説明

電気抵抗の測定方法、及び同装置

【課題】4端子法の電気抵抗測定法においては、端子Taと端子Tbとの間に、または端子Tcと端子Tdとの間に、接触抵抗測定電圧Vを印加していたので、接触抵抗の状態によっては試料3に課題な電圧が印加されて該試料が破損するおそれが有った。これを改良して、試料3の破損を防止する。【解決手段】端子Taに対してグランド基準でV/2の電位を印加するとともに、端子Tbに対してもグランド基準でV/2の電位を印加することによって、端子Taと端子Tbとの間に抵抗測定電圧Vを印加する。これにより、接触抵抗の状態が最悪の場合でも試料3に対する印加電位はグランド基準でV/2を超えることが無くなる。端子Tcと端子Tdに対しても同様に、グランド基準で+,−V/2の電位を印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4端子法で電気抵抗を測定する方法及び同装置に関し、特に、電気的に敏感で破損し易い試料を測定するに好適なように改良したものであるが、4端子法に限らず電気特性を測定する場合一般に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
図2(A)は、4端子法の電気抵抗測定装置を描いた模式図である。
符号3を付して示したのは電気抵抗測定対象の試料であって、2個の端子3b、同3cを有している。
4個のプローブピンPa,Pb,Pc,Pdが設けられている。本発明においてプローブピンとは測定用の電極を総称する意である。また、本発明において電気抵抗とは試料の電気的特性を総称する意である。
【0003】
第1のプローブピンPaを片方の試料端子3bに接触させるとともに第4のプローブピンPdを他方の試料端子3cに接触させ、電源部4によって試料抵抗3aに通電して電流値を測定する。Ta,Tdは上記電源部4の端子である。
これと同時に、試料端子3bに接触させた第2のプローブピンPbと、試料端子3cに接触させた第3のプローブピンPcとによって電圧を測定する。Tb,Tcは電圧測定部5の端子である。
このようにして電圧値と電流値とが分かれば、試料抵抗3aの電気抵抗を算出することができる。
【0004】
前掲の図2を回路化して示すと図2(B)のようになる。
ところが、実際問題においては、プローブピンと試料端子との間に接触抵抗が有って、測定誤差の原因になる。そこで、次のようにして接触抵抗を検出する。検出された接触抵抗が許容範囲外であれば通電を繰り返して絶縁皮膜の破壊を図り、接触抵抗が許容範囲内になれば前述の電気抵抗測定を行なう。
【0005】
図3において第1のプローブピンPa〜第4のプローブピンPd、及び端子Ta〜Td、並びに試料抵抗3aは、前掲の図2におけると同じ部材を示している。
符号Ra〜Rdは接触抵抗を示している。
符号R1は電線の抵抗を、符号R2は固定抵抗器(安全抵抗)をそれぞれ示している。
【特許文献1】特開2004−101453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図3に例示した4端子法において接触抵抗Raおよび接触抵抗Rbを検知するには、第1のプローブピンPaに接続された端子Taと、第2のプローブピンPbに接続された端子Tbとの間に測定電圧Vを印加し、鎖線矢印で示した測定電流Iabの電流値を検知することによって行なわれる(RaとRbとの合計値が算出される)。なお、電流値が特定の定電流となるように構成した4端子式測定装置が公知であって、一般に広く用いられている。
接触抵抗Rcおよび接触抵抗Rdを検知するには、上記と同様にして、端子Tcと端子Tdとの間に電圧Vを印加し、破線矢印で示した電流Icdの値を検知することによって算出される。
ところが、いま仮に、接触抵抗Rbが非常に大きかったとすると、試料抵抗3aに対して、グランド基準でVに近い電位が印加され、これにより放電Sを生じて試料を破損せしめる虞れが有る。
上記は、接触抵抗Rbが過大である場合の説明であるが、接触抵抗Ra、同Rc、又は同Rdが過大であっても同様に、試料抵抗3aに対して過大電圧が印加され、放電Sを生じて試料を破損させる虞れが有る。
【0007】
破損するか否かは、試料3の構造および特性によって異なるが、測定によって破損する虞れが有ることは放置できない。
前記以外の接触抵抗Ra,Rc又は,Rdが非常に大きかった場合も、同様に試料3の破損を招く虞れが有る。
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、
