説明

電気泳動表示装置及び電子機器

【課題】電気泳動表示装置において、高品位な表示を行う。
【解決手段】電気泳動表示装置は、互いに対向するように配置された第1基板(10)及び第2基板(20)と、第1基板上の表示領域(10a)に、互いに隙間(90)を隔てて設けられた複数の土台部(11)と、複数の土台部の上面に設けられた複数の反射板(13)と、第1基板上で平面的に見て、複数の反射板に重なるように設けられた複数の第1電極(12)と、第1基板上の隙間に、複数の第1電極に対応して設けられた複数の第2電極(19)と、第1及び第2基板間に表示領域を囲むように設けられた封止部材(70)と、第1及び第2基板間の表示領域に設けられ、反射板とは異なる色を有する電気泳動粒子(61)が分散媒(62)に分散してなる分散液(60)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気泳動表示装置(EPD:Electrophoretic Display)として、電気泳動粒子が分散媒に分散されてなる電気泳動分散液を一対の基板間に封止したものが知られている(例えば特許文献1から3参照)。例えば特許文献1には、互いに異なる極性に帯電された白色の電気泳動粒子(以下「白粒子」と適宜称する)と黒色の電気泳動粒子(以下「黒粒子」と適宜称する)とを分散媒に分散させ、一方の基板に設けられた画素電極と他方の基板に設けられた対向電極との間に電圧を印加する電気泳動表示装置が開示されている。この電気泳動表示装置によれば、画素電極及び対向電極間に電圧を印加することにより白粒子及び黒粒子を互いに異なる基板側に移動させることで、表示面において表示を行うことが可能になる。例えば特許文献2及び3には、黒粒子が分散媒に分散されると共に、一方の基板に画素毎に形成された段部の下段面に沿うように設けられ第1表示電極と、段部の上段面に沿うように設けられた第2表示電極とを備え、第1表示電極が形成された領域が黒色に着色され、第2表示電極が形成された領域が白色に着色された電気泳動表示装置が開示されている。この電気泳動表示装置によれば、第1表示電極と第2表示電極との間に電圧を印加することにより黒粒子を第1表示電極又は第2表示電極を覆うように移動させることで、画素毎に黒色又は白色を表示することが可能になる。また、この電気泳動表示装置では、画素間における電気泳動粒子の移動を防止するために、各画素の周囲を取り囲むように隔壁部材が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−91908号公報
【特許文献2】特開2003−5226号公報
【特許文献3】特開2003−5225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した例えば特許文献1に開示された電気泳動表示装置によれば、例えば、表示面に白色を表示する際に対向電極側に移動した複数の白粒子からなる白粒子層の厚みが小さいほど、白粒子層によって黒粒子を十分に覆い隠すことができず、白色を表示することが困難になってしまうおそれがある。よって、高品位な表示を行うためには、表示面に白色を表示する際の白粒子層の厚みを、画素電極側に移動した黒粒子を十分に覆い隠すことができる程度の厚みにする必要がある。このため、対向電極及び画素電極間の距離(言い換えれば、一対の基板間の距離)を短くすることが困難であり、白粒子及び黒粒子を移動させるために対向電極及び画素電極間に印加する電圧を比較的高くせざるを得ないという技術的問題点がある。更に、表示面に白色を表示する際の白粒子層の厚みを大きくするために、白粒子の数を多くすると、電気泳動分散液の粒子濃度が高くなるため、電圧印加時の電気泳動粒子の移動速度が遅くなってしまうおそれがあるという技術的問題点もある。
【0005】
また、前述した例えば特許文献2及び3に開示された電気泳動表示装置によれば、各画素の周囲を取り囲むように隔壁部材が配置されているため、有効に表示を行うことが可能な有効表示領域が、隔壁部材が配置されている領域の分だけ小さくなってしまい、高品位な表示を行うことが困難になるおそれがあるという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、高品位な表示を行うことが可能な電気泳動表示装置、及びこのような電気泳動表示装置を備える電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気泳動表示装置は上記課題を解決するために、互いに対向するように配置された第1及び第2基板と、前記第1基板上の表示領域に、互いに隙間を隔てて設けられた複数の土台部と、前記複数の土台部の上面に夫々設けられた複数の反射板と、前記第1基板上で平面的に見て、前記複数の反射板に重なるように設けられた複数の第1電極と、前記第1基板上の前記隙間に、前記複数の第1電極に対応して設けられた複数の第2電極と、前記第1及び第2基板間に前記表示領域を囲むように設けられた封止部材と、前記第1及び第2基板間の前記表示領域に設けられ、前記反射板とは異なる色を有する電気泳動粒子が分散媒に分散してなる分散液とを備える。
【0008】
