説明

電気錠用操作パネル装置

【課題】構成の簡略化を図ってコストを低減する。
【解決手段】電気錠用操作パネル装置1は、タッチスイッチ部10と表示部11とからなる複数の表示キーがマトリクス状に配列され、複数の表示キーの任意の表示キーの押下によって待機状態から起動状態に移行する処理部12を備える。処理部12は、起動状態への移行時に複数の表示キーの全てを点灯し、この状態から任意の表示キーが押下されたときに、複数の表示キーのうちの少なくとも一つの表示キーを消灯し、その後に複数の表示キーの全てを点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力操作による暗証情報(アラビア数字「0」〜「9」の組み合わせ)を用いて電気錠の解錠(施錠)を行う際に用いられる電気錠用操作パネル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キー入力操作による暗証情報(アラビア数字「0」〜「9」の組み合わせ)を用いて電気錠の解錠(施錠)を行う場合、扉の出入口に設けられた電気錠用操作パネル装置から暗証情報が入力されるようになっている。そして、この電気錠用操作パネル装置と配線接続されて扉に設けられる電気錠装置は、電気錠用操作パネル装置から入力される暗証情報と、電気錠の解錠(施錠)を許可するべく予め設定登録された施解錠許可情報とを比較し、両者が一致したときに電気錠を解錠(施錠)制御している。
【0003】
ところで、この種の電気錠用操作パネル装置としては、例えば4行3列の計12個の表示区画のそれぞれに、「0」〜「9」までのアラビア数字と、2個の制御符号(「*」、「#」や「C」、「E」等)とを表示するように構成された発光ダイオード(以下、LEDという)や液晶等の表示部を備えている。この電気錠用操作パネル装置では、表示部に重合された透明なキースイッチパネルを介して表示を手指で押動操作することにより、その表示を符号として電気錠装置の制御回路に入力している。
【0004】
なお、上述した電気錠用操作パネル装置では、短期的にはキースイッチパネルに付着する手指の汗や指により、また長期的には摩擦による擦過傷等により、一定の表示区画が暗証情報を構成する表示部として他人に察知されてしまい、この表示部に対応する符号を順列し、組み合わせることにより、暗証情報を他人に知られてしまう危険性があった。
【0005】
そこで、上記問題を解消した電気錠用操作パネル装置としては、例えば下記特許文献1〜3に開示されるものが知られている。
【特許文献1】特開平5−346833号公報
【特許文献2】特開平10−121804号公報
【特許文献3】特開2008−45283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜3を含め従来の電気錠用操作パネル装置では、装置の起動確認や暗証情報の照合結果等を利用者に知らせるために、例えばブザー等の鳴動装置やLED等の表示装置が別途必要となり、その分だけ構成部品が増えてしまい、コストが嵩むという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、構成の簡略化を図ってコストを低減することができる電気錠用操作パネル装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載された電気錠用操作パネル装置は、複数の表示キーがマトリクス状に配列され、前記複数の表示キーの任意の表示キーの押下によって待機状態から起動状態に移行する処理部を備えた電気錠用操作パネル装置であって、
前記処理部は、前記起動状態への移行時に前記複数の表示キーの全てを点灯し、この状態から任意の表示キーが押下されたときに、前記複数の表示キーのうちの少なくとも一つの表示キーを消灯し、その後に前記複数の表示キーの全てを点灯することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された電気錠用操作パネル装置は、複数の表示キーがマトリクス状に配列され、前記複数の表示キーの任意の表示キーの押下によって待機状態から起動状態に移行する処理部を備えた電気錠用操作パネル装置であって、
