説明

電気柵

【課題】人が感電することなく所望の位置で通り抜けることができると共に、電圧状態を容易に確認できる電気柵を提供する。
【解決手段】所定領域の周囲に形成された導電部材と、導電部材と電気的に接続されると共に、導電部材に第1の電圧を印加する第1の電圧発生回路と、導電部材と電気的に接続されると共に、第1の電圧よりも低い電圧値を有する第2の電圧が導電部材に印加された場合に第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を導電部材に印加する第3の電圧発生回路と、導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続されると共に、第1の電圧が印加された導電部材に接続された場合に告知する第1の告知手段と、第2の電圧を発生可能な第2の電圧発生手段と、第2の電圧発生手段が第2の電圧を発生させた場合に告知する第2の告知手段とを有する告知器とを備える電気柵。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気柵に関する。詳しくは、例えば野生動物から田畑を守るための電気柵に係るものである。
【背景技術】
【0002】
山間地域の農村地帯では、鹿や猪などの野生動物が田畑へ侵入することを防止するために、電気柵が多く使用されている。
【0003】
電気柵は、田畑の周囲に張り巡らせた裸電線に、電源装置内の電圧発生器から発生した電圧が印加され、この裸電線に接触した鹿や猪などの野生動物を、印加された電圧の電撃によって撃退するための柵である。
【0004】
図5に従来の電気柵を示す。
図5に示すように、従来の電気柵100は、田畑の周囲に打設された支柱102に取り付けられた碍子(101a〜101d)に係止されて張設された裸電線(103a〜103d)を備える。
【0005】
また、裸電線(103a〜103d)は、約50mごとに裸電線からなる上下結線104で結線される。
【0006】
さらに、裸電線(103a〜103d)のうち地表に一番近い1段目の裸電線103dは、地表から約20cmの高さに位置しており、2段目の裸電線103cは裸電線103dから上方へ約20cmの高さに位置しており、3段目の裸電線103bは裸電線103cから上方へ約40cmの高さに位置しており、4段目の裸電線103aは裸電線103bから上方へ約50cmの高さに位置する。
【0007】
また、張設された裸電線(103a〜103d)に印加される所定の電圧を発生する電圧発生器を有する電源装置105が、裸電線103cに電気的に接続されている。
【0008】
鹿や猪などが、このような電気柵100で囲まれた田畑に侵入しようとして、張設された裸電線(103a〜103d)に接触すると、鹿や猪などには、図5の矢印のように電源装置105の出力端子106、電源装置105の出力線107、裸電線103c、上下結線104、裸電線(103a、103bおよび103d)、鹿や猪などの野生動物108、地中109、アース棒110、アース線111、そしてアース端子112の順路で、動物や人間などに、衝撃を与えることができるほど高い電流(衝撃電流)が流れる。
【0009】
これによって、鹿や猪などの野生動物108は、電撃を受けて撃退される。
【0010】
ところで、この電気柵100への通電中に、田畑に人が入る必要が発生する場合がある。それは、除草や施肥、その他の場合である。この場合、通電中の数段の裸電線(103a〜103d)の隙間を掻い潜り、田畑に入らなければならない。しかし、当然ながら図6に示すように、人は裸電線(103a〜103d)に接触するので、電撃を受けてしまい容易に田畑へ入ることができない。
【0011】
そこで、通電中に人が田畑へ入るために、図7に示すようなゲートと呼ばれる器具が使用される場合がある。
【0012】
図7に示すように、絶縁性の材料で筒状に形成された器具120の略中央部に長手方向に挿通された導電線の一端は、フック状に加工された金属片121に電気的に接続されている。
【0013】
また、フック状の金属片121は、受金具125に引っ掛けられて、その受金具125は裸電線126に電気的に接続されている。
【0014】
また、導電線の他端は、円状に加工された金属片122に電気的に接続されている。また、円状の金属片122には、螺旋状のスプリング123が取付けられ、そのスプリング123には裸電線124が接続されている。
【0015】
このようにして、裸電線126と裸電線124は、ゲートを介して電気的に接続された状態である。
また、図8に示すように、ゲートは、張設された裸電線(103a〜103d)の各段に取付けられている。
【0016】
次に、ゲートの使用法は以下のとおりである。
人が田畑に侵入しようとする場合、図9に示すように、絶縁性の材料で筒状に形成された器具120を手で握り、フック状の金属片121を受金具125から取り外し、通電を遮断する。
【0017】
そして、図9に示すように、ゲートが取外された場所から、人は田畑へ侵入する。
【0018】
また、例えば特許文献1には、図10に示すような電気柵の出入り口が記載されている。即ち、特許文献1に記載された電気柵の出入り口の構成は、次のとおりである。
【0019】
一対の本体支柱(203A、203B)の一方の本体支柱203Aに、ネット202を張った本体枠(201A〜201D)を構成する左右枠の一方の枠201Cを蝶着部(204A、204B)により開閉可能に支持し、他方の本体支柱203Bに、左右枠の他方の枠201Aを固定する手段205が設けられている。
【0020】
また、左右枠(201A、201C)の上部の裸電線(208A〜208D)は、蝶着部(204A、204B)を設けた左右枠の一方の枠201C側の裸電線(209A〜209D)と給電用電線(210A〜210D)によって電気的に接続する。
【0021】
また、特許文献1に記載の電気柵の出入り口の使用法は以下のとおりである。