本発明の電気泳動表示装置によれば、第1及び第2基板間の表示領域に、例えば黒色を有する電気泳動粒子が分散媒に分散してなる分散液が設けられている。電気泳動粒子は、正又は負に帯電された状態で分散媒に分散している。更に、第1及び第2基板間には、表示領域を囲むように封止部材が設けられている。封止部材は、分散液が第1及び第2基板間から漏れ出ないように、第1及び第2基板間を封止する機能を有する。第1基板上の表示領域には、複数の土台部が互いに隙間(即ち、スリット)を隔てて設けられている。複数の土台部は、表示領域において例えばマトリクス状に配列されている。言い換えれば、複数の土台部は、表示領域に例えばマトリクス状に配列された複数の画素の各々に1つずつ設けられている。例えば、複数の土台部間の隙間は、第1基板上で平面的に見て、格子状の平面形状を有している。複数の土台部の各々の上面には、例えば白色を有する反射板と、第1電極とが設けられている。更に、第1基板上の互いに隣り合う土台部間の隙間には、第2電極が設けられている。第2電極は、典型的には、互いに隣り合う土台部間の隙間(即ち、スリット)の底面に沿うように設けられる。第2電極は、第1電極に対応して設けられており、対応する第1電極が設けられた土台部に隣接する隙間に設けられている。
【0009】
本発明の電気泳動表示装置によれば、第1電極と第2電極との間に例えば画像信号に応じた電圧を印加することにより、表示領域において高品位な表示を行うことが可能となる。
【0010】
具体的には、例えば黒色を有する電気泳動粒子が第1電極側に移動するように、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、例えば黒色を有する電気泳動粒子によって例えば白色を有する反射板を覆うことができる。よって、表示領域において、第1電極毎に(言い換えれば、画素毎に)、電気泳動粒子が有する色(例えば黒色)を表示することができる。また、例えば黒色を有する電気泳動粒子が第2電極側に移動するように、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、例えば黒色を有する電気泳動粒子を互いに隣り合う土台部間の隙間に収容し、例えば白色を有する反射板を露出させることができる。よって、表示領域において、第1電極毎に(言い換えれば、画素毎に)、反射板が有する色(例えば白色)を表示することができる。
【0011】
本発明によれば、第1及び第2電極がいずれも第1基板上に設けられているので、第1及び第2電極間に印加する電圧を比較的小さくすることができる。
【0012】
更に、本発明によれば、分散液に例えば黒粒子(即ち、黒色を有する電気泳動粒子)等の1種類の電気泳動粒子のみが分散しているので、例えば分散液に例えば黒粒子及び白粒子が分散している場合と比較して、分散液の電気泳動粒子の濃度を低くすることができ、分散液中を電気泳動粒子が移動する移動速度(言い換えれば、印加される電圧に対する電気泳動粒子の応答速度)を高めることができる。この結果、表示を切り替える表示速度を高めることができる。
【0013】
加えて、本発明によれば、例えば、白色を有するように反射板を構成することで、表示領域において白色を確実に表示することができる。ここで、互いに隣り合う土台部間の隙間に例えば黒色を有する電気泳動粒子が収容されていても、白色を有する反射板は光を多方向に散乱することができるので、電気泳動粒子の色による表示への悪影響(例えば明るさやコントラストの低下など)は殆ど或いは実践上は全くない。
【0014】
以上説明したように、本発明の電気泳動表示装置によれば、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0015】
本発明の電気泳動表示装置の一態様では、前記複数の第1及び第2電極に対して、前記第1基板の一辺側から順に、前記一辺に沿って配列された前記第1及び第2電極毎に、前記第1電極側から前記第2電極側に前記電気泳動粒子が移動するように、前記第1及び第2電極間に電圧を印加するリフレッシュ駆動を行う駆動部を備える。
【0016】
この態様によれば、例えば、第1基板の一辺側に複数の電気泳動粒子が偏在した場合、駆動部によってリフレッシュ駆動が行われることにより、複数の電気泳動粒子の偏在を解消することができる。即ち、駆動部によるリフレッシュ駆動により、表示領域の全体に複数の電気泳動粒子を均一に配置することができる。
【0017】
本発明の電気泳動表示装置の他の態様では、前記第1電極は、前記土台部の上面に沿うように設けられた本体部と、前記本体部から前記土台部の側面に沿って前記第1基板へ向かって延びるように設けられた側面部とを有し、前記反射板は、前記本体部上に設けられている。
【0018】
この態様によれば、電気泳動粒子が第2電極側に移動するように、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることにより隙間に収容された電気泳動粒子と、反射板の上面との距離を、側面部が土台部の側面に沿って延びる長さ以上に大きくすることができる。よって、反射板の色を表示すべき場合において、電気泳動粒子の色が視認されてしまうのを低減或いは防止できる。尚、電気泳動粒子が第2電極側に移動するように、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されると、第1電極の側面部と電気泳動粒子との間に斥力が働くので、この斥力により電気泳動粒子が反射板側(言い換えれば、第1電極の本体部側)に移動するのを低減或いは防止できる。
【0019】
本発明の電気泳動表示装置の他の態様では、前記反射板は、前記第1電極上に設けられ、前記反射板上に透明材料からなる調整膜を備える。
【0020】
