電気車両用充電スタンド
【課題】収納可能な電源供給部の数を減らすことなく充電ケーブルの一部を保持することのできる電気車両用充電スタンドを提供する。
【解決手段】箱形のスタンド本体1と、スタンド本体1内に収納されて電気車両への給電路となる充電ケーブル4に電力を供給する電源ユニット2及びコンセントユニット3とを備え、充電ケーブル4は、電気ケーブル41と、充電ガン40とを有し、スタンド本体1は、充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分を保持する保持部として、充電ガン40を保持するホルダ5を右側面に備え、ホルダ5は、電気ケーブル41を巻き取り保持する巻取部55を有する。
【解決手段】箱形のスタンド本体1と、スタンド本体1内に収納されて電気車両への給電路となる充電ケーブル4に電力を供給する電源ユニット2及びコンセントユニット3とを備え、充電ケーブル4は、電気ケーブル41と、充電ガン40とを有し、スタンド本体1は、充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分を保持する保持部として、充電ガン40を保持するホルダ5を右側面に備え、ホルダ5は、電気ケーブル41を巻き取り保持する巻取部55を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両用充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車や電気自動二輪車、プラグインハイブリッド車などのように、電気を主動力として走行する機能を持つ車両(以下、「電気車両」と呼ぶ)が普及しつつある。そして、これらの電気車両の普及に合わせて、電気車両に搭載されている二次電池を充電するための充電スタンドの提供も開始され始めている。従来の充電スタンドとしては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
【0003】
特許文献1に記載のものは、内部に複数の収納空所を有して電気自動車を駐車する地面に立設されるスタンド本体と、コンセントを保持してスタンド本体の収納空所内に収納される筐体を具備したコンセントユニットとを備えた電気自動車用充電スタンドである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−277855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例のような充電スタンドでは、電気車両への給電路となる充電ケーブルのうち、電気ケーブルをスタンド本体内に収納する場合には、例えば2つの収納空所に跨る収納用のユニットをスタンド本体に設ける必要がある。また、電気ケーブルの他にも、電気ケーブルの一端に設けられて電気車両と電気的に接続する充電ガン(充電接続部)もスタンド本体に収納しようとする場合には、やはり上記のような収納用のユニットをスタンド本体に設ける必要がある。
【0006】
このように、上記のような充電スタンドでは、電気ケーブルや充電ガンといった充電ケーブルの一部、特に充電ガンのような重量のある部分をスタンド本体に収納(保持)させるためには、スタンド本体内の空きスペースを用いる必要がある。しかしながら、この場合には、例えばコンセントユニットのように充電ケーブルに電力を供給する電源供給部の収納可能な数が減ってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、収納可能な電源供給部の数を減らすことなく充電ケーブルの一部を保持することのできる電気車両用充電スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気車両用充電スタンドは、箱形のスタンド本体と、前記スタンド本体内に収納されて電気車両への給電路となる充電ケーブルに電力を供給する電源供給部とを備え、前記充電ケーブルのうち少なくとも電気ケーブル以外の部分を保持する保持部を前記スタンド本体の外側部に設置したことを特徴とする。
【0009】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両と電気的に接続する充電接続部を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電接続部を保持するホルダを備えることが好ましい。
【0010】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記電気ケーブルを巻き取り保持する巻取部を備えることが好ましい。
【0011】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記巻取部は、前記ホルダと一体に設けられることが好ましい。
【0012】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両への給電を制御する充電回路遮断装置を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電回路遮断装置を保持する保持具を備えることが好ましい。
【0013】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の側面に設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0014】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の両方の側面にそれぞれ設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0015】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電源供給部の内部には、前記電気ケーブルが巻き付けられて前記電気ケーブルを保持する固定金具が設けられることが好ましい。
【0016】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電気ケーブルは、前記固定金具の後方を迂回して前記何れかの引き出し口から引き出されることが好ましい。
【0017】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記固定金具は、一方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置と、他方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置とのうち少なくとも何れか一方の位置に着脱自在に取り付けられることが好ましい。
【0018】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記固定金具は、前記電気ケーブルが巻き付けられる角部が鋭角ではないことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、収納可能な電源供給部の数を減らすことなく充電ケーブルの一部を保持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態1を示す図で、(a)は斜視図で、(b)は充電ガンを保持した状態の要部拡大図で、(c)は充電ガンを外した状態の要部拡大図である。
【図2】(a)〜(e)は同上の電気車両用充電スタンドの外観図である。
【図3】同上の電気車両用充電スタンドの電源ユニットの概略ブロック図である。
【図4】同上の電気車両用充電スタンドのコンセントユニットを示す図で、(a)は扉体を開いた状態の斜視図で、(b)は概略ブロック図である。
【図5】(a)〜(c)は同上の電気車両用充電スタンドにおける充電ガンの保持に関する説明図である。
【図6】同上の電気車両用充電スタンドの使用例を示す図で、(a)はホルダに電気ケーブルを保持させた場合の正面図で、(b)は複数のホルダを設けた場合の正面図である。
【図7】本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態2を示す図で、(a)は正面図で、(b)は(a)の要部拡大図で、(c)は斜視図で、(d)は(c)の要部拡大図である。
【図8】同上の電気車両用充電スタンドで用いられる充電ケーブルの概略ブロック図である。
【図9】(a)〜(d)は同上の電気車両用充電スタンドの使用例を示す図である。
【図10】本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態3を示す図で、(a)は正面図で、(b)は電源ユニットの切り欠きを説明するための正面図である。
【図11】同上の電気車両用充電スタンドの固定金具の説明図で、(a)は固定金具の斜視図で、(b)は充電ケーブルを固定金具に巻き付けた状態を示す電源ユニットを下方から見た斜視図で、(c)は固定金具を外した状態を示す電源ユニットを下方から見た斜視図である。
【図12】同上の電気車両用充電スタンドにおける固定金具の他の構成を示す電源ユニットの筐体内部を下方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、特に断りのない限りは、図2(a)における上下左右を上下左右方向、紙面手前側を前方向、紙面奥側を後方向と定めるものとする。また、図1(a),図2,図6(b)においては、電気ケーブル41の図示を省略している。
【0022】
