説明

電気活性メガネ及び関連する電子機器

本発明の態様は、フレームタイプ、サイズまたはスタイルにかかわらず、電気活性レンズの動作を制御しかつ同期させる電子機器を提供する。制御電子機器は、フレーム内に位置付けられた1以上の電子モジュール内に収容され、取り外し可能かつ再度プログラム可能であり、誘導充電領域を有する。
電子モジュール間及び/または電気活性メガネの左右側間の導電リンクは、フレームの左側及び右側の上側及び下側リム部分、ブリッジ、電気活性レンズの導電層、電気活性レンズの上側及び下側溝部、並びに/または、フレームの任意の部分埋め込まれたワイヤを有する。本発明の態様は、同様に、本発明の電気活性メガネを誘導充電する調整可能な誘導充電クレードルを用いて任意のサイズ、形状またはスタイルの電気活性メガネを再充電する充電器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、以下の仮特許出願、2009年1月9日に出願した米国特許出願第61/143459号、2009年2月12日に出願した米国特許出願第61/152140号、2009年3月5日に出願した米国特許出願第61/157579号、2009年3月5日に出願した米国特許出願第61/157580号、2009年4月17日に出願した米国特許出願第61/170222号、2009年9月15日に出願した米国特許出願第61/242406号、及び2009年10月19日に出願した米国特許出願第61/252770号の優先権を主張し、かつこれら全体を参照として組み込む。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、全体的に、電気活性メガネに関する。より具体的には、本発明は、任意のフレームタイプ、スタイルまたはサイズに適合する電気活性レンズを動作させかつ同期させる電子機器及び関連する充電デバイスを提供する。
【背景技術】
【0003】
電気活性レンズは、一般的に、電力の印加及び除去によって電気活性材料(例えば液晶材料)の屈折率を変更することで、調整可能な屈折力の領域を提供する。従来の電気活性レンズ及びメガネは、(a)電気活性レンズの動作を制御しかつ同期させるための、(b)制御電子機器と電気活性レンズとの間に導電性をもたらすための、及び(c)電気活性レンズを再充電するための、美的に許容可能なかつ特有の機構を提供しない。さらに、これら問題に取り組む従来のデバイス及び教示は、一般的に、任意のフレームサイズ、タイプまたはスタイルに適合しないという点で制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、美的に許容可能なかつ容易に実行可能な方法で任意のタイプのフレームに収容される電気活性レンズの動作を制御する及び同期させる電子機器が必要である。さらに、任意のフレームサイズ、形状またはスタイルの電気活性レンズを再充電する充電器デバイスも必要である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の一態様における電気活性メガネを示す図である。
【図2】図1に示す電気活性メガネを示す側面図である。
【図3】本発明の一態様における電気活性メガネの電気部品の例示的な構成を示す図である。
【図4】本発明の一態様における図3に示すバッテリと電子モジュールとの間における電気的接続性の例示的な構造を示す図である。
【図5】本発明の一態様における電子モジュールを示す図である。
【図6】本発明の一態様における電気活性レンズを示す図である。
【図7】本発明の一態様におけるフレームの一部を示す図である。
【図8】本発明の一態様における図7に示すフレームを示す分解図である。
【図9】本発明の一態様における電気活性メガネの一部を示す図である。
【図10】本発明の一態様における電気活性メガネを示す正面図である。
【図11】本発明の一態様における電気活性メガネの右側テンプルの一部を示す図である。
【図12】本発明の一態様における電気活性メガネの右側テンプルの一部を示す図である。
【図13】本発明の一態様における電気活性メガネを示すブロックダイアグラムである。
【図14】本発明の一態様におけるスリムライン充電器を示す図である。
【図15】本発明の一態様における図14に示すスリムライン充電器を示す側面図である。
【図16】本発明の一態様における図14及び図15に示す閉じた位置にあるスリムライン充電器を示す図である。
【図17】本発明の一態様における電気活性フレームを示す図である。
【図18】本発明の一態様における電気活性メガネを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の態様は、電気活性レンズの動作を制御しかつ同期させる電子機器を提供する。制御電子機器は、さまざまなフレームタイプ、サイズ及びスタイルに位置付けられ、効果的なユーザとの相互作用を可能とする。制御電子機器またはその一部は、電子モジュール内に収容されている。電子モジュールは、フレームテンプル内に位置付けられ、取り外し可能かつプログラム変更可能であり、誘導充電領域を有する。本発明における電気活性メガネは、1以上の電子モジュールを使用する。単一の電子モジュールを使用する場合、電子モジュールは、ほぼ同時に各電気活性レンズを作動させかつ作動停止させる。そして、2つの電子モジュールを使用する場合、第1電子モジュールは、第2電子モジュールの動作を同期させ、電気活性レンズ双方の協調した動作を確実にする。
【0007】
本発明の態様は、1以上の電子モジュール間及び/または電気活性メガネの左側部分と右側部分との間に接続性を提供する。接続性は、フレームタイプに応じて変化する。本発明の態様によれば、電気活性レンズを支持するフレームの左側及び右側並びに上側及び下側のリム部分、ブリッジ、電気活性レンズの導電層、電気活性レンズの上側及び下側溝部、ワイヤ、もしくは、フレームの任意の部分に組み込まれた他の導電リンク、及び/または、無線接続部を用いて、電気活性メガネが1以上の導電リンクを有することを可能とする。
【0008】
本発明の態様は、任意のサイズ、形状またはスタイルの電気活性メガネの電源を再充電する充電器を提供する。本発明のスリムライン充電器は、ベース及びアームを有し、本発明の電気活性メガネを支持する。スリムライン充電器は、1以上の調整可能な誘導充電クレードルを有し、本発明における電気活性メガネの電源(例えば1以上のバッテリ)を誘導充電する。
【0009】
図1は、本発明の一態様における電気活性メガネまたはメガネを示す。図1に示す電気活性メガネ100は、左側及び右側テンプルとフレームフロント(フレームフロントは、当業者が理解するように、左側及び右側のレンズ縁またはリムを備える)を備えるフルリム型メガネである。本発明における電気活性メガネ及びフレームは、フルリム型、部分リム型、縁ナシ型であってもよい。電気活性メガネ100は、フレーム102、第1電気活性レンズ104及び第2電気活性レンズ106を有する。フレーム102は、左側及び右側テンプル部分と、ブリッジと、電気活性レンズ104及び106を支持するリム部分(例えば上側及び/または下側リム部分)と、を有する。第1及び第2電気活性レンズ104及び106は、それぞれ、「電気活性回折レンズ及びこれを形成する方法」と題された2009年3月23日に出願した米国特許出願第12/408973号(以降’973号出願)において説明されるような電気活性レンズであり、これは、そのすべてが参照として本明細書に組み込まれる。一般的に、第1及び第2電気活性レンズ104及び106は、それぞれが電力の印加によって提供される屈折力の変更、変化及び調整が可能な任意のレンズである。
【0010】
右側テンプル部分は、第1電気活性レンズ104に隣接して位置する第1テンプル部分とされる。左側テンプル部分は、第2電気活性レンズ106に隣接して位置する第2テンプル部分とされる。ブリッジは、第1及び第2電気活性レンズ104及び106を接続する、連結するまたは支持するフレームの一部または電気活性メガネ100の別個の部分とされる。
【0011】
電気活性メガネ100は、第1及び第2電気活性レンズ104及び図106に給電する1以上の電源を有する。例として、各電源は、1以上のバッテリ(例えば従来の再充電可能なバッテリ及び/または太陽電池)を有する。電気活性メガネ100は、同様に、電気活性レンズ104及び106の動作を支配する電子機器を有する。電子機器は、1以上の制御ユニット(例えば各電気的活性レンズに一致する制御ユニット)を備え、電気活性レンズ104及び106をいつ作動するか及びいつ作動解除するかを決定する。電気活性メガネ100の1以上の電源及び電子機器は、フレーム102の任意の部分内に収容されるまたは入っている。電気活性メガネ100の1以上の電源及び1以上の制御ユニットは、フレーム102内またはフレーム102にわたって任意の態様でグループ化され、分布され、または分散されている。
【0012】
本発明の一態様によれば、電気活性メガネ100の1以上の電源及び1以上の制御ユニットは、さまざまなフレームタイプ及びスタイルに適合する態様で配置されている。具体的には、本発明の一態様によれば、電気活性メガネ100の1以上の電源及び1以上の制御ユニットをフルリム型、部分リム型または縁ナシ型のフレームに適合する態様で配置することが可能である。
【0013】
