説明

電気光学装置の製造方法

【課題】平面視した状態で電気光学パネルよりも大きい防塵用基板を電気光学パネルに位置精度良く貼り付ける。
【解決手段】電気光学装置の製造方法は、治具フレーム(700)に電気光学パネル(500)を収容し、電気光学パネルの側面を治具フレームの第1基準面(711、721、731)に接触させる工程と、治具フレームに第1防塵用基板(410)を収容し、第1防塵用基板の側面を治具フレームの第2基準面(712、722、732)に接触させる工程と、治具フレームに第2防塵用基板(420)を収容し、第2防塵用基板の側面を治具フレームの第3基準面(713、723、733)に接触させる工程と、第1パネル面(500a)に対応する第1治具フック(810)を治具フレームに嵌合させる工程と、第2パネル面(500b)に対応する第2治具フック(820)を治具フレームに嵌合させる工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置の製造方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置がプロジェクターにおけるライトバルブとして用いられる場合、ライトバルブの表面にごみや埃等(以下、適宜「粉塵」と称する)が付着すると、スクリーン上にその粉塵の像もまた投影されてしまうため、表示画像の品質が低下するおそれがある。このため、電気光学装置を構成する例えば液晶パネル等の電気光学パネルの外表面に例えばガラス基板等からなる防塵用基板が接着剤によって貼り付けられる場合がある(例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】
例えば特許文献1及び2には、電気光学パネルに対して、平面視した状態で電気光学パネルよりも小さい防塵用基板を位置精度良く貼り付け、固定するための技術が開示されている。
【0004】
他方、この種の電気光学装置がプロジェクターにおけるライトバルブとして用いられる場合、スクリーン上に拡大投射を行うために、電気光学装置には、光源からの強力な光源光が集光された状態で入射する。このように強力な光源光が入射すると、電気光学装置の温度は上昇し、電気光学装置の表示性能が低下してしまうおそれがある。このため、電気光学装置の放熱性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−116779号公報
【特許文献2】特開2006−078929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気光学装置の放熱性の向上を図るためには、防塵用基板は、平面視した状態で電気光学パネルよりも大きいほうが好ましい。しかしながら、前述した特許文献1及び2に開示された技術を、防塵用基板が電気光学パネルよりも大きい場合に適用することは困難であり、電気光学パネルよりも大きい防塵用基板を電気光学パネルに位置精度良く貼り付けることは困難であるという技術的問題点がある。
【0007】
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、平面視した状態で電気光学パネルよりも大きい防塵用基板を電気光学パネルに位置精度良く貼り付けることが可能な電気光学装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、電気光学パネルと、該電気光学パネルの第1及び第2パネル面に夫々貼り付けられ、前記電気光学パネルの法線方向から見て前記電気光学パネルよりも大きい第1及び第2防塵用基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、治具フレーム及び一対の治具フックからなる治具を用いて前記電気光学パネルと前記第1及び第2防塵用基板との位置合わせを行うと共に、前記電気光学パネルに前記第1及び第2防塵用基板を貼り付ける貼付工程を含み、前記治具フレームは、前記電気光学パネル、前記第1及び第2防塵用基板を、前記電気光学パネルの第1側面及び該第1側面に夫々隣接する第2及び第3側面に夫々対向する3つの方向から囲んだ状態で収容することが可能なように形成されると共に、前記電気光学パネルの側面に対応する第1基準面と、前記第1基準面よりも前記電気光学パネルの側面から遠くなるように夫々形成され、前記第1及び第2防塵用基板の側面に夫々対応する第2及び第3基準面とを含む内壁面を有し、前記一対の治具フックは、前記治具フレームに前記電気光学パネル、前記第1及び第2防塵用基板が収容された状態で、前記電気光学パネル、前記第1及び第2防塵用基板を前記第1パネル面及び第2パネル面側から挟むように前記治具フレームと嵌合可能に形成され、前記貼付工程は、前記治具フレームに前記電気光学パネルを収容し、前記電気光学パネルの側面を前記第1基準面に接触させる第1接触工程と、前記治具フレームに前記第1防塵用基板を収容し、前記第1防塵用基板の側面を前記第2基準面に接触させる第2接触工程と、前記治具フレームに前記第2防塵用基板を収容し、前記第2防塵用基板の側面を前記第3基準面に接触させる第3接触工程と、前記第2接触工程が行われた後に、前記一対の治具フックのうち前記第1パネル面に対応する第1治具フックを、前記治具フレームに嵌合させる第1嵌合工程と、前記第3接触工程が行われた後に、前記一対の治具フックのうち前記第2パネル面に対応する第2治具フックを、前記治具フレームに嵌合させる第2嵌合工程とを含む。
【0009】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は、例えば液晶パネル等の電気光学パネルと、電気光学パネルの例えば光が出射されるパネル面等である第1パネル面に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤によって貼り付けられた例えば出射側防塵用基板等である第1防塵用基板と、電気光学パネルの例えば光が入射されるパネル面等である第2パネル面に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤によって貼り付けられた例えば入射側防塵用基板等である第2防塵用基板とを備えた電気光学装置を製造する製造方法である。本発明では特に、第1及び第2防塵用基板は、電気光学パネルの法線方向から見て、言い換えれば、平面視した状態で、電気光学パネルよりも大きい。よって、例えば、第1及び第2防塵用基板が、電気光学パネルの法線方向から見て電気光学パネルよりも小さい場合よりも、電気光学装置の放熱性を向上させることができる。
