説明

電池保持構造

【課題】従来に比べて、電池がホルダから抜けにくく、電池の寸法がホルダの最外径に影響を及ぼすことを抑制できる、電池保持構造の提供。
【解決手段】(1)複数個並列に(横並びに)配置される電池20を、ホルダ30にて電池20の側面21で保持する、電池保持構造10であって、電池20の側面21とホルダ30との間の隙間Sが、隙間Sに樹脂40を流入して固化させることで、樹脂40で充填されている、電池保持構造10。(2)電池20の側面21および/またはホルダ30に、隙間Sの容積を大にする方向に凹む凹部50が設けられており、凹部50も樹脂40で充填されている。(3)樹脂40は、隙間Sから隙間Sの外にはみ出すはみ出し部41を備える。(4)はみ出し部41のはみ出し量は、ホルダ30から電池20に近づくにつれて大とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個並列に(横並びに)配置される電池を、ホルダにて電池の側面で保持する、電池保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008−34296号公報は、複数個並列に(横並びに)並べて配置される円筒型電池を、円筒部を有する樹脂製のホルダにて電池の側面で保持する、電池保持構造を開示している。
【0003】
しかし、従来の電池保持構造には、つぎの問題点がある。
(a)電池が電池の軸方向にホルダから比較的容易に抜けてしまう。
(b)電池をホルダの円筒部に挿入した際にホルダが電池により電池の径方向に撓むため、電池自体の寸法誤差の影響、電池自体の温度変化や充放電による膨張収縮の影響が、ホルダの最外形に影響を及ぼしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−34296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来に比べて、電池がホルダから抜けにくく、電池の寸法がホルダの最外形に影響を及ぼすことを抑制できる、電池保持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 複数個並列に配置される電池を、ホルダにて前記電池の側面で保持する、電池保持構造であって、
前記電池の側面と前記ホルダの前記電池の側面に対向する電池対向面との間の隙間が、該隙間に樹脂を流入して固化させることで、該樹脂で充填されている、電池保持構造。
(2) 前記電池の側面および/または前記ホルダの電池対向面に、前記隙間の容積を大にする方向に凹む第1の凹部が設けられており、
前記第1の凹部は、該第1の凹部が設けられる面の周方向と直交する方向の一部で、該第1の凹部が設けられる面の周方向に延びて設けられており、前記樹脂で充填されている、(1)記載の電池保持構造。
(3) 前記電池の側面および/または前記ホルダの電池対向面に、前記隙間の容積を大にする方向に凹む第2の凹部が設けられており、
前記第2の凹部は、該第2の凹部が設けられる面の周方向の一部で、該第2の凹部が設けられる面の周方向と直交する方向に延びて設けられており、前記樹脂で充填されている、(1)または(2)記載の電池保持構造。
(4) 前記樹脂は、前記隙間から該隙間の外にはみ出すはみ出し部を備える、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の電池保持構造。
(5) 前記はみ出し部のはみ出し量は、前記ホルダから前記電池に近づくにつれて大とされている、(4)記載の電池保持構造。
【発明の効果】
【0007】
上記(1)の電池保持構造によれば、つぎの効果を得ることができる。
電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間が、該隙間に樹脂を流入して固化させることで、樹脂で充填されているため、樹脂と電池および/またはホルダとの接着力を利用して電池をホルダで保持することができる。そのため、従来に比べて、電池をホルダから抜けにくくすることができる。
また、電池の寸法誤差は、電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間の容積(大きさ)に影響を及ぼすだけであり、この隙間に流入される樹脂量に影響を及ぼすだけである。そのため、電池の寸法誤差がホルダの最外形に影響を及ぼすことを従来に比べて抑制できる。
また、電池の温度変化や充放電による膨張収縮は、隙間に流入されて固化された樹脂の弾性変形にて吸収できる。そのため、電池の温度変化や充放電による膨張収縮がホルダの最外形に影響を及ぼすことを従来に比べて抑制できる。