本発明の一態様によれば、電気活性レンズ104及び106の動作は、同期されている。すなわち、フレーム102に収容されている1以上の制御ユニットは、電気活性レンズ104及び106の作動及び作動停止を調整しており、電気活性レンズ104及び106をほぼ同時に作動または作動停止させる。
【0014】
本発明の一態様において、フレーム102内に収容されている1以上の制御ユニットは、電気活性レンズ104及び106を自動的に動作させる(例えば作動及び作動停止させる)。例として、電気活性レンズ104及び106は、1以上の制御ユニットによって検出されるようにユーザの頭部を傾けると、作動または作動停止される。1以上の制御ユニットは、同様に、ユーザが電気活性レンズ104及び106と相互作用することが可能である。例として、ユーザは、電気活性レンズ104及び106を手動で作動または作動停止させ、電気活性レンズ104及び106の自動動作を無効にし、電気活性メガネ100を(電気活性レンズ104及び106を手動または自動で作動も作動停止もさせない)スタンバイモードにし、または、電気活性メガネ100の電源を落とす。
【0015】
電気活性メガネ100の電子機器は、プロセッサ、メモリ、電源(例えばバッテリ)及びジャイロスコープまたは加速度計を含む。上述のように、これら構成部材は、フレーム102のさまざまな部分にグループ化されまたは分配されている。例えば、これら構成部材のすべてまたは一部は、グループ化されて内蔵型の電子モジュールを形成する。電気活性メガネ100は、第1及び第2電気活性レンズ104及び106双方の同期した動作を支配する単一の電子モジュールを備える。あるいは、第1電気活性レンズ104の動作は、第1電子モジュールによって支配され、第2電気活性レンズ106の動作は、第2電子モジュールによって支配されている。この計画の下、第1及び第2電子モジュールは、1以上の導電ワイヤ(例えば、フレーム102の所定部分に埋め込まれている)またはフレーム102の1以上の導電部分(例えば導電金属層または非導電材料によって覆われた導電コア)、電気活性レンズ104及び106の1以上の導電層、光学リンクを用いて、及び/または無線通信リンクを介して通信している。第1及び第2電子モジュール間の通信は、第1及び第2電気活性レンズ104及び106の協調した動作を容易にする。
【0016】
図2は、図1に示す電気活性メガネ100を示す側面図である。図2に示すように、電気活性メガネ100は、電子モジュール(または制御ユニット)202を備える。上述のように、電子モジュール202は、さまざまな電子部品を有する。電子モジュール202は、フレーム102の前方テンプル近傍に位置付けられている。電子モジュール202は、フレーム102内に(例えばフレーム102の所定領域またはキャビティに)位置付けられており、取り外し可能かつ交換可能である。あるいは、電子モジュールは、フレーム102内に組み込まれてフレーム102の一部を形成する。電子モジュール202は、フレーム102のテンプルの外側部分に(装着者から離れて)位置し、または、フレーム102のテンプルの内側部分に(装着者に近接して)位置する。電子モジュール202は、フレーム102の左側テンプルまたは右側テンプルに(すなわちフレーム102の片方に)位置付けられている。電子モジュール202は、フレーム102のテンプル内に挿入されると、フレーム102の外側部分と同一平面となる。電気活性レンズ104を動作させるために使用される電子部品のすべてまたは一部は、電子モジュール202内に収容されている。
【0017】
電子モジュール202は、同様に、電気活性レンズ106の動作を制御する(または少なくとも同期動作を確実にする)。電子モジュール202と1以上の電気活性レンズ104及び106との間の電気的接続は、以下で詳述するように、フレーム102並びに/または電気活性レンズ104及び106を通って経路付けられている。本発明の一態様において、電子モジュール202と1以上の電気活性レンズ104及び106との間の接続性は、単一の導電ワイヤを用いて達成されている。
【0018】
本発明の一態様において、(例えば1以上の導電リンクまたはワイヤを備える)第1電気的接続部は、電気活性メガネ100の1以上の電源と1以上の電子モジュール202との間に接続性をもたらすために用いられ、(例えば1以上の導電リンクまたはワイヤを備える)第2電気的接続部は、1以上の電子モジュール202と1以上の電気活性レンズ(例えば電気活性レンズ104及び106)との間の接続性をもたらすために用いられる。 例えば、フレーム102内に位置付けられるバッテリは、同様にフレーム102内に位置付けられている電子モジュール202に、第1導電リンクを用いて結合されている。第2の、別個の(例えば第1導電リンクから電気的に絶縁された)導電リンクは、電子モジュール202を電気活性レンズ104及び106に結合するために用いられている。
【0019】
本発明の一態様において、(例えば1以上の電線を備える)同一の導電リンクは、当業者が理解するように、電気活性メガネ100の1以上の電源と、1以上の電子モジュール202と、電気活性レンズ104及び106と、を結合するために使用される。これにより、電源をフレーム102の片側に(例えば第1テンプルに)位置付け、電子モジュール202をフレーム102の他側に(例えば第2テンプルに)位置付けることが可能になる一方、同一の導電リンクを使用して電力を電子モジュール202にかつ電子モジュール202から制御信号を電気活性レンズ104及び106に同時に供給するために使用される。その結果、フレーム102内に位置付けられる複数の導電リンク(例えば埋込型ワイヤ)は、最小化される。
【0020】
図3は、電気活性メガネ100の電子部品の例示的な構成を示す。具体的には、図3は、電気活性メガネ100のフレーム102の端部近傍に位置するバッテリ302を示す。フレーム102の端部は、図示の目的のみのために除去されている。バッテリ302は、再充電可能なバッテリであり、電子モジュール202内に位置する電子部品に給電する。バッテリ302は、本発明における1以上の電子モジュールに給電する。
【0021】
図4は、図3に示すバッテリ302と電子モジュール202との間の電気的接続性の例示的な構成を示す。フレーム102の所定部分は、図示の目的のみのために除去されている。図4に示すように、導電ワイヤ402は、バッテリ302を電子モジュール202に結合する。導電ワイヤ402は、電気活性メガネ100のフレーム102内に位置付けられている(例えばフレーム102内に埋め込まれている)。
【0022】
図5は、本発明の一態様における電子モジュール202を示す。電子モジュール202は、電源(例えば再充電可能なバッテリまたは太陽電池)を含む1以上の電気活性レンズの動作を支配する電子部品のすべてまたは一部を収容する。図5に示すように、電子モジュール202は、ハウジング502と、第1接点504と、第2接点506と、を備える。ハウジング502は、例えばプロセッサ、メモリ、電源及び/またはジャイロスコープ/加速度計など電子モジュール202の電子部品を収容する。
【0023】
第1接点504は、ハウジング502と1以上の関連する電気活性レンズ(例えば第1電気活性レンズ104)の他の部分との間の電気的接続性をもたらす。第2接点506は、電子モジュール202のメモリへの電気的接点をもたらす。第2接点506は、例えば電子モジュール202を直接プログラムするまたは再度プログラムするために使用される。追加の接点(単純化のために図示略)または第1及び/もしくは第2接点504及び506は、同様に、遠隔にあるバッテリ(例えば図3及び図4に示すバッテリ302)へのまたは他の電子モジュールもしくは制御ユニットへの接続性をもたらす。別のまたは追加の接点(例えばアンテナ)は、電子モジュール202の無線プログラムすることを可能とする。
【0024】
一般的に、電子モジュール202は、フレーム102の任意の場所に(例えば電子モジュール202の挿入を許可するように設計された領域またはキャビティを有するフレーム102の任意の位置に)位置付けられている。電子モジュール202は、図2に示すように、幅広いさまざまなフレームタイプ及びスタイルの前方テンプル近傍に位置する。具体的には、電子モジュール202は、フルリム型、部分リム型または縁ナシ型のフレームの所定部分内に位置する。電子モジュール202は、取り外されて新たなモジュールと交換されるまたは再度プログラムされる。例として、電子モジュール202は、ユーザに関する第1動作モードまたは第1規定によって初期的にプログラムされている。その後、電子モジュール202は、取り外され、第2接点506を用いて、ユーザに関する第2動作モードまたは第2規定によって再度プログラムされる。
【0025】
第2接点506の代替として、電子モジュール202は、無線通信リンクを用いて再度プログラムされ、再度プログラムするために電子モジュール202をフレームから取り外す必要がない。再度プログラムすることは、関連する電気活性レンズを作動または作動停止させるための特定の頭部傾斜角を変更することを含む。
【0026】
電子モジュール202は、同様に、1以上の発光ダイオード(LED)を有するまたはLEDに結合されている。1以上のLEDは、本発明の電気活性メガネにおける動作状態または状況を表示し、この動作状態または状況は、限定されないが、メガネにおける電源の電力レベルを含む。
