説明

電池パック、電子機器、電池供給システム及びカメラ

【課題】同一の電池パックを異なる種類の電子機器に装着可能とする電池パック、電子機器、電池供給システム及びカメラを提供する。
【解決手段】電池パック10は、電池保持部12と電池保持部に保持された電池11より供給される電力を出力する出力端子部16,17とを備える電池パックであって、出力端子部16,17と接続する入力端子部を備える同形状の電池パック装着部が設けられた互いに異なる種類の電子機器に対して、共通して装着可能なことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パック、電子機器、電池供給システム及びカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる種類の電池を選択的に収納可能な電池パック装着部を備える電子機器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−288626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来技術では、異なる種類の電池は収納可能であるが、電子機器の種類が異なる場合は、電子機器ごとに異なる種類の電池パックが必要があった。
【0004】
本発明の課題は、同一の電池パックを異なる種類の電子機器に装着可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1に記載の発明は、電池保持部(12)と該電池保持部(12)に保持された電池(11)より供給される電力を出力する出力端子部(16,17)とを備える電池パック(10)であって、該出力端子部(16,17)と接続する入力端子部(6,7)を備える同形状の電池パック装着部(5,5’,5’’)が設けられた互いに異なる種類の電子機器(1,20,30)に対して、共通して装着可能なことを特徴とする電池パック(10)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電池パック(10)であって、前記電子機器(1,20,30)に装着されたときに前記電池パック(10)の一部が、前記電子機器(1,20,30)の外観の一部を成すことを特徴とする電池パック(10)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電池パック(10)であって、前記電子機器(1,20,30)に装着されたときに前記電池パック(10)の一部が、前記電子機器(1,20,30)の外面(1a,20a,30a)と同一面上に配置されることを特徴とする電池パック(10)である。
請求項4に記載の発明は、入力端子部(6,7)を備える電池パック装着部(5,5’,5’’)が設けられ、電池保持部(12)と該電池保持部(12)に保持された電池(11)より供給される電力を出力する出力端子部(16,17)とを備えるとともに互いに異なる種類の電子機器(1,20,30)に対して共通して使用可能な電池パック(10)を、該電池パック装着部(5,5’,5’’)に対して装着可能なことを特徴とする電子機器(1,20,30)である。
請求項5に記載の発明は、電池保持部(12)及び該電池保持部(12)に保持された電池(11)より供給される電力を出力する出力端子部(16,17)を備える電池パック(10)と、前記電池パック(10)の前記出力端子部(16,17)と接続する入力端子部(6,7)を備える同形状の電池パック装着部(5,5’,5’’)が設けられた互いに異なる種類の複数の電子機器(1,20,30)と、を備え、前記電池パック(10)が、前記異なる種類の電子機器(1,20,30)に対して共通して装着可能なことを特徴とする電池供給システムである。
請求項6に記載の発明は、入力端子部(6,7)を備える電池パック装着部(5,5’,5’’)が設けられ、電池保持部(12)と該電池保持部(12)に保持された電池(11)より供給される電力を出力する出力端子部(16,17)とを備えるとともに互いに異なる種類のカメラに対して共通して使用可能な電池パック(10)を、該電池パック装着部(5,5’,5’’)に対して装着可能なことを特徴とするカメラ(1,20,30)である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のカメラ(1,20,30)であって、前記カメラ(1,20,30)がレンズ一体型カメラであって、前記電池パック装着部(5,5’,5’’)がレンズ鏡筒の側部において前記カメラ(1,20,30)の底面(1a,20a,30a)から前記電池パック(10)を挿入するように設けられていることを特徴とするカメラ(1,20,30)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、同一の電池パックを異なる種類の電子機器に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸Aを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラの位置(以下、通常の撮影位置という)において撮影者から見て左側に向かう方向をXプラス方向とする。また、通常の撮影位置において上側に向かう方向をYプラス方向とする。さらに、通常の撮影位置において被写体に向かう方向をZプラス方向とする。
【0009】
図1は本実施形態にかかる第1カメラ1の概略斜視図である。本実施形態において第1カメラ1は、レンズ非交換式のデジタルカメラであり、外側を囲む筐体2と、非撮影時にその一部が筐体2内に収納されるとともに撮影時には繰り出す沈胴式のレンズ鏡筒3とを備える。また、第1カメラ1は、その内部に電池パック装着部5を備え、電池パック装着部5が設けられた部分のYプラス側には、後述する電池パック10から電力が供給されるプラス側入力端子部6a及びマイナス側入力端子部6bが設けられている。
【0010】
図2は、電池パック10が挿入された状態における第1カメラ1の底面図である。図示するように第1カメラ1の底面1aには、電池パック10の挿入口1bが設けられている。
【0011】
図3は第1カメラ1より取り外した状態の電池パック10を示した図である。図示するように電池パック10は、電池11を装着するホルダ部12を備える。また、電池パック10の底面10aには、スライド可能なロック部材13が設けられている。
【0012】
ホルダ部12は、2列の電池保持部12a,12bが設けられており、各々の電池保持部12a,12bにおける電池11のマイナス側が配置される端部にはバネ14が取り付けられ、また電池のプラス側が配置される端部には、接片15が取り付けられ、電池に製造上若干の寸法の相違が存在しても、電気的接続が確保されるようになっている。
【0013】
