説明

電波目標模擬装置およびレーダ評価方法

【課題】 小型で広帯域な電波目標模擬装置を得る。
【解決手段】 目標を模擬する擬似信号を発生する擬似信号発生装置と、光信号を発生し上記光信号の波長を可変できる波長可変光源と、上記擬似信号により上記光信号を強度変調した光変調信号を発生する光変調手段と、上記光変調手段の出力に接続された入力ポートおよび複数の出力ポートを有し、上記光変調信号をその波長に対応する出力ポートに出力する光分波器と、上記光分波器の複数の上記出力ポートにそれぞれ接続され、上記光変調信号を上記擬似信号に対応する電気信号に変換する複数の光電変換器と、上記複数の光電変換器にそれぞれ接続され、上記電気信号を電波として空間に放射する複数の素子アンテナと、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被測定物であるレーダの評価を行うために擬似電波信号を発生する電波目標模擬装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電波目標模擬装置は、被測定物であるレーダに対して照射する電波信号を発生する装置である。この電波信号は、レーダの目標から出射あるいは反射した電波を模擬したものである。目標の移動を仮定して、目標の距離情報や速度情報に応じた電波信号を発生し、同時に素子アンテナの切り替えにより電波信号を放射する位置をずらしていくと、被測定レーダ側から見たときに、あたかも目標が移動していくように見える。上記のようにして目標が移動したときに、被測定物のレーダで信号を受信して信号処理することにより、レーダが目標を追尾する際の性能を評価する。従来の電波目標模擬装置としては、例えば特許文献1に示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−148887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
従来の電波目標模擬装置では、複数の素子アンテナに信号を給電するために、可変電力分配器、給電回路、スイッチなどの電子機器が必要となり、装置が大規模になってしまう。特に、模擬する目標の数を増やそうとした場合、目標数に比例してこれらの電子機器の数も増えてしまうため、さらに装置が大規模となってしまう。もしくは、大規模化を避けようとした場合には、模擬する目標の数に制約を設ける必要があった。
また、可変電力分配器、給電回路、スイッチなどの電子機器では、一般に使用帯域が最大でも1オクターブ程度に制限されるため、この範囲を超えた周波数の電波信号を用いることができなかった。目標を擬似する電波信号に、これを超える周波数を用いたい場合には、シミュレーション毎にその周波数に対応する電子機器に取り替える必要があった。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、広帯域な電波信号を用いることができる小型な電波目標模擬装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電波目標模擬装置は、
目標を模擬する擬似信号を発生する擬似信号発生装置と、
光信号を発生し上記光信号の波長を可変できる波長可変光源と、
上記擬似信号により上記光信号を強度変調した光変調信号を発生する光変調手段と、
上記光変調手段の出力に接続された入力ポートおよび複数の出力ポートを有し、上記光変調信号をその波長に対応する出力ポートに出力する光分波器と、
上記光分波器の複数の上記出力ポートにそれぞれ接続され、上記光変調信号を上記擬似信号に対応する電気信号に変換する複数の光電変換器と、
上記複数の光電変換器にそれぞれ接続され、上記電気信号を電波として空間に放射する複数の素子アンテナと、
を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、小型で広帯域な電波目標模擬装置を得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1による電波目標模擬装置を示す構成図
【図2】この発明の実施の形態2による電波目標模擬装置を示す構成図
【図3】この発明の実施の形態3による電波目標模擬装置を示す構成図
【図4】この発明の実施の形態3によるアレー導波路グレーティングの動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる電波目標模擬装置を示す構成図である。図中、1は擬似信号発生装置、2は波長可変光源、3は光変調手段である光変調器、4は光分波器、5は複数の光電変換器、6は複数の素子アンテナである。
【0010】
次に動作について説明する。
