説明

電気化学セル、蓋体及び電気化学セルの製造方法

【課題】本発明は、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことにより、信頼性の優れた電気化学セルを提供することを目的とする。
【解決手段】金属層4が表面に形成された蓋体Fと容器本体Pとを溶接して構成される電気化学セル100であって、前記金属層4はSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気二重層キャパシタや非水電解質電池などの電気化学セルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セルは、従来から携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯用ゲーム機等の各種小型電子機器において、メモリのバックアップ用電源や時計機能のバックアップ用電源等として利用されている。近年、この種の電気化学セルのニーズとして、小型化及び薄型化に対する要求が強くなっている。これは、電気化学セルが搭載される電子機器が小型化しているためである。また、実装する際にリフロー半田付け法(半田クリームを塗布した電気化学セルを実装基板上に配置し、回路基板ごと加熱し半田付けを行う方法)が多用されている。そのため、電気化学セルには耐熱性が求められるようになった。
【0003】
このような小型化・薄型化、耐熱性の要望に応えるため、凹状容器内に有機溶媒を含む電解液が収納されており、金属からなるシールリングを介して凹状容器の開口部に金属製の蓋体を溶接することで、凹状容器を封口している。この際、蓋体、金属リングの材質としては、セラミックス製の凹状容器との熱膨張を合わせるため、コバール(Co:17重量%、Ni:29重量%、Fe:残部、からなる合金)が好適に用いられている。また、蓋体と金属リングとの対向する面には、それぞれ溶接時の接合材としてNiメッキが提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、3.3Vなどの高い電圧帯で充放電のサイクルが繰り返し行われた場合に、Niメッキが電解液に溶出し、容量の低下が起きることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−227059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことにより、信頼性の優れた電気化学セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成とした。
請求項1に記載の発明は、金属層が表面に形成された蓋体と容器本体とを溶接して構成される電気化学セルであって、前記金属層はSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金からなることを特徴とする電気化学セルである。
請求項1に記載の発明によれば、Sn、Cu、Zn、Agなどは、従来接合材として金属層に用いられていたNiよりも電気化学セル内に含まれる電解液への溶出が少ないため、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気化学セルであって、前記蓋体と前記容器本体はシールリングを介して溶接されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、シールリングを介して溶接されることにより密着性がよく、安定して形成できる。これにより、電解液の漏出が抑制できる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電気化学セルであって、前記蓋体は、コバールからなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、金属層は密着性がよく、安定して形成できる。また、従来のNiの金属層を使用していたときよりも溶接温度を下げることができる。これにより、容器本体や蓋体への熱的負荷が減少し、割れ、変形が抑制できる。また、Sn、Cu、Zn、Agなどは、従来金属層に用いられていたNiよりも電気化学セル内に含まれる電解液への溶出が少ない。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気化学セルであって、前記金属層が1〜2μmの厚さを有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、従来のNiの金属層を使用していたときよりも溶接時間を短くすることができる。これにより、容器本体や蓋体への熱的負荷が減少し、割れ、変形が抑制できる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気化学セルであって、融着部はSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、融着部に含まれるSn、Cu、Zn、Agなどは、従来接合材として金属層に用いられていたNiよりも電気化学セル内に含まれる電解液への溶出が少ないため、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気化学セルであって、前記蓋体と前記容器本体とにより形成される空間には第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極を分離するセパレータと、電解液が収納されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、Sn、Cu、Zn、Agなどは、従来金属層に用いられていたNiよりも電気化学セル内に含まれる電解液への溶出が少ないため、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セルであって、前記Sn合金はSn‐Ni合金であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、電気化学セル内に含まれる電解液への溶出をより抑えることができる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セルであって、前記Cu合金はCu‐Sn合金であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、電気化学セル内に含まれる電解液への溶出をより抑えることができる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セルであって、前記Zn合金はZn‐Ni合金であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、電気化学セル内に含まれる電解液への溶出をより抑えることができる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セルであって、Ag合金はAg‐Pd合金であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、電気化学セル内に含まれる電解液への溶出をより抑えることができる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0016】
