説明

電池保護ケース

【課題】
予備の角型電池を保護する電池保護ケースを提供する。
【解決手段】
本発明の電池保護ケースは角型電池3を収納する凹部22Hを有する内装保護ケース22を備え、また前記内装保護ケースを収納する外装保護ケース1を備えることを特徴とする。また、内装保護ケース2は弾力性のある材料によってなり、外装保護ケース1はプラスチック材料によってなる。内装保護ケース2は上面部21と下面部22とを有しており、該下面部22に設けられた凹部22Hは底面部22Tと、凹部22Hの一延在方向における両端に夫々設けられた段部22D、22Dとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯可能な薄型電池の電池保護ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電池を電源として用いる各種電子機器において、長時間の使用ができるように、スペアーの電池を携帯する必要性が生じた。従来の技術では、下記の特許文献1に開示されるように、円筒形電池をチャック3付きの袋に入れて、包装することが開示されている。
【特許文献1】実開平4−59060
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の特許文献1に開示される携帯可能な電池保護ケースは円筒形電池を収納、保持するものであり、近年携帯電話や、各種電子機器に用いられている薄型電池を収納、保持できる電池保護ケースは開発されていない。また、日常携帯するため、外部からの衝撃に対してより耐久性及び耐衝撃性を向上させる構造を有する電池保護ケースの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の電池保護ケースは厚みのある四角形板状の角型電池3を収納する凹部22H を有する内装保護ケース2を備え、また前記内装保護ケース2を収納する外装保護ケース1を備えることを特徴とする。
【0005】
更に、本発明の電池保護ケースの前記内装保護ケース2は上面部21と下面部22を有しており、下面部22に設けられている前記凹部22Hは底面部22Tと、前記凹部22Hの延在方向両端に夫々設けられた段部22D、22Dとを有し、前記段部22D、22Dは前期底面部22Tより浅く設けられていることを特徴とする。更に、延在方向の寸法が小なる角型電池Aタイプ3Aを収納する場合は、前記角型電池Aタイプ下面部3ATと前記内装保護ケース2の前記底面部22Tとが密接し、さらに前記角型電池Aタイプ上面部3AUと前記内装保護ケース2の上面部21とが密接することにより前記角型電池Aタイプ3Aを狭持する第一収納部22Aを備え、延在方向の寸法が大なる角型電池Bタイプ3Bを収納する場合は、前記角型電池Bタイプ下面部3BTにおける延在方向両端部と段部22Dとが密接し、さらに前記角型電池Bタイプ上面部3BUと前記内装保護ケース2の上面部21とが密接することにより前記角型電池Bタイプ3Bを狭持する第二収納部22Bを備えることを特徴とする。
【0006】
また更に、本発明の前記内装保護ケース2は前記上面部21及び前記下面部22は弾力性のある材料が使用され、さらに外装保護ケース1は前記上面部21を収納する外装保護ケース上部11を備え、また前記下面部22を収納する外装保護ケース下部12を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記外装保護ケース上部11と前記外装保護ケース下部12はヒンジ部1Hを介して互いに開閉自在に連結されており、また前記外装保護ケース上部11は係止凹部13を有し、前記外装保護ケース下部12は係止凸部14を有し、前記係止凹部13と前記係止凸部14とが嵌合することによって前記外装保護ケース上部11と前記外装保護ケース下部12との結合を可能とすることを特徴とする。
【0008】
更に、本発明の前記外装保護ケース1はプラスチック材料であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の電池保護ケースにおいて、スペアーとして持ち運ぶ角型電池を衝撃や、貴金属等が電池端子に触れ短絡することから保護することができる。また、携帯電話に搭載される角型電池は機種によって寸法が異なるため、一定の寸法の収納部では対応できない角型電池が生じてしまうが、本発明の電池保護ケースは収納可能な角型電池の寸法の許容範囲を大きくでき、また安定的に角型電池を保持できる効果がある。
【0010】
