説明

電気掃除機

【課題】吸引機構による張力を安定して検出するとともに吸引機構の方向転換を検出して掃除機本体をスムーズに方向転換することで吸引機構の動きに合わせて掃除機本体を自走させ、使い勝手を向上させる。検出部の簡単化及び長寿命化も図る。
【解決手段】掃除機本体に設けた吸引機構を取り付ける吸引機構取り付け部に、左右対称に吸引機構の手動操作時に吸引機構取り付け部に生じる引っ張り方向の歪みを検知する1対の歪みゲージ23a,23bを貼り付ける。また、車輪14a,14bを回転駆動する走行モータ14及び操舵輪の方向を制御する操舵モータを設ける。吸引機構の手動操作による左右の歪みゲージが検出する引っ張り量が閾値を超えると走行モータを駆動して掃除機本体3を走行させ、左右の歪みゲージが検出する引っ張り量の差に応じて操舵モータを制御して操舵輪の方向を変更し、掃除機本体の方向転換をスムーズに行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風路を形成し、手動操作される吸引機構と、この吸引機構を取り付ける吸引機構取り付け部を有する掃除機本体とからなる電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、掃除機において、清掃用ホースを接続する清掃用ホース取り付け台を掃除機本体に回動自在に設け、清掃用ホースを引っ張ると、清掃用ホース取り付け台が回動し、これにより機械的なスイッチがオフし、一定時間駆動手段を動作して掃除機本体を一定距離だけ自走させ、また、複数のギヤや回転軸からなる方向変換手段を設け、清掃用ホースの動きをこの方向変換手段に伝え、清掃用ホースの引き出された方向に車輪が常に向けられるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2−107218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、清掃用ホースを接続する清掃用ホース取り付け台を掃除機本体に回動自在に設け、この清掃用ホース取り付け台の回動によってスイッチをオン、オフ動作させるものでは構成が複雑化するという問題があった。また、機械的なスイッチのオン、オフでは清掃用ホースの引っ張り具合による強弱は検出できず、しかも、常に一定時間駆動手段を動作する構成であるため、ホースを軽く引いても強く引いても常に掃除機本体は一定距離だけ自走することになり、例えば、掃除機本体を少しだけ移動させればよい場合も長い距離を移動するなど不自然な動作を行う場合があった。また、機械的なスイッチを使用しているので寿命が短いという問題があった。さらに、方向転換に複数のギヤや回転軸からなる方向変換手段を使用しているため、この点においても構成が複雑化するという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、吸引機構の手動操作によって掃除機本体に加えられる張力を安定して検出できるとともに吸引機構の方向転換を検出して掃除機本体をスムーズに方向転換させることができ、これにより、吸引機構の動きに合わせて掃除機本体をスムーズに自走させることができて使い勝手を向上でき、しかも、検出部の簡単化及び長寿命化を図ることができる電気掃除機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、塵を吸い込む吸込口と連通する風路を形成し、手動操作される吸引機構と、この吸引機構の風路端部を先端部に取り付ける吸引機構取り付け部を有する掃除機本体とからなり、掃除機本体は、吸引機構取り付け部の後端部に連通した集塵室と吸引モータを有し、吸引モータの駆動によって吸引機構が吸引した塵を集塵室に集めるクリーナ機構と、床面を走行する1対の走行用車輪と、モータを駆動源として有し、各走行用車輪を駆動する駆動手段と、駆動の方向を決定する操舵手段と、吸引機構取り付け部に左右対称に貼り付けられ、吸引機構の手動操作時に吸引機構取り付け部に生じる引っ張り方向の歪みを検知する1対の歪みゲージと、この各歪みゲージが検知する歪み量が予め設定した閾値を超えたとき駆動手段のモータを駆動制御するとともに各歪みゲージが検知する歪み量の差に応じて操舵手段を駆動制御する制御回路とを備えたものにある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、吸引機構の手動操作によって掃除機本体に加えられる張力を安定して検出できるとともに吸引機構の方向転換を検出して掃除機本体をスムーズに方向転換させることができ、これにより、吸引機構の動きに合わせて掃除機本体をスムーズに自走させることができて使い勝手を向上できる。しかも、検出部の簡単化及び長寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は電気掃除機の全体構成を示す斜視図で、手動操作される吸引機構1と、この吸引機構1を取り付ける吸引機構取り付け部2を有する掃除機本体3とで構成される。