請求項11に記載の発明は、金属層が表面に形成された蓋体であって、前記金属層はSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金からなることを特徴とする蓋体である。
請求項11に記載の発明によれば、Sn、Cu、Zn、Agなどは、従来接合材として金属層に用いられていたNiよりも電気化学セル内に含まれる電解液への溶出が少ないため、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0017】
請求項12に記載の発明は、蓋体にSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属を含む金属層を形成する蓋体形成工程と、シールリングを介して前記蓋体と容器本体を溶接にて封口する溶接工程と、を有する電気化学セルの製造方法である。
請求項12に記載の発明によれば、金属層に含まれる金属の電解液への溶出が抑えられる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の電気化学セルの製造方法であって、前記シールリングの表面にはSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属を含むシールリング金属層が形成されていることを特徴とする。
請求項13に記載の製造方法によれば、金属層の電解液への溶出が抑えられる。よって、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、充放電サイクルに伴う容量低下を防ぐことにより、信頼性の優れた電気化学セルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係る電気二重層キャパシタの断面図である。
【図2】金属層を形成する方法を説明するための図である。
【図3】実施形態に係る電気二重層キャパシタの変形例の図である。
【図4】実施形態に係る電気二重層キャパシタの別の変形例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態)
本実施の形態の電気化学セルについて図面を参照して説明する。なお、以下では、実施の形態として電気二重層キャパシタを例として説明する。
図1は、実施形態の形態に係る電気二重層キャパシタ100の断面図である。この電気二重層キャパシタ100は、チップ型であり、直方体形状をしている。
【0022】
電気二重層キャパシタ100は、容器本体Pと蓋体Fとを封止部Kを介して封止している。容器本体Pは、底壁部101と周壁部102から構成される。蓋体Fは、蓋体の基材3の表面に金属層4が形成されている。封止部Kは融着部104とシールリング108を用いて溶接されている。融着部104は、溶接時の熱によってシールリング108と金属層4の少なくとも一方が溶融したものである。また、図示していないが、シールリングの表面にSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属を含むシールリング金属層を形成してもよい。シールリング金属層を形成することによって、溶接時の封止部Kの密着性が良くなり、金属層の電解液への溶出が抑えられる。
【0023】
蓋体F、封止部Kおよび容器本体Pにより構成される密閉容器Mには第一電極105、第二電極106、セパレータ107から構成される電気化学素子G及び電解液が収容されている。
【0024】
容器本体Pの内側底面には集電体115が形成されている。集電体115は、側面配線111と電気的に導通し、さらに周壁部102を貫通し、容器本体Pの外側底部に形成された外部接続端子112と電気的に導通している。側面配線109は、容器本体Pの側壁上端部に形成され、容器本体Pの外側底部に形成された外部接続端子110と電気的に導通している。
【0025】
第一電極105と第二電極106の間には短絡防止のためのセパレータ107が配置されている。また、第一電極105、第二電極106およびセパレータ107には電解液が含浸されている。また、図示していないが、収納空間113にも電解液が収納されている。
【0026】
金属層4は、Sn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金からなることが望ましい。Sn合金としてはSn‐Ni、Cu合金としてはCu‐Sn、Zn合金としてはZn‐Niを用いることが望ましい。また、Ag合金としてはAg‐Pd、Ag‐Sn、Ag‐Au、Ag‐Cu‐Sn、Ag‐In‐Cuが挙げられるが、特にAg‐Pd合金を用いることが望ましい。
【0027】
また、蓋体Fに、金属層4を形成する方法として、電解メッキや無電解メッキ等のメッキ法を用いることができる。その他の方法としては、スパッタ、真空蒸着、レーザーアブレーション法、金属溶射、複数種の金属を積層し圧延した手法(クラッド)を用いることもできる。特に、金属層の厚みやピンホール等の欠陥の無い緻密な膜を作製するために、電解メッキを用いることが望ましい。
【0028】
図2は、金属層4を形成する方法を説明する。図2の(a)は、図1の実施形態と同様に、蓋体Fの基材3の一表面に金属層4を形成している。図2の(b)は、蓋体Fの基材3の上下面に金属層4を形成している。図2の(c)は、蓋体Fの基材3の全面に金属層4を形成する。これらの形成方法は、コスト、防錆および形成し易さ等の観点から適宜選ぶことができる。
【0029】
図3は、実施形態に係る電気二重層キャパシタの変形例の図である。図3では、容器本体Pの周壁部102を貫通する貫通配線109bと底壁部101を貫通する貫通配線111bが形成されるが、集電体115及び蓋体Fとの接続ルートが異なるだけでその他の部分は図1と同様である。よって、図1と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
図4は、実施形態に係る電気二重層キャパシタの別の変形例の図である。図4では、底壁部201を平板状とし、蓋体F2を凹状とした。また、底壁部201には、貫通電極209及び貫通電極211がそれぞれ形成されている。その他の部分は図1と同様である。蓋体F2と容器本体P2の形状が変わっても、集電体215及び蓋体F2との接続ルートが異なるだけで図1同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
(実施例1)
図1に示した容器本体Pと蓋体Fを用いて電気二重層キャパシタを作製した。容器本体Pはアルミナ製で、外形のサイズは3.2×2.5×0.9mmの大きさである。容器本体Pの内部の深さのサイズは2.4×1.7×0.4mmとした。外部接続端子110、外部接続端子112及び集電体115は、タングステン層を形成した上にNi層を形成し、さらにその表面に金メッキを施して形成した。蓋体Fは、蓋体の基材3を厚さ0.1mmのコバール板とし、金属層4としてSnのメッキを約2μmの厚さで形成したものを用いた。
【0032】
容器本体Pに第一電極105と、第二電極106と、第一電極及び第二電極を分離するセパレータ107と、電解液とを収納した後、金属層4が表面に形成された蓋体Fと容器本体Pとをコバールからなるシールリング108を介して溶接し、封口した。より具体的には、ローラ電極を蓋体Fの縁部に適当な圧力で接触させ、通電しながら回転走行させるパラレルシーム溶接を用いた。パラレルシーム溶接以外にも、レーザーによる加熱溶接も可能である。このようにして、実施例1の電気化学セル100を作製した。