本実施形態は、箱形のスタンド本体1と、スタンド本体1内に収納されて電気車両(図示せず)への給電路となる充電ケーブル4に電力を供給する電源ユニット(電源供給部)2及びコンセントユニット(電源供給部)3とを備える。また、本実施形態は、充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分を保持する保持部として、後述する充電ガン40を保持するホルダ5をスタンド本体1の右側面に設置している。なお、「充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分」とは、例えば後述する充電ガン40や、実施形態2におけるCCID43等の、電気ケーブル41以外の特に重量のある部分を示す。
【0023】
スタンド本体1は、図2(a)〜(e)に示すように、長尺の矩形板状に形成された3枚の金属板(左側板10、右側板11、背板12)を組み立てることで、前面及び上面、並びに下面が開口した角筒状に形成されている。また、スタンド本体1の最上部には、円環状の蛍光ランプ(図示せず)が配設されており、アクリル樹脂などの透光性材料から成るランプカバー13がスタンド本体1の上面に取着されることで当該蛍光ランプを覆っている。なお、蛍光ランプは、スタンド本体1内に収納される点灯回路(図示せず)により、時刻や周囲の明るさに応じて自動的に点灯・消灯する。
【0024】
また、スタンド本体1の前面における最上部と最下部とには、それぞれ矩形板状の上パネル1Aと下パネル1Bとが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において、上パネル1Aの下端から下パネル1Bの上端までの空間に、複数(本実施形態では4つ)の収納空所(図示せず)が上下方向に沿って並設されている。本実施形態では、上側の2つの収納空所にそれぞれ電源ユニット2、コンセントユニット3が収納されており、下側の2つの収納空所は使用していない。したがって、スタンド本体1の前面における使用していない2つの収納空所と対応する部位には、それぞれ矩形板状の中パネル1Cが取り付けられている。
【0025】
充電ケーブル4は、図1(b)に示すように、給電線と通信線を含む多芯の電気ケーブル41と、電気ケーブル41の一端に設けられて電気車両と電気的に接続する充電ガン(充電接続部)40とで構成される。電気ケーブル41の他端は、後述する電源ユニット2に設けられた充電回路遮断装置200の接続端子台202に接続されている。
【0026】
充電ガン40は、図5(b),(c)に示すように、電気車両の充電口(受け側のコネクタ)に着脱自在に接続されるコネクタ部40Dを有するものであって、作業者(運転者)が持ち易いように筒状のグリップ40Aが一体に形成されている。そして、グリップ40Aの後端(図5(b)における下端)からは電気ケーブル41が引き出されている。なお、コネクタ部40Dには、図5(b)に示すように、同図における下端部に後述するホルダ5の溝53Bに嵌合する突部40Eが下向きに突設されている。
【0027】
充電ガン40の先端部(図5(c)における右端部)には、電気車両の充電口に接続された際に、当該充電口の周囲に形成された被係止部(図示せず)に係止する係止爪40Cが突設されている。また、グリップ40Aには、押操作が可能な操作部40Bが形成されており、当該操作部40Bを押操作することで、係止爪40Cを被係止部から離れる向き(図5(c)における上向き)に移動させることができる。これにより、充電ガン40を電気車両の充電口に接続した際に、被係止部に係止爪40Cが係合することで充電ガン40の脱落を防止することができる。
【0028】
電源ユニット2は、図1(a)に示すように、収納空所に収納される前面が開口した筐体(図示せず)と、筐体の開口を覆う蓋体20とを備える。なお、蓋体20には、筐体内部から電気ケーブル41を引き出すための引出孔20Aが設けられている。
【0029】
筐体の内部には、図3に示すように、電気車両との接続状態の検出や漏電検出、異常時に電気車両−電源間の切り離しを行う充電回路遮断装置(以下、「CCID(Charging Circuit Interrupt Device)」と呼ぶ)200が設けられている。CCID200は、2つの接続端子台201,202と、制御回路203と、リレー204とを有している。一方の接続端子台201は、外部電源(図示せず)に接続された給電線の一端と接続され、他方の接続端子台202は、電気ケーブル41の他端と接続される。リレー204は、リレー接点204Aと励磁コイル204Bとで構成される。そして、リレー204では、制御回路203が励磁コイル204Bに励磁電流を流している間だけリレー接点204Aが閉成され、外部電源から各接続端子台201,202を介して電気ケーブル41に給電される。制御回路203は、マイクロコンピュータやメモリを主な構成要素とし、電気ケーブル41の通信線を介して電気車両と通信する通信機能や、上述したリレー204による制御機能などを実現する。
【0030】
以下、CCID200の動作について簡単に説明する。先ず、充電ガン40が電気車両の充電口に接続され、電気車両から通信線を介して送信されてくる信号(充電開始を知らせるCPLT信号)を受信すると、制御回路203は励磁コイル204Bに励磁電流を流し、リレー接点204Aを閉成する。これにより、外部電源から電気ケーブル41、充電ガン40を介して電気車両に給電され、充電が開始される。次に、電気車両の二次電池の充電が終了し、電気車両から通信線を介して送信されてくる信号(充電終了を知らせるCPLT信号)を受信すると、制御回路203は励磁コイル204Bに励磁電流を流すのを停止し、リレー接点204Aを開成する。これにより、外部電源から電気ケーブル41、充電ガン40を介しての電気車両への給電が停止され、充電が終了する。
【0031】
なお、制御回路203が備える機能は、上記のような充電開始及び充電終了の検出による電路の導通、遮断を自動で行う機能に限定されない。例えば、電気ケーブル41の漏電を検出して電路を遮断する漏電検出機能や、電気ケーブル41が接続される電気車両を識別して充電を行うか否かを判断する識別機能などを制御回路203が備えてもよい。
【0032】
コンセントユニット3は、図4(a)に示すように、前面に開口窓31Aを有する箱形の筐体31と、筐体31内に保持されるコンセントブロック32と、開口窓31Aを開閉自在に塞ぐ扉体30とを備える。なお、コンセントユニット3は、電源ユニット2とは異なり、その内部にはCCID200は設けられていない。また、コンセントユニット3は、電源ユニット2とは異なり、電気ケーブル41の他端が予め給電線を介して外部電源に接続されていない。すなわち、コンセントユニット3では、電気ケーブル41の電源プラグ42(図8参照)を後述するコンセント32Cに差し込むことで、電気ケーブル41が給電線を介して外部電源と接続されるようになっている。
【0033】
扉体30は、扁平な矩形箱状に形成されており、その左端部はヒンジ部30Cによって筐体31前面の左端部に軸支されている。したがって、扉体30は、開口窓31Aを塞ぐ閉位置と開口窓31Aを開放する開位置との間で回動自在となっている。また、扉体30にはロック装置30Aが取着されており、閉位置にあるときにロック装置30Aによって扉体30がロックされる。なお、扉体30の右下角部には、筐体31内部から電気ケーブル41を引き出すための切り欠き30Bが形成されている。
【0034】
コンセントブロック32は、コンセント32Cと、コンセント32Cの差込口に対向する丸孔32Bを有して当該コンセント32Cを保持するコンセントパネル32Aと、コンセントパネル32Aの丸孔32Bを開閉自在に塞ぐコンセントカバー32Dとを備える。
【0035】
また、コンセントユニット3には、図4(b)に示すように、インターロックスイッチ33とリレー34から成るインターロック装置が設けられている。リレー34は、リレー接点34Aと励磁コイル34Bとで構成され、インターロックスイッチ33がオンされた場合のみ励磁コイル34Bを通電させてリレー接点34Aを閉成し、コンセント32Cを給電線に導通させる。すなわち、インターロック装置によって、扉体30が閉位置にないときは外部電源からコンセント32Cへの給電路が開成され、扉体30が閉位置にあるときのみ外部電源からコンセント32Cへの給電路が閉成される。
【0036】
このインターロック装置は、図4(a)に示すように、扉体30の後面から後向きに突出する駆動片33Aによって押駆動されるアクチュエータ33Bを有している。したがって、扉体30が閉位置にあるときのみ、アクチュエータ33Bが駆動片33Aによって押駆動され、外部電源からコンセント32Cへの給電路が閉成される。また、扉体30が閉位置にないときは、アクチュエータ33Bが駆動片33Aによって押駆動されないため、外部電源からコンセント32Cへの給電路は開成される。
【0037】
ホルダ5は、図5(a),(c)に示すように、直方体状の部位と半円筒状の部位とを一体に形成して成るホルダ本体50を備え、その図5(a)における紙面手前側の面、及び下面の一部は開口している。ホルダ本体50の図5(a)における紙面手前側、及び紙面奥側の端部には、それぞれ同図における上向きに突出する矩形板状の第1のフランジ51及び第2のフランジ52が一体に形成されている(図5(c)参照)。この第2のフランジ52を例えばねじ止め等の手段によってスタンド本体1の右側板11に固定することで、ホルダ5がスタンド本体1の右側面に取り付けられる。また、これら各フランジ51,52と、ホルダ本体50における半円筒状の部位とで、電気ケーブル41の余長分を巻き回して巻き取り保持する巻取部55を構成している。
【0038】