【0010】
本発明では特に、貼付工程において、治具フレーム及び一対の治具フックからなる治具を用いて、電気光学パネルと第1及び第2防塵用基板との位置合わせを行うと共に、電気光学パネルに第1及び第2防塵用基板を接着剤によって貼り付ける。
【0011】
貼付工程は、第1、第2及び第3接触工程並びに第1及び第2嵌合工程を含む。
【0012】
例えば、貼付工程では、先ず、第1接触工程が行われる。第1接触工程では、治具フレームに電気光学パネルを収容し、電気光学パネルの側面を治具フレームの第1基準面に接触させる。
【0013】
次に、第2接触工程が行われる。第2接触工程では、治具フレームに第1防塵用基板を収容し、第1防塵用基板の側面を治具フレームの第2基準面に接触させる。これにより、電気光学パネルに対する第1防塵用基板の位置決め、即ち、電気光学パネルと第1防塵用基板との位置合わせを精度良く行うことができる。第2接触工程では、典型的には、電気光学パネルの第1パネル面及び第1防塵用基板の電気光学パネルに対向する側の面の少なくとも一方に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤を塗布し、電気光学パネルと第1防塵用基板との間に接着剤を介在させる。
【0014】
次に、第1嵌合工程が行われる。第1嵌合工程では、一対の治具フックのうち第1パネル面に対応する第1治具フックを、治具フレームに嵌合させる。
【0015】
次に、第3接触工程が行われる。第3接触工程では、治具フレームに第2防塵用基板を収容し、第2防塵用基板の側面を治具フレームの第3基準面に接触させる。これにより、電気光学パネルに対する第2防塵用基板の位置決め、即ち、電気光学パネルと第2防塵用基板との位置合わせを精度良く行うことができる。第3接触工程では、典型的には、電気光学パネルの第2パネル面及び第2防塵用基板の電気光学パネルに対向する側の面の少なくとも一方に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤を塗布し、電気光学パネルと第2防塵用基板との間に接着剤を介在させる。
【0016】
次に、第2嵌合工程が行われる。第2嵌合工程では、一対の治具フックのうち第2パネル面に対応する第2治具フックを、治具フレームに嵌合させる。これにより、治具フレームに収容された電気光学パネル、第1及び第2防塵用基板を第1パネル面及び第2パネル面側から一対の治具フック(即ち、第1及び第2治具フック)によって挟むことができる。
【0017】
このように、本発明では特に、貼付工程は第1、第2及び第3接触工程を含むので、電気光学パネルと第1及び第2防塵用基板との位置合わせを精度良く行うことができる。更に、第1、第2及び第3接触工程によって電気光学パネルと第1及び第2防塵用基板との位置合わせが精度良く行われた状態で、電気光学パネルと第1及び第2防塵用基板の各々との間に介在する接着剤を硬化させることにより、電気光学パネルに第1及び第2防塵用基板を位置精度良く貼り付けることができる。
【0018】
更に、本発明では特に、貼付工程は、第1及び第2嵌合工程を含むので、治具フレームに収容された電気光学パネル、第1及び第2防塵用基板を第1パネル面及び第2パネル面側から一対の治具フックによって挟むことができる。よって、治具フレームに収容された電気光学パネル、第1及び第2防塵用基板を治具フレーム内に確実に保持することができる共に、電気光学パネル、第1及び第2防塵用基板の位置ずれが生じることを低減或いは防止できる。従って、治具フレームに収容された電気光学パネル、第1及び第2防塵用基板を第1パネル面及び第2パネル面側から一対の治具フックによって挟んだ状態で、電気光学パネルと第1及び第2防塵用基板の各々との間に介在する接着剤を硬化させることにより、電気光学パネルに第1及び第2防塵用基板を位置精度良く貼り付けることができる。
【0019】
加えて、本発明では特に、貼付工程において、治具フレーム及び一対の治具フックからなる治具を用いるので、平面視した状態で電気光学パネルよりも大きい第1及び第2防塵用基板を電気光学パネルに効率良く貼り付けることができる。
【0020】
以上説明したように、本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、治具フレーム及び一対の治具フックからなる治具を用いて電気光学パネルと第1及び第2防塵用基板との位置合わせを行うと共に、電気光学パネルに第1及び第2防塵用基板を貼り付ける貼付工程を含むので、平面視した状態で電気光学パネルよりも大きい第1及び第2防塵用基板を電気光学パネルに位置精度良く貼り付けることができる。更に、第1及び第2防塵用基板を電気光学パネルに効率良く貼り付けることもできる。
【0021】
本発明に係る電気光学装置の製造方法の一態様では、前記第1、第2及び第3接触工程並びに前記第1及び第2嵌合工程は、前記第1接触工程、前記第2接触工程、前記第1嵌合工程、前記第3接触工程及び前記第2嵌合工程の順番で行われる。
【0022】
この態様によれば、例えば、先ず、第1及び第2接触工程によって、治具フレームに電気光学パネル及び第1防塵用基板がこの順番で収容され、第1嵌合工程によって、第1防塵用基板を上側から覆うように治具フレームに第1治具フックが嵌合される。この後、典型的には、第1治具フックが第1防塵用基板よりも下側になるように、第1防塵用基板及び電気光学パネルが収容された治具フレームを反転させる。次に、第3接触工程によって、治具フレーム内に第2防塵用基板が収容され、第2嵌合工程によって、第2防塵用基板を上側から覆うように治具フレームに第2治具フックが嵌合される。よって、治具フレームに電気光学パネル、第1及び第2防塵用基板を迅速に収容することができる。従って、電気光学パネルよりも大きい第1及び第2防塵用基板を電気光学パネルに位置精度良く且つより効率良く貼り付けることができる。
【0023】
本発明に係る電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記第1、第2及び第3接触工程並びに前記第1及び第2嵌合工程は、前記第3接触工程、前記第2嵌合工程、前記第1接触工程、前記第2接触工程及び前記第1嵌合工程の順番で行われる。
【0024】
