説明

電源供給システム

【課題】外部トランスの2次出力に接続された電源ユニットからなる対象物のサージ保護システムを提供する。
【解決手段】外部トランスの2次巻線(1)はスター結線に結合し、トランスのスター点は、中性導体(7)およびアース導体(5)に接続されている。電源ユニットにおいて、少なくとも1つの相導体(6)が第1タイプのサージ保護デバイス(4)に接続され、中性導体(7)が、第2タイプのサージ保護デバイス(9)を介してアース導体(5)に接続されている。第1タイプのサージ保護デバイス(4)は、電圧依存抵抗器すなわちバリスタからなり、第2タイプのサージ保護デバイス(9)は、落雷電流阻止器すなわちスパーク・ギャップ素子からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源を有する装置が据え付けられている物体の落雷・サージ保護システムに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、外部トランスの2次出力に接続され、その2次巻線がスター(星型)結線され、スター点が下流の中性導体およびトランス近くに供給されたアース電極に接続されている電源(supply)ユニットからなる物体のサージ保護システムに関するものである。
【0002】
特に、本発明は、特定エリアや地上、建物に据え付けられた物体に対する落雷・サージ保護システムとして使われ得る。そのような物体の例は、GSM基地局のようなアンテナを備え付けた装置からなる。電源に対するサージ保護デバイスは一般に公知である。
【0003】
本出願による保護デバイスは、落雷や電磁波パルス(EMP)によって生じるサージのような高エネルギーを有するサージに対する保護のために使われる。さらに詳しくは、本出願は、無線交通用送受信局のような対象に据え付けられた電気設備に対する電源内で落雷によって生じたサージに対する保護に関するものである。
【背景技術】
【0004】
そのような保護デバイスに対し、ある数の特定部材や手段に加えて、1以上(好ましくは少なくとも2つ)のアース電極が、サージに固有の電荷をそらし、最大限可能な広いエリア(面積)に拡散させるために用いられる。これらのアース電極は、ゼロ電位に限りなく近い小さな抵抗でなければならないのは言うまでもない。さらに、落雷による電荷を拡散すべき地上エリアは少なくとも最低の大きさをもつことが重要である。
【0005】
たとえば、経済的理由から最小限のエリアが得られないような移動遠隔通信用基地局に対する電源の場合、アンテナ支柱の基部の大きさに必要なだけの面積を選ぶことが好ましい。建物の頂に対象がある場合、アース電極をもつ限られた数の導体が使われる。
【0006】
落雷やEMPの電荷が、電源の入っている筐体やそれが付属している金属フレームを襲うと、電源の導体に対し電荷の寄生的閃絡(フラッシュオーバー)の危険性がある。この電荷は比較的消えにくいので、電源電圧が閃絡まで上昇して、スイッチのような電源の素子を壊したり、電源を停止させたりする。また、電源と共に供給されている他の設備も壊される。
【0007】
この電圧の大きさが相当のものであることは、直接の落雷が150KAもの大きなピーク電流を生じることから理解され、このピーク電流は2.5Ω(この値はアース電極に対する標準値で、実際にはもっと高かったり低かったりする)のインピーダンスをもつアース電極を通して散らされなければならない。
【0008】
瞬間的には、これは100KVを超える高電圧に達する。このような大きなピーク電圧に対し、低電圧用の電源は備えられない。
【0009】
このような寄生的閃絡は、フレームと各相の間に、およびフレームと各中性導体の間にバリスターやスパーク隙のようなサージ保護デバイスを接続する最新技術によって防がれる。フレームは、1以上のアース電極のようなアース接続に直接つながれる。こうして、落雷が生じた導体の一部が閃絡することは防がれる。
【0010】
しかしながら、この従来技術においては、フレーム上に直接落雷したとき、電源内が損傷することを防ぐことができない。ここで、この損傷によって非常に高い電流が流れて電源の1以上の素子が焼ける。さらに、この高電流によって接続導体が電磁界を通して接続点から引っ張られるとき、電源内に機械的損傷も生じて、電流の中断が生じる。
【0011】
このような損傷部の修理に多大な時間を要することは言うまでもない。その結果、電源によって電力を与えられる設備が長時間にわたって作動しなくなるため、稼働の大きな障害となる。
【0012】
