説明

電池電圧低下検出装置

【課題】本発明は、無線送信の繰り返しにより電池電圧が急激に下がり、定期的な電池電圧検出では検出前に動作停止するということを課題とするものである。
【解決手段】制御手段4は、タイマー手段9を用いて定期的に電圧検出手段3を起動させ電池2の電圧を測定する。ただし、無線通信が成功せず、繰り返し送信を行い始めると、制御手段4はタイマー手段9のタイミングを変化させて電圧検出手段3を動作させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池を電源とした無線装置の電池寿命を検出する電池電圧低下検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の無線装置の電池電圧低下検出装置は、電池容量が少なくなって電池電圧が低下してきたときに、機器が動作不能になる前に電圧低下を検出するために、機器の最低動作電圧より少し高い一定の電圧で検出し、その情報を無線でしかるべき装置に通信するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−108058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、無線装置の宿命として、無線通信の成功率がその場の電波環境により左右されるという課題があった。
【0004】
その為、電池電圧の低下情報や機器の情報を管理センターへ無線データとして送信したにもかかわらず、無線送信が成功せず、その際の保安処理として、無線送信が成功するまで繰り返し送信を何度も行うということが発生していた。
【0005】
そして、繰り返し送信を行うことにより電池が加速度的に消耗されてしまうと、例えば一日に一回のような定期的な電池電圧検出タイミングでは電池電圧の検出自体が行えなかったり、電池電圧の検出が行えたとしても管理センターに報知することができないという事態に陥ってしまうこととなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明では、無線送信の繰り返しが発生した場合には、通常の電池電圧検出タイミングを早めて、再送により電池が加速度的に消耗されてしまう前に電池電圧検出を行い、出来るだけ管理センターへの電池電圧低下検出データを確実に送信できるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、電池を電源とする無線機器の電池電圧検出機能に、無線の繰り返し送信発生時には電池電圧検出タイミングを変更する機能をもたせ、電池電圧の急激な低下に遅れることなく電池電圧を検出できるようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の電池電圧低下検出装置は、電池を電源とする機器において、この端末に電池電圧を検出する電圧検出手段と、検出するタイミングを決定するタイマー手段と、前記タイマー手段からの情報により前記電圧検出手段を駆動させ、且つ電池電圧の低下を判定する制御手段と、電圧が低下した場合や、機器の情報を無線データとして送信する無線送信機能と、前記無線データの送り先からの受領確認信号を受け取る無線受信機能と、前記受領確認信号が一定時間受領できない場合、前記制御手段は前記無線送信機能により繰り返し前記無線データを送信する手段とを備え、前記無線データを繰り返し送信した場合には、前記タイマー手段の検出タイミングを変更して電池電圧の検出を行うようにしたものである。
【0009】
これにより、無線送信の繰り返しが発生し、電池電圧が急激に低下する状況であっても、電池電圧の低下を確実に検出することができる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0011】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態による電池電圧低下検出装置を内臓した無線装置を示す構成図である。
【0012】
無線装置1は電池2を電力源として動作し、電圧検出手段3はこの電源としての電池2の電圧を定期的に検出する。なお、電圧検出手段3の検出タイミングについては後述する。そして、電圧検出手段3により検出した電圧値が、あらかじめ決められた低下検出レベルを下回ったかどうかを制御手段4で判定する。
【0013】
制御手段4は、検出した電圧値があらかじめ決められた低下検出レベルを下回って電圧低下していると判断した場合、無線送信機能5により、電圧低下情報を無線親機7に送信する。それ以外に、無線装置1の状態情報を無線親機7に送る必要が発生した場合も無線送信機能5により無線親機7に送信する。
【0014】
無線送信機能5からの無線信号は、無線親機7により受信され、情報は無線親機7を制御している管理センター8へ送信されることで、管理センターは無線装置1の状態を把握することができる。
【0015】
また、この時、図2の(a)の様に、無線送信機能5からの無線信号を受け取った無線親機7は、受領確認信号を送信し、無線装置1では無線受信機能6でこれを受信することにより、制御手段4は電池電圧低下情報やその他の情報が管理センターへ届いたと判断し通信を完了する。
【0016】
しかし、電池電圧低下情報やその他の通常の通信で、無線送信機能5から情報を無線親機7へ送信したにもかかわらず、一定時間経過後も無線受信機能6で受領確認信号を受け取れなかった場合、制御手段4は電波環境が悪い状態であると判断し、繰り返し無線送信機能5から情報を送信するようにする。その後、無線受信機能6で無線親機7からの受領確認信号を受け取るまで、あらかじめ決められた時間間隔(例えば10秒)で送信を繰り返す。
【0017】
ここで、電圧検出に関する制御手段4の処理について説明する。通常、制御手段4はタイマー手段9を用いて定期的(例えば24時間毎)に電圧検出手段3を起動させ、電池2の電圧を検出する。
【0018】
しかし、図2の(b)の様に、無線親機7からの受領確認信号が受信できない場合、制御手段4は、タイマー手段9の時間間隔を24時間より短い間隔になるように変更し、そのタイミングで電圧検出手段3を駆動するようにする。
【0019】
無線送信の繰り返しが連続的に実施されることにより、電池電圧は急激に下がっていくが、このように電圧検出手段3の動作間隔を短くすることにより、電池電圧の変化にも迅速に対応して電圧を検出できる。
【0020】
なお、動作間隔を短くする一例として、図3の様に、無線送信の繰り返し回数を大きく3パターンに分けて、該当するパターンに合わせてタイマー手段9の時間間隔を決定する
ことができる。
【0021】
もちろん、無線受領信号を1度でも受け取れれば、通常の24時間へ戻すように決めておいても良いし、段階的にタイミングを伸ばして、最終的に24時間へ戻るようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように、本発明にかかる電池電圧低下検出装置は、無線データの繰り返し送信を実施した場合には、電池電圧の検出タイミングを変更することで、電池の急激な電圧低下に対応してデータを送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の無線装置の構成図
【図2】通信の状態図
【図3】本発明のタイマー決定フロー図
【符号の説明】
【0024】
1 無線装置
2 電池
3 電圧検出手段
4 制御手段
5 無線送信機能
6 無線受信機能
7 無線親機
8 管理センター
9 タイマー手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を電源とする機器において、この端末に電池電圧を検出する電圧検出手段と、
検出するタイミングを決定するタイマー手段と、前記タイマー手段からの情報により前記電圧検出手段を駆動させ、且つ電池電圧の低下を判定する制御手段と、
電圧が低下した場合や、機器の情報を無線データとして送信する無線送信機能と、前記無線データの送り先からの受領確認信号を受け取る無線受信機能と、前記受領確認信号が一定時間受領できない場合、前記制御手段は前記無線送信機能により繰り返し前記無線データを送信する手段とを備え、前記無線データを繰り返し送信した場合には、前記タイマー手段の検出タイミングを変更して電池電圧の検出を行うことを特徴とした電池電圧低下検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−8185(P2010−8185A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166818(P2008−166818)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】