【0009】
前記吸引機構1は、一端に床面を摺動して塵を吸い込む吸込口4を着脱自在に取り付けた第1の延長管5と、一端に操作部6を取り付けた第2の延長管7をスライド自在に嵌合し、かつ、前記操作部6からホース8を延出し、そのホース8の先端部8aを前記掃除機本体3の吸引機構取り付け部2の先端部に嵌合している。すなわち、前記各延長管5,7、ホース8は前記吸込口4と連通する風路を形成し、ホース8の先端部8aは風路端部になっている。
【0010】
前記操作部6は、図2に示すように、手で握る把持部9の上面側に電源をオン、オフし、また、吸込みの強弱を選択する複数の操作ボタン9aを配置するとともに指がかかる下面側に把持状態を検出する把持検出手段としてスイッチ9bを配置している。
【0011】
前記掃除機本体3は、図3及び図4に示すように、前記吸引機構取り付け部2の後端部に連通した集塵室10、フィルタ11及び吸引モータ12を有するクリーナ機構を内蔵している。前記クリーナ機構は、吸引モータ12の駆動によって空気流を発生させ、前記吸引機構1の吸込口4から空気を吸い込み、その空気を第1の延長管5、第2の延長管7、操作部6、ホース8を順次経由し、さらに、吸引機構取り付け部2から集塵室10、フィルタ11、吸引モータ12を経由して外部に排出し、そのときに塵も一緒に吸引し、その塵を前記集塵室10に集めるようにしている。
【0012】
前記掃除機本体3は、後方の左右に床面13を走行する走行用の車輪14a,14bを取り付け、また、走行モータ15を駆動源として設けるとともに前記各車輪14a,14bを回転駆動する駆動手段16を設けている。前記駆動手段16は、複数のギヤからなる動力伝達部17及びディファレンシャルギア機構18を備え、前記走行モータ15の回転を、動力伝達部17を介してディファレンシャルギア機構18に伝達し、さらに、このディファレンシャルギア機構18から車軸19を介して左右の車輪14a,14bに伝達するようにしている。
【0013】
前記掃除機本体3は、前方の中央底部に方向を回動自在にして操舵輪20を取り付け、この操舵輪20の向きを操舵モータ21によって左右に回動するようにしている。なお、前記操舵輪20には方向を検出するために使用するエンコーダやポテンシオメータ等が取り付けられている。
【0014】
前記掃除機本体3は、また、前記吸引モータ12、走行モータ15、操舵モータ21及び後述する制御部を駆動するための電源となる充電可能な二次電池22を搭載している。
前記吸引機構取り付け部2の左右の対称位置に、前記吸引機構1の引っ張り方向の張力を検出するための1対の歪みゲージ23a,23bをそれぞれ直接貼り付けている。
【0015】
前記ディファレンシャルギア機構18は、図5に示すように、車軸19の周囲を回転する外輪ギヤ18aと、この外輪ギヤ18aの内側に固定された2個の遊星かさギヤ18b,18cと、この遊星かさギヤ18b,18cを介して前記外輪ギヤ18aの回転を、前記車軸19に伝達する2個のかさギヤ18d,18eによって構成されている。前記各遊星かさギヤ18b,18cは、左右の車輪14a,14bの回転差を吸収する作用も為し、これにより掃除機本体3は吸引機構1で引っ張られる方向にスムーズに向きを変えて走行することができる。
【0016】
図6は制御部の構成を示すブロック図で、31は制御部本体を構成するCPU(中央処理装置)、32はこのCPU31が各部を制御するためのプログラムデータを格納したROM(リード・オンリー・メモリ)、33は処理データを一時格納するメモリ等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)である。34は入力ポート、35は前記走行モータ15のドライバ、36は前記吸気モータ12のドライバ、37は前記操舵モータ21のドライバである。前記CPU31、ROM32、RAM33、入力ポート34、各ドライバ35,36,37は互いにバスライン38によって電気的に接続されている。前記ドライバ35には前記スイッチ9bが接続されており、このスイッチ9bが把持状態を検出してオンしたときのみ走行モータ15への通電が可能になるようにしている。
【0017】
前記入力ポート34には、左引っ張り量検出回路41からの検出出力をA/D変換器42でデジタル変換して得られるデジタルデータ、右引っ張り量検出回路43からの検出出力をA/D変換器44でデジタル変換して得られるデジタルデータ及びエンコーダやポテンシオメータ等からなる操舵方向検出器45からのデジタルな検出信号をそれぞれ入力されている。
【0018】
前記左引っ張り量検出回路41は吸引機構取り付け部2の左側面に貼り付けられた歪みゲージ23aを接続し、前記右引っ張り量検出回路43は吸引機構取り付け部2の右側面に貼り付けられた歪みゲージ23bを接続しており、その回路構成は同一で図7に示す構成になっている。
