説明

電気集塵装置及び電気集塵システム並びに該装置のメンテナンス方法

【課題】集塵ユニットを設置したまま損傷させることなく清掃することを可能にして、使い勝手を良くすること。
【解決手段】吸込口102aから吸い込む空気内に含まれる浮遊微粒子を集塵ユニット11で捕集する電気集塵装置10であって、集塵ユニットは、コロナ放電を発生させて空気中の浮遊微粒子を帯電させるコロナ放電部と、該放電電極により帯電された浮遊微粒子を捕集電極板25に電気的に付着させる電気的捕集部とにより構成され、捕集電極板が鉛直になるように設置されて該捕集電極板の上部に空気の流入口11aが位置すると共に下部に空気の流出口11bが位置しており、集塵ユニットの捕集電極板から付着する浮遊微粒子を剥離させて脱落させる脱塵ユニット51と、集塵ユニットの流出口の下方に位置して脱落する浮遊微粒子を回収する回収ボックス131とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気集塵装置及び電気集塵システム並びに該装置のメンテナンス方法に係り、詳しくは、ヒュームコレクタとして用いて好適な電気集塵装置及び電気集塵システム並びに該装置のメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス、レストラン、遊技施設、工場、住宅等における空気の清浄化が急速に進展しており、フィルタ方式よりも細かい空気中の微粒子を除去することのできる電気集塵装置(空気清浄機ともいう)が普及している。
【0003】
特に、工場内では、例えば、溶接ヒュームのように健康を害する有害な微粒子が浮遊するような作業環境も存在することから、高性能で信頼性が高く安定して稼動するこのできる電気集塵装置を選択して組み込んだ電気集塵システムを設置することは重要である。
【0004】
この種の電気集塵装置としては、吸込口から吸い込んだ空気を排気口から排気する流路途中に集塵ユニットを配置してその空気中に浮遊する微粒子を捕集する必要がある。そのために、その集塵ユニットでは、流路の上流側にコロナ放電を発生させて空気中の浮遊微粒子を帯電させた後に、その浮遊微粒子を電気的に捕集板に付着させる(例えば、特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−174456号公報
【特許文献2】特開2009−34599号公報(図1)
【特許文献3】特開平9−285739号公報(図19、図20)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような電気集塵装置にあっては、作業空間を占有してしまわないように、例えば、天井側に大面積で開口する吸込口から作業環境内の空気を吸い込んで排気口から排気するように空気の流れを形成するダクト内に集塵ユニットが取り付けられる。このような場合には、ダクトは水平方向に延在するように設置されており、空気の流れの上流側と下流側が集塵ユニットの両側方に位置することになり、空気中の浮遊微粒子を付着させる捕集板の間の流路も水平方向に延在するようになる。このため、集塵ユニット内に空気を流通させるための吸引ファンは、その集塵ユニットの下流側で隣接する位置に取り付けることで、効率よく通風することができるようにされている。
【0007】
ところで、例えば、工場内で使用される電気集塵装置では、大量に発生する溶接ヒュームなどの浮遊微粒子を処理する必要があることから、就業時間の開始から終了まで所望以上の集塵能力で稼動するように、1週間から3週間に1度作業を停止して、メンテナンスを行う必要がある。具体的には、ダクト内に取り付けられている集塵ユニット自体を交換して、業者などに清掃してもらう必要があった。
【0008】
この集塵ユニットのメンテナンスは、就業時間後に交換作業を行う必要があり、清掃自体は業者に依頼するにしても費用がかかる。このことから、集塵ユニットの清掃メンテナンスを自動化しようとしたとしても、集塵ユニットの構成として、捕集板が水平となる姿勢になっていては、自動除去した塵埃を回収することができない。仮に、その捕集板を鉛直姿勢にしたとしても、下方に落下させることができず、同様に、自動除去した塵埃を回収することができない。また、特許文献3を参考にして、集塵ユニットのレイアウトを変更したとしても、その集塵ユニットの下流側に吸引ファンが隣接するので、同様に、自動除去した塵埃を回収することができない。
【0009】
また、集塵ユニットの捕集板から塵埃を除去するために、打撃するなどして振動を加えて付着する塵埃を落下させるにしても、打撃が繰り返されると、装置フレームなどが変形したり、ネジ止めが緩んでしまうなどの不都合が発生する可能性がある。
【0010】
また、集塵ユニットの清掃メンテナンスを自動化するといっても、その集塵ユニットから落下させる塵埃は、浮遊可能な程度に細かい微粒子であるので、効果的に回収することが難しい。
【0011】
また、工場のように作業環境が広い空間内の空気を清浄にするためには、周囲の空気を効果的に吸引する必要があり、集塵ユニットの上流側では、流路の断面積を絞った状態で高速吸引した後に、集塵ユニットの大きな集塵面積内に均等に処理する空気が行き渡るようにする必要がある。
