説明

電気泳動ディスプレイのための駆動スキーム温度依存性を補償する方法

画像は、温度(335)に基づく駆動波形におけるリセットパルス(R)の持続時間及び駆動パルス(D)の持続時間をスケーリングするための別個のスケーリング関数(SF1、SF2)を与えることにより電気泳動ディスプレイのような双安定ディスプレイ(310)において更新される。リセットパルス(R)についてのスケーリング係数(SF1)の温度変化に伴う傾きの絶対値は駆動パルス(D)についてのスケーリング係数(SF2)のそれより著しく大きく、両方のスケーリング係数は温度の減少に伴って増加する。画像更新時間(IUT)は低い温度において著しく減少する一方、全ての温度に亘るIUTの変化の範囲は又、減少する。スケーリング関数(SF3、SF4)は又、支援リセットパルス(H)及び/又は1つ又はそれ以上のシェーキングパルス(SH1、SH2)の持続時間をスケーリングするために用いられることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子ブック及び電子新聞等の電子読書装置に関し、特に、そのような装置のディスプレイの駆動において温度依存性の影響を補償するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術の進歩は、多くの可能性を開く電子ブックのような“ユーザフレンドリな”電子読書装置を提供している。例えば、電気泳動ディスプレイは非常に期待できるものである。そのようなディスプレイは、固有のメモリ挙動を有し、電力消費を伴わずに比較的長時間、画像を保つことができる。表示がリフレッシュされる又は新しい情報と共に更新されるときにのみ、電力が消費される。それ故、そのようなディスプレイにおける電力消費は、非常に小さく、電子ブック及び電子新聞のような携帯型電子読書装置の用途について適切である。電気泳動とは適用される電界の下での帯電粒子の移動のことをいう。液体中で電気泳動が起こるとき、粒子は、その粒子による粘性抵抗、それらの電荷(永久又は誘導)、液体の誘電特性及び印加される電界強度により主に決定される粘度を伴って移動する。電気泳動ディスプレイは一種の双安定ディスプレイであり、画像更新の後に電力消費を伴わずに画像を実質的に維持するディスプレイである。
【0003】
例えば、1999年4月9日に公開された、E Ink社(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市)による“Full Color Relective Display WIth Multichromatic Sub−Pixels”と題された国際公開第99/53373号パンフレットにおいて、2つの基板を有する電子インクディスプレイについて記載されている。一の基板は透明であり、他の基板は行列状に配置された電極を備えている。表示要素又は画素は行電極及び列電極の交差部分に関連付けられる。表示要素は薄膜トランジスタ(TFT)を用いて列電極に結合され、そのTFTのゲートは行電極に結合している。表示要素、TFT並びに行及び列電極の配置は共に、アクティブマトリクスを構成する。更に、ディスプレイ要素は画素電極を有する。行ドライバは表示要素の行を選択し、列又はソースドライバは、列電極及びTFTを介して表示要素の選択された行にデータ信号を供給する。データ信号は、表示されるべきテキスト又は図等のグラフィックデータに対応している。
【0004】
電子インクは、透明基板における共通電極と画素電極との間に備えられている。電子インクは、直径約10乃至50μmの複数のマイクロカプセルを有する。一方法においては、各々のマイクロカプセルは、液体担持媒体又は流体中に懸濁されている正に帯電した白色粒子と負に帯電した黒色粒子とを有する。正電圧が画素電極に印加されるとき、白色粒子が透明基板に方向付けられたマイクロカプセルの側に移動し、ビューアは白色表示要素を見ることとなる。同時に、黒色粒子はマイクロカプセルの反対側の画素電極に移動し、ここで、それらはビューアからは隠されているために見えない。画素電極に負電圧を印加することにより、黒色粒子は透明基板に方向付けられたマイクロカプセルの側の共通電極に移動し、表示要素はビューアにとって暗くなる。同時に、白色粒子はマイクロカプセルの反対側の画素電極に移動し、ここで、それらからは隠されているために見えない。電圧が除去されるとき、ディスプレイ装置は、得られた状態のまま維持され、それ故、双安定特性を示す。他の方法においては、粒子は着色液体中に備えられる。例えば、黒色粒子は白色液体中に備えられることが可能であり、又は、白色粒子は黒色液体中に備えられることが可能である。又は、他の着色粒子が異なる色に着色された液体中に備えられることが可能である(例えば、緑色の液体中の白色粒子等)。
【0005】
空気のような他の流体を又、帯電した黒色粒子及び白色粒子が電界において移動する媒体において用いることが可能である(例えば、文献、Bridgestone SID2003−Symposium on Information Displays.May 18−23,2003,−digest20.3参照)。着色粒子を又、用いることが可能である。
【0006】
電子ディスプレイを構成するために、電子インクは、回路構成の層に対してラミネートされるプラスチックフィルムのシートに印刷されることが可能である。その回路構成は、ディスプレイドライバにより制御される画素のパターンを構成する。マイクロカプセルは液体担体媒体中に懸濁されているため、事実上、ガラス、プラスチック、繊維及び紙の何れの表面に既存のスクリーン印刷方法を用いて印刷されることが可能である。更に、フレキシブルなシートは、従来の本の外観に類似する電子読書装置のデザインを可能にする。