前記処理部は、前記起動状態への移行時に前記複数の表示キーの全てを点灯し、この状態から任意の表示キーが押下されたときに、前記複数の表示キーの全てを消灯し、その後に前記複数の表示キーの全てを点灯することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された電気錠用操作パネル装置は、複数の表示キーがマトリクス状に配列され、前記複数の表示キーの任意の表示キーの押下によって待機状態から起動状態に移行する処理部を備えた電気錠用操作パネル装置であって、
前記処理部は、前記起動状態への移行時に前記複数の表示キーの全てを点灯し、この状態から任意の表示キーが押下されたときに、前記押下された表示キーのみを消灯、又は前記押下された表示キー以外の全ての表示キーを消灯し、その後に前記複数の表示キーの全てを点灯することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載された電気錠用操作パネル装置は、請求項1〜3の何れかの電気錠用操作パネル装置において、
前記処理部は、前記複数の表示キーの全てが点灯している状態で前記複数の表示キーの操作により暗証情報が入力されたときに、当該入力された暗証情報が予め設定登録された情報と一致するか否かを照合し、その照合した結果を前記表示キーにより文字表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電気錠用操作パネル装置によれば、装置の起動確認や暗証情報の照合結果等を利用者に知らせるために、従来のようなブザー等の鳴動装置やLED等の表示装置を別途必要とせず、構成を簡略化してコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明に係る電気錠用操作パネル装置のブロック構成図、図2は本発明に係る電気錠用操作パネル装置の動作フローチャート、図3(a)〜(c)は本発明に係る電気錠用操作パネル装置の起動確認時の表示例を示す図、図4(a)〜(d)は本発明に係る電気錠用操作パネル装置による暗証情報の照合結果の表示例及び解錠時の表示例を示す図である。
【0015】
本発明に係る電気錠用操作パネル装置1は、暗証情報(「0」〜「9」のアラビア数字の組み合わせ)を用いて電気錠の解錠(施錠)を行う際に用いられるものであって、例えば扉の出入口に配設され、電気錠装置2と電気的に配線接続される。
【0016】
電気錠用操作パネル装置1は、例えば電池や商用電源を駆動源とし、図1に示すように、タッチスイッチ部10と、表示部11と、処理部12とを一体に備えて概略構成される。
【0017】
タッチスイッチ部10は、表示部11の前面に対向して設けられ、利用者によって押動操作される複数のキーで構成される。具体的には、図3に示すような表示部11の各表示区画と1対1に対応して4行3列の計12個のキーをマトリクス状に配置してタッチスイッチ部10を構成している。
【0018】
なお、図示はしないが、タッチスイッチ部10の前面には、タッチスイッチ部10の操作面を保護するための透明な保護シートが設けられている。
【0019】
表示部11は、タッチスイッチ部10の下部に配置され、例えばLEDをバックライトとする液晶表示装置から構成される。そして、本例では、タッチスイッチ部10と表示部11とにより、スイッチ機能と表示機能とを兼ね備えた表示キーを構成している。
【0020】
表示部11は、図3に示すようなマトリクス状の複数の表示区画に対し、各表示区画に異なるアラビア数字「0」〜「9」、制御符号「C」,「E」、所定の文字(「YES」,「NO」,「Err」等)が1つずつ選択的に表示可能となっている。
【0021】
さらに説明すると、タッチスイッチ部10の何れかのキーの押下により処理部12が待機状態(スリープ状態)から起動し、タッチスイッチ部10による暗証情報の入力待ち状態のときに、全ての表示区画が点灯し、上から1段目の表示区画には左からアラビア数字「1」,「2」,「3」が表示され、2段目の表示区画には左からアラビア数字「4」,「5」,「6」が表示され、3段目の表示区画には左からアラビア数字「7」,「8」,「9」が表示され、4段目の表示区画に左から制御符号「C(入力をクリアするときに操作されるキーに対応)」,アラビア数字「0」,制御符号「E(暗証情報を確定するときに操作されるキーに対応)」が表示される(図3(a)〜(c)の各図の左側の表示状態)。
