説明

電池モジュール

【課題】熱媒体の圧力損失を少なくすることができるとともに、各電池セルに対する温調効率のばらつきを少なくすること。
【解決手段】第1〜第3熱交換器31〜33を、各熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cを熱媒体の流通方向に沿って直列接続することで形成した。そして、電池モジュールM1に、第1〜第3熱交換器31〜33の各流入口41に並列的に熱媒体が流れ込むように、第1〜第3熱交換器31〜33同士を供給配管51により並列接続して構成された熱媒体流通機構R1を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールとして、例えば特許文献1に開示のものがある。特許文献1の電池モジュールは、複数の電池セル間に中空構造の冷却ジャケット(熱交換器)が配設されてなる。各冷却ジャケットには、冷却水(熱媒体)を流入させる流入口、及び冷却水を排出する排出口が配設されている。各冷却ジャケットの側面は各電池セルの側面に密着している。
【0003】
隣り合う冷却ジャケットの排出口と流入口とはチューブで接続されており、複数の冷却ジャケットは、冷却水の流通方向において直列接続されている。このため、冷却水の流通方向において最も上流側に位置する冷却ジャケットの流入口に流入した冷却水は、その流通方向に沿って各冷却ジャケットを順に直列的に流れていく。そして、冷却水の流通方向において最も下流側に位置する冷却ジャケットの排出口から排出された冷却水は、恒温装置へ送られて冷却され、冷却水の流通方向において最も上流側に位置する冷却ジャケットの流入口に還流されるようになっている。各冷却ジャケットの側面は各電池セルの側面に密着しているため、各電池セルによって生成される熱は各冷却ジャケットの側面に伝達され、冷却ジャケットの側面に伝達された熱は、冷却ジャケット内を通過する冷却水に吸収されるため、その結果として、各電池セルが冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−199186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電池モジュールでは、冷却水の流通方向において最も上流側に位置する冷却ジャケットの流入口に流入した冷却水は、その流通方向に沿って各冷却ジャケットを順に直列的に流れていくため、冷却水は流通していくに従って徐々に圧力損失が増大していき、冷却水の流速が徐々に低下していく。その結果、冷却水を所望の流速で流すために、冷却水を流すためのポンプの駆動負荷が増大してしまう。
【0006】
さらには、冷却水の流通方向において最も上流側に位置する冷却ジャケットの流入口に流入した冷却水の温度は、その流通方向に沿って各冷却ジャケットを順に流れていく間に徐々に温まっていくため、各電池セルに対する温調効率にばらつきが生じてしまう。このような各電池セルに対する温調効率のばらつきは、各電池セルの劣化をばらつかせることになる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、熱媒体の圧力損失を少なくすることができるとともに、各電池セルに対する温調効率のばらつきを少なくすることができる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の電池セルが並設されており、内部に熱媒体が流れるとともに各電池セルと熱的に結合される熱交換器を有する電池モジュールであって、前記熱交換器は、前記電池セルと熱交換される熱交換部を複数有するとともに、各熱交換部を前記熱媒体の流通方向に沿って直列接続することで形成されており、前記熱交換器が複数並設されるとともに、各熱交換器の流入口に並列的に前記熱媒体を供給する供給路を有する熱媒体流通機構を設けたことを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、各熱交換部を熱媒体の流通方向に沿って直列接続することで、熱媒体が直列的に流れるように形成された各熱交換器の流入口に対して、供給路から並列的に熱媒体が流れ込む。よって、全ての熱交換器を直列接続して、各熱交換器を順を追って直列的に熱媒体を流す場合に比べると、直列的に熱媒体が流れる距離を短くすることができる。その結果として、熱媒体が流通していくに従って生じる圧力損失を少なくすることができる。さらには、熱媒体が流通していくに従って生じる熱媒体自体の温度変化が抑えられ、各電池セルに対する温調効率のばらつきを少なくすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記熱媒体流通機構が二組設けられており、一方の熱媒体流通機構を流れる熱媒体の流通方向に対して、他方の熱媒体流通機構を流れる熱媒体の流通方向を逆向きにしたことを要旨とする。
