説明

電気絶縁用樹脂組成物及び電気機器

【課題】脂肪酸アミドを用いることによって、高温での粘度低下が少ない為に滴下処理後にコイルからの垂れ落ちが少なく、含浸性が良好で、且つ、コアへの付着が少なく、結果として、電気絶縁用樹脂組成物の滴下量を低減でき、コアへ付着した電気絶縁用樹脂組成物の削り取り作業が削減できる。
【解決手段】(A)分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とα,β−不飽和一塩基酸とを反応させて不飽和エポキシエステル樹脂とし、次いで更に不飽和酸無水物を反応させて得られる変性不飽和エポキシエステル樹脂10〜95重量部、
(B)反応性モノマー10〜95重量部及び
(C)脂肪酸アミド0.01〜30重量部を含有してなる電気機器絶縁用樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気絶縁用樹脂組成物及び電気機器に関し、さらに詳しくは変性不飽和エポキシエステル樹脂を主成分として脂肪酸アミドを必須成分とし、モータ、トランスなどの電気機器の耐熱向上に対応した電気絶縁用樹脂組成物、及び、この電気絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁処理されてなる電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モータ、トランス等の電気機器は、鉄コアの固着又は防錆、コイルの絶縁若しくは固着等を目的として、電気絶縁用樹脂組成物で処理されている。電気絶縁用樹脂組成物としては、固着性、硬化性、電気絶縁性などのバランスに優れた不飽和ポリエステル樹脂組成物が広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
近年の電気機器は、小型・軽量化、高出力化が進んだため、実機スロット内の電線が占有する割合(占積率)が高くなる傾向があり、スロット内の空隙が減少し、電気絶縁用樹脂組成物がスロットの中へ含浸し難くなってきている。
【0004】
特に、ドリップ処理では、予熱後の未だ熱い実機コイルへ電気絶縁用樹脂組成物を滴下しても、電気絶縁用樹脂組成物が直ぐに垂れてしまい、満足する含浸性が得られず、さらに垂れた電気絶縁用樹脂組成物がコアへ付着してしまうことにより、コアに付着した電気絶縁用樹脂組成物を剥がし取る作業が生じ、生産性が低下してしまう事があった。
【0005】
また、含浸性の向上を目指し、電気絶縁用樹脂組成物の滴下量を増やして滴下するが、電気絶縁用樹脂組成物がまた直ぐに垂れてしまい、満足する含浸性が得られず、更に、垂れた電気絶縁用樹脂組成物が更にコアへ付着してしまうという悪循環が生じ、生産性が低下していた。
【0006】
その改善策として、脂肪酸からなる有機酸の金属塩が粘度の適正化に有効であるが、電気絶縁用樹脂組成物への適用を考慮した場合、高温での固着性が急激に低下してしまう場合があった。
【特許文献1】特開2002−367432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、電気絶縁用樹脂組成物において、高温での粘度低下が少ない為に滴下処理後にコイルからの垂れ落ちが少なく、含浸性が良好で、且つ、コアへの付着が少なく、結果として、電気絶縁用樹脂組成物の滴下量を低減できる電気絶縁用樹脂組成物及びこの電気絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁処理してなる電気機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討の結果、脂肪酸アミドを用いることによって、高温での粘度低下が少ない為に滴下処理後にコイルからの垂れ落ちが少なく、含浸性が良好で、且つ、コアへの付着が少なく、結果として、電気絶縁用樹脂組成物の滴下量を低減できる電気絶縁用樹脂組成物となることを見出した。
【0009】
本発明は、(A)分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とα,β−不飽和一塩基酸とを反応させて不飽和エポキシエステル樹脂とし、次いで更に不飽和酸無水物を反応させて得られる変性不飽和エポキシエステル樹脂10〜95重量部、
(B)反応性モノマー10〜95重量部及び
(C)脂肪酸アミド0.01〜30重量部
を含有してなる電気機器絶縁用樹脂組成物に関する。
【0010】
また、本発明は、90℃における粘度が25〜300mPa・sである前記電気機器絶縁用樹脂組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、前記の電気絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁処理してなる電気機器に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明になる電気絶縁用樹脂組成物は、脂肪酸アミドを用いることにより、高温での粘度低下が少ない為に滴下処理後にコイルからの垂れ落ちが少なく、含浸性が良好で、且つ、コアへの付着が少なく、結果として、電気絶縁用樹脂組成物の滴下量を低減でき、コアに付着した電気絶縁用樹脂組成物の削り取り作業が削減できる。また、この電気絶縁用樹脂組成物は高温における固着性にも優れ、これを用いて電気絶縁処理された電気機器は工業的に極めて優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明において(A)成分の変性不飽和エポキシエステル樹脂の合成に用いられるエポキシ化合物は、一分子内にエポキシ基を1個以上有するものである。エポキシ化合物には特に制限は無く、単独で用いても2種以上を併用しても良い。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等がある。特に、一分子内にエポキシ基を2個以上有するものが好ましい。