【0022】
なお、暗証情報の入力待ち状態のときに、各表示区画に表示されるアラビア数字や制御符号は、予め決められたテンキーの配列に限定されるものではなく、処理部12が起動する度に各表示区画に表示されるアラビア数字や制御符号の配列をランダムに変えて表示するようにしても良い。この場合、処理部12は、タッチスイッチ部10の各キーと各表示区画に表示されるアラビア数字や制御符号との位置関係を記憶している。また、図3及び図4の表示部11では、アラビア数字、制御符号、所定の文字を7セグメントにより表示しているが、これに限定されるものではなく、例えばセグメント数を更に増やして表示を行うようにしても良い。
【0023】
また、待機状態(スリープ状態)の処理部12がタッチスイッチ部10の何れかのキーの押下により起動し、タッチスイッチ部10の全てのキーに対応する全ての表示区画が点灯表示している状態で、タッチスイッチ部10による何れかの数字キー(アラビア数字「0」〜「9」)が押下されたときには、処理部12の制御により、表示区画の消灯・再点灯処理(図2の一点鎖線で囲まれた処理)を実行している。この表示区画の消灯・再点灯処理としては、下記(1)〜(4)の何れかの処理が考えられる。
(1)表示部11の全ての表示区画を消灯し、後述する計数手段12bによる設定時間経過後に表示部11の全ての表示区画を再点灯する。
(2)タッチスイッチ部10の押下された数字キーに対応する表示部11の表示区画のみを消灯し、後述する計数手段12bによる設定時間経過後に表示部11の全ての表示区画を再点灯する。
(3)タッチスイッチ部10の押下された数字キー以外の全てのキーに対応する表示部11の表示区画を消灯し、後述する計数手段12bによる設定時間経過後に表示部11の全ての表示区画を再点灯する。
(4)表示部11の少なくとも1つの表示区画を消灯し、後述する計数手段12bによる設定時間経過後に表示部11の全ての表示区画を再点灯する。
【0024】
さらに、表示部11は、アラビア数字「0」〜「9」の組み合わせによる暗証情報の入力後に、その暗証情報を確定させるための制御符号「E」が押下され、暗証情報の照合が行われたときに、その照合の結果を表示している。
【0025】
具体的に、暗証情報の照合がOKの場合には、図4(a)に示すように、暗証情報の照合がOKの旨を示す「YES」を表示部11に表示する。また、暗証情報の照合がNGの場合には、図4(b)に示すように、暗証情報の照合がNGの旨を示す「NO」を表示部11に表示する。さらに、暗証情報の照合が連続して所定回数NGの場合には、暗証情報の照合が連続して所定回数NGの旨を示す「Err」を表示部11に表示する。
【0026】
また、表示部11は、フリーパスモード(暗証情報の照合を行わずにタッチスイッチ部10をキー操作するだけで電気錠を解錠するモード)時で電気錠装置2に解錠指令信号が出力されているときに、図4(d)に示すように、解錠の旨を示す「OPEN」を表示している。
【0027】
処理部12は、CPUからなり、その機能実現手段として、図1に示すように、入力情報判別手段12a、計時手段12b、表示制御手段12c、暗証情報照合手段12d、施解錠指令信号出力手段12e、状態判別手段12fを有している。
【0028】
入力情報判別手段12aは、タッチスイッチ部10のキー操作による入力情報が暗証情報か否かを制御符号「E」の入力の有無によって判別している。さらに説明すると、入力情報判別手段12aでは、タッチスイッチ部10のキー操作によりアラビア数字「0」〜「9」の組み合わせによる暗証情報の入力後に制御符号「E」が入力されると、そのキー操作による入力情報を暗証情報と判別している。これに対し、タッチスイッチ部10のキー操作によりアラビア数字「0」〜「9」のみが入力されると、そのキー操作による入力情報を暗証情報でなく、電気錠用操作パネル装置1の起動確認用情報と判別している。また、入力情報判別手段12aは、文字入力待ち状態からタッチスイッチ部10のキーが押下されたときに、押下されたキーの位置及び順序を判別している。さらに、入力情報判別手段12aは、暗証情報の照合が連続して所定回数NGと暗証情報照合手段12dが判別したときに、タッチスイッチ部10からの入力情報を無効としている。