特許文献1は、高電圧トランスにおけるサージ阻止器の構成を開示している。サージ阻止器が各相導体と中性導体の間、および中性導体とアース電極の間に接続されている。どのサージ阻止器もみな同じタイプである。さらに、コンデンサが中性導体と第2アース電極の間に接続されている。これにより高いピーク電圧に対してトランスが保護され、コンデンサがサージ阻止器の動特性を制御する。サージ阻止器は通常、高電圧印加に用いられるスパーク・ギャップ素子であるように選ばれる。上記の特許文献1に開示された装置は、特に、高電圧トランスの保護を意図している。
【0013】
相導体と中性導体の間に接続されたスパーク・ギャップ素子を使うことの難点は、説明しにくい不明確で通常過大な静止電圧になることである。さらに、落雷パルスの立ち上がり時間に従って、その不明確な静止電圧をスパーク・ギャップが維持し、その電圧は2.5K〜4KVに達し、これは低電圧設備にとって高すぎる電圧である。また、スパーク・ギャップ素子によって短絡が生じ、過大な電流を流すので、電気設備のフューズを切らせる。その結果、トランスによって電力を供給されている設備の作動を停止させる。
【特許文献1】EP−A−0 128 344
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記従来技術の難点を持たない低電圧用途に対するサージ保護システムを提供せんとすることにある。また本発明は、上記電源が落雷の電荷をアースに逃がすために限られたパスしかもたず、ピーク電圧が相対的に高くて比較的ゆっくりとしか減少しないという問題への解決を与えんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、サージ保護用システムが提供され、該システムで電源ユニット内に第1タイプのサージ保護デバイスによって少なくとも1つの相導体が中性導体に接続され、第2タイプのサージ保護デバイスによって中性導体が電源ユニット近くのアース電極に接続される。
【0016】
第1タイプのサージ保護デバイスは、明確な安全レベル(接続線にかかる最大電圧)を供給することを主に意図し、第2タイプは高電流を阻止する、あるいは逃がすことを主に意図している。
【0017】
相導体と中性導体の間、および中性導体とアース電極の間に異なるタイプのサージ阻止器を使うことにより、このシステムは対象への落雷等によって生じたサージを非常に効率的に保護することができる。本発明は落雷電流の先端部がアース電極を通って流れ、同電流の他の部分が接続導体を流れることに基づいて、本発明の解決は一つの洞察を有している。この現象はアース電極が接続されている限られた地面によって生じると考えられる。電源ユニットとトランスの間にある中性導体は、自己誘導に接続されていないが、相導体は自己誘導に接続されている。自己誘導はトランス・コイル(巻線)、あるいはキロワット時メータのコイルである。これにより、中性導体を通る電流が相導体を通る電流よりも大きくなる。
【0018】
第1タイプのサージ保護デバイスは、電圧依存抵抗器、すなわちバリスタである。その抵抗値は、電圧が初期設定値を越えると急激に低下する。第2タイプは、スパーク・ギャップ素子である。電圧が所定値を超えて増加すると放電を生じさせ、高電圧が予期されるときに使われる。第1タイプのサージ保護デバイスは、より小さな電流を相導体に流すとともに、相導体にかかる過大電圧を明確な値に限定する。さらに、第2タイプは大きな落雷電流を、フューズを備えていない中性導体に流す。
【0019】
本発明の1の態様において、第1・第2タイプのサージ保護デバイスは、外部トランスから電力を受ける電源ユニットのスイッチの前方にある。この配列により、落雷やEMPによって生じた電流をシステムのスイッチに流させなくし、より良い保護が得られる。以前、従来技術では、スイッチは完全に焼損した。
【0020】
他の態様では、少なくとも1つの導体に減結合(デカップリング)インピーダンスが与えられ、第2タイプのサージ保護デバイスによって電源入力と減結合インピーダンスの間に少なくとも1つの相導体が中性導体に接続され、減結合インピーダンスの後方の一部の相導体が第2タイプのサージ保護デバイスによって中性導体に接続される。
【0021】
減結合インピーダンスがさまざまなサージ保護デバイスの適切な制御を保証する。まず、バリスタが使われて制御可能な安全レベルを保証する。該インピーダンスを通る電流によって電圧が生じ、これが第2タイプのサージ保護デバイスとして使われ、より大きな落雷電流を逸らす。その結果、この態様により相導体を流れる高電流を阻止させる。
【0022】