【0007】
しかしながら、変化している温度の影響を補償する今日のディスプレイ駆動スキームを用いる場合、低い温度において画像品質が著しく低下し、更新時間が著しく短くなることは問題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、画像品質及び更新時間を改善すると共に、電気泳動又は他の双安定ディスプレイの駆動において温度の影響を補償するための方法及び装置を提供することにより、この問題に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特定の本発明の特徴においては、双安定装置を駆動するための方法は、双安定ディスプレイに関連する温度を決定する段階と、決定された温度と第1スケーリング関数とに基づいて双安定ディスプレイの少なくとも一部にリセットパルスを印加するための持続時間を決定する段階と、第1スケーリング関数とは異なる第2スケーリング関数及び決定された温度に基づいて双安定ディスプレイの少なくとも一部に駆動パルスを印加するための持続時間を決定する段階とを有する。
【0010】
本発明の他の特徴においては、リセットパルスに先行する、シェーキングパルス及び付加支援リセットパルスのような駆動波形の付加部分は、第1スケーリング関数及び第2スケーリング関数の両方と異なる付加スケーリング関数を用いることが可能である。
【0011】
関連電子読書装置及びプログラム記憶装置が又、提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1及び2は、第1基板8、対向している第2基板9及び複数の画素2を有する装置Dの電気泳動ディスプレイパネル1の実施形態を示している。ピクチャ要素2は二次元構造において実質的には直線に沿って配列されることが可能である。ピクチャ要素2は、明確にするために互いに離れているように示されているが、実際には、ピクチャ要素2は、連続した画像を構成するように互いに非常に近接している。ピクチャ要素の他の構成、例えば、ハニカム構成が可能である。帯電粒子6を有する電気泳動媒体5は、基板8及び9の間に存在する。第1電極3及び第2電極4は各々のピクチャ要素2に関連付けられている。電極3及び4は電位差を受けることが可能である。図2においては、各々のピクチャ要素に対して、第1基板は第1電極3を有し、第2基板9は第2電極4を有する。帯電粒子6は、電極3及び4の近く又はそれらの中間の位置を占めることが可能である。各々のピクチャ要素2は、電極3及び4の間の帯電粒子6の位置により決定される外観を有する。電気泳動媒体5自体については、米国特許第5,961,804号明細書、米国特許第6,120,839号明細書及び米国特許第6,130,774号明細書に記載されていて、EInk社製のものが入手可能である。例として、電気泳動媒体5は、白色流体中に負に帯電された黒色粒子を有することが可能である。それらの帯電粒子6が、例えば、+15Vの電位差のために第1電極3の近傍にあるとき、ピクチャ要素2の外観は白色である。それらの帯電された粒子6が、例えば、−15Vの逆の極性の電位差のために第2電極4の近傍にあるとき、ピクチャ要素2の外観は黒色である。帯電粒子6が電極3及び4の間にあるとき、ピクチャ要素は黒色と白色との間の階調のような中間の外観を有する。特定用途向け集積回路(ASIC:Application−Specific Integrated Circuit)100は、フルディスプレイスクリーンにおいて、例えば、所望のピクチャ、例えば、画像及び/又はテキストを生成するように各々のピクチャ要素2の電位差を制御する。フルディスプレイスクリーンはディスプレイにおける画素に対応する多くのピクチャ要素を有する。
【0013】
図3は、電子読書装置の概要を示している。電子読書装置300はディスプレイASIC100を有する。例えば、ASIC100はPhilips社の“Apollo”ASIC E−inkディスプレイ制御器であることが可能である。ディスプレイASIC100は、所望のテキスト又は画像を表示されるように、アドレス回路305により電気泳動スクリーンのような1つ又はそれ以上のディスプレイスクリーン310を制御する。アドレス回路305は駆動集積回路(IC)を有する。例えば、ディスプレイASIC100は、アドレス回路305によりディスプレイスクリーン310の異なる画素に対して電圧波形を与えることが可能である。アドレス回路305は、所望の画像又はテキストが表示されるように、特定の画素、例えば、行及び列をアドレス指定するための情報を与える。ディスプレイASIC100は、異なる行及び/又は列から開始して、連続的にページを表示するようにする。画像又はテキストデータはメモリ320に記憶されることが可能であり、そのメモリは1つ又はそれ以上の記憶装置である。1つの例はPhilips Electronics社のSFFO(small form factor optical)ディスクシステムであり、他のシステムにおいては、不揮発性のフラッシュメモリを用いることが可能である。電子読書装置300は、読書装置制御器330又はホストコンピュータを更に有し、それは、次ページコマンド又は全ページコマンドのようなユーザコマンドを開始するユーザ活性化ソフトウェア又はハードウェアボタン322に対して責任を負うことが可能である。
【0014】