【0014】
(A)成分の変性不飽和エポキシエステル樹脂の合成に用いられるα,β−不飽和一塩基酸には特に制限は無く、単独で用いても2種以上を併用しても良い。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸等がある。α,β−不飽和一塩基酸は、カルボキシル基/エポキシ基の当量比が好ましくは0.5〜1.9となるように、より好ましくは0.8〜1.3となるように用いられる。
【0015】
(A)成分の変性不飽和エポキシエステル樹脂は、エポキシ化合物とα,β−不飽和一塩基酸とを反応させて不飽和エポキシエステル樹脂とした後、更に不飽和酸無水物を反応させることにより、得られる。不飽和酸無水物は、不飽和エポキシエステル樹脂のヒドロキシル基と反応させるために用いられ、その不飽和酸無水物としては、無水マレイン酸無水物、無水イタコン酸無水物、無水シトラコン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物などを用いることができる。
不飽和酸無水物は、前記不飽和エポキシエステル樹脂の合成原料であるエポキシ化合物のエポキシ基に対して2〜40モル%に相当する割合で使用されることが好ましく、20〜30モル%に相当する割合で使用されることがより好ましい。不飽和酸無水物の使用量がこの範囲以外では変性不飽和エポキシエステル樹脂の貯藏安定性が悪く、ゲル化し易くなる。
【0016】
エポキシ化合物とα,β−不飽和一塩基酸との反応、及び、不飽和エポキシエステル樹脂と不飽和酸無水物との反応には、通常、付加反応触媒として、塩化亜鉛、塩化リチウム等のハロゲン化物、ジメチルサルファイト、メチルフェニルサルファイト等のサルファイト類、ジメチルスルホキサイド、メチルスルホキサイド、メチルエチルスルホキサイド等のスルホキサイド類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ヘキサメチレンジアミン等の3級アミン及びその塩基酸又は臭酸塩、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、パラトルエンスルホン酸などのスルホン酸類、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン等のメルカプタン類などが用いられる。付加反応触媒の配合量は、エポキシ化合物、α,β−不飽和一塩基酸及び不飽和酸無水物の総量100重量部に対して、0.05〜2重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がさらに好ましい。
【0017】
エポキシ化合物とα,β−不飽和一塩基酸との反応、得られた不飽和エポキシエステル樹脂と不飽和酸無水物との反応は、従来からの常法に従い、合成することができる。例えば、エポキシ化合物とα,β−不飽和一塩基酸とを反応させた後、合成された不飽和エポキシエステル樹脂を含む反応混合物中に不飽和酸無水物を添加し、不飽和エポキシエステル樹脂のヒドロキシル基と不飽和酸無水物とを反応させてもよい。
【0018】
変性不飽和エポキシエステル樹脂(A)は、数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値、以下も同じ)が500〜5000であることが好ましく、1000〜2000であることがより好ましい。500未満では、樹脂混合物の硬化性及び硬化物特性が極端に劣ることがあり、5000を超えると粘度が高すぎ作業性が悪化する傾向がある。
【0019】
本発明に用いられる(B)成分の反応性モノマーには特に制限は無く、単独で用いても2種以上を併用しても良い。通常、ビニルモノマー等、分子内に不飽和基を有する化合物が好ましく、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸類がある。
【0020】
本発明に用いられる(C)成分の脂肪酸アミドについても特に制限は無く、単独で用いても2種以上併用しても良い。脂肪酸アミドは、直鎖脂肪酸アミドであっても分岐脂肪酸アミドであってもよく、また、飽和脂肪酸アミドであっても不飽和脂肪酸アミドであってもよい。好ましい脂肪酸アミドとしては、例えば、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等のモノアミド、エチレン・ビス・ステアリン酸アミド、エチレン・ビス・オレイン酸アミド等のビスアミドがある。市販品としては例えばT−380、T−550F、T−1700、T−650F(いずれも伊藤製油製)、ダイヤミッドKH、ダイヤミッドH、ZHH、PXH(いずれも日本化成製)等がある。