本発明の請求項2の電池保護ケースにおいて、内装保護ケースが上面部と下面部の二面を設けていることによって、角型電池の上面と下面より安定した力によって保持することができる。凹部の底面部に、小なる角型電池を収納することができ、一延在方向における両端に設けられた段部に、大なる角型電池を収納することができる。よって、大きさが異なる角型電池を、確実に収納することができる。
【0011】
本発明の請求項3の電池保護ケースにおいて、現在採用されている携帯電話用電池パックのサイズは、2分類に大別できる。一つは延在方向小なる角型電池Aタイプは、内装保護ケースの底面部と上面部によって形成される第一収納部によって、この角型電池Aタイプを精確な位置において収納でき、且十分に狭持することができる。さらに一つは延在方向大なる角型電池Bタイプは、内装保護ケースの段部と上面部によって形成される第二収納部によって、該角型電池Bタイプを精確な位置において、十分に狭持することができる。
第一収納部及び第二収納部によって、大きく寸法の異なる角型電池Aタイプと角型電池Bタイプを精確に狭持し、収納することができる。
【0012】
本発明の請求項4の電池保護ケースにおいて、内装保護ケースが弾力性のある材料からなることによって、角型電池Aタイプ及び角型電池Bタイプの収納可能許容範囲は大きくすることができ、確実に角型電池を狭持することができる。また、弾力性のある材料によって高い衝撃吸収力を得られる。
さらに、外装保護ケース上部及び下部を有することで、電池保護ケースの上面と下面に対する外部からの力に対して強度の向上をはかることができ、電池保護ケース内に収納されている角型電池への荷重も低減することができ、また、該電池保護ケースを容易に携帯できる。
【0013】
本発明の請求項5に記載の電池保護ケースにおいて、外装保護ケース両部を、ヒンジ部を介して一体成形することによって、ヒンジ部と外装保護ケース両部との接続を強固にでき、揺動開閉によるヒンジ部及びその周辺への荷重に耐えることができる設計とした。また、一体化によって部品の削減及び、製造工程の簡略化が可能となった。外装保護ケース両部の紛失の防止の効果もある。
また、外装保護ケース上部に係止凹部を、外装保護ケース下部に係止凸部を有することによって、外装保護ケースに対する外部からの力に対して、収納されている角型電池の落下防止及び、電池保護ケースの分解を阻止する効果がある。
【0014】
請求項6に記載の外装保護ケースにおいて、外装保護ケースがプラスチック材料であることによって、電池保護ケースの耐衝撃強度向上となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電池保護ケースを例示するものであって、本発明は電池保護ケースを下記のものに特定しない。さらに、この明細書は特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
本実施例の電池保護ケース5は、電池保護ケース5が角型電池3を収納し、保持する状態のとき、外周の形状が四角形であり、高さの低い直方体の箱型形状である。つまり、厚みのある四角形(正方形又は長方形)板状である。角型電池3の一側面には、出力端子3T、3Tが設けられている。また、電池保護ケース5の外側においては、外周の形状が四角形である外装保護ケース1を備えている。外装保護ケース1はプラスチック材料からなり、箱型形状を上下に分割した形状である外装保護ケース上部11と、外装保護ケース下部12とを備え、これらを連結する一体成形されたヒンジ部1Hを備え、外装保護ケース上部11と外装保護ケース下部12とは、ヒンジ部を介して一体成形されている。また、ヒンジ部によって外装保護ケース上部11と外装保護ケース下部12とが自在に揺動開閉できる。
【0017】
また、外装保護ケース上部11には、外装保護ケース1を閉じた状態で、外装保護ケース上部11の側面から垂下して延在する板状係止片13Hを有し、ここに開口した係止凹部13を備えている。外装保護ケース下部12の側面に係止凸部14を有している。係止凹部13と係止凸部14とが係合することによって外装保護ケース上部11と外装保護ケース下部12とを結合できて、外装保護ケース1、つまり、電池保護ケース5を閉じた状態とすることができる。
【0018】
さらに、外装保護ケース上部11、外装保護ケース下部12は、箱型形状を上下に分割した形状であるので、外装保護ケース上部11は内装保護ケース2の上面部21を収納する為の外装保護ケース上凹部11Hを備えており、また外装保護ケース下部12は内装保護ケース2の下面部22を収納する為の外装保護ケース下凹部12Hを備えている。