【0012】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、集塵ユニットを設置したまま損傷させることなく清掃することを可能にして、使い勝手のよい電気集塵装置及び電気集塵システム並びに該装置のメンテナンス方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、この発明の構成は、吸込口から吸い込んだ空気を排気口から排気する流路途中に、前記空気を上部から流入させ下部から流出させる態様で集塵ユニットを配置して前記空気内に含まれる浮遊微粒子を捕集する電気集塵装置であって、前記集塵ユニットは、コロナ放電を発生させることにより空気中の前記浮遊微粒子を帯電させる放電電極と、鉛直に立設され、前記放電電極により帯電された前記浮遊微粒子を電気的に付着させる捕集電極とから構成されており、前記集塵ユニットの前記捕集電極から付着する前記浮遊微粒子を剥離させて脱落させる脱塵手段と、前記集塵ユニットの前記流出口の下方に位置して脱落する前記浮遊微粒子を回収する回収手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
この発明の構成によれば、集塵ユニットは鉛直面の捕集電極に浮遊微粒子を付着させると共に回収手段はその下方に位置するので、脱塵手段は、捕集電極から脱落させた浮遊微粒子を下方に自然落下させることで回収手段に向かって降下させることができる。したがって、集塵ユニットを設置したままメンテナンスを行うことができ、集塵ユニットを交換することなく、繰り返し使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1の実施形態である電気集塵装置の外観を示す斜視図である。
【図2】同電気集塵装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】同電気集塵装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】同電気集塵装置を利用する電気集塵システムの外観を示す斜視図である。
【図5】同電気集塵装置を利用する図4と異なる電気集塵システムの外観を示す斜視図である。
【図6】同電気集塵装置の整流板を示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【図7】同電気集塵装置の集塵ユニットの概略構成を示す縦断面図である。
【図8】同集塵ユニットの上面図である。
【図9】同集塵ユニットの捕集部の内部構造を示す斜視図である。
【図10】同集塵ユニットの機能を説明する縦断面図である。
【図11】同電気集塵装置の脱塵ユニットの概略構成を示す平面図である。
【図12】同脱塵ユニットの概略構成を示す縦断面図である。
【図13】同脱塵ユニットの要部部品の構成を示す縦断面図である。
【図14】同脱塵ユニットの制御部を示す縦断面図である。
【図15】この発明の第2の実施形態である電気集塵装置の回収ボックスの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
吸込口から吸い込んだ空気を排気口から排気する流路途中に、前記空気を上部から流入させ下部から流出させる態様で集塵ユニットを配置して前記空気内に含まれる浮遊微粒子を捕集する電気集塵装置であって、前記集塵ユニットは、コロナ放電を発生させることにより空気中の前記浮遊微粒子を帯電させる放電電極と、鉛直に立設され、前記放電電極により帯電された前記浮遊微粒子を電気的に付着させる捕集電極とから構成されており、前記集塵ユニットの流入口に向かって前記捕集電極の平行方向から当該流入口の全面に亘って圧縮空気を吹き付ける吹付手段を備えて、前記集塵ユニットの前記捕集電極から付着する前記浮遊微粒子を剥離させて脱落させる脱塵手段と、前記集塵ユニットの流出口の下方に位置して脱落する前記浮遊微粒子を回収する回収手段とを備えている。前記放電電極は、前記流路の上流側と下流側の両端側が開口する放電空間内に複数のニードル電極を水平面内に配列させると共に、前記放電空間を前記ニードル電極毎に形成するように該ニードル電極に対向する対向電極が配置される一方、前記捕集電極は、前記放電電極の前記放電空間に連続する空間を仕切って前記流路を複数に分割している。
【実施形態1】
【0017】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態である電気集塵装置の外観を示す斜視図、図2は、同電気集塵装置の概略構成を示す正面図、図3は、同電気集塵装置の概略構成を示す模式図、図4は、同電気集塵装置を利用する電気集塵システムの外観を示す斜視図、図5は、同電気集塵装置を利用する図4と異なる電気集塵システムの外観を示す斜視図、図6は、同電気集塵装置の整流板を示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、図7は、同電気集塵装置の集塵ユニットの概略構成を示す縦断面図、図8は、同集塵ユニットの上面図、図9は、同集塵ユニットの捕集部の内部構造を示す斜視図、図10は、同集塵ユニットの機能を説明する縦断面図、図11は、同電気集塵装置の脱塵ユニットの概略構成を示す平面図、図12は、同脱塵ユニットの概略構成を示す縦断面図、図13は、同脱塵ユニットの要部部品の構成を示す縦断面図、図14は、同脱塵ユニットの制御部を示す縦断面図である。
