説明

電気変圧器組立体

電気変圧器組立体用の支持枠であって、2つのループ状部品であって、各ループ状部品は複数のリムを有し、各リムは、周辺窪み部分を有し、周辺窪み部分内に、1次電気コイルが搭載可能であり、また、少なくとも1つの2次コイルが、1次電気コイル上にピギーバックで搭載可能であり、各ループ状部品の1つのリムは直線セクションを有する、2つのループ状部品を備える、支持枠。枠はまた、直線セクションだけが隣接し、中央レグを形成するように、ループ状部品の一方のループ状部品を他のループ状部品に対して取付け、両者間の距離を調整するための調整可能取付け手段を含み、中央レグは、取付け手段と異なる磁気コアを受取るためのものである。枠は、円形コア変圧器カーネル内に隣接巻線を効率的に固定する手段および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気変圧器に関する。より詳細には、本発明は、電気グリッドで使用するための配電変圧器に関する。より詳細には、本発明はまた、単相および3相配電変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気は、50または60Hzの振動周波数で生成され、伝送され、配電される。変圧器は、電気振動電圧および電流を変更するために使用される電気装置である。変圧器のおかげで、生成される電気は、高電圧かつ低電流に変換され長い距離にわたって伝送されることができ、再び低電圧に変換される前にジュール損失が最小の状態にある。配電変圧器は、電圧を使用可能な値に減少させるために、電力線の端部に配置される。従来の配電変圧器は、ループ間の適切な電圧絶縁を提供しながら、電気伝導体の複数のループを巻回することによってそれぞれが作られる、ディスクリートな1次および2次電気伝導性コイルを備える。1次および2次コイルは共に、強磁性合金でできたコアを取り巻いて、前記コイルの両方を通る閉ループで磁束が循環するための経路を生成する。振動電圧は、1次コイルのリード線の両端に印加されると、コア内に変動磁束を誘導し、変動磁束は、反転作用(reverse effect)によって2次コイルのリード線端子の両端に電圧を逆に誘導する。コアの強磁性特性は、コイルによって誘導されるピーク磁束密度の増加が、コイルループサイズを減少させ、したがって、変圧器のサイズを減少させることを可能にする。配電変圧器の1次コイルは、高電圧側にあり、2次コイルは、低電圧側にある。2つ以上の2次コイルが、コアを囲んで、2つ以上の低電圧を提供することができる。
【0003】
大多数の負荷を占める家庭および小プラントの場合、グリッド上に設置されるほとんどの配電変圧器は、主に10〜200kVAの範囲の負荷容量を有する単相ユニットである。典型的な1次電圧は5〜30kVの範囲にあり、2次電圧は110ボルトから最大480ボルトの範囲にある。コイルおよびコアは、インタレース式組立体を形成し、一般に、誘電性オイルを充填された格納容器内に取付けられ、コイルのリード線を電力線および負荷にそれぞれ電気接続するためのフィードスルーブッシング(電気デバイスに接続される絶縁された電気導体)を装備する。明確にするために、本文書において「変圧器カーネル(transformer kernel)」という用語は、格納容器および付属品のないコイルおよびコア組立体を指す。
【0004】
2つの主要なタイプ(シェル型とコア型)の変圧器カーネルは、配電変圧器を生産するために使用される。シェル型設計では、コア内の戻り磁束経路は、閉囲されたコイルの外側である。これは、コア型設計の場合、そうでない。単相シェル型配電変圧器は、1次および2次コイルを備える閉囲された単一巻線配置構成の2つの異なるリムの周りをそれぞれ取り巻いた2つのコアを有する。あるいは、単相コア型変圧器は、閉囲された単一コアの2つのリムの周りをそれぞれ取り巻いた2つの巻線配置構成を有する。配電変圧器が、通常120/240ボルトを出力するために、2つの2次コイルを有する場合、コア型設計の各2次コイルは、不平衡負荷の下での変圧器の適切な動作を保証するために、細分され、両方の巻線配置構成の間で分配されなければならず、そうでなければ、過剰なタンク加熱が、磁束漏れから生じることになる。そうすることは、各2次コイルを構成するサブコイルからのリード線端子を直列にリンクするためにさらなる接続を行うことを必要とする。シェル型変圧器は、細分されない2次コイルによって正しく動作することができる。しかし、2次コイルを細分することは、各120ボルト回路について平衡インピーダンスを提供し、したがって、よりより電圧調整をもたらし、3相配送電圧の一相を供給するために並列に接続されるときの2次コイル内の循環電流を最小にし、雷サージに対するより大きなコイル信頼性を提供する。多くの製造業者は、シェル型配電変圧器内の非細分式2次コイルを生産して、コイルのラジアル構造を著しく増加させる、かさばるリード線を必要とし、しばしば、より大きなタンクについての要求をもたらすさらなる接続についての必要性を回避する。これらの接続を行うことが手作業で行われるため、こうした接続を回避することによって信頼性が増し、それがまた、許容可能な電圧調整および循環電流特性を依然として提供しながら、変圧器のコストを低減すると考えられる。
【0005】
コイルを作るための導体材料の選択は、銅およびアルミニウムに制限される。銅は、アルミニウムより伝導性があるが、より重い。主に使用される絶縁材料は、オイル、クラフト紙またはアラミド紙、厚紙、プレスボード、ワニス、エポキシ樹脂、または強化エポキシである。コアを作るための磁気材料のより多くの利用可能な選択が存在する。2つのファミリータイプの強磁性合金、すなわち、粒子配向性珪素鋼およびアモルファス鋼が、配電変圧器コアを作るために主に使用される。他の合金が利用可能であるが、費用効果的でなく、モータ、高周波コアを作ることを対象とされる。
【0006】
粒子配向性珪素鋼は、鋳造、アニーリング、焼入れ、圧延、脱炭、およびコーティングを含む複数段階工程で形成された結晶合金であり、0.23〜0.35mmの範囲の厚さで異なる等級のシートになる。その結晶粒は、圧延方向に平行である単軸磁気異方性を提供するためにシート内で配向される。単軸異方性は、変圧器の励磁電流および鉄損を低減する。したがって、シートは、誘導磁束の循環経路に追従する被圧延方向を有するように、変圧器コア内に位置決めされなければならない。使用される前に、珪素鋼シートは、磁気特性を損なう印加曲げ応力を逃がし、形状を保持するために、コア内で占めることになる形態で加熱されなければならない。鋼の加熱は、一般に、800℃を超える温度で炉内で長時間の間、予備成形されたコアをバッチでアニールすることによって実施される。
【0007】
アモルファス鋼は、高速度で回転する冷却用ホイールの表面上で溶融合金を鋳造することによって形成される非晶質合金であり、0.02〜0.05mmである厚さを有するリボンを形成することになる。アモルファス鋼は、単一工程鋳造プロセスの利点のために、珪素鋼より形成するのが安価である。両方の合金の組成を考慮しても、鋳放しアモルファス鋼リボンの価格は、最も一般的な粒子配向性珪素鋼より安価である。アモルファス鋼はまた、鋳造中に生じる、また、印加曲げ応力による内部残留応力を逃がすために加熱される必要がある。さらに、保磁力を減少させるために磁場内でアモルファス鋼をアニールし、印加磁場に平行であることになる単軸磁気異方性を誘導することが好ましい。慣例的に、アモルファス鋼リボンは、誘導磁束の循環経路に追従するように配向された縦軸を有するように、変圧器コア内に位置決めされる。コアは、慣例的に、300℃を超える温度で、また、循環経路に追従する印加磁場によって炉内でバッチアニールされる。アニーリングに続いて、アモルファス鋼コアは、外的に印加される応力に非常に敏感なままになり、リボンが脆くなる。これは、アモルファス鋼コアを、操作し、コイルと共に組立てるのを難しくする。
【0008】
内部電力損失は、配電変圧器が自分の効率を低下させるため、全ての配電変圧器についてまわるものであり、配電変圧器の効率は、エネルギー節減を考慮する場合重要な局面である。内部電力損失は、変圧器が励磁され、負荷印加中に出力増加するときに、変圧器内で生成される。励磁されるだけのとき、変動する誘導磁束密度が、コア内に連続して存在する。これは、磁化サイクルに伴う強磁性材料内の鉄損を生成し、ジュール損失を生成する金属合金内の電流ループを誘導する。同じレベルの変動磁束密度で、アモルファス鋼コアは、珪素鋼コア内で生成される鉄損の約1/3の鉄損を生成する。負荷が加えられると、変圧器コイルの導体に流れる負荷電流は、導体サイズに逆比例するさらなるジュール損失を生成する。同じサイズでは、銅導体は、アルミニウム導体より少なく加熱することになる。変圧器の効率は、出力電力と内部電力損失(コアおよびコイル)の総計に対する出力電力の比であることになる。
【0009】
配電変圧器電力出力能力は、コイルの周囲を超える温度上昇に基づいて等級付けられる。スムーズタンク内に収容されるオイル内に変圧器カーネルを浸漬させることは、コイル温度上昇を許容可能限界内に維持するための効率的な冷却を提供するための最も経済的な手段である。熱は、熱い変圧器カーネルからオイルへ、オイルからタンク壁へ、その後、タンク壁から外部へ伝達される。より高い冷却能力の場合、タンクの壁表面が、波形構造によって、あるいは、タンクの側面に溶接された外部金属チューブによってまたはプレーンタンクに取付けられた外部ラジエータによって増加されうる。変圧器カーネルからの熱除去はまた、カーネルの内部部品からの熱の伝達を考慮しなければならない。熱は、伝導、放射、および対流によって伝達されうる。3つ全ての中で、対流が最も重要である。対流は、熱い表面をオイルに露出することによって起こる。熱い表面からオイルへ伝導される熱は、流体温度を上げ、その密度を減少させる。これは、より軽い熱いオイルが、タンク内を上に移動して、より重い冷たい流体によって置換されるため、循環流れ(current)を生成する。熱いオイルは、タンク表面に沿って対流することによって冷却され、底部に戻ることになる。熱伝達の増加は、カーネル、主にコイル上にまたはその中に、タンクの底部の近くに配置される1つの開口およびオイルが流れるための上部の近くの別の開口を有するダクトを作ることによって得られる。これは、煙突効果(または積重ね効果)によってオイル対流性流れを増加させることになる。
【0010】
材料の適切な選択および変圧器カーネルのサイズ決定は、変圧器の効率および等級付けに影響を及ぼすことになる。同等の変圧器効率において、アモルファス鋼コアを使用することによって珪素鋼コアに優って得られるかなりの減算された鉄損は、より小さな導体サイズを使用することによってコイル内のさらなるジュール損失に変換されうる。そうすることは、変圧器サイズを低減するという利点を有するが、コイル内のジュール損失密度を増加させることになる。コイル内のこの余分の熱は、コイルの内部からオイルへの適切な熱伝達手段が設けられない場合、排気についての問題になる可能性がある。
【0011】
コイルの製造は、一般に、半自動化または全自動化巻線機を使用して、コイル上に導体および紙シートを巻回することを含む。1次および2次のコイルは、異なる数のコイル状ループ(巻線ターン)を有する。1次コイルのコイル状ループの数は、コアの磁路内のピーク磁束を確立し、2次コイルに対する1次コイルのコイル状ループの比は、入力電圧が、2次コイルの両端間で出力されるように変換することになる。高電圧1次コイルは、通常、並べて積重ねた導体を絶縁するために、ワニスで覆われた小さな導体サイズの積重ねられた列(本文書では、列は、「直線(straight line)」で配列された多数のオブジェクトである)で配列された、いくつかのコイル状ループで作られる。好ましくは、紙は、隣接する列間に付加されて、高い電圧耐性能力が提供される。スペーサが、隣接する列間に付加されて、コイル用の冷却ダクトが提供されうる。低電圧2次コイルが少数のターンを有すると、裸(bare)導体ストリップの単一幅をより幅広の紙ストリップと並べて巻回することが安価になる。出口リード線は、コイル間のまたはフィードスルーブッシングに対する接続を可能にするために、コイル状導体の両端のコイルの側に設けられなければならない。リード線端子は、通常、コイル状導体の端部に溶接され、適切な電圧絶縁を保証するための絶縁スリーブで被覆される。リード線端子の設置、被覆、ブッシングとの接続は、主に手作業で行われ、変圧器コストを増加させる。
【0012】
変圧器コアの製造は、複数の積重ねられた平坦強磁性金属シートを隣接させるかまたは重ね合わせること(積重ね式カットコア(stacked-cut-core))、または、閉ループ形状に曲げられる金属シートの両端を突き当てるかまたは重ね合わせること(巻回式カットコア(wound-cut-core))、または、金属シートの連続ストリップの複数ターンをロールアップすること(ロールアップ式アンカットコア(rolled-up-uncut-core))を必要とする。カットコアは、アンカットコアに比べて著しい欠点を有する。第1に、カットコアの製造は、切断および成形のための多大の労力を必要とし、変圧器コストを増加させる。第2に、変圧器の励磁電流および電力損失の増加は、コア内の継手の存在に関連する。第3に、カットコアは、フープ応力に耐える能力を失い、したがって、継手が開口しないようにしばり、枠に入れられなければならない。全てのタイプのコアの中で、アモルファス鋼巻回式カットコアは、とりわけ、より多くの切断工程、特別なアニーリング炉、および注意深いポスト操作を必要とするため、生産するのに最も費用がかかる。
【0013】
