説明

電気泳動光量調整素子とその駆動方法及びこれを用いた撮像装置

【課題】駆動電極群が不透明帯電泳動粒子を移動させる領域に対応し、整流電極群が電荷保持体を移動させる領域に対応する電気泳動光量調整素子を提供すること。
【解決手段】実質的に透明な第1基板と、該第1基板に間隙支持体を介して対向して配置された実質的に透明な第2基板と、前記両基板の少なくとも一方の対向面側に3以上の駆動電極で一駆動電極群を成す少なくとも1つの駆動電極群と、前記両基板の少なくとも一方の対向面側に3以上の整流電極で一整流電極群を成す少なくとも1つの整流電極群と、不透明帯電泳動粒子と複数の電荷保持体から成る電気泳動液とを含んで構成される電気泳動光量調整素子において、前記不透明帯電泳動粒子を移動させる領域と、該電荷保持体を移動させる領域を持ち、前記駆動電極群が該不透明帯電泳動粒子を移動させる領域に対応し、前記整流電極群が該電荷保持体を移動させる領域に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズの光軸上に備え、透過率が変化する光量調整素子とその駆動方法及びこれを用いた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気泳動を利用して帯電泳動粒子を有効領域の外に移動して透過状態を、帯電泳動粒子を有効領域に分散させて減光状態を成す調光素子が開示されている。
【特許文献1】特開2002−214666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
素子が大きく不透明帯電泳動粒子の移動距離が長い場合、素子の応答速度が遅くなる傾向がある。
【0004】
本発明者は、上記の問題は不透明帯電泳動粒子を移動させる領域と電荷保持体を移動させる領域を持ち、所望の方向にそれぞれを移動させることで素子内の液流を制御することにより改善できることを見出した。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を改善する方法として、不透明帯電泳動粒子を移動させる領域と、電荷保持体を移動させる領域を持ち、駆動電極群が不透明帯電泳動粒子を移動させる領域に対応し、整流電極群が電荷保持体を移動させる領域に対応する電気泳動光量調整素子とその駆動方法及びこれを用いた撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、粒子の領域とイオンの領域がある実質的に透明な第1基板と、該第1基板に間隙支持体を介して対向して配置された実質的に透明な第2基板と、前記両基板の少なくとも一方の対向面側に3以上の駆動電極で一駆動電極群を成す少なくとも1つの駆動電極群と、前記両基板の少なくとも一方の対向面側に3以上の整流電極で一整流電極群を成す少なくとも1つの整流電極群と、前記両基板間に充填された透明絶縁性液体と複数の不透明帯電泳動粒子と複数の電荷保持体から成る電気泳動液とを含み、電気信号により前記不透明帯電泳動粒子及び前記電荷保持分子を移動させて透過光量を調整する電気泳動光量調整素子において、前記不透明帯電泳動粒子を移動させる領域と、該電荷保持体を移動させる領域を持ち、前記駆動電極群が該不透明帯電泳動粒子を移動させる領域に対応し、前記整流電極群が該電荷保持体を移動させる領域に対応することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電気泳動光量調整素子の応答速度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明の代表的な断面構成を示す図、図3は本発明の代表的な平面構成を示す図である、
第1基板1と第2基板2が対向にして配置され、第1基板1の対向面側に駆動電極群3が、第2基板1の対抗面側に整流電極群4が配置される。電極を覆うように電極が配置された層の上に絶縁層16を配置しても良い。第1基板1と第2基板2の間には間隙支持体13が配置される。間隙支持体13が素子周辺に配置されるのは良い例の1つである。粒子禁止部14が配置されても良い。粒子禁止部14は、素子中央に配置されるのは良い例の1つである。
【0010】
第1基板1と第2基板2と間隙支持体13と粒子禁止部14によって作られる空間には透明な絶縁性液体17が充填され、その絶縁性液体17中に不透明帯電泳動粒子18と電荷保持分子が分散される。第1基板1に配置された駆動電極群3は、3つ以上の駆動電極から成れば良く、第1駆動電極5、第2駆動電極6、第3駆動電極7、第4駆動電極8の4つの駆動電極から成る構成は好ましい例の1つである。
【0011】
それぞれの駆動電極は、半径の異なる円形であり、同心に周期的に配置される構成は良い構成の1つである。第2基板2に配置された整流電極群4は、3つ以上の整流電極から成れば良く、第1整流電極、第2整流電極10、第3整流電極11、第4整流電極12の4つの整流電極から成る構成は好ましい構成の1つである。それぞれの整流電極は、半径の異なる円形であり、同心に周期的に配置される構成は良い構成の1つである。