【0011】
一方の熱媒体流通機構を構成する各熱交換器の内部を流れる熱媒体は、熱媒体の流通方向に沿って各熱交換部を順に流れていく間に徐々に温まっていくため、熱媒体の流通方向において下流側に位置する電池セルに対しての温調効率が低下する虞がある。しかし、この発明によれば、他方の熱媒体流通機構を構成する各熱交換器の内部を流れる熱媒体によって、温調効率が低下する虞のある電池セルに対しての温調効率の低下を抑制することができるため、結果として、各電池セルに対する温調効率のばらつきを少なくすることができ、電池モジュール全体として均一な温度分布を保つことができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、熱媒体の圧力損失を少なくすることができるとともに、各電池セルに対する温調効率のばらつきを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態における電池モジュールの概略を示す平断面図。
【図2】電池モジュールの一部を示す縦断面図。
【図3】別の実施形態における電池モジュールの一部を示す縦断面図。
【図4】電池モジュールの概略を示す平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1に示すように、電池モジュールM1は、電池セルとしての第1〜第8電池セル11〜18が直線状に等間隔おきに並設されてなる。第1〜第8電池セル11〜18は、直方体状の角型電池であり、その一短側面11c,12c,13c,14c,15c,16c,17c,18cがそれぞれ同じ方向を向くとともに、他短側面11d,12d,13d,14d,15d,16d,17d,18dもそれぞれ同じ方向を向くように配置されている。図2に示すように、第1〜第8電池セル11〜18の上面には正極端子21及び負極端子22が突設されている。なお、図2では、説明の便宜上、第2〜第4電池セル12〜14を図示し、その他の第1、第5〜第8電池セル11,15〜18の図示を省略している。
【0015】
また、図1に示すように、電池モジュールM1には熱交換器としての第1〜第3熱交換器31,32,33が並設されている。第1〜第3熱交換器31〜33は扁平状をなす板を折り曲げて形成されている。
【0016】
第1熱交換器31には、第1電池セル11の一長側面11aに密着する熱交換部としての第1熱交換部31aが形成されている。第1熱交換部31aの一端(第1熱交換器31の一端)には流入口41が形成されている。また、第1熱交換器31には、第1電池セル11の他長側面11b及び第2電池セル12の一長側面12aに密着する熱交換部としての第2熱交換部31bが形成されている。さらに、第1熱交換器31には、第2電池セル12の他長側面12b及び第3電池セル13の一長側面13aに密着する熱交換部としての第3熱交換部31cが形成されている。また、第1熱交換器31には、第1熱交換部31aの他端と第2熱交換部31bの一端とを繋ぐとともに第1電池セル11の他短側面11dに沿って延びる第1連結部31dが形成されている。さらに、第1熱交換器31には、第2熱交換部31bの他端と第3熱交換部31cの一端とを繋ぐとともに第2電池セル12の一短側面12cに沿って延びる第2連結部31eが形成されている。第3熱交換部31cの他端(第1熱交換器31の他端)には排出口42が形成されている。よって、第1熱交換器31は、流入口41から流入した熱媒体が、第1熱交換部31a、第1連結部31d、第2熱交換部31b、第2連結部31e及び第3熱交換部31cの順に直列的に流れるように構成されている。
【0017】
第2熱交換器32には、第3電池セル13の他長側面13b及び第4電池セル14の一長側面14aに密着する熱交換部としての第4熱交換部32aが形成されている。第4熱交換部32aの一端(第2熱交換器32の一端)には流入口41が形成されている。また、第2熱交換器32には、第4電池セル14の他長側面14b及び第5電池セル15の一長側面15aに密着する熱交換部としての第5熱交換部32bが形成されている。さらに、第2熱交換器32には、第5電池セル15の他長側面15b及び第6電池セル16の一長側面16aに密着する熱交換部としての第6熱交換部32cが形成されている。また、第2熱交換器32には、第4熱交換部32aの他端と第5熱交換部32bの一端とを繋ぐとともに第4電池セル14の他短側面14dに沿って延びる第3連結部32dが形成されている。さらに、第2熱交換器32には、第5熱交換部32bの他端と第6熱交換部32cの一端とを繋ぐとともに第5電池セル15の一短側面15cに沿って延びる第4連結部32eが形成されている。第6熱交換部32cの他端(第2熱交換器32の他端)には排出口42が形成されている。よって、第2熱交換器32は、流入口41から流入した熱媒体が、第4熱交換部32a、第3連結部32d、第5熱交換部32b、第4連結部32e及び第6熱交換部32cの順に直列的に流れるように構成されている。