【0033】
(実施例2)
実施例2は、金属層4にCuを用いた。蓋体Fは、蓋体の基材3を厚さ0.1mmのコバール板とし、金属層4としてCuのメッキを約2μmの厚さで形成したものを用いた。その他については実施例1と同様に作製した。
(実施例3)
実施例3は、金属層4にZnを用いた。蓋体Fは、蓋体の基材3を厚さ0.1mmのコバール板とし、金属層4としてZnのメッキを約2μmの厚さで形成したものを用いた。その他については実施例1と同様に作製した。
(実施例4)
実施例4は、金属層4にAgを用いた。蓋体Fは、蓋体の基材3を厚さ0.1mmのコバール板とし、金属層4としてAgのメッキを約2μmの厚さで形成したものを用いた。その他については実施例1と同様に作製した。
【0034】
(比較例)
比較例は、金属層4にNiを用いた。蓋体Fは、蓋体の基材3を厚さ0.1mmのコバール板とし、金属層4としてNiのメッキを約2μmの厚さで形成したものを用いた。その他については実施例1と同様に作製した。
【0035】
実施例1から4、比較例について、各々20個作製し、評価した。
(評価方法)
次に評価方法について説明する。はじめに、25±3℃の条件下で容量の測定を行った。次に、定電流で充電を開始し、最大電圧(3.3V)に達した時点で該電圧を一定時間保持した。この際、充電時間と保持時間との合計時間を2時間に設定した。次に、この2時間が経過した後、定電流で放電を開始し、最低電圧(0V)に達した時点で該電圧を一定時間保持した。この際も、放電時間と保持時間との合計時間を2時間に設定した。上記した1回の充電及び1回の放電を合わせて1サイクルとし、これを80サイクル繰り返し行った。充放電を行う際の電気化学セルの温度条件として、電解液の分解が生じない程度の温度である70±3℃に設定した。そして、充放電を80サイクル繰り返し行い、充電および放電に使用した電気容量の変化をモニタリングした。80サイクルの繰り返しが終了した後、25±3℃の条件下で容量の測定を行った。このようにして、充放電のサイクル特性の安定性について評価した。また、容量の維持率は、80サイクルの繰り返しが終了した後の容量を、はじめに測定した容量で割ったものである。
実施例1〜4及び比較例1の測定結果を表1に示した。
【0036】
【表1】

【0037】
表1より、容量の維持率は、比較例が70%であったのに対し、実施例1及び実施例4が90%、実施例2が100%、実施例3が95%だった。このように、コバールからなる蓋体の基材3にNiの金属層4を形成した蓋体Fを用いた比較例の場合、80サイクルまでに容量が低下した。これに対して、実施例1から4に示す金属層を用いた場合は、80サイクル経過した時点では、Niのみを用いて金属層を形成した場合と比較して、放電時の容量の低下を抑えることが出来た。
【0038】
これらの結果から、蓋体の基材の表面にSn、Cu、Zn、Agのいずれかからなる金属層を形成することで、充放電のサイクルに伴う容量の低下を抑制できることが確認された。
また、実施例には記載していないが、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金を用いても容量低下を抑える効果があった。特にCu‐Snの合金が望ましい。
【符号の説明】
【0039】
100、150、200 電気化学セル(電気二重層キャパシタ)
M、M2 密閉容器
P 容器本体
101、201 底壁部
102 周壁部
K 封止部
104、214 融着部
108、208 シールリング
F、F2 蓋体
3、203 蓋体の基材
4、204 金属層
113、213 収納空間
G、G2 電気化学素子
105、205 第一電極
106、206 第二電極
107、207 セパレータ
109、111 側面配線
109b、111b、209、211 貫通配線
110、112、210、212 外部接続端子
115、215 集電体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層が表面に形成された蓋体と容器本体とを溶接して構成される電気化学セルであって、
前記金属層はSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金からなることを特徴とする電気化学セル。
【請求項2】
前記蓋体と前記容器本体はシールリングを介して溶接されることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記蓋体は、コバールからなることを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記金属層が1〜2μmの厚さを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項5】
融着部はSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記蓋体と前記容器本体とにより形成される空間には第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極を分離するセパレータと、電解液が収納されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項7】
前記Sn合金はSn‐Ni合金であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項8】
前記Cu合金はCu‐Sn合金であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項9】
前記Zn合金はZn‐Ni合金であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項10】
前記Ag合金はAg‐Pd合金であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気化学セル。
【請求項11】
金属層が表面に形成された蓋体であって、
前記金属層はSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属または、Sn合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金から選択される少なくとも1つの合金からなることを特徴とする蓋体。
【請求項12】
蓋体にSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属を含む金属層を形成する蓋体形成工程と、
シールリングを介して前記蓋体と容器本体を溶接にて封口する溶接工程と、
を有する電気化学セルの製造方法。
【請求項13】
前記シールリングの表面にはSn、Cu、Zn、Agから選択される少なくとも1つの金属を含むシールリング金属層が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の電気化学セルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−89694(P2013−89694A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227242(P2011−227242)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】