読書装置制御器330は、ここで説明している機能性を達成するために、例えば、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード等の何れのタイプのコンピュータコード装置を実行するコンピュータの一部であることが可能である。従って、そのようなコンピュータコード装置を有するコンピュータプログラムプロダクトは、当業者に周知である方式で備えられることが可能である。読書装置制御器330は、ここで説明している機能性を達成する方法を実行するように読書装置制御器330又はコンピュータのような装置により実行可能である命令のプログラムを具体的に実施するプログラム記憶装置であるメモリ(図示せず)を更に有することが可能である。そのようなプログラム記憶装置は、当業者に周知の方式で備えられることが可能である。
【0015】
ディスプレイASIC100は、電子ブックの表示領域の強制的なリセットを周期的に、例えば、xページ表示される毎に、y分毎、例えば、10分毎に、電子読書装置300が最初にオンにされたときに、及び/又は、輝度ずれが、例えば、3%反射の値より大きくなったときに、行うためのロジックを有することが可能である。自動リセットのために、許容される周波数は許容される画像品質をもたらす最小周波数に基づいて経験的に決定されることが可能である。又、リセットは、例えば、ユーザが電子読書装置を読み始めたときに、又は、画像品質が許容できないレベルに低下したときに、機能ボタン又は他のインタフェース装置を用いてユーザによりマニュアルで開始されることが可能である。
【0016】
ASIC100は、メモリ320に記憶されている情報に基づいてディスプレイ310を駆動するためのディスプレイアドレス回路305に命令を与える。
【0017】
温度センサ335であって、例えば、温度センサに基づく熱電対又はCMISが、電子読書装置300が位置付けられ、制御部100に対応する信号を送信する環境の温度を決定するために用いられることが可能である。
【0018】
本発明は、何れのタイプの電子読書装置に適用することが可能である。図4は、2つの個別のディスプレイスクリーンを有する電子読書装置400の1つの可能な例を示している。特に、第1ディスプレイ領域442は第1スクリーン440に備えられ、第2ディスプレイ領域452は第2スクリーン450に備えられている。それらのスクリーン440及び450は、スクリーンを互いに対して折り畳むことを可能にし、又は平らなところで開いて位置付けることが可能であるバインディング445により接続されることが可能である。このような構成は、従来の本を読む状況に非常に近いために好ましい。
【0019】
種々のユーザインタフェース装置は、ユーザがページ前進、ページ後退コマンド等を開始することを可能にするように備えられることが可能である。例えば、第1領域442は、電子読書装置のページ間をナビゲートするために、マウス又は他のポインティング装置、タッチ活性化部、PDAペン若しくは他の既知の技術を用いて活性化することができるオンスクリーンボタン424を有することが可能である。ページ前進及びページ後退コマンドに加えて、同じページを上下にスクロールするための能力を備えることが可能である。ユーザがページ前進及びページ後退コマンドを与えることを可能にするように、代替として又は付加的にハードウェアボタン422を備えることが可能である。第2領域452は又、オンスクリーンボタン414及び/又はハードウェアボタン412を有することが可能である。第1及び第2ディスプレイ領域442、452の周囲のフレーム405は、ディスプレイ領域がフレームレスであるときには必要ないことに留意されたい。他のインタフェース、例えば、音声コマンドインタフェースを用いることが又、可能である。ボタン412、414、422、424は両方のディスプレイ領域に対して必要ないことに留意されたい。即ち、ページ前進及びページ後退ボタンの1組を備えることが可能である。又は、1つのボタン又は他の装置、例えば、ロッカースイッチを、両方のページ前進及びページ後退コマンドを与えるために作動させることが可能である。機能ボタン又は他のインタフェース装置を又、ユーザがリセットをマニュアルで開始することが可能であるように備えることが可能である。
【0020】
他の可能な設計においては、電子ブックは、一度に1ページを表示する単一のディスプレイ領域を有する単一ディスプレイスクリーンを有する。又は、単一のディスプレイスクリーンは、例えば、水平方向に又は垂直方向に配置された2つ又はそれ以上のディスプレイ領域に分割されることが可能である。例えば、図4においては、第1ページをディスプレイ領域442に表示する一方、第2ページをディスプレイ領域452に表示することができる。ユーザが次のページを見るように要求するとき、第3ページが第1ページに置き換えられて第1ディスプレイ領域442に表示される一方、第2ページは第2ディスプレイ領域452に表示されたまま保たれることが可能である。同様に、第4ページが第2ディスプレイ領域452に表示される等などが可能である。他の方法においては、ユーザが次ページを見るように要求するとき、第3ページが第1ページと置き換わって第1ディスプレイ領域442に表示され、第4ページが第2ページと置き換わって第2ディスプレイ領域452に表示されるように、両方のディスプレイ領域が更新される。単一ディスプレイ領域が用いられるときであって、ユーザが次ページコマンドを入力するとき、第1ページが表示され、次いで、第2ページが第1ページを上書きする等が可能である。その処理は、ページ後退コマンドに対しては逆に機能することできる。更に、その処理は、ヘブライ語のような右から左に読まれる言語、及び行ではなく列においてテキストが読まれる中国語のような言語に対して同様に適用可能である。
【0021】