【0018】
第3熱交換器33には、第6電池セル16の他長側面16b及び第7電池セル17の一長側面17aに密着する熱交換部としての第7熱交換部33aが形成されている。第7熱交換部33aの一端(第3熱交換器33の一端)には流入口41が形成されている。また、第3熱交換器33には、第7電池セル17の他長側面17b及び第8電池セル18の一長側面18aに密着する熱交換部としての第8熱交換部33bが形成されている。さらに、第3熱交換器33には、第8電池セル18の他長側面18bに密着する熱交換部としての第9熱交換部33cが形成されている。また、第3熱交換器33には、第7熱交換部33aの他端と第8熱交換部33bの一端とを繋ぐとともに第7電池セル17の他短側面17dに沿って延びる第5連結部33dが形成されている。さらに、第3熱交換器33には、第8熱交換部33bの他端と第9熱交換部33cの一端とを繋ぐとともに第8電池セル18の一短側面18cに沿って延びる第6連結部33eが形成されている。第9熱交換部33cの他端(第3熱交換器33の他端)には排出口42が形成されている。よって、第3熱交換器33は、流入口41から流入した熱媒体が、第7熱交換部33a、第5連結部33d、第8熱交換部33b、第6連結部33e及び第9熱交換部33cの順に直列的に流れるように構成されている。
【0019】
第1〜第9熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cと第1〜第8電池セル11〜18とは熱的に結合されている。よって、第1〜第9熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cは、第1〜第8電池セル11〜18と熱交換可能になっている。なお、第1〜第8電池セル11〜18と第1〜第3熱交換器31〜33との間には、図示しない絶縁性コーティング膜が配設されており、第1〜第8電池セル11〜18と第1〜第3熱交換器31〜33との間の電気的絶縁性が確保されている。この絶縁性コーティング膜は熱伝導性の良い材料から形成されている。また、図2に示すように、第1〜第9熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cの内部にはフィン43が立設されており、このフィン43によって第1〜第9熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cの内部が区画されている。
【0020】
図1に示すように、電池モジュールM1には、第1〜第3熱交換器31〜33の流入口41及び第1〜第6電池セル11〜16の一短側面11c,12c,13c,14c,15c,16cを跨るようにして供給路としての供給配管51が配設されている。供給配管51には、第1〜第3熱交換器31〜33の各流入口41と連通する供給口51aが3つ形成されている。そして、供給配管51内を流れる熱媒体は、各供給口51a及び各流入口41を介して第1〜第3熱交換器31〜33の内部へ並列的に流れ込むようになっている。よって、本実施形態では、第1〜第3熱交換器31〜33及び供給配管51によって熱媒体流通機構R1が構成されている。
【0021】
また、電池モジュールM1には、第1〜第3熱交換器31〜33の排出口42及び第3〜第8電池セル13〜18の他短側面13d,14d,15d,16d,17d,18dを跨るようにして排出配管52が配設されている。排出配管52には、第1〜第3熱交換器31〜33の各排出口42と連通する連通孔52aが3つ形成されている。そして、第1〜第3熱交換器31〜33の内部を通過して各排出口42から排出される熱媒体は、各連通孔52aを介して排出配管52内に流出する。さらに、排出配管52内を流れる熱媒体は、排出配管52の途中に設けられた温調装置(図示せず)によって熱媒体が所定の温度になるように温調されて、供給配管51に還流されるようになっている。尚、供給配管51には図示しないポンプが設けられており、このポンプの駆動により熱媒体の流通方向(図1に示す矢印X1の方向)における上流側から下流側に向けて熱媒体が流れるようになっている。なお、供給配管51及び排出配管52の流路断面積は同じになっているとともに、及び第1〜第3熱交換器31〜33の内部の流路断面積は全て同じになっている。
【0022】
次に、本実施形態の作用について説明する。