4端子法の電気抵抗測定技術を改良して、プローブピンの接触抵抗が大きくても試料を破損させる虞れの無い電気抵抗測定方法、および同装置を提供するにある。ただし、4端子法に限らず、プローブピンを用いる電気特性測定一般に応用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために創作した本願請求項1に係る発明方法の構成は、
試料の1対の試料端子の片方に第1のプローブピンを接触させ、前記1対の試料端子の他方に第2のプローブピンを接触させて前記1対の試料端子に測定用の電圧を印加して通電するとともに、その電流値と電圧値とに基づいて前記試料の電気抵抗を測定する方法において、
第1のプローブピンと第2のプローブピンとに所定の電圧Vを印加する際、
第1のプローブピンに対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、
第2のプローブピンに対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、
双方のプローブピンに所定の電圧Vを印加し、
接触抵抗のバラツキによって、試料抵抗が受ける実効電圧が変化しても、その最大値がV/2を超えないようにすることを特徴とする。
【0009】
本願請求項2に係る発明方法の構成は、(図2参照)試料(3)の1対の試料端子の片方(3b)に第1のプローブピン(Pa)と第2のプローブピン(Pb)とを接触させるとともに、前記1対の試料端子の他方(3c)に第3のプローブピン(Pc)と第4のプローブピン(Pd)とを接触させ、
(図1参照)前記第1のプローブピン(Pa)と第2のプローブピン(Pb)とに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知するとともに、第3のプローブピン(Pc)と第4のプローブピン(Pd)とに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知し、
検知した接触抵抗が所定の範囲外であれば必要に応じて電圧値を増加させて電圧印加を繰り返し、接触を妨げている絶縁皮膜を破壊して接触抵抗を減少せしめ、
接触抵抗が所定の範囲内になったとき、前記4本のプローブピンによって前記1対の試料端子に測定用の電圧を印加して通電するとともに、その電流値と電圧値とに基づいて前記試料(3)の電気抵抗を測定する方法において、
接触抵抗を検知するため、第1のプローブピン(Pa)と第2のプローブピン(Pb)とに所定の電圧Vを印加するとともに、第3のプローブピン(Pc)と第4のプローブピン(Pd)とに所定の電圧Vを印加する際、
第1のプローブピン(Pa)に対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、第2のプローブピン(Pb)に対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、
双方のプローブピンに所定の電圧Vを印加し、 及び/又は、 第3のプローブピン(Pc)に対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、第4のプローブピン(Pd)に対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、双方のプローブピンに所定の電圧Vを印加し、
接触抵抗のバラツキによって、試料抵抗(3a)が受ける実効電圧が変化しても、その最大値がV/2を超えないようにすることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明方法の構成は、(図3参照)試料(3)の1対の試料端子の片方(3b)に第1のプローブピン(Pa)と第2のプローブピン(Pb)とを接触させるとともに、前記1対の試料端子の他方(3c)に第3のプローブピン(Pc)と第4のプローブピン(Pd)とを接触させ、
(図1参照)前記第1のプローブピン(Pa)と第2のプローブピン(Pb)との間にに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知するとともに、第3のプローブピン(Pc)と第4のプローブピン(Pd)とに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知し、
検知した接触抵抗が所定の範囲外であれば電圧印加を繰り返して、接触を妨げている絶縁皮膜を破壊して接触抵抗を減少せしめ、
接触抵抗が所定の範囲内になったとき、前記4本のプローブピンによって前記1対の試料端子に測定用の電圧を印加して通電するとともに、その電流値と電圧値とに基づいて前記試料(3)の電気抵抗を測定する方法において、