ホルダ部12は、図3におけるYプラス側面(上面)10bに、プラス側出力端子部16とマイナス側出力端子部17とを備える。プラス側出力端子部16は電池11のプラス側が接続されるYプラス側接片15と電気的に接続されている。マイナス側出力端子部17は電池11のマイナス側が接続されるYプラス側バネ14と電気的に接続されている。また、Yマイナス側バネ14とYマイナス側接片15とは互いに電気的に接続されている。ホルダ部12に、単三電池を2つ並べて装着すると、プラス側出力端子部16とマイナス側出力端子部17との間には約3Vの電圧が加わる。
【0014】
電池パック10の底面10aに設けられたロック部材13は、図2に示すように電池パック10の底面10aを図2において点線で示すようにZ方向に延びている。一方、第1カメラ1の底面1aには、ロック部材13がスライドする部分に差し込み部1cが設けられている。図2はロック部材13が差し込み部1cに差し込まれて電池パック10が第1カメラ1に対して固定されている状態を示す。そして、図中矢印に方向にロック部材13をスライドさせると、ロック部材13が差し込み部1cから外れて、電池パック10が第1カメラ1からロック解除された状態となる。
【0015】
また、電池パック10の底面10aは平坦であって、図2に示すように、電池パック10を第1カメラ1に挿入すると、電池パック10の底面10aは、第1カメラ1の底面1aと同一面上に配置され、第1カメラ1の外観の一部を形成する。
【0016】
図4(a)及び(b)は、図1及び図2に示した第1カメラ1と異なる種類の第2カメラ20及び第3カメラ30である。第2カメラ20及び第3カメラ30は、第1カメラ1と外形が異なるが、同一形状の電池パック装着部5’,5’’が設けられている。したがって、第1カメラ1と同一の電池パック10を電池パック装着部5’,5’’に装着することができる。
【0017】
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)異なる種類のカメラ1,20,30であっても、共通の電池パック装着部5,5’,5’’が設けられているため、共通の電池パック10を使用することができる。したがって、一度電池パックを設計したら、異なるカメラであっても同じ電池パックが使用可能であり、設計コスト及び製造コストも低減される。一方、図5は比較形態のカメラ40の底面図であり、開閉蓋43が開いた状態を示す。カメラ40には、電池11が直接挿入される電池室42が設けられている。開閉蓋43は電池室42の端部にヒンジ44により取り付けられている。このようなカメラ40は、カメラごとにそれぞれそのカメラの形状に合わせて電池室42を設計する必要が生じ、本実施形態のカメラと比べると製造コストがかかる。
(2)本実施形態において電池パック装着部5,5’,5’’には蓋を設けず、電池パック10の底面10aが、カメラ1,20,30の底面と同一面上に配置され、カメラ1,20,30の外観の一部を形成する構成とした。したがって、構造上破損しやすいヒンジ機構が不要であり、強度が向上する。
【0018】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、レンズ非交換式の複数のカメラにおいて共通の電池パックについて説明した。しかし、本発明はレンズ非交換式の複数のカメラに限定されず、レンズ交換式のカメラであってもよく、また、その他、携帯電話、携帯型オーディオプレーヤー、髭剃り等他の電子機器であってもよい。さらに、例えばカメラと携帯電話といった異なる種類の電子機器間で電池パックを共通にしてもよい。
(2)また、本実施形態で電池は、単三電池を使用したが、本発明はこれに限定されず、リチウム電池、カード型電池等種々の電池が利用可能である。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態にかかる第1カメラの概略斜視図である。
【図2】電池パックが挿入された状態における第1カメラの底面図である。
【図3】第1カメラより取り外した状態の電池パックを示した図である。
【図4】図1及び図2に示した第1カメラと異なるカメラの底面図であり、(a)は第2カメラ、(b)は第3カメラである。
【図5】比較形態のカメラの底面図である。
【符号の説明】
【0020】
1:第1カメラ、1a:底面、5,5’,5’’:電池パック装着部、10:電池パック、11:電池、12:電池ホルダ、16,17:出力端子部、20:第2カメラ、20a:底面、30:第3カメラ、30a:底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池保持部と該電池保持部に保持された電池より供給される電力を出力する出力端子部とを備える電池パックであって、
該出力端子部と接続する入力端子部を備える同形状の電池パック装着部が設けられた互いに異なる種類の電子機器に対して、共通して装着可能なことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
請求項1に記載の電池パックであって、
前記電子機器に装着されたときに前記電池パックの一部が、前記電子機器の外観の一部を成すことを特徴とする電池パック。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池パックであって、
前記電子機器に装着されたときに前記電池パックの一部が、前記電子機器の外面と同一面上に配置されることを特徴とする電池パック。
【請求項4】
入力端子部を備える電池パック装着部が設けられ、電池保持部と該電池保持部に保持された電池より供給される電力を出力する出力端子部とを備えるとともに互いに異なる種類の電子機器に対して共通して使用可能な電池パックを、該電池パック装着部に対して装着可能なことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
電池保持部及び該電池保持部に保持された電池より供給される電力を出力する出力端子部を備える電池パックと、
前記電池パックの前記出力端子部と接続する入力端子部を備える同形状の電池パック装着部が設けられた互いに異なる種類の複数の電子機器と、を備え、
前記電池パックが、前記異なる種類の電子機器に対して共通して装着可能なことを特徴とする電池供給システム。
【請求項6】
入力端子部を備える電池パック装着部が設けられ、電池保持部と該電池保持部に保持された電池より供給される電力を出力する出力端子部とを備えるとともに互いに異なる種類のカメラに対して共通して使用可能な電池パックを、該電池パック装着部に対して装着可能なことを特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項6に記載のカメラであって、
前記カメラがレンズ一体型カメラであって、前記電池パック装着部がレンズ鏡筒の側部において前記カメラの底面から前記電池パックを挿入するように設けられていることを特徴とするカメラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−129592(P2009−129592A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301151(P2007−301151)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】