ホルダ本体50は中空であって、その内部は充電ガン40の先端部が収納される収納凹部50Aを構成している。ホルダ本体50の内部には、充電ガン40のコネクタ部40Dを保持するための筒部53が設けられている。筒部53は、図5(a)に示すように、ホルダ本体50内部の同図における左右両側面から突出する1対の棒状の支柱54によって宙吊りで固定されている。筒部53内側の同図における下側の部位には、充電ガン40の突部40Eが嵌合する溝53Bが設けられている。また、筒部53外側の同図における上側の部位には、充電ガン40の係止爪40Cが係止する係止突起53Aが一体に形成されている。係止突起53Aは、図5(c)に示すように、断面視三角形状に形成され、その斜面が充電ガン40の係止爪40Cを案内するようになっている。
【0039】
以下、充電ガン40をホルダ5に保持させる方法について図5(c)を用いて説明する。先ず、コネクタ部40Dの突部40Eを筒部53の溝53Bに嵌合できるように充電ガン40の位置合わせを行い、充電ガン40の先端部を筒部53に押し込む。すると、係止爪40Cが係止突起53Aの斜面に沿って同図における上向きに移動する。更に充電ガン40を押し込むと、係止爪40Cが係止突起53Aの斜面を乗り越えて同図における下向きに移動し、係止突起53Aに係止する。これにより、充電ガン40をホルダ5に保持させることができる。
【0040】
このとき、図6(a)に示すように、電気ケーブル41の余長分を巻取部55に巻き回すことで、電気ケーブル41をホルダ5に巻き取り保持させることができる。この場合、電気ケーブル41を収納するためのスペースをスタンド本体1内部に設ける必要がないので、収納可能な電源ユニット2及びコンセントユニット3の数を減らすことなく電気ケーブル41を保持することができる。
【0041】
なお、充電ガン40をホルダ5から取り外す場合には、操作部40Bを押操作することで係止爪40Cを同図における上向きに移動させ、係止突起53Aによる係止を解除すればよい。そして、操作部40Bを押操作した状態で充電ガン40を筒部53から引き抜くことで、充電ガン40をホルダ5から取り外すことができる。
【0042】
上述のように、本実施形態は、充電ガン40及び電気ケーブル41とで構成される充電ケーブル4の一部をスタンド本体1の外側部に設置したホルダ5に保持させることができる。したがって、充電ケーブル4の一部を収納するためのスペースをスタンド本体1内部に設ける必要がないので、収納可能な電源ユニット2及びコンセントユニット3の数を減らすことなく充電ケーブル4の一部を保持することができる。
【0043】
特に、電源ユニット2のようにCCID200を内蔵した電源供給部をスタンド本体1に収納する場合には、CCID200を内蔵するためにスペースが必要なことから、充電ケーブル4の一部を収納するスペースが制限される。本実施形態では、電源ユニット2をスタンド本体1に収納する場合であっても、収納可能な電源ユニット2の数を減らすことなく充電ケーブル4の一部をスタンド本体1に保持させることができる。また、電源ユニット2に充電ケーブル4の一部を保持させる構造を追加する必要がないため、電源ユニット2の製品単価を低く抑えることができる。
【0044】
なお、本実施形態におけるホルダ5の数は上記のように1つに限定されず、電源ユニット2の数に応じて複数設置してもよい。例えば、スタンド本体1が電源ユニット2を4つ備える場合であれば、図6(b)に示すように、スタンド本体1の左右側面のそれぞれに2つずつホルダ5を設置すればよい。勿論、ホルダ5を設置する箇所はスタンド本体1の左右側面には限定されず、スタンド本体1の外面のうち少なくとも何れかの面に設置すればよい。
【0045】
また、本実施形態では、巻取部55をホルダ5と一体に設けているが、巻取部55をホルダ5とは別体で設けてもよい。勿論、使用する電気ケーブル41の余長分が巻き取り保持をする必要がない程短い場合には、巻取部55を設けなくてもよい。
【0046】
(実施形態2)
以下、本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態は、CCID200を内蔵していないコンセントユニット3を使用する場合を想定したものであり、本実施形態の充電ケーブル4は、図8に示すように、充電ガン40と、電気ケーブル41と、電源プラグ42と、CCID43とで構成される。CCID43は、図9(a)に示すように直方体状の装置本体430を備え、装置本体430の内部に、2つの接続端子台201,202、制御回路203、リレー204を収納している。すなわち、CCID43の構成は、装置本体430を除くと実施形態1におけるCCID200の構成と同じである。
【0048】
CCID43は、図8に示すように電気ケーブル41の中間部に設けられている。そして、CCID43の一方の接続端子台201には、電気ケーブル41を介して電源プラグ42が接続されており、他方の接続端子台202には、電気ケーブル41を介して充電ガン40が接続されている。
【0049】
コンセントユニット3を用いて電気車両の充電を行う場合には、先ず、電源プラグ42をコンセントユニット3内のコンセント32Cに差し込む。これにより、電気ケーブル41が給電線を介して外部電源と接続される。その後、充電ガン40を電気車両の充電口に接続することで外部電源から電気車両へと給電され、電気車両の二次電池の充電が開始される。
【0050】
ところで、電気車両の充電時には、CCID43はスタンド本体1の外側で垂れ下がった状態となる。このため、現在使用しているコンセントユニット3の下側にあるコンセントユニット3を使用する場合に、CCID43が当該コンセントユニット3の前方で垂れ下がることで、使用の妨げとなる虞があった。
【0051】
そこで、本実施形態は、図7(a)〜(d)に示すように、充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分を保持する保持部として、CCID43を保持する保持具6をスタンド本体1の右側面に設置している。保持具6は、図7(d)に示すように、矩形板状の取付板60を備え、その前端部には平面視三角形状の支持片60Aが右向きに突出する形で一体に形成されている(図7(b)参照)。この取付板60を例えばねじ止め等の手段によってスタンド本体1の右側板11に固定することで、保持具6がスタンド本体1の右側面に取り付けられる。
【0052】
支持片60Aの上端部には、矩形板状の主片61を回動自在に支持するヒンジ部64が設けられている。主片61は、スタンド本体1の底面と平行な向きに倒した状態でスタンド本体1前面よりも前向きに突出するように形成され、その前端部には、中間部が後向きに突出するように折り曲げられた側片62が一体に形成されている。支持片60Aの上端部には、上向きに突出する矩形板状の突片63が一体に形成されており、側片62との間でCCID43を保持するようになっている。なお、側片62は、上記のようにその中間部が折り曲げられ、後向きに付勢されている。このため、CCID43を側片62と突片63との間で弾性的に挟持することができ、CCID43の脱落を防止することができる。なお、主片61には、その回動を妨げないように突片63を避けるための矩形状の挿通孔61Aが設けられている。
【0053】
以下、CCID43を保持具6に保持させる方法について図9(d)を用いて説明する。先ず、ヒンジ部64を軸として主片61を反時計回りに回動し、主片61をスタンド本体1の底面と平行な向きに倒す。その後、CCID43の装置本体430を上方から側片62と突片63との間に押し込むことで、装置本体430が側片62と突片63との間で弾性的に挟持される。これにより、CCID43をスタンド本体1の底面と略平行な状態で保持具6に保持させることができる。CCID43を取り外す場合には、装置本体430を上方へと持ち上げればよい。
【0054】
なお、保持具6を使用しないときには、ヒンジ部64を軸として主片61を回動してスタンド本体1の底面と垂直な向きに倒した状態にすることで、スタンド本体1前面よりも前向きに突出させないようにすることができる。
【0055】
上述のように、本実施形態は、CCID43をスタンド本体1の外側に設けた保持具6に保持させることができる。したがって、CCID43がスタンド本体1の前方で垂れ下がることがないので、他のコンセントユニット3を使用する場合にCCID43が使用の妨げとなるのを回避することができる。
【0056】
なお、本実施形態における保持具6の数は上記のように1つに限定されず、コンセントユニット3の数に応じて複数設置してもよい。例えば、スタンド本体1がコンセントユニット3を4つ備える場合であれば、スタンド本体1の左右側面のそれぞれに2つずつ保持具6を設置すればよい。勿論、保持具6を設置する箇所はスタンド本体1の左右側面には限定されず、スタンド本体1の外面のうち少なくとも何れかの面に設置すればよい。
【0057】
ところで、本実施形態では、CCID200を内蔵した電源ユニット2を使用する場合を想定していないが、電源ユニット2をスタンド本体1に収納して用いてもよい。このように電源ユニット2とコンセントユニット3とを併用する場合には、上記実施形態1のホルダ5と、上記実施形態2の保持具6との両方をスタンド本体1の外側部に必要な数に応じて設置すればよい。
【0058】
(実施形態3)
以下、本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施形態は、図10(a)に示すように、スタンド本体1の左右両側面にそれぞれ1つずつホルダ5が設けられている。ここで、実施形態1,2では、電源ユニット2であれば、図6(a)に示すように、電気ケーブル41を筐体内部から引き出すための引き出し口として、引出孔20Aが蓋体20の右側に設けられている。また、コンセントユニット3であれば、図6(b)に示すように、引き出し口として切り欠き30Bが扉体30の右側に設けられている。この場合、左側のホルダ5に電気ケーブル41を巻き取り保持させると、電気ケーブル41がスタンド本体1の前方を右側から左側へと横切るため、下側に位置する他の電源ユニット2やコンセントユニット3の使用の妨げとなってしまう。