【0021】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、変性不飽和エポキシエステル樹脂(A)10〜95重量部、反応性モノマー(B)10〜95重量部及び脂肪酸アミド(C)0.01〜30重量部を含有する。変性不飽和エポキシエステル樹脂(A)の量は、好ましくは40〜70重量部、より好ましくは45〜60重量部である。変性不飽和エポキシエステル樹脂の量が10重量部未満では、反応性が極端に低下する傾向があり、95重量部を超えると、粘度が極端に高くなり、作業性が低下する傾向がある。反応性モノマー(B)の量は、好ましくは30〜60重量部、より好ましくは40〜55重量部である。反応性モノマー(B)の量が10重量部未満では、粘度が極端に高くなり、作業性が低下する傾向があり、95重量部を超えると、反応性が極端に低下する傾向がある。脂肪酸アミド(C)の量は、好ましくは0.05〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。脂肪酸アミド(C)の量が30重量部を超えると、含浸性が低下する傾向がある。
【0022】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物には、必要に応じて硬化剤を配合してもよい。硬化剤としては特に制限はないが、有機過酸化物が好ましく用いられる。有機過酸化物としては、例えばベンゾインパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジターシャリブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が用いられる。
【0023】
硬化剤の添加量としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して0.5〜3.0重量部が好ましく、1.0〜2.0重量部がより好ましい。
【0024】
また、必要に応じて硬化促進剤及び重合禁止剤を添加することもできる。硬化促進剤としては、例えばナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等が用いられる。重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ターシャリブチルカテコール、p−ベンゾキノン等のキノン類が用いられる。重合禁止剤は、あらかじめ(A)成分の合成時に添加してもよい。
【0025】
硬化促進剤の添加量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して0.01〜3.0重量部が好ましく、0.2〜2.0重量部がより好ましい。重合禁止剤の添加量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して0.001〜0.1重量部が好ましく、0.004〜0.05重量部がより好ましい。
【0026】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、コア汚染が少なく、良好な含浸性を得る点から、90℃における粘度が25〜300mPa・sであることが好ましい。90℃における粘度は40〜200mPa・sであることがより好ましく、60〜150mPa・sであることがさらに好ましい。90℃における粘度が25mPa・s未満であると電気機器へ滴下したワニスが垂れ易くなってコアへ付着し易くなる傾向があり、300mPa・sを超えると浸透性が悪くなって含浸性が低下する傾向がある。
【0027】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物はエアコン用ファン、扇風機、洗濯機等のコンデンサーモートル、電気ドリルなどのアマチュア、テレビ、ステレオ、コンパクトディスクプレーヤー等電源トランスなどの電気機器の絶縁処理に適用される。電気絶縁用樹脂組成物を、電気機器自体、又は電気機器の部品に塗布、含浸、又は充填した後、通常、100〜200℃、好ましくは120〜150℃で加熱することにより、電気絶縁用樹脂組成物を硬化させる。加熱時間は、通常、0.5〜3.0時間である。
【実施例】
【0028】
以下実施例により本発明を説明する。下記例中の部は、重量部を意味する。
製造例1 変性不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)の合成
4,4′−イソプロピリデンジフェノールのジグリシジルエーテル(シェル化学製、EP−828、エポキシ当量188)376部、メタクリル酸172部、ベンジルジメチルアミン2部及びハイドロキノン0.05部を反応釜に仕込み、115℃で10時間反応させ、樹脂酸価が8となった所で、無水マレイン酸25部を仕込み、115℃で2時間反応させ、酸価が20となったところで冷却した。得られた変性不飽和エポキシエステル樹脂の数平均分子量は、1450であった。
【0029】
実施例1
変性不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)50部、スチレン50部、T−550F(脂肪酸アミド)5部、ナフテン酸コバルト0.3部及びターシャリブチルパーオキシベンゾエート1.0部を撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を調製した。