この態様によれば、第3接触工程によって、治具フレームに第2防塵用基板が収容され、第2嵌合工程によって、第2防塵用基板を上側から覆うように治具フレームに第2治具フックが嵌合される。この後、典型的には、第2治具フックが第2防塵用基板よりも下側になるように、第2防塵用基板が収容された治具フレームを反転させる。次に、第1及び第2接触工程によって、治具フレームに電気光学パネル及び第1防塵用基板がこの順番で収容され、第1嵌合工程によって、第1防塵用基板を上側から覆うように治具フレームに第1治具フックが嵌合される。よって、治具フレームに電気光学パネル、第1及び第2防塵用基板を迅速に収容することができる。従って、電気光学パネルよりも大きい第1及び第2防塵用基板を電気光学パネルに位置精度良く且つより効率良く貼り付けることができる。
【0025】
本発明に係る電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記第1及び第2嵌合工程の後に、前記治具フレームから前記一対の治具フックを取り外し、前記電気光学パネル並びに前記電気光学パネルに貼り付けられた前記第1及び第2防塵用基板を、前記治具フレームから前記電気光学パネルの前記第1側面に対向する第4側面側に引き出す治具除去工程を含む。
【0026】
この態様によれば、治具除去工程によって、治具フレームから、電気光学パネル並びに該電気光学パネルに貼り付けられた第1及び第2防塵用基板を電気光学パネルの第4側面側に引き出すことにより、電気光学パネルよりも大きい第1及び第2防塵用基板が電気光学パネルに貼り付けられてなる電気光学装置を得ることができる。
【0027】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のII−II’線断面図である。
【図3】第1実施形態に係る貼付工程を示すフロー図である。
【図4】第1実施形態における、液晶パネル挿入工程、出射側防塵用基板工程及び出射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に係る治具フレームの構成を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態に係る治具フレームを、治具フレームの入射側表面に対向する方向から見た平面図である。
【図7】第1実施形態に係る治具フレームを、治具フレームの出射側表面に対向する方向から見た平面図である。
【図8】第1実施形態に係る治具フレームを、治具フレームの第1フレーム部分の内壁面に対向する方向から見た図である。
【図9】第1実施形態に係る治具フレームの第2フレーム部分側の側面図である。
【図10】第1実施形態における、入射側防塵用基板挿入工程及び入射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。
【図11】第1実施形態における、液晶パネル、出射側防塵用基板及び入射側防塵用基板が収容された治具フレームに入射側治具フック及び出射側治具フックが嵌合された状態を示す斜視図である。
【図12】第1実施形態における、液晶パネル、出射側防塵用基板及び入射側防塵用基板が収容された治具フレームに入射側治具フック及び出射側治具フックが嵌合された状態を、治具フレームの第1フレーム部分の内壁面に対向する方向から見た図である。
【図13】第1実施形態における、液晶パネル、出射側防塵用基板及び入射側防塵用基板が収容された治具フレームに出射側治具フックのみが嵌合され、入射側治具フックが嵌合されていない状態を示す斜視図である。
【図14】第2実施形態に係る貼付工程を示すフロー図である。
【図15】第2実施形態における、入射側防塵用基板挿入工程及び入射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。
【図16】第2実施形態における、液晶パネル挿入工程、出射側防塵用基板挿入工程及び出射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明に係る電気光学装置の製造方法の一例である液晶装置の製造方法を例にとる。
【0030】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液晶装置の製造方法について、図1から図13を参照して説明する。
【0031】
先ず、本実施形態に係る液晶装置の製造方法によって製造される液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II’線断面図である。
【0033】
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置1は、液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を備えている。液晶装置1は、例えば、プロジェクターにおけるライトバルブとして用いられる。
【0034】
液晶パネル500は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子によって液晶素子を駆動するアクティブマトリクス駆動方式の表示パネルであり、表示領域10aにおいて画像を表示することが可能に構成されている。
【0035】
液晶パネル500は、互いに対向配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20を備えており、TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶が封入されている。対向基板20側には、対向電極や配向膜等が形成され、TFTアレイ基板10側には、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極がマトリクス状に設けられ、画素電極上には配向膜が形成されている。
【0036】
液晶パネル500(より具体的には、TFTアレイ基板10上に設けられている外部回路接続端子)には、フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuits)590が接続されている。
【0037】
