説明

電源オフ誘導装置及びプログラム

【課題】車載バッテリの意図しない放電を抑制することを目的とする。
【解決手段】電源オフ誘導装置1は、シフトポジション情報取得部2、イグニッション電源オンオフ情報取得部3、制御部6及び表示手段7を備えて構成される。シフトポジション情報取得部2はシフトポジションの情報を取得する。イグニッション電源オンオフ情報取得部3はイグニッション電源のオンオフ情報を取得する。制御部6は、シフトポジション情報取得部2からシフトポジションがパーキングレンジ以外のシフトポジションである旨の情報を受けている状態において、イグニッション電源オンオフ情報取得部3からイグニッション電源がオンからオフへ変化した旨の情報を受けると、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報を表示手段7に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して電源オフを誘導する電源オフ誘導装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のエンジンを停止するために、車内に設けられたプッシュスタートボタンを操作してエンジンを停止させるシステムが知られている。
車両停止状態でエンジン動作中に、例えば、シフトポジションをPレンジ(パーキングレンジ)の状態にしてプッシュスタートボタンを押下するとイグニッション電源(IG電源)及びアクセサリー電源(ACC電源)がオフの状態となる。
【0003】
また、車両停止状態でエンジン動作中に、シフトポジションがパーキングレンジ以外のポジション(例えば、D(ドライブ)レンジ、N(ニュートラル)レンジ)でプッシュスタートボタンを押下するとイグニッション電源はオフしてエンジンが停止するが、アクセサリー電源はオンの状態を維持する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
尚、イグニッション電源とは主としてエンジンの駆動に関する電装品(例えば、車速計駆動装置等)に電源供給する電源であり、アクセサリー電源とは主としてエンジンの駆動に関する電装品以外の電装品(例えば、オーディオ装置等)に電源供給する電源である。また、アクセサリー電源とイグニッション電源に分けた理由は、アクセサリー電源からの電源供給によって動作する電装品はエンジンの動作とは無関係に動作するものであるのに対し、イグニッション電源からの電源供給によって動作する電装品はエンジンの動作と関連して動作するものであり、アクセサリー電源からの電源供給によって動作する電装品はエンジンが動作していない状態のときでも使用されることがあるからである。
【0005】
ここで、Pレンジ以外のシフトポジションでプッシュスタートボタンを押下するとエンジン自体は停止するため、アクセサリー電源が依然としてオン状態であることに気付かずユーザは何も操作することなく降車することがある。この場合、アクセサリー電源からの電源供給によって動作する電装品もオン状態が維持されるので車載バッテリは放電し続け、この状態が長時間続くと車載バッテリは完全に放電してしまう。
【0006】
従来、こうした問題点を解消すべくPレンジ以外のシフトポジションでプッシュスタートボタンを押下してエンジン停止させた後に何も操作することなくドアを開くと警告音でユーザに異常を報知するという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−79477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記提案された技術では、ドアを開いたときに鳴る警告音に気付いたとしてもユーザが警告音に対する対処法を知らない場合には、ユーザは混乱し、結局何の操作もせずにそのまま車両から離れてしまうおそれがある。この場合、アクセサリー電源からの電源供給によって動作する電装品が依然としてオン状態が維持されるので車載バッテリは放電し続け、ユーザが車両から離れている時間によってはバッテリが完全に放電してしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、車載バッテリの意図しない放電を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するためになされた本発明に係る電源オフ誘導装置は、イグニッション電源のオンオフ情報を取得するイグニッション電源オンオフ情報取得手段と、シフトポジションの情報を取得するシフトポジション情報取得手段と、前記シフトポジション情報取得手段からシフトポジションがパーキングレンジ以外のシフトポジションである旨の情報を受けた後、又は、受けている状態において、前記イグニッション電源オンオフ情報取得手段から前記イグニッション電源がオンからオフへ変化した旨の情報を受けると、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報をユーザに情報を報知するための報知手段に報知させる制御手段とを有して構成されている。