更に、全体のページが表示領域に表示される必要はない。ページの一部が表示され、そのページの他の一部を読むように、ユーザが上方に、下方に、左方に又は右方にスクロールすることを可能にするようにスクロール能力を備えることが可能である。ユーザがテキスト又は画像のサイズを変えることが可能であるように、拡大及び縮小能力を備えることが可能である。これは、例えば、視力が低下しているユーザにとって好ましいことである。
【0022】
解決されるべき課題
電子インクタイプの電気泳動ディスプレイの階調は、一般に、特定の期間の間に電圧パルスを印加することにより生成される。電気泳動ディスプレイの階調の正確度は、画像履歴、滞留時間、温度、湿度、電気泳動フォイルの横方向不均一性に強く依存する。適切な階調はレール安定化方法を用いて達成されることができ、その安定化方法において、階調は、基準の黒色状態からか又は基準の白色状態から(2つのレール)常に達成される。単一のオーバーリセット電圧パルスを用いる駆動方法は、上記の欧州特許第03100133.2号明細書に記載されているように、電気泳動ディスプレイを駆動するために有望であることが分かった。パルスシーケンスは、通常、3つの部分、即ち、シェーキングパルス(SH1)、リセットパルス(R)及び階調駆動パルス(D)を有することが可能である。更に、ときどき、画像残像を更に低減し、画像品質を更に改善するために、リセットパルスと階調駆動パルスとの間に第2のシェーキングパルス(SH2)の集合を適用することが所望される。シェーキングパルスについては、上記の欧州特許第03100133.2号明細書に記載されている。シェーキングパルスはハードウェア又はソフトウェアシェーキングパルスであることが可能である。ハードウェアシェーキングパルスはディスプレイにおける2つ以上の画素の行に共にアドレス指定される一方、ソフトウェアシェーキングは同時にせいぜい1つの画素の行にアドレス指定される。任意に、オーバーリセットパルスは、リセットパルスに対して逆極性の更なるリセットパルス(支援パルス)により先行されることが可能である。この支援パルスは、レール状態に粒子をもたらすようにデザインされていないため、基準パルス又はオーバーリセットパルスより短い持続時間を有することが可能である。
【0023】
図5乃至7は、負に帯電した白色粒子と正に帯電した黒色粒子とを有する電気泳動ディスプレイについての駆動波形の例を示している。図5は、レール安定化駆動を用いた例としての波形500を示し、この図において、その波形は、第1シェーキングパルス(SH1)と、リセットパルス(R)と、駆動パルス(D)とを有する。図6は、レール安定化駆動を用いた例としての他の波形600を示し、この図において、その波形は、第1シェーキングパルス(SH1)と、リセットパルス(R)と、第2シェーキングパルス(SH2)と、駆動パルス(D)とを有する。図5及び図6の波形については、上記の欧州特許第03100133.2号明細書に記載されている。この方法について、白色(W)のレールにより濃い灰色(DG)から明るい灰色(LG)への例としての画像遷移のために模式的に示されている。全画像更新時間(IUT)は、波形500又は600の各々の部分において用いられる期間の合計である。波形500においては、tとtとの間の期間に存在するリセットパルス(R)は、古い画像が新しい画像の更新の間に適時に消去され、画像品質が保証されることを確実にするように、濃い灰色(DG)状態から白色(W)状態に粒子を移動させるために必要な最短時間より長くする必要がある。この最短時間は、基準のリセット持続時間であり、tとt´との間の期間に対応する。t´とtとの間の期間は付加リセット期間又はオーバーリセット期間であり、その間、見える光学状態は何ら変化しない。基準のリセットは、粒子が2つの電極間を移動するために必要な距離に比例する期間を必要とする一方、オーバーリセットは画像品質を改善するために必要である。シェーキングパルス(SH1、SH2)は、滞留時間及び画像履歴の影響を低減させ、それにより、画像残像を減少させ且つ階調の正確度を増加させるために必要である。駆動パルスは、レール状態、例えば、図示しているように、白色(W)から、所望の中間階調、例えば、LGに表示を駆動することにより灰色の色調を追加するために必要とされる。
【0024】
図7は、レール安定化駆動を用いる例としての波形700を示し、その図において、その波形は、第1シェーキングパルス(SH1)と、リセットパルス(R)と逆極性の支援リセットパルス(H)と、リセットパルス(R)と、第2シェーキングパルス(SH2)と、駆動パルス(D)とを有する。図7に示すタイプの波形については、上記の欧州特許第03100133.2号明細書に記載されている。この方法について、白色(W)レールを介する薄い灰色(LG)から薄い灰色(LG)への例としての画像遷移のために模式的に示されている。図6の波形と比較すると、オーバーリセットパルス(R)はそのリセットパルス(R)に対して逆極性の更なるリセットパルス(支援パルス、H)により先行されている。支援パルス(H)は、黒色粒子及び白色粒子が互いに相互作用するようにデザインされ、それにより、粒子がレール状態にもたらされるようにデザインされていないため、更に正確な階調が達成され、持続時間の減少が可能である。オーバーリセットパルス(R)は、次いで、白色レール状態にディスプレイをリセットし、駆動パルス(D)が、レール状態、例えば、白色(W)から図示しているようなLGのような所望の中間の階調状態にディスプレイを駆動することにより灰色の色調を追加するために必要とされる。一実施形態の実施においては、第1シェーキングパルス(SH1)は100msecの持続時間を有し、支援リセット部分(H)は150msecの持続時間を有し、リセット部分(R)は700msecの持続時間を有し、駆動部分(D)は100msecの持続時間を有する。第2シェーキングパルス(SH2)は又、リセットパルス(R)の後及び駆動パルス(D)の前に与えられる。
