説明

電気分解を利用した電解装置

【課題】電気分解を利用した電解装置において、この装置で発生したガスを効率よく大量に長時間発生させ、電気分解により発生するガスから液体の分離を効果的に行なうことができる。
【解決手段】電解液を充填した電解槽10内に正極電極12及び負極電極13を浸漬し、両電極12,13間に直流交番電圧を印加する。両電極12,13間には複数の中間電極14が配置される。前記電解槽10は密閉蓋18により密閉され、電気分解により発生したガスが密閉蓋18に設けられた排出口19から取り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気分解を利用した電解装置及びこれの気液分離装置、特に電気分解を利用して得られた混合ガスを工業用のガスとして発生させる改良された電解装置及びこれの気液分離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水を電気分解して水素と酸素の混合ガスすなわちブラウンガスを短時間に大量に発生させ、これを溶融炉あるいは燃焼炉などに用いる技術はすでに特許文献1として公知である。また、このような技術を実現したブラウンガス発生器も販売されており、例えばB.E.S.T.KOREA CO.,LTD.社製のブラウンガス発生器が知られている。(www.browngas.com)
【0003】
また、このようなブラウンガスあるいは電気分解発生ガスに好適なガス発生装置として、特許文献2あるいは特許文献3が知られており、電解槽と正極および負極電極並びに両極電極間に配置された中間電極の構造も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3130014号
【特許文献2】特開2004−137528号公報
【特許文献3】特開昭63−303087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来提案されている電気分解ガス発生装置(電解装置)においては充分に満足のいく効率を得ることができないという問題があった。この結果、装置は一般的に大型化し且つ重量の大きな装置となっていた。
【0006】
また、従来提案されている電解装置においては、例えば水を電気分解した場合、発生した水素と酸素の混合ガスが、発生当初はガスと液体がまざった状態として取り出されてしまい、このままでは、良好な工業用のガスとしては用いられないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、新たな機構の組み合わせにより、電気分解により発生するガスを効率よく連続大量に発生させることができる電解装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、電気分解により発生するガスから液体の分離を効果的に行なうことができる電解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電気分解を利用した電解装置は、電解液を充填した電解槽と、前記電解槽内の電解液中に浸漬された正極電極及び負極電極と、前記両電極間に両電極に対して及び互いに絶縁して配置され、両電極間電圧をそれぞれ分圧して受ける複数の中間電極と、前記両電極に直流交番電圧を印加する電源装置と、前記電解槽を密閉すると共に、電気分解により発生した、水素と酸素との混合ガスを排出する排出口を有する密閉蓋と、電解槽の上部であって密閉蓋との間に配置され電解槽にて泡状に発生した混合ガスと電解液とを分離する気液分離装置と、排出口に接続され、混合ガスから液体分を分離する第一気液分離装置と、を含む。
【0010】
そして、前記気液分離装置は、隔壁にて複数室に分けられた有底分離室を有し、各隔壁及び各室の底には開口が設けられる。
【0011】
そして、前記第一気液分離装置は、混合ガスが下部から上部に向けて流れる第一分離室と、外周が前記第一分離室の内壁に接し、その一部と前記第一分離室の内壁との間に混合ガスが流れる隙間を有する複数のじゃま板と、を有する。
【0012】
また、本発明の電気分解を利用した電解装置は、電解液を充填した電解槽と、前記電解槽内の電解液中に浸漬された正極電極及び負極電極と、前記両電極間に両電極に対して及び互いに絶縁して配置され、両電極間電圧をそれぞれ分圧して受ける複数の中間電極と、前記両電極に直流交番電圧を印加する電源装置と、前記電解槽を密閉すると共に、電気分解により発生した、水素と酸素との混合ガスを排出する排出口を有する密閉蓋と、電解槽の上部であって密閉蓋との間に配置され電解槽にて泡状に発生した混合ガスと電解液とを分離する気液分離装置と、排出口に接続され、混合ガスから液体分を分離する第二気液分離装置と、を含む。
【0013】
そして、前記気液分離装置は、隔壁にて複数室に分けられた有底分離室を有し、各隔壁及び各室の底には開口が設けられ、前記第二気液分離装置は、外筒と内筒からなる二重円筒であり、その上部が閉塞された第二分離室と、先端が前記外筒から筒内に挿入され、その先端に設けられた横穴から混合ガスを前記外筒の内面に沿ってらせん状に下降するように噴出する噴出管と、前記内筒に差し込まれ、その内筒の上部で一端が開放してそこから混合ガスを抽出する抽出管と、を有する。
【0014】