供給配管51を流れる熱媒体は、熱媒体の流通方向に沿って、各供給口51a及び第1〜第3熱交換器31〜33の各流入口41を介して第1〜第3熱交換器31〜33の内部へ並列的に流れ込む。続いて、熱媒体は、第1〜第3熱交換器31〜33の内部を直列的に流れるとともに、第1〜第3熱交換器31〜33の内部を通過した熱媒体は、各排出口42及び各連通孔52aを介して排出配管52内に流出する。
【0023】
第1〜第8電池セル11〜18を冷却する場合、第1〜第8電池セル11〜18によって生成される熱は、第1〜第3熱交換器31〜33にそれぞれ伝達される。そして、第1〜第3熱交換器31〜33に伝達された熱は、第1〜第3熱交換器31〜33の内部を流れる熱媒体に吸収されるため、その結果として、第1〜第8電池セル11〜18が冷却される。
【0024】
一方、第1〜第8電池セル11〜18を温める場合、第1〜第3熱交換器31〜33の内部を流れる熱媒体の熱が、第1〜第3熱交換器31〜33にそれぞれ伝達される。そして、第1〜第3熱交換器31〜33に伝達された熱が、第1〜第8電池セル11〜18に伝達されるため、その結果として、第1〜第8電池セル11〜18が温められる。
【0025】
また、本実施形態の電池モジュールM1では、例えば、第1〜第3熱交換器31〜33を直列接続して、第1〜第3熱交換器31〜33を順を追って直列的に熱媒体を流す場合に比べると、直列的に熱媒体が流れる距離が短くなっている。
【0026】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第1〜第3熱交換器31〜33を、各熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cを熱媒体の流通方向に沿って直列接続することで形成した。そして、電池モジュールM1に、第1〜第3熱交換器31〜33の各流入口41に並列的に熱媒体が流れ込むように、第1〜第3熱交換器31〜33同士を供給配管51により並列接続して構成された熱媒体流通機構R1を設けた。よって、熱媒体が第1〜第3熱交換器31〜33の流入口41に対して、供給配管51から並列的に流れ込むため、第1〜第3熱交換器31〜33を直列接続して、第1〜第3熱交換器31〜33を順を追って直列的に熱媒体を流す場合に比べると、直列的に熱媒体が流れる距離を短くすることができる。その結果として、熱媒体が流通していくに従って生じる圧力損失を少なくすることができる。さらには、熱媒体が流通していくに従って生じる熱媒体自体の温度変化が抑えられ、第1〜第8電池セル11〜18に対する温調効率のばらつきを少なくすることができる。
【0027】
(2)例えば、複数の電池セルがケース内に等間隔おきに収容されるとともに、ケース内に熱媒体を供給して、各電池セル間に熱媒体を通過させることで、各電池セルを温調する場合を考える。この場合、ケース内に供給された熱媒体が、各電池セル間に対して均等に流れず、各電池セルをバランス良く温調することができない場合がある。しかし、本実施形態では、第1〜第8電池セル11〜18それぞれと熱交換可能な第1〜第3熱交換器31〜33が設けられ、これら第1〜第3熱交換器31〜33の内部には熱媒体が均等に流れるようになっているため、第1〜第8電池セル11〜18をバランス良く温調することができる。
【0028】
(3)本実施形態によれば、例えば、供給配管51を、第1〜第3熱交換器31〜33の各熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cに対して並列接続する構成に比べて、供給配管51の連結部位を少なくすることができるため、構造を簡素化することができる。
【0029】
(4)例えば、供給配管51を、第1〜第3熱交換器31〜33の各熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cに対して並列接続する。このような構成では、熱媒体を、供給配管51から各熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cに対して並列的に流す場合、熱媒体の流通方向において最も下流側に位置する熱交換部33cに向けて熱媒体が流れ易くなる。すなわち、熱媒体の流通方向において最も上流側に位置する熱交換部31aに向けて熱媒体が流れ込み難くなってしまい、各熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cへの熱媒体の流れが不均一になってしまう。しかし、本実施形態では、このような構成に比べると、供給配管51から並列的に熱媒体を流す箇所を少なくしているため、熱媒体の流れが不均一になってしまうことを抑制することができる。
【0030】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図3に示すように、電池モジュールM2には、二組の熱媒体流通機構R1,R2が上下対称に積層されるように配設されている。そして、一方の熱媒体流通機構R1を流れる熱媒体の流通方向(図1に示す矢印X1の方向)に対して、他方の熱媒体流通機構R2を流れる熱媒体の流通方向(図4に示す矢印X2の方向)を逆向きにしてもよい。