【0027】
電子モジュール202と遠隔通信デバイスとの間の無線通信リンクは、上述のように、電子モジュール202を再度プログラムする機構を提供するが、同様に、本発明の電気活性メガネの動作状況及び動作履歴の情報を収集する機構を提供する。再度プログラムすることの検証(例えば制御ファームウエアの更新の成功を検証すること)及び他のデータ収集は、このような通信リンクを用いて可能となる。
【0028】
電子モジュール202の1以上のLEDは、遠隔にあるデバイスとの通信を容易にするために使用される。例えば、1以上のLEDは、受信ステーションに光学的に結合されており、電子モジュール202の動作パラメータを読み出し、かつ再構築または再度プログラムすることを補助する(例えば更新されたファームウエアを検証すること)。
【0029】
また、本発明の電気活性メガネと遠隔にあるデバイスとの間の通信リンクは、それらの電気活性レンズを用いて構築される。例えば、本発明の電気活性レンズは、当業者が理解するように、レンズの「チラつき」を含むデータをコード化することによって信号を受信ステーションに伝送する。
【0030】
電子モジュール202は、任意の数の機構を収容しており、この機構によって、ユーザは、電子モジュール202と相互作用して本発明の電気活性メガネの動作を調整する。例えば、電子モジュール202は、スイッチまたはユーザが電子モジュール202と相互作用すること可能とするデバイスを有する。スイッチまたはデバイスは、押しボタンスイッチ、(例えば容量性検出パッドを備える)容量性スイッチ、トグルスイッチまたは他の手動スイッチである。スイッチまたはデバイスは、ユーザが関連する電気活性レンズを作動または作動停止させ、関連する電気活性レンズの自動的な動作を無効にするまたは開始させ、ユーザに関する動作モードまたは修正規定を選択する。容量性スイッチは、フレーム102内に位置すると露出するまたはアクセス可能である電子モジュール202の表面に位置する。あるいはまたはさらに、容量性検出パッドは、電子モジュール202に結合されたフレーム102内に配置されるまたは組み込まれる。
【0031】
電子モジュール202は、同様に、モード間を切り替える能力を有し、音声作動を介してまたは光検出に基づいて作動または作動停止する。例えば、ユーザは、音声命令または指示を出すまたは話すことによって、レンズを作動または作動停止させる、または別の方法で動作を調整する。さらに、電子モジュール202は、電子モジュール202が有する電子機器によって測定されまたは検出された光量に基づいて、作動もしくは作動停止されるまたは動作モードを変更する。例えば、比較的小さい光において、電子モジュール202は、自動的に作動停止され(またはスタンバイの、切替不能なモードに位置され)、比較的明るい光の状態のときに作動さる(またはスタンバイの切替不能なモードから切り替えられる)。最後に、電子モジュール202は、電子機器を有し、遠隔作動または動作モードの切り替えを可能とする。例えば、電子モジュール202は、遠隔無線作動または本発明の電気活性メガネから遠隔にある所定位置からの有線リンクによって接続されたスイッチによる作動を可能とする。遠隔操作は、身体に障害がある個人(例えば彼らの腕を移動させてフレームのテンプルに触れることが容易にはできない個人)にとって非常に便利である。
【0032】
上述した機構のすべては、本発明の電気活性メガネの動作を調整するためにユーザによって使用される。例えば、ユーザは、上記機構の1つを使用してレンズを動作の第1モードから第2モードに、または任意の数のさまざまな動作モード間で切り替える。例えば、第1動作モードは、動作のスタンバイモードである。動作のスタンバイモードにおいて、本発明の電気活性メガネは、切替不能状態に入る(電気活性レンズは、傾斜センサ、距離計または他の作動/作動停止検出デバイスから受信した検出信号に基づいて、自動で作動または作動停止せず、これには手動制御を含む)。
【0033】
第2動作モードは、電気活性メガネの作動モードである。動作の作動モードにおいて、本発明の電気活性メガネは、切替可能状態に入る(電気活性レンズは、傾斜センサ、距離計または手動制御を含む他の作動/作動停止検出デバイスから受信した検出信号に基づいて、自動で作動または作動停止される、または直接手動制御して作動または作動停止させることに反応する)。
【0034】
本発明における電気活性メガネは、同様に、追加の動作状態またはモードを有し、これら動作状態またはモードは、ユーザが使用し(上記機構の相互作用の1つを用いてこれらの間で切り替えるまたは移行させる)。例えば、本発明の電気活性メガネは、手動動作状態を有する。手動動作状態において、ユーザは、本発明の電気活性レンズを作動または作動停止するように手動で指示する。手動の指示は、上述のように、音声命令またはスイッチの接触もしくは切り替えによってもよい。
【0035】
別の動作モードは、オンモードである。オンモードまたはオン状態において、本発明の電気活性メガネは、本発明の電気活性レンズを作動状態に維持する。したがって、オフモードは、本発明の電気活性レンズを作動停止状態に維持する。
【0036】
電子モジュール202をプログラムまたは再度プログラムする能力は、本発明の電気活性メガネが特有のユーザに関してカスタマイズまたは再度カスタマイズできるようにする。本発明の電気活性メガネにおけるカスタマイズ可能な機能は、以下の、
本発明の1以上の電気活性レンズを作動させる頭部傾斜角度、
本発明の1以上の電気活性レンズを作動停止させる頭部傾斜角度、
ユーザが見る対象とユーザとの間の距離であって本発明の1以上の電気活性レンズを作動または作動停止させる距離、
動作モードの数(例えば、スタンバイモードまたは作動モードまたはオフモードのような動作モードの包含または排除)、
選択した動作モード間の切替方法(例えば、どの上記機構を使用するか選択し、ユーザが切替または状態の順序を含むモード間で切り替えることを可能とする)、
及び、ユーザ規定(例えば、本発明の電気活性レンズにおける電気活性領域によって供給される屈折力)、
のいずれか含む。
【0037】
本発明の電気活性メガネにおける任意のカスタマイズ可能な機能は、電子モジュール202に直接的に(例えばフラッシュプログラムまたは直接的な配線リンクを用いて)または間接的に(例えば赤外線リンクまたはRFリンクのような無線リンクを用いて)プログラムされている。
【0038】
電子モジュール202は、誘導充電領域を有する。すなわち、電子モジュール202は、電子モジュール202の電源(または電子モジュール202に結合された電源)を誘導充電デバイスによって再充電することができる電子機器を有する。誘導充電領域は、誘導充電コイルを有する。本発明の一態様によれば、誘導充電コイルは、遠隔通信デバイスと通信するアンテナとして機能する。遠隔通信デバイスと通信することにより、電子モジュール202を遠隔無線プログラムすることができる、または上述のように2以上の電子モジュール202間で通信することができる。一般的に、誘導充電領域は、これら目的を果たすように構成されている。
【0039】
電子モジュール202のジャイロスコープまたは加速度計は、ユーザの頭部の傾きに基づいて、関連する電気活性レンズの作動及び作動停止を容易にする。例えば、ジャイロスコープまたは加速度計は、ユーザの頭部が第1所定閾値角度より下方に傾くと関連する電気活性レンズを作動させ、ユーザの頭部が第2所定閾値より上方に傾くと関連する電気活性レンズを作動停止させる。さらに、ジャイロスコープまたは加速度計は、電子モジュール202を収容する電気活性メガネを上下反転して位置付けると、関連する電気活性レンズへの電力供給を切るまたは遮断する。例えば、ユーザは、比較的平坦面において電気活性メガネ100を単に配置することによって、電子モジュール202を収容する電気活性メガネ100への電力供給を切るまたは遮断する。あるいは、電気活性メガネ100を上下反転して位置付けることは、電気活性メガネ100をスタンバイモード(例えば、電気活性メガネ100が作動及び作動停止状態間で切り替えないが他の方法で作動される)に置く。
【0040】
電子モジュール202は、同様に、距離計を有するまたは代替的に有する。距離計は、本発明の電気活性メガネの装着者と装着者が見るまたは観察する対象との間の距離に基づいて、関連する電気活性レンズの作動及び作動停止を容易にする。
【0041】
図6は、本発明の一態様における電気活性レンズ600を示す。電気活性レンズ600は、電気活性レンズ104及び106の一方を示す。電気活性レンズ600は、図6の仕上たレンズとして示される。すなわち、電気活性レンズ600は、メガネフレームに嵌め込むために縁付け及び溝付けされている。
【0042】
図6に示すように、電気活性レンズ600は、第1基板(例えば頂部基板)602と、第2基板(例えば底部基板)605と、を備える。縁付け処理中において、(例えば第1及び第2基板602及び604の界面近傍にまたは界面間に)溝部606を形成する。溝部606は、従来のレンズと同様に、電気活性レンズ600をメガネフレームに位置付けて安定化させるために使用される。
【0043】