電気コイルと磁気コアをインタレースすることは、予め巻回された電気コイルの周りにカットコアを手作業で開口し再び閉鎖することによって、または、磁気コアのリムに電気コイルの導体を巻回することによって(カットまたはアンカット)、または、逆に、アンカットコアを形成するために、コイルのリムの周りに金属ストリップをロールアップすることによって達成される。第2および第3の場合では、巻回されるコイルあるいはロールアップされるアンカットコアは、円形状でなければならない。しかし、リムに連続導体または金属ストリップを巻回することは、自動化工業プロセスにおける大量生産によりよく適合する円滑で連続したタスクである。円形コイルを有する変圧器において、変圧器のサイズを最小にするために、コイルの窓の充填を最大にするための実質的な円筒形状のコアリムを有することが好ましい。したがって、円形境界によって境界を定められるコア断面を生成するために、異なる鋼シート幅が積重ねられるかまたは巻回されなければならない。こうしたコアを製造することは、異なる幅の磁気ストリップの生産または材料スリッティングおよび多くの労力を必要とする。一方、円形コアを有する変圧器は、それぞれの導体のコイル状ループが、コアの円形窓のほとんどを占めるように全てのコイルについてコイル内に配列されうるため好ましい。したがって、電気導体は、円形境界に嵌合するように、1列について異なる数のコイル状ループで巻回される。これは、高電圧1次コイルを一般に構成する小さな電気導体によって行われうる。一般に、1次コイルは、円形導体で作られるが、円形窓のよりよい充填のために長方形導体で作られることができる。しかし、円形境界に嵌合するように異なる幅の列の導体をコイル化し積重ねること、および、隣接する列間で絶縁シートを巻回することは、特に円形境界の縁部の近くの各列の端部において、導体が歪んだ方法で自分自身をパックし、列を破壊する傾向があるため、自明ではなく、それにより、縁部を引き裂くことなく絶縁シートを巻回するときの困難さを生じる。したがって、積重ね式列内でのコイル状導体の編成を保証することは、隣接する列間で絶縁シートが巻回されなければならないため、重要である。低電圧2次導体について、2次導体は、一般に、大きな裸導体ストリップと絶縁ストリップを同時にコイル化し、それにより、高電圧1次コイルの導体の列が両側に分配される状態で、両者が、円形エリアの中央部分でそれぞれのコイル状ループに積み上がることによって生産される。その後、組立てられたコイルは、コアの回転が形成されることを可能にするために、コイルの窓の縁部間にギャップを提供しなければならない。単一幅の連続する強磁性金属ストリップをロールアップするための長方形窓をコイル内に設けるために、全体が長方形の形状を有するコイルを単に使用することによってコアレーシングが行われうる。必要である場合、2部分回転マンドレルが、ストリップを容易にロールアップするための支持体として、コイルのリム上に設置されうる。
【0014】
円形磁気アンカットコアは、連続する単一ストリップ幅の珪素鋼シートまたはアモルファス鋼リボンを使用して製造されうる。珪素鋼の場合、完全なコアは、コイルリム上に搭載されるマンドレルと同じ径を有する第2のマンドレル上に最初にロールアップされ、その後、炉内でアニールされなければならない。アニールされると、コアは、ストリップをそのアニールされた構成に戻すために、ストリップの内部端を最初に挿入することによって、ロール解除され、電気コイル上に再びロールアップされなければならない。従来の粒子配向性珪素鋼シートが、かなりの剛性を示すとすると、材料をその弾性限界を超えて曲げることなく、ストリップをロールアップするために適切な配慮が払われなければならない。これは、ロールアッププロセスをより難しくし、コアは、依然として、別々に、最初にロールアップされ、アニールされ、操作される必要があり、変圧器コストを増加させる。一方、アニールされたアモルファス鋼円形アンカットコアは、リボンによって非常に薄く構築されるため、塑性変形に達することなく、移送中に過酷に曲げられうる。アニールされると、外的に印加される応力に合金が敏感であるままになるため、リボンをきつくロールアップすることは、鉄損および励磁電流を増加させる。最良の慣行は、低い引張応力でリボンを軽くロールアップし、枠組構造によって、大幅な応力を付加することなく所定場所に完成したコアを支持することである。しかし、リボンが、低い引張応力でロールアップされると、形成されるコアは、自己構造的完全性を全く持たず、リボンは、許容される場合、一端で摺動するように容易に自在に伸縮しうる。コア軸が垂直に位置決めされる場合、支持ベースが必要とされる。同様に、炉中アニールリング処理後に、アモルファス鋼が非常に脆くなるため、ロール解除し再びロールアップすることは、自明ではない。炉中アニールされた強磁性アモルファス鋼円形コアからリボンの別のマンドレルに関してロール解除し、移送し、ロールアップする方法は、米国特許第4668309号で、また、多くの論文、たとえば、「Induction Accelerator Development for Heavy Ion Fusion」L.L.Reginato, IEEE Proceedings of the 1993 Particle Accelerator Conference, vol.1, p.656-660、「Exciting New Coating For Amorphous Glass Pulse Cores」R.R.Wood, IEEE 1999 12thInternational Pulsed Power Conference,vo.1, p.393-396、および「Induction Core Alloys for Heavy-ion Inertial Fusion-energy Accelerators」A.W.Molvik, The American Physical Society, Physical Review Special Topics-Accelerators and Beams, vol.5, 080401, 2002で考慮された。これらの従来技術の解析から、この方法は、リボンが、その深刻な脆さのために、移送中に非常にしばしば破断する傾向があるため、実行不可能であると考えられる。
【0015】
配電変圧器カーネルの別の重要な態様は、2次コイルの出力における短絡故障に耐えるその能力である。短絡状態中に、1次コイルと2次コイル間に反発力が生成される。これらの反発力は、円形状を採用したくなるようにコイルに作用する。これらの力は、コイルが既に円形状に作られている場合、コイルの構造的完全性を損なうことはなく、または、これらの力は、楕円形状コイルを使用して十分に軽減されうるが、これは、異なる幅を有する一連のストリップを巻回することを必要とすることになり、先に述べたように変圧器コストを増加させることになる。単一幅の鋼ストリップをロールアップすることによって形成されるコアは、長方形断面を有することになる。したがって、コイルは、コアの長方形断面が通過するための長方形窓の境界を定める4個の直線リムを有しなければならない。長方形コイルを形成する導体および紙は、反発力に耐えるために必要とされる自己構造的完全性に欠ける。強い内側力が、コイルの各角に現れることになり、角に適切な支持体が設けられない場合、角における絶縁を働かなくさせる可能性がある。角における支持体は、コイルが、コアにしっかりよりかかる場合に設けられうる。珪素鋼円形コアは、その角に対する内側力を維持するのに十分に強固である可能性があるが、これは、低い構造的完全性を有し、また、先に述べたように印加応力に対してネガティブに反応するアモルファス鋼円形コアの場合、可能でない。コイルの周りにバンデージをコイル化するかまたは樹脂内にコイルを含浸させることは、機械的強度をある程度まで改善することになる。適切な自己機械的強度は、外部強化構造を提供するために、注型用樹脂内にコイルをカプセル化することによって得られうる。しかし、コロナ放電を回避するために、注型中に気泡がトラップされないことを保証するために配慮が払われなければならない。導体/紙と樹脂との間の層間剥離のリスクも存在する。さらに、コイルの冷却はより難しくされる。
【0016】
変圧器カーネルが完全に組立てられると、格納容器内にカーネルを取付け固定するための手段が設けられなければならない。従来の珪素鋼配電変圧器は、コアを介して格納容器にしっかり固着される。慣行は、コイル用の支持体としてコアを使用し、次に、枠によって格納容器内にコアをクランプし固定することである。この方法は、アモルファス鋼配電変圧器に適さず、コイルを介してカーネルを取付けることは実行不可能である。アモルファス鋼配電変圧器についての最良の慣行は、あまり応力をかけることなく、コイルとコアの両方を支持するための枠を有することである。
【0017】
米国特許第5387894号は、半円形断面のリムを有する円筒形状の2つの隣接する巻線の周りに配置されるマンドレル上に強磁性材料の連続ストリップをロールアップすることによって作られる円形コアを備えるコア型配電変圧器を開示する。強磁性ストリップは、アモルファス鋼ストリップとすることができ、アモルファス鋼ストリップは、マンドレル上にまずロールアップされ、次に、ロール解除されコイルの周りに再びロールアップされる前に、磁気飽和下でアニールされた。しかし、その文書は、コアアニーリング後に起こるアモルファス鋼ストリップの脆化および脆いアモルファス鋼ストリップを移送する難しさを論じておらず、また、形成されたアモルファス鋼コアに対する支持を提供する方法を教示しない。さらに、異なる幅の導体の積上げられた列を効率的にコイル化し、円形境界内の導体の隣接する列間に絶縁シートを巻回する方法についての教示が提供されない。さらに、コイルから出る導体リード線端子を作り、配置し、接続する方法についての教示が提供されない。さらに、隣接する巻線を固定し、変圧器カーネルをタンク内に固定する手段が提供されない。さらに、文書は、コイルの角を楕円構成で湾曲させることによって問題を軽減するが、長方形コイルの角において短絡時機械力を適切に維持する機械構造的手段が、コイルに提供されない。最後に、文書は、特にアモルファス鋼コアを使用するときに、導体内で発生する熱をコイルの外側へ伝達する冷却手段を設ける方法を教示しておらず、こうした熱は、強烈であり、所与の変圧器効率についてより小さなコイルで生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、従来技術の少なくとも1つの欠点を克服する方法および装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、電気変圧器組立体用の支持枠が提供され、支持枠は、
−2つのループ状部品であって、各ループ状部品は複数のリムを有し、各リムは、周辺窪み部分を有し、周辺窪み部分内に、1次電気コイルが搭載可能であり、また、少なくとも1つの2次コイルが、前記1次電気コイル上にピギーバックで搭載可能であり、各ループ状部品の1つのリムは直線セクションを有する、2つのループ状部品と、
−ループ状部品の一方のループ状部品を、他のループ状部品に対して取付け、直線セクションだけが隣接し、中央レグを形成するように、両者間の距離を調整するための調整可能取付け手段とを備え、中央レグは、取付け手段と異なる磁気コアを受取るためのものである。
【0020】
好ましくは、ループ状部品は、ファイバーガラス、エポキシ、紙、厚紙、木材、および木材複合材を含む群から選択される材料で作られる。
好ましくは、支持枠は、ループ状部品を変圧器タンクに固定するための固定手段をさらに備える。
【0021】
好ましくは、第1の実施形態によれば、固定手段は、
−ベース枠と、
−ループ状部品の底部分をベース枠に固着するための第1の固着手段と、
−ベース枠を変圧器タンクに固着するための第2の固着手段とを備える。
【0022】
好ましくは、別の実施形態によれば、固定手段は、
−ベース枠と、
−ループ状部品の上部分をベース枠に固着するための第1の固着手段と、
−ベース枠を変圧器タンクに固着するための第2の固着手段とを備える。
【0023】
好ましくは、固定手段は、ベース枠に対してループ状部品を整列させるための整列手段を備える。
好ましくは、支持枠は、場所ごとに支持枠を操作し変位させるための、ループ状部品の上部分上に配置される操作手段をさらに備える。
【0024】
好ましくは、別の実施形態によれば、固定手段は、
−ベース枠と、
−ループ状部品の操作手段をベース枠に固着するための第1の固着手段と、
−ベース枠を変圧器タンクに固着するための第2の固着手段とを備える。
【0025】
好ましくは、中央レグを形成するリム以外の前記複数のリムの選択された1つのリムは、コイルに隣接しかつ横切って流体を伝導するためのチャネルをさらに提供し、チャネルはそれぞれ、前記1つのリムの一方の側に1つの入口を、前記1つのリムの他の側に1つの出口を有する。
【0026】
好ましくは、チャネルは、流体内で煙突効果を生成するために水平に対してある角度を形成する。
好ましくは、支持枠は、チャネルの入力を閉囲するための第1の煙突であって、閉鎖上部および開口底部を有する、第1の煙突、および、チャネルの出力を閉囲するための第2の煙突であって、閉鎖底部および開口上部を有する、第2の煙突をさらに備えて、第1の煙突および第2の煙突によって、流体内に煙突効果を生成する。
【0027】
好ましくは、本発明の一実施形態では、チャネルは、ループ状部品の窪み部分内の横断溝によって形成される。
好ましくは、本発明の別の実施形態では、チャネルは、ループ状部品上に搭載されると、コイルの隣接列間に位置決めされる絶縁スペーサによって境界を定められる。
【0028】
好ましくは、ループ状部品の1つのループ状部品は、調整可能取付け手段によって、他のループ状部品に対して位置決め可能であり、それにより、ループ状部品は、第1の離間距離および第2の離間距離によって選択的に分離され、前記第2の離間距離は第1の離間距離より大きく、支持枠は、中央レグを囲むマンドレルをさらに備え、前記マンドレルは、ループ状部品が前記第1の離間距離によって分離された状態で中央レグの周りに自由に回転するサイズに作られ、前記マンドレルは、ループ状部品が前記第2の離間距離によって分離された状態で中央レグの周りに回転することを阻止される。
【0029】
好ましくは、マンドレルは、ファイバーガラス、エポキシ、紙、厚紙、木材、および木材複合材を含む群から選択される絶縁材料で作られる。
好ましくは、マンドレルは、連結可能な第1および第2の半分部分を備える。
【0030】
好ましくは、マンドレルは、マンドレルの末端に対向するフランジをさらに備える。
好ましくは、支持枠は、搭載されると、ループ状部品内の所定位置にコイルを固定するための、中央レグを形成するリム以外の前記リムの少なくとも1つのリムの外側表面上に搭載可能な少なくとも1つのすじかい材をさらに備える。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つのすじかい材は、コイルに隣接して流体を伝導させるためのチャネルを提供し、チャネルはそれぞれ、煙突効果による循環を可能にするための入口および出口を有する前記少なくとも1つのすじかい材によって提供される。