出射側防塵用基板410は、本発明に係る「第1防塵用基板」の一例であり、例えばガラス基板等の透明基板を用いて構成されている。出射側防塵用基板410は、液晶パネル500のTFTアレイ基板10側のパネル面500a(即ち、TFTアレイ基板10の対向基板20に対向する側の面とは反対側の面)に、例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤によって貼り付けられている。出射側防塵用基板410は、液晶パネル500の法線方向(即ち、図2中、Z方向)から見て、言い換えれば、平面視した状態で、液晶パネル500よりも大きい。尚、パネル面500aは、本発明に係る「第1パネル面」の一例である。
【0038】
入射側防塵用基板420は、本発明に係る「第2防塵用基板」の一例であり、前述した出射側防塵用基板410と同様に例えばガラス基板等の透明基板を用いて構成されている。入射側防塵用基板420は、液晶パネル500の対向基板20側のパネル面500b(即ち、対向基板20のTFTアレイ基板10に対向する側の面とは反対側の面)に、例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤によって貼り付けられている。入射側防塵用基板420は、出射側防塵用基板410と同様に、液晶パネル500の法線方向から見て、液晶パネル500よりも大きい。尚、パネル面500bは、本発明に係る「第2パネル面」の一例である。
【0039】
液晶装置1の動作時には、液晶パネル500の対向基板20側のパネル面500bに光源からの光が入射側防塵用基板420を介して入射される。この入射された光は、TFTアレイ基板10及び対向基板20間に封入された液晶によって変調され、液晶パネル500のTFTアレイ基板10側のパネル面500aから出射側防塵用基板410を介して表示光として出射される。
【0040】
出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420によって、TFTアレイ基板10及び対向基板20上に直接に粉塵が付着するのを防止できると共に、出射側防塵用基板410或いは入射側防塵用基板420上に仮に粉塵が付着したとしても、出射側防塵用基板410或いは入射側防塵用基板420が所定の厚さを有することにより、画像上に粉塵の像が投影されるというような事態を未然に回避することができる。
【0041】
本実施形態では特に、前述したように、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420は、液晶パネル500の法線方向から見て、液晶パネル500よりも大きい。よって、例えば、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420が、液晶パネル500の法線方向から見て液晶パネル500よりも小さい場合よりも、液晶装置1の放熱性を向上させることができる。
【0042】
次に、前述したように構成された液晶装置1の製造方法について、図3から図13を参照して構成する。以下では、液晶装置1の製造プロセスのうち本実施形態に特徴的な工程である、液晶パネル500に出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を貼り付ける貼付工程について主に説明する。
【0043】
本実施形態では特に、貼付工程において、後述する治具フレーム700(図4から図13参照)、出射側治具フック810(図4及び図10から図13参照)及び入射側治具フック820(図10、図11及び図13参照)からなる治具を用いて、液晶パネル500と出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420との位置合わせを行うと共に、液晶パネル500に出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を接着剤によって貼り付ける。
【0044】
図3は、本実施形態に係る貼付工程を示すフロー図である。図4は、本実施形態における、液晶パネル挿入工程、出射側防塵用基板工程及び出射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。
【0045】
図3及び図4に示すように、本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、貼付工程では、先ず、治具フレーム700に液晶パネル500を挿入する液晶パネル挿入工程が行われる(ステップS10)。尚、液晶パネル挿入工程は、本発明に係る「第1接触工程」の一例である。
【0046】
ここで、治具フレーム700の構成について、図4に加えて図5から図9を参照して説明する。
【0047】
図5は、治具フレーム700の構成を示す斜視図である。図6は、治具フレーム700の入射側表面700bに対向する方向から治具フレーム700を見た平面図である。図7は、治具フレーム700の出射側表面700aに対向する方向から治具フレーム700を見た平面図である。図8は、治具フレーム700の第1フレーム部分710の内壁面に対向する方向(即ち、図5中、ブロック矢印P1が示す方向)から治具フレーム700を見た図である。図9は、治具フレーム700の第2フレーム部分720側の側面図である。
【0048】
図4から図8に示すように、治具フレーム700は、液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を、液晶パネル500の3つの側面501、502及び503にそれぞれ対向する3つの方向から囲んだ状態で収容することが可能なように、例えば金属、樹脂等から形成されている。
側面501は、液晶パネル500のFPC590が接続される側の側面504に対向する側面であり、側面502及び503の各々は、液晶パネル500の側面501に隣接する側面である。尚、側面501、502、503及び504は、それぞれ、本発明に係る「第1側面」、「第2側面」、「第3側面」及び「第4側面」の一例である。
【0049】
具体的には、図5に示すように、治具フレーム700は、液晶パネル500の側面501に対応して一の方向に延びるように形成された第1フレーム部分710と、液晶パネル500の側面502に対応して前記一の方向と略垂直に交わる他の方向に延びる第2フレーム部分720と、液晶パネル500の側面503に対応して前記他の方向に、第2フレーム部分720と対向するように延びる第3フレーム部分730とを備えており、略コの字状の平面形状を有している。
【0050】