図1において、擬似信号発生装置1は、目標を模擬する擬似信号を発生する。この擬似信号の周波数はマイクロ波帯であり、通常、数100MHzから数10GHz程度である。一方、波長可変光源2は、指定した波長の光信号を発生する。この光信号の波長は1.5μm帯であり、外部からの制御により可変することができる。光変調器3は、擬似信号発生装置1で発生した擬似信号によって、波長可変光源2で発生した光信号を強度変調し、光変調信号を生成する。このように動作する光変調器3として、ここでは広帯域に動作する導波路型のニオブ酸リチウム(LN)変調器を用いている。
【0011】
このようにして、光変調器3から出力した光変調信号は光ファイバを用いて伝送され、光分波器4の入力ポートに入力する。光分波器4は1つの入力ポートと複数の出力ポートを有している。光分波器4は、入力ポートに入力する光信号の波長に応じて、光信号が出力する出力ポートを切り替える機能を有している。すなわち、入力ポートから入力する異なる波長の光信号λ、λ、…、λそれぞれを、光分波器4の第1の出力ポート、第2の出力ポート、…、第nの出力ポートにそれぞれ出力する。したがって、波長可変光源2で発生する光信号の波長を所定の値に切り替えると、光変調信号の出力する光分波器4の出力ポートを切り替えることができる。このような光分波器4の機能は、例えばアレー導波路グレーティング(AWG)を用い、複数の入力ポートのうちの1つのみを使用することなどによって実現できる。また、異なる透過波長を有する複数の光フィルタの入力ポートを並列に接続し入力ポートを共通化することなどによっても実現できる。
【0012】
光分波器4の複数の出力ポートのそれぞれには、光ファイバを介して光電変換器5が接続されている。光電変換器5は強度変調された光変調信号をその変調成分である電気信号に変換する機能を有しており、光の強度を電気信号の電流に変換する素子であるフォトダイオードなどが用いられている。光分波器4の1つの出力ポートから出力した光変調信号は、この出力ポートに接続された光電変換器5により電気信号に変換される。この電気信号は、光変調信号の強度変調成分であり、擬似信号発生装置1で発生した擬似信号が再現される。この電気信号は、それぞれの光電変換器5に接続された素子アンテナ6から、目標を模擬する電波信号として空間に放射され、被測定物であるレーダに照射する。
【0013】
したがって、図1に示す電波目標模擬装置では、波長可変光源2で発生する光信号の波長を変化させることにより、擬似信号発生装置1で発生した擬似信号を放射する素子アンテナ6の位置を変化させることができる。このとき、素子アンテナ6の位置を波長可変光源2で発生する光信号の波長によって制御するととともに、擬似信号発生装置1で発生する擬似信号を目標の移動を仮定した目標の距離情報や速度情報に応じた信号とするように制御することで、被測定物であるレーダ側から見たときに、あたかも目標が移動していくように見え、目標の移動を容易に模擬することができる。
【0014】
さらに、図1に示す電波目標模擬装置では、可変電力分配器、給電回路、スイッチなどの電子機器を用いる必要がないので、使用する擬似信号の周波数を制限する必要がなく、広帯域な模擬信号を取り扱うことができるとともに、これら大型な電子機器を使用せずに小型な光部品を使用すればよいので、装置を小型化することができる。
【0015】
以上のように、本実施の形態では、小型で広帯域な電波目標模擬装置を得られる効果がある。
【0016】
なお、実施の形態1では、波長可変光源2で発生する光信号として、光ファイバでの伝送損失が小さく、光通信で汎用される1.5μm帯の波長のものを使用しているが、本発明はこれに限らず0.8μm帯や1μm帯など他の波長帯を使用できることは明らかである。また、光変調手段として導波路型のニオブ酸リチウム(LN)変調器を用いているが、これに限らず電界吸収型(EA)変調器など他の光変調器3を用いることもでき、また光源のバイアスを変化させることなどにより変調を行う直接変調型の波長可変光源2などを用いて変調を行うこともできる。さらに、光信号や光変調信号を伝送する際に、光の電力を増幅するための光増幅器を必要に応じて挿入することもできる。加えて、光電変換器5により発生した電気信号の電力を増幅するための広帯域増幅器などを光電変換器5と素子アンテナ6の間に接続してもよいし、この増幅器を光電変換器5中に内蔵することもできる。
【0017】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2に係わる電波目標模擬装置を示す構成図であり、図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。図2において、7は光合波器である。