【0030】
実施例2
変性不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)50部、スチレン50部、T−550F(脂肪酸アミド)1部、ナフテン酸コバルト0.3部及びターシャリブチルパーオキシベンゾエート1.0部を撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を調製した。
【0031】
比較例1
変性不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)50部、スチレン50部、ステアリン酸亜鉛5部、ナフテン酸コバルト0.3部及びターシャリブチルパーオキシベンゾエート1.0部を撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を調製した。
【0032】
比較例2
変性不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)50部、スチレン50部、ナフテン酸コバルト0.3部及びターシャリブチルパーオキシベンゾエート1.0部を撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を調製した。
【0033】
得られた電気絶縁用樹脂組成物について、所定雰囲気温度で粘度、ヘリカルコイル接着力、コア汚染及びステータコイルの含浸性を調べた。その結果を表1に示す。
尚、粘度、ヘリカルコイル接着力の試験方法は、JIS C 2105に準じて測定を行った。コア汚染及びステータコイルの含浸性は以下の試験方法に準じて評価を行った。
(1)粘度
JIS C 2105
(2)ヘリカルコイル接着力(電線は直径0.9mm(φ)AI/EIWを使用)
JIS C 2105
なお、ヘリカルコイル接着力を測定するにあたっては、電気絶縁用樹脂組成物の硬化は、130℃において1時間加熱することにより行なった。
(3)コア汚染の試験方法は、図1及び図2に示すステータコイル1(Φ200mm、質量10kg)(図1中、(a)はステータコイル1の概略平面図、(b)はその概略側面図であり、図2は、図1のステータコイル1のコア2のY−Y概略断面図である。)を用い、回転速度15回転/分とし、ステータコイルのコア2の表面温度が90℃の時にコイル3エンドの(1)リード線4有り側の外側、(2)リード線4有り側の内側、(3)リード線4無し側の外側、(4)リード線4無し側の内側の合計四ヶ所(図1)にノズル5を配置し、所定のワニスを20分間に合計300ml滴下し、滴下終了後、回転を続行しながら150℃の乾燥機へ投入し、1h後に乾燥機から取り出して、コア部に付着したワニスの付着の有無を目視で調査した。
(4)含浸性の試験方法は、コア汚染の試験方法でワニス処理したステータコイル1のコア2をコア積み厚の半分の部位で輪切り状に切断し、コア内のスロット6内の空隙に対して含浸したワニスの割合を目視で評価した。
スロット6内の空隙に対して含浸したワニスの割合が70%以上を良好とし、50%未満を含浸不足とした。
【0034】
【表1】

【0035】
表1に示されるように、実施例1及び実施例2で得られた電気絶縁用樹脂組成物は、粘度に優れていることから、コア汚染がなく、含浸性も良好であり、ヘリカルコイル接着力にも優れていることが明らかである。これに対して比較例1で得られた電気絶縁用樹脂組成物は、ヘリカルコイル接着力に劣り、また比較例2で得られた電気絶縁用樹脂組成物は、粘度が低く、コア汚染を生じると共に、垂れが多くて含浸性にも劣ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例で用いたステータコイルの概略図。
【図2】図1のステータコイルのコアのY−Y断面図。
【符号の説明】
【0037】
1 ステータコイル
2 コア
3 コイル
4 リード線
5 ノズル
6 スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とα,β−不飽和一塩基酸とを反応させて不飽和エポキシエステル樹脂とし、次いで更に不飽和酸無水物を反応させて得られる変性不飽和エポキシエステル樹脂10〜95重量部、
(B)反応性モノマー10〜95重量部及び
(C)脂肪酸アミド0.01〜30重量部
を含有してなる電気機器絶縁用樹脂組成物。
【請求項2】
90℃における粘度が25〜300mPa・sである請求項1記載の電気機器絶縁用樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電気絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁処理してなる電気機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−287650(P2007−287650A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−257069(P2006−257069)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】