予め、電気抵抗測定対象である試料(3)が耐え得る電位をグランド基準で実測し、又はこれに準じる手段で求めておき、
前記の印加電圧Vを、上記の耐圧電位よりも低く設定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明装置の構成は、(図1参照)第1のプローブピン(Pa)、第2のプローブピン(Pb)、第3のプローブピン(Pc)、及び第4のプローブピン(Pd)を備えていて、
前記第1のプローブピン(Pa)と第2のプローブピン(Pb)とに所定の電圧Vを印加するとともに、その際の電流値を検知して接触抵抗を算出する手段と、
第3のプローブピン(Pc)と第4のプローブピン(Pd)とに所定の電圧Vを印加するとともに、その際の電流値を検知して接触抵抗を算出する手段とを具備していて、
算出した接触抵抗が所定の範囲外であれば電圧印加を繰り返すことにより、接触を妨げている絶縁皮膜を破壊して接触抵抗を減少せしめ得る機能を有している電気抵抗測定装置において、
第1のプローブピン(Pa)に対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、第2のプローブピン(Pb)に対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、双方のプローブピンの間に所定の電圧Vを印加する手段が設けられ、
及び/又は、 第3のプローブピン(Pc)に対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、第4のプローブピン(Pd)に対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、双方のプローブピンの間に所定の電圧Vを印加する手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明方法によると、2個のプローブピンを用いて試料の電気抵抗を測定する際、接触抵抗のバラツキに拘わらず、該試料に対して過大な電位が印加されないので、破損を招く虞れが無い。
【0013】
請求項2の発明方法を適用すると、
4端子法の電気抵抗測定方法における4個のプローブピンそれぞれに対して、極性を異にする絶対値V/2の電位を与えることにより、所望の2極間に対して測定電圧Vを印加することができ、
しかも、上記V/2の電位がグランド基準であるから、接触抵抗の分布状態の如何に拘わらず、試料に対してV/2を超える電位が印加されない。
従って、4端子法の電気抵抗測定方法における接触抵抗計測時に試料に対して過大な電位が印加されて損傷を招く虞れが無い。
【0014】
請求項3の発明方法を適用すると、4端子法の電気抵抗測定方法において、2個のプローブピン間に印加される測定電圧が「試料が耐え得る電圧以下」に制限されているので、接触抵抗の分布状態の如何に拘わらず、試料に対してV/2を超える電位が印加されない。 従って、4端子法の電気抵抗測定方法における接触抵抗計測時に試料に対して過大な電位が印加されて損傷を招く虞れが無い。
【0015】
請求項4の発明装置を適用すると、4端子法の電気抵抗測定装置を構成している4個のプローブピンそれぞれに対して、グランド基準で±V/2の電位を与え得るから、所望の2個のプローブピン間に測定電圧Vを印加することができ、
しかも、接触抵抗の分布状態の如何に拘わらず、試料に対してV/2を超える電位は印加され得ない。
従って、4端子法の電気抵抗測定方法における接触抵抗計測時に試料に対して過大な電位が印加されて損傷を招く虞れが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明に係る4端子法の電気抵抗測定装置の1実施形態を描いた系統図である。
この実施形態は、図3に示した従来例の4端子式電気抵抗測定装置に本発明を適用して改良したものである。
次に、本図1が図3と異なる点、すなわち本発明を適用して改良した事項を説明する。
【0017】
符号GLは、グランドGと同電位のグランドレベルを表している。
図外の電源部から端子Taに対して、グランド基準で+V/2の電位を印加し得るようになっており、かつ端子Tbに対して、グランド基準で−V/2の電位を印加し得るようになっている。
これにより、端子Ta,同Tb間に測定電圧Vを印加することができる。
【0018】
接触抵抗Rbが非常に大きい場合について考察する。極限の状態として接触抵抗Rbが無限大であるとすると、試料3の試料抵抗3aに対して端子Taの電位が加えられ得る。
このように最悪の条件であっても、端子Taの電位は+V/2であるから、『従来例(図3)において印加される虞れの有った電位V』に比して半分の電位である。