治具フレーム700は、液晶パネル500の側面501、502及び503にそれぞれ対応するパネル用基準面711、721及び731と、出射側防塵用基板410の側面に対応する出射側用基準面712、722及び732と、入射側防塵用基板420の側面に対応する入射側用基準面713、723及び733とを含む内壁面を有している。パネル用基準面711、出射側用基準面712及び入射側用基準面713は、第1フレーム部分710の内壁面の一部として形成されている。パネル用基準面711、出射側用基準面712及び入射側用基準面713は、出射側用基準面712及び入射側用基準面713がパネル用基準面711よりも液晶パネル500の側面501から遠くなるように形成されている。パネル用基準面721、出射側用基準面722及び入射側用基準面723は、第2フレーム部分720の内壁面の一部として形成されている。パネル用基準面721、出射側用基準面722及び入射側用基準面723は、出射側用基準面722及び入射側用基準面723が、パネル用基準面721よりも液晶パネル500の側面502から遠くなるように形成されている。パネル用基準面731、出射側用基準面732及び入射側用基準面733は、第3フレーム部分730の内壁面の一部として形成されている。パネル用基準面731、出射側用基準面732及び入射側用基準面733は、出射側用基準面732及び入射側用基準面733がパネル用基準面731よりも液晶パネル500の側面503から遠くなるように形成されている。尚、パネル用基準面711、721及び731は、本発明に係る「第1基準面」の一例、出射側用基準面712、722及び732は、本発明に係る「第2基準面」の一例、入射側用基準面713、723及び733は、本発明に係る「第3基準面」の一例である。
【0051】
図5及び図9に示すように、治具フレーム700の第2フレーム部分720及び第3フレーム部分730には、後述する出射側治具フック810及び入射側治具フック820をそれぞれ嵌合させるための爪部751及び752が形成されている。
【0052】
図3及び図4において、液晶パネル挿入工程(ステップS10)では、液晶パネル500を治具フレーム700の出射側表面700a側から治具フレーム700に挿入することにより、液晶パネル500を治具フレーム700に収容する。この際、液晶パネル500の側面501、502及び503を治具フレーム700のパネル用基準面711、721及び731にそれぞれ接触させる。
【0053】
次に、治具フレーム700に出射側防塵用基板410を挿入する出射側防塵用基板挿入工程が行われる(ステップS20)。尚、出射側防塵用基板挿入工程は、本発明に係る「第2接触工程」の一例である。
【0054】
出射側防塵用基板挿入工程(ステップS20)では、出射側防塵用基板410を治具フレーム700の出射側表面700a側から治具フレーム700に挿入することにより、液晶パネル500の法線方向から見て液晶パネル500を覆うように出射側防塵用基板410を治具フレーム700に収容する。更に、出射側防塵用基板挿入工程では、液晶パネル500のパネル面500a及び出射側防塵用基板410の液晶パネル500に対向する側の面の少なくとも一方に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤を塗布し、液晶パネル500と出射側防塵用基板410との間に接着剤を介在させる。加えて、出射側防塵用基板挿入工程では、出射側防塵用基板410の側面を治具フレーム700の出射側用基準面712、722及び732(図5及び図7参照)に接触させる。これにより、液晶パネル500に対する出射側防塵用基板410の位置決め、即ち、液晶パネル500と出射側防塵用基板410との位置合わせを精度良く行うことができる。
【0055】
次に、治具フレーム700に出射側治具フック810を嵌合させる出射側治具フック嵌合工程が行われる(ステップS30)。尚、出射側治具フック嵌合工程は、本発明に係る「第1嵌合工程」の一例である。
【0056】
図4に示すように、出射側治具フック810は、開口部816が設けられた額縁状の本体と、この本体の両脇に設けられた嵌合部811とを備えている。出射側治具フック810は、両脇に設けられた嵌合部811を、治具フレーム700の側面に設けられた爪部751に引っ掛けることによって、治具フレーム700と嵌合する。更に、出射側治具フック810の本体には、折り曲げ部815が形成されている。折り曲げ部815は、液晶パネル500及び出射側防塵用基板410が収容された治具フレーム700に出射側治具フック810が嵌合した際、出射側防塵用基板410を液晶パネル500に押し当てることが可能に構成されている。
【0057】
出射側治具フック嵌合工程(ステップS30)では、液晶パネル500及び出射側防塵用基板410が収容された治具フレーム700に、治具フレーム700の出射側表面700a側から出射側治具フレーム810を嵌合させる。これにより、出射側防塵用基板410の液晶パネル500に対向する側の面とは反対側の面の一部が出射側治具フレーム810によって覆われる。
【0058】
図10は、本実施形態における、入射側防塵用基板挿入工程及び入射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。
【0059】
図3及び図10において、出射側治具フック嵌合工程(ステップS30)の後には、治具フレーム700に入射側防塵用基板420を挿入する入射側防塵用基板挿入工程が行われる(ステップS40)。尚、入射側防塵用基板挿入工程は、本発明に係る「第3接触工程」の一例である。
【0060】
入射側防塵用基板挿入工程(ステップS40)では、入射側防塵用基板420を治具フレーム700の入射側表面700b側から治具フレーム700に挿入することにより、液晶パネル500の法線方向から見て液晶パネル500に重なるように入射側防塵用基板420を治具フレーム700に収容する。更に、入射側防塵用基板挿入工程では、液晶パネル500のパネル面500b及び入射側防塵用基板420の液晶パネル500に対向する側の面の少なくとも一方に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤を塗布し、液晶パネル500と入射側防塵用基板420との間に接着剤を介在させる。加えて、入射側防塵用基板挿入工程では、入射側防塵用基板420の側面を治具フレーム700の入射側用基準面713、723及び733(図5及び図6参照)に接触させる。これにより、液晶パネル500に対する入射側防塵用基板420の位置決め、即ち、液晶パネル500と入射側防塵用基板420との位置合わせを精度良く行うことができる。