【0060】
そこで、本実施形態では、図10(a)〜(c)に示すように、各電源ユニット2の蓋体20の下部の左右両端にそれぞれ矩形状の切り欠き20Bを設け、何れかの切り欠き20Bを介して電源ユニット2の筐体内部から電気ケーブル41を引き出すようにしている。すなわち、電気ケーブル41を引き出すための引き出し口として、各切り欠き20Bをスタンド本体1の左右側面それぞれの近傍に設けている。このため、右側のホルダ5に巻き取り保持させる電気ケーブル41は右側の切り欠き20Bから、左側のホルダ5に巻き取り保持させる電気ケーブル41は左側の切り欠き20Bから引き出すことができる。
【0061】
したがって、本実施形態では、電気ケーブル41がスタンド本体1の前方を横切ることがないので、電気ケーブル41が下側に位置する他の電源ユニット2やコンセントユニット3の使用の妨げとなるのを防止することができる。また、例えば電源ユニット2やコンセントユニット3の前面に各ユニットの使用状態を表示する表示ランプを設けている場合に、電気ケーブル41がスタンド本体1の前方を横切ることで表示ランプを視認し難くなるのを防止することができる。
【0062】
更に、本実施形態では、電源ユニット2の筐体内部に、図11(a)〜(c)に示すように、電気ケーブル41が巻き付けられて電気ケーブル41を保持する固定金具22を左右両側にそれぞれ1つずつ設けている。なお、電気ケーブル41の一端は、L字状の配管21を介してCCID200の接続端子台201に接続されている。また、この配管21は、電源ユニット2の筐体内部の後側において下方に突出する形で設けられている段部2Aと、蓋体20との間に配置されている。
【0063】
各固定金具22は、図11(a)に示すように、金属板を折曲して成り外周に電気ケーブル41が巻き付けられる平面視コ字状の本体22Aを備える。本体22Aの下端縁(同図では上端縁)には、後向きに突出する平板状の延設片22Bが設けられている。また、本体22Aの上端縁(同図では下端縁)には、互いに近付く向きに突出する平板状の1対の取付片22Cが設けられている。各取付片22Cの中央には、取付ねじが挿通される平面視円形状の挿通孔22Dがそれぞれ設けられている。
【0064】
これら固定金具22は、図11(b),(c)に示すように、段部2Aの下面の左右両側にそれぞれ1対ずつ設けられている平面視円形状の取付孔2Bの位置に着脱自在に取り付けることができる。すなわち、固定金具22の各挿通孔22Dと、段部2Aの左右何れかの各取付孔2Bとを重ね、取付ねじを挿通してねじ止めすることにより、固定金具22を段部2Aの下面に取り付けることができる。
【0065】
これら固定金具22は、図11(b)に示すように、電気ケーブル41の他端をスタンド本体1外部に引き出す際に、電気ケーブル41を巻き付けることで用いられる。この際、電気ケーブル41は、電源ユニット2の筐体内部において、一旦固定金具22の後方を通って前方へと引き出される。このため、曲げにくい電気ケーブル41の許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保しつつ、電気ケーブル41を前方へとスムーズに引き出すことができる。したがって、たとえ電気ケーブル41を引っ張ったとしても、固定金具22によって電気ケーブル41の曲げ半径が確保されることから、電気ケーブル41が過度に曲げられることがない。このため、電気ケーブル41に過度な負荷が掛かって発熱するのを防止することができる。
【0066】
また、固定金具22には延設片22Bが設けられているので、この延設片22Bが電気ケーブル41に当接することで、電気ケーブル41が固定金具22から垂れ下がったり、脱落したりするのを防止することができる。
【0067】
また、本実施形態では固定金具22を平面視コ字状に形成しているが、形状はこれに限定される必要はなく、例えば図12に示すように平面視半八角形状に形成してもよい。また、電気ケーブル41に過度な負荷が掛かるのを防止する観点から、固定金具22の形状は、電気ケーブル41が巻き付けられる本体22Aの角部が鋭角ではないのが望ましい。勿論、電気ケーブル41に張力を加えた際に許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保でき、且つ固定金具22のエッジによって電気ケーブル41に傷がつかなければ、他の形状であってもよい。
【0068】
なお、本実施形態において、電気ケーブル41を右側の切り欠き20Bから引き出す場合には、段部2A下面の右側に固定金具22を取り付け、左側の切り欠き20Bから引き出す場合には、段部2A下面の左側に固定金具22を取り付ければよい。勿論、段部2A下面の左右両方に固定金具22を取り付けてもよい。また、本実施形態では、固定金具22が着脱自在であるため、一旦電気ケーブル41を固定金具22で固定した後でも、固定金具22を取り外せば電気ケーブル41の取り外しも可能である。したがって、電気ケーブル41を取り外して充電ケーブル4を交換することもできる。
【0069】
なお、本実施形態では、電源ユニット2の蓋体20の左右両端に切り欠き20Bを設けているが、コンセントユニット3の扉体30の下部の左右両端に引き出し口として切り欠き30Bを設けてもよい。この場合にも、上記と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態では、CCID200を内蔵した電源ユニット2を使用する場合のみを想定しているが、コンセントユニット3を併用してもよい。このように電源ユニット2とコンセントユニット3とを併用する場合には、実施形態1のホルダ5と、実施形態2の保持具6との両方をスタンド本体1の外側部に必要な数に応じて設置すればよい。
【符号の説明】
【0070】
1 スタンド本体
2 電源ユニット(電源供給部)
3 コンセントユニット(電源供給部)
4 充電ケーブル
40 充電ガン(充電接続部)
41 電気ケーブル
43,200 CCID(充電回路遮断装置)
5 ホルダ
55 巻取部
6 保持具
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両用充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車や電気自動二輪車、プラグインハイブリッド車などのように、電気を主動力として走行する機能を持つ車両(以下、「電気車両」と呼ぶ)が普及しつつある。そして、これらの電気車両の普及に合わせて、電気車両に搭載されている二次電池を充電するための充電スタンドの提供も開始され始めている。従来の充電スタンドとしては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
【0003】
特許文献1に記載のものは、内部に複数の収納空所を有して電気自動車を駐車する地面に立設されるスタンド本体と、コンセントを保持してスタンド本体の収納空所内に収納される筐体を具備したコンセントユニットとを備えた電気自動車用充電スタンドである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−277855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例のような充電スタンドでは、電気車両への給電路となる充電ケーブルのうち、電気ケーブルをスタンド本体内に収納する場合には、例えば2つの収納空所に跨る収納用のユニットをスタンド本体に設ける必要がある。また、電気ケーブルの他にも、電気ケーブルの一端に設けられて電気車両と電気的に接続する充電ガン(充電接続部)もスタンド本体に収納しようとする場合には、やはり上記のような収納用のユニットをスタンド本体に設ける必要がある。
【0006】
このように、上記のような充電スタンドでは、電気ケーブルや充電ガンといった充電ケーブルの一部、特に充電ガンのような重量のある部分をスタンド本体に収納(保持)させるためには、スタンド本体内の空きスペースを用いる必要がある。しかしながら、この場合には、例えばコンセントユニットのように充電ケーブルに電力を供給する電源供給部の収納可能な数が減ってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、収納可能な電源供給部の数を減らすことなく充電ケーブルの一部を保持することのできる電気車両用充電スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気車両用充電スタンドは、箱形のスタンド本体と、前記スタンド本体内に収納されて電気車両への給電路となる充電ケーブルに電力を供給する電源供給部とを備え、前記充電ケーブルのうち少なくとも電気ケーブル以外の部分を保持する保持部を前記スタンド本体の外側部に設置したことを特徴とする。
【0009】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両と電気的に接続する充電接続部を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電接続部を保持するホルダを備えることが好ましい。
【0010】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記電気ケーブルを巻き取り保持する巻取部を備えることが好ましい。