【0008】
上記(2)の電池保持構造によれば、つぎの効果を得ることができる。
電池の側面および/またはホルダの電池対向面に、隙間の容積を大にする方向に凹む周方向に延びる第1の凹部が設けられており、該第1の凹部も樹脂で充填されているため、電池および/またはホルダのうち第1の凹部が設けられている部材から樹脂が剥がれてしまった場合であっても、第1の凹部内の樹脂が、第1の凹部が設けられている部材に引っかかる。そのため、第1の凹部が設けられ該第1の凹部に樹脂が充填されていない場合に比べて、ホルダの樹脂を介する電池保持力を大にすることができ、電池をホルダから抜けにくくすることができる。
【0009】
上記(3)の電池保持構造によれば、つぎの効果を得ることができる。
電池の側面および/またはホルダの電池対向面に、隙間の容積を大にする方向に凹む周方向と直交する方向に延びる第2の凹部が設けられているため、電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間に樹脂を流入させる際に第2の凹部がフローリーダー部として働く。そのため、第2の凹部以外の部分における電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間が比較的狭い場合であっても、該隙間に樹脂を流入させることができる。そのため、第2の凹部が設けられていない場合に比べて、第2の凹部以外の部分における電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間を狭くすることができ、ホルダ(電池保持構造)を小型化できる。
【0010】
上記(4)の電池保持構造によれば、つぎの効果を得ることができる。
樹脂が隙間から隙間の外にはみ出すはみ出し部を備えるため、樹脂がはみ出し部を備えていない場合に比べて、樹脂と電池およびホルダとの接触面積(接着面積)を大にすることができる。そのため、ホルダの樹脂を介する電池保持力を大にすることができ、電池をホルダから抜けにくくすることができる。
【0011】
上記(5)の電池保持構造によれば、つぎの効果を得ることができる。
はみ出し部のはみ出し量が、ホルダから電池に近づくにつれて大とされているため、樹脂を成形する金型の、はみ出し部を成形するための部分に、傾斜面を設けることができる。その結果、金型に傾斜面が設けられていない場合に比べて、金型に電池とホルダをセットして樹脂をインサート成形する際に、電池が金型に引っ掛かりにくくなり電池を容易に金型にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明実施例の電池保持構造の平面図である。ただし、電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間に充填される樹脂は省略している。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明実施例の電池保持構造における樹脂を成形する金型の、電池とホルダをセットした状態の部分断面図である。
【図4】本発明実施例の電池保持構造の、電池の側面に第1の凹部が設けられている場合の、電池とその近傍の部分断面図である。
【図5】本発明実施例の電池保持構造の、ホルダの電池対向面に第2の凹部が3個設けられている場合の、部分平面図である。ただし、電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間に充填される樹脂は省略している。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】本発明実施例の電池保持構造の、ホルダの電池対向面に第2の凹部が6個設けられている場合の、部分平面図である。ただし、電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間に充填される樹脂は省略している。
【図8】本発明実施例の電池保持構造の、ホルダの電池対向面に第2の凹部が9個設けられている場合の、部分平面図である。ただし、電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間に充填される樹脂は省略している。
【図9】本発明実施例の電池保持構造の、ホルダの電池対向面に第2の凹部が12個設けられている場合の、部分平面図である。ただし、電池の側面とホルダの電池対向面との間の隙間に充填される樹脂は省略している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明実施例の電池保持構造を、図面を参照して説明する。