また、前記第二気液分離装置は、前記第二分離室の下部と前記電解槽とを接続して混合ガスから分離した液体分を前記電解槽に帰還させる管路に設けられ、前記電解槽から前記第二分離装置に向かう流体の流れを阻止する逆止弁を有することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電解装置によれば、新たな機構の組み合わせにより、電気分解により発生するガスを効率よく連続大量に発生させることができる。
【0016】
また、本発明の電解装置によれば、電気分解を利用した電解装置で発生したガスから液体の分離を効果的に行なうことができる。
【0017】
また、分離された液体を再び電解装置へ効果的に帰還させ、長時間にわたって少ないメンテナンスにて連続運転を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る燃焼ガス発生装置の好適な第1実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1における燃焼ガス発生装置の要部を示す断面図。
【図3】図2における中間電極の支持構造を示す要部斜視図。
【図4】図4Aは、図3と同様に、図2における中間電極の支持構造を示す要部斜視図であり、図4Bは、下側固定板の断面図である。
【図5】第1実施形態における電解槽と冷却装置との関係を示す平面図。
【図6】第1実施形態における第1気液分離装置の詳細を示す平面図。
【図7】第1実施形態における、電解槽外部に設けられた多段気液分離装置を示す概略説明図。
【図8】第1実施形態における第2気液分離装置を示す要部断面図。
【図9】図8における気液分離室の内部を示す平面図。
【図10】第1実施形態における第2気液分離装置の上部に設けられた防爆装置を示す要部断面図。
【図11】第1実施形態における第3気液分離装置を示す概略説明図。
【図12】第1実施形態における第4気液分離装置の除湿管を示す平面図。
【図13】第1実施形態における第4気液分離装置の他の除湿管を示す平面図。
【図14】第1実施形態における第5気液分離装置の概略構成を示す説明図。
【図15】第1実施形態における第6気液分離装置を示す概略断面図。
【図16】本発明に係る車載用燃焼ガス発生装置の好適な実施形態を示す概略構成図。
【図17】図16の第2実施形態の電解槽を示す要部斜視図。
【図18】図17における電解槽の内部構造を示す分解斜視図。
【図19】第3実施形態における冷却装置を示す概略説明図。
【図20】第3実施形態における沈殿物除去装置を示す概略説明図。
【図21】正負電極の切り替え装置を示す概略説明図。
【図22】第4実施形態における、燃焼ガス発生装置に接続された気液分離装置を示す概略説明図。
【図23】第4実施形態における第7気液分離装置を示す概略断面図。
【図24】図23における気液分離室の内部を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には本発明に係る、電解装置の好適な第1実施形態の概略構成が示されている。なお、本実施形態においては、電解装置の一例として燃焼用のガスを発生させる燃焼ガス発生装置を挙げ、この装置について説明する。
【0020】
電解槽10には水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムなどの電解液11が充填されており、この電解液11中に正極および負極電極が浸漬されている。本実施形態において、正極電極12は電解槽10のほぼ中央に固定された金属製電極棒からなり、一方負極電極13は電解槽10自体が兼用している。
【0021】
本発明における電極構造は、前記正極電極12と負極電極13との間に、複数の中間電極14が配置され、これら複数の中間電極14は前記両電極12,13に対して絶縁され、また中間電極14自体が互いに絶縁して配置され、この結果、正極電極12と負極電極13との間に印加された直流電圧は各中間電極14によってそれぞれ分圧されることとなる。
【0022】
前記両電極12,13間に電気分解を行うための電圧を印加するために、両電極間には電源装置15が接続されている。
【0023】
本発明において、この電源装置15は両電極12,13に直流交番電圧を印加する。本発明における電源装置15がこのように単なる連続的な直流電圧でなくパルス状の直流交番電圧を各電極12,13に供給することにより、供給電圧を増加し、また電解液11中を流れる電流密度を大きくすることが可能となる。
【0024】
そして、前述した正極電極12、負極電極13及び中間電極14の電極配置とこの直流交番電圧を印加する電源装置15との組み合わせによって、本発明によれば、電解液11を効率よく電気分解することが可能となる。
【0025】
周知のように、例えば水の電気分解においては、電解液から発生した生成物質が電極に付着して、電気分解が急速に減衰してしまう現象が生じる。
【0026】
このために、従来においては、電解液11を強制循環するために外付けのポンプを設けるなどの改良が行われていたが、このような強制循環方式では、循環のためにエネルギーを損失し、全体の効率が著しく低下するという問題があった。
【0027】
このような問題を解消するために、本実施形態においては、前記電解槽に自然循環型の冷却装置を設置することを特徴とする。