【0029】
計時手段(タイマー)12bは、表示制御手段12cによる消灯処理(図3(a)〜(c)の中央の何れかの表示状態)が実行されたときに、計時を開始し、設定時間が経過すると計時を停止している。また、計時手段12bは、図4(a)〜(d)に示す何れかの表示が行われたときに、計時を開始し、表示状態に応じた設定時間が経過すると計時を停止している。
【0030】
表示制御手段12cは、表示部11の各表示区画毎の点灯、消灯、再点灯を制御している。具体的には、入力情報判別手段12aが入力情報を電気錠用操作パネル装置1の起動確認用情報と判別すると、入力情報判別手段12aの判別結果に基づき、図3(a)〜(c)の何れかに示す表示制御を実行している。
【0031】
また、表示制御手段12cは、表示部11に図4(a)〜(d)に示す何れかの表示を行ったときに、計時手段12bによる計時時間が設定時間(各表示状態に応じて設定される時間)を経過すると、表示部11の表示を消灯制御している。
【0032】
さらに、表示制御手段12cは、状態判別手段12fの判別結果に応じて表示部11の表示を制御している。具体的には、暗証情報の照合OKによって図4(a)に示す表示を行った後、状態判別手段12fから開扉状態を示す判別信号が入力されると、表示部11の表示を消灯制御している。同様に、図4(d)に示す表示を行った後、状態判別手段12fから開扉状態を示す判別信号が入力されると、表示部11の表示を消灯制御している。
【0033】
暗証情報照合手段12dは、入力情報判別手段12aにより暗証情報の入力と判別したときに、その暗証情報と、電気錠装置2の電気錠の解錠(施錠)を許可するべく予め設定登録された施解錠許可情報とを照合している。そして、暗証情報照合手段12dは、暗証情報と施解錠許可情報とが一致したときに、両者が一致した旨の情報一致判別信号を施解錠指令信号出力手段12eに出力している。また、暗証情報照合手段12dは、入力情報判別手段12aにより判別された暗証情報の照合が連続して所定回数NGか否かも判別している。
【0034】
施解錠指令信号出力手段12eは、暗証情報照合手段12dから情報一致判別信号が入力されたときに、電気錠装置2の電気錠を解錠(施錠)するべく、解錠指令信号(施錠指令信号)を電気錠装置2に出力している。
【0035】
状態判別手段12fは、電気錠装置2からの電気錠や扉の状態に応じたモニタ信号(解錠状態信号、施錠状態信号、開扉状態信号、閉扉状態信号)によって電気錠装置2の電気錠や扉の状態を判別し、判別結果に応じた判別信号を表示制御手段12cに出力している。
【0036】
電気錠装置2は、電気錠用操作パネル装置1から解錠指令信号が入力すると、電気錠を解錠制御し、予め決められた設定時間が経過すると電気錠を自動的に施錠制御する(不図示の設定部による自動施錠モード設定時)。また、電気錠装置2は、電気錠用操作パネル装置1が施錠指令信号を出力する場合、施錠指令信号が入力されると、電気錠を施錠制御している。
【0037】
さらに、電気錠装置2は、現在の電気錠の施解錠状態及び扉の開閉状態を検知し、この検知に基づく現在の電気錠の施解錠状態及び扉の開閉状態を示す状態信号(解錠状態信号、施錠状態信号、開扉状態信号、閉扉状態信号)をモニタ信号として電気錠用操作パネル装置1に出力している。
【0038】
次に、上記構成による電気錠用操作パネル装置1を用いて装置起動時の動作確認及び電気錠を解錠する場合の動作について図2〜図4を参照しながら説明する。
【0039】
処理部12は、待機状態(スリープ状態)のとき、表示部11の全ての表示区画が消灯している。この待機状態(スリープ状態)の処理部12がタッチスイッチ部10の何れかのキー操作によって起動すると(ST1)、表示部11の全ての表示区画が点灯してアラビア数字「0」〜「9」及び制御符号「C」,「E」の文字が表示され(ST2)、タッチスイッチ部10のキー操作による文字入力待ち状態に移行する(ST3)。
【0040】
文字入力待ち状態(ST3)において、タッチスイッチ部11のキー操作により文字が入力されると(ST4)、入力文字判定処理が行われる(ST5)。この入力文字判定処理では、制御符号「E」の入力の有無によって入力情報が暗証情報か否かの判別処理を行っている。