【0018】
図2において、この実施の形態2による電波目標模擬装置は、指定した周波数の電波目標を模擬する擬似信号を発生する複数の擬似信号発生装置1と、指定した波長の光信号を出力する複数の波長可変光源2と、擬似信号発生装置1と波長可変光源2からの各出力を受け、光信号をそれぞれの擬似信号で強度変調する光変調手段である複数の光変調器3と、光変調器3から出力される複数の光変調信号を1つの出力に多重する光合波器7と、光変調信号を、その波長によって複数の出力ポートのいずれかに切替える光分波器4と、光分波器4から出力される変調光信号を光電変換して電波目標模擬信号に変換する複数の光電変換器5と、複数の光電変換器5にそれぞれ接続された、複数の素子アンテナ6から構成されている。
【0019】
図2において、互いに接続された擬似信号発生装置1と波長可変光源2と光変調器3からなる一方の系が第1の電波目標に対応する光変調信号を発生し、互いに接続された擬似信号発生装置1と波長可変光源2と光変調器3からなる他方の系が第2の電波目標に対応する光変調信号を発生する。2つの波長可変光源2の波長を各々独立に制御することで、それぞれの電波目標の模擬信号発生位置を独立に制御する。また、2つの光変調器3は、第1の電波目標に対応する光変調信号と第2の電波目標に対応する光変調信号の各々を用いて、波長可変光源2の出力信号をそれぞれ強度変調する。各光変調信号は光合波器7により同一の光ファイバに多重される。多重された光変調信号はアンテナ近傍に設置された光分波器4において、それぞれの波長に対応した出力ポートに出力する。
【0020】
図2においても、光分波器4は、入力ポートに入力する光信号の波長に応じて、光信号が出力する出力ポートを切り替える機能を有している。すなわち、入力ポートから入力する異なる波長の光信号λ、λ、…、λそれぞれを、光分波器4の第1の出力ポート、第2の出力ポート、…、第nの出力ポートにそれぞれ出力する。したがって、波長可変光源2で発生する光信号の波長を所定の値に切り替えると、光変調信号の出力する光分波器4の出力ポートを切り替えることができる。図2では、2つの波長可変光源2のうち、上側の波長可変光源2がλの波長の光信号を、下側の波長可変光源2がλの波長の光信号を、それぞれ発生しているので、光信号λは光分波器4の第1の出力ポートに、光信号λは第2の出力ポートに、それぞれ出力される。
【0021】
これらの信号はそれぞれの出力ポートに接続された光電変換器5において光電変換された後、目標を模擬する電波信号として、対応するそれぞれの素子アンテナ6から電波として空間に放射される。したがって、光分波器4の第1の出力ポートに接続されている上から1番目に図示した素子アンテナ6からは、図中右側の擬似信号発生装置1で発生した擬似信号に対応する電波信号が放射され、光分波器4の第2の出力ポートに接続されている上から2番目に図示した素子アンテナ6からは、図中左側の擬似信号発生装置1で発生した擬似信号に対応する電波信号が放射される。これらの電波信号は発生源が異なるため、それぞれ独立に制御できる。
【0022】
このように本実施の形態では、擬似信号発生装置1、波長可変光源2、光変調器3をそれぞれ複数設けたことにより、複数の目標を同時に独立して模擬することができる。
【0023】
以上の構成により、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、波長可変光源2の波長を切替えることにより、放射される素子アンテナ6の位置を容易に制御することができ、小型で広帯域な電波目標模擬装置が得られる。加えて、複数の目標を同時に独立に模擬できる電波目標模擬装置が得られる効果がある。
【0024】
なお、上記の実施の形態2では、擬似信号発生装置1、波長可変光源2、光変調器3をそれぞれ2つずつ設けた場合を示したが、本発明はこれに限らず、擬似信号発生装置1、波長可変光源2、光変調器3を、それぞれ3つ以上ずつ設けても良い。この場合、より多くの目標を同時に独立に模擬できる電波目標模擬装置が得られる優れた効果がある。
【0025】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3に係わる電波目標模擬装置を示す構成図であり、図中、図1、図2と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。図3において、8はアレー導波路グレーティング(AWG)である。
【0026】
図3において、この実施の形態3による電波目標模擬装置は、実施の形態2と同様に、擬似信号発生装置1、波長可変光源2、光変調器3を各々2つずつ設けている。2つの擬似信号発生装置1はそれぞれ独立に目標を模擬する擬似信号を発生でき、2つの波長可変光源2はそれぞれ独立に波長を可変できる。このため図3に示す電波目標模擬装置は、2つの目標を同時に独立に模擬することができる。