本発明実施例の電池保持構造(電池保持装置)10は、図2に示すように、複数個並列に配置される電池20の各電池20を、ホルダ30にて電池20の側面21で保持する、電池保持構造である。なお、ここでいう「並列」とは、電池の並び方を示すものであり、電池を横並びに並べる並べ方を示すものである。
【0014】
電池20は、たとえば自動車に搭載される電池である。電池20は、リチウムイオン円筒型電池である。ただし、電池20は、円筒型電池に限定されるものではなく、角型電池であってもよい。また、電池20は、リチウムイオン電池に限定されるものではなく、ニッケル水素電池等であってもよい。
【0015】
互いに隣り合う電池20同士は、一方の電池20が他方の電池20の熱の影響を受けることを抑制するために、互いに間隔をおいて配置されている。電池20が円筒型電池である場合、複数の電池20は、格子状に配置されていてもよいが、図1に示すように、省スペース化のために隣り合う2列が千鳥足状となるように配置されていることが望ましい。
【0016】
ホルダ30は、一部品構成である。ただし、ホルダ30は、複数部品が組付けられて一体化したものであってもよい。ホルダ30は、たとえば、アルミ合金製等の金属製である。ただし、ホルダ30は樹脂製であってもよい。ホルダ30は変形しないかまたは変形しても無視できる程度とされており、ホルダ30が積極的に変形して電池20の寸法誤差や形状変化を吸収することはない。
【0017】
ホルダ30は、図2に示すように、電池20の側面21のみで、電池20を保持する。なお、「電池の側面」とは、電池20の電極が設けられる面と直交する面であり、電池20が円筒型電池の場合電池20の軸方向に延びる面(円筒面)である。ホルダ30は、電池20を、電池20の側面21の全周で保持している。ホルダ30は、電池20を、電池20の側面21の周方向と直交する方向の一部のみ(電池20が円筒型電池の場合には電池20の軸方向の一部のみ)で保持する。
【0018】
ホルダ30には、図1に示すように、ホルダ30で保持する電池20の数と同数の電池保持用穴31が設けられており、1個の電池保持用穴31に1個の電池20が位置している。各電池保持用穴31の径は、同一とされており、電池20の寸法誤差、電池20の温度変化や充放電による径方向の寸法変化に対応できるように、電池20の設計上の径よりたとえば半径2mm程度大とされている。そのため、電池20の側面21とホルダ30の電池20の側面21に対向する電池対向面32(ホルダ30の電池保持用穴31の周面)との間には、隙間Sが存在する。隙間Sは電池20の全周にわたって存在している。
【0019】
隙間Sは、図2に示すように、隙間Sに樹脂40を流入して固化させることで、樹脂40で充填されている(埋められている)。
【0020】
図4に示すように、電池20の側面21および/またはホルダ30の電池対向面32に隙間Sの容積を大にする方向に凹む第1の凹部50が設けられていてもよい。第1の凹部50が設けられている場合には、第1の凹部50も樹脂40で充填されている。なお、図4は、電池20の側面21のみに第1の凹部50が設けられており、ホルダ30の電池対向面32には第1の凹部50が設けられていない場合を示している。
【0021】
第1の凹部50は、第1の凹部50が設けられる面の周方向と直交する方向(第1の凹部50が設けられる面の軸方向)の一部で、第1の凹部50が設けられる面の周方向に延びて設けられている。第1の凹部50は、第1の凹部50が設けられる面の全周にわたって連続して設けられていることが望ましいが、第1の凹部50が設けられる面の周方向の一部のみに設けられていてもよい。第1の凹部50が電池20の側面21に設けられる場合、第1の凹部50は、電池20の側面21の周方向と直交する方向の一部に電池20を製造する際にできるカシメ部であってもよく、該カシメ部とは別に形成される凹部であってもよい。
【0022】
また、図5〜図9に示すように、電池20の側面21および/またはホルダ30の電池対向面32に、隙間Sの容積を大にする方向に凹む第2の凹部51が設けられていてもよい。第2の凹部51が設けられている場合には、第2の凹部51も樹脂40で充填されている。なお、図5〜図9は、ホルダ30の電池対向面32のみに第2の凹部51が設けられており、電池20の側面21には第2の凹部51が設けられていない場合を示している。
【0023】
第2の凹部51は、第2の凹部51が設けられる面の周方向の一部で、第2の凹部51が設けられる面の周方向と直交する方向(第2の凹部51が設けられる面の軸方向)に延びて設けられている。第2の凹部51の横断面形状は、第2の凹部51の形成を容易に行なうことができるように、角部を持たない半円形(略半円形を含む)であることが望ましい。第2の凹部51は、第2の凹部51が設けられる面の周方向と直交する方向で、隙間Sの全体(全域)にわたって連続して設けられている。