【0011】
上記した構成によれば、降車前の状態でエンジン動作中にユーザがPレンジ以外のシフトポジションでプッシュスタートボタンを押下した場合に、降車前の段階でユーザにシフトポジションをパーキングレンジにする必要があることを気付かせることができるので、その後の電源オフの操作をユーザに予測させることができる。
【0012】
さらに、前記制御手段は、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報が報知された後に、又は、前記情報とともにアクセサリー電源をオフするための操作を促す旨の情報を前記報知手段に報知させるようにしてもよい(請求項2)。
【0013】
したがって、ユーザに対してシフトポジションをパーキングレンジにするように促した後に、又は促すと同時にアクセサリー電源をオフにするように促すので、その後の電源オフの操作を確実にユーザに予測させることができる。
【0014】
さらに、前記制御手段は、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報が報知された後にシフトポジションがパーキングレンジであることを示す情報が検出された場合に、アクセサリー電源をオフにする旨の情報を前記報知手段に報知させるとともにアクセサリー電源をオフさせるようにしてもよい(請求項3)。
【0015】
したがって、ユーザに対してシフトポジションをパーキングレンジにするように促した後に、ユーザの操作等によりシフトポジションがパーキングレンジになり、そのシフトポジション情報が検出された場合に、アクセサリー電源をオフにする旨の情報をユーザに案内するとともにアクセサリー電源をオフさせるので、車載バッテリの意図しない放電を抑制することができる。
【0016】
さらに、前記制御手段は、前記報知手段から前記情報が報知された場合に、前記操作部を介して送出されるユーザからのシフトポジションをパーキングレンジにするように指示する指示情報を受けると、シフトポジションをパーキングレンジにするように制御するとともにアクセサリー電源をオフにするように促す旨の情報を前記報知手段に報知させ、前記操作部を介して送出されるユーザからの前記アクセサリー電源をオフにするように指示する指示情報を受けると、前記アクセサリー電源をオフさせる(請求項4)。
【0017】
したがって、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す情報を受けて送出される操作部(ユーザ)からの指示情報に基づいてシフトポジションがパーキングレンジに変更され、アクセサリー電源をオフにするように促す情報を受けて送出される操作部(ユーザ)からの指示情報に基づいてアクセサリー電源がオフされるので、ユーザに確実にアクセサリー電源をオフするまでのステップ(パーキングレンジ変更指示、アクセサリー電源オフ指示)を踏ませることができ、車載バッテリの意図しない放電を確実に抑制することができる。
【0018】
また、上述した電源オフ誘導装置の制御手段としての機能をプログラムによって実現してもよい(請求項5)。このようなプログラムを、電源オフ誘導装置が内蔵するコンピュータに実行させれば、その電源オフ誘導装置は上述した本発明の電源オフ誘導装置と同様の作用及び効果を奏する。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能である上、電源オフ誘導装置におけるプログラムの入れ替えは、部品の入れ替えに比較して容易である。したがって、電源オフ誘導装置の機能向上を容易に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る電源オフ誘導装置の構成を表す図である。
【図2】本発明に係る電源オフ誘導装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明に係る電源オフ誘導装置の表示部に表示される例を示した図である。