【0011】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記巻取部は、前記ホルダと一体に設けられることが好ましい。
【0012】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両への給電を制御する充電回路遮断装置を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電回路遮断装置を保持する保持具を備えることが好ましい。
【0013】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の側面に設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0014】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の両方の側面にそれぞれ設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0015】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電源供給部の内部には、前記電気ケーブルが巻き付けられて前記電気ケーブルを保持する固定金具が設けられることが好ましい。
【0016】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記電気ケーブルは、前記固定金具の後方を迂回して前記何れかの引き出し口から引き出されることが好ましい。
【0017】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記固定金具は、一方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置と、他方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置とのうち少なくとも何れか一方の位置に着脱自在に取り付けられることが好ましい。
【0018】
この電気車両用充電スタンドにおいて、前記固定金具は、前記電気ケーブルが巻き付けられる角部が鋭角ではないことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、収納可能な電源供給部の数を減らすことなく充電ケーブルの一部を保持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態1を示す図で、(a)は斜視図で、(b)は充電ガンを保持した状態の要部拡大図で、(c)は充電ガンを外した状態の要部拡大図である。
【図2】(a)〜(e)は同上の電気車両用充電スタンドの外観図である。
【図3】同上の電気車両用充電スタンドの電源ユニットの概略ブロック図である。
【図4】同上の電気車両用充電スタンドのコンセントユニットを示す図で、(a)は扉体を開いた状態の斜視図で、(b)は概略ブロック図である。
【図5】(a)〜(c)は同上の電気車両用充電スタンドにおける充電ガンの保持に関する説明図である。
【図6】同上の電気車両用充電スタンドの使用例を示す図で、(a)はホルダに電気ケーブルを保持させた場合の正面図で、(b)は複数のホルダを設けた場合の正面図である。
【図7】本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態2を示す図で、(a)は正面図で、(b)は(a)の要部拡大図で、(c)は斜視図で、(d)は(c)の要部拡大図である。
【図8】同上の電気車両用充電スタンドで用いられる充電ケーブルの概略ブロック図である。
【図9】(a)〜(d)は同上の電気車両用充電スタンドの使用例を示す図である。
【図10】本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態3を示す図で、(a)は正面図で、(b)は電源ユニットの切り欠きを説明するための正面図である。
【図11】同上の電気車両用充電スタンドの固定金具の説明図で、(a)は固定金具の斜視図で、(b)は充電ケーブルを固定金具に巻き付けた状態を示す電源ユニットを下方から見た斜視図で、(c)は固定金具を外した状態を示す電源ユニットを下方から見た斜視図である。
【図12】同上の電気車両用充電スタンドにおける固定金具の他の構成を示す電源ユニットの筐体内部を下方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、特に断りのない限りは、図2(a)における上下左右を上下左右方向、紙面手前側を前方向、紙面奥側を後方向と定めるものとする。また、図1(a),図2,図6(b)においては、電気ケーブル41の図示を省略している。
【0022】
本実施形態は、箱形のスタンド本体1と、スタンド本体1内に収納されて電気車両(図示せず)への給電路となる充電ケーブル4に電力を供給する電源ユニット(電源供給部)2及びコンセントユニット(電源供給部)3とを備える。また、本実施形態は、充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分を保持する保持部として、後述する充電ガン40を保持するホルダ5をスタンド本体1の右側面に設置している。なお、「充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分」とは、例えば後述する充電ガン40や、実施形態2におけるCCID43等の、電気ケーブル41以外の特に重量のある部分を示す。
【0023】
スタンド本体1は、図2(a)〜(e)に示すように、長尺の矩形板状に形成された3枚の金属板(左側板10、右側板11、背板12)を組み立てることで、前面及び上面、並びに下面が開口した角筒状に形成されている。また、スタンド本体1の最上部には、円環状の蛍光ランプ(図示せず)が配設されており、アクリル樹脂などの透光性材料から成るランプカバー13がスタンド本体1の上面に取着されることで当該蛍光ランプを覆っている。なお、蛍光ランプは、スタンド本体1内に収納される点灯回路(図示せず)により、時刻や周囲の明るさに応じて自動的に点灯・消灯する。
【0024】
また、スタンド本体1の前面における最上部と最下部とには、それぞれ矩形板状の上パネル1Aと下パネル1Bとが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において、上パネル1Aの下端から下パネル1Bの上端までの空間に、複数(本実施形態では4つ)の収納空所(図示せず)が上下方向に沿って並設されている。本実施形態では、上側の2つの収納空所にそれぞれ電源ユニット2、コンセントユニット3が収納されており、下側の2つの収納空所は使用していない。したがって、スタンド本体1の前面における使用していない2つの収納空所と対応する部位には、それぞれ矩形板状の中パネル1Cが取り付けられている。
【0025】
充電ケーブル4は、図1(b)に示すように、給電線と通信線を含む多芯の電気ケーブル41と、電気ケーブル41の一端に設けられて電気車両と電気的に接続する充電ガン(充電接続部)40とで構成される。電気ケーブル41の他端は、後述する電源ユニット2に設けられた充電回路遮断装置200の接続端子台202に接続されている。
【0026】
充電ガン40は、図5(b),(c)に示すように、電気車両の充電口(受け側のコネクタ)に着脱自在に接続されるコネクタ部40Dを有するものであって、作業者(運転者)が持ち易いように筒状のグリップ40Aが一体に形成されている。そして、グリップ40Aの後端(図5(b)における下端)からは電気ケーブル41が引き出されている。なお、コネクタ部40Dには、図5(b)に示すように、同図における下端部に後述するホルダ5の溝53Bに嵌合する突部40Eが下向きに突設されている。
【0027】
充電ガン40の先端部(図5(c)における右端部)には、電気車両の充電口に接続された際に、当該充電口の周囲に形成された被係止部(図示せず)に係止する係止爪40Cが突設されている。また、グリップ40Aには、押操作が可能な操作部40Bが形成されており、当該操作部40Bを押操作することで、係止爪40Cを被係止部から離れる向き(図5(c)における上向き)に移動させることができる。これにより、充電ガン40を電気車両の充電口に接続した際に、被係止部に係止爪40Cが係合することで充電ガン40の脱落を防止することができる。
【0028】
電源ユニット2は、図1(a)に示すように、収納空所に収納される前面が開口した筐体(図示せず)と、筐体の開口を覆う蓋体20とを備える。なお、蓋体20には、筐体内部から電気ケーブル41を引き出すための引出孔20Aが設けられている。
【0029】
筐体の内部には、図3に示すように、電気車両との接続状態の検出や漏電検出、異常時に電気車両−電源間の切り離しを行う充電回路遮断装置(以下、「CCID(Charging Circuit Interrupt Device)」と呼ぶ)200が設けられている。CCID200は、2つの接続端子台201,202と、制御回路203と、リレー204とを有している。一方の接続端子台201は、外部電源(図示せず)に接続された給電線の一端と接続され、他方の接続端子台202は、電気ケーブル41の他端と接続される。リレー204は、リレー接点204Aと励磁コイル204Bとで構成される。そして、リレー204では、制御回路203が励磁コイル204Bに励磁電流を流している間だけリレー接点204Aが閉成され、外部電源から各接続端子台201,202を介して電気ケーブル41に給電される。制御回路203は、マイクロコンピュータやメモリを主な構成要素とし、電気ケーブル41の通信線を介して電気車両と通信する通信機能や、上述したリレー204による制御機能などを実現する。