【0027】
さらに図3では、光変調器3のそれぞれの出力を、光ファイバを介してアレー導波路グレーティング8の異なる入力ポートに接続している。
アレー導波路グレーティング8は光分波器の一種であり、複数の入力ポートと入力ポートと同数の複数の出力ポートを有している。
【0028】
図4は、アレー導波路グレーティング8の動作を説明するための図である。図4において、アレー導波路グレーティング8の左側にn個の入力ポートが設けられており、上から順に、第1の入力ポート、第2の入力ポート、…、第nの入力ポートとする。また、右側にはn個の出力ポートが設けられており、上から順に、第1の出力ポート、第2の出力ポート、…、第nの出力ポートとする。
【0029】
λ11、λ12などと示されているのは、アレー導波路グレーティング8の入力光信号または出力光信号を表している。λの添え字のうち、1番目の数字はその光信号が入力する入力ポートの番号を表している。2番目の数字はその光信号の波長を表しており、異なる数字は異なる波長を表している。
【0030】
第1の入力ポートから入力した光信号λ11、λ12、…、λ1nは、その波長により異なる出力ポートに出力される。すなわち、λ11は第1の出力ポートに、λ12は第2の出力ポートに、…、λ1nは第nの出力ポートに、それぞれ出力する。
第2の入力ポートから入力した光信号λ21、λ22、λ23、…、λ2nも、その波長により異なる出力ポートに出力する。ただしこのとき、同じ波長の光信号は、第1の入力ポートから入力した場合とは1つずつずれた位置の出力ポートに出力される。すなわち、λ21は第nの出力ポートに、λ22は第1の出力ポートに、λ23は第2の出力ポートに、…、λ2nは第(n−1)の出力ポートに、それぞれ出力する。
同様に、第3の入力ポートから入力した光信号λ31、λ32、λ33、…、λ3nも、その波長により異なる出力ポートに出力する。ただしこのときは、同じ波長の光信号が、第2の入力ポートから入力した場合とは、さらに1つずつずれた位置の出力ポートに出力される。すなわち、λ31は第(n−1)の出力ポートに、λ32は第nの出力ポートに、λ33は第1の出力ポートに、…、λ3nは第(n−2)の出力ポートに、それぞれ出力する。
【0031】
以下も同様になり、1つの入力ポートから入力した異なる波長の光信号はすべて異なる出力ポートに出力し、かつ、異なる入力ポートから入力した同一の波長の光信号もすべて異なる出力ポートに出力する。
【0032】
具体的には、n個の入力および出力ポートを有するアレー導波路グレーティング8において、第iの入力ポートから入力した第jの波長の光信号であるλijの光信号は、j−i+1≧1のとき第(j−i+1)の出力ポートに出力し、j−i+1≦0のとき、第(j−i+n+1)の出力ポートに出力する。
したがって、逆に、異なる波長の光信号であっても、入力ポートの位置を異ならせることにより、同一の出力ポートに出力させることもできる。
【0033】
図3において、アレー導波路グレーティング8の異なる出力ポートから出力した光変調信号は、再び光ファイバを伝送し、それぞれ異なる光電変換器5に入力する。光変調信号は、光電変換器5において電気信号に変換され、目標を模擬した擬似信号となる。この信号はそれぞれの光電変換器5に接続された素子アンテナ6によって目標電波信号として空間に放射され、被測定物であるレーダに照射される。
【0034】
光を電気に変換する際において同一の光電変換器5に、異なる擬似信号で変調された、同一波長もしくは波長の近い光信号が入力したとき、これらの光信号が干渉し合うため、それぞれの擬似信号がうまく再現できなかったり、不要な電気信号が発生してしまったりする場合がある。しかし、図3では、複数の入出力ポートを有するアレー導波路グレーティング8を用いているため、同一の光電変換器5に、異なる擬似信号で変調された異なる波長の光変調信号を入力することができる。このため、干渉が生じることがなく、異なる擬似信号を同時に良好に再生することができる。したがって、異なる目標電波信号を同じ素子アンテナ6から放射することができ、異なる電波信号を同一方向から被測定物に照射できる電波目標模擬装置を得ることができる。
【0035】
なお、アレー導波路グレーティング8では、入出力ポートの数であるnの値が128チャンネルのものや256チャンネルのものが既に実用化に近い状況にあり、さらに1000チャンネルを超えるものも開発が進んでいる。したがって、多くのチャンネルを用いた多くの素子アンテナ6を有する電波目標模擬装置を得ることができる。
【0036】