【0025】
図8は、単一のスケーリング関数を用いる全画像更新時間(IUT)についてのスケーリング関数800を示している。スケーリング関数800は、図5の波形を用いてディスプレイパネルにおいて測定された10乃至65℃の範囲内の実験結果を用いて菱形印により表されている異なるポイントにおいて得られた。図3と関連して説明したように、それらの温度は、電子読書装置300における温度センサ335から得られることに留意されたい。それらの複数の温度(T)における各々のデータポイントは、200以上のランダムな画像遷移における階調の正確度及び階調の最適化により得られたものである。それらの実験データに基づいて、連続のラインにより表される適合関数が導き出される。異なる温度における波形を与えるためのデータはルックアップテーブルにおいて生成され且つ記憶されることができる。この方法においては、単一のスケーリング関数800は、シェーキングパルス(SH1)、リセットパルス(R)及び駆動パルス(D)の持続時間が、同じスケーリング係数により各々スケーリングされるように、波形500の成分に適用される。ここで、その同じスケーリング係数は、特定の温度(T)におけるスケーリング関数800を読み取ることにより得られるものである。
【0026】
スケーリング係数の統一性は25℃の基準温度において得られる。波形は900msecのIUTを用いて25℃について最適化される。より高い温度においては、IUTは減少する一方、より低い温度においては、IUTは急激に増加し、0℃において5倍に達する。特に、0℃においては、5x900msec=4.5secのIUTが必要であり、そのIUTは受け入れられない長さである。特に、電子ブックのような電子読書装置については、IUTは、ユーザにとって厄介な遅れを回避するために、特定な最大時間、例えば1秒のより短くする必要がある。65℃においては、約0.2x900msecのIUTが必要である。しかしながら、階調の正確度は、この場合、限界である。更に、温度範囲に対するIUT値の広い範囲は、ユーザにとって受け入れられない性能をもたらすこととなる。本発明の技術は、下記のように、単一のスケーリング関数による方法の不利点を克服する。
【0027】
図9は、リセットおパルス及び駆動パルスについてのスケーリング関数を示している。本発明は、少なくとも2ビットの階調を有する電気泳動ディスプレイについての駆動スキームの温度依存性を補償するための技術を提供する。特に、少なくとも2つの異なるスケーリング関数、SF1及びSF2は、所定の温度に基づいて駆動波形において用いられる電圧パルスのパルス時間をスケーリングするために用いられる。SF1は駆動パルス(D)についてのスケーリング関数であり、SF2はリセットパルス(R)についてのスケーリング関数である。統一性のようなスケーリング関数の基準(ref)レベルは基準温度(Tref)、例えば、25℃において適用される。リセットパルス(R)の持続時間は、所定の温度における関連スケーリング関数(SF2)を読み取ることにより得られるスケーリング係数により、基準リセットパルス持続時間、例えば、700msecをスケーリングすることにより決定される。同様に、駆動パルス(D)の持続時間は、所定の温度における関連スケーリング関数(SF1)を読み取ることにより得られるスケーリング係数により、基準駆動パルス持続時間、例えば、100msecをスケーリングすることにより決定される。
【0028】
一般に、スケーリング関数SF1及びSF2は、温度に伴うディスプレイにおける流体の粘度又は粒子の運動量における変化に相当する。低い温度においては、リセットパルス(R)の持続時間は、ディスプレイが所望のレール状態にリセットされるように増加される必要がある一方、続く駆動パルス(D)の持続時間は、所望の最終的な階調にディスプレイを駆動するように増加される必要がある。SF2の傾きの絶対値はSF1のそれより非常に小さいように選択されることに留意されたい。換言すれば、SF1は強い温度依存性を有する一方、SF2はより緩やかな温度依存性を有する。この方法を用いる場合、低い温度における全画像更新時間(IUT)は、良好な画像品質が保たれる間に、大きく減少する。同時に、高い温度におけるIUTは、Trefにおける値以下に保たれる。高い温度においては、階調の正確度を改善し、ディスプレイが動作可能である温度範囲において全体的なIUTの差を減少させるために、より大きいSF2を選択する。0℃と65℃との間のIUTの差は、図8の単一のスケーリング関数800に比べて著しく減少し、その結果、ユーザによるディスプレイの視覚的認識について大きい改善がもたらされる。
【0029】
基準リセットパルス時間は温度に対して敏感であり、流体の粘度に非常に関連する一方、オーバーリセット部分は温度に対してあまり敏感ではない。それ故、流体の粘度の変化により温度に伴って基準リセットパルスをスケーリングすることは最も重要であり、オーバーリセットパルスの持続時間は画像品質に従って主に選択される。
【0030】
図10は、デュアルスケーリング関数を用いてIUTに対する単一のスケーリング関数とIUTを比較して、温度に伴う全画像更新時間(IUT)における変化を示している。曲線1000は本発明に従った温度の関数としての全画像更新時間(IUT)を示し、駆動パルス及びリセットパルスそれぞれに対する2つの異なるスケーリング関数(SF1、SF2)の結合した結果を示している。比較のために、単一のスケーリング関数を用いた結果を又、図8に関連して説明した曲線800として示している。
【0031】