【0030】
以下、CCID200の動作について簡単に説明する。先ず、充電ガン40が電気車両の充電口に接続され、電気車両から通信線を介して送信されてくる信号(充電開始を知らせるCPLT信号)を受信すると、制御回路203は励磁コイル204Bに励磁電流を流し、リレー接点204Aを閉成する。これにより、外部電源から電気ケーブル41、充電ガン40を介して電気車両に給電され、充電が開始される。次に、電気車両の二次電池の充電が終了し、電気車両から通信線を介して送信されてくる信号(充電終了を知らせるCPLT信号)を受信すると、制御回路203は励磁コイル204Bに励磁電流を流すのを停止し、リレー接点204Aを開成する。これにより、外部電源から電気ケーブル41、充電ガン40を介しての電気車両への給電が停止され、充電が終了する。
【0031】
なお、制御回路203が備える機能は、上記のような充電開始及び充電終了の検出による電路の導通、遮断を自動で行う機能に限定されない。例えば、電気ケーブル41の漏電を検出して電路を遮断する漏電検出機能や、電気ケーブル41が接続される電気車両を識別して充電を行うか否かを判断する識別機能などを制御回路203が備えてもよい。
【0032】
コンセントユニット3は、図4(a)に示すように、前面に開口窓31Aを有する箱形の筐体31と、筐体31内に保持されるコンセントブロック32と、開口窓31Aを開閉自在に塞ぐ扉体30とを備える。なお、コンセントユニット3は、電源ユニット2とは異なり、その内部にはCCID200は設けられていない。また、コンセントユニット3は、電源ユニット2とは異なり、電気ケーブル41の他端が予め給電線を介して外部電源に接続されていない。すなわち、コンセントユニット3では、電気ケーブル41の電源プラグ42(図8参照)を後述するコンセント32Cに差し込むことで、電気ケーブル41が給電線を介して外部電源と接続されるようになっている。
【0033】
扉体30は、扁平な矩形箱状に形成されており、その左端部はヒンジ部30Cによって筐体31前面の左端部に軸支されている。したがって、扉体30は、開口窓31Aを塞ぐ閉位置と開口窓31Aを開放する開位置との間で回動自在となっている。また、扉体30にはロック装置30Aが取着されており、閉位置にあるときにロック装置30Aによって扉体30がロックされる。なお、扉体30の右下角部には、筐体31内部から電気ケーブル41を引き出すための切り欠き30Bが形成されている。
【0034】
コンセントブロック32は、コンセント32Cと、コンセント32Cの差込口に対向する丸孔32Bを有して当該コンセント32Cを保持するコンセントパネル32Aと、コンセントパネル32Aの丸孔32Bを開閉自在に塞ぐコンセントカバー32Dとを備える。
【0035】
また、コンセントユニット3には、図4(b)に示すように、インターロックスイッチ33とリレー34から成るインターロック装置が設けられている。リレー34は、リレー接点34Aと励磁コイル34Bとで構成され、インターロックスイッチ33がオンされた場合のみ励磁コイル34Bを通電させてリレー接点34Aを閉成し、コンセント32Cを給電線に導通させる。すなわち、インターロック装置によって、扉体30が閉位置にないときは外部電源からコンセント32Cへの給電路が開成され、扉体30が閉位置にあるときのみ外部電源からコンセント32Cへの給電路が閉成される。
【0036】
このインターロック装置は、図4(a)に示すように、扉体30の後面から後向きに突出する駆動片33Aによって押駆動されるアクチュエータ33Bを有している。したがって、扉体30が閉位置にあるときのみ、アクチュエータ33Bが駆動片33Aによって押駆動され、外部電源からコンセント32Cへの給電路が閉成される。また、扉体30が閉位置にないときは、アクチュエータ33Bが駆動片33Aによって押駆動されないため、外部電源からコンセント32Cへの給電路は開成される。
【0037】
ホルダ5は、図5(a),(c)に示すように、直方体状の部位と半円筒状の部位とを一体に形成して成るホルダ本体50を備え、その図5(a)における紙面手前側の面、及び下面の一部は開口している。ホルダ本体50の図5(a)における紙面手前側、及び紙面奥側の端部には、それぞれ同図における上向きに突出する矩形板状の第1のフランジ51及び第2のフランジ52が一体に形成されている(図5(c)参照)。この第2のフランジ52を例えばねじ止め等の手段によってスタンド本体1の右側板11に固定することで、ホルダ5がスタンド本体1の右側面に取り付けられる。また、これら各フランジ51,52と、ホルダ本体50における半円筒状の部位とで、電気ケーブル41の余長分を巻き回して巻き取り保持する巻取部55を構成している。
【0038】
ホルダ本体50は中空であって、その内部は充電ガン40の先端部が収納される収納凹部50Aを構成している。ホルダ本体50の内部には、充電ガン40のコネクタ部40Dを保持するための筒部53が設けられている。筒部53は、図5(a)に示すように、ホルダ本体50内部の同図における左右両側面から突出する1対の棒状の支柱54によって宙吊りで固定されている。筒部53内側の同図における下側の部位には、充電ガン40の突部40Eが嵌合する溝53Bが設けられている。また、筒部53外側の同図における上側の部位には、充電ガン40の係止爪40Cが係止する係止突起53Aが一体に形成されている。係止突起53Aは、図5(c)に示すように、断面視三角形状に形成され、その斜面が充電ガン40の係止爪40Cを案内するようになっている。
【0039】
以下、充電ガン40をホルダ5に保持させる方法について図5(c)を用いて説明する。先ず、コネクタ部40Dの突部40Eを筒部53の溝53Bに嵌合できるように充電ガン40の位置合わせを行い、充電ガン40の先端部を筒部53に押し込む。すると、係止爪40Cが係止突起53Aの斜面に沿って同図における上向きに移動する。更に充電ガン40を押し込むと、係止爪40Cが係止突起53Aの斜面を乗り越えて同図における下向きに移動し、係止突起53Aに係止する。これにより、充電ガン40をホルダ5に保持させることができる。
【0040】
このとき、図6(a)に示すように、電気ケーブル41の余長分を巻取部55に巻き回すことで、電気ケーブル41をホルダ5に巻き取り保持させることができる。この場合、電気ケーブル41を収納するためのスペースをスタンド本体1内部に設ける必要がないので、収納可能な電源ユニット2及びコンセントユニット3の数を減らすことなく電気ケーブル41を保持することができる。
【0041】
なお、充電ガン40をホルダ5から取り外す場合には、操作部40Bを押操作することで係止爪40Cを同図における上向きに移動させ、係止突起53Aによる係止を解除すればよい。そして、操作部40Bを押操作した状態で充電ガン40を筒部53から引き抜くことで、充電ガン40をホルダ5から取り外すことができる。
【0042】
上述のように、本実施形態は、充電ガン40及び電気ケーブル41とで構成される充電ケーブル4の一部をスタンド本体1の外側部に設置したホルダ5に保持させることができる。したがって、充電ケーブル4の一部を収納するためのスペースをスタンド本体1内部に設ける必要がないので、収納可能な電源ユニット2及びコンセントユニット3の数を減らすことなく充電ケーブル4の一部を保持することができる。
【0043】
特に、電源ユニット2のようにCCID200を内蔵した電源供給部をスタンド本体1に収納する場合には、CCID200を内蔵するためにスペースが必要なことから、充電ケーブル4の一部を収納するスペースが制限される。本実施形態では、電源ユニット2をスタンド本体1に収納する場合であっても、収納可能な電源ユニット2の数を減らすことなく充電ケーブル4の一部をスタンド本体1に保持させることができる。また、電源ユニット2に充電ケーブル4の一部を保持させる構造を追加する必要がないため、電源ユニット2の製品単価を低く抑えることができる。
【0044】
なお、本実施形態におけるホルダ5の数は上記のように1つに限定されず、電源ユニット2の数に応じて複数設置してもよい。例えば、スタンド本体1が電源ユニット2を4つ備える場合であれば、図6(b)に示すように、スタンド本体1の左右側面のそれぞれに2つずつホルダ5を設置すればよい。勿論、ホルダ5を設置する箇所はスタンド本体1の左右側面には限定されず、スタンド本体1の外面のうち少なくとも何れかの面に設置すればよい。
【0045】
また、本実施形態では、巻取部55をホルダ5と一体に設けているが、巻取部55をホルダ5とは別体で設けてもよい。勿論、使用する電気ケーブル41の余長分が巻き取り保持をする必要がない程短い場合には、巻取部55を設けなくてもよい。
【0046】
(実施形態2)
以下、本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態は、CCID200を内蔵していないコンセントユニット3を使用する場合を想定したものであり、本実施形態の充電ケーブル4は、図8に示すように、充電ガン40と、電気ケーブル41と、電源プラグ42と、CCID43とで構成される。CCID43は、図9(a)に示すように直方体状の装置本体430を備え、装置本体430の内部に、2つの接続端子台201,202、制御回路203、リレー204を収納している。すなわち、CCID43の構成は、装置本体430を除くと実施形態1におけるCCID200の構成と同じである。
【0048】