【0019】
内装保護ケース2は弾性力のある材料である弾性部材(クッション材)、例えば、合成樹脂からなるスポンジからなり、概略4角形(正方形又は長方形)板状の上面部21及び概略4角形(正方形又は長方形)板状の下面部22を備えている。下面部22には角型電池を収納するため、概略4角形(正方形又は長方形)板状の空洞に相当する凹部22Hが設けられており、凹部22Hは底面部22Tと凹部22Hの一延在方向(図2に矢印Xで示す方向)両端に夫々設けられた二つの段部22D、22Dとを有している。段部22Dは底面部22Tより浅く設けられている。実施例においては、段部22Dは底面部22Tより1.5mm高い位置に設けられている。
【0020】
電池保護ケース5、外装保護ケース1、内装保護ケース2を閉じた状態で、角型電池3を収納するとき、内装保護ケース2の上面部21と凹部22Hの底面部22Tにより、第一収納部22Aができ、内装保護ケース2の上面部21と凹部22Hの段部22D、22Dにより、第二収納部22Bができる。
第一収納部22Aによって、後述する角型電池Aタイプ3Aは収納され、第二収納部22Bによって後述する角型電池3Bは収納される。
【0021】
ここで、現在採用されている携帯電話用電池パックのサイズは、2分類に大別できる。
一つは、角型電池3の出力端子3Tの面から反対側面への方向である(図2に示す矢印X方向)対応一延在方向の寸法が小なる角型電池Aタイプであり、該角型電池Aタイプは面積小、厚み大のタイプである。
【0022】
さらに一つは上述の対応一延在方向の寸法が大なる角型電池Bタイプであり、角型電池Bタイプは面積大、厚み薄のタイプである。
【0023】
実施例において、角型電池Aタイプ3Aとは角型電池3の対応一延在方向の長さが、両段部22D、22D間の長さ(図2の寸法Y)より短い寸法の角型電池3のことを指す。
また、角型電池Bタイプ3Bとは角型電池3の延在方向の長さが、両段部22D、22D間の長さより長い寸法の角型電池3のことを指す。
【0024】
電池保護ケース5、外装保護ケース1、内装保護ケース2を閉じた状態で、角型電池Aタイプ3Aを収納するとき、即ち第一収納部22Aにおける収納の場合、角型電池Aタイプ下面部3ATと底面部22Tとが密接し、さらに角型電池Aタイプ上面部3AUと上面部21とが密接することにより角型電池Aタイプ3Aを狭持している。このとき、角型電池Aタイプの延在方向両端の側面と段部22Dの側壁とは接していない。また、別の寸法の角型電池Aタイプにおいては、延在方向両端の側面と段部22Dの側壁とは接しても良い。
【0025】
電池保護ケース5、外装保護ケース1、内装保護ケース2を閉じた状態で、角型電池Bタイプ3Bを収納するときは、即ち第二収納部22Bにおける収納場合、角型電池Bタイプ下面部3BTにおける延在方向両端部と両段部22D、22D上面とがそれぞれ密接し、さらに角型電池Bタイプ上面部3BUと内装保護ケース2の上面部21とが密接することにより角型電池Bタイプ3Bを狭持している。角型電池Aタイプ下面部3ATと底面部22Tとが接する面積に比べ、角型電池Bタイプ下面部3BTと両段部22D、22Dとが接する面積は小さいが、図5、図6で確認できるように、角型電池Bタイプ3Bは角型電池Aタイプ3Aより上面部21を押し上げて、押圧されない状態から上面部21が変形する寸法が大きくなることより、その分、弾性部材の弾性力(復元力)による力が大きいため、上面部21が角型電池Aタイプ上面部3AUを押圧する力より、上面部21が角型電池Bタイプ上面部3BUを押圧する力の方がより強く、角型電池Bタイプ3Bは第二収納部22Bによって十分狭持され、保持されている。
【0026】
下記に本実施例における電池保護ケース5の凹部22H(第一収納部(22A)、第二収納部(22B))の寸法と角型電池Aタイプ、Bタイプの寸法範囲を示したものである。これらの寸法は、本実施例の一例を示しているもので、これら寸法は適宜変更できる。
(W、L、H寸法については、図2に矢印を用いて示されている。)
角型電池Aタイプ3A及び第一収納部22Aの寸法について
第一収納部内寸 角型電池Aタイプサイズ (単位mm)
W寸法 40 35.8〜38.9
L寸法 42 38.25〜42.0
H寸法 5 5.1〜6.15
角型電池Bタイプ3B及び第二収納部22Bの寸法について
第二収納部内寸 角型電池Bタイプサイズ (単位mm)
W寸法 40 35.3〜38.45
L寸法 57 45.45〜56.5
H寸法 3.5 4.05〜4.7