【0031】
一方の熱媒体流通機構R1を構成する第1〜第3熱交換器31〜33の内部を流れる熱媒体は、熱媒体の流通方向に沿って各熱交換部31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33cを順に流れていく間に徐々に温まっていく。しかし、図4に示すように、他方の熱媒体流通機構R2を構成する第1〜第3熱交換器31〜33の内部を流れる熱媒体によって、第1〜第8電池セル11〜18に対しての温調効率のばらつきを抑制することができるため、電池モジュールM2全体として均一な温度分布を保つことができる。
【0032】
なお、図3では、二組の熱媒体流通機構R1,R2を別部材で構成したが、これに限らず、二組の熱媒体流通機構R1,R2が同一部材で構成されていてもよい。つまり、二組の熱媒体流通機構R1,R2が一体的に設けられていてもよい。
【0033】
○ 上記各実施形態において、第1〜第8電池セル11〜18は角型電池に限らず、例えば、円筒型電池やラミネート型電池などであってもよい。
○ 上記各実施形態において、第1〜第3熱交換器31〜33は扁平板状でなくてもよく、第1〜第8電池セル11〜18と熱的に結合されていれば、第1〜第3熱交換器31〜33の形状は特に限定されるものではない。
【0034】
○ 上記各実施形態では、第1〜第8電池セル11〜18の間の全てに各熱交換部31b,31c,32a,32b,32c,33a,33bが設けられていたが、これに限らず、第1〜第8電池セル11〜18の間の全てに各熱交換部31b,31c,32a,32b,32c,33a,33bが存在しなくてもよい。例えば、第1電池セル11の他長側面11bと第2電池セル12の一長側面12aとの間に第2熱交換部31bが存在していなくてもよい。
【0035】
○ 上記各実施形態において、電池セル11〜18の数を適宜変更してもよい。
○ 上記各実施形態において、熱交換器31〜33の数を適宜変更してもよい。
○ 上記各実施形態において、第1〜第3熱交換器31〜33の一端に流入口41を形成し、他端に排出口42を形成したが、これに限らず、例えば、第1〜第3熱交換器31〜33の一端に流入口41及び排出口42が形成されていてもよい。
【0036】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記電池セルは角型電池であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電池モジュール。
【0037】
(ロ)前記熱交換器は扁平板状をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2、及び前記技術的思想(イ)のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【符号の説明】
【0038】
M1,M2…電池モジュール、R1,R2…熱媒体流通機構、11〜18…電池セルとしての第1〜第8電池セル、31〜33…熱交換器としての第1〜第3熱交換器、31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,33c…熱交換部としての第1〜第9熱交換部、41…流入口、51…供給路としての供給配管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが並設されており、内部に熱媒体が流れるとともに各電池セルと熱的に結合される熱交換器を有する電池モジュールであって、
前記熱交換器は、前記電池セルと熱交換される熱交換部を複数有するとともに、各熱交換部を前記熱媒体の流通方向に沿って直列接続することで形成されており、
前記熱交換器が複数並設されるとともに、各熱交換器の流入口に並列的に前記熱媒体を供給する供給路を有する熱媒体流通機構を設けたことを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記熱媒体流通機構が二組設けられており、
一方の熱媒体流通機構を流れる熱媒体の流通方向に対して、他方の熱媒体流通機構を流れる熱媒体の流通方向を逆向きにしたことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−89508(P2013−89508A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230020(P2011−230020)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】