電気活性レンズ600は、第1電気リードまたはコネクタ608と、第2電気リードまたはコネクタ610と、を備える。第1及び第2電気リード608及び610は、電気活性レンズ600の電気活性領域に電力(例えば駆動信号または制御信号)を供給する。特に、第1及び第2電気リード608及び610は、電気活性レンズ600の電気活性領域を電源と関連するメガネフレーム内に収容された電子部品(例えば図5に示す電子モジュール/制御ユニット202)とに連結または接続している。第1及び第2電気リード608及び610は、限定しないが銀インクを含む任意の導電材料で構成されている。第1及び第2電気リード608及び610は、基板602及び604に配置された透光性導電層に描かれ、塗布され、または他の方法で堆積される。
【0044】
接続性を確実にするまたは改善するため、電気活性レンズ600を縁付け及び溝付けした後、少量の導電材料、塗料またはペーストを第1及び第2電気リード608及び610の頂部に配置する。具体的には、図6に示すように、第1導電材料612を第1電気リード608の頂部において溝部606に配置し、第2導電材料614を第2電気リード610の頂部において溝部606に配置する。第1及び第2導電材料612及び614は、ほぼ透明であり、インジウムスズ酸化物(ITO)ペーストまたは銀微粒子を含む塗料(例えば銀インク)で構成される。
【0045】
図7は、本発明の一態様におけるフレーム700の一部を示す。フレーム700は、電気活性レンズ(単純化のため図7に示さない)と電気活性レンズを動作させるために使用される電子部品との間の電気的接続性をもたらす。
【0046】
フレーム700は、右側レンズ縁またはリム702の上側部分と、右側レンズ縁またはリム704の下側部分と、を有する。フルリム型フレームに関して、下側部分704は、電気活性レンズの下方においてブリッジ706までに延在する。部分リム型フレームに関して、下側部分704は、一般的に、ブリッジ706まで延在しない。
【0047】
フレーム700は、電子モジュール202と、電子モジュール202を収容する領域と、を有する。第1導電体708は、上側リム部分702の溝部内に位置付けられている。第2導電体710は、下側リム部分704の溝部内に位置付けられている。第1及び第2導電体708及び710は、可撓性を有する圧縮可能な材料で構成されている。電気活性レンズ、例えば図6に示す電気活性レンズ600をフレーム700内に位置付けると、第1及び第2導電体708及び710それぞれは、圧縮されて上側及び下側リム部分702及び704の溝部内、及び電気活性レンズ600の溝部606内に嵌め込まれる。第1導電体708は、第1導電材料612と接触するように位置付けられている。第2導電体710は、第2導電材料614と接触するように位置付けられている。
【0048】
フレーム700は、上側導電部材712と、下側導電部材714と、絶縁または分離部材716と、を有する。上側導電部材712、下側導電部材714及び絶縁部材716は、フレーム700のテンプルをレンズ縁部分(すなわち上側及び下側リム部分702及び704)に物理的に結合する。
【0049】
上側導電部材712は、電子モジュール202と第1導電体708との間の接続性をもたらす。第1導電体708は、図6に示す第1導電材料612への接続性(そして結果として、第1電気リード608への接続性)をもたらす。下側導電部材は、電子モジュール202と第2導電体710との間の接続性をもたらす。第2導電体710は、図6に示す第2導電材料614への(そして結果として、第2電気リード610への接続性)をもたらす。絶縁部材716は、電子モジュール202、上側導電部材712及び第1導電体708の間の接続経路が電子モジュール202、下側導電部材714及び第2導電体710の間の接続経路から絶縁しているまたは電気的に分離しているままとなることを確実にしている。
【0050】
上側導電部材712及び下側導電部材714の任意の部分は、導電リンクを提供する。例として、上側及び下側導電部材712及び714全体は、導電性を有する(例えば金属で形成されかつ非導電材料で被覆されている)、または、上側及び下側導電部材712及び714の所定部分は、導電性を有する(例えば非導電材料で覆われた内部部分)。
【0051】
図8は、図7に示すフレーム700を示す分解図である。図8に示すように、フレーム700は、上側導電部材712、絶縁部材716及び下側導電部材714を上側リム部分702及び下側リム部分704に接続することによって組み立てられている。そして、第1導電体708及び第2導電体710は、上側リム部分702及び下側リム部分704それぞれの溝部内に位置付けられている。第1及び第2導電体708及び710は、これらが第1導電材料612及び第2導電材料614それぞれと接触する領域に位置付けられている。
【0052】
図7及び図8に示す構成部材、すなわち上側導電部材712、下側導電部材714、絶縁部材716、上側リム部分702、下側リム部分704、第1導電体708及び第2導電体710は、部分リム型フレームまたはフルリム型フレームとしてフレーム700の所定部分を形成するため、及び各タイプのフレーム(及びさまざまなスタイルのフレーム)について、本発明における電子モジュールと本発明における電気活性レンズとの間の接続性をもたらすために使用される。
【0053】
フルリム型フレームに関して、上側リム部分702及び下側リム部分704双方は、上側導電部材712及び下側導電部材714それぞれからブリッジ706まで延在する。部分リム型フレームに関して、一般に、上側リム部分702のみは、上側導電部材712からブリッジ706まで延在する一方、下側リム部分704は、ブリッジ706まで延在しない。
【0054】
フレーム700をフルリム型フレームまたは部分リム型フレームとして実施する場合、第1導電体708は、任意のサイズ及び長さからなる。すなわち、第1導電体708は、上側リム702の任意の部分に沿って延在し、電気活性レンズ104の所望のリードと電気的接続性を形成する。フレーム700をフルリム型フレームとして実施する場合、第2導電体710は、同様に任意のサイズまたは長さからなり、電気活性レンズ104の第2の所望のリードと電気的接続性を形成する。しかしながら、フレーム700を部分リム型フレームとして実施する場合、第2導電体710は、下側リム部分704と同等または下側リム部分704より短い長さからなる。
【0055】
図9は、本発明の一態様における電気活性メガネ900の所定部分を示す。電気活性メガネ900は、縁ナシ型メガネとして実施されている。すなわち、上側及び下側リムが電気活性レンズ104を支持していない。
【0056】
図9に示すように、電気活性メガネ900は、電子モジュール202と、電子モジュール202を収容する領域と、を有する。電子モジュール202は、(図7及び図8に示す上側導電部材712及び下側導電部材714と同様に)上側導電部材902及び下側導電部材904を用いて電気活性レンズ104に電気的に結合されている。上側及び下側導電部材902及び904双方は、非導電材料(例えばプラスチック)で覆われた保護された内部導電経路(例えば導電ワイヤ)を有する分離されたまたは絶縁された導電体である。あるいは、上側及び下側導電部材902及び904全体は、導電材料で構成され、非導電材料で被覆されている。
【0057】
電気活性メガネ900のフレームは、上側支持部材910及び下側支持部材912を用いて電気活性レンズ104を支持している。代替として、上側及び下側支持部材910及び912の一方を使用する。上側及び下側支持部材910及び912双方は、電気活性レンズ104に存在する穴部を通して位置付けられている。電気活性メガネ900のフレームは、同様に、上側接点906及び下側接点908によって支持されている。上側及び下側接点906及び908双方は、電気活性レンズ104に存在する穴部を通して位置付けられている。上側及び下側接点906及び908は、電気活性レンズ104の適切な要素と電気的に接触する所定部分を有する圧縮ピンコネクタである。
【0058】
電気活性レンズ104を同時に支持する間、上側接点906は、電気活性レンズの第1電気リード(例えば図6に示す第1電気リード608)と電気的に接触する。同様に、下側接点908は、電気活性レンズ104を支持する一方、同様に電気活性レンズの第2電気リード(例えば図6に示す第2電気リード610)との電気的接触をもたらす。
【0059】
上側接点906及び上側支持部材910双方は、アームの一部または上側導電部材902の延長部を形成する。上側接点906及び上側支持部材910は、絶縁材料(例えばプラスチック)によって絶縁されまたは収容された1以上の導電体(例えばワイヤ)を備える。上側接点906及び上側支持部材910は、電気活性レンズ104の前方に位置付けられる(そして、図9に示すように、電気活性レンズ104の後ろ側を通って接続する)、または電気活性レンズ104の後方に位置付けられる(そして、電気活性レンズ104の前方を通って接続する、図示略)。下側接点908及び下側支持部材912は、上側接点906及び上側支持部材910の組み合わせと同様の態様で位置付けられている(そして、アームの一部または上側導電部材902の延長部を形成する)。
【0060】