【0018】
この実施形態の電気集塵装置10は、工場内の溶接ヒュームを捕集するヒュームコレクタとして用いて好適なもので、図1及び図2に示すように、集塵ユニット11及び脱塵ユニット51を収納する本体ケース101が架台10f上に設置されており、本体ケース101の上部に吸込部102が配設される一方、本体ケース101の下部には回収ホッパ111が連結されて支持されている。回収ホッパ111は、本体ケース101の内部空間に連通する連通部112の下部に漏斗部113を備えており、連通部112の側面側に吸引ファン121が設置される一方、漏斗部113の下部に回収ボックス131が設置されている。
【0019】
電気集塵装置10は、図3に示すように、本体ケース101上部の吸込部102に開口する吸込口102aを介して外部の空気を吸い込んで集塵ユニット11の内部を経由させる際に、その空気内に含まれる浮遊微粒子を捕集する。その集塵ユニット11の下流側では、通常稼動時には回収ホッパ111の連通部112を介して吸引ファン121が本体ケース101内を吸引する矢印Uで示す流路を形成する一方、メンテナンス時には回収ホッパ111の連通部112を介して脱塵ユニット51が集塵ユニット11から脱落させた塵埃を漏斗部113で受けて回収ボックス131内に収容する矢印Mで示す経路を形成する。
【0020】
本体ケース101は、集塵ユニット11上面の流入口11aよりも上部の吸込部102の吸込口102aの開口面積を小面積にする(流路の断面積を絞る)ことにより、吸引ファン121の吸引力で外部の空気を吸い込む流速を向上させている。これにより、本体ケース101は、図4に示すように、吸込部102の吸込口102aにダクト141を連結することで、そのダクト141先端に連結したフード142を任意の位置に設置することができ、吸込部102の吸込口102aを延長して特定位置に発生する浮遊微粒子、例えば、工場内に発生する溶接ヒュームを周辺の空気(矢印A1で図示)と共に吸引(集塵)する電気集塵システムを構築することができる。また、本体ケース101は、図5に示すように、吸込部102の吸込口102aにT字型のダクト143を連結してその分岐両端部のそれぞれにフード144,144を連結すると共に、その一対のフード144,144に向けて送風する送風ファン145,145を設置することで、特定位置に発生する浮遊微粒子、例えば、工場内の溶接ヒュームの発生空間内の空気(一点鎖線A2で図示)を、吸込口102aを延長したフード144,144に吹き込んで吸引(集塵)する電気集塵システムを構築することができる。
【0021】
この本体ケース101は、図1〜図3に戻って、吸込部102内には、吸込口102aと集塵ユニット11上面の流入口11aとの間に介在するように整流板103が設置されている。整流板103は、詳細には、図6に示すように、吸込口102aの全面に対面する面積を有する屋根型に形成されており、その傾斜面103aには傾斜方向に延在する複数本のスリット103bが形成されている。これにより、本体ケース101は、吸引ファン121の吸引力で吸込口102aから吸い込まれる空気がそのまま集塵ユニット11の流入口11aに流入するのを整流板103で妨げることにより、その吸い込んだ空気が偏った流量で流入することなく、整流板103の傾斜面103aで周囲に流されると共にスリット103bから下方にも流されて集塵ユニット11の流入口11aの全面に均等に流入させることができる。
【0022】
吸引ファン121には、モータ121mで回転させることにより機能するターボ型遠心ファンが取り付けられており、上流側にダクト122が連結されると共に、下流側に排気管129が連結されることにより、本体ケース101側の空気を回収ホッパ111の連通部112を介して吸引して排気するようになっている。吸引ファン121の上流側のダクト122は、回収ホッパ111の連通部112の側面に開口する連通口112aに連結接続されており、キャンバス地で作製された伸縮部123の先端側に、内部のダンパ板124aを回転させることで流路を開閉する回収ダンパ部124が連設されて連通口112aを開閉可能にしている。
【0023】
回収ホッパ111の漏斗部113は、漏斗形状の先端に、内部のダンパ板114aを回転させることで流路を開閉する回収ダンパ部114が連設されて、回収ボックス131の上面に開口する連通口131aに連結接続されており、その回収ダンパ部114が回収ボックス131の連通口112aを開閉可能にしている。
【0024】
回収ボックス131は、観音開きに開閉する扉132を前面側に備えており、メンテナンス時に脱塵ユニット51が集塵ユニット11から脱落降下させて回収ホッパ111の漏斗部113で受けた浮遊微粒子の塵埃を収容する集塵袋133をその扉132を開閉して交換可能にセットするようになっている。
【0025】
次に、この電気集塵装置10の稼動時における心臓部である集塵ユニット11を説明する。集塵ユニット11は、図7及び図8に示すように、コロナ放電を起こして溶接ヒューム等の空気中の浮遊微粒子を帯電させるコロナ放電部12と、このコロナ放電部12の風下(下流)側に配設されてコロナ放電部12にて帯電した浮遊微粒子を電気的に捕集する電気的捕集部13と、前後両面開口の箱型フレーム14とから概略構成されている。
【0026】