【0061】
次に、治具フレーム700に入射側治具フック820を嵌合させる入射側治具フック嵌合工程が行われる(ステップS50)。尚、入射側治具フック嵌合工程は、本発明に係る「第2嵌合工程」の一例である。
【0062】
図10に示すように、入射側治具フック820は、前述した出射側治具フック810を概ね同様に構成されている。即ち、入射側治具フック820は、開口部826が設けられた額縁状の本体と、この本体の両脇に設けられた嵌合部821とを備えている。入射側治具フック820は、両脇に設けられた嵌合部821を、治具フレーム700の側面に設けられた爪部752に引っ掛けることによって、治具フレーム700と嵌合する。更に、入射側治具フック820の本体には、折り曲げ部825が形成されている。折り曲げ部825は、液晶パネル500及び入射側防塵用基板420が収容された治具フレーム700に入射側治具フック820が嵌合した際、入射側防塵用基板420を液晶パネル500に押し当てることが可能に構成されている。
【0063】
入射側治具フック嵌合工程(ステップS50)では、液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420が収容された治具フレーム700に、治具フレーム700の入射側表面700b側から入射側治具フレーム820を嵌合させる。これにより、入射側防塵用基板420の液晶パネル500に対向する側の面とは反対側の面の一部が入射側治具フレーム820によって覆われる。
【0064】
図11は、本実施形態における、液晶パネル、出射側防塵用基板及び入射側防塵用基板が収容された治具フレームに入射側治具フック及び出射側治具フックが嵌合された状態を示す斜視図である。図12は、治具フレームの第1フレーム部分の内壁面に対向する方向(即ち、図11中、ブロック矢印P1が示す方向)から、液晶パネル、出射側防塵用基板及び入射側防塵用基板が収容された治具フレームに入射側治具フック及び出射側治具フックが嵌合された状態を見た図である。図13は、本実施形態における、液晶パネル、出射側防塵用基板及び入射側防塵用基板が収容された治具フレームに出射側治具フックのみが嵌合され、入射側治具フックが嵌合されていない状態を示す斜視図である。
【0065】
図11及び図12に示すように、前述した液晶パネル挿入工程(ステップS10)から入射側治具フック嵌合工程(ステップS50)が行われることにより、治具フレーム700に収容された液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420が、出射側治具フック810及び入射側治具フック820によって挟まれた状態となる。ここで特に、図12に示すように、出射側治具フック810の折り曲げ部815によって、出射側防塵用基板410が液晶パネル500に押し当てられ、入射側治具フック820の折り曲げ部825によって、入射側防塵用基板420が液晶パネル500に押し当てられる。よって、液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420の位置ずれを低減或いは防止できると共に、液晶パネル500に出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420をより確実に貼り付けることができる。
【0066】
図12及び図13において、本実施形態では特に、前述したように、液晶パネル挿入工程(ステップS10)において液晶パネル500の側面を治具フレーム700のパネル用基準面711、721及び731(図5も参照)に接触させ、出射側防塵用基板挿入工程(ステップS20)において、出射側防塵用基板410の側面を出射側用基準面712、722及び732(図5も参照)に接触させ、入射側防塵用基板挿入工程(ステップS40)において、入射側防塵用基板420の側面を入射側用基準面713、723及び733(図5も参照)に接触させる。
【0067】
よって、液晶パネル500に対する出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420の位置決め、即ち、液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420の位置合わせを精度良く行うことができる。
【0068】
図3において、入射側治具フック嵌合工程(ステップS50)の後には、液晶パネル500と出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420の各々との間に介在する例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤を硬化させる硬化工程が行われる(ステップS60)。
【0069】
本実施形態では特に、硬化工程(ステップS60)において、治具フレーム700に収容された液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を出射側治具フック810及び入射側治具フック820によって挟んだ状態で、液晶パネル500と出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420の各々との間に介在する接着剤を硬化させるので、液晶パネル500に出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を位置精度良く貼り付けることができる。
【0070】
更に、本実施形態では特に、液晶パネル500に出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を貼り付ける貼付工程において、治具フレーム700、出射側治具フック810及び入射側治具フック820からなる治具を用いるので、平面視した状態で液晶パネル500よりも大きい出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を液晶パネル500に効率良く貼り付けることができる。
【0071】