このようにして最悪の場合でも、試料3に対する印加電圧が、グランド基準で接触抵抗測定電圧Vの1/2であるから、放電Sを生じる虞れが無い。
【0019】
以上に説明した作用効果から容易に理解し得るように、試料抵抗測定の準備作業としての接触抵抗測定に際して、端子Ta,Tbに与える電位の絶対値はV/2を超えてはならないが、必ずしもV/2に満たなくても良い。
本発明において「グランド基準で+,−V/2の電位を与える」とは、「グランド基準で+,−V/2を超えない電位を与える」の意である。
【0020】
図1を参照して以上に説明した実施形態は請求項2の方法発明、および請求項4の装置発明に対応する。
この実施形態における技術的思想の根幹をなすものは「グランド基準で+,−V/2の電位を与える」ということである。 この基本的な原理に着目すると『2個のプローブピンを用いて電気抵抗を測定する際、第1のプローブピンに対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、第2のプローブピンに対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、双方のプローブピンに所定の電圧Vを印加し、接触抵抗のバラツキによって、試料抵抗が受ける実効電圧が変化しても、その最大値がV/2を超えないようにする』という請求項1の発明方法が理解される。
次に、図3(従来例)を援用して、請求項3の方法発明の実施形態を説明する。
この従来例について述べた〔本発明が解決しようとする課題〕を要約して復習すると、
『接触抵抗が非常に大きいとき、試料に対して、グランド基準で測定電圧Vに近い電位が印加され、放電Sを生じて試料を破損せしめる虞れが有る』ということであった。
【0021】
上述の不具合を防止するための、もう一つの考え方は、「試料3の耐電圧特性を、接触抵抗測定電圧V以上に構成しておくこと」である。しかし、この考え方は実際的でない。
電気抵抗の測定作業は、与えられた試料の抵抗値を計測するのであって、試料の仕様に対して注文を付け得るものではないからである。
そこで請求項2においては、与えられた試料の耐電圧特性に適応させて測定電圧Vを設定する。
【0022】
すなわち、試料3の耐電圧特性が既知の値であれば、これに基づいて、耐電圧特性が未知の値であれば実験的に、またはこれに準じる手段で耐電圧特性を求め、
接触抵抗測定電圧Vを、上記耐電圧特性値よりも低く設定する。
これにより、接触抵抗Ra、接触抵抗Rb、接触抵抗Rc、又は接触抵抗Rbの何れかが非常に大きくても(最悪の場合、非接触で電気抵抗が無限大であっても)試料3に対して耐電圧特性値を超える電圧が掛からない。
従って、放電Sを生じて試料3を破壊せしめる虞れが無い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る電気抵抗測定方法を実施するために構成した電気抵抗測定装置の1例を描いた系統図
【図2】4端子法の電気抵抗測定装置を説明するために示したもので、(A)は模式的な斜視図、(B)は回路図
【図3】前掲の図2に示した従来技術に係る電気抵抗測定測定における課題を説明するための回路図
【符号の説明】
【0024】
3…試料、3a…試料抵抗、3b,3b…試料端子、4…電源部、5…電圧測定部、Pa…第1のプローブピン、Pb…第2のプローブピン、Pc…第3のプローブピン、Pd…第4のプローブピン、R1…電線の電気抵抗、R2…固定抵抗器、Ra〜Rd…接触抵抗、G…グランド、S…放電、V…接触抵抗測定電圧。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の1対の試料端子の片方に第1のプローブピンを接触させ、上記1対の試料端子の他方に第2のプローブピンを接触させて前記1対の試料端子に測定用の電圧を印加して通電するとともに、その電流値と電圧値とに基づいて前記試料の電気抵抗を測定する方法において、
第1のプローブピンと第2のプローブピンとに所定の電圧Vを印加する際、
第1のプローブピンに対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、
第2のプローブピンに対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、双方のプローブピンに所定の電圧Vを印加し、
接触抵抗のバラツキによって、試料抵抗が受ける実効電圧が変化しても、その最大値がV/2を超えないようにすることを特徴とする、電気抵抗の測定方法。
【請求項2】