図10は、本発明の一態様における電気活性メガネ1000を示す前面図である。電気活性メガネ1000は、部分リム型メガネとして実施されている。電気活性メガネの右側(例えばフレームの右側部分1002)から電気活性メガネの左側(例えばフレームの左側部分1004)までの間の電気的接続性は、さまざまな方法でもたらされており、部分リム型の設計に限定されない。右側部分1002と左手部分1004との間の電気的接続性は、片側に位置する単一の電子モジュール(例えば電子モジュール202)が電気活性レンズ104及び106双方の動作を支配することを可能とする。さらに、この接続性は、電気活性レンズ104及び106を別個の電子モジュールで駆動する場合であっても、電気活性レンズ104及び106の同期させた動作を補償する。
【0061】
1以上の導電素子(例えば導電ワイヤ)は、右側の上側フレームまたはリム部材1006、左側の上側フレームまたはリム部材1008、及びブリッジ1010(並びに、いくつかのフレーム設計に関して、左側の下側フレームまたはリム部材及び右側の下側フレームまたはリム部材)に埋め込まれている。導電素子は、絶縁材料によって埋め込まれまたは囲まれている。1以上の導電素子を右側の上側フレーム部材1006、ブリッジ1010及び左側の上側フレーム部材1008に埋め込むことにより、電気活性メガネ1000の片側にある電子モジュールは、電気活性レンズ104及び106双方の動作を制御しかつ/または同期させることができる。
【0062】
縁ナシ型メガネは、一般に、右側の上側フレーム部材1006または左側の上側フレーム部材1008を有さない。しかしながら、縁ナシ型フレームは、一般に、ブリッジ1010を有する。縁ナシ型フレームの右側部分1002と左側部分1004との間の電気的接続性は、電気活性レンズ104及び106の製造に組み込まれた導電素子を使用して実現される。具体的には、ブリッジ1010は、(例えば1以上のITO層を用いて)電気活性レンズ104及び106の1以上の導電素子と(例えば、埋込型の導電リンクまたはブリッジに隣接されるもしくは接続される導電リンクを用いて)電気的に接続しており、これら導電素子は、それら自体がメガネレンズの右側部分1002及び左側部分1004それぞれに結合されている。縁ナシ型フレームの右側部分1002と左側部分1004との間の電気的接続性は、同様に、電気活性レンズの溝部(例えば図6に示す溝部606)内に位置付けられた導電ワイヤを用いて右側部分1002を左手部分1004に結合することによって、実現される。電気活性レンズの頂部部分または電気活性レンズの底部部分にある溝部の一部は、1以上の導電ワイヤを収容または入れるために使用される。このような溝部内に位置付けられた導電ワイヤは、絶縁されている。
【0063】
本発明の一態様において、1以上の導電ワイヤは、モールド一体成形(mold cast)処理中に、前記活性メガネの上側リムコネクタ、ブリッジ及び/または下側リムコネクタと、本発明のフレームと、に埋め込まれている。すなわち、上側リムコネクタ、ブリッジ及び/または下側リムコネクタを一体成形処理を用いて形成する場合、1以上の導電ワイヤは、上側リムコネクタ、ブリッジ及び/または下側リムコネクタを下処理するときに覆って一体成形される。一般的に、厚い導電ワイヤをこのような処理中に用いる。ナイロンは、1以上の導電ワイヤにオーバーモールドして上側リムコネクタ、ブリッジ及び/または下側リムコネクタを形成するために使用される例示的な材料である。
【0064】
本発明の一態様において、1以上の導電ワイヤは、フレーム構成部材それぞれを組み立てるように、電気活性メガネの上側リムコネクタ、ブリッジ及び/または下側リムコネクタと本発明のフレームとに埋め込まれている。より具体的には、1以上の導電ワイヤを埋め込む上側リムコネクタ、ブリッジ及び/または下側リムコネクタのいずれかは、2以上の個別のまたは別個の片によって製造される。例えば、上側リムコネクタは、ほぼ同一形状からなる2つのほぼ対称な片、個別に縦半分の上側リムコネクタ分割体の一部としてみなされる前片及び後片から形成される。前片及び後片を組み立てて完全な上側リムコネクタを形成する前に、1以上のワイヤは、前片及び後片間に(すなわち前片及び後片間の界面に)おいて(例えば前片及び/後片に成形されたまたは機械加工された溝部内に)埋め込まれる。完全な上側リムコネクタを形成するために使用される前片及び後片は、例えば接着剤を用いて、同時に組み合わされる。
【0065】
本発明の一態様において、1以上の導電ワイヤは、フレームを組み立てた後に、電気活性メガネの上側リムコネクタ、ブリッジ及び/もしくは下側リムコネクタまたは本発明のフレームに埋め込まれている。具体的には、1以上の溝部は、1以上の導電ワイヤを収容するために使用される上側リムコネクタ、ブリッジ及び/または下側リムコネクタに機械加工される。そして、加工した溝部は、導電ワイヤを外観上隠す材料で充填されるまたは覆われる。そして、組み立てられたフレームは、ワイヤを埋め込んだ領域を隠すまたはマスクするように研磨される。アセテートは、1以上の導電ワイヤを埋め込むこの方式で扱われる例示的な材料である。
【0066】
図17は、本発明の一態様における電気活性フレーム1700を示す。電気活性レンズは、電気活性フレーム1700内に取り付けられている。簡潔さのため、電気活性レンズの動作を支配するために使用される電子機器1702の一部を示す。電子機器1702は、上述した電子モジュール202の一部を示すかつ/または電気活性フレーム1700のテンプルと電気活性フレーム1700の前方部分との間に電気的接続性をもたらすように位置付けられた導電素子を示す。電気活性フレーム1700は、電気活性フレーム1700の一側のみにある電子機器1702を有して示されているが、これに限定されない。
【0067】
図17にさらに示すように、電気活性フレーム1700は、導電リード1704及び1706と導電リンク1708とを有する。導電リンク1708は、電気活性フレーム1700の一側から電気活性フレーム1700の他側まで電気的接続性をもたらす。導電リード1704は、電子機器1702と電気活性フレーム1700内に取り付けられた第1電気活性レンズとの間に電気的接続性をもたらす。導電リード1706は、導電リンク1708と電気活性フレーム1700内に取り付けられた第2電気活性レンズとの間に電気的接続性をもたらす。
【0068】
図17に示すように、導電リンク1708は、電気活性フレーム1700内に埋め込まれているまたは位置付けられている。導電リンク1708は、図示するまたは図示しない任意の数の導電素子(例えばワイヤ)を有する。電気活性フレーム1700がフレーム1700の各側にある駆動電子機器(例えば主及び従駆動電子機器または電子モジュール202)を使用する場合、わずか1つのみの単一のワイヤは、導電リンク1708を構成する。電気活性フレーム1700が電気活性フレーム1700の一側のみにある駆動電子機器を有する場合、少なくとも2つのワイヤまたは導電素子を使用する。導電リンク1708は、導電リンクを埋め込むことに関する上記方法のいずれかにしたがって電気活性フレーム1700の内側に位置付けられており、この方法は、限定しないが、(1)モールド一体成形中に埋め込むこと、(2)電気活性フレーム1700の前方フレーム部分の組立工程中に埋め込むこと、及び、(3)導電リンク1708のための溝部または経路を形成することによって電気活性フレームを組み立てた後に埋め込むこと、を含む。また、導電リンク1708は、上述のようにフレーム1700内に位置付けられる本発明の電気活性レンズの導電層を使用するまたは代替的に備える。
【0069】
図18は、本発明の一態様における電気活性メガネ1800を示す。電気活性メガネ1800は、電子モジュール202を有する。また、電気活性メガネ1800は、導電リンク1802を有する。導電リンク1802は、図示するまたは図示しない任意の数の導電素子(例えばワイヤ)を有する。導電リンク1802は、電子モジュール202と電気活性レンズ104及び電気活性レンズ106との間の電気的接続性をもたらす。
【0070】
図18に示すように、導電リンク1802の所定部分は、電気活性メガネ1800のフレームの所定部分内に位置付けられているまたは埋め込まれている。縁ナシ型メガネにおいて、導電リンク1802は、電気活性レンズの溝部(例えば図6に示す溝部606)を通って経路付けられている。図18にさらに示すように、導電リンク1802は、電気活性メガネ1800のブリッジ1804に隣接して経路付けられている。例えば、導電リンクは、ブリッジ1804に隣接して位置付けられた管部1806を通って経路付けられている。
【0071】
図11は、本発明の一態様における電気活性メガネの右側テンプル1100の所定部分を示す。図11に示す右側テンプル1100の部分は、電気活性レンズ(簡素化のために図11に示されていない)に結合された右側テンプル領域1102を示す。右側テンプル領域1102は、本発明の電気活性モジュールを有する。右側テンプル領域1102は、第1導電リンク1104を通って第1導電体708に結合されている。右側テンプル領域1102は、第2導電リンク1106を通って第2導電体710にさらに結合されている。
【0072】