オーバーリセットパルスにおいて用いられる期間は、例えば、基準リセット時間の1,05乃至3倍の範囲内で変化することが可能である。IUTは、IUTの約80%であるリセットパルス持続時間により主に決定される。特に、基準温度(Tref)以下の温度において、IUTの著しい減少が実現される。他方、基準温度異常の温度における階調の正確度はリセットパルスの期間を増加させることにより改善される。高温においては、粒子又はイオンの大きい運動量又は小さい流体の粘度のために、駆動パルスに対して大きいオーバーリセットが所望される。IUTがTrefにおけるIUTより小さい限り、単一のスケーリング関数の曲線800に比べて、それらの温度においてより長いIUTを有することが又、可能である。基準IUTレベル(ref)からの小さいずれがTrefより高い温度の範囲においてもたらされる。
【0032】
例えば、波形は、100msecの持続時間のシェーキング部分、100msecの持続時間の駆動部分及び700msecの持続時間のリセット部分を有する900msecのIUTを用いて25℃の基準温度について最適化されることが可能である。インク又は他の双安定材料の飽和時間は約200msecであり、それは基準リセット時間である。この波形が、単一のスケーリング関数の曲線800を用いて0℃まで拡張されるとき、IUTは5倍大きくなる。シェーキングパルスの持続時間は、低い温度において、同じに保たれる又は減少されることが可能であることが示された。この実施例を簡単にするために、一定のシェーキングパルス時間を用いている。IUTは、100msec+5x700msec+5x100msec=4100msecになる。しかしながら、オーバーリセットが1.5倍のみスケーリングされるとき、これは、リセットパルスに対して、スケーリング係数(5x200msec+1.5x500msed)/700=2.5に繋がる。ここで、IUTは100msec+2.5x700msec+5x100msec=2350msecになり、このことは著しい減少を表している。
【0033】
時間に伴って波形をスケーリングするための3つ以上のスケーリング関数を有することが又、可能である。例えば、別個のスケーリング関数が、基準のリセットパルス、オーバーリセットパルス、支援リセットパルス及び駆動パルスの持続時間をスケーリングするために与えられることが可能である。別個のスケーリング関数が、第1及び/又は第2シェーキングパルスについて付加的に与えられることが可能である。一例を図11に示している。
【0034】
図11は、リセットパルス、支援リセットパルス、シェーキングパルス及び駆動パルスについての個別のスケーリング関数を示している。SF1、SF2、SF3及びSF4は、駆動パルス(D)、リセットパルス(R)、支援リセットパルス(H)及びシェーキングパルスそれぞれについてのスケーリング関数を示している。ここで、シェーキングパルスは、温度の増加と共に増加する温度スケーリング係数(SF4)を示す一方、支援リセットパルス(H)は、駆動パルス(SF1)とオーバーリセットパルス(SF2)のと間にある温度スケーリング係数(SF3)を有する。
【0035】
一般に、別個のスケーリング関数が又、異なる画像遷移、例えば、黒色から白色への、黒色から濃い灰色への等の遷移について与えられることが可能である。又、スケーリング関数によりスケーリングされる基準パルス持続時間は、異なるディスプレイの更新シナリオであって、例えば、全体的に黒色の画素又は白色の画素から成る更新画像に比べて、中間的な階調を有する更新画像のようなシナリオに対して異なる。実際には、異なる温度において波形を与えるためのデータは、スケーリング関数に基づいて予め生成され、ルックアップテーブルに記憶されることができる。メモリ及び処理資源における制限により、用いられるスケーリング関数の数及び/又は複雑度を制限することが可能である。
【0036】
上記の実施例においては、本発明を例示するためにパルス幅変調(PWM)駆動を用いたが、ここで、パルス時間は各々の波形において変化する一方、電圧振幅は一定に保たれることに留意されたい。しかしながら、本発明は又、例えば、パルス電圧振幅が各々の波形において変化する電圧変調駆動(VM)又は結合されたPWM及びVM駆動に基づく他の駆動スキームに適用することができる。本発明は、カラー及び階調双安定ディスプレイに適用することが可能である。又、電極構造は制限されるものではない。例えば、上部/下部電極構造、ハニカム構造の平面内スイッチング構造若しくは他の結合された平面内スイッチング又は垂直方向スイッチングを用いることが可能である。更に、本発明は、パッシブマトリクス及びアクティブマトリクス電気泳動ディスプレイにおいて実施されることが可能である。実際には、何れの双安定ディスプレイであって、例えば、画像が画像更新後にディスプレイにおいて実質的に保たれている間、電力を消費しない何れのディスプレイにおいて本発明を実施することができる。又、本発明は、例えば、タイプライタモードがある単一ウィンドウディスプレイ及びマルチウィンドウディスプレイの両方に適用することが可能である。
【0037】
本発明の好適な実施形態であると考えられることに関して詳述したが、勿論、本発明の主旨から逸脱することなく、形式上又は詳細に種々の修正及び変形を容易になし得ることが理解されるであろう。それ故、本発明は図示し、詳述した実施形態に限定されるものではなく、同時提出の特許請求の範囲における範囲内にある修正全てを網羅するように解釈する必要があることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】電子読書装置のディスプレイスクリーンの一部の実施形態の平面図である。
【図2】図1のライン2−2に沿った断面図である。
【図3】電子読書装置の概要を示す図である。