この態様によれば、電気泳動粒子が第2電極側に移動するように第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、電気泳動粒子を隙間に確実に収容することができる。即ち、この態様では、仮に反射板上に調整膜が設けられていない場合と比較して、隙間の深さが調整膜の膜厚の分だけ大きくなっているので、隙間に収容されるべき電気泳動粒子が第1基板上で平面的に見て反射板に重なる位置に移動することを低減或いは防止できる。よって、反射板の色を表示すべき場合において、電気泳動粒子の色が視認されてしまうのを低減或いは防止できる。
【0021】
本発明の電気泳動表示装置の他の態様では、前記第1電極に対応する前記隙間の体積よりも、前記第1電極に対応する前記電気泳動粒子の総体積が小さい。
【0022】
この態様によれば、電気泳動粒子が第2電極側に移動するように第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、電気泳動粒子を隙間に確実に収容することができる。
【0023】
本発明の電気泳動表示装置の他の態様では、前記第1及び第2基板間に設けられ、前記表示領域を複数の領域に区画する隔壁を備え、前記複数の領域の各々には、前記第1電極が複数含まれている。
【0024】
この態様によれば、第1及び第2基板間に隔壁が設けられているので、例えば第1基板側或いは第2基板側から加わる圧力に対する強度を高めることができる。ここで特に、隔壁によって区画された複数の領域の各々には、第1電極が複数含まれている。よって、例えば、仮に、隔壁が各画素の周囲を取り囲むように設けられる場合と比較して、表示領域において隔壁が配置される領域(言い換えれば、表示に寄与しない領域)が小さいので、明るく、高コントラストな表示を行うことが可能となる。
【0025】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明の電気泳動表示装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
【0026】
本発明の電子機器は、前述した本発明の電気泳動表示装置を備えるので、高品位な表示を行うことが可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
【0027】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を概略的に示す平面図である。
【図2】図1のII−II’線での断面図である。
【図3】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の複数の土台部及びスリットの構成を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示電極及びスリット電極の構成を示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示原理を説明するための図(その1)である。
【図7】第1実施形態に係る電気泳動表示装置の表示原理を説明するための図(その2)である。
【図8】複数の黒粒子が回路基板の一辺側に偏在した場合の表示領域の表示状態の一例を模式的に示す平面図である。
【図9】第1実施形態に係るリフレッシュ駆動を説明するための概念図である。
【図10】第2実施形態に係る電気泳動表示装置の画素の構示を示す断面図である。
【図11】第3実施形態に係る電気泳動表示装置の画素の構成を示す断面図である。
【図12】第4実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す断面図である。
【図13】電気泳動表示装置を適用した電子機器の一例たる電子ペーパーの構成を示す斜視図である。
【図14】電気泳動表示装置を適用した適用した電子機器の一例たる電子ノートの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0030】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図9を参照して説明する。
【0031】
先ず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1から図4を参照して説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を概略的に示す平面図である。図2は、図1のII−II’線での断面図であり、本実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を概略的に示している。
【0033】
図1及び図2において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、互いに対向するように配置された回路基板10及び対向基板20と、回路基板10及び対向基板20間の表示領域10aに設けられた分散液60と、回路基板10及び対向基板20間に表示領域10aを囲むように設けられた封止部材70とを備えている。尚、回路基板10は本発明に係る「第1基板」の一例であり、対向基板20は本発明に係る「第2基板」の一例である。
【0034】
回路基板10は、例えば樹脂基板、ガラス基板等からなる平板状の基板上に後述する表示電極12及びスリット電極19を駆動するための各種回路素子が作り込まれた基板である。