第1及び第2リンク導体1104及び1106は、電気活性メガネを開いたまたは閉じたときにフレーム(簡素化のために図11において示されていない)が曲がることを許容するように構成されている。第1及び第2リンク導体1104及び1106は、1以上の導電素子(例えば導電ワイヤ)を収容し、これらを絶縁もしくは非導電材料で囲むまたはこれら自体全体を導電性とする。第1及び第2リンク導体1104及び1106は、これらが右側テンプル領域1102と電気活性レンズの導電素子との間の(例えば導電素子708及び710までの)途切れない物理的接続をもたらすので、連続的導電リンクとされる。
【0073】
図12は、本発明の一態様における(縁ナシ型メガネとして実施される)電気活性メガネの右側テンプル1200の所定部分を示す。図12に示す右側テンプル1200のこの部分は、電気活性レンズ(簡素化のために図11に示さない)に結合された右側テンプル領域1102を示す。右側テンプル領域1102は、本発明の電気活性モジュールを有する。右側テンプル領域1102は、第1バネ導体1202を介して上側導電部材712に結合されている。右側テンプル領域1102は、第2バネ導体1204を介して下側導体714にさらに結合されている。第1及び第2バネ導体1202及び1204は、1以上の導電素子(例えば導電ワイヤ)を収容し、これらを絶縁もしくは非導電材料で囲むまたはそれら自体全体を導電性とする。第1及び第2バネ導体1202及び1204は、これらが右側テンプル領域1102と電気活性レンズの導電素子との間の(例えば上側及び下側導電部材712及び714までの)途切れのある物理的接続をもたらすので、非連続的導電リンクとされる。
【0074】
第1及び第2バネ導体1202及び1204は、メガネが使用中のとき(すなわちメガネを開いたとき)に右側テンプル部分1102から伸長する。第1及び第2バネ導体1202及び1204は、メガネを使用しないとき(すなわちメガネを閉じたとき)に右側テンプル部分1102の内側に後退する。開くと、第1及び第2バネ導体1202及び1204は、伸長して上側及び下側導電部材712及び714それぞれと接触する。
【0075】
図11及び図12に示しかつ上述した接続機構は、本発明の任意のタイプの、すなわちフルリム型、部分リム型及び縁ナシ型のフレームスタイルに使用される。さらに、本発明の一態様において、第1及び第2バネ導体1202及び1204は、本発明の電気活性メガネを作動、作動停止または動作のスタンバイモードもしくはオフモードにするために使用される。例えば、バネ導体1202及び1204が上側及び下側導電部材712及び714に結合されていないまたは接触していない場合、本発明の電気活性メガネは、電源遮断されるまたはスタンバイモードにされる。バネ導体1202及び1204が上側及び下側導電部材712及び714に結合されているまたは接触している場合、本発明の電気活性メガネは、電源供給されるもしくは作動モード(例えば検出した入力に基づく切替モード)にされるまたは電気活性レンズを即座に作動させる。
【0076】
当業者に理解されるように、フレーム内に収容された電子機器は、容量の減少または駆動信号波形の変化を観測することによって、レンズの接続解除状態などを検出し、この減少または変化は、バネ導体1202及び1204が上側及び下側導電部材712及び714に結合されないまたは接触しない場合に発生する。いったんレンズの接続解除状態にあると、本発明の電気活性メガネの電子部品は、低電力、スタンバイまたはオフモードに移行する。低電力またはスタンバイモードにある場合、本発明の電気活性メガネの電子部品は、検出した容量または駆動信号波形の変化を周期的にまたはランダムに観測し、いつフレームが使用するために再度開いたかを検知する。
【0077】
図13は、本発明の一態様における電気活性メガネ1300の代表的なブロックダイアグラムを示す。電気活性メガネ1300は、上述した本発明の電気活性メガネ(例えば電気活性メガネ100)を示す。電気活性メガネ1300は、右側電気活性レンズ1302及び左側電気活性レンズ1304を有する。右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304は、上記第1及び第2電気活性レンズ104及び106を示す。電気活性メガネ1300は、右側制御ユニット1306及び左側制御ユニット1308を有する。左側及び右側制御ユニット1306及び1308それぞれは、上記電子モジュール202またはその一部を示す。
【0078】
右側制御ユニット1306は、分離スイッチ1310、駆動回路1312及び送信回路1314を有する。駆動回路1312は、右側電気活性レンズ1302を動作させる(例えば作動させる)ための駆動信号を発生させる。例えば、右側電気活性レンズ1302を作動させるため、駆動回路1312は、駆動信号または作動信号を形成し、発生し、または送信する。さらに、右側電気活性レンズ1302を作動停止させるため、駆動回路1312は、駆動信号の形成、発生または送信を単に停止する。
【0079】
送信回路1314は、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304の動作を調整するために同期信号を発生する。具体的には、送信回路1314は、左側電気活性レンズ1304を作動または作動停止させるように指示する同期信号を送信する。例として、左側電気活性レンズ1304は、同期信号または作動を指示する第1タイプの同期信号の受領に基づいて、作動される。さらに、左側電気活性レンズは、同期信号の欠如または作動停止を指示する第2タイプの同期信号の受領に基づいて、作動停止される。その結果、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304は、ほぼ同時に作動されかつ作動停止される。
【0080】
分離スイッチ1310は、いつ駆動回路1312及び送信回路1314が右側電気活性レンズ1302を制御ユニット1306に結合する導電リンク1316にアクセスするかを決定する。導電リンク1316は、1以上の導電ワイヤを備える。導電リンク1316は、上で図示しかつ上述した1以上の接続機構(例えば図11及び図12に示しかつ上述した経路及び接続機能)を示す。
【0081】
電気活性メガネを単一の制御ユニット(例えば制御ユニット1306)のみで実施する場合、制御ユニット1306は、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304の動作を制御する。このような計画の下、分離スイッチ1310及び送信回路1314は、任意である。さらに、左側及び右側電気活性レンズ1302及び1304は、駆動回路1312によって形成される駆動信号によってほぼ同時に作動される。
【0082】
右側及び左側制御ユニット1306及び1308間の通信リンクは、導電リンク1316、右側電気活性レンズ1302内の導電素子、電気活性メガネのブリッジ内もしくはブリッジに隣接して収容されたブリッジ導電リンク1318、左側電気活性レンズ1304内の導電素子及び導電リンク1320の任意の部分を構成する。導電リンク1320は、1以上の導電ワイヤを備え、図示しかつ上述した1以上の接続機構(例えば図11及び図12に示す経路及び接続機能)を示す。右側及び左側制御ユニット1306及び1308間の通信リンクは、同様に、フレーム導電リンク1222(図13において破線で示す)を有するまたは代替的に有する。
【0083】
フレーム導電リンク1322は、1以上の導電ワイヤを有し、この導電ワイヤは、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304にわたって巻き付けられる、例えば上述のようにフレームの所定部分に埋め込まれる及び/または右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304の溝部内に収容される。フレーム導電リンク1322は、同様に、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304の導電素子(例えば右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304の1以上のITO層または他の透光性導電層)を有する。例えば、フレーム導電リンク1322は、無線リンクであり、この無線リンクは、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304の導電層をアンテナとして使用し、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304間の通信及び/または同期を容易にする。あるいは、他の導電素子は、本発明の電気活性メガネ内に埋め込まれ、右側及び左側電気活性レンズ1302及び1304間の通信及び/または同期を容易にする。1以上のこれら埋め込まれたアンテナは、同様に、本発明の電気活性メガネと遠隔通信デバイスとの間の無線通信リンクを形成する。
【0084】
全体として、右側制御ユニット1306は、左側制御ユニット1308と通信し、かつ/または、単一の導電ワイヤまたはリンクを用いて左側電気活性レンズ1304を動作させる。単一の導電ワイヤは、同様に、右側電気活性レンズ1302を動作させるために使用される。単一の導電ワイヤまたはリンクは、フレームの所定部分内に埋め込まれており、電気活性レンズの導電素子を有する。
【0085】