【図4】それぞれの表示領域を有する2つのディスプレイスクリーンを示す図である。
【図5】レール安定化駆動を用いた例としての波形であって、第1シェーキングパルスと、リセットパルスと、駆動パルスとを有する波形を示す図である。
【図6】レール安定化駆動を用いた例としての波形であって、第1シェーキングパルスと、リセットパルスと、第2シェーキングパルスと、駆動パルスとを有する波形を示す図である。
【図7】レール安定化駆動を用いた例としての波形であって、第1シェーキングパルスと、リセットパルスと逆極性の支援リセットパルスと、リセットパルスと、第2シェーキングパルスと、駆動パルスとを有する波形を示す図である。
【図8】単一のスケーリング関数を用いた全画像更新時間についてのスケーリング関数を示す図である。
【図9】駆動パルス及びリセットパルスについての別個のスケーリング関数を示す図である。
【図10】デュアルスケーリング関数を有するIUTに単一のスケーリング関数を有するIUTを比較して、温度に伴う全画像更新時間(IUT)における変化を示す図である。
【図11】リセットパルスと、支援リセットパルスと、リセットパルスと、シェーキングパルスと、駆動パルスとに対する別個のスケール関数を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
双安定ディスプレイを駆動するための方法であって:
前記双安定ディスプレイに対応する温度を決定する段階;
前記の決定された温度及び第1スケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの少なくとも一部にリセットパルスを印加するための持続時間を決定する段階;及び
前記第1スケーリング関数と異なる第2スケーリング関数及び前記の決定された温度に基づいて前記双安定ディスプレイの少なくとも一部に駆動パルスを印加するための持続時間を決定する段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって:
前記リセットパルスを印加するための前記持続時間を決定する前記段階は、前記第1スケーリング関数及び前記の決定された温度に従って第1スケーリング係数を決定する手順、及び前記第1スケーリング係数により基準リセットパルス持続時間をスケーリングする手順;並びに
前記駆動パルスを印加するための前記持続時間を決定する前記段階は、前記第2スケーリング関数及び前記の決定された温度に従って第2スケーリング係数を決定する手順、及び前記第2スケーリング係数により基準リセットパルス持続時間をスケーリングする手順;
を有する方法であり、
前記第1スケーリング係数は、前記の決定された温度が基準温度より低いとき、前記第1スケーリング係数より小さい;
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって:
前記の決定された温度及び更なるスケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの前記の少なくとも一部にシェーキングパルスを印加するための持続時間を決定する段階;
を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって:
前記の更なるスケーリング関数は、温度の変化に伴って、少なくとも温度範囲の一部に対して第1スケーリング関数及び第2スケーリング関数の傾きと逆の傾きを有する;
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって:
前記の決定された温度及び更なるスケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの前記の少なくとも一部に対して、前記リセットパルスに先立って、支援パルスを印加するための持続時間を決定する段階;
を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって:
前記の更なるスケーリング関数は前記第1スケーリング関数と前記第2スケーリング関数との間にある;
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって:
前記の決定された温度が基準温度より低いとき、温度の変化に伴って、前記第1スケーリング関数の傾きの絶対値は前記第2スケーリング関数の絶対値より非常に小さい;
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって:
前記双安定ディスプレイは電気泳動ディスプレイである;
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
双安定ディスプレイにおいて画像を更新するための方法を実行するように装置により実行可能な命令のプログラムを具体的に実施するプログラム記憶装置であって、その方法は:
前記双安定ディスプレイに対応する温度を決定する段階;
前記の決定された温度及び第1スケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの少なくとも一部にリセットパルスを印加するための持続時間を決定する段階;及び
前記第1スケーリング関数と異なる第2スケーリング関数及び前記の決定された温度に基づいて前記双安定ディスプレイの少なくとも一部に駆動パルスを印加するための持続時間を決定する段階;
を有する、ことを特徴とするプログラム記憶装置。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラム記憶装置であって、前記方法は:
前記リセットパルスを印加するための前記持続時間を決定する前記段階は、前記第1スケーリング関数及び前記の決定された温度に従って第1スケーリング係数を決定する手順、及び前記第1スケーリング係数により基準リセットパルス持続時間をスケーリングする手順;並びに
前記駆動パルスを印加するための前記持続時間を決定する前記段階は、前記第2スケーリング関数及び前記の決定された温度に従って第2スケーリング係数を決定する手順、及び前記第2スケーリング係数により基準リセットパルス持続時間をスケーリングする手順;
を有する方法であり、
前記第1スケーリング係数は、前記の決定された温度が基準温度より低いとき、前記第1スケーリング係数より小さい;
ことを特徴とする、プログラム記憶装置。
【請求項11】
請求項9に記載のプログラム記憶装置であって、前記方法は:
前記の決定された温度及び更なるスケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの前記の少なくとも一部にシェーキングパルスを印加するための持続時間を決定する段階;
を更に有する、ことを特徴とするプログラム記憶装置。
【請求項12】
請求項9に記載のプログラム記憶装置であって、前記方法は:
前記の決定された温度及び更なるスケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの前記の少なくとも一部に、前記リセットパルスに先立って、支援パルスを印加するための持続時間を決定する段階;
を更に有する、ことを特徴とするプログラム記憶装置。
【請求項13】
請求項9に記載のプログラム記憶装置であって、前記方法において:
前記の決定された温度が基準温度より低いとき、温度の変化に伴って、前記第1スケーリング関数の傾きの絶対値は前記第2スケーリング関数の絶対値より非常に小さい;
ことを特徴とする、プログラム記憶装置。
【請求項14】
請求項9に記載のプログラム記憶装置であって:
前記双安定ディスプレイは電気泳動ディスプレイである;
ことを特徴とするプログラム記憶装置。
【請求項15】
電子読書装置であって:
双安定ディスプレイと;
(a)前記双安定ディスプレイに対応する温度を決定する段階と、(b)前記の決定された温度及び第1スケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの少なくとも一部にリセットパルスを印加するための持続時間を決定する段階と、(c)前記の決定された温度及び第1スケーリング関数と異なる第1スケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの少なくとも一部に駆動パルスを印加するための持続時間を決定する段階と、により前記双安定ディスプレイにおいて画像を更新するための制御部;
を有する、ことを特徴とする電子読書装置。
【請求項16】
請求項15に記載の電子読書装置であって、前記方法は:
前記リセットパルスの前記持続時間を決定する前記段階は、前記第1スケーリング関数及び前記の決定された温度に従って第1スケーリング係数を決定する手順、及び前記第1スケーリング係数により基準リセットパルス持続時間をスケーリングする手順;並びに
前記駆動パルスの前記持続時間を決定する前記段階は、前記第2スケーリング関数及び前記の決定された温度に従って第2スケーリング係数を決定する手順、及び前記第2スケーリング係数により基準リセットパルス持続時間をスケーリングする手順;
を有する方法であり、
前記第1スケーリング係数は、前記の決定された温度が基準温度より低いとき、前記第1スケーリング係数より小さい;
ことを特徴とする、電子読書装置。
【請求項17】
請求項15に記載の電子読書装置であって、前記制御部は、前記の決定された温度及び更なるスケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの前記の少なくとも一部にシェーキングパルスを印加するための持続時間を決定することにより前記双安定ディスプレイにおいて前記画像を更新する、ことを特徴とする電子読書装置。
【請求項18】
請求項15に記載の電子読書装置であって、前記制御部は、前記の決定された温度及び更なるスケーリング関数に基づいて前記双安定ディスプレイの前記の少なくとも一部に、前記リセットパルスに先立って、支援パルスを印加するための持続時間を決定することにより前記双安定ディスプレイにおいて前記画像を更新する、ことを特徴とする電子読書装置。
【請求項19】
請求項15に記載の電子読書装置であって:
前記の決定された温度が基準温度より低いとき、温度の変化に伴って、前記第1スケーリング関数の傾きの絶対値は前記第2スケーリング関数の絶対値より非常に小さい;
ことを特徴とする電子読書装置。
【請求項20】
請求項15に記載の電子読書装置であって:
前記双安定ディスプレイは電気泳動ディスプレイである;
ことを特徴とする電子読書装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−505351(P2007−505351A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525992(P2006−525992)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051733
【国際公開番号】WO2005/027087
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(501344315)コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. (174)
【Fターム(参考)】