【0035】
対向基板20は、例えば樹脂基板、ガラス基板等からなる平板状の基板である。
【0036】
分散液60は、複数の黒粒子61が分散媒62中に分散されてなる電気泳動分散液である。
【0037】
黒粒子61は、本発明に係る「電気泳動粒子」の一例としての黒色の電気泳動粒子であり、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料を含んでなる。黒粒子61は、例えば正に帯電した状態で分散媒62中に分散されている。
【0038】
分散媒62は、黒粒子61を分散させる媒質である。分散媒62としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒には、界面活性剤が配合されてもよい。
【0039】
封止部材70は、例えばエポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂からなる。封止部材70は、図1に示すように、回路基板10及び対向基板20間に表示領域10aを囲むように設けられている。封止部材70は、分散液60が回路基板10及び対向基板20間から漏れ出ないように、回路基板10及び対向基板20間を封止する機能を有する。また、封止部材70は、外部から分散液60に水分が侵入することを抑制する機能も有する。また、封止部材70は、回路基板10及び対向基板20を互いに貼り合わせる機能も有する。尚、封止部材70を構成する樹脂中に、シリカ、アルミナ等の無機微粒子が分散されていてもよい。この場合には、外部から封止部材70を介して分散液60に水分が侵入することをより確実に抑制することができる。
【0040】
図3は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の複数の土台部及びスリットの構成を示す斜視図である。
【0041】
図2及び図3に示すように、回路基板10上の表示領域10aには、複数の土台部11が互いにスリット90を隔てて設けられている。複数の土台部11の各々は、絶縁材料から形成されており、概ね直方体の形状を有している。複数の土台部11は、表示領域10aにおいてマトリクス状に配列されている。言い換えれば、複数の土台部11は、表示領域10aにマトリクス状に配列された複数の画素20aの各々に1つずつ設けられている。スリット90は、マトリクス状に配列された複数の土台部11間に形成された隙間であり、回路基板10上で平面的に見て、格子状の平面形状を有している。尚、例えば、スリット90の幅は約5umであり、スリット90の深さは約15umである。
【0042】
図2に示すように、複数の土台部11の各々の上面11uには、表示電極12及び白反射板13が設けられており、スリット90の底面90sには、スリット電極19が設けられている。
【0043】
表示電極12は、本発明に係る「第1電極」の一例であり、例えばアルミニウム(Al)等の導電材料からなる。表示電極12は、土台部11の上面11uに概ね重なるように形成されている。表示電極12は、矩形状の平面形状を有している。表示電極12は、土台部11に形成されたスルーホール(図示省略)を介して回路基板10に形成された回路素子(具体的には、図5を参照して後述するトランジスタ72)と電気的に接続されている。
【0044】
白反射板13は、本発明に係る「反射板」の一例であり、例えば白色の顔料(例えばチタニア)が分散された樹脂等からなる白色の反射板である。白反射板13は、表示電極12上に設けられており、表示電極12に重なるように形成されている。白反射板13は、表示電極12と同様に、矩形状の平面形状を有している。
【0045】
図4は、表示電極12及びスリット電極19の構成を示す平面図である。
【0046】
図2及び図4において、スリット電極19は、本発明に係る「第2電極」の一例であり、例えばアルミニウム等の導電材料からなる。
【0047】
スリット電極19は、画素20a毎に、表示電極12に対応して設けられている。即ち、表示領域10aを構成する複数の画素20aの各々に、表示電極12及びスリット電極19が一対の電極として設けられている。スリット電極19は、対応する表示電極12が設けられた土台部11に隣接するスリット90の一部に設けられている。スリット電極19は、回路基板10上で平面的に見て矩形状を有する表示電極12の互いに隣接する2辺に沿うように形成されており、概ねL字状の平面形状を有している。尚、スリット電極19は、互いに分断された複数の電極部分から構成されてもよい。
【0048】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の電気的な構成について、図5を参照して説明する。
【0049】
図5は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0050】
図5において、電気泳動表示装置1は、コントローラ110、走査線駆動回路120及びデータ線駆動回路130を備えている。尚、コントローラ110、走査線駆動回路120及びデータ線駆動回路130は、本発明に係る「駆動部」の一例を構成する。コントローラ110、走査線駆動回路120及びデータ線駆動回路130は、回路基板10における表示領域10aの周辺に設けられている。回路基板10上の表示領域10aには、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本の第1データ線51(X1a、X2a、…、Xna)及びn本の第2データ線52(X1b、X2b、…、Xnb)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本の第1データ線51及びn本の第2データ線52は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本の第1データ線51及び第2データ線52との交差に対応して画素20aが配置されている。