左側制御ユニット1308は、分離スイッチ1324と、駆動回路1328と、受信回路1326と、を有する。駆動回路1328は、左側電気活性レンズ1302を動作させる(例えば作動させる)駆動信号を発生させる。受信回路1326は、右側電気活性モジュール1306によって送信された同期信号を受信し処理する。分離スイッチ1324は、駆動回路1312及び受信回路1326が左側電気活性レンズ1304を制御ユニット1308に結合する導電リンク1320にアクセスするときを判断する。
【0086】
受信回路1326は、導電リンク1320にわたって送信された同期信号を聞く。受信回路1326は、具体的なまたはランダムな期間で周期的にまたはランダムに聞く。いったん同期信号を受信すると、制御ユニット1308は、それに応じて動作させる、すなわち駆動回路1328によって送信された駆動信号を用いて左側電気活性レンズ1304を作動または作動停止させる。
【0087】
送信回路1314は、ユーザの頭部角度の変化の検知(例えば明確さのために図示しない右側制御ユニット1306に含まれるジャイロスコープまたは加速度計によって検知される)またはユーザが出す手動の命令に応じて、同期信号を発信する。送信回路1314によって発信される同期信号は、それをノイズから区別するため及び誤ったトリガを防止するためにコード化される。
【0088】
図14は、本発明の一態様における電気活性メガネの充電器1400を示す。(スリムライン充電器としての)充電器1400は、本発明における電気活性メガネ(例えば電気活性メガネ100)を充電/再充電するために使用される。
【0089】
図14に示すように、スリムライン充電器1400は、前方部材またはベース部材1402と、第1移動可能アーム1404と、第2移動可能アーム1406と、を備える。前方部材1402は、隆起支持部材1408と、充電状態表示器1410と、を有する。充電状態表示器1410は、発光ダイオード(LED)である。第1アーム1404は、第1の調整可能な充電領域1412(または第1の調整可能な誘導充電クレードル)を有し、第2アーム1406は、第2の調整可能な充電領域1414(または第2の調整可能な誘導充電クレードル)を有する。
【0090】
ベース部材1402は、電気活性メガネ100の前方部分(第1及び第2電気活性レンズ104及び106並びに任意の取り囲むフレームのリム部分)を支持する。隆起支持部材1408は、電気活性メガネ100のブリッジ領域を支持する。あるいはまたはさらに、隆起支持部材1408は、1以上の電気活性レンズまたは電気活性メガネ100のリム部分を支持する。
【0091】
第1アーム1404は、移動可能である。具体的には、第1アーム1404は、第1アーム1404を前方部材1402に取り付ける点回りに閉じた位置から開いた位置に回転する。第1アーム1404は、図14において開いた位置で示される。閉じた位置において、第1アーム1404は、第1部材1402に近接しかつ平行である。第1アーム1404と同様に、第2アーム1406は、同様に移動可能である。具体的には、第2アーム1406は、第2アーム1406を前方部材1402に取り付ける点回りに閉じた位置から開いた位置に回転する。第2アーム1406は、図14において開いた位置で示される。閉じた位置において、第2アーム1406は、第1部材1402に近接しかつ平行である。
【0092】
第1の調整可能な充電クレードル1412は、第1アーム1404に沿って移動される。例として、第1の調整可能な充電クレードル1412は、位置決めネジを用いて所定位置内に保持され、第1アーム1404に位置付けられた溝部に沿って移動される。第1充電領域1412は、電気活性メガネ100の充電領域の近傍または隣に位置するように調整されている。第1充電領域1412は、誘導充電器を有し、電気活性メガネ100の誘導充電領域を誘導的に充電する。例として、電気活性メガネ100は、上述のように、電子モジュール内に誘導充電領域を有する。電気活性メガネ100を再充電するため、第1の調整可能な充電領域1412は、電気活性メガネ100の誘導充電領域に近接して位置付けられる。
【0093】
これに対して、第2の調整可能な充電クレードル1414は、第2アーム1406に沿って移動される。例として、第2の調整可能な充電クレードル1414は、位置決めネジを用いて所定位置内に保持され、第2アーム1406に位置付けられた溝部に沿って移動される。第2充電領域1414は、電気活性メガネ100の充電領域の近傍または隣に位置するように調整されている。第2充電領域1414は、誘導充電器を有し、電気活性メガネ100の誘導充電領域を誘導的に充電する。電気活性メガネ100を再充電するため、第2の調整可能な充電領域1414は、電気活性メガネ100の誘導充電領域に近接して位置付けられる。
【0094】
図14に示すように、スリムライン充電器1400は、2つの電子モジュールを再充電するために使用される。スリムライン充電器1400は、同様に、単一の電子モジュールを有する電気活性メガネ100を充電するために使用される。第1及び第2の調整可能な充電領域1412及び1414が移動することを可能とすることによって、スリムライン充電器1400は、さまざまなフレームサイズ及びスタイルを再充電するために使用される。すなわち、フレームサイズがさまざまなユーザに対して変化するので、フレームの再充電領域は、前方部材1402に関して異なる位置に位置している。したがって、第1及び第2の調整可能な充電領域1412及び1414は、これら充電領域に並ぶまたは近接するように移動される。全体として、スリムライン充電器1400は、任意のタイプ、フルリム型、部分リム型及び縁ナシ型、並びに任意のフレームサイズ及び形状を支持する。
【0095】
誘導充電の代替例として、充電器1400は、電気活性メガネを直接充電するために使用される。すなわち、充電器1400は、電気活性メガネに差し込んで誘導的ではなく直接電力を移送する導電リンクを有する。
【0096】
充電状態表示器1410は、電気活性メガネ100の充電状態の変化を表示するために状態を変化させる。例えば、充電状態表示器1410は、充電器1400が充電されていないこと(例えばオフ状態)を示す第1状態と、充電器1400が電気活性メガネ100を再充電していること(例えば充電状態)を示す第2状態と、充電器1400が電気活性メガネ100を完了したまたは完全に再充電したこと(例えば充電または完全再充電状態)と、を有する。スリムライン充電器1400は、再充電可能な電源を有し、充電器を電源(例えば壁のコンセント)に直接接続していないときに電気活性メガネ100の充電を可能とする。スリムライン充電器1400は、充電器1400を電源(例えば壁のコンセント)に接続するポートを有する。したがって、スリムライン充電器1400は、電源に差し込むまたか電源に差し込まなくても、電気活性メガネ100を充電する。
【0097】
図15は、スリムライン充電器1400を示す側面図である。図15に示すように、電気活性メガネは、3つの箇所、メガネの前方部分(電気活性メガネ100のレンズまたはレンズ近傍)、電気活性メガネ100のフレームの右側テンプル領域(図15に示す)、及び、電気活性メガネ100のフレームの左側テンプル部分(図15に示さない)、において、充電器1400によって安定化されかつ支持されている。第2の調整可能な充電領域1414は、横方向に移動され、電気活性メガネ100の前方テンプル領域の任意の部分に近接する(すなわち、第2の調整可能な充電領域1414を電気活性メガネ100の誘導充電領域に近接して配置する)。
【0098】
図16は、閉じた位置にあるスリムライン充電器1400を示す。具体的には、第1及び第2アーム1404及び1406は、回転され、ベース部材1402に隣接しかつ平行に位置付けられている。ヒンジもしくはロックまたは他のデバイスは、第1及び第2アーム1404及び1406それぞれを所定位置にロックするために使用される。充電器1400は、ボタン、ノブまたは他のデバイスを有しており、第1及び第2アーム1404及び1406をそれらの閉じた、ロックされた位置から解放する。
【0099】
本発明の態様は、同様に、従来のメガネケースで見られるように、頂部カバー及び底部カバーを有する電気活性メガネ用の充電ケースを有する。本発明の充電ケースは、1以上の充電領域と電源とを有する。本発明の充電ケースの電源は、再充電可能である。
【0100】
結論
本発明のさまざまな実施形態を上述したが、理解すべきことは、これらが例として示されており、限定しないことである。上述した任意の導電素子(例えばフレームの上側及び下側部分)は、全体的に導電性を有する(かつ非導電材料で覆われる可能性がある)または埋め込まれたもしくは埋もれた導電素子(例えば導電コア)または非導電性の外側もしくは包囲層を含む。さらに、例えば電気ワイヤまたは接続として説明されるまたは参照された任意の導電リンクは、当業者が理解するように、光学導電リンクを代替的にまたはさらに有する。埋め込まれた導電リンクを用いて本発明の電気活性メガネの電気素子を結合するまたは接続する例示的な技術(例えば電子部品、電源供給及び電気活性レンズの制御)は、当業者が理解するように、1以上の導電光学リンク(例えば1以上の光ファイバ)を埋め込むために使用されてもよい。
【0101】