【0012】
第1基板1と第2基板2は、所望の波長の光に対して実質的に透明であれば良く、その材質・形状は特に限定しない。例えば、材質は硝子の無機物、PET等の有機物で構成されたもで良く、形状は平面で良い。
【0013】
絶縁層16は、所望の光に対して実質的に透明であれば良く、その材質は絶縁性のものであれば特に限定しない。形状は、駆動電極群3を覆うように電極が配置された層の上に一面に配置しても良く、個々の電極を覆うように第1基板1・
第2基板2の一部に配置しても良い。
【0014】
間隙支持体13は、基板間隔を一定に保つものであれば良く、その形状は特に限定しない。第1基板1と第2基板2を複数の点で支持しても良い。又、素子周囲に配置され絶縁性液体17の漏洩を防ぐ封止の機能を有していても良い。
【0015】
粒子禁止部14は、所望の波長の光に対して実質的に透明であれば良く、その材料は特に限定しない。例えば、材質は硝子の無機物、フォトレジスト等の有機物で構成されたもで良い。その形状は不透明帯電泳動粒子18の移動を禁止する形状であれば良く、特に限定しない。断面形状は第1基板1と第2基板2間を繋ぐ柱状は良い構成の1つである。平面形状も特に限定しない。円形、多角形等であれば良い。
【0016】
粒子禁止部9と異なる領域の一部に遮光部15を設ける構成は好ましい構成の1つである(図6)。遮光部15に不透明帯電泳動粒子18を移動させ電気泳動光量調整素子19を透光状態とし、遮光部15以外の領域に不透明帯電泳動粒子18を移動させ電気泳動光量調整素子19を遮光状態にすることができる。この構成により透光状態と遮光状態の透過光量の差がより安定する。又、遮光部15と一定の間隔を空けて配置することは不透明帯電泳動粒子18の移動距離を一定にし電気泳動光量調整素子19の応答速度を安定にする構成である(図1)。
【0017】
絶縁性液体17は、所望の波長の光に対して実質的に透明な液体であれば良い。シリコンオイル、イソパラフィン等が挙げられる。不透明帯電泳動粒子18は、所望の波長の光に対して実質的に不透明な粒子で、絶縁性液体17中で帯電し分散を維持するものであれば良い。形状も特に限定するものではなく、第1基板1と第2基板2間に充填される大きさであれば良い。電界保持分子の材料は絶縁性液対中で殿下を保持するものであれば特に限定しない。不透明帯電泳動粒子18の帯電と分散を維持する機能を有する電荷保持分子は良い構成の1つである。
【0018】
駆動電極群3は、3つ以上の駆動電極からなれば良く、その数は特に限定しないが、4つの駆動電極で駆動電極群3を成す構成は良い構成の1つである。整流電極群4は、3つ以上の整流電極から成れば良く、その数は特に限定しないが、4つの整流電極で整流電極群4を成す構成は良い構成の1つである。
【0019】
駆動電極群3と整流電極群4が配置される領域は、第1基板1及び/又は第2基板2の対向面側の異なる領域であれば、特に限定しない。一方の基板の一部に駆動電極群3を配置し、駆動電極群3を配置した基板で、駆動電極群3を配置した領域と異なる領域に整流電極群4を配置しても良い。駆動電極群3を第1基板1の対抗面側に、清流電極群4を第2基板2の対抗面側に配置する構成は良い構成の1つである。第1基板1の対向面側に駆動電極群3に含まれる駆動電極が周期的に配置され、第2基板2の対向面側に整流電極群4に含まれる整流電極が周期的に配置されることで、不透明帯電泳動粒子18及び電荷保持分子の制御性が向上する。
【0020】
駆動電極は、平行に配置され、各駆動電極群に含まれる駆動電極が周期的に配置され、各駆動電極群3に含まれる相対応する駆動電極が電気的に接続され、等間隔に位相がシフトした電気信号が印加される構成は良い構成の1つである。整流電極は、平行に配置され、各整流電極群4に含まれる整流電極が周期的に配置され、各整流電極群4に含まれる相対応する整流電極が電気的に接続され、等間隔に位相がシフトした電気信号が印加される構成は良い構成の1つである。平行配置される複数の駆動電極間及び整流電極間の間隔は特に限定するものではなく、接触しない程度に間隔を空けて配置すれば良い。整流電極の電極間隔が駆動電極の電極間隔よりも狭い構成は良い構成の1つである。
【0021】
駆動電極及び/又は整流電極が、半径の異なる円形の電極が同心に配置される構成は好ましい構成の1つである(図3)。その他、粒子禁止部14が略円形であり、この粒子禁止部14の接線と実質的に直交に電極を配置する構成(図4)も好ましい構成の1つである。この場合、不透明帯電泳動粒子18及び/又は電荷保持分子は、電極と実質的に直交方向に泳動するため、上記構成では不透明帯電泳動粒子18及び/又は電荷保持分子は素子の遠心方向だけでなく円周方向へも移動し、粒子分布の偏りを防ぐ構成である。