本体枠201Aを固定する手段205の固定を解除し、本体枠を手前に引けば、蝶着部(204A、204B)を軸に本体枠201が開き、自由に出入りができる。閉めるときは、本体枠201を閉じた後、本体枠201Aを再度、固定する手段205で固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平11−206305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
このように、従来の電気柵では、ゲートを取外したり、本体枠を開いたりして、電気柵で囲まれた田畑に人が感電することなく侵入できるが、感電せずに侵入できるのは、ゲートや出入り口(以下、「ゲート等」)の設置場所からだけであり、任意の場所から田畑へ侵入することができなかった。
【0024】
また、周囲500mに張り巡らされた電気柵において、ゲート等の設置箇所は通常2〜3箇所である。
【0025】
この場合、田畑の任意の場所に侵入するには、ゲート等の設置箇所まで移動し、ゲートの接続を図9のように解除したり、本体枠の固定を解除したりして、その位置から田畑に侵入し、除草等の作業終了後、ゲート等から電気柵の外に出て、再び、ゲートの接続や本体枠の固定を行なわなければならない。
【0026】
従って、電気柵で囲まれた田畑への侵入に時間と労力がかかり、不便である。
【0027】
また、ゲート等の設置箇所を増やすことも考えられるが、ゲート等の設置箇所を増やすと、費用が増大してしまい、さらに、碍子(101a〜101d)に裸電線(103a〜103d)を係止する場合に比べて、ゲート等の設置には多くの手間がかかる。
【0028】
また、ゲート等を全く使用しない場合もあり、この場合はさらに不便である。
この場合、田畑の任意の場所に侵入するには、電気柵100の裸電線(103a〜103d)に沿って、電源装置105の設置場所まで移動し、電源装置105の電源スイッチをオフにして通電を止める。
【0029】
その後、侵入すべき場所に戻り、数段の裸電線(103a〜103d)の隙間を掻い潜り、田畑へ侵入する。除草作業等の終了後、再び数段の裸電線(103a〜103d)の隙間を掻い潜り、電気柵100の外に出て、更に、電源装置105の設置場所まで移動し、電源装置105の電源スイッチをオンにしなければならない。
【0030】
このように、従来の電気柵は、人が感電せずに電気柵を通り抜けるためには、ゲート等の設置箇所や電源装置の設置箇所まで、わざわざ移動しなければならず不便であったので、任意の箇所において人が感電せず通り抜けることができる電気柵が求められていた。
また、電気柵の柵線に衝撃電圧が印加されているかどうかを容易に確認したいという要求もあった。
【0031】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、人が感電することなく所望の位置で通り抜けることができると共に、電圧状態を容易に確認できる電気柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記の目的を達成するために、本発明の電気柵は、所定領域の周囲に形成された導電部材と、該導電部材と電気的に接続されると共に、同導電部材に第1の電圧を印加する第1の電圧発生回路と、前記導電部材と電気的に接続されると共に、前記第1の電圧よりも低い電圧値を有する第2の電圧が前記導電部材に印加された場合に前記第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を前記導電部材に印加する第3の電圧発生回路と、前記導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続されると共に、前記第1の電圧が印加された前記導電部材に接続された場合に告知する第1の告知手段と、前記第2の電圧を発生可能な第2の電圧発生手段と、該第2の電圧発生手段が前記第2の電圧を発生させた場合に告知する第2の告知手段とを有する告知器とを備える。
【0033】
ここで、導電部材と電気的に接続されると共に、第1の電圧よりも低い電圧値を有する第2の電圧が導電部材に印加された場合に第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を導電部材に印加する第3の電圧発生回路によって、任意の場所で第2の電圧を印加するだけで、導電部材に印加された第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を導電部材に印加するので、第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧が印加された導電部材に人が触れても、柵内に入ったり柵から出たりすることができる。
【0034】
また、告知器が、導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続されるので、導電部材の所望の位置に告知器を接続することができる。
また、告知器が、第1の電圧が印加された導電部材に接続された場合に告知する第1の告知手段を有するので、導電部材に第1の電圧が印加されているかどうかを知ることができる。
【0035】
また、告知器が、第2の電圧を発生可能な第2の電圧発生手段を有するので、告知器を導電部材に電気的に接続させて第2の電圧を導電部材に印加し、第3の電圧発生回路に第3の電圧を導電部材に印加させることができる。
また、告知器が、第2の電圧発生手段が第2の電圧を発生させた場合に告知する第2の告知手段を有するので、第2の電圧の発生を知ることができ、延いては、告知器が導電部材に接続された状態において、導電部材に第3の電圧が印加されていることを知ることができる。
【0036】
また、本発明の電気柵において、第1の告知手段は、第3の電圧が導電部材に印加された場合に、第1の電圧が印加された導電部材に接続されたときと異なる態様で告知する場合、第1の電圧が導電部材に印加されている状態と、第3の電圧が導電部材に印加されている状態とを区別することができる。
【0037】
また、本発明の電気柵において、告知器は、第3の電圧が導電部材に印加された場合に告知する第3の告知手段を有するものとすることができる。