試料の1対の試料端子の片方に第1のプローブピンと第2のプローブピンとを接触させるとともに、前記1対の試料端子の他方に第3のプローブピンと第4のプローブピンとを接触させ、前記第1のプローブピンと第2のプローブピンとに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知するとともに、第3のプローブピンと第4のプローブピンとに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知し、
検知した接触抵抗が所定の範囲外であれば必要に応じて電圧値を増加させて電圧印加を繰り返し、接触を妨げている絶縁皮膜を破壊して接触抵抗を減少せしめ、
接触抵抗が所定の範囲内になったとき、前記4本のプローブピンによって前記1対の試料端子に測定用の電圧を印加して通電するとともに、その電流値と電圧値とに基づいて前記試料の電気抵抗を測定する方法において、
接触抵抗を検知するため、第1のプローブピンと第2のプローブピンとに所定の電圧Vを印加し、及び/又は、第3のプローブピンと第4のプローブピンとに所定の電圧Vを印加する際、
第1のプローブピンに対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、
第2のプローブピンに対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、
双方のプローブピンに所定の電圧Vを印加し、
及び/又は、
第3のプローブピンに対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、
第4のプローブピンに対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、
双方のプローブピンに所定の電圧Vを印加し、
接触抵抗のバラツキによって、試料抵抗が受ける実効電圧が変化しても、その最大値がV/2を超えないようにすることを特徴とする、電気抵抗の測定方法。
【請求項3】
試料の1対の試料端子の片方に第1のプローブピンと第2のプローブピンとを接触させるとともに、前記1対の試料端子の他方に第3のプローブピンと第4のプローブピンとを接触させ、
前記第1のプローブピンと第2のプローブピンとに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知し、及び/又は、第3のプローブピンと第4のプローブピンとに所定の電圧Vを印加して接触抵抗を検知し、
検知した接触抵抗が所定の範囲外であれば電圧印加を繰り返して、接触を妨げている絶縁皮膜を破壊して接触抵抗を減少せしめ、
接触抵抗が所定の範囲内になったとき、前記4本のプローブピンによって前記1対の試料端子に測定用の電圧を印加して通電するとともに、その電流値と電圧値とに基づいて前記試料(3)の電気抵抗を測定する方法において、
予め、電気抵抗測定対象である試料が耐え得る電位をグランド基準で実測し、又はこれに準じる手段で求めておき、
前記の印加電圧Vを、上記の耐圧電位よりも低く設定することを特徴とする、電気抵抗の測定方法。
【請求項4】
第1のプローブピン、第2のプローブピン、第3のプローブピン、及び第4のプローブピンを備えていて、
前記第1のプローブピンと第2のプローブピンとに所定の電圧Vを印加するとともに、その際の電流値を検知して接触抵抗を算出する手段と、
第3のプローブピンと第4のプローブピンとに所定の電圧Vを印加するとともに、その際の電流値を検知して接触抵抗を算出する手段とを具備していて、
算出した接触抵抗が所定の範囲外であれば電圧印加を繰り返すことにより、接触を妨げている絶縁皮膜を破壊して接触抵抗を減少せしめ得る機能を有している電気抵抗測定装置において、
第1のプローブピンに対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、
第2のプローブピンに対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、
双方のプローブピンの間に所定の電圧Vを印加する手段が設けられ、
及び/又は、
第3のプローブピンに対して、グランド基準で+V/2の電位を与えるとともに、
第4のプローブピンに対して、グランド基準で−V/2の電位を与えることにより、
双方のプローブピンの間に所定の電圧Vを印加する手段が設けられていることを特徴
とする、電気抵抗の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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