CCID43は、図8に示すように電気ケーブル41の中間部に設けられている。そして、CCID43の一方の接続端子台201には、電気ケーブル41を介して電源プラグ42が接続されており、他方の接続端子台202には、電気ケーブル41を介して充電ガン40が接続されている。
【0049】
コンセントユニット3を用いて電気車両の充電を行う場合には、先ず、電源プラグ42をコンセントユニット3内のコンセント32Cに差し込む。これにより、電気ケーブル41が給電線を介して外部電源と接続される。その後、充電ガン40を電気車両の充電口に接続することで外部電源から電気車両へと給電され、電気車両の二次電池の充電が開始される。
【0050】
ところで、電気車両の充電時には、CCID43はスタンド本体1の外側で垂れ下がった状態となる。このため、現在使用しているコンセントユニット3の下側にあるコンセントユニット3を使用する場合に、CCID43が当該コンセントユニット3の前方で垂れ下がることで、使用の妨げとなる虞があった。
【0051】
そこで、本実施形態は、図7(a)〜(d)に示すように、充電ケーブル4のうち電気ケーブル41以外の部分を保持する保持部として、CCID43を保持する保持具6をスタンド本体1の右側面に設置している。保持具6は、図7(d)に示すように、矩形板状の取付板60を備え、その前端部には平面視三角形状の支持片60Aが右向きに突出する形で一体に形成されている(図7(b)参照)。この取付板60を例えばねじ止め等の手段によってスタンド本体1の右側板11に固定することで、保持具6がスタンド本体1の右側面に取り付けられる。
【0052】
支持片60Aの上端部には、矩形板状の主片61を回動自在に支持するヒンジ部64が設けられている。主片61は、スタンド本体1の底面と平行な向きに倒した状態でスタンド本体1前面よりも前向きに突出するように形成され、その前端部には、中間部が後向きに突出するように折り曲げられた側片62が一体に形成されている。支持片60Aの上端部には、上向きに突出する矩形板状の突片63が一体に形成されており、側片62との間でCCID43を保持するようになっている。なお、側片62は、上記のようにその中間部が折り曲げられ、後向きに付勢されている。このため、CCID43を側片62と突片63との間で弾性的に挟持することができ、CCID43の脱落を防止することができる。なお、主片61には、その回動を妨げないように突片63を避けるための矩形状の挿通孔61Aが設けられている。
【0053】
以下、CCID43を保持具6に保持させる方法について図9(d)を用いて説明する。先ず、ヒンジ部64を軸として主片61を反時計回りに回動し、主片61をスタンド本体1の底面と平行な向きに倒す。その後、CCID43の装置本体430を上方から側片62と突片63との間に押し込むことで、装置本体430が側片62と突片63との間で弾性的に挟持される。これにより、CCID43をスタンド本体1の底面と略平行な状態で保持具6に保持させることができる。CCID43を取り外す場合には、装置本体430を上方へと持ち上げればよい。
【0054】
なお、保持具6を使用しないときには、ヒンジ部64を軸として主片61を回動してスタンド本体1の底面と垂直な向きに倒した状態にすることで、スタンド本体1前面よりも前向きに突出させないようにすることができる。
【0055】
上述のように、本実施形態は、CCID43をスタンド本体1の外側に設けた保持具6に保持させることができる。したがって、CCID43がスタンド本体1の前方で垂れ下がることがないので、他のコンセントユニット3を使用する場合にCCID43が使用の妨げとなるのを回避することができる。
【0056】
なお、本実施形態における保持具6の数は上記のように1つに限定されず、コンセントユニット3の数に応じて複数設置してもよい。例えば、スタンド本体1がコンセントユニット3を4つ備える場合であれば、スタンド本体1の左右側面のそれぞれに2つずつ保持具6を設置すればよい。勿論、保持具6を設置する箇所はスタンド本体1の左右側面には限定されず、スタンド本体1の外面のうち少なくとも何れかの面に設置すればよい。
【0057】
ところで、本実施形態では、CCID200を内蔵した電源ユニット2を使用する場合を想定していないが、電源ユニット2をスタンド本体1に収納して用いてもよい。このように電源ユニット2とコンセントユニット3とを併用する場合には、上記実施形態1のホルダ5と、上記実施形態2の保持具6との両方をスタンド本体1の外側部に必要な数に応じて設置すればよい。
【0058】
(実施形態3)
以下、本発明に係る電気車両用充電スタンドの実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施形態は、図10(a)に示すように、スタンド本体1の左右両側面にそれぞれ1つずつホルダ5が設けられている。ここで、実施形態1,2では、電源ユニット2であれば、図6(a)に示すように、電気ケーブル41を筐体内部から引き出すための引き出し口として、引出孔20Aが蓋体20の右側に設けられている。また、コンセントユニット3であれば、図6(b)に示すように、引き出し口として切り欠き30Bが扉体30の右側に設けられている。この場合、左側のホルダ5に電気ケーブル41を巻き取り保持させると、電気ケーブル41がスタンド本体1の前方を右側から左側へと横切るため、下側に位置する他の電源ユニット2やコンセントユニット3の使用の妨げとなってしまう。
【0060】
そこで、本実施形態では、図10(a)〜(c)に示すように、各電源ユニット2の蓋体20の下部の左右両端にそれぞれ矩形状の切り欠き20Bを設け、何れかの切り欠き20Bを介して電源ユニット2の筐体内部から電気ケーブル41を引き出すようにしている。すなわち、電気ケーブル41を引き出すための引き出し口として、各切り欠き20Bをスタンド本体1の左右側面それぞれの近傍に設けている。このため、右側のホルダ5に巻き取り保持させる電気ケーブル41は右側の切り欠き20Bから、左側のホルダ5に巻き取り保持させる電気ケーブル41は左側の切り欠き20Bから引き出すことができる。
【0061】
したがって、本実施形態では、電気ケーブル41がスタンド本体1の前方を横切ることがないので、電気ケーブル41が下側に位置する他の電源ユニット2やコンセントユニット3の使用の妨げとなるのを防止することができる。また、例えば電源ユニット2やコンセントユニット3の前面に各ユニットの使用状態を表示する表示ランプを設けている場合に、電気ケーブル41がスタンド本体1の前方を横切ることで表示ランプを視認し難くなるのを防止することができる。
【0062】
更に、本実施形態では、電源ユニット2の筐体内部に、図11(a)〜(c)に示すように、電気ケーブル41が巻き付けられて電気ケーブル41を保持する固定金具22を左右両側にそれぞれ1つずつ設けている。なお、電気ケーブル41の一端は、L字状の配管21を介してCCID200の接続端子台201に接続されている。また、この配管21は、電源ユニット2の筐体内部の後側において下方に突出する形で設けられている段部2Aと、蓋体20との間に配置されている。
【0063】
各固定金具22は、図11(a)に示すように、金属板を折曲して成り外周に電気ケーブル41が巻き付けられる平面視コ字状の本体22Aを備える。本体22Aの下端縁(同図では上端縁)には、後向きに突出する平板状の延設片22Bが設けられている。また、本体22Aの上端縁(同図では下端縁)には、互いに近付く向きに突出する平板状の1対の取付片22Cが設けられている。各取付片22Cの中央には、取付ねじが挿通される平面視円形状の挿通孔22Dがそれぞれ設けられている。
【0064】
これら固定金具22は、図11(b),(c)に示すように、段部2Aの下面の左右両側にそれぞれ1対ずつ設けられている平面視円形状の取付孔2Bの位置に着脱自在に取り付けることができる。すなわち、固定金具22の各挿通孔22Dと、段部2Aの左右何れかの各取付孔2Bとを重ね、取付ねじを挿通してねじ止めすることにより、固定金具22を段部2Aの下面に取り付けることができる。
【0065】
これら固定金具22は、図11(b)に示すように、電気ケーブル41の他端をスタンド本体1外部に引き出す際に、電気ケーブル41を巻き付けることで用いられる。この際、電気ケーブル41は、電源ユニット2の筐体内部において、一旦固定金具22の後方を通って前方へと引き出される。このため、曲げにくい電気ケーブル41の許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保しつつ、電気ケーブル41を前方へとスムーズに引き出すことができる。したがって、たとえ電気ケーブル41を引っ張ったとしても、固定金具22によって電気ケーブル41の曲げ半径が確保されることから、電気ケーブル41が過度に曲げられることがない。このため、電気ケーブル41に過度な負荷が掛かって発熱するのを防止することができる。
【0066】
また、固定金具22には延設片22Bが設けられているので、この延設片22Bが電気ケーブル41に当接することで、電気ケーブル41が固定金具22から垂れ下がったり、脱落したりするのを防止することができる。
【0067】
また、本実施形態では固定金具22を平面視コ字状に形成しているが、形状はこれに限定される必要はなく、例えば図12に示すように平面視半八角形状に形成してもよい。また、電気ケーブル41に過度な負荷が掛かるのを防止する観点から、固定金具22の形状は、電気ケーブル41が巻き付けられる本体22Aの角部が鋭角ではないのが望ましい。勿論、電気ケーブル41に張力を加えた際に許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保でき、且つ固定金具22のエッジによって電気ケーブル41に傷がつかなければ、他の形状であってもよい。