加えて、本実施形態では特に、前述したように、液晶パネル挿入工程(ステップS10)、出射側防塵用基板挿入工程(ステップS20)、出射側治具フック嵌合工程(ステップS30)、入射側防塵用基板挿入工程(ステップS40)及び入射側治具フック嵌合工程(ステップS50)がこの順番で行われる。よって、治具フレーム700に液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を迅速に収容することができる。従って、液晶パネル500よりも大きい出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を液晶パネル500に位置精度良く且つより効率良く貼り付けることができる。
【0072】
図3において、硬化工程(ステップS60)の後には、治具フックを除去する治具除去工程が行われる(ステップS70)。
【0073】
図11から図13において、治具除去工程では、液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420が収容された治具フレーム700に嵌合された出射側治具フック810及び入射側治具フック820を、治具フレーム700から取り外し、液晶パネル500及び液晶パネル500に貼り付けられた出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を、治具フレーム700から液晶パネル500の側面504側に引き出す。これにより、液晶パネル500よりも大きい出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420が液晶パネル500に貼り付けられてなる、図1及び図2を参照して前述した液晶装置1を得ることができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、治具フレーム700、出射側治具フック810及び入射側治具フック820からなる治具を用いて液晶パネル500と出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420との位置合わせを行い、液晶パネル500に出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を貼り付けるので、平面視した状態で液晶パネル500よりも大きい出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を液晶パネル500に位置精度良く貼り付けることができる。更に、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を液晶パネル500に効率良く貼り付けることもできる。
【0075】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る液晶装置の製造方法について、図14から図16を参照して説明する。
【0076】
第2実施形態に係る液晶装置の製造方法は、前述した治具フレーム700に液晶パネル500、出射側防塵用基板810及び入射側防塵用基板820を収容する順番が前述した第1実施形態に係る液晶装置の製造方法と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る液晶装置の製造方法と概ね同様である。
【0077】
図14は、第2実施形態に係る貼付工程を示すフロー図である。図15は、第2実施形態における、入射側防塵用基板挿入工程及び入射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。尚、図14において、図3に示した第1実施形態に係る工程と同様の工程に同一の参照符号を付し、それらの説明は適宜省略する。また、図15において、図1から図13に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0078】
図14及び図15において、本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、貼付工程では、先ず、治具フレーム700に入射側防塵用基板420を挿入する入射側防塵用基板挿入工程が行われる(ステップS40b)。入射側防塵用基板挿入工程(ステップS40b)では、入射側防塵用基板420を治具フレーム700の入射側表面700b側から治具フレーム700に挿入することにより、入射側防塵用基板420を治具フレーム700に収容する。この際、入射側防塵用基板420の側面を治具フレーム700の入射側用基準面713、723及び733に接触させる。
【0079】
次に、治具フレーム700に入射側治具フック820を嵌合させる入射側治具フック嵌合工程が行われる(ステップS50b)。入射側治具フック嵌合工程(ステップS50b)では、入射側防塵用基板420が収容された治具フレーム700に、治具フレーム700の入射側表面700b側から入射側治具フレーム820を嵌合させる。
【0080】
図16は、第2実施形態における、液晶パネル挿入工程、出射側防塵用基板挿入工程及び出射側治具フック嵌合工程を概念的に示す斜視図である。
【0081】
図14及び図16において、入射側治具フック嵌合工程(ステップS50b)の後には、治具フレーム700に液晶パネル500を挿入する液晶パネル挿入工程が行われる(ステップS10b)。液晶パネル挿入工程(ステップS10b)では、液晶パネル500を治具フレーム700の出射側表面700a側から治具フレーム700に挿入することにより、液晶パネル500を治具フレーム700に収容する。更に、液晶パネル挿入工程では、液晶パネル500のパネル面500b及び入射側防塵用基板420の液晶パネル500に対向する側の面の少なくとも一方に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤を塗布し、液晶パネル500と入射側防塵用基板420との間に接着剤を介在させる。加えて、液晶パネル挿入工程では、液晶パネル500の側面501、502及び503を治具フレーム700のパネル用基準面711、721及び731にそれぞれ接触させる。
【0082】
次に、治具フレーム700に出射側防塵用基板410を挿入する出射側防塵用基板挿入工程が行われる(ステップS20b)。出射側防塵用基板挿入工程(ステップS20b)では、出射側防塵用基板410を治具フレーム700の出射側表面700a側から治具フレーム700に挿入することにより、液晶パネル500の法線方向から見て液晶パネル500に重なるように出射側防塵用基板410を治具フレーム700に収容する。更に、出射側防塵用基板挿入工程では、液晶パネル500のパネル面500a及び出射側防塵用基板410の液晶パネル500に対向する側の面の少なくとも一方に例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の接着剤を塗布し、液晶パネル500と出射側防塵用基板410との間に接着剤を介在させる。加えて、出射側防塵用基板挿入工程では、出射側防塵用基板410の側面を治具フレーム700の出射側用基準面712、722及び732(図5及び図7参照)に夫々接触させる。