【0019】
すなわち、前記二次電池21からの+E1電源に、前記歪みゲージ23a又は歪みゲージ23bを一辺に接続し、他の3辺に抵抗を接続した抵抗ブリッジ回路46を接続している。前記抵抗ブリッジ回路46は、前記歪みゲージ23a(又は23b)が歪みを受けてその抵抗が変化すると、出力端子間に歪みに応じた電圧が発生するものである。
【0020】
前記抵抗ブリッジ回路46の出力を差動増幅器47で増幅し、その増幅した出力を、抵抗48を直列に介して反転増幅器49に供給している。前記反転増幅器49の出力を、抵抗50を直列に介して前記A/D変換器42(又は44)に供給している。
【0021】
このような構成の電気掃除機においては、作業者が吸引機構1の把持部9を手で握ると指がスイッチ9bを押圧するようになり、スイッチ9bがオンする。この状態で、把持部9にある操作ボタン9aを操作すると吸引モータ12が動作し、クリーナ機構が駆動する。これにより、吸込口4から吸い込まれた塵は第1の延長管5、第2の延長管7、操作部6、ホース8を順次経由して掃除機本体3の集塵室10に集められる。
【0022】
作業者は吸引機構1を例えば前後に動かしながら少しずつ前方に移動して掃除を開始する。そして、吸引機構1を前方正面に動かしたときにはホース8が正面に引っ張られ、吸引機構取り付け部2も正面に引っ張られる。これにより各歪みゲージ23a,23bには引っ張り方向に対して互いに略等しい張力が作用し歪が生じる。
【0023】
これにより、左引っ張り量検出回路41が検出する引っ張り量と右引っ張り量検出回路43が検出する引っ張り量は略等しくなる。CPU31は、左引っ張り量と右引っ張り量を、入力ポート34を介して取り込み、予め設定した閾値と比較する。そして、いずれかの量が閾値を超えていれば、ドライバ35を制御し、走行モータ15を駆動させる。走行モータ15の回転は動力伝達部17、ディファレンシャルギア機構18、車軸19を介して左右の車輪14a,14bに伝達される。これにより、掃除機本体3は走行を開始する。
【0024】
また、CPU31は左引っ張り量と右引っ張り量との差を求める。今は、左右の引っ張り量に差がないので、ドライバ37を制御し、操舵モータ21を操舵輪20が直進するように方向を制御する。こうして、掃除機本体3は吸引機構1の引っ張りに応じて前方正面に向かって走行する。そして、操舵輪20の方向を操舵方向検出部45で検出し、CPU31はその検出信号を、入力ポート34を介して取り込み、操舵方向を管理する。
【0025】
そして、吸引機構1の前方への動きを停止すれば、左引っ張り量及び右引っ張り量のいずれも閾値以下となるため走行モータ15の駆動は停止される。このように、吸引機構1を前方正面に動かしているときには吸引機構1の動きに追従して掃除機本体3は前方にスムーズに走行する。
【0026】
また、吸気機構1の動かす向きを変えると、左側の引っ張り量と右側の引っ張り量とに差が生じる。例えば、吸気機構1の動かす向きを右側に変えると、左側の引っ張り量が右側の引っ張り量よりも大きくなって差が生じる。そして、その差が一定値以上大きければ、CPU31は、ドライバ37を制御し、操舵モータ21を操舵輪20が右側に大きく回動するように駆動する。こうして掃除機本体3は大きく右側に方向を変える。また、このときはディファレンシャルギア機構18の動作によって走行用の車輪14a,14bも方向転換に合わせてスムーズに動作する。
【0027】
また、左側の引っ張り量と右側の引っ張り量との差が小さければ、その差に応じた角度で掃除機本体3の向きを変える。すなわち、CPU31は、ドライバ37を制御し、差に応じた角度だけ操舵輪20が回動するように操舵モータ21を駆動する。
【0028】
このように、掃除中に吸気機構1の向きを大きく変えても小さく変えても操舵輪20は吸気機構1の向きに応じて方向を変えるので、掃除機本体3はスムーズに方向転換するようになる。そして、掃除機本体3が方向転換することで左側の引っ張り量と右側の引っ張り量との差が無くなり、それに応じて操舵輪20の方向も徐々に正面を向くように制御され、やがて吸気機構1の動作方向と掃除機本体3の向きが合うようになり、掃除機本体3は正面に向かって走行するようになる。
【0029】
このように、手動操作による吸引機構1の動きに合わせて掃除機本体3をスムーズに自走させて掃除ができ、また、吸引機構1の方向転換に対しても掃除機本体3をスムーズに方向転換させることができ、使い勝手を向上できる。
【0030】
しかも、吸引機構1の手動操作によるホース8の引っ張りを歪みゲージ23a,23bを使用して検出し、その検出出力を電気的に処理しているので、機械的なスイッチを使用するものに比べて、検出部の構成の簡単化及び長寿命化を図ることができる。
【0031】