【0051】
コントローラ110は、走査線駆動回路120及びデータ線駆動回路130の動作を制御する。具体的には、コントローラ10は、例えばクロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給したり、表示電極12に供給すべき画像信号を供給したりする。
【0052】
走査線駆動回路120は、コントローラ110から供給されるタイミング信号に基づいて、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
【0053】
データ線駆動回路130は、コントローラ110から供給されるタイミング信号に基づいて、第1データ線X1a、X2a、…、Xnaに画像信号を供給する。画像信号は、高電位レベル(以下「ハイレベル」という。例えば5V)又は低電位レベル(以下「ローレベル」という。例えば0V)の2値的なレベルをとる。データ線駆動回路130は更に、コントローラ110から供給されるタイミング信号に基づいて、第2データ線X1b、X2b、…、Xnbに反転画像信号を供給する。反転画像信号は、画像信号の2値的なレベルを反転させた信号であり、例えば画像信号がハイレベルの場合は、反転画像信号はローレベルであり、画像信号がローレベルの場合は、反転画像信号はハイレベルである。即ち、反転画像信号もハイレベル又はローレベルの2値的なレベルをとる。例えば、画像信号が、ハイレベルとして15ボルトの電位をとり、ローレベルとして0ボルトの電位をとる場合には、反転画像信号は、7.5ボルトを基準電位として極性を反転させた信号である。
【0054】
画素20aには、前述した表示電極12及びスリット電極19、並びにトランジスタ72及び79が設けられている。トランジスタ72は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースが第1データ線51に電気的に接続されており、そのドレインが表示電極12に電気的に接続されている。トランジスタ79は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースが第2データ線52に電気的に接続されており、そのドレインがスリット電極19に電気的に接続されている。電気泳動表示装置1の動作時には、走査線駆動回路120から走査線40に走査信号が供給されることによりトランジスタ72及び79がオン状態となることで、表示電極12と第1データ線51とが互いに電気的に接続されると共にスリット電極19と第2データ線52とが互いに電気的に接続される。これにより、表示電極12に第1データ線51から画像信号が供給されると共にスリット電極19に第2データ線52から反転画像信号が供給される。
【0055】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示原理について、図6及び図7を参照して説明する。
【0056】
図6は、電気泳動表示装置1が各画素20aにおいて白色を表示する際の表示電極12及びスリット電極19の各々の電位、及び黒粒子61の配置を模式的に示す断面図である。図7は、電気泳動表示装置1が各画素20aにおいて黒色を表示する際の表示電極12及びスリット電極19の各々の電位、及び黒粒子61の配置を模式的に示している。
【0057】
図6に示すように、表示電極12にハイレベル(H)の画像信号が供給されると共にスリット電極19にローレベル(L)の反転画像信号が供給されると、正に帯電している複数の黒粒子61は、表示電極12とスリット電極19との間の電界による電気力(ク―ロン力)によって、スリット電極19側に移動し、スリット90に収容される。よって、回路基板10(図1及び2参照)上で平面的に見て白反射板13に重なる黒粒子61が殆ど或いは全く存在しないこととなり、白反射板13によって光を確実に反射することができる。従って、各画素20aにおいて白色を表示することが可能となる。
【0058】
他方、図7に示すように、表示電極12にローレベル(L)の画像信号が供給されると共にスリット電極19にハイレベル(H)の反転画像信号が供給されると、正に帯電している複数の黒粒子61は、表示電極12とスリット電極19との間の電界による電気力によって、表示電極12側に移動し、表示電極12上の白反射板13を覆うように配置される。よって、各画素20aにおいて複数の黒粒子61が有する黒色を表示することが可能となる。
【0059】
本実施形態によれば、図2を参照して前述したように表示電極12及びスリット電極19がいずれも回路基板10上に設けられているので(より具体的には、回路基板10上の画素20aに表示電極12及びスリット電極19が近接して設けられているので)、表示電極12及びスリット電極19間に印加される電圧が比較的小さくても黒粒子61を表示電極12及びスリット電極19間で移動させることができる。よって、表示電極12及びスリット電極19間に印加する電圧を比較的小さくすることができる。