コロナ放電部12は、尖った針先を風下側に向けて縦横に配置された複数のニードル電極16,16,…と、これら複数のニードル電極16,16,…が縦方向及び横方向に沿って互いに所定の間隔を開けて格子状(マトリックス状)に配列された状態になるようにそのニードル電極16,16,…を支持固定する格子状(網状)の支持電極17と、支持電極17の風下側に、各ニードル電極16と1対1の対極をなす態様で配設され、かつ、空気の通路を構成するために両端開放された複数のセル状の対向電極(以下、セル電極という)18,18,…とを有して構成されている。
【0027】
各ニードル電極16は、表面がニッケルメッキ(酸化防止処理)されたステンレス鋼製の尖った針先19と、この針先19を支える太径円柱状の胴体部21と細径円柱状の根元部22とからなっている。また、支持電極17は、平板な格子状の金属部材であり、この支持電極17には、ニードル電極16の根元部22が各格子点上に穿孔されている取付穴に嵌入された後にかしめ技術を用いて支持固定されている。また、支持電極17の両端部及び中央部の側部には、連結用金属棒23,23,23が取り付けられ、機械的電気的に接続されている。これらの連結用金属棒23,23,23と支持電極17とを経由して、ニードル電極16,16,…への電圧印加がなされる。すなわち、連結用金属棒23,23,23を介して各ニードル電極16が所定の正電位に保たれる。一方、セル電極18,18,…は、後述する捕集電極板25,25,…と同様に、所定の負電位又は接地電位に保たれ、ニードル電極16,16,…との間でコロナ放電を起こす電位差を形成する。
【0028】
ここで、この各連結用金属棒23の両端部には、絶縁性被覆が施されたナット等の固定具24が取り付けられ、連結用金属棒23は、固定具24によって箱形フレーム14に固定されている。また、セル電極18,18,…は、幅略10〜20mmの多数の電極平板を縦横に組み付けて、両端開口で正方形のセル(ニードル電極16の針先19を収める奥行き略10〜20mmの小室)として形成され、ニードル電極16,16,…と1対1の対極をなす態様で、全体として、格子状に配列されている。なお、セル電極18の一辺の長さは、集塵効率上、10〜30mmの範囲が適当で、15〜25mmの範囲が一段と好適である。
【0029】
電気的捕集部13は、図9にも示すように、金属平板からなる捕集電極板25,25,…と、同じく金属平板からなる偏向電極板26,26,…とがニードル電極16,16同士の配置間隔よりも狭い間隔で互いに対面する平行状態で交互になるように箱型フレーム14に取り付けられている。捕集電極板25,25,…は、直交する姿勢の捕集電極連結板27、28,28,…のスリット状切欠き27a,28a,28a…内にスリット状切欠き25aを嵌め込むことにより、所定の取付間隔で、かつ互いに平行に取り付けると共に、捕集電極板25,25同士を電気的に接続する。同様に、偏向電極板26,26,…は、直交する姿勢の偏向電極連結板29,31,31,…のスリット状切欠き29a,31a,31a…内にスリット状切欠き26a嵌め込むことにより、所定の取付間隔で、かつ互いに平行に取り付けると共に、偏向電極板26,26同士を電気的に接続する。すなわち、捕集電極板25,25,…は、捕集電極連結板27、28,28,…を介して所定の負電位又は接地電位に保たれ、ニードル電極16,16,…によって帯電させられた浮遊微粒子を静電気力で吸引捕集する機能を有している。この例では、各捕集電極板25は、箱型フレーム14に取り付けれた不図示の捕集電極接続手段を介して電気的に接続されることによって、接地電位に保たれる。一方、偏向電極板26,26,…は、偏向電極連結板29,31,31,…を介して所定の正電位に保たれ、傍を通過する帯電した浮遊微粒子に捕集電極板25,25,…へ向かう偏向力を付与する役割を担っている。各偏向電極板26への電圧印加は、不図示の偏向電極接続手段を介して行われる。
【0030】
この構成により、集塵ユニット11は、装置運転(稼動)時に、コロナ放電部12では、ニードル電極16,16,…とセル電極18,18,…との間に、ニードル電極16,16,…側が正電位に、セル電極18,18,…側が負電位又は接地電位となる結線態様で、図示せぬ高圧直流電源から、例えば5kV程度の直流電圧が印加される。同様に、電気的捕集部13では、捕集電極板25,25,…と、偏向電極板26,26,…との間に、偏向電極板26,26,…側が正電位に、捕集電極板25,25,…側が負電位又は接地電位となる結線態様で、図示せぬ高圧直流電源から、例えば5kV程度の直流電圧が印加される。なお、ニードル電極16,16,…への電圧印加は、支持電極17を経由して行われる。
【0031】
この状態において、コロナ放電部12では、図10に示すように、ニードル電極16,16,…の針先19の廻りで一様なコロナ放電が持続的安定的に起きてイオン化空間領域12aが形成される。このとき、吸引ファン121の吸引力によって、本体ケース101内に吸い込まれる汚れた空気が、コロナ放電部12(イオン化空間領域12a)を通過すると、まず、イオン化エネルギの低い酸素が電離してプラスイオンとなり、これが溶接ヒューム等の微粒子p,p,…に付着して微粒子p,p,…自身にプラスイオンの電荷を持たせる。すると、電荷を持った微粒子p,p,…は、次の電気的捕集部13(捕集電極板25,25,…と、偏向電極板26,26,…との間)を通過する際、捕集電極板25,25,…に近いものは負電位又は接地電位の捕集電極板25,25,…に吸着され、捕集電極板25,25,…の極板から離れている微粒子p,p,…は、偏向電極板26,26,…の極板の正電位により、反発力(クーロン力)を受けて、捕集電極板25,25,…の極板の方向に押しやられて、捕集電極板25,25,…に吸着される。このようにして、清浄化された空気は、吸引ファン121の排出力によって、再び、室内に戻される。