また、作業者が把持部9から手を離せば、スイッチ9bがオフするので、このときには走行モータ15の動作は強制的に停止される。従って、作業者が吸引機構1の手動操作を止めているにも拘わらず歪みゲージ23a,23bが歪みを検知することが発生しても走行モータ15が動作することは無く安全性を向上できる。
【0032】
なお、この実施の形態では把持状態を検出する把持検出手段としてスイッチを使用したがこれに限定するものではなく、例えば、2枚の金属板を離して配置したものを使用し、指がその2枚の金属板に接することで流れる電流を検知して把持検出するものであっても、また、指がその2枚の金属板に接することで2枚の金属板間の静電容量の変化を検知して把持検出するものであってもよい。
【0033】
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、走行用の車輪14a,14bが操舵輪も兼ねたものについて述べる。なお、前述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0034】
図8及び図9に示すように、1対の走行モータ51,52を設け、一方の走行モータ51の回転を、複数のギヤからなる動力伝達機構53を介して走行用車輪14aに伝達するとともに、他方の走行モータ52の回転を、複数のギヤからなる動力伝達機構54を介して走行用車輪14bに伝達するようにしている。
【0035】
また、掃除機本体3の前方中央底部には操舵輪に代えて方向が自由に変化するキャスタ車輪55を取り付けている。
なお、制御部の構成については、操舵モータを走行モータに代え、2個の走行モータを個々にドライバによって制御する以外は図6と同じである。
【0036】
このような構成の電気掃除機においては、吸引機構1を前方正面に動かしているときには吸引機構取り付け部2が正面に引っ張られるので、各歪みゲージ23a,23bには略等しい張力が加わる。従って、左引っ張り量検出回路41が検出する引っ張り量と右引っ張り量検出回路43が検出する引っ張り量は略等しくなり、この引っ張り量が予め設定した閾値を超えていれば、CPU31は各走行モータ51,52を同じ速度で回転駆動する。こうして掃除機本体3は前方正面に向かって走行する。
【0037】
また、吸気機構1の動かす向きを変えると、左側引っ張り量と右側の引っ張り量とに差が生じる。CPU31はその差に応じて左右の各走行モータ51,52の速度を変化する。例えば、吸気機構1の動かす向きを左側に変えると、右側の引っ張り量が左側の引っ張り量よりも大きくなって差が生じる。そして、その差が一定値以上大きければ、CPU31は、右側の走行モータ51の回転速度を左側の走行モータ52の回転速度よりの大きくし、右側の車輪14aを左側の車輪14bよりも早く回転させる。
こうして、掃除機本体3は大きく左側に方向を変える。また、キャスタ車輪55は掃除機本体3の方向転換に応じて向きを変える。
【0038】
また、左側の引っ張り量と右側の引っ張り量との差が小さければ、その差に応じた角度で掃除機本体3の向きを変える。すなわち、CPU31は、差に応じて右側の走行モータ51の回転速度と左側の走行モータ52の回転速度を制御する。
【0039】
このように、掃除中に吸気機構1の向きを大きく変えても小さく変えても、右側の走行モータ51と左側の走行モータ52の回転速度を制御することで掃除機本体3はスムーズに方向転換することができる。そして、掃除機本体3が方向転換することで左側の引っ張り量と右側の引っ張り量との差が無くなり、やがて吸気機構1の動作方向と掃除機本体3の向きが合うようになり、掃除機本体3は正面に向かって走行するようになる。
従って、この実施の形態においても前述した実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【0040】
(第3の実施の形態)
この実施の形態は、吸引機構取り付け部の他の構成について述べる。
図10、図11に示すように、後端部が横向きの円筒状に形成され、先端部が上下に回動するように後端部が掃除機本体3に回動自在に支持された吸引機構取り付け部25を設けている。なお、吸引機構取り付け部25の後端部と集塵室10とは、風路がストレートに連通しても、また、後端部の回転軸に沿って90度曲げられるように連通してもよい。ストレートに連通する場合にはシャッタ等を設けてもよい。
【0041】
そして、この吸引機構取り付け部25の先端部側の左右の対称位置に、前記吸引機構1の引っ張り方向の張力を検出するための1対の歪みゲージ23a,23bをそれぞれ直接貼り付けている。その他の構成は前述した第1の実施の形態と同一である。
【0042】
このような構成においては、吸引機構取り付け部25は先端部が上下に回動するので作業者の身長差などによって吸引機構1による上下方向の引っ張り方向が異なる場合でも常に引っ張り方向に向くことになる。
【0043】