【0060】
更に、本実施形態によれば、分散液60に黒粒子61という1種類の電気泳動粒子のみが分散しているので、例えば分散液60に黒粒子及び白粒子が分散している場合と比較して、分散液60の粒子濃度を低くすることができ、分散液60中を黒粒子61が移動する移動速度(言い換えれば、表示電極12及びスリット電極19間に印加される電圧に対する黒粒子61の応答速度)を高めることができる。この結果、表示を切り替える表示速度を高めることができる。
【0061】
加えて、本実施形態によれば、白反射板13により光を反射することにより、白色を表示するので、表示領域10aにおいて白色を確実に表示することができる。ここで、互いに隣り合う土台部11間のスリット90に黒粒子61が収容されていても、白反射板13は光を多方向に散乱することができるので、黒粒子61の色(即ち、黒色)による表示への悪影響(例えば明るさやコントラストの低下など)は殆ど或いは実践上は全くない。
【0062】
本実施形態では特に、各表示電極12に対応する(言い換えれば、画素20a毎の)スリット90の体積よりも、各表示電極12に対応する(言い換えれば、画素20a毎の)黒粒子61の総体積が小さくなるように、スリット90の幅や深さなどが調整されている。よって、各画素20aにおいて白色を表示する際、スリット90に複数の黒粒子61を収容しきれなくなる事態を回避できる、即ち、スリット90に複数の黒粒子61を確実に収容することができる。
【0063】
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置1に特徴的なリフレッシュ駆動について、図8及び図9を参照して説明する。
【0064】
図8は、複数の黒粒子61が回路基板10の一辺S1側に偏在した場合の表示領域10aの表示状態の一例を模式的に示す平面図である。
【0065】
図8に示すように、例えば、電気泳動表示装置1が、回路基板10の一辺S1側が下方になるように配置された状態で維持されると、複数の黒粒子61に働く重力によって、複数の黒粒子61が一辺S1側に移動し、表示領域10aにおける一辺S1側に偏在する場合が生じ得る。このような複数の黒粒子61の表示領域10aにおける偏在は、表示斑として視認されてしまう。
【0066】
そこで、本実施形態では、このような複数の黒粒子61の偏在を解消するために、以下のようなリフレッシュ駆動が行われる。
【0067】
図9は、本実施形態に係るリフレッシュ駆動を説明するための概念図であり、リフレッシュ駆動時に表示電極12及びスリット電極19に供給される電位の一例を示している。
【0068】
図9において、リフレッシュ駆動では、複数の画素20aの各々の表示電極12及びスリット電極19に対して、回路基板10の一辺S1側から順に、この一辺S1に沿って配列された画素20a毎に、表示電極12側からスリット電極19側に黒粒子61が移動するように、表示電極12及びスリット電極19間に電圧を印加する。
【0069】
具体的には、リフレッシュ駆動では、先ず、第m行の画素20a(即ち、走査線Ym(図5参照)に沿って配列された画素20a)の表示電極12にハイレベル(H)の電位を供給すると共にスリット電極19にローレベル(L)の電位を供給し、その他の画素20a(即ち、第1行から第m−1行までの画素20a)の表示電極12にローレベル(L)の電位を供給すると共にスリット電極19にハイレベル(H)の電位を供給する。これにより、第m行の画素20aのスリット90に複数の黒粒子61が収容される。次に、第m行及び第m−1行の画素20a(即ち、走査線Ym及びYm−1の各々に沿って配列された画素20a)の表示電極12にハイレベル(H)の電位を供給すると共にスリット電極19にローレベル(L)の電位を供給し、その他の画素20a(即ち、第1列から第m−2列までの画素20a)の表示電極12にローレベル(L)の電位を供給すると共にスリット電極19にハイレベル(H)の電位を供給する。これにより、第m行に加えて第m−1行の画素20aのスリット90に複数の黒粒子61が収容される。以降同様に、表示電極12にハイレベル(H)の電位を供給すると共にスリット電極19にローレベル(L)の電位を供給する画素20aの行を一辺S1側から順に1行ずつ増やし、表示電極12にローレベル(L)の電位を供給すると共にスリット電極19にハイレベル(H)の電位を供給する画素20aの行を順に1行ずつ減らして、最終的には、全ての画素20aの表示電極12にハイレベル(H)の電位を供給すると共にスリット電極19にローレベル(L)の電位を供給する。尚、リフレッシュ駆動は、コントローラ110が走査線駆動回路120及データ線駆動回路130を制御することにより行われる。
【0070】
このようなリフレッシュ駆動により、表示領域10aにおける一辺S1側に偏在していた複数の黒粒子61は、先ず、回路基板10の一辺S1に近い第m行の画素20aに設けられているスリット90に収容され、その後、第m−1列の画素20aに設けられているスリット90、第m−2列の画素20aに設けられているスリット90、…、第1行の画素20aに設けられているスリット90の順に収容される。即ち、リフレッシュ駆動により、表示領域10aにおける一辺S1側に偏在していた複数の黒粒子61は、表示領域10aにおける一辺S1に近い側(即ち、下方)から遠い側(即ち、上方)へ向かって順番にスリット90に収容される。よって、表示領域10aにおける複数の黒粒子61の偏在を解消することができる。つまり、表示領域10aの全体に複数の黒粒子61を均一に配置することができる。従って、表示斑を殆ど或いは完全に無くすことができる。この結果、表示品位を高めることができる。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置1によれば、高品位な表示を行うことが可能となる。