【0038】
また、本発明の電気柵において、第1の告知手段は、音声を発して告知する手段である場合、例えば発光して告知する手段では発光を見落としてしまうこともあり、発光して告知する手段よりも、人に、第1の電圧が導電部材に印加されていることを気付かせやすい。
【0039】
また、本発明の電気柵において、告知器は、導電部材に引掛けられるフック形状の引掛け部と、地面に接地される接地部とを有するものとすることができる。
この場合、フック形状の引掛け部を導電部材に引掛けるだけで、告知器を導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続させることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係る電気柵は、人が感電することなく所望の位置で通り抜けることができると共に、電圧状態を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の電気柵において柵線に告知器が接続される前の回路図の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の電気柵において柵線に告知器が接続されたときの回路図の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の電気柵において柵線に告知器が接続されて告知器の電源をONにしたときの回路図の一例を示す概略図である。
【図4】図3に示す状態の後に告知器の電源をOFFにしたときの回路図の一例を示す概略図である。
【図5】従来の電気柵の設置態様を示す概略図である。
【図6】人が通電中の従来の電気柵を掻い潜る様子を示す概略図である。
【図7】従来の電気柵に使用されるゲートの構成を示す概略図である。
【図8】図7に示されたゲートを使用した従来の電気柵を示す概略図である。
【図9】従来の電気柵のゲートが取外された状態を示す概略図である。
【図10】従来の電気柵の出入り口の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の電気柵において柵線に告知器が接続される前の回路図の一例を示す概略図である。
【0043】
図1において、本発明の電気柵1は、所定領域(例えば、田畑領域)の周囲に立設された支柱に張設された柵線(導電部材の一例である。)31を備える。ここで、柵線31は、裸電線である。
【0044】
また、図示していないが、柵線31は、4本の裸電線で構成されており、4本の裸電線は互いに所定の長さで離して略平行に張設されている。
【0045】
また、本発明の電気柵1は、出力端子16を介して柵線31と電気的に接続されると共に、柵線31に衝撃電圧(第1の電圧)を印加する衝撃電圧発生回路(第1の電圧発生回路)14を備える。
【0046】
また、本発明の電気柵1は、出力端子16を介して柵線31と電気的に接続されると共に、第1の電圧よりも低い電圧値を有する衝撃電圧停止命令電圧(第2の電圧)が柵線31に印加された場合に第1の電圧よりも低い電圧値を有する報知電圧(第3の電圧)を柵線31に印加する報知電圧発生回路(第3の電圧発生回路)26を備える。
【0047】
また、本発明の電気柵1は、柵線31に着脱可能にかつ電気的に接続されると共に、第1の電圧が印加された柵線31に接続された場合に音を発するブザー(第1の告知手段の一例である。)3と、第2の電圧を発生可能な停止命令電圧発生回路(第2の電圧発生手段の一例である。)5と、停止命令電圧発生回路5が第2の電圧を発生させた場合に発光するLED(第2の告知手段の一例である。)4とを有する告知器2を備える。
【0048】
また、告知器2は、柵線31に引掛けられるフック形状の引掛け部10と、導電性材料で形成されると共に地面に接地される接地部11とを有する。
接地部11を地面に接触させ、そして告知器2の引掛け部10を柵線31に引掛けて接触させて、柵線31と地面間を接地しながら、告知器2から第2の電圧を柵線31に印加する。
【0049】
停止命令電圧発生回路5は、LED4や電源スイッチ7に接続されている。
また、電源スイッチ7は、9Vの電源6に直列に接続されている。
【0050】
また、ブザー3は、第1の信号延長部8に直列に接続されている。
また、第1の信号延長部8は、第1抵抗器R1と第2抵抗器R2の間に接続されている。
【0051】
また、第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2は、サージアブソーバ(サージ防護デバイス)9に並列に接続されている。ここで、第1抵抗器R1の抵抗値は、第2抵抗器R2の抵抗値よりも大きい。
【0052】
また、電源装置12は、衝撃電圧発生回路14と、報知電圧発生回路26と、12Vの電源27と、電源スイッチ28を有する。
【0053】
また、衝撃電圧発生回路14と報知電圧発生回路26は、互いに並列に接続されており、どちらも出力変圧器15に接続されている。
【0054】
また、出力変圧器15の二次巻線の巻終わり15Aは、出力端子16を介して柵線31に接続されている。
また、出力変圧器15の二次巻線の巻始め15Bは、サージアブソーバ17の一端に接続され、サージアブソーバ17の他端は接地されている。
【0055】
また、サージアブソーバ17の他端には、保護回路29が接続され、さらに保護回路29に直列に増幅回路30が接続されている。
また、増幅回路30に直列に第2の信号延長部18が接続されている。
【0056】
また、第2の信号延長部18に直列に充放電回路19が接続されている。また、充放電回路19は、互いに並列に接続された、第5抵抗器R5と第6抵抗器R6を有している。
【0057】
また、充放電回路19に、直列に第1判定部20が接続されている。ここで、第1判定部20のマイナス端子が充放電回路19に接続されている。
【0058】
また、第1判定部20に第1トランジスタ21が接続されている。
また、第1トランジスタ21に、第4抵抗器R4の一端が接続されており、第4抵抗器R4の他端に、第2トランジスタ22と、第2判定部23と、第3抵抗器R3とが接続されている。