【0032】
本発明によれば、電気変圧器組立体の支持枠のループ状部品も提供され、ループ状部品は、
−複数のリムであって、複数のリム上に、1次電気コイルおよび少なくとも1つの2次電気コイルが搭載可能であり、各リムは、周辺窪み部分を有し、周辺窪み部分内に、1次電気コイルが搭載可能であり、また、前記少なくとも1つの2次電気コイルが前記1次電気コイル上にピギーバックで搭載可能であり、ループ状部品の1つのリムは直線セクションを有する、複数のリムを備え、周辺窪み部分は、
−前記1次電気コイルを支持するためのベース部分と、
−前記ベース部分の両側から延在する傾斜側壁部分であって、1次電気コイルの導体と絶縁層の列の積重ねを可能にする複数の段差を備える。
【0033】
好ましくは、隣接する垂直リム間の角の段差の高さは徐々に減少する。
好ましくは、前記複数のリムの1つのリムは、コイルに隣接しかつ横切って流体を伝導するためのチャネルをさらに提供し、チャネルはそれぞれ、ループ状部品の一方の側に1つの入口を、ループ状部品の他の側に1つの出口を有し、リムに沿う段差の高さは、前記入口および出口を収容するためにある長さだけ増加する。
【0034】
好ましくは、前記複数のリムの1つのリムは、ループ状部品の一方の側にタップ入力開口をさらに提供し、搭載されると、コイルへのタップの接続を可能にし、リムに沿う段差の高さは、前記タップ入力開口を収容するためにある長さだけ増加する。
【0035】
好ましくは、所定の段差は、ある列の最後のコイルループと、隣接する列上の第1のコイルループを架橋するために形成される。
好ましくは、架橋は、垂直リムの角において実施される。
【0036】
好ましくは、ループ状部品は、連結可能な第1および第2の半分部分を備える。
好ましくは、複数のリムの1つのリムは、コイルに隣接しかつ横切って流体を伝導するためのチャネルをさらに提供し、チャネルはそれぞれ、ループ状部品の一方の側に1つの入口を、ループ状部品の他の側に1つの出口を有し、チャネルは、ベース部分および傾斜側壁部分の少なくとも1つの傾斜側壁部分を横断する横断溝によって形成される。
【0037】
好ましくは、ポートが、入口を、ベース部分を横断する横断溝に流体接続する。
好ましくは、直線セクションを有するリムのループ状部品の内側表面は、実質的に半円筒形であり、直線セクションを有する前記リムに垂直なリムのループ状部品の内側表面は平坦である。
【0038】
好ましくは、実質的に半円筒形である内側表面の曲率半径は、前記ループ状部品の周りに搭載可能な円筒形コアの内径より小さい。
本発明によれば、第1の端部および第2の端部を有する電気導体ストリップでできた電気コイルおよびコイルがその上に巻回される枠を備える電気コイル組立体も提供され、端部の少なくとも一方の端部は、15°と75°との間の角度に従って、第1の折り曲げ線に沿って折り返され、それにより、前記一方の端部は、接続リード線を提供するためにコイルが存在する平面に対して横断して延在する。
【0039】
好ましくは、本発明の一実施形態では、角度は45°である。
好ましくは、折り返された一方の端部は、ストリップの縦軸に平行な第2の折り曲げ線に沿ってさらに折り曲げられる。
【0040】
好ましくは、電気コイル組立体であって、ループ状部品を備える支持枠を備え、前記ループ状部品は、複数のリムならびに第1および第2の対向する側壁を備え、前記複数のリムのうちの2つのリムは、対向する上部および底部直線セクションを形成する、電気変圧器コア組立体と組合せて使用され、前記コイル組立体は、
−前記ループ状部品に巻回された1次電気コイルであって、1次コイルの対向する端部に第1および第2の1次端子を備え、前記第1および第2の1次端子は、ループ状部品の第1の側壁から延在する、1次電気コイルと、
−1次電気コイルに巻回された2次電気コイルであって、導体ストリップから作られ、前記2次コイルの対向する第1および第2の端部に第1および第2の2次端子を備える、2次電気コイルとを備え、第1の2次コイル端子は、第1および第2の1次サブコイル端子が延出する第1の側壁に対向する第2の側壁に対して垂直にかつ第2の側壁からストリップの第1の長さが延在するように、第1の側壁に対して第1の45°折り曲げ線に沿って、ストリップの第1の端部を折り返すことによって形成され、
第2の2次端子は、第1の中間折り曲げ部を形成するために、第2の45°折り曲げ線に沿って、ストリップの第2の端部を折り返し、ストリップの第2の長さが、前記第1および第2の側壁に平行にかつ外側に延在するように、第2の45°折り曲げ線に垂直な第3の45°折り曲げ線に沿って、第1の中間折り曲げ部の上にストリップの第2の端部を折り曲げることによって形成される。
【0041】
本発明によれば、電気変圧器カーネル組立体を組立てる方法も提供され、方法は、
a)1次電気コイルを受取るための周辺窪み部分を、第1のループ状部品の外側表面に沿って有し、少なくとも1つの直線セクションを有する、第1のループ状部品に、1次電気コイルを巻回するステップと、
b)第1のループ状部品に、1次電気コイル上にピギーバックで、2次電気コイルを巻回するステップと、
c)1次電気コイルを受取るための周辺窪み部分を、第2のループ状部品の外側表面に沿って有し、少なくとも1つの直線セクションを有する、第2のループ状部品に、1次電気コイルを巻回するステップと、
d)第2のループ状部品に、1次電気コイル上にピギーバックで、2次電気コイルを巻回するステップと、
e)直線セクションだけが、隣接し、中央レグを形成するように、第2のループ状部品に対して第1のループ状部品を取付けるステップと、
f)第1のループ状部品と第2のループ状部品との距離を第1の離間距離に調整するステップと、
g)前記中央レグの周りにマンドレルを設置するステップであって、前記マンドレルは、第1のループ状部品および第2のループ状部品が、前記第1の離間距離だけ離間すると、中央レグの周りに自由に回転するサイズに作られる、設置するステップと、
h)磁気コアを形成するために、中央レグに金属リボンを巻回するステップとを含み、
巻回するステップh)は、取付けるステップe)と異なる。
【0042】
好ましくは、方法は、
i)マンドレルが中央レグの周りに回転するのを阻止されるように、第1のループ状部品と第2のループ状部品との距離を第1の離間距離より大きい第2の離間距離に調整するステップと、
j)中央レグを形成する隣接する直線セクション間にスペーサ要素を挿入するステップとをさらに含む。
【0043】
好ましくは、方法は、ステップa)およびステップc)中に、
aa)異なる所定のターン数で1次電気コイルによって複数の導体ループを形成するステップと、
bb)接続リード線を形成するために、導体ループのそれぞれを個々に撚り合せるステップと、
cc)撚り合わされた隣接する導体ループ間に絶縁スリーブを挿入するステップと、
dd)1次電気コイルの巻線に対して横断して前記リード線を曲げるステップとをさらに含む。
【0044】
本発明によれば、電気変圧器カーネル組立体を組立てるためのシステムも提供され、システムは、
−第1のループ状部品および第2のループ状部品に1次電気コイルをそれぞれ巻回するための第1の巻線システムであって、各ループ状部品は、1次電気コイルを受取るための周辺窪み部分を、ループ状部品の外側表面に沿って有し、第1のループ状部品および第2のループ状部品はそれぞれ、少なくとも1つの直線セクションを有する、第1の巻線システムと、
−第1のループ状部品および第2のループ状部品に、1次電気コイル上にピギーバックで、第2の電気コイルをそれぞれ巻回するための第2の巻線システムと、
−直線セクションだけが、隣接し、中央レグを形成するように、調整可能取付け手段によって第2のループ状部品に対して第1のループ状部品を取付けるための取付けシステムと、
−前記中央レグの周りにマンドレルを設置するためのマンドレル設置システムであって、前記マンドレルは、第1のループ状部品および第2のループ状部品が、第1の離間距離だけ離間すると、中央レグの周りに自由に回転するサイズに作られる、マンドレル設置システムと、
−磁気コアを形成するために、中央レグに金属リボンを巻回するための第3の巻線システムであって、コアは調整可能取付け手段と異なる、第3の巻線システムとを備える。
【0045】
好ましくは、上記方法は、連続生産で電気変圧器カーネル組立体を製造するために使用されることができる。
好ましくは、本発明はまた、上述した方法によって組立てられる複数の電気変圧器カーネル組立体を収容するための格納コンテナを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】円形コアを備える変圧器カーネルの略図である。
【図2】コア窓を通過する支持枠内の2つのコイル配置構成の一方の導体の列を示す切断断面の略図である。
【図3】2つのコイル配置構成が互いに背中合わせによりかかるときの、コア窓を通過する支持枠内の2つのコイル配置構成の導体の列を示す切断断面の略図である。
【図4】2つのコイル配置構成がスペーサによって分離され、円形コアのマンドレルによりかかるときの、コア窓を通過する支持枠内の2つのコイル配置構成の導体の列を示す切断断面の略図である。
【図5】好ましい実施形態による、支持枠内の1次サブコイル配置構成の導体の列を示す図である。
【図6】別の好ましい実施形態による、別の支持枠内の別の1次サブコイル配置構成の導体の列を示す図である。
【図7】コア型変圧器のコイル配置構成の概略の電気回路図である。
【図8】図7に示すリード線接続が連結される図4の略図である。
【図9】コア窓の外側に配置される水平リムの支持枠内のコイル配置構成の切断断面の略図である。
【図10】コア窓の外側に配置される垂直リムの支持枠内のコイル配置構成の切断断面の略図である。
【図11】好ましい実施形態による支持枠の斜視図である。
【図12】図11の支持枠の角の導体の2つの圧縮列の略図である。
【図13】好ましい実施形態による、1つの列から次の列へ導体をコイル化する方法を示す図11に示す支持枠のトリミングされた斜視図である。
【図14】好ましい実施形態による経路指定タップ用の空間を提供する支持枠のトリミングされた斜視図である。
【図15】好ましい実施形態による、対流するオイルが通過するための斜めダクトを備える支持枠の斜視図である。
【図16】別の好ましい実施形態による、対流するオイルが通過するための水平ダクトを備える支持枠の斜視図である。
【図17】図16に示す支持枠の切断図である。
【図18】背中合わせに組立てられ、取付け手段によって固定される2つの支持枠の斜視図である。
【図19】好ましい実施形態による、背中合わせに組立てられ、枠の下側部分において取付け手段によってベースに固定される2つの支持枠の斜視図である。
【図20】別の好ましい実施形態による、背中合わせに組立てられ、枠の上側部分において取付け手段によってベースに固定される2つの支持枠の斜視図である。
【図21】背中合わせに組立てられた2つの支持枠を受取るためのベース枠の2つの観察角度からの斜視図である。
【図22】支持枠の2部分組立体の斜視図である。
【図23】支持枠に導体を巻回するためのシステムの略図である。
【図24】導体コイルを巻回する間に前記コイル上にタップを作るための方法を示す支持枠の略図である。
【図25A】好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図25B】好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図25C】好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図25D】好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図25E】図25Eは好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。図25E’は好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26A】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26B】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26C】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26D】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26E】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26F】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26G】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26H】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26I】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26J】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図26J1】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図27A】コアおよび2つのコイル配置構成によって変圧器カーネルを組立てるために必要とされるシーケンスの略図である。
【図27B】コアおよび2つのコイル配置構成によって変圧器カーネルを組立てるために必要とされるシーケンスの略図である。
【図27C】コイル間の電気接続を行うために必要とされるシーケンスの略図である。
【図27D】コイル間の電気接続を行うために必要とされるシーケンスの略図である。
【図27E】ブッシングに対する電気接続を持って変圧器カーネルを変圧器タンク内に配置するために必要とされるシーケンスの略図である。
【図28】タンク内の図27に示す変圧器カーネルの正面図を示す略図である。
【図29A】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるさらなるシーケンスの略図である。
【図29B】別の好ましい実施形態による、支持枠の周りにコイルを形成するために導体ストリップを巻回するために必要とされるさらなるシーケンスの略図である。