全体的に、当業者が理解することは、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく形式上のかつ詳細なさまざまな変更をなしてもよいことである。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等のものにしたがってのみ定義されるべきである。
【符号の説明】
【0102】
100,900,1000,1300,1800 電気活性メガネ、102,700、1700 電気活性フレーム,フレーム、104 第1電気活性レンズ、106 第2電気活性レンズ、202 電子モジュール,制御ユニット、402 導電ワイヤ、600 電気活性レンズ、606 溝部、608 第1電気リード,コネクタ、610 第2電気リード,コネクタ、702 上側リム部分,上側リム,リム、704 下側リム部分,下側部分,リム、706,1010,1804 ブリッジ、708 第1導電体、710 第2導電体、712,902 上側導電部材、714,904 下側導電部材,下側導体、716 絶縁部材,分離部材、1006 右側の上側フレーム部材,リム部材、1008 左側の上側フレーム部材,リム部材、1100 右側テンプル部分,右側テンプル領域,右側テンプル(第1テンプル部分)、1104 第1導電リンク,第1リンク導体、1106 第2導電リンク,第2リンク導体、1202 第1バネ導体、1204 第2バネ導体、1222,1322 フレーム導電リンク、1302 右側電気活性レンズ(第1電気活性レンズ)、1304 左側電気活性レンズ(第2電気活性レンズ)、1306 右側制御ユニット,右側電気活性モジュール,制御ユニット、1308 左側制御ユニット,制御ユニット、1316 ブリッジ導電リンク,導電リンク、1320,1708,1802 導電リンク、1412 第1の調整可能な充電領域,充電クレードル(誘導充電領域)、1414 第2の調整可能な充電領域,充電クレードル(誘導充電領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気活性レンズと、
前記第1電気活性レンズに隣接する第1テンプル部分を有するフレームであって、前記第1テンプル部分が第1電子モジュールを有する、フレームと、
前記第1電気活性レンズに接続され、第1延長可能導体を介して前記第1電子モジュールと遮断可能に接続された第1導電部材と、
を備えることを特徴とする電気活性メガネ。
【請求項2】
前記第1延長可能導体が、バネ導体を有することを特徴とする請求項1に記載の電気活性メガネ。
【請求項3】
前記バネ導体が、少なくとも1つの導電素子を有し、
前記導電素子が、前記第1テンプル部分が開いた構造にあるときに伸長し、前記第1テンプル部分が閉じた構造にあるときに後退するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の電気活性メガネ。
【請求項4】
少なくとも1つの前記導電素子が、伸長時に前記第1導電部材と接続し、後退時に前記第1導電部材と接続解除することを特徴とする請求項3に記載の電気活性メガネ。
【請求項5】
前記第1電気活性レンズの周囲に少なくとも部分的に延在する第1レンズリムをさらに備え、
前記第1導電部材が、第1導電体と接続され、
前記第1導電体が、前記第1電気活性レンズの端部に沿って位置する第1溝部と前記第1溝部の反対側にありかつ前記第1レンズリムの内縁部に位置する第2溝部との間で少なくとも部分的に保持されることを特徴とする請求項1に記載の電気活性メガネ。
【請求項6】
前記第1電気活性レンズと接続しかつ第2延長可能導体を介して前記第1電子モジュールと遮断可能に接続された第2導電部材をさらに備え、
前記第2導電部材が、第2導電体に接続され、
前記第2導電体が、少なくとも1つの絶縁体によって前記第1導電体から離間され、
前記第2導電体が、前記第1電気活性レンズの前記第1溝部と前記第1溝部の反対側にありかつ前記第1レンズリムの内縁部に位置する第3溝部との間で少なくとも部分的に保持されることを特徴とする請求項5に記載の電気活性メガネ。
【請求項7】
前記フレームが、縁ナシ型フレームであり、
前記第1導電部材が、前記第1電気活性レンズを少なくとも部分的に通って前記第1電気活性レンズと接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電気活性メガネ。
【請求項8】
第2電気活性レンズと、
前記第1電気活性レンズと前記第2電気活性レンズとの間に位置するブリッジと、
第2モジュールを有する前記フレームの第2テンプル部分と、
をさらに備え、
前記第1電子モジュールが、前記第1電気活性レンズの第1導電層と前記第2電気活性レンズの第1導電層とを備える導電リンクを越えて前記第2モジュールと、前記ブリッジと、に電気的に結合されていることを特徴とする請求項7に記載の電気活性メガネ。
【請求項9】
第2電気活性レンズと、
前記第1電気活性レンズと前記第2電気活性レンズとの間にあるブリッジと、
前記第2電気活性レンズに隣接する前記フレームの第2テンプル部分であって、第2モジュールを有する、第2テンプル部分と、
をさらに備え、
前記第1電子モジュールが、前記第1電気活性レンズの第1溝部に位置する第1導電ワイヤと前記第2電気活性レンズの第1溝部に位置する第2導電ワイヤとを備える導電リンクを越えて前記第2モジュールと、前記ブリッジと、に電気的に結合されていることを特徴とする請求項7に記載の電気活性メガネ。
【請求項10】
前記第1電子モジュールが、取り外し可能であり、誘導充電領域を有し、前記第1電気活性レンズを作動させるために第1駆動信号を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気活性メガネ。
【請求項11】
第1動作モードと第2動作モードとの間で当該電気活性メガネを移行させるように構成されたコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電気活性メガネ。
【請求項12】
前記コントローラが、前記第1延長可能導体の作動及び前記第1延長可能導体の状態に基づいて前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で当該電気活性メガネを移行させるように構成されていることを特徴とする請求項11記載の電気活性メガネ。
【請求項13】
前記コントローラが、容量及び駆動信号波形の変化の少なくとも一方を検出して前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で当該電気活性メガネを移行させるようにさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載の電気活性メガネ。
【請求項14】
前記コントローラが、前記第1動作モード及び前記第2動作モードの一方と第3動作モードとの間で当該電気活性メガネを移行させるようにさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載の電気活性メガネ。
【請求項15】
前記第1動作モードが、動作のスタンバイモードであり、
前記第2動作モードが、動作の作動モードであり、
前記第3動作モードが、動作の非作動モードであることを特徴とする請求項14に記載の電気活性メガネ。
【請求項16】
前記コントローラが、ユーザの音声命令に基づいて、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で当該電気活性メガネを移行させるようにさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載の電気活性メガネ。
【請求項17】
前記コントローラが、ユーザが前記フレームを開くこと及びユーザが前記フレームを閉じることの少なくとも一方に基づいて、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で当該電気活性メガネを移行させるようにさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載の電気活性メガネ。
【請求項18】
前記コントローラが、当該電気活性メガネが上下反転して位置付けられていること及び当該電気活性メガネが上下反転位置から正立位置に切り替えられていることの少なくとも一方に基づいて、前記第1動作モードと前記第2動作モードとの間で当該電気活性メガネを移行させるようにさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載の電気活性メガネ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−514773(P2012−514773A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545454(P2011−545454)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/020498
【国際公開番号】WO2010/080999
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(508366570)ピクセルオプティクス, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】