【0028】
図1において、冷却装置は符号16にて示され、電解槽10の上下両端に接続された冷却フィン17を含み、電解槽10内の電解液11を冷却フィン17内に自然循環させて電解槽10の外部にて冷却し、これを再び電解槽10内に戻すことによって、液温を最適に保つと共に、電解物質が電極12あるいは13の周囲に付着して、電気分解の機能が低下することを確実に防止することができる。
【0029】
もちろん、本発明において、このような冷却装置17による自然循環を行うことなく、他の強制循環を用いることも可能である。
【0030】
直流交番電圧が電極12,13間に印加されると、本発明にかかる燃焼ガス発生装置はただちに水素と酸素との混合ガスを発生する。この混合ガスを大気に逃がさないように、電解槽10には密閉蓋18が気密状態で固定配置され、電解槽を密閉する。この密閉蓋18には排出口19が設けられており、電気分解により発生した混合ガスがこの排出口19を通って外部に導かれる。
【0031】
本発明において、混合ガスの発生は極めて迅速に行われ、電気分解による混合ガスの発生は電源投入から1分以内に開始され、このガス発生は継続し、大量の混合ガスを連続的に発生することができる。ガスの発生が急激であることから、混合ガスは電解液との泡状の混合状態で排出口19から外部に導かれる。したがってこのままの気液混合状態では、燃焼ガスとして用いることはできないので、本発明においては、混合ガスから液体分を分離するために少なくとも2段の気液分離装置20,21が直列接続されている。各気液分離装置20,21から分離された液体は戻し路22を介して電解槽10に返却される。
【0032】
したがって、本発明によれば、装置を連続的に作動させても、電解質はほとんど減少することはなく、混合ガスとして分解された水分のみを補給すれば、連続的に混合ガスの発生を継続することが可能となる。
【0033】
図2には、図1に示した本発明の好適な第1実施形態のさらに具体化された燃焼ガス発生装置の要部が示されている。
【0034】
電解槽10はこの実施形態において、縦長の有底筒状の金属体からなり、負極電極13を兼用している。電解槽10内には実施形態において水酸化ナトリウムなどの電解液11が充填され、この電解液11内に正極電極12が浸漬された状態で電解槽10内に固定される。正極電極12は金属円筒からなり、その上端においてフランジ23を介して電極端子24と一体的に結合している。
【0035】
前記正極電極12を電解槽10内に固定配置するために、電解槽10には正極電極12の上下に上側固定板25及び下側固定板26を配置している。
【0036】
図3、4Aには、図2に示した正極電極12の上側固定板25及び下側固定板26の詳細が示され、これらの固定板25,26は、各電極を絶縁状態に配置するためにプラスチック、テフロン(登録商標)、セラミックなどの絶縁材から形成されている。
【0037】
上側固定板25の中央には、正極電極12の電極端子24が貫通する貫通穴27が設けられ、また上側固定板25の底面においては、前記正極電極12と電極端子24とを結合するフランジ23を受け入れる円柱溝28が設けられ、正極電極12と上側固定板25とは一体的に強固に結合される。上側固定板25には6個の長穴29が等間隔に半径方向に沿って設けられており、この長穴29を通して電気分解により発生した水素と酸素の混合ガスが電解液と混ざって泡状に電解槽10の上部に排出される。
【0038】
一方、下側固定板26も、電気絶縁材からなり、上面に設けられたリング状の電極支持溝30によって、正極電極12の下端が支持されている。
【0039】
また、下側固定板26の中央には透孔31が設けられ、さらに下側固定板26を貫通してその径方向に放射状に設けられた複数の小貫通孔32によって電解槽10内の電解液11が下側固定板26を通過して移動可能となっている。
【0040】
図4Aから明らかなように、下側固定板26の裏面には、径方向に放射状に設けられた6筋の溝33が設けられ、電解液11の移動を容易にすると共に、電気分解によって発生する異物あるいは混入した塵埃等をこの溝33に溜めることができる。
【0041】
このような下側固定板26は、電解槽10の内部において、その底部に配置された円盤状の簀の子34の上に置かれ、この状態で、前記溝33はその一部が下側固定板26の側方に延び、開口部35を形成し後述する冷却装置への導路を形成している。
【0042】
図4Bは、下側固定板26の断面図である。この図から明らかなように、小貫通孔32は断面略円錐形状である。具体的には、下側固定板26の上面に形成される小貫通孔32の径r1は、下側固定板26の下面に形成される小貫通孔32の径r2より大きい。小貫通孔32をこのような形状にすることにより、電気分解によって発生する異物あるいは混入した塵埃等が小貫通孔32を通過して、下側固定板26の上側から下側に移動し易くすると共に、下側固定板26の下側から上側に移動することを抑制することができる。
【0043】
本実施形態において、負極電極13は電解槽10自体が受け持ち、前記正極電極12との間に直流交番電圧が印加される。
【0044】
この時の印加電圧は6〜200ボルトの間で任意に選択され、この時の電解液11を流れる電流は10〜400アンペアに達している。
【0045】