【図30A】円形コアを形成するために、磁気ストリップをロールアップするための支持マンドレルの正面図である。
【図30B】円形コアを形成するために、磁気ストリップをロールアップするための支持マンドレルの正面図である。
【図30C】円形コアを形成するために、磁気ストリップをロールアップするための支持マンドレルの斜視図である。
【図31】コアマンドレルを設置する前に背中合わせに組立てられ固定される2つのコイル配置構成を示す斜視図である。
【図32】背中合わせに組立てられ固定される2つのコイル配置構成の中央レグの周りのコアマンドレルの設置を示す斜視図である。
【図33】背中合わせに組立てられ固定される2つのコイル配置構成の中央レグの周りのコアマンドレルの設置および回転を示す斜視図である。
【図34】背中合わせに組立てられ固定される2つのコイル配置構成の中央レグの周りに設置されたマンドレルの周りで磁気ストリップをロールアップするためのシステムの平面図である。
【図35】背中合わせに組立てられ固定される2つのコイル配置構成の中央レグの周りに設置されたマンドレルの周りで磁気ストリップをロールアップする前の調整手順を示す図34に示すシステムの平面図である。
【図36】長円タンクの底部のベースに取付けられた、完成した変圧器カーネル組立体を示す第1の角度からの斜視図である。
【図37】長円タンクの底部でベース枠に取付けられた、完成した変圧器カーネル組立体を示す第2の角度からの斜視図である。
【図38】ベース枠に取付けられた、完成した変圧器カーネル組立体を示す第3の角度からの斜視図である。
【図39】支持枠上でコイルを固定するために、コアなしの状態でかつすじかい材を備える変圧器カーネル組立体を示す第3の角度からの斜視図である。
【図40】一連の背中合わせコイル配置構成および3つの円形コアを備える3相変圧器カーネルを示す斜視図である。
【図41】複数の変圧器カーネルを格納し出荷するために使用されるコンテナの斜視図である。
【図42】本発明の変圧器カーネルを閉囲するための長円変圧器タンク組立体の2つの観察角度からの2つの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の異なる好ましい目的がここで提示される。
上述した配電変圧器カーネルを製造するためのコアおよびコイル組立て方法の全ての中で、予め巻回されたコイルの周りにインラインで湾曲されアニールされたアモルファス鋼リボンの連続単一ストリップをロールアップすることによって作られる円形コアを有する配電変圧器が、大量生産のためによりよく自動化されることができかつ最小コストである、最小の不連続的製造工程を伴う方法であると考えられる。米国特許出願番号第61/262,603号は、アモルファス鋼リボンを低コストでインラインアニールして湾曲形状にするために使用される、アモルファス金属リボンを処理するための新しいシステムおよび方法を開示しており、こうしたアニールされたリボンは、ロールアップして円形コアを形成することを効率的に可能にする良好な延性を示す。さらに、インラインで湾曲されアニールされたアモルファス鋼リボンは、ロールアップされて、低鉄損および高い磁気誘導レベルにおける低励磁電力を示す円形コアを形成し、その円形コアから、配電変圧器カーネルが製造されうる。こうした配電変圧器カーネルは、同じレベルの効率で従来の珪素鋼配電変圧器カーネルと比較して小さい。こうしたインラインで湾曲されアニールされたリボンを使用することは、炉内でアニールされたコアのリボンをロール解除し再びロールアップすることに伴う破断問題をなくし、円形アンカットコア配電変圧器の製造を、可能でかつ費用効果的にする。
【0048】
本発明の目的は、インラインでアニールされたアモルファス鋼延性リボンをロールアップすることによって作られ、また、知られている構成設計および製造方法に伴う欠点および制限を持たない円形コアを有する配電変圧器カーネルを提供することである。
【0049】
本発明の別の目的は、低コストで大量に製造されることができる円形コアを有する配電変圧器カーネルを提供することである。
したがって、本発明は、効率的に、異なる幅の導体の列をコイル化し積重ね、湾曲境界を有する窪み内の隣接する列間に絶縁ストリップを巻回する方法を提供する。
【0050】
したがって、本発明はまた、アモルファス鋼円形コア変圧器カーネル内に隣接する巻線を効率的に固定する手段および方法をさらに提供する。
したがって、本発明はまた、円形アモルファス鋼コア変圧器カーネルのコイルおよびコアを効率的に支持する手段をさらに提供する。
【0051】
したがって、本発明はまた、小さな長円タンク内に効率的に閉囲され固着されることができる変圧器カーネルをさらに提供する。
したがって、本発明はまた、サブコイルとタンクブッシングとの間の容易な接続を行うために、2次コイルリード線端子を予備成形し、被覆する手段および方法をさらに提供する。
【0052】
したがって、本発明はまた、アモルファス鋼円形コア変圧器カーネルをタンク内に効率的に固定する手段および方法をさらに提供する。
したがって、本発明はまた、円形アモルファス鋼コア変圧器カーネルのコイル内で発生する熱を効率的に除去する手段および方法をさらに提供する。
【0053】
したがって、本発明はまた、円形コア変圧器カーネルの長方形コイル内に短絡時力を効率的に維持する手段および方法をさらに提供する。
したがって、本発明はまた、コイル枠上に導体を効率的に巻回し、リード線端子を作り配置する手段および方法をさらに提供する。
【0054】
したがって、本発明はまた、変圧器カーネルのコイルの周りに円形コアを形成するために、アモルファス鋼ストリップを効率的にロールアップする手段および方法をさらに提供する。
【0055】
したがって、本発明はまた、コイル配置構成のリムの周りに搭載された円形コアの回転および不動化を可能にする手段および方法をさらに提供する。
したがって、本発明はまた、長円格納容器またはタンク内に効率的に閉囲されることができる変圧器カーネルをさらに提供する。
【0056】
図1は、単相円形アンカットコアのコア型変圧器カーネルの基本的な幾何学的構成を示す。その幾何学的構成は、2つの長方形コイル配置構成3と絡み合わされた1つの円形コア1を備える。好ましくは、コイル−コア配置構成は、円形コア中心軸が垂直位置にある状態で存在する。各長方形コイル配置構成3は、内側1次サブコイル5および外側2次サブコイル7を備える。2つの長方形コイル配置構成3は、背中合わせに位置決めされて、磁気円形コア1がその周りを取り巻く円形状の1つの共通中央リムを有する2重コイル配置構成を形成する。したがって、各コイル配置構成3は、半ディスクに嵌合する断面を有するリムを有する。
【0057】
図2は、コア窓を通過する2つのコイル配置構成3の一方からのリムの切断図を示す。リムは、好ましくはプレスボード、エポキシ、繊維強化エポキシ、ファイバーガラス、複合材料などの成形可能な誘電体強化材料でできた支持枠9を備える。支持枠9の外側壁11は孤形状を有する。支持枠9の内側壁13は、1次サブコイル5の小さな導体15の列を収容する窪みを提供するために一連の段差8で配列される。各導体15は、電気コイルの1つのコイル状ループを示し、第1のコイル状ループは、窪みの最も深い部分で巻回され、最後のコイル状ループは、コイルの上部で巻回される。内側壁13および外側壁11に沿う厚さは、コア1と1次サブコイル導体15との間に適切な誘電体絶縁を提供するように決定される。1次サブコイル5の各コイル状ループからの導体15は、列間の絶縁を提供するために、紙、エポキシコーティング紙、またはポリアラミドなどの材料の薄い電気絶縁層17によって好ましくは分離された列で配列される。各導体15は、ワニスなどの薄い電気絶縁被膜で覆われて、隣接する導体間の適切な電気絶縁を提供する。支持枠9の内側窪み壁13の底中央部分は、平坦で、第1の列の導体15を支持する。複数の列の導体15が、その後、積重ねられ、好ましくは薄い誘電体層17で分離されて、サブコイル導体の列を形成する。各列内の配列される導体の最大数は、コア1と導体15との間に適切な誘電体絶縁を提供する内側壁13および外側壁11に沿う厚さによって決定される。内側壁13の段差8は、中央底平坦部分の両側で整列して、薄い絶縁層17が対応する列幅を有する状態で、それぞれのさらなる導体の列を収容する。列のそれぞれの薄い絶縁層17は、好ましくはコア窓の外側に配置される重ね合わせ厚さを制限するために、薄いストリップの少数のコイル状ループを巻回し積重ねることによって生成されうる。各段差8の高さは、段差に面する各列の高さの和に等しい。導体の最後の列の上部には、厚い電気絶縁列19が存在し、電気絶縁列19は、好ましくは、紙、エポキシコーティング紙、またはポリアラミドなどの薄い絶縁ストリップのいくつかのコイル状ループで作られ、また、支持枠にわたって両側に延在する。厚い誘電体列19と支持枠9の面21との間の接合部は、トラッキング経路を示し、両方の材料の誘電強度より低い誘電強度をもたらす。したがって、導体15の上部列と支持枠外側壁11の縁部との間に、確実なトラッキング距離が提供される。好ましくは紙、エポキシコーティング紙、またはポリアラミドで作られ、また、導体ストリップ27よりわずかに広い、薄い絶縁ストリップに隣接した導体ストリップ27は、厚い絶縁列19の上でピギーバックで同時にコイル化され、各ループは、1つの広い導体ストリップで作られる。導体ストリップの幅は、支持枠外側壁11の縁部との確実なトラッキング距離を維持するように選択される。図2に示す、支持枠、サブコイル、および絶縁列の部分は、半ディスク形状に嵌合ように配列される。コイル枠の外側壁11の孤形状は、コア支持マンドレル31の内径以下の径を有するように選択される。支持枠9の外側壁11の孤形状の上の中間点36と2次コイルの最後のコイル状ループの上部の中間点33との間の高さは、リムと、コア1を支持するマンドレル31の内側壁との間のギャップ35を生成するために、コア支持マンドレル31の内径よりわずかに小さい。このギャップ35は、マンドレル31を有するコア1が、矢印で示すように自由に回転することを可能にする。本発明の支持枠によって、導体のループは、隣接する列間に絶縁ストリップのコイル状ループを持った状態で、積重ねた列になるよう効率的にコイル化されうる。
【0058】
図3を参照して、円形コアの窓開口内に背中合わせに位置決めされた2つのコイル配置構成の2つの半ディスクリムが示される(コアの外側のコイル部分は示さない)。2つの背中合わせのリムは、円形コア1を形成するため、マンドレル上に、インラインアニールされたアモルファス合金リボンをロールアップすることができるように、マンドレル31が自由に回転することを可能にするギャップ35を生成するために互いに対してよりかかる。
【0059】
ここで図4を参照して、ここでは絶縁スペーサ37によって分離された2つのコイル配置構成の2つの半ディスクリムに関してコアの中央部分の拡大図が示される。2つのコイル配置構成の半ディスクリムは、分離され、それぞれが中間点36でコアマンドレル31の内側壁によりかかることによって不動化される。絶縁スペーサ37は、2つの背中合わせのコイル配置構成の間に設置されて、ギャップが維持され、導体を冷却するためにオイルが流れる開口ダクト39が生成される。2次コイルの両側でダクトを形成する2つの開口41はまた、コイルを冷却するためにオイルが流れるために利用可能である。好ましくは、円形コアは、煙突効果によってダクト内の対流するオイルの流れを可能にするために、その中心軸が垂直位置にある状態で、変圧器タンク内に存在する。好ましくは、コア−コイル配置構成の下および上の入口および出口開口は、冷却されたオイルが下から入り、加熱されたオイルが上から出るためにタンク内の変圧器カーネルのために設けられる。したがって、コア窓内の導体内で生成される熱は、成形された冷却用ダクトを通して効率的に取出される。
【0060】
列が積重ねられるときに幅を増加させながら、列内で導体をコイル化することは、コイル状導体を1つの列から次の列へ経路指定しなければならないという問題をもたらす。図5を参照して、異なる配置構成の段差を有する支持枠およびコイル化方法の本発明による1つの好ましい実施形態が示される。導体の第1の列は、開始場所23から、第1の列の右端から左端へコイル化され、次に、列の端の湾曲した矢印で示す上の次の列に切換わる。導体は、次に、対応する列の左端から右端へコイル化され、次に、上の次の列に切換わる。このコイル化方法は、導体を新しい列レベルまで持ち上げることによって導体のコイル化が開始できる前に、上の次の幅広の列の開始端の下に導体を持ってくるために、一部の列の端に支持枠内の自由通路を必要とする。必要とされるとき、絶縁材料の狭いストリップ28が、列の端に付加されて、ある列の最初のコイル状ループと上の次の列の最後のコイル状ループとの間に確実なトラッキング距離が提供されることができ、隣接するコイル状列の2つの導体間の電圧が最大になる。
【0061】
ここで図6を参照して、コイル状導体を1つの列から次の列に経路指定するために支持枠内に自由通路を必要としない異なる配置構成の段差を有する支持枠の本発明の別の好ましい実施形態が示される。導体の第1の列は、開始場所24から、第1の列の右端において左端へコイル化され、次に、整列した列の端で湾曲した矢印で示す上の次の列に垂直に切換わる。導体は、次に、左端から、開始コイル化場所24を超えて延在する右端へコイル化され、次に、延在する列の端で湾曲した矢印で示す、コイル化される上の次の列に垂直に切換わる。必要とされるとき、絶縁材料の狭いストリップ28が、列の端に付加されて、ある列の最初のコイル状ループと上の次の列の最後のコイル状ループとの間に確実なトラッキング距離が提供されることができ、隣接するコイル状列の2つの導体間の電圧が最大になる。
【0062】
図7は、2つの低電圧出力を有する単相変圧器のサブコイル間の相互接続配置構成を示す概略の電気回路図である。高電圧1次コイル43は、直列接続された2つのサブコイルHVaおよびHVbを備える。2つの低電圧2次コイル45、LV1およびLV2は、それぞれ、直列接続された2つのサブコイルLV1a、LV2aおよびLV1b、LV2bを備える。電圧点V1〜V8は、コイルの各リード線端子における電圧の値を示す。通常、単相変圧器(14.4kV−120/240Vの場合のように)において、電圧点V1およびV4は電気接地電圧基準に接続され、電圧点V3は、1次側の高電圧であり、電圧点V6、V8は、2次出力の2つの低電圧である。図において、V2、V5、およびV7は、2つのサブコイル間の中間電圧点である。