このように、実施の形態3によれば、実施の形態1、2と同様に、波長可変光源2の波長を切替えることにより、放射される素子アンテナの位置を制御することができ、複数の目標を同時に独立に模擬できる小型で広帯域な電波目標模擬装置が得られるとともに、複数の目標に対する電波信号を同時に同一方向からも発生させることができるという効果がある。
【0037】
なお、上記の実施の形態3では、擬似信号発生装置1、波長可変光源2、光変調器3をそれぞれ2つずつ設けた場合を示したが、本発明はこれに限らず、擬似信号発生装置1、波長可変光源2、光変調器3をそれぞれ3つ以上ずつ設け、光変調器3のそれぞれの出力を、アレー導波路グレーティング8の異なる入力ポートにそれぞれ接続する構成としても良い。この場合、より多くの目標を同時に独立に模擬でき、かつ、これらの異なる電波目標模擬信号を同時に同一方向からも放射できる電波目標模擬装置が得られる効果がある。
【符号の説明】
【0038】
1 擬似信号発生装置、2 波長可変光源、3 光変調器、4 光分波器、5 光電変換器、6 素子アンテナ、7 光合波器、8 アレー導波路グレーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標を模擬する擬似信号を発生する擬似信号発生装置と、
光信号を発生し上記光信号の波長を可変できる波長可変光源と、
上記擬似信号により上記光信号を強度変調した光変調信号を発生する光変調手段と、
上記光変調手段の出力に接続された入力ポートおよび複数の出力ポートを有し、上記光変調信号をその波長に対応する出力ポートに出力する光分波器と、
上記光分波器の複数の上記出力ポートにそれぞれ接続され、上記光変調信号を上記擬似信号に対応する電気信号に変換する複数の光電変換器と、
上記複数の光電変換器にそれぞれ接続され、上記電気信号を電波として空間に放射する複数の素子アンテナと、
を備えたことを特徴とする電波目標模擬装置。
【請求項2】
目標を模擬する擬似信号を発生する複数の擬似信号発生装置と、
光信号を発生し上記光信号の波長を可変できる複数の波長可変光源と、
上記擬似信号それぞれにより上記光信号それぞれを強度変調した光変調信号を発生する複数の光変調手段と、
上記複数の光変調手段により発生した複数の上記光変調信号を合波する光合波器と、
上記光合波器の出力に接続された入力ポートおよび複数の出力ポートを有し、上記光変調信号をその波長に対応する出力ポートに出力する光分波器と、
上記光分波器の複数の上記出力ポートにそれぞれ接続され、上記光変調信号を上記擬似信号に対応する電気信号に変換する複数の光電変換器と、
上記複数の光電変換器にそれぞれ接続され、上記電気信号を電波として空間に放射する複数の素子アンテナと、
を備えたことを特徴とする電波目標模擬装置。
【請求項3】
目標を模擬する擬似信号を発生する複数の擬似信号発生装置と、
光信号を発生し上記光信号の波長を可変できる複数の波長可変光源と、
上記擬似信号それぞれにより上記光信号それぞれを強度変調した光変調信号を発生する複数の光変調手段と、
上記複数の光変調手段の出力にそれぞれ接続された複数の入力ポートおよび複数の出力ポートを有し、上記光変調信号をその波長に対応する出力ポートであって、かつ上記光変調信号が入力する入力ポートにより変化する出力ポートに出力するアレー導波路グレーティングと、
上記アレー導波路グレーティングの複数の上記出力ポートにそれぞれ接続され、上記光変調信号を上記擬似信号に対応する電気信号に変換する複数の光電変換器と、
上記複数の光電変換器にそれぞれ接続され、上記電気信号を電波として空間に放射する複数の素子アンテナと、
を備えたことを特徴とする電波目標模擬装置。
【請求項4】
上記擬似信号発生装置は、上記擬似信号が模擬する上記目標の移動を示す距離情報および速度情報に応じた上記擬似信号を発生し、
上記波長可変光源は、上記擬似信号が模擬する上記目標の移動に応じて上記光信号の波長を変化させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電波目標模擬装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の電波目標模擬装置を用いて、レーダに上記電波を照射し、上記レーダの性能を評価することを特徴とするレーダ評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−94998(P2011−94998A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246617(P2009−246617)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】