【0024】
第2の凹部51は、第2の凹部51が設けられる面の周方向に等間隔に複数設けられていることが望ましい。第2の凹部51が、第2の凹部51が設けられる面の周方向に1つしか設けられていない場合、または、第2の凹部51が設けられる面の周方向に片寄って複数設けられている場合に比べて、第2の凹部51が設けられる面の全周にわたって第2の凹部51によるフローリーダー効果を効果的に得ることができるからである。第2の凹部51は、図5に示すように、第2の凹部51が設けられる面の周方向に等間隔に3個設けられていてもよく、図7に示すように、第2の凹部51が設けられる面の周方向に等間隔に6個設けられていてもよく、図8に示すように、第2の凹部51が設けられる面の周方向に等間隔に9個設けられていてもよく、図9に示すように、第2の凹部51が設けられる面の周方向に等間隔に12個設けられていてもよい。なお、図示例では第2の凹部51が3の倍数個設けられる場合を示しているが、第2の凹部51の数は、3の倍数個以外であってもよい。
【0025】
樹脂40は、図2に示すように、隙間Sから隙間Sの外にはみ出すはみ出し部41を備える。はみ出し部41は、隙間Sから、電池20の側面21の周方向と直交する方向(電池20が円筒型電池の場合には電池20の軸方向)にはみ出す部分である。はみ出し部41の隙間Sからのはみ出し量は、ホルダ30から電池20に近づくにつれて大とされている。はみ出し部41の一部は、ホルダ30の、電池20の側面21の周方向と直交する方向の両側に(図2〜図4、図6の上下方向の両側に)回り込んでいる。
【0026】
樹脂40は、図3に示すように、樹脂40を成形する金型60に電池20とホルダ30をセット(インサート)した状態で成形(インサート成形)される。ただし、樹脂40は、図示はしないが、樹脂40を成形する成形機(成形型)に電池20とホルダ30をセットした状態でポッティングにて成形されていてもよい。また、樹脂40は、ホルダ30が樹脂製である場合には、金型60または図示略の成形機に電池20のみをセットした状態で成形されていてもよい。
【0027】
つぎに、本発明実施例の作用を説明する。
(A)電池20の側面21とホルダ30の電池対向面32との間の隙間Sが、隙間Sに樹脂40を流入して固化させることで、樹脂40で充填されているため、樹脂40と電池20および/またはホルダ30との接着力を利用して電池20をホルダ30で保持することができる。そのため、従来に比べて、電池20をホルダ30から抜けにくくすることができる。
【0028】
(B)電池20の寸法誤差は、電池20の側面21とホルダ30の電池対向面32との間の隙間Sの容積(大きさ)に影響を及ぼすだけであり、この隙間Sに流入される樹脂40の量に影響を及ぼすだけである。そのため、電池20の寸法誤差がホルダ30の最外形に影響を及ぼすことを従来に比べて抑制できる。
【0029】
(C)電池20の温度変化や充放電による膨張収縮は、隙間Sに流入されて固化された樹脂40の弾性力を利用した変形(引張圧縮)にて吸収できる。そのため、電池20の温度変化や充放電による膨張収縮がホルダ30の最外形に影響を及ぼすことを従来に比べて抑制できる。
【0030】
(D)電池20の側面21および/またはホルダ30の電池対向面32に、隙間Sの容積を大にする方向に凹む第1の凹部50が設けられており、第1の凹部50も樹脂40で充填されているため、電池20および/またはホルダ30のうち第1の凹部50が設けられている部材から樹脂40が剥がれてしまった場合であっても、第1の凹部50内の樹脂が、第1の凹部50が設けられている部材に引っかかる。そのため、第1の凹部50が設けられ該第1の凹部50に樹脂40が充填されていない場合に比べて、ホルダ30の樹脂40を介する電池20保持力を大にすることができ、電池20をホルダ30から抜けにくくすることができる。
【0031】
(E)電池20の側面21および/またはホルダ30の電池対向面32に、隙間Sの容積を大にする方向に凹む周方向と直交する方向に延びる第2の凹部51が設けられているため、電池20の側面21とホルダ30の電池対向面32との間の隙間Sに樹脂を流入させる際に第2の凹部51がフローリーダー部として働く。そのため、第2の凹部51以外の部分における電池20の側面21とホルダ30の電池対向面32との間の隙間Sが比較的狭い場合であっても、該隙間Sに樹脂を流入させることができる。そのため、第2の凹部51が設けられていない場合に比べて、第2の凹部51以外の部分における電池20の側面21とホルダ30の電池対向面32との間の隙間Sを狭くすることができ、ホルダ30(電池保持構造10)を小型化できる。