【0072】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る電気泳動表示装置について、図10を参照して説明する。
【0073】
図10は、第2実施形態に係る電気泳動表示装置の画素の構成を示す断面図である。尚、図10において、図1から図9に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0074】
図10において、第2実施形態に係る電気泳動表示装置は、第1実施形態における土台部11及び表示電極12にそれぞれ代えて、土台部11b及び表示電極12bを備える点で、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と概ね同様に構成されている。
【0075】
図10に示すように、土台部11bは、当該土台部11bのスリット90側の一部が切り欠かれた切欠部111を有している。切欠部111は、土台部11bの上面11buから回路基板10(図2参照)側に向かって長さD1だけ切り欠かれている。表示電極12bは、土台部11bの上面11buに沿うように設けられた本体部12b1と、土台部11bの切欠部111における側面111sに沿うように設けられた側面部12b2とを有している。白反射板13は、表示電極12bの本体部12b1上に設けられている。尚、図10には、表示電極12bにハイレベル(H)の画像信号が供給され、スリット電極19にローレベル(L)の反転画像信号が供給されることにより、スリット90に複数の黒粒子61が収容された状態が示されている。
【0076】
このように構成された第2実施態様に係る電気泳動表示装置によれば、スリット90に収容された黒粒子61と、白反射板13の上面13uとの距離を、表示電極12bの側面部12b2が土台部11bの側面111sに沿って延びる長さD1以上に大きくすることができる。よって、白色(即ち、白反射板13の色)を表示すべき場合において、黒粒子61の色(即ち、黒色)が視認されてしまうのを低減或いは防止できる。ここで、例えば、ハイレベル(H)の画像信号が供給された表示電極12bの側面部12b2と、スリット90に収容された黒粒子61(即ち、正に帯電した黒色の電気泳動粒子)との間に斥力が働くので、この斥力により、黒粒子61が白反射板13側(言い換えれば、表示電極12bの本体部12b1側)に移動するのを低減或いは防止できる。
【0077】
この結果、第2実施形態に係る電気泳動表示装置によれば、より高品位な表示を行うことが可能となる。
【0078】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る電気泳動表示装置について、図11を参照して説明する。
【0079】
図11は、第3実施形態に係る電気泳動表示装置の画素の構成を示す断面図である。尚、図11において、図1から図9に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0080】
図11において、第3実施形態に係る電気泳動表示装置は、調整膜14を更に備える点で、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と概ね同様に構成されている。
【0081】
図11に示すように、調整膜14は、白反射板13上に設けられている。調整膜14は、白反射板13の全体に重なるように、透明な樹脂等の透明材料から形成されており、所定の膜厚T1を有している。よって、例えば仮に白反射板13上に調整膜14が設けられていない場合と比較して、スリット90の深さが調整膜14の膜厚T1の分だけ大きくなっているので(言い換えれば、土台部11の上面11uと、土台部11上に積層された積層構造の最上面との距離が、調整膜14の膜厚T1の分だけ大きくなっているので)、スリット90に収容されるべき黒粒子61が、回路基板10上で平面的に見て白反射板13に重なる位置に移動することを低減或いは防止できる。よって、白色(即ち、白反射板14の色)を表示すべき場合において、黒粒子の色(即ち、黒色)が視認されてしまうのを低減或いは防止できる。
【0082】
この結果、第3実施形態に係る電気泳動表示装置によれば、より高品位な表示を行うことが可能となる。
【0083】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る電気泳動表示装置について、図12を参照して説明する。
【0084】
図12は、第4実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す断面図である。尚、図12において、図1から図9に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0085】
図12において、第4実施形態に係る電気泳動表示装置は、隔壁80を更に備える点で、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る電気泳動表示装置1と概ね同様に構成されている。
【0086】