【図4】本発明に係る電源オフ誘導装置の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態について図1を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る電源オフ誘導装置1の構成を表す図である。
電源オフ誘導装置1は、具体的には、図1に示すように、シフトポジション情報取得部2、イグニッション電源オンオフ情報取得部3、アクセサリー電源オンオフ情報取得部4、指示情報取得部5、制御部6を備えて構成されている。
【0021】
シフトポジション情報取得部2は制御部6及びシフト操作部9に接続されシフト操作部9からのシフトポジション情報を取得する。このシフトポジション情報はパーキングレンジ(Pレンジ)情報とPレンジ以外のレンジ情報であり、Pレンジ以外のレンジとしては、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)、セカンド(2)、ロー(L)の各レンジが挙げられる。
【0022】
シフト操作部9は、パーキングレンジ(Pレンジ)スイッチ(図示せず)と、Pレンジ以外のレンジのスイッチ(図示せず)とを備えている。これらスイッチはユーザによって選択されたシフトポジションの状態を検出し、検出されたシフトポジションの状態を示すシフトポジション情報を送出する機能を有する。
【0023】
尚、本実施の形態の電源オフ制御に関しては、後述するようにレンジ位置がPレンジであるのか又はPレンジ以外のレンジであるのかが重要なので、両者(Pレンジとそれ以外のレンジ)の区別のみすることとする。
【0024】
イグニッション電源オンオフ情報取得部3及びアクセサリー電源オンオフ情報取得部4はそれぞれ電源コントローラ14を介してイグニッション(IG)電源リレー(イグニッション電源)11及びアクセサリー(ACC)電源リレー(アクセサリー電源)12に接続されている。イグニッション電源リレー11及びアクセサリー電源リレー12は車両バッテリに接続されている。電源コントローラ14にはエンジンの駆動開始指示と駆動停止指示を含むユーザからの指示情報を送出するプッシュスタートスイッチ10が接続されている。
【0025】
イグニッション電源リレー11はエンジンの駆動に関わる車載電装品に電源を供給するためのリレーである。また、アクセサリー電源リレー12は、エンジンの駆動以外に関わる車載電装品に電源を供給するためのリレーである。
【0026】
電源コントローラ14からの制御信号によりイグニッション電源リレー11がオン駆動する(イグニッション電源がオン状態になる)と車両バッテリからイグニッション電源リレー11を介して電源供給がなされ、イグニッション電源リレー11に接続される電装品が動作可能となる。
【0027】
電源コントローラ14からの制御信号によりアクセサリー電源リレー12がオンする(アクセサリー電源がオン状態になる)と車両バッテリからアクセサリー電源リレー12を介して電源供給がなされ、アクセサリー電源リレー12に接続される電装品が動作可能となる。
【0028】
イグニッション電源リレー11は、イグニッション電源リレー11がオンしているときにはイグニッション電源がオン状態であることを示すイグニッション電源オンオフ情報(オン信号(ハイレベル信号))を送出し、イグニッション電源リレー11がオフしているときにはイグニッション電源11がオフ状態であることを示すイグニッション電源オンオフ情報(オフ信号(ローレベル信号))を送出する。
【0029】
アクセサリー電源リレー12は、アクセサリー電源リレー12がオンしているときにはアクセサリー電源がオン状態であることを示すアクセサリー電源オンオフ情報(オン信号(ハイレベル信号))を送出し、アクセサリー電源リレー12がオフしているときにはアクセサリー電源がオフ状態であることを示すアクセサリー電源オンオフ情報(オフ信号(ローレベル信号))を送出する。
【0030】
イグニッション電源オンオフ情報取得部3はプッシュスタートスイッチ10を介してイグニッション電源リレー11からイグニッション電源オンオフ情報を取得する。
アクセサリー電源オンオフ情報取得部4はプッシュスタートスイッチ10を介してアクセサリー電源リレー12からアクセサリー電源オンオフ情報を取得する。
【0031】
指示情報取得部5は操作スイッチ13に接続され操作スイッチ13からの指示情報を取得する。指示情報とは、表示部7等で報知される情報に対してユーザが指示する情報である。具体的な内容については後述する。
【0032】
ここで、操作スイッチ13は、メーターパネルの周囲に設けられたメカニカルなキースイッチであり、例えば、ステアリングスイッチやチルトコマンダスイッチが挙げられる。