【0022】
粒子禁止部14が略円形である場合、電気泳動光量調整素子19の絶縁性液体17が充填される領域の任意の領域から粒子禁止部14への接線は2本引ける。この接線の一方に対して駆動電極が略直交し、他方の接線に対して整流電極が略直交して配置される構成は良い構成の1つである。
【0023】
駆動方法について説明する。
【0024】
整流電極群4に属する整流電極に同一の電位を印加し、駆動電極群3に属する駆動電極に整流電極に印加された電位とは異なる同一の電位を印加し、不透明帯電泳動粒子18を駆動電極近傍に移動せしめるステップが含まれる駆動方法は良い駆動方法の1つである。例えば、不透明帯電泳動粒子18が正極帯電する場合、整流電極に+Vo [V]、駆動電極に−Vo [V]の電位(但し、Vo は印加電圧を示す正の実数)を印加すれば良い。
【0025】
駆動電極群3が第1基板1に配置され、整流電極群4が第2基板2に配置され、第1基板1と第2基板2の相対応する領域の不透明帯電泳動粒子18の移動方向と電荷保持体の移動方向が、電気泳動光量調整素子19の遠心方向で逆方向である駆動方法は良い駆動方法の1つである。
【0026】
例えば、図1に示す電気泳動光量調整素子19では、図6に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図7に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に印加すれば良い。又は、図7に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にchh2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図6に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4 整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に印加すれば良い。
【0027】
駆動電極群3が第1基板1に配置され、整流電極群4が第2基板2に配置される場合、第1基板1と第2基板2の相対応する領域の不透明帯電泳動粒子18の移動方向と電荷保持体の移動方向が、電気泳動光量調整素子19の円周方向で同方向である駆動方法は良い駆動方法の1つである。例えば、図4に示す電気泳動光量調整素子19は、同一方向から見た第1基板1上の駆動電極(左図)と第2基板2上の整流電極(右図)のであるが、この電気泳動光量調整素子19では、図6に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図7に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に印加すれば良い。又は、図7に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図6に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に印加すれば良い。
【0028】
駆動電極群3の電極間隔と駆動電極群3に印加電圧の周波数との積と整流電極群4の電極間隔と整流電極群4に印加電圧の周波数との積との比が不透明帯電泳動粒子18の移動度と電荷保持体の移動度との比と略同じである駆動方法は良い駆動方法の1つである。不透明帯電泳動粒子18の移動度が電荷保持分子の移動度の10分の1の場合で駆動電極間隔が整流電極間隔の2倍の場合(図1)、図6に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図7に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に、整流電極に印加する電圧波形の周波数を駆動電極に印加する電圧波形の周波数の略20倍で印加すれば良い。
【0029】
又は、図7に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図6に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に、整流電極に印加する電圧波形の周波数を駆動電極に印加する電圧波形の周波数の略20倍で印加すれば良い。
【0030】
不透明帯電泳動粒子18を遮光部15に集めて透過状態を成し、不透明帯電泳動粒子18を遮光部15と粒子禁止部14を除く部分に分散させて、減光状態成す駆動方法は良い駆動方法の1つである。
【0031】
図8は電気泳動光量調整素子19の応用方法の1つである。電気泳動光量調整素子19を光路に組み込んだ撮像装置23は、本素子を組み込んだ好ましい応用方法の例である。撮像素子21の出力信号を信号処理装置22により処理し、電気泳動光量調整素子19の駆動信号を発生し、電気泳動光量調整素子19を駆動する構成は、好ましい構成の1つである。