ここで、第2判定部23のプラス端子が第4抵抗器R4の他端に接続されている。
【0059】
また、第2トランジスタ22と第3抵抗器R3は互いに並列に接続されている。
また、第2トランジスタ22と第3抵抗器R3との接続点には、電源スイッチ28の一端が接続されており、電源スイッチ28の他端は、12Vの電源27に接続されている。
【0060】
また、第2トランジスタ22に、発振回路13が接続されている。
また、発振回路13に衝撃電圧発生回路14が直列に接続されている。
【0061】
また、第2トランジスタ22と第3抵抗器R3との接続点には、第4トランジスタ25が接続されており、また、第4トランジスタ25は、報知電圧発生回路26と第3トランジスタ24にも接続されている。
また、第3トランジスタ24は、第2判定部23に接続されている。
【0062】
また、図面では、電源や電源スイッチが、告知器や電源装置の内部に配置されているように示されているが、図面は、告知器や電源装置が、電源や電源スイッチを有することを概略的に示しているだけであり、電源や電源スイッチが、告知器や電源装置の外部に配置されていてもよいことは勿論である。
【0063】
次に、本発明の電気柵の動作を説明する。
図1に示すように、電源装置12の電源スイッチ28が「オン」であり、告知器2を柵線31に接続していない場合、柵線31には、停止命令電圧発生回路5からの衝撃電圧停止命令電圧(第2の電圧)は与えられていない。
【0064】
また、電源装置12の電源スイッチ28が「オン」になっているので、衝撃電圧発生回路14には電源27の電圧が印加され、第1の電圧が発生する。そして、柵線31には、衝撃電圧発生回路14からの衝撃電圧(第1の電圧)のみが与えられている。
【0065】
また、柵線31に印加される第1の電圧は、1.1秒間隔で発生するパルス状の電気であり、無負荷時の電圧は1万V、周期は1.1秒である。
【0066】
発生した第1の電圧は、柵線31に印加され、野生動物などが柵線31に接触すると、野生動物は衝撃を受け退散する。
また、人も、柵線31に接触すると衝撃を受けるので、裸電線の間を掻い潜って柵内に侵入できない。
【0067】
また、電源装置12において、出力変圧器15から流れてきた電気の電圧は、保護回路29で一旦下げられる。そして、下げられた電圧は、増幅回路30で10V前後に戻される。次に、10V前後に戻された電圧(1.1秒/1回)は、第2の信号延長部18にかかる。
【0068】
また、第2の信号延長部18において、電圧がかかる時間が0.2秒間延長され、充放電回路19の入力部には、1.1秒のうち、始めの0.2秒間は10V前後の電圧がかかるので、第5抵抗器R5を通して0.2秒間はコンデンサ19Aに充電される。
なお、ダイオードの向きにより、第6抵抗器R6を通ってのコンデンサ19Aへの充電はない。
【0069】
次に、充放電回路19の入力部には、0.2秒を過ぎてからの0.9秒間は電圧がかからないので、充放電回路19の入力部は、0.9秒間、0Vである。
すると、コンデンサ19Aに充電された電気は、電位差により0Vである入力部へと一気に放電される。放電の経路は、第5抵抗器R5と第6抵抗器R6を通る経路である。
【0070】
一気に放電されることにより、充放電回路19で電圧が第1判定部20の基準値(8V)を超えることはない。
【0071】
また、第1判定部20の基準値(8V)を超えないので、第1判定部20の演算増幅器(オペアンプ)の入力部には、「L」(ロウ)の信号電圧がかかることになる。
また、第1判定部20のオペアンプは、入力部に「L」の信号電圧がかかれば、出力部で「H」(ハイ)の信号電圧を出力するものであるが、ここでは、入力部に「L」の信号電圧がかかるので、出力部で「H」の信号電圧を出力する。
【0072】
また、第1判定部20が「H」の信号電圧を出力するので、第1トランジスタ21が作動する。
また、第1トランジスタ21が作動するので、第2トランジスタ22や発振回路13も作動する。
【0073】
また、第2判定部23のオペアンプの入力部には、第3抵抗器R3と第4抵抗器R4のうち、第4抵抗器R4に分圧された低い電圧(L)の信号電圧がかかる。
なお、第3抵抗器R3の方が、第4抵抗器R4よりも抵抗値が大きい。
【0074】
また、第2判定部23のオペアンプは、入力部に「H」の信号電圧がかかれば、出力部で「H」の信号電圧を出力するものであるが、ここでは、入力部に「L」の信号電圧がかかるので、出力部で「L」の信号電圧を出力する。
【0075】
また、第2判定部23はLの信号電圧を出力するので、第3トランジスタ24は作動せず、さらには第4トランジスタ25も作動しない。
【0076】
また、第4トランジスタ25が作動しないので、第4トランジスタ25に接続された報知電圧発生回路26も作動せず、当然ながら報知電圧(第3の電圧)も発生していない。
【0077】
また、告知器2の電源スイッチ7は「オフ」なので、停止命令電圧発生回路5は作動していない。
また、停止命令電圧発生回路5が作動していないので、第2の電圧は発生しておらず、その結果、LED4も発光しない。
【0078】
また、告知器2の引掛け部10は柵線31に接続されていないので、第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2に電圧がかからない。よって、第1の信号延長部8及びブザー3にも電圧がかからず、ブザー3は作動しない。
【0079】
次に、図2に示すように、接地部11を地面に接触させて、告知器2のフック形状の引掛け部10を柵線31に引掛ける。
すると、柵線31に印加されている第1の電圧が引掛け部10にかかる。
【0080】
また、第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2は、サージアブソーバ9に並列に接続されているので、サージアブソーバ9と分圧とにより、第1の信号延長部8の基準値(4.5V)を超える電圧が、第2抵抗器R2に1.1秒に1回かかる。
【0081】