また、本発明において印加電圧の交番周波数は1Hz〜40kHzに設定されている。
【0046】
従って、本発明によれば、正極及び負極電極12,13間には高電圧、高電流をかけることができ、極めて効率の良い電気分解を継続的に行うことができ、この結果、ガス発生装置として小型化および軽量化を図ることが可能となる。
【0047】
前述した高電圧、高電流は、単なる正極、負極電極12,13間に印加すると、急速な電気分解によって、電解液には局所的な激しい電気分解が発生し、電解液11に不均一な領域が生じ、全体として電気分解効率を引き下げる要素となる。
【0048】
本発明においては、このような不均一な分布発生を防止するために、正極電極12と負極電極13すなわち電解槽10との間には複数の中間電極14が設けられ、電気分解を電解槽10内で均一に行わせることを可能としている。
【0049】
図2から図4において、この中間電極は符号14で示され、この実施形態においては複数の金属製同心円筒として形成されている。これらの複数の中間電極は、図3、4に詳細に示されるように、上側固定板25及び下側固定板26のそれぞれ底面及び上面に設けられた複数の中間電極支持溝40,41にはめ込まれ、電解槽10内にて複数の中間電極14が、各正極電極12及び負極電極13そして中間電極14同士においても互いに絶縁した状態で電解槽10内に配置されることとなる。
【0050】
この中間電極14を複数配置することによって、電解液11は隣接する電極間で分離され、印加電圧も各分離された電極対ごとに分圧されるので、急激な電気分解が局部的に発生することを防止し、電解液11の全域に渡って安定した電気分解作用を得ることができる。
【0051】
以上のようにして、本発明によれば、効率の良い電気分解を行い、大量の水素と酸素との混合ガスを連続的に発生することができるが、さらに、電気分解の効率を改善するためにはガス発生装置に冷却装置を設けることが効果的である。
【0052】
すなわち、本発明者らの実験によれば、水酸化ナトリウムを電解液として用いた場合、最も効率の良い電気分解を行うためには、電解液の温度をほぼ50〜80℃に設定することが好適であることが突きとめられた。
【0053】
このために、本実施形態においては、電解槽10の外側に自然循環による空冷の冷却装置16が設けられている。
【0054】
また、この自然循環型冷却装置16によれば、電解液11を電解槽10内において順次移動させ、この自然循環によって、電気分解の時に生じる生成物質が各電極12,13に付着して、電気分解作用を低下させることを確実に防止することが可能であった。
【0055】
この冷却装置は、基本的に2枚の平板状フィン42,43を電解槽10の外周に並列的に配置し、電解槽10との間を上端にて導路44a,44b,45a,45bにて結び、また下向を同様に導路46a,46b,47a,47bにて結合している。これらの導路と対向して、電解槽10には開口48,49が設けられ電解槽10内の電解液11はその上部から冷却フィン42,43に導かれ、各フィン42,43から電解槽10の下部に向かって流れ込む自然循環型の水冷冷却路を形成することができる。
【0056】
本発明において、この冷却装置16は必ずしも必須ではなく、冷却装置16が無い場合にも、充分に従来に比して良好な電気分解作用を得ることができたが、この冷却装置16を設けることによって、前述した最適な温度条件を維持し、また電解液11の循環によって電気分解効率を低下させないという二重の効果を得ることができ、装置として有用性を著しく高めることができた。
【0057】
前記中間電極14は、任意の枚数配置することができるが、本実施形態においては、電解槽10の大きさに従って、各電極間距離を1mmから20mmに設定した。
【0058】
本発明において、この電極間距離に対しては、直流交番電圧の交番周波数を比例関係に置くことが効率の良い電気分解を得るために有用であった。
【0059】
すなわち、電極間距離が増加するに伴い、交番周波数を増加させ、これによって、電気分解の効率を最適値に維持することが可能であった。
【0060】
このようにして、前述したように冷却装置16の作用によって、温度を最適値に保ち、また電気分解を阻害する化学物質を電極周辺に滞留させないという大きな利点がある。
【0061】
以上のようにして、本発明によれば、電気分解を高電圧高電流にて行い、効率よく連続的な大量ガス発生を可能とするが、発生したガスは電解槽から液と混合した泡状になって排出され、このまま液を含んだ状態では燃焼ガスとして用いることができない。本発明においては、このような気液混合ガスを、外部からの動力を与えることなく静的に気液分離することにより、効率よく燃焼ガスを取り出すことができた。
【0062】
このために、本発明においては、電解槽10から発生した水素と酸素との混合ガスから液体分から分離する少なくとも2段直列接続された気液分離装置を設けている。
【0063】
本実施形態において、第1段の気液分離装置は、電解槽10の上部に配置されている。この第1気液分離装置は電解槽10にて泡状に発生した混合ガスと電解液とを分離するものであり、図6に示される有底円筒状のプラスチック製分離室49を有する。この分離室49は中央に通孔50を有し、この通孔50内を前述した正極電極12の電極端子24が通り抜ける。