従って、吸引機構取り付け部25に貼り付けられている歪みゲージ23a,23bは上下方向の余分な力を検出することは無く、吸引機構1による引っ張り方向の張力を正確に検出できる。また、吸引機構取り付け部25の先端部が上下に回動するので、吸引機構1を床に置いた場合にも歪みゲージ23a,23bに張力が作用することは無い。なお、その他についてはこの実施の形態も前述した実施の形態と同様の作用効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気掃除機の外観を示す斜視図。
【図2】同実施の形態における吸引機構の操作部の構成を示す部分拡大図。
【図3】同実施の形態における掃除機本体内の要部構成を示すケース上部が無い状態の平面図。
【図4】同実施の形態における掃除機本体内の要部構成を示すケース左側部と左車輪が無い状態の側面図。
【図5】同実施の形態におけるディファレンシャルギア機構を示す断面図。
【図6】同実施の形態における制御部の構成を示すブロック図。
【図7】図6における左右の引っ張り量検出回路の具体回路例を示す回路図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電気掃除機の掃除機本体内の要部構成を示すケース上部が無い状態の平面図。
【図9】同実施の形態における掃除機本体内の要部構成を示すケース左側部と左車輪が無い状態の側面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る電気掃除機の掃除機本体内の要部構成を示すケース上部が無い状態の平面図。
【図11】同実施の形態における掃除機本体内の要部構成を示すケース左側部と左車輪が無い状態の側面図。
【符号の説明】
【0045】
1…吸引機構、2…吸引機構取り付け部、3…掃除機本体、4…吸込口、10…集塵室、12…吸引モータ、14a,14b…走行用の車輪、15…走行モータ、16…駆動手段、20…操舵輪、21…操舵モータ、22…二次電池、23a,23b…歪みゲージ、31…CPU(中央処理装置)、41…左引っ張り量検出回路、42…右引っ張り量検出回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵を吸い込む吸込口と連通する風路を形成し、手動操作される吸引機構と、この吸引機構の風路端部を先端部に取り付ける吸引機構取り付け部を有する掃除機本体とからなり、
前記掃除機本体は、前記吸引機構取り付け部の後端部に連通した集塵室と吸引モータを有し、前記吸引モータの駆動によって前記吸引機構が吸引した塵を前記集塵室に集めるクリーナ機構と、床面を走行する1対の走行用車輪と、モータを駆動源として有し、前記各走行用車輪を駆動する駆動手段と、駆動の方向を決定する操舵手段と、前記吸引機構取り付け部に左右対称に貼り付けられ、前記吸引機構の手動操作時に前記吸引機構取り付け部に生じる引っ張り方向の歪みを検知する1対の歪みゲージと、この各歪みゲージが検知する歪み量が予め設定した閾値を超えたとき前記駆動手段のモータを駆動制御するとともに前記各歪みゲージが検知する歪み量の差に応じて前記操舵手段を駆動制御する制御回路とを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
塵を吸い込む吸込口と連通する風路を形成し、手動操作される吸引機構と、この吸引機構の風路端部を先端部に取り付ける吸引機構取り付け部を有する掃除機本体とからなり、
前記掃除機本体は、前記吸引機構取り付け部の後端部に連通した集塵室と吸引モータを有し、前記吸引モータの駆動によって前記吸引機構が吸引した塵を前記集塵室に集めるクリーナ機構と、床面を走行する1対の走行用車輪と、この各走行用車輪を個々に独立して駆動するモータを駆動源とする1対の駆動手段と、前記吸引機構取り付け部に左右対称に貼り付けられ、前記吸引機構の手動操作時に前記吸引機構取り付け部に生じる引っ張り方向の歪みを検知する1対の歪みゲージと、この各歪みゲージが検知する歪み量が予め設定した閾値を超えたとき走行のために前記各駆動手段のモータを駆動制御するとともに前記各歪みゲージが検知する歪み量の差に応じて前記各駆動手段のモータを操舵のために個々に駆動制御する制御回路とを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
吸引機構取り付け部は、吸引機構の風路端部を取り付ける先端部が上下に回動するように後端部を掃除機本体に回動自在に支持したことを特徴とする請求項1又は2記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−263310(P2006−263310A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−88438(P2005−88438)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】