また、第1の信号延長部8において、第1の信号延長部8の基準値(4.5V)を超える電圧がかかる時間が0.3秒延長される。
そして、延長された0.3秒間、ブザー3が発音し、0.8秒間、非発音となる。このような断続音が、引掛け部10を柵線31に接続している状態で、告知器2の電源スイッチ7を「オン」にするまで繰り返される。
【0082】
このように、第1の電圧が印加された柵線31に、告知器2の電源スイッチ7を「オフ」にしたままで引掛け部10を接続すると、告知器2のブザー3が断続音を発するので、柵線31に第1の電圧が印加されていることが判り、人は、この状態で柵内に入れないことを認識できる。
【0083】
次に、図3に示すように、告知器2の電源スイッチ7を「オン」にすると、停止命令電圧発生回路5は、9Vの第2の電圧を発生させる。
また、第2の電圧が発生すると、LED4が点滅する。
【0084】
また、引掛け部10には、1万Vの第1の電圧(1.1秒に1回)と、9Vの第2の電圧(0.1秒に1回)が重なってかかっている。
【0085】
また、第1の電圧と第2の電圧がかかっているが、サージアブソーバ9と分圧とによって、第1の信号延長部8の基準値(4.5V)を超えるのは、第1の電圧に基づく電圧(約5V、1.1秒に1回)だけである。
【0086】
そして、第1の信号延長部8において、第1の電圧に基づく電圧(約5V、1.1秒に1回)がかかる時間が0.3秒延長される。
その結果、1.1秒間のうち、延長された0.3秒間、ブザー3が発音し、0.8秒間、非発音となる。
【0087】
しかし、9Vの第2の電圧を発生させて2〜3秒経過すると、引掛け部10には、9Vの第2の電圧(0.1秒に1回)と、電源装置12の報知電圧発生回路26から印加された300Vの第3の電圧(0.25秒に1回)が重なってかかるようになる。
つまり、柵線31には、人が柵線31に接触しても電撃を感じない程度の電圧しか印加されていないことになる。
【0088】
ここで、第2の電圧と第3の電圧がかかっているが、サージアブソーバ9と分圧とによって、第1の信号延長部8の基準値(4.5V)を超えるのは、第3の電圧に基づく電圧(約5V、0.25秒に1回)だけである。
【0089】
そして、第1の信号延長部8において、第3の電圧に基づく電圧(約5V、0.25秒に1回)がかかる時間が0.3秒延長される。
また、第3の電圧に基づく電圧は、0.25秒に1回、第1の信号延長部8に入ってくるので、延長された0.3秒間が終わる前に、第3の電圧に基づく電圧が入ってくることになり、ブザー3は非発音の状態がなく、連続音を発することなる。
【0090】
一方、電源装置12の出力端子16には、1万Vの第1の電圧(1.1秒に1回)と、9Vの第2の電圧(0.1秒に1回)が重なってかかっている。
【0091】
また、第1の電圧と第2の電圧がかかっているが、サージアブソーバ17と分圧とによって、保護回路29に入る電圧は、22Vの電圧(1.1秒に1回)と、9Vの電圧(0.1秒に1回)である。
そして、保護回路29を出るときには、10Vの電圧(1.1秒に1回)と、1Vの電圧(0.1秒に1回)になる。
【0092】
次に、増幅回路30に入るときは、10Vの電圧(1.1秒に1回)と、1Vの電圧(0.1秒に1回)であるが、増幅回路30を出るときは、10V前後の電圧(1.1秒に1回)と、10V前後の電圧(0.1秒に1回)になる。
【0093】
さらに、第2の信号延長部18に入るときは、10V前後の電圧(1.1秒に1回)と、10V前後の電圧(0.1秒に1回)であるが、第2の信号延長部18を出るときは、0Vになることなく、連続した10V前後の電圧となる。
【0094】
その結果、充放電回路19の入力部には、10V前後の電圧がかかり続けるので、電気は、第5抵抗器R5を通してコンデンサ19Aに充電される。
また、コンデンサ19Aに充電された電気の電圧は、2〜3秒すると第1判定部20の基準値(8V)を超える。
【0095】
そして、第1判定部20の基準値(8V)を超えるので、第1判定部20のオペアンプの入力部には、「H」の信号電圧がかかることになる。
第1判定部20のオペアンプは、入力部に「L」の信号電圧がかかれば、出力部で「H」の信号電圧を出力するものであるが、ここでは、入力部に「H」の信号電圧がかかるので、出力部で「L」の信号電圧を出力する。
【0096】
また、第1判定部20が「L」の信号電圧を出力するので、第1トランジスタ21は作動しなくなる。
また、第1トランジスタ21が作動しなくなるので、第2トランジスタ22や発振回路13も作動しなくなる。
【0097】
さらに、発振回路13が作動しなくなるので、衝撃電圧発生回路14も作動しなくなり、衝撃電圧(第1の電圧)も発生しなくなる。
【0098】
また、第1トランジスタ21と第2トランジスタ22は作動していないので、第1トランジスタ21と第2トランジスタ22の間には電気は流れない。
しかし、12Vの電源27の電圧が、第2判定部23のオペアンプの入力部にかかってくる、即ち、「H」の信号電圧がかかってくる。
【0099】
また、第2判定部23のオペアンプは、入力部に「H」の信号電圧がかかれば、出力部で「H」の信号電圧を出力するものであるが、ここでは、入力部に「H」の信号電圧がかかるので、出力部で「H」の信号電圧を出力する。
【0100】
また、第2判定部23は「H」の信号電圧を出力するので、第3トランジスタ24は作動し、さらに第4トランジスタ25も作動する。
【0101】
また、第4トランジスタ25が作動するので、第4トランジスタ25に接続された報知電圧発生回路26も作動し、報知電圧発生回路26が報知電圧(第3の電圧)を発生させる。
【0102】
また、電源装置12の出力端子16には、出力変圧器15から出力された300Vの第3の電圧(0.25秒に1回)と、告知器2から出力された9Vの第2の電圧が重なってかかる。
【0103】
また、第2の電圧と第3の電圧がかかっているが、サージアブソーバ17と分圧とによって、保護回路29に入る電圧は、22Vの電圧(1.1秒に1回)と、9Vの電圧(0.1秒に1回)である。