【0064】
分離室49は内部が6室に分けられ、各室間には隔壁51が設けられている。各隔壁51にはそれぞれ複数の開口52が設けられ、また分離室49の底には図6で示されるように各室毎に開口53が設けられている。
【0065】
そして、分離室49の上面には絶縁材の板からなる分離蓋54が分離室49を封止し、この分離蓋54に設けられた開口55から多くの液体成分が除去された混合ガスが取り出される。
【0066】
図2から明らかなように、この分離蓋54の上部には、電解槽10を封止する密閉蓋18が固定され、前記開口55と一致した位置に設けられた排出口19より、電解槽10外へ混合ガスが取り出されることとなる。
【0067】
図6の矢印は、第1気液分離室49に導かれた気液混合体が各隔壁51の開口52を通って排出口19から取り出される経路を示し、各室を通過する度に、気液混合体はその方向が分散され、液体成分が分離室49の底部から電解槽10内に落下し、効果的に気液分離が行われることが理解される。
【0068】
前述した正極電極12の電極端子24は密閉蓋18を貫通して上方に突出し、閉止ナット56によって密閉蓋18に強固に固定され、また電極端子24と密閉蓋18との間はOリングなどを用いた気密閉止部57によって気密に閉止される。
【0069】
以上述べたように、第1気液分離装置は電解槽内の上部に設けられているが、本実施形態において、多段配置された気液分離装置は更に電解槽10の外部に複数段配置されている。
【0070】
図7は、このような本実施形態の全体構成が示され、電解槽10の外部に設けられた5段の気液分離によって、最終的な排出口58からは、直ちに燃焼に供することのできる、乾燥混合ガスを得ることが可能となる。
【0071】
図7において、電解槽10の外部に配置される気液分離装置は、第2気液分離装置60、第3気液分離装置61、第4気液分離装置62、第5気液分離装置63、そして第6気液分離装置59からなり、混合ガスは電解槽10からこの順番を経て最終的な排出口58に導かれる。
【0072】
図8には、本実施形態における第2気液分離装置60の好適な実施例が示されている。
【0073】
電解槽10の密閉蓋18の上には、排出口19にあわせて第2気液分離室64が固定されている。この分離室64はほぼ円筒形状からなり、その上部には複数のじゃま板65が配置され、その上部の側壁に導管66が設けられている。
【0074】
図9は、第2気液分離室64内に設けられているじゃま板65の概略図が示され、各じゃま板65はその外周が第2気液分離室64の内壁に固定されているが、その一部65aが下方に折り曲げられ、第2気液分離室64との間に隙間67が設けられ、この隙間から混合ガスが順次導管66に向かって上昇する。前述したように、混合ガスの温度は約65℃前後で電解槽10から排出されるが、第2気液分離室64はほぼ常温に保たれており、この結果高湿度の混合ガスは前記じゃま板65により冷やされ、液分が混合ガスから分離される。
【0075】
また、この第2気液分離装置60は、分離室64の上に防爆機構が併設されていることを特徴とする。この防爆機構は図10に詳細に示され、第2気液分離室64の上部に固定された外リング68とこの外リングにねじ結合する内リング69とからなる。そして、両リング68,69の間にOリング70を介して金属薄板71が挟み込まれている。したがって、この防爆機構によれば、通常は金属薄板71が第2気液分離室64を機密に封止しているが、この金属薄板71の両面のいずれかの方向から圧力が加わった場合には、所定の圧力以上で金属薄板が外れ或いは破られ、第2気液分離室64内の圧力を外部に逃がすことができる。水素と酸素との混合ガスの場合、水素の爆発と、水素と酸素とが反応して水に戻るいわゆる爆縮の両現象が生じ、爆発の場合には金属薄板71は外側に破れ、また爆縮の場合には逆に内側に破れて圧力の均等化を図る。いずれの場合においても、第2気液分離室64において爆発或いは爆縮を効果的に吸収することができる。尚、金属薄板71に僅かな傷を付けておくことで破れを生じ易くすることもできる。
【0076】
図8において、第2気液分離室64の下方側壁には注水管72の一端が固定され、またその他端には注水蓋73が設けられている。本発明において、多段気液分離装置はいずれも分離された液を電解槽10へ戻す働きを行い、このために、ガス発生装置を長時間稼働させて電気分解による混合ガスを多量に発生させても電解質は外部に漏洩することがない。このために、本発明によれば、外部からの補充は水のみでよく、図8に示した注水管72によって必要な水の補給が行われる。
【0077】
図11は、第3気液分離装置61を示し、分離室74は二重円筒形状をしており、上部が閉塞されている。そして内筒75の中には細い抽出管76が差し込まれ、この抽出管76の一端が内筒75の上部で開放している。そして、分離室74の外筒77の下端はロウト状に細い管となり、この細管77aが図7に示されるように冷却フィンを通って電解槽10に接続されている。一方、外筒77の上部には、前記導管66の先端が絞り78を介して開放し、混合ガスがこの絞りから外筒77の内部に噴出し、この混合ガスが内筒75を通って抽出管76に達するまでの行程において液が混合ガスから更に分離され、電解槽10へ戻される。
【0078】