【0063】
図8を参照して、図7に示す各サブコイルは、導体のループの群に連結される。各コイル配置構成3は、高電圧サブコイル(HVaまたはHVb)および各2次コイルから1組の2つの低電圧サブコイル(LV1a/LV2bまたはLV1b/LV2a)を備える。両方のコイル配置構成3上の2次サブコイルの配電は、負荷不平衡の場合に両方のコイル配置構成3の電流の均衡を維持する(インタレースされた2次コイル)。図8に示す各サブコイルにおいて、サブコイルの両端に2つのリード線が存在し、2つのリード線はそれぞれ、サブコイルの導体の第1と最後のコイル状ループにそれぞれ経路指定される。各リード線は、図7の電圧点V1〜V8に接続される。好ましくは、各リード線は、コア窓の外側に配置されたリムの一方のリム上の場所でサブコイルを出る。同様に、1次サブコイルのリード線に電圧点を帰することは、1次サブコイルとコアマンドレル31との間のコイル枠の誘電体厚さに影響を及ぼすことになる。好ましくは、図8において、コアマンドレル31は、絶縁材料で作られ、コア1は、接地電圧基準に接続される変圧器タンクに電気接続される。したがって、1次サブコイルとコアとの間の誘電体厚さは、コイル枠およびマンドレル厚さを含む。図8に示す電圧点V1〜V8へのリード線の接続は、好ましい実施形態を示す。
【0064】
図7の図を使用し、また、図8を参照して、好ましくは、HVaサブコイルの導体ループ51から延在するリード線は、点V3に接続される。点V3が最も高い電圧に対応するため、HVaの底部列に面する場所47における支持枠の誘電体部分が最大厚さを好ましくは有する。次に、HVaおよびHVbサブコイルの導体ループ53および55から延在するリード線は、点V2に接続される。それぞれのサブコイルHVaおよびHVbからのどのリード線対が点V2に接続されるかを選択することによって2次コイルに出力される電圧を調整するためのタップ選択器への接続を可能にするために、2つ以上のリード線が、サブコイルHVaおよびHVb内の導体のループの最後のコイル状列上に設けられうる。電圧点V2が、V3の約半分であるため、HVaサブコイルとLV2bサブコイルとの間、また、HVbサブコイルとLV1bサブコイルとの間の絶縁層19の厚さは、相応して設定される。次に、HVbサブコイルの導体ループ57から延在するリード線が、点V1に接続される。電圧点V1がV3より低いため、HVbの上部列に面する場所49における支持枠の誘電体部分は、領域47と比較して、小さな厚さでありうる。本発明の1次コイル配置構成によって、高電圧インパルス試験に耐えるための適切な電圧絶縁が、導体ループとコアとの間に設けられる。
【0065】
ここで、2次サブコイルの場合、好ましくは、LV2bおよびLV1bサブコイルの導体ループ59および61から延在するリード線は、点V8およびV6にそれぞれ接続される。次に、LV1aおよびLV1bサブコイルの導体ループ67および65から延在するリード線は、点V5に接続され、これらのサブコイルを直列に接続する。さらに、LV2aおよびLV2bサブコイルの導体ループ69および63から延在するリード線は、点V7に接続され、同様にこれらのサブコイルを直列に接続する。最後に、LV2aおよびLV1aサブコイルの導体ループ71および73から延在するリード線は、点V4に接続される。こうして、図1に示す各コイル配置構成3の最後の外側のコイル状導体ループの導体は、V4が通常接地電圧基準に接続されるため、最も低い電圧にあることになる(これは、一般に、配電変圧器の120/240Vの2次コイルの場合である)。変圧器が1つの2次コイルだけを有する場合、直列接続された2つの2次サブコイルだけが存在することになり、コイル配置構成3について1つの2次サブコイルが存在する。本発明の導体配置構成によって、高電圧インパルス試験に耐えるための適切な電圧絶縁が設けられる。
【0066】
ここで図9を参照して、コア窓開口の外側に配置される2つのコイル配置構成3の上および底の水平部分の断面が示される。支持枠の断面の輪郭は、窓開口の円形状によって制限されない。図9では、支持枠9の壁は、より強力な機械構造的支持を提供するための要件に最適に合う形状をとるために、厚く作られうる。しかし、コア1の存在のために、当面の空間的制限が存在する。図1に示すコイル配置構成の上および底の水平部分の場合、図9に示す支持枠の底部境界75は、円形コア縁部の平坦表面76を明確にするために直線に限定される。コイル配置構成の低い水平部分の場合、直線境界が、コアを支持するための平坦表面を作るために効率的に使用されうる。ここで図10を参照して、コア窓開口の外側に配置される2つのコイル配置構成3の垂直部分の断面が示される。支持枠の底部分はまた、直線境界72を有しうる、または、円形コア1の外径を明確にする必要があるため、湾曲形状77を採用するように延長されうる。図9および図10の側面境界について、当面の空間制限は存在しない。コア窓開口の外側に配置される支持枠の部分について、好ましくは、側面境界79は、支持枠厚を増加させる形状を有する。図9および図10では、2つの側面境界79は、直線でかつ平行である。
【0067】
図11は、図5、図9、および図10に示す断面輪郭を使用して押出されたリムを有する支持枠の斜視図を示す。リム87は、図5の断面の輪郭に従って押出され、リム83および85は、図9に示す断面の輪郭に従って押出される。リム89に関しては、リム89は、図10の直線境界72を使用して押出される。4つ全てのリムについて、支持枠の窪んだ部分の壁13は、図5の段差8の構成に基づいて押出される。4つのリムは全て、好ましくは、コアを通すための長方形窓開口を提供するために、直線である。各角において、支持枠の輪郭は、リムからリムへの各導体列のスムーズな移行のために湾曲形状81で配列された一連の段差を提供するための、リムが接する内側角の周りに回転する押出し部である。全体的に、示す支持枠は、コア窓の外側で搭載式U状梁の形態をとり、また、コイルおよびコアを支持するための強固な構造的完全性を提供する配置構成である。支持枠の強固な構造的完全性は、長方形状コイルによって加えられるフープ応力からの強い短絡時力に効率的に耐えることになる。構造的完全性を失うことなく重量を減らすために、開口(示さず)が、材料内の所定の領域内で実現されうる。これらの開口は、導体を冷却するために、1次コイルの外部セクションをオイルにさらすことができる。1次サブコイルの導体ループ15の1つの列から次の列への切換え、各列の上へのコイル化される各絶縁層17の重ね合わせ、ならびに1次および2次サブコイル用の出力リード線は、コア窓開口の外側に位置するコイル配置構成の3つのリムのうちの1つのリム上に全て配置される。
【0068】
絶縁層17の上で列の導体15をコイル化するとき、コイル化中に導体に加えられる引張応力は、支持枠の湾曲形状81の各角において、下の列に内側圧力を加える。ここで図12を参照して、1次サブコイルが丸い導体でコイル化される場合、コイル化される導体は、当然、下の列の2つの並んだ導体間に配置されるボイドによる変形によって絶縁層上に現れる小さな窪み上に自分自身を位置決めすることになる。この変形のため、隣接する列の2つの導体間の高さが、導体コイル化引張応力および角を曲がるときのコイル化導体の曲げ半径の逆数に依存するε値だけ小さくなる。このε値は、図12に示すように、角の湾曲形状81に沿う中間点で各列についてその最大に達することになる。したがって、段差高さ8は、湾曲形状81の両端から徐々に減少して、支持枠の各角の湾曲形状81に沿う中間点でε値だけ減少した最小高さに達する。角の各段差についてのε値は、段差に面する列の数、導体をコイル化するときに加えられる引張応力、および角を回るときに導体に適用される曲げ半径に依存する。これは、設けられる段差に従って支持枠の窪み部分内への各列の適切な充填を保証し、支持枠の効率的なコイル化を可能にする。
【0069】
図13を参照して、支持枠は、さらに、角118の周りで屈曲(bend)しながら、段差99の縁部に接する列の最後のコイル化導体が、上側段差101の縁部に接する上側列に切換わることを可能にするために、列間に自由通路97を備える。2つのコイルリード線を支持枠から出すために、2つの穴93および94が、支持枠の一方の面上に穿孔され、一方の穴は、第1の列のコイル化を始めるために、窪んだ部分の平坦表面に整列し、他の穴は、最後のコイル化列に整列する。絶縁管95および96が、支持枠から遠くにコイルリード線を誘導するために付加されることができるため、絶縁可撓性スリーブが、各リード線上を摺動され、出口管の周りでストラップ留めされることができ、それにより、コイルの外側でのリード線の周りの絶縁が増大される。あるいは、最後のコイル化列上のリード線は、絶縁紙スリーブを通してコイル枠縁部86と絶縁層19との間に出ることができる。図14を参照して、支持枠の上部の縁部86は、コイルリード線が出るための空間を提供するために、導体の最後の列を覆って延在しうる。出口側の支持枠縁部は、被覆したリード線が外に出ることを可能にするために少なくとも1つの横断スロット108を備えることになる。タップ選択器への接続を可能にするために、2つ以上の被覆リード線がコイル上に必要とされる場合、より多くのスロットが設けられうる。
【0070】
図1に示す2次サブコイル7は、変圧器タンク内でのオイル対流冷却に利用可能なかなりの外側表面部分を有する。これは、コア窓開口内に配置される部分を含む。しかし、1次コイルの場合、熱は、2次コイルおよび支持枠を介して排出される。1次コイルのさらなる冷却能力は、導体15の列間に冷却用ダクトを導入することによって付加されうる。再度図10を参照して、支持枠は、両側に開口103、104を備え、横断絶縁スペーサ105が、導体15の2つの列間に挿入されて、導体を冷却するためにオイルが流れるためのスペーサ間の開口ダクトが生成される。図15は、冷却ダクトの斜視図を示す。スペーサ105は、支持枠のリム107の窪んだ部分内に付加され、上向きオイル循環ダクトを生成するために傾斜される。スペーサ用の空間を作るために、スペーサの両側の段差8の高さが増加される。2つのランプアップスペーサ113および114もまた、導体の上昇をスムーズにするために使用されうる。スペーサ105が傾斜されて、ダクト内でのオイルの流れが、煙突効果によって誘発される。オイルは、開口103を介して入り、支持枠の他の側で開口104を介して出る。スペーサ105はまた、図16および図17に示すように水平に設置されうる。この場合、さらなる垂直ダクト109および111が、煙突効果を生成するために支持枠の両側に付加される。各ダクトは、オイルが出入りするための開口を有する。タンクの底部から入るオイルは、垂直ダクト111によって上に誘導され、開口103に入り、コイルを通して流れ、開口104を通して流れ、垂直ダクト109によって収集されて、上部で出る。同じ垂直ダクトが、傾斜スペーサと共に付加されて、煙突効果、したがって、よりよい冷却のためのオイルの流れを増加しうる。ダクトを設けることによって、導体自体の高い熱伝導率を使用して、熱をダクトの場所まで運び出すことによって、コア窓開口内に配置される1次コイルの導体から熱が排出されうる。別の好ましい実施形態では、流れるオイルが、支持枠の窪んだ部分に面する1次サブコイルの内側表面を冷却することを可能にすることになる、図10および図11に示す冷却ダクト106を作るために、一方の開口103から他の面の開口104まで支持枠の窪んだ部分内段差を横断して溝加工することによって、さらなる冷却ダクトが設けられうる。さらに、これらのダクト106は、上向きのオイル循環ダクトを作るために傾斜されうる。図9、図13、および図14を参照して、支持枠の窪んだ部分の平坦底表面から開口110まで一方の側だけ段差を溝加工し、かつ、他の側を貫通する水平開口102であって、窪んだ部分の平坦底表面に整列する、水平開口102を設けることによって、支持枠の上および底の水平部分にさらなる冷却が提供されうる。両方の開口102および110を有するスロット98は、煙突効果によってオイルの対流の流れを生成するための上向き冷却ダクトを提供することになる。
【0071】
再度図11を参照して、本発明の支持枠は、さらに、弧状リム87の近くで、支持枠の両側の上および底に配置された突出部分84を備える。これらの突出部分84は、弧状リム87の縁部に垂直に整列する開口88を備える。図18は、絶縁ワッシャー117およびナット119を有するネジ付き絶縁ロッド115などの取付け手段を調整することによって、背中合わせに組立てられた2つの支持枠を示す。取付け手段のこうした調整は、両方の支持枠を共に固定して、ユニークな剛性構造を形成するために使用される。ロッド上にナットを位置決めすることは、2つの枠間の距離の調整を可能にする。さらに、支持枠は、組立てられた枠が、平坦ベースによりかかることを可能にするために、両側に配置された少なくとも2つの突出部分94を備える。さらに、支持枠は、組立体の持上げおよび操作を容易にするボラードを提供するために、両側に配置された少なくとも2つの突出部分90を装備する。
【0072】
本発明の支持枠は、変圧器タンク内に背中合わせ支持枠を固定する手段を備える。図19を参照して、各支持枠は、支持枠の両側の底部に配置された突出部分117を備える。これらの突出部分117は、ベース平面上に固着されたネジ付き隆起ロッドにねじ込まれるナットによって、組立てられた支持枠をベースに固定するためのベース平面121と垂直に整列される開口を備える。図20に示す別の好ましい実施形態では、取付けストラップ123は、それぞれ、一端をボラード90の周りに巻付け、他端を、ベースに固着されたネジ付きロッドにワッシャーとナットで引張り繋ぎ留めることによって、支持枠をベース平面に固定する。ストラップ123を使用するこれらの取付け手段は、支持枠の上部分を下に引張ることによって支持枠を保持するという利点を有する。通常、ベース平面は、隆起ネジ付きロッドが溶接によってその上に固着される変圧器タンクの内部底表面である。しかし、タンクの底表面がわずかに凸状である可能性があるため、支持枠が適切によりかかるための一様な平坦表面を提供することが難しい場合がある。本発明は、図21に示すように、枠組立体を支持する平らにされた剛性表面127および支持枠取付け手段を繋ぎ留めるためのボルトを保持するための開口129を提供するために、アングルカットされ共に溶接された金属で基本的に構成されるベース枠125を備える。ベース枠はまた、ベース枠の下に形成され、タンク底部でベース枠を固定するための溶接点として使用されるニップル131を備える。図19および図20の両方の取付け手段用のベース枠125が示される。示す取付け手段および繋ぎ留め手段によって、2つの背中合わせ支持枠は、タンクの底部にしっかりと固定される1つの剛性構造を形成する。2つの支持枠は、コイルおよびコアに機械的応力を伝達することなく、タンク内でコイルおよびコアを支持するという利点を提供する。