【0032】
そして、電気集塵装置10は、図1〜図3に戻って、観音開きに開閉する扉104を前面側に備えており、メンテナンス時に開放して集塵ユニット11を着脱することができるようになっている。この集塵ユニット11は、吸引ファン121の吸引力で吸込部102の吸込口102aから吸い込む空気を上方から取り込んで下方に排出するように本体ケース101内に設置されている。このとき、排気ダンパ部124は、ダンパ板124aを回転させて回収ホッパ111の連通部112の連通口112aを開放する一方、回収ダンパ部114は、ダンパ板114aを回転させて回収ボックス131の連通口131a(回収ホッパ111の漏斗部113)を閉塞した状態にする。すなわち、集塵ユニット11は、コロナ放電部12が電気的捕集部13の上部に位置して捕集電極板25,25,…や偏向電極板26,26,…が鉛直姿勢になるように設置されることにより、処理する空気がニードル電極16,16,…とセル電極18,18,…との間のイオン化空間領域12aを通過した後に、捕集電極板25,25,…と偏向電極板26,26,…との間を通過することで、帯電状態の微粒子p,p,…が捕集電極板25,25,…に静電吸着させて捕集されるようになっている。
【0033】
要するに、集塵ユニット11は、前後両面開口の箱型フレーム14が水平姿勢で並列状態(図11を参照)に本体ケース101に取り付けられることで、格子状(網状)の支持電極17が上面に位置してセル電極18,18,…(ニードル電極16,16,…)がマトリックス状に配列されていると共に、本体ケース101内を通過する空気の流入口11aと流出口11bが上下に大きく開口するように設置されている。この結果、集塵ユニット11では、本体ケース101の吸込部102の吸込口102aから吸い込まれる空気が整流板103により流入口11aの全面に均等に流入することで、コロナ放電部12及び電気的捕集部13の全体が均等に機能して、捕集電極板25,25,…の全体で溶接ヒューム等の浮遊する微粒子p,p,…を吸着捕集することができる。
【0034】
次に、この電気集塵装置10のメンテナンス時における心臓部である脱塵ユニット51を説明する。脱塵ユニット51は、図1〜図3に戻って、集塵ユニット11上面の流入口11aに対面するように取り付けられており、図11及び図12に示すように、集塵ユニット11上面の流入口11aを大きく露出させている。
【0035】
この脱塵ユニット51は、集塵ユニット11上面の流入口11aの短尺辺と平行な姿勢を保ったままスライドするスライドプレート52と、集塵ユニット11上面の流入口11aの外側の長尺辺と平行に設置されてスライドプレート52をスライド自在に支持する一対のレール54,54と、一対のレール54,54の両端側で直交する方向(前記短尺辺と平行方向)の姿勢で回転自在に軸受け55,55,…により軸支されている一対の回転軸56,57と、一対の回転軸56,57の両端側に固設されているプーリ58,58,…と、一対の回転軸56,57のプーリ58,58,…の一端側及び他端側毎に巻き掛けられていると共にスライドプレート52の両端側が固設されている一対の駆動ベルト59,59(レール54の下部に位置して破線で図示)と、一方の回転軸56のプーリ58,58間に固設されている小プーリ61と、駆動回転軸に小プーリ62が固設されている駆動モータ63と、回転軸56及び駆動モータ63の小プーリ61,62に巻き掛けられる伝達ベルト64とを備えている。
【0036】
また、脱塵ユニット51は、スライドプレート52の延在方向に並列されている複数本の噴射器71,71,…と、噴射器71,71,…毎に接続されて圧縮空気を供給する供給チューブ72,72,…と、供給チューブ72,72,…を収納する状態でU字形状に湾曲した後にスライドプレート52に一端側が固設されることによりそのスライドプレート52のスライドに追従して湾曲位置を変化させることで噴射器71,71,…毎に接続する供給チューブ72,72,…を損傷から保護する保護カバー73と、供給チューブ72,72,…に供給する圧縮空気の切替制御をする不図示のバルブ及び駆動モータ63のドライバユニット75(図14に図示)等を収納する制御ボックス74とを備えている。
【0037】