そして、保護回路29を出るときには、10Vの電圧(1.1秒に1回)と、1Vの電圧(0.1秒に1回)になる。
【0104】
次に、増幅回路30に入るときは、10Vの電圧(1.1秒に1回)と、1Vの電圧(0.1秒に1回)であるが、増幅回路30を出るときは、10V前後の電圧(1.1秒に1回)と、10V前後の電圧(0.1秒に1回)になる。
【0105】
そして、第2の信号延長部18に入るときは、10V前後の電圧(1.1秒に1回)と、10V前後の電圧(0.1秒に1回)であるが、第2の信号延長部18を出るときは、0Vになることなく、連続した10V前後の電圧となる。
【0106】
充放電回路19のコンデンサ19Aには、すでに上限の電気が充電されているので、このような充放電回路19の入力部に10V前後の電圧がかかり続けると、電圧は常に、第1判定部20の基準値(8V)を超え続ける。
【0107】
従って、告知器2が第2の電圧を柵線31に印加し続けていれば、報知電圧発生回路26が報知電圧(第3の電圧)を発生し続ける。
また、第2の電圧が発生すると、LED4が点滅するので、告知器2が柵線31を介して電源装置12に第2の電圧を送っていることを確認できる。
また、告知器2のブザー3が発する音が、断続音から連続音に変化するので、第1の電圧が止まったことが判る。そして、人は、感電することなく、安心して柵内に入ることができるようになる。
【0108】
また、図4に示すように、告知器2の電源スイッチ7を「オフ」にすると、停止命令電圧発生回路5は作動しなくなり、第2の電圧も発生しなくなる。
そして、第2の電圧が発生していないので、LED4も発光しなくなる。
【0109】
第2の電圧が発生しなくなったので、一時的に出力端子16と、柵線31と、引掛け部10には、第3の電圧(300V、0.25秒に1回)がかかるだけになる。
【0110】
また、第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2は、サージアブソーバ9に並列に接続されているので、第3の電圧がかかっているが、サージアブソーバ9と分圧とにより、第1の信号延長部8の基準値(4.5V)を超える電圧は、第3の電圧に基づく電圧(約5V、0.25秒に1回)であり、第3の電圧に基づく電圧(約5V、0.25秒に1回)が第2抵抗器R2にかかる。
【0111】
そして、第1の信号延長部8において、第3の電圧に基づく電圧(約5V、0.25秒に1回)がかかる時間が0.3秒延長される。
また、第3の電圧に基づく電圧は、0.25秒に1回、第1の信号延長部8に入ってくるので、延長された0.3秒間が終わる前に、第3の電圧に基づく電圧が入ってくることになり、ブザー3は非発音の時がなく、連続音を発する。
【0112】
一方、電源装置12において、出力変圧器15から流れてきた電気の電圧は、保護回路29で一旦下げられる。そして、下げられた電圧は、増幅回路30で10V前後に戻される。次に、10V前後に戻された電圧(0.25秒/1回)は、第2の信号延長部18にかかる。
【0113】
また、充放電回路19の入力部には、0.25秒のうち、始めの0.2秒間は10V前後の電圧がかかるので、第5抵抗器R5を通して0.2秒間はコンデンサ19Aに充電される。
なお、ダイオードの向きにより、第6抵抗器R6を通ってのコンデンサ19Aへの充電はない。
【0114】
次に、充放電回路19の入力部には、0.2秒を過ぎてからの0.05秒間は電圧がかからないので、充放電回路19の入力部は、0.05秒間、0Vである。
すると、コンデンサ19Aに充電された電気は、電位差により0Vである入力部へと一気に放電される。放電の経路は、第5抵抗器R5と第6抵抗器R6を通る経路である。
【0115】
一気に放電されることにより、充放電回路19で電圧が第1判定部20の基準値(8V)を超えることはない。
【0116】
また、第1判定部20の基準値(8V)を超えないので、第1判定部20のオペアンプの入力部には、「L」の信号電圧がかかることになる。
また、第1判定部20のオペアンプは、入力部に「L」の信号電圧がかかれば、出力部で「H」の信号電圧を出力するものであるが、ここでは、入力部に「L」の信号電圧がかかるので、出力部で「H」の信号電圧を出力する。
【0117】
また、第1判定部20が「H」の信号電圧を出力するので、第1トランジスタ21が作動する。
また、第1トランジスタ21が作動するので、第2トランジスタ22や発振回路13も作動する。
【0118】
また、第2判定部23のオペアンプの入力部には、第3抵抗器R3と第4抵抗器R4のうち、第4抵抗器R4に分圧された低い電圧(L)の信号電圧がかかる。
【0119】
そして、第2判定部23のオペアンプは、入力部に「H」の信号電圧がかかれば、出力部で「H」の信号電圧を出力するものであるが、ここでは、入力部に「L」の信号電圧がかかるので、出力部で「L」の信号電圧を出力する。
【0120】
また、第2判定部23は「L」の信号電圧を出力するので、第3トランジスタ24は作動せず、さらには第4トランジスタ25も作動しない。
【0121】
また、第4トランジスタ25が作動しないので、第4トランジスタ25に接続された報知電圧発生回路26も作動せず、当然ながら報知電圧(第3の電圧)も発生しなくなる。
【0122】
また、第2トランジスタ22や発振回路13が作動しているので、発振回路13に接続された衝撃電圧発生回路14にも電圧が印加されて衝撃電圧発生回路14は作動し、第1の電圧が発生する。
【0123】
そして、出力変圧器15を通って出力端子16に、1万Vの第1の電圧(1.1秒/1回)がかかり、柵線31にも第1の電圧が印加される。
【0124】
また、出力変圧器15から流れてきた電気の電圧は、保護回路29で一旦下げられる。そして、下げられた電圧は、増幅回路30で10V前後に戻される。次に、10V前後に戻された電圧(1.1秒/1回)は、第2の信号延長部18にかかる。
【0125】
また、第2の信号延長部18において、電圧がかかる時間が0.2秒間延長され、充放電回路19の入力部には、1.1秒のうち、始めの0.2秒間は10V前後の電圧がかかるので、第5抵抗器R5を通して0.2秒間はコンデンサ19Aに充電される。