さらに他の態様では、アース漏れ回路ブレーカによってスイッチが切られる。このブレーカも、本システムによって保護される。このブレーカは一般に高インピーダンス・アース回路に適用される。通常の配列(サージ阻止器が相とアースの間にある)において、1つのサージ阻止器の欠陥により高インピーダンス・アースの電圧が過大になり、接続装置に対しても過大電圧となる。こうして、通常の保護システムはそのような状況にならないためブレーカの後方にのみ使われるので、ブレーカは落雷があると損傷する。しかし、本発明では、スパーク・ギャップを使うことによりブレーカの前方に使われるので、中性導体とアースの間にガルバニ接続が存在しない。その結果、1つのサージ阻止器が故障したとき、アース(およびすべての接続装置)は過大電圧を生じない。
【0023】
他の態様では、ブレーカは自己リセット作用をもつ。所定時間後、自動的にリセットするので、電源を自動的に再接続する。まだアース不良があると、ブレーカが再びスイッチを切る。
【0024】
さらに他の態様では、第2タイプのサージ保護デバイスが非ブローオフ・タイプである。好ましくは、第1タイプはバリスタからなり、第2タイプはスパーク・ギャップ素子からなる。これにより、ブローオフする素子につきものの加熱ガスも高圧も発生しない。
【0025】
さらに他の態様では、電源ユニットの素子は閉キャビネット(筐体)内にある。これにより、電源接続と保護回路からなる小さくて信頼性のあるキャビネットが作られ、これは組み立てるのに一層容易でコスト・パフォーマンスがよい。非ブローオフ・タイプのサージ保護デバイスを使うことにより、キャビネットは高い内圧や加熱ガスにさらされない。これもまた、中性導体とサージ保護デバイスの間の接続が短い接続という付加的な利点を与え、強い電磁界によって生じる接続上の機械的な力を小さくする。
【0026】
さらに他の面では、本発明は、外部トランスの2次出力に接続された電源ユニットからなる対象のサージ保護システムに関し、ここで外部トランスの2次巻線がスター結線され、トランスのスター点が下流の中性導体およびトランス近くのアース電極に接続されている。電源内で少なくとも1つの相導体が第1タイプのサージ保護デバイスによって中性導体に接続され、中性導体が第2タイプの同デバイスによってアース電極に接続され、ここで第2タイプの同デバイスは少なくとも40KA、好ましくは50KA、さらに好ましくは100KAの定格を有する。これにより、小さな足場しか持たない対象への落雷後、実際に遭遇してきた電流に対する保護を本システムは与えられる。
第1タイプのデバイスは少なくとも4KA、好ましくは8KAの定格をもつ。これは、落雷後、これらの素子を通る電流に十分である。
【0027】
さらに他の態様では、中性導体および中性導体間の相互接続は少なくとも8mm、好ましくは16mmの断面積をもつ。アース電極に接続された導体およびすべての相互接続は、少なくとも8mm、好ましくは16mmの断面積をもつ。これは、中性導体やアース導体が接続されるクランプの相互接続を含んで、電流が流れるすべての接続を含まなければならない。最大電流が中性導体を通ってアース電極に流れ、それが流れる完全なパスは予め定められた最小断面積をもつべきである。好ましくは、アース電極に接続された導体の少なくとも一部が、金属板から形成される。これにより、低い電気機械的力を導く中性導体およびアース導体にわたって、効率的に電流が流れる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、上記したように構成したので、キャビネット内の装置を完全に保護することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1において、Iは電源の空間に位置する側を示す。トランスの3つの巻線1は、スター点がアースされているスター結線内にあるトランスの2次巻線である。スター点とゼロ電位点の間にあるインピーダンスRは、非常に低い値で、たとえば0.5Ωで、自己インダクタンスはたとえば5μHである。トランスの2次巻線は通常、抵抗値が約0.01Ωで自己インダクタンスは50μHである。この配置においても、フューズ2が設けられている。
【0030】
ユーザー側IIの設備は、3相スイッチ3からなる。各導体(相導体および中性導体がスイッチ3の前方で、バリスタのようなサージ阻止器4を通してアース導体5につながれている。アース導体5はスイッチ・クローゼットのフレームにつながれ、インピーダンスRをもつアース電極によってアースされている。他の設備にエネルギーを与えるスイッチ3から導かれる導体は、相導体6と中性導体7である。上記他の設備はそれ自身可能な保護部材を備え、比較的高い入力インピーダンスをもつ。
【0031】
対象物のフレームに落雷したとき、その電荷はアース導体5を通じてアースに逃されなければならない。理想的な場合、それを通って落雷エネルギーが逃がされるインピーダンスRは値が0(Ω)である。落雷保護標準規格によると、Rの値は最大2.5Ωでなければならない。