制御部6は、シフトポジション情報取得部2、イグニッション電源オンオフ情報取得部3、アクセサリー電源オンオフ情報取得部4、指示情報取得部5、表示部7、音声出力部8に接続されている。
【0033】
制御部6は、図示しない周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶された制御プログラムに基づいて後述する処理を実行する。
【0034】
表示部7は、図示しないメーターパネルの一部に設けられ、制御部6から出力された表示制御信号に基づいて後述する所定の文字情報を表示する表示装置であり、具体的には液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどがあるが、その何れを用いてもよい。尚、表示部7は運転者に見やすい場所であればメーターパネル以外の場所(例えばダッシュボード等)に設けても良い。
【0035】
音声出力部8は、制御部6から出力された音声出力制御信号に基づいて後述する所定の音声情報(例えば、音声ガイダンスデータ)を出力する音声出力装置であり、具体的にはスピーカなどが挙げられる。
【0036】
尚、上記した所定の文字情報及び所定の音声情報は制御部6内のROM又はRAMに予め記憶されている。
以下に、本発明の実施形態に係る電源オフ誘導装置1の制御部6が実行する電源オフ誘導処理について図2及び図3を参照して説明する。尚、表示部7の表示制御処理、及び、音声出力部8の音声出力制御処理については、周知の処理であるため説明を省略する。
【0037】
本処理が開始すると、まず、シフトポジション情報取得部2から送出されたシフトポジション情報がPレンジ以外のシフトポジションであるか否かを判定する(S101)。
シフトポジション情報がPレンジ以外のシフトポジションであると判定された場合(S101でYes)には、イグニッション電源がオンからオフに変化したか否かを判定する(S102)。シフトポジション情報がPレンジであると判定された場合(S101でNo)にはS101の処理に戻る。
【0038】
イグニッション電源11のオンからオフへの変化の検出はイグニッション電源オンオフ情報取得部3がイグニッション電源オンオフ情報を監視しハイレベル信号からローレベル信号への変化を検出することにより行われる。
【0039】
イグニッション電源11がオンからオフに変化したと判定された場合(S102でYes)にはアクセサリー電源12がオフでない旨の情報を文字情報として表示部7に表示させる(S103)。尚、アクセサリー電源12がオフでない旨の情報は音声情報(音声ガイダンス)として音声出力部8から出力させてもよい。イグニッション電源11がオンからオフに変化していないと判定された場合(S102でNo)には電源オフ誘導処理が終了する。
【0040】
その後、シフトポジションをPレンジにするようにユーザに促す旨の情報を文字情報として表示部7に表示させる(S104)。尚、Pレンジにするようにユーザに促す旨の情報は音声情報(音声ガイダンス)として音声出力部8から出力させてもよい。
【0041】
ここで、アクセサリー電源12がオフでない旨の情報及びシフトポジションをPレンジにするようにユーザに促す旨の情報は、例えば、図3(a)に示すように同時に表示するようにしてもよいし、アクセサリー電源12がオフでない旨の情報を表示させた後でシフトポジションをPレンジにするようにユーザに促す旨の情報を表示させてもよい。
【0042】
また、図3(b)に示すように「シフトポジションをPレンジにしますか?」という提案をユーザに対して行い、「はい(Yes)」と応答があった場合にはシフトポジションをPレンジにするようにシフト操作部9を制御してもよい。
【0043】
尚、シフト操作部9の制御は、具体的には制御部6からシフトポジションをPレンジにする命令(シフト駆動制御信号)が変速機系の制御を行うミッションECU(図示せず)に送出され、該ミッションECUがシフト駆動制御信号に基づいてシフト操作部9を制御し、シフトポジションをPレンジに設定している。
【0044】
したがって、上記したS101〜104までの処理においては、エンジン停止後にユーザがPレンジ以外のシフトポジションでプッシュスタートボタン10を押下した場合に、降車前の段階でユーザにアクセサリー電源12がオン状態であること及びシフトポジションをパーキングレンジにする必要があることを気付かせることができるので、その後の電源オフの操作をユーザに予測させることができる。
【0045】