【0083】
次に、治具フレーム700に出射側治具フック810を嵌合させる出射側治具フック嵌合工程が行われる(ステップS30b)。出射側治具フック嵌合工程(ステップS30b)では、液晶パネル500及び出射側防塵用基板410が収容された治具フレーム700に、治具フレーム700の出射側表面700a側から出射側治具フレーム810を嵌合させる。
【0084】
このような第2実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、前述した第1実施形態に係る液晶装置の製造方法と同様に、平面視した状態で液晶パネル500よりも大きい出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を液晶パネル500に位置精度良く貼り付けることができる。更に、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を液晶パネル500に効率良く貼り付けることもできる。
【0085】
本実施形態では特に、前述したように、入射側防塵用基板挿入工程(ステップS40b)、入射側治具フック嵌合工程(ステップS50b)、液晶パネル挿入工程(ステップS10b)、出射側防塵用基板挿入工程(ステップS20b)及び出射側治具フック嵌合工程(ステップS30b)がこの順番で行われる。よって、治具フレーム700に液晶パネル500、出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を迅速に収容することができる。従って、液晶パネル500よりも大きい出射側防塵用基板410及び入射側防塵用基板420を液晶パネル500に位置精度良く且つより効率良く貼り付けることができる。
【0086】
本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0087】
410…出射側防塵用基板、420…入射側防塵用基板、500…液晶パネル、500a、500b…パネル面、501、502、503、504…側面、700…治具フレーム、711、721、731…パネル用基準面、712、722、732…出射側用基準面、713、723、733…入射側用基準面、810…出射側治具フック、820…入射側治具フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学パネルと、該電気光学パネルの第1及び第2パネル面に夫々貼り付けられ、前記電気光学パネルの法線方向から見て前記電気光学パネルよりも大きい第1及び第2防塵用基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、
治具フレーム及び一対の治具フックからなる治具を用いて前記電気光学パネルと前記第1及び第2防塵用基板との位置合わせを行うと共に、前記電気光学パネルに前記第1及び第2防塵用基板を貼り付ける貼付工程を含み、
前記治具フレームは、前記電気光学パネル、前記第1及び第2防塵用基板を、前記電気光学パネルの第1側面及び該第1側面に夫々隣接する第2及び第3側面に夫々対向する3つの方向から囲んだ状態で収容することが可能なように形成されると共に、前記電気光学パネルの側面に対応する第1基準面と、前記第1基準面よりも前記電気光学パネルの側面から遠くなるように夫々形成され、前記第1及び第2防塵用基板の側面に夫々対応する第2及び第3基準面とを含む内壁面を有し、
前記一対の治具フックは、前記治具フレームに前記電気光学パネル、前記第1及び第2防塵用基板が収容された状態で、前記電気光学パネル、前記第1及び第2防塵用基板を前記第1パネル面及び第2パネル面側から挟むように前記治具フレームと嵌合可能に形成され、
前記貼付工程は、
前記治具フレームに前記電気光学パネルを収容し、前記電気光学パネルの側面を前記第1基準面に接触させる第1接触工程と、
前記治具フレームに前記第1防塵用基板を収容し、前記第1防塵用基板の側面を前記第2基準面に接触させる第2接触工程と、
前記治具フレームに前記第2防塵用基板を収容し、前記第2防塵用基板の側面を前記第3基準面に接触させる第3接触工程と、
前記第2接触工程が行われた後に、前記一対の治具フックのうち前記第1パネル面に対応する第1治具フックを、前記治具フレームに嵌合させる第1嵌合工程と、
前記第3接触工程が行われた後に、前記一対の治具フックのうち前記第2パネル面に対応する第2治具フックを、前記治具フレームに嵌合させる第2嵌合工程と
を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1、第2及び第3接触工程並びに前記第1及び第2嵌合工程は、前記第1接触工程、前記第2接触工程、前記第1嵌合工程、前記第3接触工程及び前記第2嵌合工程の順番で行われることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1、第2及び第3接触工程並びに前記第1及び第2嵌合工程は、前記第3接触工程、前記第2嵌合工程、前記第1接触工程、前記第2接触工程及び前記第1嵌合工程の順番で行われることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1及び第2嵌合工程の後に、前記治具フレームから前記一対の治具フックを取り外し、前記電気光学パネル並びに前記電気光学パネルに貼り付けられた前記第1及び第2防塵用基板を、前記治具フレームから前記電気光学パネルの前記第1側面に対向する第4側面側に引き出す治具除去工程を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−58503(P2012−58503A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201828(P2010−201828)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】