なお、ダイオードの向きにより、第6抵抗器R6を通ってのコンデンサ19Aへの充電はない。
【0126】
次に、充放電回路19の入力部には、0.2秒を過ぎてからの0.9秒間は電圧がかからないので、充放電回路19の入力部は、0.9秒間、0Vである。
すると、コンデンサ19Aに充電された電気は、電位差により0Vである入力部へと一気に放電される。放電の経路は、第5抵抗器R5と第6抵抗器R6を通る経路である。
【0127】
一気に放電されることにより、充放電回路19で電圧が第1判定部20の基準値(8V)を超えることはない。この後の流れは、前述のとおりである。
【0128】
一方、第1の電圧が、柵線31を通して引掛け部10にかかる。
また、第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2は、サージアブソーバ9に並列に接続されているので、サージアブソーバ9と分圧とにより、第1の信号延長部8の基準値(4.5V)を超える電圧が、第2抵抗器R2に1.1秒に1回かかる。
【0129】
また、第1の信号延長部8において、第1の信号延長部8の基準値(4.5V)を超える電圧がかかる時間が0.3秒延長される。
そして、延長された0.3秒間、ブザー3が発音し、0.8秒間、非発音となる。このような断続音が、告知器2の電源スイッチ7を「オフ」にした状態で、引掛け部10を柵線31に接続している間、繰り返される。
【0130】
このように、告知器2が第2の電圧を発生しなくなると、第3の電圧も発生しなくなり、第1の電圧のみ発生した状態が続く。
また、告知器2のブザー3が発する音が、連続音から断続音に変化するので、柵線31に再び第1の電圧が印加されたことが判る。そして、野生動物が柵外から柵内に侵入できないので、人は安心して柵内で作業を行なうことができる。
【0131】
その後、告知器2の引掛け部10を柵線31から取外す。
すると、告知器2の引掛け部10は柵線31に接続されていないので、第1抵抗器R1及び第2抵抗器R2に電圧がかからない。よって、第1の信号延長部8及びブザー3にも電圧がかからず、ブザー3は作動しない。
また、告知器2の電源スイッチ7を「オフ」にしているので、LED4も消灯している。
このときの回路は、図1に示す回路と同じである。
【0132】
従って、ブザー3の断続音を発するための電気の消耗を無くすことができ、また、告知器2を柵線31から取外しても柵線31には第1の電圧が印加され続けているので、人は安心して柵内で作業を行なうことができる。
【0133】
また、柵内での作業終了後、人が、柵外に出る場合には、告知器2の引掛け部10を柵線31に接続して告知器2の電源スイッチ7を「オン」にする。
そして、人が柵外に出て、電気柵から去る場合には、告知器2の電源スイッチ7を「オフ」にして引掛け部10を柵線31から取外し、告知器2を持って去ればよい。
【0134】
ここで、本発明の電気柵が、所定領域の周囲に形成された導電部材と、導電部材と電気的に接続されると共に、導電部材に第1の電圧を印加する第1の電圧発生回路と、導電部材と電気的に接続されると共に、第1の電圧よりも低い電圧値を有する第2の電圧が導電部材に印加された場合に第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を導電部材に印加する第3の電圧発生回路と、導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続されると共に、第1の電圧が印加された導電部材に接続された場合に告知する第1の告知手段と、第2の電圧を発生可能な第2の電圧発生手段と、第2の電圧発生手段が第2の電圧を発生させた場合に告知する第2の告知手段とを有する告知器とを備えるのであれば、必ずしも第1の告知手段がブザーでなくてもよく、また、必ずしも第2の告知手段がLEDでなくてもよい。
【0135】
例えば、第1の告知手段がLEDであり、第2の告知手段がブザーであるものとすることができる。
しかし、LEDでは発光を見落としてしまうこともあり、第1の告知手段がブザーであれば、LEDよりも、人に、第1の電圧が導電部材に印加されていることを気付かせやすいので好ましい。
【0136】
また、例えば、第1の告知手段と第2の告知手段のどちらもブザーとすることもできるし、第1の告知手段と第2の告知手段のどちらもLEDとすることもできる。
【0137】
即ち、第1の電圧が印加された導電部材に接続された場合も、第2の電圧発生手段が第2の電圧を発生させた場合も、さらに第3の電圧が導電部材に印加された場合も、ブザーが告知することができ、若しくは、LEDが告知することができる。
このとき、第1の電圧が印加された導電部材に接続された場合と、第2の電圧発生手段が第2の電圧を発生させた場合と、第3の電圧が導電部材に印加された場合とで、互いにブザーの音の種類を異ならせたり、LEDの光の種類を異ならせたりすることができる。
【0138】
また、本発明の電気柵が、所定領域の周囲に形成された導電部材と、導電部材と電気的に接続されると共に、導電部材に第1の電圧を印加する第1の電圧発生回路と、導電部材と電気的に接続されると共に、第1の電圧よりも低い電圧値を有する第2の電圧が導電部材に印加された場合に第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を導電部材に印加する第3の電圧発生回路と、導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続されると共に、第1の電圧が印加された導電部材に接続された場合に告知する第1の告知手段と、第2の電圧を発生可能な第2の電圧発生手段と、第2の電圧発生手段が第2の電圧を発生させた場合に告知する第2の告知手段とを有する告知器とを備えるのであれば、必ずしも、第3の電圧が導電部材に印加された場合も第1の告知手段が告知しなくてもよい。
【0139】