【0073】
ここで図22を参照して、2部分組立体でできた支持枠が示される。両方の部分134および136は、第1の半分の支持枠134の雄部分133を第2の半分の支持枠136の雌部分135に挿入することによって共に嵌合される。この嵌合結合は、2つの半分が組立てられると、結合部の近くで、絶縁厚より少なくとも3倍優れたトラッキング経路を提供する。枠材料に適合する適切なバインダーが、結合部において2つの部分を共に融着するために使用されうる。したがって、2部分枠組立体134および136はそれぞれ、2部分モールドを使用して低コストで連続して生産され、その後、開口88などの開口が、単に穿孔される。
【0074】
支持枠の説明が終了して、以下の説明は、1次および2次のサブコイルがどのように支持枠に巻回されるか、また、2つのコイル化支持枠が、変圧器コイルを提供するためにどのように組立てられるか、また、インラインアニールされたアモルファス金属リボンが、その後、コアを形成するためにコイルの周りでマンドレル上にどのようにロールアップされるかを述べる。本発明のコイル配置構成およびリボンのローリングは、完全自動化方法で組立てられうる。
【0075】
図23は、コイル配置構成を組立てるために使用される手段の略図を示す。空の支持枠9が、サーボモータドライブによって駆動されるマンドレル上に搭載される。回転枠の周りには、異なる材料のフィーダが配置され、そのフィーダは、導体ワイヤを含むリール191と、支持枠内の各列に嵌合する、異なる幅を有する絶縁ストリップ192をそれぞれ含む複数のリールと、ダクトスペーサを含むカセット193と、導体ストリップ194を含むリールと、導体ストリップよりわずかに大きい絶縁ストリップ195を含むリールとを備える。各材料フィーダは、回転支持枠9上で材料を取込み、材料に係合し、材料を巻回し、材料を切断するロボットマニピュレーティングアームおよび切断アクチュエータを備える。好ましくは、各リール191、194、および195は、継ぎ目を作ることを回避し、スクラップを最小に維持するために、整数(integer number)の支持枠9を巻回するのに十分な材料を含む。絶縁ストリップ192は、必要とされる長さで絶縁ストリップ192を脆くするために、部分的に予め切断され、ロールからストリップを自由にするために、小さな突然の引張力を必要とするだけである。
【0076】
図18に示す組立てられた支持枠において、左コイルおよび右コイルの支持枠199および200が存在する。やはり図23を参照して、左コイルまたは右コイルの支持枠上で1次サブコイルをコイル化するために、導体ワイヤは、最初に、ロボットマニピュレーティングアームによって取込まれ、支持枠の一方の側の第1の底部列と整列した出口開口197を通して誘導される。導体は、その後、第1の列を充填するために、単一層上に所定数のターンで巻回される。次の列にワイヤを係合させる前に、対応する列幅を有する絶縁ストリップ192のセグメントが、枠に巻回されて、導体ワイヤで次の列をコイル化し始める前に、両方の末端が互いに重なり合う状態で第1の列が完全に覆われる。ダクトが、2つの所定の列の間で予定される場合、スペーサ193が、カセットから抜取られ、支持枠の指定されたリム上に設置される。これらのスペーサは、設置を容易にするために、絶縁ストリップに予め接着されうる。最後の列がコイル化されると、ワイヤは、切断され、出口開口198を通して出るように誘導される。出口開口198は、列に整列し、支持枠上で出口開口197と同じ側に出る。図24は、1次サブコイルが、タップ選択器への最終的な接続のための、最後のコイル化列上の複数の引出しリード線を備える場合を示す。最後の列がコイル化される間、突出導体ループ141が、所定のターン数で形成される。各ループ141は、撚り合わされてリード線142が形成され、リード線142は、次に、絶縁スリーブで被覆され、コイル支持枠の面上に、好ましくは図14に示すスロット108内に屈曲される。1次サブコイルは、その後、完成され、いずれが巻回されても、左コイルまたは右コイルの配置構成に関連する支持枠の面上に引出しリード線を有する。次のステップは、2次サブコイルの巻回である。
【0077】
2次サブコイルの巻回は、全体が長方形の形状の1次サブコイル上に絶縁ストリップと導体ストリップの両方を巻回することからなる。導体ストリップを巻回するとき、コイルに対する電気接続を提供するために、導体ストリップの末端に、横断引出しリード線が設けられなければならない。導体のストリップセグメントは、直角出口を形成するために、ストリップの両端で垂直に溶接されうる。本発明では、ロボットマニピュレーティングアームは、ストリップ194の末端を折り曲げ整形する手段を含む。図25のシーケンスA〜Eは、1次サブコイル上にピギーバックで1つの2次サブコイルを形成するために、絶縁ストリップ195と並べて導体ストリップ194を折り曲げ巻回するのに必要とされるステップを略図で示す。各シーケンスの図面の左部分は、正面視からの支持枠を示す右の図面に対して、時計方向に回転する支持枠上に到着する導体箔および絶縁ストリップによって支持枠が巻回される平面図を示す。右の「正面視(front view)」図面上の破線は、支持枠の後に隠された要素を示す。図面のシーケンスは、左コイル配置構成の巻回を示す。右コイル配置構成の場合、折り曲げプロシージャの差は、破線で示され、識別子は、さらなる上付きマーク(')を含む。シーケンスAで始めて、導体ストリップ194の巻回を始める前に、絶縁ストリップ195によって複数のターンを巻回することによって、厚い絶縁層19が構築される。所望の誘電体厚が得られると、導体ストリップ194のリード線は、折り曲げ線201に沿って、1次サブコイルリード線197および198の場所と反対側に、ロボットマニピュレーティングアームによって1回折り曲げられて、コイルを横断し延在するリード線202が作られる。そして、リード線の長さは、さらなる上への折り曲げによる変圧器タンクブッシングへの接続または別のコイルの引出しリード線への接続を可能にするのに十分に長くなければならない。示す折り曲げ線は、15°と75°との間の角度を有することができ、支持枠の面に対して30°〜150°の出口角度でリード線を提供することになる。角度のこうした遊び(play)は、上に折り曲げたリード線ストリップを、丸いまたは長円の変圧器タンクの湾曲壁に取付けられたブッシングに整列させるために実用的でありうる。説明のために、ストリップは、45°折り曲げ線に沿って折り曲げられる。シーケンスBにおいて、ストリップ194の折り曲げ線201は、引出しリード線197および198が配置される支持枠リムの上部にもたらされる。導体ストリップ194と絶縁ストリップ195は共に、適切なターン数について同時に巻回される。シーケンスCにおいて、導体箔194は、切断され、終端が、1次サブコイルリード線197および198の場所の反対側に、2つの45°折り曲げ線203および204(204')に沿って2回折り曲げられて、コイルに平行に延在し、かつ、巻回されるストリップの移動方向と同じ方向(右コイルの場合、反対方向)に配向するリード線205(205')が提供される。ストリップ194上の折り曲げ線203の場所は、シーケンスDに示すように引出しリード線197および198が配置される支持枠のリムの上部に到着するように選択された。2次サブコイルの巻回は、その後完成される。コイル配置構成の巻回を終了するために、絶縁ストリップ195の少数のターンが巻回される。シーケンスEおよびE'は、完成した左コイルおよび右コイルの配置構成を示す。
【0078】
図26のシーケンスA〜Jは、1次サブコイル上にピギーバックで2つの2次サブコイルを形成するために、絶縁ストリップ195と共に導体ストリップ194を折り曲げ巻回するのに必要とされるステップを略図で示す。図面のシーケンスは、左コイル配置構成の巻回を示す。右コイル配置構成の場合、折り曲げプロシージャの差はまた、破線で示され、識別子は、さらなる上付きマーク(')を含む。導体ストリップ194の巻回を始める前に、絶縁ストリップ195によって複数のターンを巻回することによって、厚い絶縁層19が構築される。所望の誘電体厚が得られると、導体ストリップ194のリード線は、45°折り曲げ線150に沿って、1次サブコイルリード線197および198の場所と反対側に、ロボットマニピュレーティングアームによって1回折り曲げられて、コイルに垂直に延在するリード線152が作られる。シーケンスBにおいて、ストリップ194の折り曲げ線150は、引出しリード線197および198が配置される支持枠リムの上部にもたらされる。導体ストリップ194と絶縁ストリップ195は共に、適切なターン数について同時に巻回される。シーケンスCにおいて、導体箔194は、切断され、終端が、1次サブコイルリード線197および198の場所の同じ側(右コイルの場合、反対側)に、2つの45°折り曲げ線154(154')および155(155')に沿って2回折り曲げられて、コイルに平行に延在し、かつ、ストリップの移動方向に対して反対方向(右コイルの場合、同じ方向)に配向するリード線156(156')が提供される。ストリップ194上の折り曲げ線154(154')の場所は、シーケンスDに示すように引出しリード線197および198が配置される支持枠のリムと対向する支持枠のリムの上部に到着するように選択された。その後、絶縁ストリップ195の少数のターンが、巻回されて、第1の2次サブコイルが完全に覆われ、第1の2次サブコイルの巻回は、シーケンスEに示すように、ここで完成する。次に、シーケンスFにおいて、導体ストリップが、ここで他の側から給送され、支持枠が、ここで反時計方向に回転する状態で、導体ストリップ194の端部が、1次サブコイルリード線197および198に対して反対側(右コイルの場合、同じ側)に、2つの45°折り曲げ線157(157')および158(158')に沿って2回折り曲げられて、平行に延在し、かつ、ストリップの移動方向に対して同じ方向(右コイルの場合、反対方向)に配向するリード線159(159')が提供される。シーケンスCにおける最初の折り曲げは、1次サブコイルリード線197および198に対して反対側(右コイルの場合、同じ側)で行われている可能性があり、その場合、シーケンスFにおける最初の折り曲げは、1次サブコイルリード線197および198に対して同じ側(右コイルの場合、反対側)で行われることになる。シーケンスGにおいて、ストリップ194の折り曲げ線157(157')は、引出しリード線197および198が配置されるリムに対向する支持枠リム上にもたらされる。導体ストリップ194と絶縁ストリップ195は共に、適切なターン数について同時に巻回される。シーケンスHにおいて、導体箔194は、切断され、終端が、1次サブコイルリード線197および198の反対側に、2つの45°折り曲げ線160および161(161')に沿って2回折り曲げられて、平行に延在し、かつ、ストリップの移動方向に対して反対方向(右コイルの場合、同じ方向)に配向するリード線162(162')が提供される。ストリップ194上の折り曲げ線160の場所は、シーケンスIに示すように引出しリード線197および198が配置される支持枠のリムの上部に到着するように選択された。第2の2次サブコイルの巻回は、その後完成される。コイル配置構成の巻回を終了するために、絶縁ストリップ195の少数の余分なターンが巻回される。シーケンスJおよびJ'は、完成した左コイルおよび右コイルの配置構成を示す。
【0079】
図27のシーケンスA〜Fは、変圧器カーネルを生産するためにコア−コイル配置構成をどのように組立てるかに関するステップを示す。最初に、シーケンスAにおいて、2つのコイル配置構成(1つの左コイルおよび1つの右コイル)は、リード線156と156'、159と159'、162と162'が、その端部を重ね合わせて互いに向かって整列した状態で背中合わせに置かれる。2つのコイル配置構成は、その後、図18に示す取付け手段を使用して共に固定される。示すシーケンスは、2つの2次サブコイルを備えるコイル配置構成の使用を含む。単一の2次サブコイルの場合、リード線156、156'、 159、および159'は存在しない。そして、シーケンスBにおいて、延性がありかつ切断可能なインラインで湾曲されアニールされた鉄ベースアモルファス金属リボンは、背中合わせのコイル配置構成によって形成された中央円形リムの周りに事前設置されたマンドレル上にロールされて、円形コア1が形成される。シーケンスCにおいて、コアが完成すると、2つのコイル配置構成は、図4に示すように、円形コア1内の窓開口の内部壁によりかかるように、解除され押し離され、再び共に固定される。スペーサ37は、その後、2つのコイル配置構成間に挿入され、リード線162と162'および198と198'が、溶接点163および166で共に溶接される。シーケンスDにおいて、円形コアの下に配置されるリード線156と156'および159と159'(逆さま図)はまた、溶接点164および165で共に溶接される。本発明の円形コア変圧器組立体は、長円タンク内に設置するのに最も適する。シーケンスEにおいて、コア−コイル配置構成は、3つの低電圧ブッシング212、213、および214を備える変圧器長円タンク内に置かれ、3つの低電圧ブッシングは、その後、上に折り曲げられたリード線152、162−162'、および152'にそれぞれ整列され接続される。上カバーブッシング215(高電圧)および接地リード線216は、リード線197および197'にそれぞれ接続される。一部のタンクは、代わりに4つの低電圧ブッシングを装備することができ、リード線162および162''は、共に溶接されるのではなく、むしろそれぞれ、各ブッシングに接続されることになる。コア−コイル配置構成が1つの2次コイルを備えるだけである場合、ブッシング213は、存在しないことになる。図28は、ブッシングが前面にあるタンク内のコア−コイル配置構成の正面図を示す。各リード線152、162−162'、および152''は、リード線上に溶接されるか、あるいは、リード線が図25A〜25E'または図26A〜26J'において巻回されるときに、コイルからさらに離れて延在したリード線をさらに折り曲げることによって実現される、上に折り曲げられたストリップセグメントによってブッシングに連結される。