図12に示すように、隔壁80は、表示領域10aを複数の領域80aに区画するように、回路基板10及び対向基板20間に設けられている。隔壁80は、例えば、格子状の平面形状を有している。
【0087】
本実施形態によれば、回路基板10及び対向基板20間に隔壁80が設けられているので、例えば回路基板10側或いは対向基板20側から加わる圧力に対する強度を高めることができる。
【0088】
ここで本実施形態では特に、隔壁80によって区画された複数の領域80aの各々には、表示電極12が複数含まれている(言い換えれば、画素20aが複数含まれている)。よって、例えば、仮に、隔壁80が各画素20aの周囲を取り囲むように設けられる場合と比較して、表示領域10aにおいて隔壁80が配置される領域(言い換えれば、表示に寄与しない領域)が小さいので、明るく、高コントラストな表示を行うことが可能となる。
【0089】
<電子機器>
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図13及び図14を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
【0090】
図13は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
【0091】
図13に示すように、電子ペーパー1400は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
【0092】
図14は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
【0093】
図14に示すように、電子ノート1500は、図13で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0094】
前述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、前述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。
【0095】
本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気泳動表示装置及び該電気泳動表示装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0096】
10…回路基板、10a…表示領域、11…土台部、13…白反射板、14…調整膜、20…対向基板、20a…画素、12、12b…表示電極、12b1…本体部、12b2…側面部、19…スリット電極、60…分散液、61…黒粒子、62…分散媒、70…封止部材、80…隔壁、90…スリット、110…コントローラ、120…走査線駆動回路、130…データ線駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するように配置された第1及び第2基板と、
前記第1基板上の表示領域に、互いに隙間を隔てて設けられた複数の土台部と、
前記複数の土台部の上面に夫々設けられた複数の反射板と、
前記第1基板上で平面的に見て、前記複数の反射板に重なるように設けられた複数の第1電極と、
前記第1基板上の前記隙間に、前記複数の第1電極に対応して設けられた複数の第2電極と、
前記第1及び第2基板間に前記表示領域を囲むように設けられた封止部材と、
前記第1及び第2基板間の前記表示領域に設けられ、前記反射板とは異なる色を有する電気泳動粒子が分散媒に分散してなる分散液と
を備えることを特徴とする電気泳動表示装置。
【請求項2】
前記複数の第1及び第2電極に対して、前記第1基板の一辺側から順に、前記一辺に沿って配列された前記第1及び第2電極毎に、前記第1電極側から前記第2電極側に前記電気泳動粒子が移動するように、前記第1及び第2電極間に電圧を印加するリフレッシュ駆動を行う駆動部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
前記第1電極は、
前記土台部の上面に沿うように設けられた本体部と、
前記本体部から前記土台部の側面に沿って前記第1基板へ向かって延びるように設けられた側面部と
を有し、
前記反射板は、前記本体部上に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項4】
前記反射板は、前記第1電極上に設けられ、
前記反射板上に透明材料からなる調整膜を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記第1電極に対応する前記隙間の体積よりも、前記第1電極に対応する前記電気泳動粒子の総体積が小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項6】
前記第1及び第2基板間に設けられ、前記表示領域を複数の領域に区画する隔壁を備え、
前記複数の領域の各々には、前記第1電極が複数含まれている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−98681(P2012−98681A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248727(P2010−248727)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】