【0032】
以下、実施例に従って本発明を説明する。
【実施例1】
【0033】
本実施例では、図1に示す断面構成で、図3に示す平面構成での素子を作製し駆動を行った。作製した素子の大きさは直径5mm、厚さ0.43mm、粒子禁止部14の直径は1mmである。遮光部15は素子周辺に幅1.5mmとした。
【0034】
先ず、第1基板1及び第2基板2として厚さ0.2mmのガラスにITOを成膜し、フォトリソグラフィー及びエッチングにより図に示す形状にパターニングして駆動電極及び整流電極を形成した。続いて、絶縁層16としてエポキシ樹脂を塗布した。続いて第1基板1には間隙支持体13と粒子禁止部14を形成した。間隙支持体13と粒子禁止部14は同じ材質で同様のプロセスにより同時に作製しても良い。
【0035】
間隙支持体13と粒子禁止部14は、光感光性エポキシ樹脂を塗布した後、露光及びウエット現像を行うことによって形成し、30μmの高さとした。形成された空間内に不透明帯電泳動粒子18と電荷保持分子を含む絶縁性液体17を充填した。絶縁性液体17としては、イソパラフィンを使用した。不透明帯電泳動粒子18としては、ポリスチレンとカーボンの混合物で、平均粒径4μm位のものを使用した。絶縁性液体17中に電荷保持分子として炭酸ジルコニウムを添加した。イソパラフィン中での不透明帯電泳動粒子18は正帯電極性を示した。不透明帯電泳動粒子18の移動度は、電荷保持分子の移動度の10分の1を示した。次に、第2基板2を位置合わせを行いながら第1基板1上に置き、素子周辺部を接着剤により張り合わせる。遮光部15は、第2基板2の周辺に不透明な塗料を塗布して作製した。
【0036】
この電気泳動光量調整素子に図6に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図7に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に、整流電極に印加する電圧波形の周波数を駆動電極に印加する電圧波形の周波数の略20倍で印加したところ、不透明帯電泳動粒子18は、遮光部18と粒子禁止部14以外の領域に移動し減光状態となる。
【0037】
又、図7に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図6に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に、整流電極に印加する電圧波形の周波数を駆動電極に印加する電圧波形の周波数の略20倍で印加したところ、不透明帯電泳動粒子18は遮光部15に移動し透過状態となる。
【0038】
電気泳動光量調整素子18を撮像装置23に取り付けて駆動させると、明所から暗所まで良好な画像を得ることができる。
【実施例2】
【0039】
本実施例では、図2に示す断面構成で、図4に示す平面構成の素子を作製し駆動を行った。作製した素子の大きさは直径5mm、厚さ0.43mm、遮光部15の内側の直径は3mmとし、粒子禁止部14の直径は1mmである。作製方法は実施例1それと同じである。
【0040】
この電気泳動光量調整素子19に図6に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第4駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極6にch4を第1駆動電極5に印加し、図7に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に、整流電極に印加する電圧波形の周波数を駆動電極に印加する電圧波形の周波数の略10倍で印加したところ、不透明帯電泳動粒子18は、遮光部15と粒子禁止部14以外の領域に移動し減光状態となる。
【0041】
又、図7に示す電圧波形を駆動電極群3に、それぞれch1を第駆動電極8にch2を第3駆動電極7にch3を第2駆動電極7にch4を第1駆動電極6に印加し、図6に示す電圧波形を整流電極群4に、それぞれch1を第4整流電極12にch2を第3整流電極11にch3を第2整流電極10にch4を第1整流電極9に、整流電極に印加する電圧波形の周波数を駆動電極に印加する電圧波形の周波数の略10倍で印加したところ、不透明帯電泳動粒子18は遮光部15に移動し透過状態となる。
【0042】
電気泳動光量調整素子19を撮像装置23に取り付けて駆動させると、明所から暗所まで良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る電気泳動光量調整素子の代表的な断面図である。
【図2】本発明に係るの電気泳動光量調整素子の代表的な断面図である。
【図3】本発明に係る電気泳動光量調整素子の代表的な平面図である。