第4気液分離装置62は、混合ガスを除湿する装置であり、図12に示すように、抽出管76の先端にらせん状の除湿管80が接続されている。この除湿管80の上方には冷却ファン82が設けられており、混合ガスは除湿管80の中で除湿され、このとき発生した液分は混合ガス通過路に設けられたドレンパイプから電解槽10に戻される。
【0079】
図13には、第4気液分離装置62の他の実施例が示されており、この実施例は、除湿管80が図12の実施例と異なり、矩形状に近接して折り曲げられた形状からなる。図12の円形状の除湿管80と同様に、図13の除湿管80に対しても冷却用のファンによって冷風が与えられ、所望の除湿作用が行われる。
【0080】
図14には本発明の実施例における第5気液分離装置63が示され、その構造は第3気液分離装置と類似し、外筒81、内筒82からなる二重円筒と抽出管83を含み、除湿した液体は細管81aから電解槽10に戻される。
【0081】
第5気液分離装置63が第3気液分離装置61と異なる点は、除湿管80の先端が外筒81から筒内に挿入され、この除湿管80の先端に設けられた横孔80aから混合ガスが外筒81の内面に沿って若干下向きに向け噴出されることであり、この結果、混合ガスは外筒81内を図示の様にらせん状に下降しながら移動し、更に内筒82を通って抽出管83に導かれる。したがって、この構造により、乾燥度の高い混合ガスを得ることができる。
【0082】
図15は、第6気液分離装置59を示し、その構造は第2気液分離装置と類似するが、ガス入路が分離室88の上部に設けられ、混合ガスが下部から排出されることが第2気液分離装置と異なり、図15において入管が83で出管が84で示されている。このような入出路位置の相違によって、第6気液分離装置59ではじゃま板85の折り曲げ部86は上方に向かっている。第2気液分離装置と同様に第6気液分離装置においてもこの気液分離室85の上方には防爆機構87が設けられている。第6気液分離装置59から排出された液分も冷却フィンを介して電解槽10に戻される。
【0083】
以上のようにして、多段気液分離装置を用いることによって、排出された混合ガスは著しく高い乾燥度に保たれ、これをそのまま燃焼ガスとして直ちに利用することが可能となる。
【0084】
図16、17、18には、本発明にかかる燃焼ガス発生装置を車載するために好適な形態とした実施形態が示され、基本的に矩形の箱形形状に構成されている。
【0085】
この第2実施形態においても、原理的には第1実施形態と全く同様であるが、形状を矩形の箱形としたことにより、例えば車載のバッテリなどの代わりにエンジンルームに置くこともでき、第1実施形態のような円柱形状より車載時のスペースユーティリティが高いという利点がある。
【0086】
電解槽100は負極を兼ね、正極電極101との間には電源装置116から直流交番電圧が印加されている。また電解槽100内には矩形の中間電極102が複数枚配置されている。
【0087】
電解槽100の両側方には、それぞれ複数の冷却フィン105,106が設けられ、これによって電解液の温度を50〜80℃の最適状態に保ち、また電解液を自然循環することによって電気分解による生成物質が電極周囲に滞留して電気分解の作用を阻害することを防止している。
【0088】
また、電解槽100の底部からは配水管107によって必要な場合に排水を行い、このときに電解槽100の底部に溜まったゴミを除去することができる。電解槽100の上部には第1気液分離装置108が載置される。この第1気液分離装置108も隔壁109によって複数の小部屋に分けられ、電気分解により発生した泡状の混合ガスが各部屋を通り抜ける時に気液分離を行い、混合ガスを排出する。
【0089】
第1気液分離装置は分離室110と分離蓋111を含むが、この分離蓋111の上には更に電解槽100を機密に封止する密閉蓋112が設けられ、この密閉蓋に第2気液分離装置113が固定されている。この第2気液分離装置113の上部には防爆装置114が設けられ、またその下部には注水管115が接続されている。
【0090】
第2実施形態においては、2段の気液分離装置しか示されていないが、第1実施形態と同様に更に多段の気液分離装置を接続することも可能である。
【0091】
以上説明したように、本発明によれば、高電圧高電流で電気分解を行い、大量の水素と酸素との混合ガスを多量に連続的に発生することができる。このため、装置を小型軽量と
し車載或いは移動型燃焼ガス発生装置として用いることが可能となる。
【0092】
次に、本発明にかかる別の冷却装置120について説明する。図19は、第3実施形態における冷却装置120を示す概略説明図である。
【0093】
冷却装置120は、電解槽10に接して設けられで冷却コイル122と、冷却液を流す循環ポンプ124と、後述する放熱手段と、冷却液を溜めるタンク128とを有し、これらが循環流路123により順に接続されている。冷却液は、水であるが、これに限らずオイルにすることもできる。冷却コイル122は、電解槽10の外周を取り巻くように配置される。放熱手段は、ラジエータ125、放熱流路126、そしてエアコン127である。これらの放熱手段は、循環流路123に並列にそれぞれ接続され、バルブ129により切り替え可能になっている。これらの放熱手段は、たとえばビニールハウス内に設けられ、放熱手段からビニールハウス内に熱を放熱し、ハウス内を暖める。一方、冷却コイル122が電解槽10内から熱を奪うことにより、電解槽10内の電解液を冷却する。この冷却装置120によれば、電解槽10内の電解液を効果的に冷却することができる。また、冷却コイル122が耐振動性に優れた構造になっているため、振動の多い場所、例えば自動車に搭載することができる。