【0032】
(F)樹脂40が隙間Sから隙間Sの外にはみ出すはみ出し部41を備えるため、樹脂40がはみ出し部41を備えていない場合に比べて、樹脂40と電池20およびホルダ30との接触面積(接着面積)を大にすることができる。そのため、ホルダ30の樹脂40を介する電池20保持力を大にすることができ、電池20をホルダ30から抜けにくくすることができる。
【0033】
(G)樹脂40が隙間Sから隙間Sの外にはみ出すはみ出し部41を備えるため、樹脂40がはみ出し部41を備えていない場合に比べて、樹脂40と電池20およびホルダ30との接触面積(接着面積)を大にすることができ、電池20が車両走行振動等によりホルダ30に対して左右に傾いてしまうことを抑制できる。
【0034】
(H)はみ出し部41のはみ出し量が、ホルダ30から電池20に近づくにつれて大とされているため、樹脂40を成形する金型60の、はみ出し部41を成形するための部分に、傾斜面61を設けることができる。その結果、金型60に傾斜面61が設けられていない場合に比べて、樹脂40をインサート成形するために金型60に電池20をセットする際に、電池20が金型60に引っ掛かりにくくなり電池20を容易に金型60にセットすることができる。
【0035】
(I)樹脂40を隙間Sに流入させて固化させることで、樹脂40を介してホルダ30で電池20を保持するため、電池保持構造10の構造をほとんど複雑化させることなく、ホルダ30による電池20の保持力を強固にすることができる。
【0036】
(J)電池20の側面21とホルダ30との間の隙間Sが樹脂40で充填されているため、ホルダ30が金属製であっても電池20とホルダ30とを電気的に絶縁させることができる。また、電池20とホルダ30との間での熱の授受を抑制できる。
【0037】
(K)電池20と金型60の変更を伴わずにホルダ30の電池保持用穴31の径を変えるだけで、隙間Sの容積を変化させた製品を作ることができる。そのため、隙間Sの容量の設計変更が容易である。
【0038】
(L)はみ出し部41の一部が、ホルダ30の、電池20の周方向と直交する方向の両側に回り込んでいるため、樹脂40がホルダ30から剥がれても、はみ出し部41の前記一部がホルダ30に引っかかり樹脂40がホルダ30から脱落することを抑制できる。
【符号の説明】
【0039】
10 電池保持構造
20 電池
21 電池の側面
30 ホルダ
31 電池保持用穴
32 ホルダの電池対向面
40 樹脂
41 はみ出し部
50 第1の凹部
51 第2の凹部
60 金型
61 傾斜面
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個並列に配置される電池を、ホルダにて前記電池の側面で保持する、電池保持構造であって、
前記電池の側面と前記ホルダの前記電池の側面に対向する電池対向面との間の隙間が、該隙間に樹脂を流入して固化させることで、該樹脂で充填されている、電池保持構造。
【請求項2】
前記電池の側面および/または前記ホルダの電池対向面に、前記隙間の容積を大にする方向に凹む第1の凹部が設けられており、
前記第1の凹部は、該第1の凹部が設けられる面の周方向と直交する方向の一部で、該第1の凹部が設けられる面の周方向に延びて設けられており、前記樹脂で充填されている、請求項1記載の電池保持構造。
【請求項3】
前記電池の側面および/または前記ホルダの電池対向面に、前記隙間の容積を大にする方向に凹む第2の凹部が設けられており、
前記第2の凹部は、該第2の凹部が設けられる面の周方向の一部で、該第2の凹部が設けられる面の周方向と直交する方向に延びて設けられており、前記樹脂で充填されている、請求項1または請求項2記載の電池保持構造。
【請求項4】
前記樹脂は、前記隙間から該隙間の外にはみ出すはみ出し部を備える、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池保持構造。
【請求項5】
前記はみ出し部のはみ出し量は、前記ホルダから前記電池に近づくにつれて大とされている、請求項4記載の電池保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−8655(P2013−8655A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224121(P2011−224121)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【Fターム(参考)】