域Rbwに対応する画素20の階調を確実に白に変化させることができる。よって、画像P2をよりくっきりとした画像として表示部3に表示させることができる。更に、各画素20についてDCバランス比(即ち、画素電極21及び対向電極22間に白色に応じた電圧(即ち、低電位VLと基準電位GNDとの電位差)が印加される時間と、画素電極21及び対向電極22間に黒色に応じた電圧(即ち、高電位VHと基準電位GNDとの電位差)が印加される時間との比)が崩れてしまうのを抑制或いは防止できる。即ち、各画素20について、画素電極21及び対向電極22間に白色に応じた電圧が印加される時間と黒色に応じた電圧が印加される時間との差を小さくすることができる。
【0078】
加えて、本実施形態では特に、前述したような領域Rsに対応する画素20の画素電極21にデータ電位として低電位VLを供給するデータ電位供給(以下、「境界領域データ電位供給」と適宜称する)は、表示部3に表示されている画像を書き換える際の連続する4つのフレーム期間T1、…、T4のうちの最後のフレーム期間である第4フレーム期間T4で行われる。よって、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生をより確実に抑制できる。
【0079】
なお、本実施形態では、前述した境界領域データ電位供給が、4つの連続するフレーム期間T1、…、T4のうち最終のフレーム期間である第4フレーム期間T4のみで行われる例を挙げたが、境界領域データ電位供給は、第4フレーム期間T4に加えて、第1フレーム期間T1、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3の少なくともいずれかにおいて行われてもよい。即ち、第4フレーム期間T4に加えて、第1フレーム期間T1、第2フレーム期間T2及び第3フレーム期間T3のいずれかにおいても、第4フレーム期間T4において行われる前述したデータ電位供給が行われてもよい。また、前述した境界領域データ電位供給は、4つのフレーム期間T1、…、T4の後半のフレーム期間(即ち、第3フレーム期間T3及び第4フレーム期間T4)のうちの少なくとも一のフレーム期間で行われることが好ましい。この場合には、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生をより確実に抑制できる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置1によれば、表示部3に表示される画像における境界部の滲みの発生を抑制でき、ひいては、輪郭残像の発生を抑制できる。この結果、高品位な画像を表示することが可能となる。
【0081】
<電子機器>
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図9及び図10を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
【0082】
図9は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
【0083】
図9に示すように、電子ペーパー1400は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
【0084】
図10は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
【0085】
図10に示すように、電子ノート1500は、図9で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0086】
前述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。
【0087】
なお、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、前述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
【0088】
なお、上記実施形態では、白色粒子82が負に帯電し、黒色粒子83が正に帯電している例で説明したが、白色粒子82が正に帯電し、黒色粒子83が負に帯電していてもよい。また、電気泳動素子23は、マイクロカプセル80を有する構成に限られず、隔壁によって仕切られた空間に電気泳動分散媒と電気泳動粒子が含まれる構成であってもよい。また、電気光学装置として電気泳動素子23を有するものを例に説明したが、これに限定する趣旨ではない。電気光学装置は、上記実施形態のように輪郭残像が生じ得る表示素子を備えるものであればどのようなものであってもよく、例えば電子粉流体を用いた電気光学装置であってもよい。
【0089】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の制御方法、電気光学装置の制御装置、電気光学装置、及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
3…表示部、10…コントローラー、20…画素、21…画素電極、22…対向電極、24…画素スイッチング用トランジスター、28…素子基板、29…対向基板、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…黒色粒子、220…共通電位供給回路、VL…低電位、VH…高電位、GND…基準電位、Rwb、Rbw、Rww、Rbb、Rs…領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、
前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御工程と、
前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御工程と
を含むことを特徴とする電気光学装置の制御方法。
【請求項2】
前記第2制御工程は、前記複数回の電位供給のうち後半の電位供給の少なくとも一の電位供給として行われることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の制御方法。
【請求項3】
前記第2制御工程は、前記第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調電位を供給し、前記第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の制御方法。
【請求項4】
互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、
前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御手段と、
前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御手段と
を備えることを特徴とする電気光学装置の制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電気光学装置の制御装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御方法であって、
前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御工程と、
前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御工程と
を含むことを特徴とする電気光学装置の制御方法。
【請求項2】
前記第2制御工程は、前記複数回の電位供給のうち後半の電位供給の少なくとも一の電位供給として行われることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の制御方法。
【請求項3】
前記第2制御工程は、前記第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調電位を供給し、前記第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の制御方法。
【請求項4】
互いに交差する複数の走査線及び複数のデータ線の交差に対応して設けられ、互いに対向する画素電極及び対向電極間に電気光学物質を夫々有する複数の画素を有する表示部と、該表示部に画像データに応じた画像を表示させるために、前記複数の画素の各々の前記画素電極に前記画像データに応じたデータ電位を所定のフレーム期間中に供給する電位供給を複数回行う駆動部とを備えた電気光学装置を制御する制御装置であって、
前記表示部に表示されている画像を書き換える画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における表示すべき階調が第1階調から該第1階調と異なる第2階調へ変化することとなる領域である第1領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第2階調に応じた第2階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調から前記第1階調へ変化することとなる領域である第2領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調に応じた第1階調電位を供給し、前記表示部における表示すべき階調が前記第1階調のままで変化しない領域である第3領域及び前記表示部における表示すべき階調が前記第2階調のままで変化しない領域である第4領域の各々に対応する前記画素の前記画素電極に前記対向電極の電位と同一の電位を供給するように、前記駆動部を制御する第1制御手段と、
前記画像書き換えの際、前記フレーム期間中に、前記表示部における前記第3領域のうち前記第1領域に隣り合うとともに前記第1領域を所定幅で少なくとも部分的に取り囲む領域である第5領域に対応する前記画素の前記画素電極に前記データ電位として前記第1階調電位を供給するように、前記駆動部を制御する第2制御手段と
を備えることを特徴とする電気光学装置の制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電気光学装置の制御装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図5】
【公開番号】特開2012−225983(P2012−225983A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90914(P2011−90914)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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