例えば、告知器は、第1の告知手段とは別に、第3の電圧が導電部材に印加された場合に告知する第3の告知手段を有していてもよい。
この場合、例えば、第1の告知手段がブザーであれば、第3の告知手段はLEDであり、第1の告知手段がLEDであれば、第3の告知手段はブザーとなる。
【0140】
以上のように、本発明の電気柵は、導電部材と電気的に接続されると共に、第1の電圧よりも低い電圧値を有する第2の電圧が導電部材に印加された場合に第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を導電部材に印加する第3の電圧発生回路を備えるので、任意の場所で第2の電圧を印加するだけで、導電部材に印加された第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を導電部材に印加するので、第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧が印加された導電部材に人が触れても、柵内に入ったり柵から出たりすることができる。
【0141】
また、告知器が、導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続されるので、導電部材の所望の位置に告知器を接続することができる。
また、告知器が、第1の電圧が印加された導電部材に接続された場合に告知する第1の告知手段を有するので、導電部材に第1の電圧が印加されているかどうかを知ることができる。
【0142】
また、告知器が、第2の電圧を発生可能な第2の電圧発生手段を有するので、告知器を導電部材に電気的に接続させて第2の電圧を導電部材に印加し、第3の電圧発生回路に第3の電圧を導電部材に印加させることができる。
また、告知器が、第2の電圧発生手段が第2の電圧を発生させた場合に告知する第2の告知手段を有するので、第2の電圧の発生を知ることができ、延いては、告知器が導電部材に接続された状態において、導電部材に第3の電圧が印加されていることを知ることができる。
【0143】
よって、本発明の電気柵は、人が感電することなく所望の位置で通り抜けることができると共に、電圧状態を容易に確認できる。
従って、本発明の電気柵であれば、電気柵に囲まれた田畑に人が出入りするとき、従来の電気柵のように、わざわざゲート等の位置まで移動する必要がなく、所望の位置において告知器で導電部材(柵線)に第2の電圧を印加するだけで、その場所で感電することなく、また、導電部材(柵線)にかかる電圧状態を容易に確認できるので安心して、電気柵に囲まれた田畑に出入りすることができる。
【0144】
よって、本発明の電気柵は、田畑の除草や施肥などの管理を安全かつ容易にし、そして短時間で行なうことができて時間と労力を大幅に軽減することができ、農業経営上著しく有益である。
【符号の説明】
【0145】
1 電気柵
2 告知器
3 ブザー
4 LED
5 停止命令電圧発生回路
6 電源
7 電源スイッチ
8 第1の信号延長部
9 サージアブソーバ
10 引掛け部
11 接地部
12 電源装置
13 発振回路
14 衝撃電圧発生回路
15 出力変圧器
15A 二次巻線の巻終わり
15B 二次巻線の巻始め
16 出力端子
17 サージアブソーバ
18 第2の信号延長部
19 充放電回路
19A コンデンサ
20 第1判定部
21 第1トランジスタ
22 第2トランジスタ
23 第2判定部
24 第3トランジスタ
25 第4トランジスタ
26 報知電圧発生回路
27 電源
28 電源スイッチ
29 保護回路
30 増幅回路
31 柵線
R1 第1抵抗器
R2 第2抵抗器
R3 第3抵抗器
R4 第4抵抗器
R5 第5抵抗器
R6 第6抵抗器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域の周囲に形成された導電部材と、
該導電部材と電気的に接続されると共に、同導電部材に第1の電圧を印加する第1の電圧発生回路と、
前記導電部材と電気的に接続されると共に、前記第1の電圧よりも低い電圧値を有する第2の電圧が前記導電部材に印加された場合に前記第1の電圧よりも低い電圧値を有する第3の電圧を前記導電部材に印加する第3の電圧発生回路と、
前記導電部材に着脱可能にかつ電気的に接続されると共に、前記第1の電圧が印加された前記導電部材に接続された場合に告知する第1の告知手段と、前記第2の電圧を発生可能な第2の電圧発生手段と、該第2の電圧発生手段が前記第2の電圧を発生させた場合に告知する第2の告知手段とを有する告知器とを備える
電気柵。
【請求項2】
前記第1の告知手段は、前記第3の電圧が前記導電部材に印加された場合に、前記第1の電圧が印加された前記導電部材に接続されたときと異なる態様で告知する
請求項1に記載の電気柵。
【請求項3】
前記告知器は、前記第3の電圧が前記導電部材に印加された場合に告知する第3の告知手段を有する
請求項1または請求項2に記載の電気柵。
【請求項4】
前記第1の告知手段は、音声を発して告知する手段である
請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気柵。
【請求項5】
前記告知器は、前記導電部材に引掛けられるフック形状の引掛け部と、
地面に接地される接地部とを有する
請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気柵。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−42746(P2013−42746A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185139(P2011−185139)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【特許番号】特許第4855548号(P4855548)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(596009788)株式会社末松電子製作所 (16)
【Fターム(参考)】