【0041】
入力情報が暗証情報と判別されると、入力データ(暗証情報)照合処理として、暗証情報と予め登録された施解錠許可情報とを照合する(ST6)。そして、暗証情報が施解錠許可情報と一致し、照合OKと判別すると、図3(a)に示すように、照合OKの旨を示す文字「YES」を表示部11に表示し(ST7)、電気錠装置2に解錠指令信号(施錠指令信号)を出力する(ST8)。
【0042】
電気錠装置2では、電気錠用操作パネル装置1から解錠指令信号(施錠指令信号)が入力されると、電気錠を解錠制御(施錠制御)する。そして、電気錠装置2は、電気錠が解錠(施錠)した旨のモニタ信号として解錠状態信号(施錠状態信号)を電気錠用操作パネル装置1に出力する。
【0043】
電気錠用操作パネル装置1は、フリーパスモード(暗証情報の照合を行わずにタッチスイッチ部10をキー操作するだけで電気錠を解錠するモード)時に、図4(d)に示すように、開扉の旨を示す「OPEN」を表示部11に表示する。なお、表示部11に図4(d)に示す表示がなされると、計時手段12bによる計時が開始され、設定時間が経過するか、設定時間内に電気錠装置2から開扉状態信号が入力されると、表示部11の全ての表示区画が消灯し、処理部12が待機状態(スリープ状態)に移行する(ST9)。
【0044】
ST6の入力データ照合処理において、暗証情報が施解錠許可情報と一致せず、照合NGと判断すると、図3(b)に示すように、照合NGの旨を示す文字「NO」を表示部11に表示する(ST10)。
【0045】
ここで、上述した暗証情報と施解錠許可情報との照合は、照合NGの場合に所定回数(例えば3回)実行され、この所定回数連続して暗証情報と施解錠許可情報との照合が一致せず、照合NGと判断すると、図3(c)に示すように、エラーの旨を示す文字「Err」を表示部11に表示する。
【0046】
ST5の入力文字判定処理において、入力情報がアラビア数字「0」〜「9」による数字入力のみで、暗証情報ではないと判別されると、表示部11に対し、電気錠用操作パネル装置1(処理部12)の起動を知らせる表示区画の消灯・再点灯処理(図2の一点鎖線で囲まれた処理)を実行し、ST3の文字入力待ち状態に移行する。
【0047】
上述した表示区画の消灯・再点灯処理としては、例えば図3(a)〜(c)の何れかの処理が実行される。
【0048】
図3(a)に示す処理では、全ての表示区画が点灯している状態から、全ての表示区画を消灯する(ST11)。この状態で、計時手段12bによる計時を開始し(ST12)、設定時間が経過してタイムアウトすると(ST13)、全ての表示区画を再点灯し(ST14)、文字入力待ち状態に移行する(ST3)。
【0049】
図3(b)に示す処理では、全ての表示区画が点灯している状態から、押下されたキーに対応する表示区画のみを消灯する(ST11)。この状態で、計時手段12bによる計時を開始し(ST12)、設定時間が経過してタイムアウトすると(ST13)、全ての表示区画を再点灯し(ST14)、文字入力待ち状態に移行する(ST3)。
【0050】
図3(c)に示す処理では、全ての表示区画が点灯している状態から、押下されたキーに対応する表示区画以外の全ての表示区画を消灯する(ST11)。この状態で、計時手段12bによる計時を開始し(ST12)、設定時間が経過してタイムアウトすると(ST13)、全ての表示区画を再点灯し(ST14)、文字入力待ち状態に移行する(ST3)。
【0051】
なお、上記表示区画の消灯・再点灯処理としては、全ての表示区画が点灯している状態から、表示部11の少なくとも1つの表示区画を消灯し、計数手段12bによる計時を開始し、設定時間が経過してタイムアップしたときに表示部11の全ての表示区画を再点灯するようにしても良い。
【0052】
以上説明したように、本発明に係る電気錠用操作パネル装置では、タッチスイッチ部10の何れかのキー操作により処理部12が起動し、表示部11の全ての表示区画が点灯している状態で数字キーのみを押下すれば、全ての表示区画、又は押下した数字キーと対応する表示区画、又は押下した数字キーと対応する表示区画以外の全ての表示区画が消灯した後、全ての表示区画が再点灯する。これにより、利用者は、従来のようなブザー等の鳴動装置による動作音を鳴らすことなく、表示区画の点灯・消灯状態の変化を見て装置の起動確認を行うことができる。