この構成により、脱塵ユニット51は、駆動モータ63の駆動力で回転軸56を伝達ベルト64を介して正逆回転させることができ、その正逆回転を回転軸56、57のプーリ58,58,…に巻き掛けられている駆動ベルト59,59を介して伝達することにより、スライドプレート52を正逆方向に駆動させて集塵ユニット11上面と平行の姿勢を保持したままスライドさせることができる。また、脱塵ユニット51は、スライドプレート52と共に噴射器71,71,…を同一方向にスライドさせつつその噴射器71,71,…から圧縮空気を噴射させることができ、集塵ユニット11の流入口11aから内部に圧縮空気を吹き付けて電気的捕集部13の捕集電極板25,25,…に付着する溶接ヒューム等の浮遊微粒子p,p,…を剥離させて脱落させることができる。すなわち、脱塵ユニット51は、打撃するなどして振動を加えることで、装置フレームなどを変形させてしまったり、ネジ止めを緩めてしまうことなく、集塵ユニット11に溜まった溶接ヒューム等の浮遊微粒子p,p,…の塵埃を脱落させることができる。
【0038】
噴射器71は、図13に示すように、圧縮空気を供給する供給チューブ72を所謂、スエジロック等で気密に接続する接続部81と、接続部81を介して供給チューブ72に連通状態に接続されて圧縮空気を供給されると共に先端から噴出する噴射チューブ82と、噴射チューブ82を内部に収納する外装カバー83と、噴射チューブ82及び外装カバー83の間に位置して延長方向にスライド自在に内蔵されている円筒部材84とを備えている。噴射器71は、外装カバー83の外面の長手方向にスリット83aが開口していると共に、円筒部材84の外面にはネジ85をネジ止めするネジ止め部84aが形成されており、ネジ85を緩めて円筒部材84の固定位置をスライドさせることにより、その円筒部材84の内部に噴射チューブ82を完全に収納したり、その噴射チューブ82の先端部82aを露出させる状態に調整することができる。
【0039】
この構成により、脱塵ユニット51の噴射器71は、噴射チューブ82の先端部82aを円筒部材84内に完全に収納して圧縮空気の噴射方向を概略固定することができるのに加えて、その円筒部材84からの露出量を調整することで、噴射チューブ82の先端部82aを噴射する圧縮空気の噴射力で外装カバー83内で変動させる(所謂、暴れる)ことができ、図12に図示するように圧縮空気を末広がりの方向に噴射することができる。
【0040】
また、脱塵ユニット51は、図14に示すように、CPU(central processing unit)からなる制御部75aと、清掃メンテナンスの処理手順(方法)を実行するプログラム等の各種プログラムを格納すると共にワークエリアとして利用されるメモリ75bと、駆動モータ63に電流を供給/遮断して駆動/停止させるモータドライバ75cと、供給チューブ72,72,…に圧縮空気を供給/遮断する不図示のバルブを駆動させるバルブドライバ75dとを備えるドライバユニット75を制御ボックス74内に搭載している。この脱塵ユニット51は、不図示のコンプレッサが圧縮空気を供給可能にバルブドライバ75dに接続されており、制御部75aが予め設定されている日時、例えば、3日〜1週間毎の就業時間後の20時等に自動的に、あるいは、手動で起動させることにより、噴射器71,71,…から圧縮空気を噴射しての清掃メンテナンスを開始する。具体的には、モータドライバ75cがスライドプレート52を集塵ユニット11上面に対面する状態のまま往復させるスライドを開始するのと同時に、バルブドライバ75dは集塵ユニット11毎に4本ずつ配列されているうちの半分(2本)の噴射器71,71に圧縮空気を供給して設定回数往復させた後に、同様に、残りの半分(2本)の噴射器71,71に圧縮空気を供給して設定回数往復させて全面を走査するようになっている。このとき、噴射器71は、隣接する2本を同時に噴射させるのでも、又は、1本置きに噴射させるのでも良く、あるいは、内側の2本と外側の2本とで組み合わせても良い。また、排気ダンパ部124は、ダンパ板124aを回転させて回収ホッパ111の連通部112の連通口112aを閉塞する一方、漏斗部113の回収ダンパ部114は、ダンパ板114aを回転させて回収ボックス131の連通口131aを開放する状態にしておく。
【0041】
これにより、電気集塵装置10は、例えば、複数本の噴射器71,71,…に対して、圧縮空気を生成するコンプレッサの容量が小さい場合でも、並列されている噴射器71を順次に選択して往復移動させることで、集塵ユニット11の流入口11aの全面に亘って噴射チューブ(噴出口)82から噴射する圧縮空気を高圧に吹き付けることができ、電気的捕集部13の捕集電極板25,25,…に付着する溶接ヒューム等の浮遊微粒子p,p,…を効果的に剥離させて脱落させることができる。
【0042】
このように、この実施形態によれば、集塵ユニット11の鉛直姿勢の捕集電極板25,25,…に付着する浮遊微粒子の塵埃を脱落させて下方に位置する回収ボックス131内に自然落下させることができ、定常駆動可能な状態のまま集塵ユニット11の集塵能力を回復させることができる。したがって、本体ケース101の扉104を開閉して集塵ユニット11を交換することなく、例えば、就業時間外にメンテナンスを行ってそのまま繰り返し稼動させることができる。
【実施形態2】
【0043】
次に、図15は、この発明の第2の実施形態である電気集塵装置の回収ボックスの構造を示す模式図である。ここで、この実施形態は、上述の実施形態と略同様に構成されていることから、同様の構成には、同一の符号を付して特徴部分を説明する。
【0044】
この実施形態の電気集塵装置10の回収ボックス231は、図15に示すように、回収ホッパ111の漏斗部113に回収ダンパ部114を介して連結接続されており、その回収ダンパ部114のダンパ板114aを回転させることで上部天井面の一端側に開口する連通口231aを開閉するようになっている。