【0080】
導体箔194が、折り曲げられると大き過ぎる、かさばるリード線を生成する場合、巻回シーケンス25A〜25E'または図26A〜26J'は、図29Aに示すように、さらなる折り曲げステップを組込むことができる。リード線の幅は、第1の45°折り曲げが実施されると、さらなる折り曲げが実施される前に、折り曲げ線165に沿ってさらなる折り曲げを実施することによって、半分だけ減少する。これは、図29Bに示すように、狭いリード線を有するコイル配置構成を提供することになる。
【0081】
本発明の配電変圧器はまた、背中合わせコイル配置構成を有するコアを組立てる方法を提供する。図30A〜30Cは、リボンをロールアップするためのマンドレル組立体を示す。マンドレル組立体は、2つの壁230および231を備え、それぞれが、所定の内径および厚さの孤形状を有し、アニールされた鉄ベースアモルファス金属リボンの幅に少なくとも等しい高さを両方とも有する。好ましくは、壁230は、その2つの端部のそれぞれに、壁231の両端に配置された外向きS状パターンキャビティ233に嵌合することをそれぞれ意図される内向きS状パターンキャビティ232を備える。2つの壁は、整列され互いに押し付けられると、図30Bに示すように共にスナップ係合し、所与の内径および所与の高さを有する円筒管を形成することになる。マンドレルの壁は、好ましくは、プレスされるかまたは成形された剛性絶縁材料で作られるが、良好な構造的剛性を有するステンレス鋼または任意の非強磁性材料も使用されうる。壁の両端は、2つの壁がスナップ係合すると、フランジを有するマンドレルが形成されるように、半ディスクフランジ170を有する。バインダーがまた、2つの壁およびフランジを共に融着するために使用されうる。
【0082】
図31を参照して、完成した左コイルおよび右コイル配置構成199および200は、背中合わせに置かれ、ネジ付きロッド115、ナット119、およびワッシャー117によって共に固定される。ナット119は、ネジ付きロッド115上に位置決めされ、それにより、コイル配置構成が互いに向かって押されると、2つの弧状の背中合わせのリムが、図3に示す円形輪郭内に嵌合し、コイル配置構成が整列する。その後、ナット119は、突出部分84をナット119間で圧搾するために締め付けられ、したがって、組立体ごとに一定の幾何学的寸法を有する完全な剛性組立体が生成される。コアを組立てるために、図32において、2つの壁230および231が、背中合わせコイル配置構成の中央円形リムの周りに搭載され、図33に示すように所定場所にスナップ係合するまで、共に押される。所定場所にスナップ係合すると、円筒マンドレルは、2つの背中合わせの弧状リムの円形輪郭の外径よりわずかに大きい内径を有し、その高さは、コイル支持枠窓開口の高さよりわずかに小さく、それにより、マンドレルは、リムの周りに自由に回転することができる。形成されるマンドレル上で、アニールされたアモルファスリボン材料をロールアップするために、背中合わせコイル配置構成が設置され、保持セットアップによって所定位置にあるボラード90を使用して所定場所に保持される。その後、図34に示すように、少なくとも3つのローラ234(少なくとも1つのローラは小さなフランジ236を有する)が、全ての回転軸が円形リム中心軸(X,Y)に平行な状態で、マンドレルフランジ237の周縁の周りに位置決めされるためにアクチュエータによってもたらされる。3つの狭いローラ234は、リボンのためのマンドレルの中央部分のアクセスを除去するために、マドレルの両側の各フランジ237上で使用されうる。ローラ間の角度距離は、マンドレルを回転軸から出ないようにするためにローラが180°より大きな角度にわたって局在化される限り、異なりうる。マンドレルの一方の側から他の側へのローラ234のフランジ236間の内部距離は、支持枠のリム表面の1つのリム表面との摩擦接触を回避するようにその軸位置を維持するために、マンドレルの幅がその間に嵌合することを可能にするのに十分に広い。3つのローラ234のそれぞれについてのXY位置は、CPUによって提供されるコマンドに基づいてアクチュエータによって精密に制御される。マンドレルおよび蓄積するリボンを回転させるために、ローラ234の少なくとも1つがモータを付けられる。背中合わせコイル配置構成が、設置され、所定位置で所定場所に保持されるため、CPUは、円形リム中心軸の位置(X,Y)をわかっている。より高い精度が必要とされる場合、各ローラは、円形リムによりかかるまでマンドレル上で連続して押されることができ、その後、CPUは、図35に示すように、対応するXY位置を記録する。記録されるデータおよび各ローラ324の半径によって、CPUは、円形リムの中心位置(X,Y)を計算する。コアが完成すると、ナット119が緩められ、ネジ付きロッド115上に位置決めされ、それにより、2つのコイル配置構成は、離れるように押されると、図4に示すように、コアマンドレルの内部面によりかかり、整列することになる。コイル枠の2つの水平底部リムの設けられた平坦表面上にコアがよりかかることを可能にし、したがって、コアに対する支持を提供するために、変圧器カーネルを直立位置に配置することが好ましい。その後、ナット119は、突出部分84をナット間で圧搾するために締め付けられ、したがって、完全な剛性変圧器コア−コイル組立体が生成される。その後、スペーサ37が、2つのコイル配置構成間に挿入され、リード線が共に溶接される。
【0083】
好ましくは、図34のリボンローリングプロセスは、途切れないリボン供給を可能にする自動化リボン給送リールスイッチャおよびロールアップ中にリボンの張力を制御するリボンテンショナを含む。リボンの連続供給は、空のリールの付近で充填済みリールを回転させ、充填済みリールのリボン端を、送り出し、空のリールを出るリボンの終端に固着することによって実現されうる。好ましくは、変圧器カーネルのコアを形成するためのリボンの連続的なロールアップは、形成されるコア−コイル配置構成の充填済みマンドレルの付近で、新しいコイル配置構成のマンドレルを回転させ、リボンを切断し、完成した変圧器カーネルが立ち去る間に、入って来るリボン端をマンドレルに固着することによって実現されうる。
【0084】
図36〜38は、本発明に従って組立てられた最終的な変圧器カーネルを示す。絶縁スリーブ240が、1次コイル外部リード線の周りに付加されている。絶縁スリーブはまた、必要とされる場合、2次リード線上に設けられうる。しかし、コイルが形成されたときにロボットマニピュレーティングアームによって行われる予備成形される形状は、2次リード線上での絶縁スリーブの使用を回避するのに役立つ。その理由は、コイルが、容易な接続のために、変圧器タンクに嵌合するように、また、タンク低電圧ブッシングに整列するように予備成形されるからである。これは、カーネルをタンクに入れるための労力およびコストを低減することになる。
【0085】
図39は、コア(コアは明確にするために示されない)が形成されると、ストラップ250によってコイル配置構成の外部リムに当てて保持されるすじかい材243および244をさらに備えるコア−コイル配置構成を示す。すじかい材243は、好ましくは、絶縁材料で作られ、煙突効果によって上に流れる流体を冷却するための2次コイル表面に沿う垂直ダクトを提供することになるスロット245を備える。さらなる垂直スロット246が、図17の側面ダクト109および111を置換するために、対向する上および下の障害物247を有するすじかい材内に形成される。これらのダクトは、コイルの表面の近くで増加した流体流を提供することによって冷却効率を増加させる。すじかい材244はまた、2次コイルの上部および底部表面の近くでの冷却流体の流れを可能にするためにスロット248および開口249を含む。すじかい材は、短絡状況下で1次コイルと2次コイルとの間の反発力に耐える変圧器能力を増加させることになる。枠243は、支持枠244および245と共に働いて、各サブコイルに流れる短絡電流によって生じる反発力のために、1次および2次サブコイルが分離しないようにする。
【0086】
本発明のシステムによって生産される3つ以上のコア−コイル配置構成は、背中合わせでグループ化されて、図40に示す3相変圧器が生産されうる。
本発明における変圧器カーネルの製造は、完全に自動化され、小さな床空間を占めるコンパクトな組立て機器を使用する変圧器カーネルの大量生産に適合しうる。所与の標準的な効率での変圧器カーネルの大量生産は、カーネルを変圧器組立て業者に提供することになるサブ構成要素製造業者を通して可能になる。変圧器カーネル製造のこうした集中化は、かなりのコアおよびコイル組立て機器、かなりの労力、および、変圧器のコストを増加させる一因になる、各変圧器組立て業者プラントにおいて必要とされるかなりの床空間をなくすことによって、規模の経済をもたらす。図41を参照して、本発明のシステムによって生産されるコア−コイル配置構成は、ラック252上で列にグループ化されることができ、多数のコイル配置構成251を含む複数のラック252は、変圧器組立て業者への出荷のためにシール式コンテナ253内に置かれ、変圧器組立て業者は、タンク、オイル、および他の必要とされる付属品と共に各コア−コイル構成要素を組立てることになる。ラックは、コア−コイル配置構成のグループを支持するための所定の占有領域を有するベース手段254およびコア−コイル配置構成のグループを、ベースを用いて固定するための上部手段255を備える。コア−コイル配置構成の各ラックは、コンテナの高さを埋めるために積重ねられうる。同様に、コア−コイル配置構成の各ラックは、埃から保護されるために、プラスチックフィルムで包装されうる。したがって、変圧器カーネル製造業者から変圧器組立て業者に変圧器カーネルを大量に出荷するために、効率的な出荷格納容器が設けられる。
【0087】
図42を参照して、本発明の変圧器カーネルを閉囲することが可能な長円タンクを備える配電変圧器最終組立体が示される。こうした配電変圧器は、ポール付ブラケットの近くに配置された重心を有することになり、したがって、保持ブラケットに少ない応力をかける。
【0088】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書で詳細に述べられ、添付図面に示されたが、本発明は、これらの正確な実施形態に限定されないこと、および、種々の変更および修正が、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、実施されることができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気変圧器組立体用の支持枠であって、
−2つのループ状部品であって、各ループ状部品は複数のリムを有し、各リムは、周辺窪み部分を有し、前記周辺窪み部分内に、1次電気コイルが搭載可能であり、また、少なくとも1つの2次コイルが、前記1次電気コイル上にピギーバックで搭載可能であり、各ループ状部品の1つのリムは直線セクションを有する、2つのループ状部品と、
−前記ループ状部品の一方のループ状部品を、他のループ状部品に対して取付け、前記直線セクションだけが隣接し、中央レグを形成するように、両者間の距離を調整するための調整可能取付け手段とを備え、前記中央レグは、前記取付け手段と異なる磁気コアを受取るためのものである支持枠。
【請求項2】
請求項1に記載の支持枠において、前記ループ状部品は、ファイバーガラス、エポキシ、紙、厚紙、木材、および木材複合材を含む群から選択される材料で作られる支持枠。
【請求項3】
請求項1または2に記載の支持枠において、前記ループ状部品を変圧器タンクに固定するための固定手段をさらに備える支持枠。
【請求項4】
請求項3に記載の支持枠において、前記固定手段は、
−ベース枠と、
−前記ループ状部品の底部分を前記ベース枠に固着するための第1の固着手段と、
−前記ベース枠を前記変圧器タンクに固着するための第2の固着手段とを備える支持枠。
【請求項5】
請求項3に記載の支持枠において、前記固定手段は、
−ベース枠と、
−前記ループ状部品の上部分を前記ベース枠に固着するための第1の固着手段と、
−前記ベース枠を前記変圧器タンクに固着するための第2の固着手段とを備える支持枠。
【請求項6】
請求項3に記載の支持枠において、前記固定手段は、前記ベース枠に対して前記ループ状部品を整列させるための整列手段を備える支持枠。
【請求項7】
請求項3に記載の支持枠において、場所ごとに支持枠を操作し変位させるための、前記ループ状部品の上部分上に配置される操作手段をさらに備える支持枠。
【請求項8】
請求項7に記載の支持枠において、前記固定手段は、
−ベース枠と、
−前記ループ状部品の前記操作手段を前記ベース枠に固着するための第1の固着手段と、
−前記ベース枠を前記変圧器タンクに固着するための第2の固着手段とを備える支持枠。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の支持枠において、前記中央レグを形成するリム以外の前記複数のリムの選択された1つのリムは、前記コイルに隣接しかつ横切って流体を伝導するためのチャネルをさらに提供し、前記チャネルはそれぞれ、前記1つのリムの一方の側に1つの入口を、前記1つのリムの他の側に1つの出口を有する支持枠。
【請求項10】
請求項9に記載の支持枠において、前記チャネルは、前記流体内で煙突効果を生成するために水平に対してある角度を形成する支持枠。
【請求項11】
請求項9に記載の支持枠において、前記チャネルの入力を閉囲するための第1の煙突であって、閉鎖上部および開口底部を有する、第1の煙突、および、前記チャネルの出力を閉囲するための第2の煙突であって、閉鎖底部および開口上部を有する、第2の煙突をさらに備えて、前記第1の煙突および前記第2の煙突によって、前記流体内に煙突効果を生成する支持枠。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか1項に記載の支持枠において、前記チャネルは、前記ループ状部品の前記窪み部分内の横断溝によって形成される支持枠。