【図4】本発明に係る電気泳動光量調整素子の代表的な平面図である。
【図5】本発明に係る電気泳動光量調整素子の代表的な駆動状態の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る電気泳動光量調整素子の代表的な駆動方法の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る電気泳動光量調整素子の代表的な駆動方法の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る電気泳動光量調整素子の代表的な適用方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 第1基板
2 第2基板
3 駆動電極群
4 整流電極群
5 第1駆動電極
6 第2駆動電極
7 第3駆動電極
8 第4駆動電極
9 第1整流電極
10 第2整流電極
11 第3整流電極
12 第4整流電極
13 間隙支持体
14 粒子禁止部
15 遮光部
16 絶縁層
17 絶縁性液体
18 不透明帯電泳動粒子
19 電気泳動光量調整素子
20 レンズ
21 撮像素子
22 信号処理装置
23 撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の領域とイオンの領域がある実質的に透明な第1基板と、該第1基板に間隙支持体を介して対向して配置された実質的に透明な第2基板と、前記両基板の少なくとも一方の対向面側に3以上の駆動電極で一駆動電極群を成す少なくとも1つの駆動電極群と、前記両基板の少なくとも一方の対向面側に3以上の整流電極で一整流電極群を成す少なくとも1つの整流電極群と、前記両基板間に充填された透明絶縁性液体と複数の不透明帯電泳動粒子と複数の電荷保持体から成る電気泳動液とを含み、電気信号により前記不透明帯電泳動粒子及び前記電荷保持分子を移動させて透過光量を調整する電気泳動光量調整素子において、
前記不透明帯電泳動粒子を移動させる領域と、該電荷保持体を移動させる領域を持ち、前記駆動電極群が該不透明帯電泳動粒子を移動させる領域に対応し、前記整流電極群が該電荷保持体を移動させる領域に対応することを特徴とする電気泳動光量調整素子。
【請求項2】
搬送方向が逆前記駆動電極群が前記第1基板に配置され、前記整流電極群が前記第2基板に配置され、該第1基板と該第2基板の相対応する領域の該不透明帯電泳動粒子の移動方向と該電荷保持体の移動方向が電気泳動光量調整素子の遠心方向で逆方向であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動光量調整素子。
【請求項3】
搬送方向の円周方向が同じ前記駆動電極群が前記第1基板に配置され、前記整流電極群が前記第2基板に配置され、該第1基板と該第2基板の相対応する領域の該不透明帯電泳動粒子の移動方向と該電荷保持体の移動方向が電気泳動光量調整素子の円周方向で同方向であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動光量調整素子。
【請求項4】
電極間隔が異なる前記駆動電極群が前記第1基板に配置され、前記整流電極群が前記第2基板に配置され、該第1基板と該第2基板の相対応する領域で整流電極群の電極間隔が駆動電極の電極間隔より狭いことを特徴とする請求項1記載の電気泳動光量調整素子。
【請求項5】
電極周期と駆動周波数の積が異なる前記駆動電極群が前記第1基板に配置され、前記整流電極群が前記第2基板に配置され、各々の駆動電極郡中に含まれる第N電極(N=1,2,3,…駆動電極郡中に含まれる電極数)が電気的に接続され、駆動電極郡中の電極に略等間隔に位相が異なる周期的な電圧が印加され、各々の整流電極郡中に含まれる第N電極(N=1,2,3,…整流電極郡中に含まれる電極数)が電気的に接続され、整流電極郡中の電極に略等間隔に位相が異なる周期的な電圧が印加され、駆動電極群の電極間隔と駆動電極群に印加電圧の周波数との積と整流電極群の電極間隔と整流電極群に印加電圧の周波数との積との比が該不透明帯電泳動粒子の移動度と該電荷保持体の移動度との比と略同じであることを特徴とする請求項1記載の電気泳動光量調整素子の駆動方法。
【請求項6】
前記整流電極群に属する整流電極に同一の電位を印加し、前記駆動電極群に属する駆動電極に整流電極に印加された電位とは異なる同一の電位を印加し、前記不透明帯電泳動粒子を駆動電極近傍に移動せしめるステップが含まれることを特徴とする請求項1記載の電気泳動調光素子の駆動方法。
【請求項7】
光路中にレンズと撮像素子及び請求項1記載の電気泳動光量調整素子を適宜配置したことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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