【0094】
図20は、第3実施形態における沈殿物除去装置130を示す概略説明図である。電解槽10の下側に配置される下側固定板26の下部には、電気分解によって発生する異物あるいは混入した塵埃などを沈殿させて溜める沈殿室131が設けられている。この沈殿室131と電解槽10とを沈殿物除去装置130が接続している。具体的には、沈殿物除去装置130は、電解液11に含まれる異物あるいは塵埃を除去するフィルタ132と、沈殿室131から電解槽10へ電解液11を流すポンプ133とを有し、これらを流路134が順に接続している。流路134の両端は、沈殿室131の接続口131aと、電解槽10の接続口10aにそれぞれ接続している。この構成によれば、沈殿室131に沈殿して溜まった沈殿物がフィルタ132で除去されるので、電解槽10内の清掃作業あるいは電解液11の交換作業の頻度を低減することができる。
【0095】
上述した第1実施形態においては、正極電極12と負極電極13すなわち電解槽10との間に直流交番電圧が印加されることについて説明した。しかしながら、この電気分解を継続して行なうと、電気分解時に生じる生成物質が各電極12,13に付着して、電気分解作用を低下させてしまう。そこで、以下に図を用いて説明するように、正負電極を切り替えることにより、電気分解作用の低下を防止する。
【0096】
図21は、正負電極の切り替え装置140を示す概略説明図である。切替え装置140は、2つの接点を有し回路を切り替える切り替えスイッチ141と、切り替えスイッチ141に切り替え指令を出力するコントローラ142とを有する。図に示される回路状態は、正極電極12が正極であり、負極電極13が負極であるときの状態である。コントローラ142の指令で切り替えスイッチ141が接点を切り替えることにより、各電極12,13の間に印加される電圧が正負逆転する。すなわち、正極電極12が負極となり、負極電極13が正極となる。このように切り替え装置140により、各電極12,13の間に印加される電圧が正負逆転することで、各電極12,13に付着した生成物質を各電極12,13から剥離させることができる。この結果、電気分解を継続して行なうことにより生じる電気分解の機能の低下を確実に防止することができる。
【0097】
上述した各実施形態において、電解装置が、電解液11である水酸化カリウムあるいは水酸化ナトリウムを電気分解して水素と酸素との混合ガスを発生させる場合について説明したが、これに限定されない。電解液11を希硫酸あるいは塩水(海水)にすることもできる。希硫酸を電気分解することにより、硫化水素と酸素との混合ガスが発生し、塩水を電気分解することにより、塩化水素と酸素との混合ガスが発生する。これらの混合ガスは、燃焼用のガスとしてではなく、その他の工業用のガスとして用いることができる。当然に、本発明にかかる電解装置によれば、要求があり次第、効率よく連続的な大量ガス発生を可能とし、工業用のガスとして直ちに利用することが可能となる。
【0098】
図22,23,24には、本発明にかかる燃焼ガス発生器に接続する気液分離装置の好適な実施形態が示されている。
【0099】
この第4の実施形態においても、原理的には第1実施形態と全く同様であるが、気液分離装置を2個の直列接続としたことにより、第1実施形態のような6個の気液分離装置を直列接続としたときよりスペースユーティリティが高いという利点がある。
【0100】
本実施形態における気液分離装置は、第7気液分離装置151と、上述した第5気液分離装置63とを直列接続して構成される。混合ガスは電解槽10から第7気液分離装置151そして第5気液分離装置63を経て排出される。第5気液分離装置63の下部と電解槽10は導管にて接続されており、第5気液分離装置63において、混合ガスから分離した液体を電解槽10に帰還させる。第5気液分離装置63の下部に接続される導管には、逆止弁150が設けられている。この逆止弁150は、電解槽10から第5気液分離装置63に向かう混合ガスの流れを阻止する。
【0101】
図23には、本実施形態における第7気液分離装置151の好適な実施例が示されている。
【0102】
第7気液分離室152はほぼ円筒形状からなり、上部には複数のじゃま板154が配置され、その上部の側壁に導管153が設けられている。なお、導管153は、第7気液分離室152の天井面に設けることもできる。
【0103】
そして、第7気液分離室152の上端は閉塞しており、下端はロウト状に細い管となっている。この細い管は、図22に示されるように、電解槽10の上部に接続されている。
【0104】
各じゃま板154は、支持軸155にそれぞれ所定の間隔をあけて固定されており、支持軸155は第7気液分離室152の天井面に固定されている。
【0105】