【請求項13】
請求項9から11のいずれか1項に記載の支持枠において、前記チャネルは、前記ループ状部品上に搭載されると、コイルの隣接列間に位置決めされる絶縁スペーサによって境界を定められる支持枠。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の支持枠において、前記ループ状部品の1つのループ状部品は、前記調整可能取付け手段によって、他のループ状部品に対して位置決め可能であり、それにより、前記ループ状部品は、第1の離間距離および第2の離間距離によって選択的に分離され、前記第2の離間距離は前記第1の離間距離より大きく、支持枠は、前記中央レグを囲むマンドレルをさらに備え、前記マンドレルは、前記ループ状部品が前記第1の離間距離によって分離された状態で前記中央レグの周りに自由に回転するサイズに作られ、前記マンドレルは、前記ループ状部品が前記第2の離間距離によって分離された状態で前記中央レグの周りに回転することを阻止される支持枠。
【請求項15】
請求項14に記載の支持枠において、前記マンドレルは、ファイバーガラス、エポキシ、紙、厚紙、木材、および木材複合材を含む群から選択される絶縁材料で作られる支持枠。
【請求項16】
請求項14または15に記載の支持枠において、前記マンドレルは、連結可能な第1および第2の半分部分を備える支持枠。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか1項に記載の支持枠において、前記マンドレルは、前記マンドレルの末端に対向するフランジをさらに備える支持枠。
【請求項18】
請求項1から8のいずれか1項に記載の支持枠において、搭載されると、前記ループ状部品内の所定位置に前記コイルを固定するための、前記中央レグを形成するリム以外の前記リムの少なくとも1つのリムの外側表面上に搭載可能な少なくとも1つのすじかい材をさらに備える支持枠。
【請求項19】
請求項18に記載の支持枠において、前記少なくとも1つのすじかい材は、前記コイルに隣接して流体を伝導させるためのチャネルを提供し、前記チャネルはそれぞれ、煙突効果による循環を可能にするための入口および出口を有する前記少なくとも1つのすじかい材によって提供される支持枠。
【請求項20】
電気変圧器組立体の支持枠のループ状部品であって、
−複数のリムであって、複数のリム上に、1次電気コイルおよび少なくとも1つの2次電気コイルが搭載可能であり、各リムは、周辺窪み部分を有し、前記周辺窪み部分内に、前記1次電気コイルが搭載可能であり、また、前記少なくとも1つの2次電気コイルが前記1次電気コイル上にピギーバックで搭載可能であり、前記ループ状部品の1つのリムは直線セクションを有する、複数のリムを備え、前記周辺窪み部分は、
−前記1次電気コイルを支持するためのベース部分と、
−前記ベース部分の両側から延在する傾斜側壁部分であって、前記1次電気コイルの導体と絶縁層の列の積重ねを可能にする複数の段差を備えるループ状部品。
【請求項21】
請求項20に記載のループ状部品において、隣接する垂直リム間の角の段差の高さは徐々に減少するループ状部品。
【請求項22】
請求項20に記載のループ状部品において、前記複数のリムの1つのリムは、前記コイルに隣接しかつ横切って流体を伝導するためのチャネルをさらに提供し、前記チャネルはそれぞれ、前記ループ状部品の一方の側に1つの入口を、前記ループ状部品の他の側に1つの出口を有し、リムに沿う段差の高さは、前記入口および出口を収容するためにある長さだけ増加するループ状部品。
【請求項23】
請求項20に記載のループ状部品において、前記複数のリムの1つのリムは、前記ループ状部品の一方の側にタップ入力開口をさらに提供し、搭載されると、前記コイルへのタップの接続を可能にし、リムに沿う段差の高さは、前記タップ入力開口を収容するためにある長さだけ増加するループ状部品。
【請求項24】
請求項20に記載のループ状部品において、所定の段差は、ある列の最後のコイルループと、隣接する列上の第1のコイルループを架橋するために形成されるループ状部品。
【請求項25】
請求項24に記載のループ状部品において、前記架橋は、垂直リムの角において実施されるループ状部品。
【請求項26】
請求項20から25のいずれか1項に記載のループ状部品において、前記ループ状部品は、連結可能な第1および第2の半分部分を備えるループ状部品。
【請求項27】
請求項20に記載のループ状部品において、前記複数のリムの1つのリムは、前記コイルに隣接しかつ横切って流体を伝導するためのチャネルをさらに提供し、前記チャネルはそれぞれ、前記ループ状部品の一方の側に1つの入口を、前記ループ状部品の他の側に1つの出口を有し、前記チャネルは、前記ベース部分および前記傾斜側壁部分の少なくとも1つの傾斜側壁部分を横断する横断溝によって形成されるループ状部品。
【請求項28】
請求項27に記載のループ状部品において、ポートが、前記入口を、前記ベース部分を横断する前記横断溝に流体接続するループ状部品。
【請求項29】
請求項20から28のいずれか1項に記載のループ状部品において、前記直線セクションを有する前記リムの前記ループ状部品の内側表面は実質的に半円筒形であり、前記直線セクションを有する前記リムに垂直なリムの前記ループ状部品の内側表面は平坦であるループ状部品。
【請求項30】
請求項29に記載のループ状部品において、実質的に半円筒形である前記内側表面の曲率半径は、前記ループ状部品の周りに搭載可能な円筒形コアの内径より小さいループ状部品。
【請求項31】
第1の端部および第2の端部を有する電気導体ストリップでできた電気コイルおよび前記コイルがその上に巻回される枠を備える電気コイル組立体であって、前記端部の少なくとも一方の端部は、15°と75°との間の角度に従って、第1の折り曲げ線に沿って折り返され、それにより、前記一方の端部は、接続リード線を提供するために前記コイルが存在する平面に対して横断して延在する電気コイル組立体。
【請求項32】
請求項31に記載の電気コイル組立体において、前記角度は45°である電気コイル組立体。
【請求項33】
請求項31または32に記載の電気コイル組立体において、折り返された前記一方の端部は、前記ストリップの縦軸に平行な第2の折り曲げ線に沿ってさらに折り曲げられる電気コイル組立体。
【請求項34】
請求項31に記載の電気コイル組立体において、ループ状部品を備える支持枠を備え、前記ループ状部品は、複数のリムならびに第1および第2の対向する側壁を備え、前記複数のリムのうちの2つのリムは、対向する上部および底部直線セクションを形成する、電気変圧器コア組立体と組合せて、前記コイル組立体は、
−前記ループ状部品に巻回された1次電気コイルであって、1次コイルの対向する端部に第1および第2の1次端子を備え、前記第1および第2の1次端子は、前記ループ状部品の前記第1の側壁から延在する、1次電気コイルと、
−前記1次電気コイルに巻回された2次電気コイルであって、導体ストリップから作られ、2次コイルの対向する第1および第2の端部に第1および第2の2次端子を備える、2次電気コイルとを備え、前記第1の2次コイル端子は、前記第1および第2の1次サブコイル端子が延出する前記第1の側壁に対向する前記第2の側壁に対して垂直にかつ前記第2の側壁から前記ストリップの第1の長さが延在するように、前記第1の側壁に対して第1の45°折り曲げ線に沿って、前記ストリップの第1の端部を折り返すことによって形成され、
前記第2の2次端子は、第1の中間折り曲げ部を形成するために、第2の45°折り曲げ線に沿って、前記ストリップの前記第2の端部を折り返し、前記ストリップの第2の長さが、前記第1および第2の側壁に平行にかつ外側に延在するように、前記第2の45°折り曲げ線に垂直な第3の45°折り曲げ線に沿って、前記第1の中間折り曲げ部の上に前記ストリップの前記第2の端部を折り曲げることによって形成される電気コイル組立体。
【請求項35】
電気変圧器カーネル組立体を組立てる方法であって、
a)第1のループ状部品であって、1次電気コイルを受取るための周辺窪み部分を、第1のループ状部品の外側表面に沿って有し、少なくとも1つの直線セクションを有する、第1のループ状部品に、前記1次電気コイルを巻回するステップと、
b)前記第1のループ状部品に、前記1次電気コイル上にピギーバックで、2次電気コイルを巻回するステップと、
c)第2のループ状部品であって、1次電気コイルを受取るための周辺窪み部分を、第2のループ状部品の外側表面に沿って有し、少なくとも1つの直線セクションを有する、第2のループ状部品に、前記1次電気コイルを巻回するステップと、
d)前記第2のループ状部品に、前記1次電気コイル上にピギーバックで、2次電気コイルを巻回するステップと、
e)前記直線セクションだけが、隣接し、中央レグを形成するように、前記第2のループ状部品に対して前記第1のループ状部品を取付けるステップと、
f)前記第1のループ状部品と前記第2のループ状部品との距離を第1の離間距離に調整するステップと、
g)前記中央レグの周りにマンドレルを設置するステップであって、前記マンドレルは、前記第1のループ状部品および前記第2のループ状部品が、前記第1の離間距離だけ離間すると、前記中央レグの周りに自由に回転するサイズに作られる、設置するステップと、
h)磁気コアを形成するために、前記中央レグに金属リボンを巻回するステップとを含み、
前記巻回するステップh)は、前記取付けるステップe)と異なる方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、
i)前記マンドレルが前記中央レグの周りに回転するのを阻止されるように、前記第1のループ状部品と前記第2のループ状部品との距離を前記第1の離間距離より大きい第2の離間距離に調整するステップと、
j)前記中央レグを形成する前記隣接する直線セクション間にスペーサ要素を挿入するステップとをさらに含む方法。
【請求項37】
請求項35または36に記載の方法において、ステップa)およびステップc)中に、
aa)異なる所定のターン数で前記1次電気コイルによって複数の導体ループを形成するステップと、
bb)接続リード線を形成するために、前記導体ループのそれぞれを個々に撚り合せるステップと、
cc)撚り合わされた隣接する導体ループ間に絶縁スリーブを挿入するステップと、
dd)前記1次電気コイルの巻線に対して横断して前記リード線を曲げるステップとをさらに含む方法。
【請求項38】
電気変圧器カーネル組立体を組立てるためのシステムであって、
−第1のループ状部品および第2のループ状部品に1次電気コイルをそれぞれ巻回するための第1の巻線システムであって、各ループ状部品は、前記1次電気コイルを受取るための周辺窪み部分を、前記ループ状部品の外側表面に沿って有し、前記第1のループ状部品および前記第2のループ状部品はそれぞれ、少なくとも1つの直線セクションを有する、第1の巻線システムと、
−前記第1のループ状部品および前記第2のループ状部品に、前記1次電気コイル上にピギーバックで、第2の電気コイルをそれぞれ巻回するための第2の巻線システムと、
−前記直線セクションだけが、隣接し、中央レグを形成するように、調整可能取付け手段によって前記第2のループ状部品に対して前記第1のループ状部品を取付けるための取付けシステムと、
−前記中央レグの周りにマンドレルを設置するためのマンドレル設置システムであって、前記マンドレルは、前記第1のループ状部品および前記第2のループ状部品が、前記第1の離間距離だけ離間すると、前記中央レグの周りに自由に回転するサイズに作られる、マンドレル設置システムと、
−磁気コアを形成するために、前記中央レグに金属リボンを巻回するための第3の巻線システムであって、前記コアは前記調整可能取付け手段と異なる、第3の巻線システムとを備えるシステム。
【請求項39】
連続生産で電気変圧器カーネル組立体を製造するための請求項35から37に記載の方法の使用。
【請求項40】
請求項35から37に記載の方法によって組立てられる複数の電気変圧器カーネル組立体を収容するための格納コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図25E】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図26E】
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【図26F】
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【図26G】
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【図26H】
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【図26I】
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【図26J】
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【図26J1】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図27E】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30a】
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【図30b】
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【図30c】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2013−511824(P2013−511824A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539153(P2012−539153)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001845
【国際公開番号】WO2011/060547
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(597164909)イドロ−ケベック (30)
【氏名又は名称原語表記】Hydro−Quebec
【Fターム(参考)】