【0045】
回収ボックス231は、連通口231aの反対側の側面に連通口231bが開口してターボ型遠心ファンの吸引ファン241が取り付けられており、この吸引ファン241は、回収ボックス231内を吸引して排気管249から排気するようになっている。
【0046】
また、回収ボックス231は、連通口231a、231bの間が複数の隔壁で複数の小部屋に直列に連通する状態に仕切られており、ここでは、2枚の隔壁232,233で3つの小部屋234〜236に仕切られている。小部屋234,235の間の隔壁232には、上部に連通口232aが開口する一方、小部屋235,236の間の隔壁233には、中間部に連通口233aが開口して、小部屋236には、吸引ファン241の前段に位置するように複数枚の排気フィルタ237,237,237が設置されている。
【0047】
これにより、回収ボックス231では、脱塵ユニット51が稼動して噴射器71,71,…から圧縮空気を噴射するのと同時に、吸引ファン241の吸引力で回収ホッパ111内を吸引することができる。このため、回収ボックス231では、集塵ユニット11の流入口11a側から圧縮空気が電気的捕集部13の捕集電極板25,25,…に吹き付けられて自然落下する溶接ヒューム等の浮遊微粒子の塵埃を強制的に回収ボックス231内に吸引することができる。
【0048】
このとき、回収ボックス231内では、空気中に含まれる浮遊微粒子は、連通口231aを介して前段の小部屋234内に自然落下と共に吸引力で降下した後に、隔壁232の上部に開口する連通口232aに向かって戻るように減速して上昇する(上下方向に蛇行する)ことになるので、その多くは下方に降下して溜まる。また、その流れに乗って隣の小部屋235内に隔壁232上部の連通口232aを介して侵入した浮遊微粒子も同様に、隔壁233の中間部に開口する連通口233aに向かって戻るように減速して上昇することになるので、その多くが下方に降下して溜まる。さらに、これら小部屋234、235内に溜まらずに隔壁233の連通口233aを抜けた浮遊微粒子も排気フィルタ237で空気中から取り除いて回収することができる。
【0049】
このように、この実施形態によれば、上述の実施形態の作用効果に加えて、脱塵ユニット51が集塵ユニット11の電気的捕集部13の捕集電極板25,25,…から剥離(脱落)させて回収ホッパ111の漏斗部113を介して回収ボックス231内に回収する浮遊微粒子を吸引ファン241で強制的に吸引すると共に上下方向に蛇行させて効果的かつ迅速に回収することができ、その回収ボックス231内でも迅速に落ち着かせることができる。
【0050】
以上、この発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、この発明は、ニードル電極が風下に向かって、浮遊微粒子を捕集する捕集電極に対向する姿勢で設置される構造に限るものではなく、そのニードル電極が風上に向かう姿勢で設置される構造の集塵ユニットにも適用することができ、また、ニードル電極に限らずに、放電線でコロナ放電を発生させる電気集塵装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明は、溶接ヒュームの浮遊微粒子の集塵に限らず、他の浮遊微粒子の集塵にも広く適用することができ、オフィス、レストラン、遊技施設、工場、住宅等の室内で浮遊するタバコの煙、トナー、炭素微粒子等のように乾燥状態の浮遊微粒子を対象として集塵する装置にも好適に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 電気集塵装置
11 集塵ユニット
11a 流入口
11b 流出口
12 コロナ放電部
12a イオン化空間領域(放電空間)
13 電気的捕集部
16 ニードル電極(放電電極の一部)
18 セル電極(放電電極の一部、対向電極)
25 捕集電極板(捕集電極)
26 偏向電極板
51 脱塵ユニット(脱塵手段)
71 噴射器(吹付手段)
82 噴射チューブ(噴射部材、噴出口)
83 外装カバー
102 吸込部
102a 吸込口
103 整流板
111 回収ホッパ
112 連通部(回収入口に相当)
113 漏斗部
114 回収ダンパ部(回収ダンパ)
121 吸引ファン(排気吸引手段)
124 排気ダンパ部(排気ダンパ)
129,249 排気管(排気口)
131,231 回収ボックス(回収手段)
133 集塵袋
141,143 ダクト
142,144 フード(吸込口)
145 送風ファン
231a 連通口(回収出口に相当)
232,233 隔壁
232a,233a 連通口
234〜236 小部屋(回収空間、回収部屋)
237 排気フィルタ
241 吸引ファン(回収排気手段)
p 浮遊微粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口から吸い込んだ空気を排気口から排気する流路途中に、前記空気を上部から流入させ下部から流出させる態様で集塵ユニットを配置して前記空気内に含まれる浮遊微粒子を捕集する電気集塵装置であって、
前記集塵ユニットは、コロナ放電を発生させることにより空気中の前記浮遊微粒子を帯電させる放電電極と、鉛直に立設され、前記放電電極により帯電された前記浮遊微粒子を電気的に付着させる捕集電極とから構成されており、