図24には、第7気液分離室152内に設けられているじゃま板154の概略図が示され、各じゃま板154は、外周の一部が切断された円板である。これらのじゃま板154は、切断された部分の向きを変えて支持軸155にそれぞれ固定される。各じゃま板154は、その外周が第7気液分離室152の内壁に接するように配置される。この状態におおいて、じゃま板154の外周の一部が切断されているため、その一部と第7気液分離室152の内壁との間に隙間156が設けられる。電解槽10から第7気液分離室152の下部に導入された混合ガスは、隙間156を通って順次導管153に向かって上昇する。このとき、高湿度の混合ガスはじゃま板154により冷やされ、液分が混合ガスから分離される。液分は第7気液分離室152の下部から電解槽10に戻される。なお、第5気液分離装置63については、前の実施形態において説明したので省略する。
【0106】
以上のように、2つの直列接続した気液分離装置を用いることによって、排出された混合ガスは著しく高い乾燥度に保たれ、これをそのまま燃焼ガスとして直ちに利用することが可能となる。
【符号の説明】
【0107】
10,100 電解槽、11 電解液、12 正極電極、13 負極電極、14,102 中間電極、15,116 電源装置、16 自然循環型冷却装置、18,112 密閉蓋、19 排出口、25 上側固定板、26 下側固定板、49 気液分離室、59 第6気液分離装置、60,113 第2気液分離装置、61 第3気液分離装置、62 第4気液分離装置、63 第5気液分離装置、80 除湿管、81 外筒、82 内筒、83 抽出管、105,106 冷却フィン、108 第1気液分離装置、114 防爆装置、120 冷却装置、122 冷却コイル、131 沈殿室、132 フィルタ、133 ポンプ、134 流路、150 逆止弁、151 第7気液分離装置、152 第7気液分離室、153 導管、154 じゃま板、155 支持軸、156 隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液を充填した電解槽と、
前記電解槽内の電解液中に浸漬された正極電極及び負極電極と、
前記両電極間に両電極に対して及び互いに絶縁して配置され、両電極間電圧をそれぞれ分圧して受ける複数の中間電極と、
前記両電極に直流交番電圧を印加する電源装置と、
前記電解槽を密閉すると共に、電気分解により発生した、水素と酸素との混合ガスを排出する排出口を有する密閉蓋と、
電解槽の上部であって密閉蓋との間に配置され電解槽にて泡状に発生した混合ガスと電解液とを分離する気液分離装置と、
排出口に接続され、混合ガスから液体分を分離する第一気液分離装置と、
を含み、
前記気液分離装置は、
隔壁にて複数室に分けられた有底分離室を有し、
各隔壁及び各室の底には開口が設けられ、
前記第一気液分離装置は、
混合ガスが下部から上部に向けて流れる第一分離室と、
外周が前記第一分離室の内壁に接し、その一部と前記第一分離室の内壁との間に混合ガスが流れる隙間を有する複数のじゃま板と、
を有することを特徴とする電気分解を利用した電解装置。
【請求項2】
電解液を充填した電解槽と、
前記電解槽内の電解液中に浸漬された正極電極及び負極電極と、
前記両電極間に両電極に対して及び互いに絶縁して配置され、両電極間電圧をそれぞれ分圧して受ける複数の中間電極と、
前記両電極に直流交番電圧を印加する電源装置と、
前記電解槽を密閉すると共に、電気分解により発生した、水素と酸素との混合ガスを排出する排出口を有する密閉蓋と、
電解槽の上部であって密閉蓋との間に配置され電解槽にて泡状に発生した混合ガスと電解液とを分離する気液分離装置と、
排出口に接続され、混合ガスから液体分を分離する第二気液分離装置と、
を含み、
前記気液分離装置は、
隔壁にて複数室に分けられた有底分離室を有し、
各隔壁及び各室の底には開口が設けられ、
前記第二気液分離装置は、
外筒と内筒からなる二重円筒であり、その上部が閉塞された第二分離室と、
先端が前記外筒から筒内に挿入され、その先端に設けられた横穴から混合ガスを前記外筒の内面に沿ってらせん状に下降するように噴出する噴出管と、
前記内筒に差し込まれ、その内筒の上部で一端が開放してそこから混合ガスを抽出する抽出管と、
を有することを特徴とする電気分解を利用した電解装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電気分解を利用した電解装置において、
前記第二気液分離装置は、前記第二分離室の下部と前記電解槽とを接続して混合ガスから分離した液体分を前記電解槽に帰還させる管路に設けられ、前記電解槽から前記第二分離装置に向かう流体の流れを阻止する逆止弁を有する、
ことを特徴とする電気分解を利用した電解装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−99165(P2011−99165A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2856(P2011−2856)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【分割の表示】特願2007−286754(P2007−286754)の分割
【原出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(507363532)
【Fターム(参考)】