尚、S101の判定では、シフトポジションがPレンジ以外のレンジである旨の情報を現在受けている場合にS102の処理に移行するが、シフトポジションがPレンジ以外のシフトポジションである旨の情報が常時出力されない環境、例えば該情報が車内LANを介して送出される場合等を考慮して、シフトポジションがPレンジ以外のレンジである旨の情報を受けた後、シフトポジションがPレンジである旨の情報を受ける前の状態であってもS102の処理に移行するようにしてもよい。
【0046】
その後、シフトポジション情報取得部2から送出されたシフトポジション情報がPレンジのシフトポジションであるか否か判定する(S105)。シフトポジション情報がPレンジのシフトポジションであると判定された場合(S105でYes)には、アクセサリー電源をオフするように促す旨の情報を文字情報として表示部7に表示させる(S106)。尚、アクセサリー電源をオフするように促す旨の情報は音声情報(音声ガイダンス)として音声出力部8から出力させてもよい。
【0047】
ここで、アクセサリー電源をオフするように促す旨の情報は、例えば、図3(c)に示すように表示される。
アクセサリー電源12をオフするように促す旨の情報を文字情報として表示部7に表示させた(S106)後、所定時間経過後にアクセサリー電源12を強制的にオフし(S107)、本処理は終了する。尚、アクセサリー電源12をオフするように促す旨の情報を表示部7に表示させた後、アクセサリー電源12の強制オフの動作を行わせずにユーザ自身にアクセサリー電源12をオフさせてもよい。
【0048】
シフトポジション情報がPレンジ以外のシフトポジションであると判定された場合(S105でNo)にはステップ104の処理に戻る。
したがって、アクセサリー電源12をオフにするようにユーザに促すとともにアクセサリー電源12を強制的にオフするので、確実に車載バッテリの意図しない放電を抑制することができる。
【0049】
(変形例1)
制御部6は、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報が報知された(S104)後に、S105の処理をすることなくアクセサリー電源12をオフにするように促す旨の情報を表示部7に表示させたり音声出力部8に出力させたり(S106)してもよい。また、S107の処理をすることなく、ユーザに当該処理を任せても良い。
【0050】
S102でイグニッション電源11がオンからオフに変化したと判定されているのでユーザにアクセサリー電源12をオフにする意志があると推定され、S105の処理(シフトポジションをPレンジにするようにユーザに提案する処理)やS107の処理をしないでもアクセサリー電源12をオフにするように促した後にユーザ自らS104やS106の情報を基にシフトポジションをPレンジに変更し、アクセサリー電源12をオフにする操作を行うことが予想されるからである。
【0051】
(変形例2)
変形例2に係る電源オフ誘導処理におけるS201〜204は、図4に示すように上記した実施の形態におけるS101〜104までの処理と同じである。したがって、S201〜204の処理の説明は省略し、S205〜209までの処理について説明する。
【0052】
本変形例2はユーザに対してシフトポジションをPレンジにするように提案し、アクセサリー電源をオフするように提案し、ユーザに「はい(Yes)」と「いいえ(No)」のいずれかを選択させている。これに対し、上記実施の形態ではそのような選択をさせておらずこの点で両者は異なる。
【0053】
S204では、シフトポジションをPレンジにするように促す旨の情報(図3(b)参照)を表示部7に表示させて、ユーザに対して「シフトポジションをPレンジにしますか」という提案を行う。ユーザが「はい」を選択した場合には、Pレンジを指示する情報が確認され(S205でYes)、その後シフトポジションをPレンジに変更する(S206)。ユーザが「いいえ」を選択した場合には、ユーザの意思(シフトポジションをPレンジにしたくない)を尊重して本制御を終了する。
【0054】
シフトポジションをPレンジに変更した(S206)後、アクセサリー電源をオフするように促す旨の情報を文字情報として表示部7に表示させる(S207)。尚、アクセサリー電源12をオフするように促す旨の情報は音声情報(音声ガイダンス)として音声出力部8から出力させてもよい。
【0055】
ここで、アクセサリー電源12をオフするように促す旨の情報は、例えば、図3(d)に示すように表示される。本変形例ではユーザにアクセサリー電源12をオフする処理を提案する。
【0056】