前記集塵ユニットの前記捕集電極から付着する前記浮遊微粒子を剥離させて脱落させる脱塵手段と、前記集塵ユニットの前記流出口の下方に位置して脱落する前記浮遊微粒子を回収する回収手段とを備えることを特徴とする電気集塵装置。
【請求項2】
前記集塵ユニットの前記放電電極は、前記流路の上流側と下流側の両端側が開口する放電空間内に複数のニードル電極を水平面内に配列させると共に、前記放電空間を前記ニードル電極毎に形成するように該ニードル電極に対向する対向電極が配置される一方、
前記集塵ユニットの前記捕集電極は、前記放電電極の前記放電空間に連続する空間を仕切って前記流路を複数に分割することを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
【請求項3】
前記脱塵手段は、前記集塵ユニットの流入口に向かって前記捕集電極の平行方向から当該流入口の全面に亘って圧縮空気を吹き付ける吹付手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の電気集塵装置。
【請求項4】
前記脱塵手段の前記吹付手段は、前記流入口に対向する対向面内で水平方向に前記圧縮空気の噴出口を移動させて前記流入口の全面を走査させることを特徴とする請求項3記載の電気集塵装置。
【請求項5】
前記脱塵手段の前記吹付手段は、前記圧縮空気の噴出方向と平行になる姿勢で外装カバー内に収納されていると共に該圧縮空気の上流側端部で揺動自在に該外装カバー内に支持される噴射部材を有して、該噴射部材の先端に前記噴出口が形成されていることを特徴とする請求項4記載の電気集塵装置。
【請求項6】
前記回収手段は、前記集塵ユニットの流出口の全面に対向するように開口する回収入口から下方に向かって開口面積を絞られて回収出口の開口する回収ホッパと、該回収ホッパの前記回収出口に連通して前記浮遊微粒子の回収空間を備える回収ボックスと、該回収ボックス内を吸引して外部に排気する回収排気手段と、前記回収ボックスの下流側に配設されて前記回収排気手段が排気する空気内に含まれる前記浮遊微粒子を除去する排気フィルタとを備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に記載の電気集塵装置。
【請求項7】
前記回収手段の前記回収ボックスは、前記回収ホッパの前記回収出口と、前記排気フィルタの上流側との間の前記回収空間を複数に仕切って回収部屋を直列させており、
前記回収ホッパの前記回収出口は、最上流の前記回収部屋の天井面に開口して前記回収空間に連通すると共に、該回収空間の全体では前記空気を上下方向に蛇行させるように前記回収部屋の間を連通させる連通口が形成されていることを特徴とする請求項6記載の電気集塵装置。
【請求項8】
前記集塵ユニットと前記回収手段との間の側方に前記排気口が配設されており、前記空気を前記吸込口から吸い込んで前記集塵ユニット内を経由するように吸引して前記排気口から排気する排気吸引手段を備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1に記載の電気集塵装置。
【請求項9】
前記集塵ユニットの流出口の下流側には、前記排気口に連通する流路を開閉する排気ダンパと、前記回収手段に連通する流路を開閉する回収ダンパとを備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1に記載の電気集塵装置。
【請求項10】
前記吸込口は前記集塵ユニットの上部にダクトを介して連結されて任意の姿勢及び開口面積で開口する一方、
前記集塵ユニットの上部には、前記吸込口から吸い込まれて前記ダクトから流入する空気を当該集塵ユニットの流入口の全面に均等に流入させるように調整する整流板が配設されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1に記載の電気集塵装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1に記載の電気集塵装置を備える電気集塵システムであって、
前記電気集塵装置の前記吸込口に向けて遠隔位置から送風する送風ファンを1台又は2台以上備えることを特徴とする電気集塵システム。
【請求項12】
請求項4乃至11の何れか1に記載の電気集塵装置のメンテナンス方法であって、
前記電気集塵装置は、前記脱塵手段が前記噴出口から前記圧縮空気を噴出する前記吹付手段を備えて、該吹付手段は、前記集塵ユニットの流入口の幅方向の全長に亘って前記圧縮空気を吹き付け可能に前記噴出口が並列されていると共に、該幅方向と直交する方向に移動して前記流入口の全面に前記圧縮空気を吹き付けるようになっており、
当該吹付手段は、前記噴出口を順次に選択して前記圧縮空気を噴出させることにより前記流入口の前記幅方向の一部に吹き付けつつ該幅方向と直交する方向に移動することを繰り返して、前記流入口の全面に前記圧縮空気を吹き付けることを特徴とする電気集塵装置のメンテナンス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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