【0053】
また、暗証情報を入力した場合には、その暗証情報の照合結果が文字表示される。これにより、利用者は、表示部に表示される文字を見て暗証情報の照合結果を認識することができる。
【0054】
このように、本発明によれば、装置の起動確認や暗証情報の照合結果等を利用者に知らせるために、従来のようなブザー等の鳴動装置やLED等の表示装置を別途必要とせず、構成を簡略化してコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る電気錠用操作パネル装置のブロック構成図である。
【図2】本発明に係る電気錠用操作パネル装置の動作フローチャートである。
【図3】(a)〜(c) 本発明に係る電気錠用操作パネル装置の起動確認時の表示例を示す図である。
【図4】(a)〜(d) 本発明に係る電気錠用操作パネル装置による暗証情報の照合結果の表示例及び解錠時の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 電気錠用操作パネル装置
2 電気錠装置
10 タッチスイッチ部
11 表示部
12 処理部
12a 入力情報判別手段
12b 計数手段
12c 表示制御手段
12d 暗証情報照合手段
12e 施解錠指令信号出力手段
12f 状態判別手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示キーがマトリクス状に配列され、前記複数の表示キーの任意の表示キーの押下によって待機状態から起動状態に移行する処理部を備えた電気錠用操作パネル装置であって、
前記処理部は、前記起動状態への移行時に前記複数の表示キーの全てを点灯し、この状態から任意の表示キーが押下されたときに、前記複数の表示キーのうちの少なくとも一つの表示キーを消灯し、その後に前記複数の表示キーの全てを点灯することを特徴とする電気錠用操作パネル装置。
【請求項2】
複数の表示キーがマトリクス状に配列され、前記複数の表示キーの任意の表示キーの押下によって待機状態から起動状態に移行する処理部を備えた電気錠用操作パネル装置であって、
前記処理部は、前記起動状態への移行時に前記複数の表示キーの全てを点灯し、この状態から任意の表示キーが押下されたときに、前記複数の表示キーの全てを消灯し、その後に前記複数の表示キーの全てを点灯することを特徴とする電気錠用操作パネル装置。
【請求項3】
複数の表示キーがマトリクス状に配列され、前記複数の表示キーの任意の表示キーの押下によって待機状態から起動状態に移行する処理部を備えた電気錠用操作パネル装置であって、
前記処理部は、前記起動状態への移行時に前記複数の表示キーの全てを点灯し、この状態から任意の表示キーが押下されたときに、前記押下された表示キーのみを消灯、又は前記押下された表示キー以外の全ての表示キーを消灯し、その後に前記複数の表示キーの全てを点灯することを特徴とする電気錠用操作パネル装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記複数の表示キーの全てが点灯している状態で前記複数の表示キーの操作により暗証情報が入力されたときに、当該入力された暗証情報が予め設定登録された情報と一致するか否かを照合し、その照合した結果を前記表示キーにより文字表示することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電気錠用操作パネル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−133124(P2010−133124A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308730(P2008−308730)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(303046554)株式会社アート (25)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】