アクセサリー電源12をオフするように促す旨の情報を文字情報として表示部7に表示させて(S207)、ユーザに対して「シフトポジションがPになりました。アクセサリー電源をオフしますか」という提案を行う。ユーザが「はい」を選択した場合には、アクセサリー電源オフを指示する情報が確認され(S208でYes)、アクセサリー電源12をオフして(S209)処理が終了する。ユーザが「いいえ」を選択した場合には、ユーザの意思(アクセサリー電源をオフしたくない)を尊重して本制御を終了する。
【0057】
したがって、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す情報に対する操作部(ユーザ)からの指示情報に基づいてシフトポジションが自動的にパーキングレンジに変更され、アクセサリー電源をオフにするように促す情報に対する操作部(ユーザ)からの指示情報に基づいてアクセサリー電源がオフ状態にされるので、ユーザに確実にアクセサリー電源をオフするまでのステップを踏ませることができ、確実に車載バッテリの意図しない放電を抑制することができる。
【0058】
ここで、本実施形態においては、シフトポジション情報取得部2が本発明請求項1のシフトポジション情報取得手段に相当し、イグニッション電源オンオフ情報取得部3が本発明請求項1のイグニッション電源オンオフ情報取得手段に相当し、制御部6が本発明請求項1の制御手段に相当し、表示部7、音声出力部8が本発明請求項1の報知手段に相当し、操作スイッチ13が本発明請求項4の操作部に相当する。
【0059】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…電源オフ誘導装置、2…シフトポジション情報取得部、3…イグニッション電源オンオフ情報取得部、4…アクセサリー電源オンオフ情報取得部、5…指示情報取得部、6…制御部、7…表示部、8…音声出力部、9…シフト操作部、10…プッシュスタートスイッチ、11…イグニッション電源リレー、12…アクセサリー電源リレー、13…操作スイッチ、14…電源コントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イグニッション電源のオンオフ情報を取得するイグニッション電源オンオフ情報取得手段と、
シフトポジションの情報を取得するシフトポジション情報取得手段と、
前記シフトポジション情報取得手段からシフトポジションがパーキングレンジ以外のシフトポジションである旨の情報を受けた後、又は、受けている状態において、前記イグニッション電源オンオフ情報取得手段から前記イグニッション電源がオンからオフへ変化した旨の情報を受けると、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報を、ユーザへ情報を報知する報知手段に報知させる制御手段とを有する
ことを特徴とする電源オフ誘導装置。
【請求項2】
前記制御手段は、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報が報知された後に、又は、前記情報とともに、アクセサリー電源をオフするための操作を促す旨の情報を前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源オフ誘導装置。
【請求項3】
前記制御手段は、シフトポジションをパーキングレンジにするように促す旨の情報が報知された後にシフトポジションがパーキングレンジであることを示す情報が検出された場合に、アクセサリー電源をオフにする旨の情報を前記報知手段に報知させるとともにアクセサリー電源をオフさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源オフ誘導装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記報知手段から前記情報が報知された場合に、操作部を介して送出されるユーザからのシフトポジションをパーキングレンジにするように指示する指示情報を受けると、シフトポジションをパーキングレンジにするように制御するとともにアクセサリー電源をオフにするように促す旨の情報を前記報知手段に報知させ、前記操作部を介して送出されるユーザからの前記アクセサリー電源をオフにするように指示する指示情報を受けると、前記アクセサリー電源をオフさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源オフ誘導装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電源オフ誘導装置における前記制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図3】
image rotate