【0068】
なお、本実施形態において、電気ケーブル41を右側の切り欠き20Bから引き出す場合には、段部2A下面の右側に固定金具22を取り付け、左側の切り欠き20Bから引き出す場合には、段部2A下面の左側に固定金具22を取り付ければよい。勿論、段部2A下面の左右両方に固定金具22を取り付けてもよい。また、本実施形態では、固定金具22が着脱自在であるため、一旦電気ケーブル41を固定金具22で固定した後でも、固定金具22を取り外せば電気ケーブル41の取り外しも可能である。したがって、電気ケーブル41を取り外して充電ケーブル4を交換することもできる。
【0069】
なお、本実施形態では、電源ユニット2の蓋体20の左右両端に切り欠き20Bを設けているが、コンセントユニット3の扉体30の下部の左右両端に引き出し口として切り欠き30Bを設けてもよい。この場合にも、上記と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態では、CCID200を内蔵した電源ユニット2を使用する場合のみを想定しているが、コンセントユニット3を併用してもよい。このように電源ユニット2とコンセントユニット3とを併用する場合には、実施形態1のホルダ5と、実施形態2の保持具6との両方をスタンド本体1の外側部に必要な数に応じて設置すればよい。
【符号の説明】
【0070】
1 スタンド本体
2 電源ユニット(電源供給部)
3 コンセントユニット(電源供給部)
4 充電ケーブル
40 充電ガン(充電接続部)
41 電気ケーブル
43,200 CCID(充電回路遮断装置)
5 ホルダ
55 巻取部
6 保持具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形のスタンド本体と、前記スタンド本体内に収納されて電気車両への給電路となる充電ケーブルに電力を供給する電源供給部とを備え、前記充電ケーブルのうち少なくとも電気ケーブル以外の部分を保持する保持部を前記スタンド本体の外側部に設置したことを特徴とする電気車両用充電スタンド。
【請求項2】
前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両と電気的に接続する充電接続部を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電接続部を保持するホルダを備えることを特徴とする請求項1記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項3】
前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記電気ケーブルを巻き取り保持する巻取部を備えることを特徴とする請求項2記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項4】
前記巻取部は、前記ホルダと一体に設けられることを特徴とする請求項3記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項5】
前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両への給電を制御する充電回路遮断装置を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電回路遮断装置を保持する保持具を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項6】
前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の側面に設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項7】
前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の両方の側面にそれぞれ設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項8】
前記電源供給部の内部には、前記電気ケーブルが巻き付けられて前記電気ケーブルを保持する固定金具が設けられることを特徴とする請求項7記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項9】
前記電気ケーブルは、前記固定金具の後方を通って前記何れかの引き出し口から引き出されることを特徴とする請求項8記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項10】
前記固定金具は、一方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置と、他方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置とのうち少なくとも何れか一方の位置に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項8又は9記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項11】
前記固定金具は、前記電気ケーブルが巻き付けられる角部が鋭角ではないことを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項1】
箱形のスタンド本体と、前記スタンド本体内に収納されて電気車両への給電路となる充電ケーブルに電力を供給する電源供給部とを備え、前記充電ケーブルのうち少なくとも電気ケーブル以外の部分を保持する保持部を前記スタンド本体の外側部に設置したことを特徴とする電気車両用充電スタンド。
【請求項2】
前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両と電気的に接続する充電接続部を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電接続部を保持するホルダを備えることを特徴とする請求項1記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項3】
前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記電気ケーブルを巻き取り保持する巻取部を備えることを特徴とする請求項2記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項4】
前記巻取部は、前記ホルダと一体に設けられることを特徴とする請求項3記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項5】
前記充電ケーブルは、前記電気ケーブルに設けられて前記電気車両への給電を制御する充電回路遮断装置を有し、前記保持部は、前記スタンド本体の外面のうち少なくとも何れか一面に設置されて前記充電回路遮断装置を保持する保持具を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項6】
前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の側面に設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項7】
前記電気ケーブルは、前記スタンド本体の前面から引き出され、前記保持部は、前記スタンド本体の両方の側面にそれぞれ設置され、前記電源供給部の前面には、前記電源供給部の内部から前記電気ケーブルを引き出すための引き出し口が前記スタンド本体の各側面の近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項8】
前記電源供給部の内部には、前記電気ケーブルが巻き付けられて前記電気ケーブルを保持する固定金具が設けられることを特徴とする請求項7記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項9】
前記電気ケーブルは、前記固定金具の後方を通って前記何れかの引き出し口から引き出されることを特徴とする請求項8記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項10】
前記固定金具は、一方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置と、他方の前記引き出し口から引き出される前記電気ケーブルを保持する位置とのうち少なくとも何れか一方の位置に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項8又は9記載の電気車両用充電スタンド。
【請求項11】
前記固定金具は、前記電気ケーブルが巻き付けられる角部が鋭角ではないことを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の電気車両用充電スタンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−94040(P2013−94040A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−288750(P2011−288750)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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