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例にかかる電池保護ケースの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる電池保護ケースの分解斜視図である。
【図3】第一収納部に角型電池Aタイプが収納され、外装保護ケースが開いている状態を示す斜視図である。
【図4】第二収納部に角型電池Bタイプが収納され、外装保護ケースが開いている状態を示す状態を示す斜視図である。
【図5】(a)は図3において外装保護ケースが閉じられたとき、延在方向における断面を示した図である。(b)は図3において延在方向における断面を示した図である。
【図6】(a)は図4において外装保護ケースが閉じられたとき、延在方向における断面を示した図である。(b)は図4において延在方向における断面を示した図である。
【符号の説明】
【0028】
1 …外装保護ケース
11 …外装保護ケース上部
11H…外装保護ケース上凹部
12 …外装保護ケース下部
12H…外装保護ケース下凹部
1H …ヒンジ部
13 …係止凹部
14 …係止凸部
2 …内装保護ケース
21 …上面部
22 …下面部
22A…第一収納部
22B…第二収納部
22D…段部
22H…凹部
22T…底面部
3 …角型電池
3T …出力端子
3A …角型電池Aタイプ
3AU…角型電池Aタイプ上面部
3AT…角型電池Aタイプ下面部
3B …角型電池Bタイプ
3BU…角型電池Bタイプ上面部
3BT…角型電池Bタイプ下面部
5 …電池保護ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みのある四角形板状の角型電池(3)を収納する凹部(22H)を有する内装保護ケース(2)を備え、また前記内装保護ケース(2)を収納する外装保護ケース(1)を備えることを特徴とする電池保護ケース。
【請求項2】
前記内装保護ケース(2)は上面部(21)と下面部(22)とを有しており、該下面部(22)に設けられた前記凹部(22H)は底面部(22T)と、前記凹部(22H)の一延在方向における両端に夫々設けられた段部(22D,22D)とを有することを特徴とする特徴とする請求項1の電池保護ケース。
【請求項3】
前記凹部(22H)の前記一延在方向に対応した対応一延在方向の寸法が小なる角型電池Aタイプ(3A)を収納する場合は、前記角型電池Aタイプ下面部(3AT)と前記内装保護ケース(2)の前記底面部(22T)とが密接し、さらに前記角型電池Aタイプ上面部(3AU)と前記内装保護ケース(2)の上面部(21)とが密接することにより前記角型電池Aタイプ(3A)を狭持する第一収納部(22A)を備え、
前記対応一延在方向の寸法が大なる角型電池Bタイプ(3B)を収納する場合は、前記角型電池Bタイプ下面部(3BT)における前記対応一延在方向両端部と段部(22D,22D)とが密接し、さらに前記角型電池Bタイプ上面部(3BU)と前記内装保護ケース(2)の上面部(21)とが密接することにより前記角型電池Bタイプ(3B)を狭持する第二収納部(22B)を備えることを特徴とする請求項2に記載の電池保護ケース。
【請求項4】
前記上面部(21)及び前記下面部(22)は弾力性のある材料が使用され、さらに外装保護ケース(1)は前記上面部(21)を収納する外装保護ケース上部(11)を備え、また前記下面部(22)を収納する外装保護ケース下部(12)を備えることを特徴とする請求項2に記載の電池保護ケース。
【請求項5】
前記外装保護ケース上部(11)と前記外装保護ケース下部(12)は一体成形されたヒンジ部(1H)を介して互いに開閉自在に連結されており、また前記外装保護ケース上部(11)は係止凹部(13)を有し、前記外装保護ケース下部(12)は係止凸部(14)を有し、前記係止凹部(13)と前記係止凸部(14)とが嵌合することによって前記外装保護ケース上部(11)と前記外装保護ケース下部(12)との連結を可能とすることを特徴とする請求項4に記載の電池保護ケース。
【請求項6】
前記外装保護ケース(1)はプラスチック材料であることを特徴とする請求項1に記載の電池保護ケース。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−67461(P2010−67461A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232733(P2008−232733)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】