【0032】
落雷エネルギーを逃がすことに対する制限要因は、対象物(設備)が通常位置している小さな地面である。地面の面積が小さいと、短時間に多量の落雷エネルギーを素早く逃がすことができない。これにより、ユーザー側IIの設備を加熱し、電圧閃絡の危険性が生じる。
【0033】
電流の瞬間値が150KAにも高くなる落雷において、アース導体5にかかる電圧は75KVにも高くなる。これによりスイッチ3に容易に閃絡が生じ、正常な作動が止まる。ほとんどすべての状況において、そのような閃絡はスイッチ3の重大な損傷を招き、しばしばフューズ2を溶断させる。
【0034】
ピーク電圧をできるだけ低く保ち、接続時間をできるだけ長くするために、バリスタのようなサージ阻止器4を備えてある。最大電流は通常、最低インピーダンスをもつ中性導体7を通って流れる。
【0035】
フレームに落雷すると、サージ阻止器4によってスイッチ3およびフューズ2への閃絡の危険は減らされるが、ユーザー側IIから電源側Iに流れる大電流が40KAよりも高い値を依然として保つので、スイッチ3とフューズ2はなお焼損する可能性がある。
【0036】
ユーザー側IIの配列によって、経済的に不利なやり方でサービスを妨げることになるユーザー側の設備が作動しなくなるまでの時間が延ばされる。
【0037】
図2に、この問題に対する本発明の解決手段を示す。相導体に対し一方の側が接続されているサージ阻止器4は、他方の側がアース導体5に接続されていないが、中性導体7に接続されている。中性導体7は避雷器(落雷電流アレスタ)9を介してアース導体5に接続している。
【0038】
閃絡的に限られた時間だけ続く短絡を生じさせるそのような避雷器は、たとえばドイツ特許出願DE−A−19 74 2302、DE−A−19 75 5082および欧州特許出願EP−A−0 128 344により公知である。
【0039】
ユーザー側IIに落雷すると、相導体6にかかるピーク電圧がサージ阻止器4によって大いに抑えられる。避雷器9により、中性導体7とアース導体8の間にほとんど完全な短絡が生じ、落雷電流は一部のみが、ユーザー側IIから相導体6を通って電源側Iのトランスまで流れる。
【0040】
逃がされるべきピーク電流は、アース抵抗RとRの並列回路を通って逃がされる。もちろん、ユーザー側IIと電源側Iのトランスとの間にある相導体6と中性導体7の抵抗も存在するが、低インピーダンスなので実際上問題にならない。
【0041】
図3に本発明の他の態様を示す。ここでスイッチ3は、ユーザー側IIの設備へ電流が流れる向きに眺めると、電流と電圧を抑えるための素子の後方に位置している。この配置により、大電流によってスイッチ3が過負荷になる危険性が減る。サージ保護システムの上流にある素子はフューズ2だけである。試験では相導体6を流れる落雷誘起電流は比較的小さいが、実際にはフューズ2がブレークする可能性がある。フューズ2のブレークによるダウン時間を最短にするため、フューズ2は自動タイプが好ましく、これらは溶断タイプよりも落雷誘起電流に耐える。さらに、自動タイプのフューズ2は手動でリセットでき、あるいは遠隔ロケーションを形成する。
【0042】
図4にさらに他の本発明の態様を示す。ここで、減結合(デカップリング)インピーダンス10が各相導体6に設けられ、その位置はサージ阻止器4によって相導体6が中性導体7に接続されている点と付加的な避雷器11によって相導体6が中性導体7に接続されている点の間である。さらに、付加的な避雷器11が各相導体6と中性導体7の間に設けられ、同様に付加的な避雷器12が中性導体7とアース導体5の間に設けられている。避雷器11・12はスパーク・ギャップ素子のような電流阻止器であることが好ましい。減結合インピーダンス10により、さまざまなサージ保護デバイス4・9・11・12を適切に制御できる。まず、バリスタのようなサージ阻止器4が作動して制御可能な安全レベルを保証する。減結合インピーダンス10を通った電流は、電圧を発生し、その瞬間、より大きな落雷電流を逃がし得る第2タイプの避雷器11に印加させる。その結果、この態様により、相導体を通るより高い落雷電流を阻止できる。図4のシステムは、電源ユニットによって電力を供給される設備、および電源側Iのトランス1の双方を有効に保護する。減結合インピーダンス10およびサージ保護デバイス4・9・11・12がスイッチ3の下流にも位置し得ることは、当業者には明らかであろう。
【0043】
第2タイプの避雷器9・11・12は少なくとも40KA、好ましくは50KA、さらに好ましくは100KAの定格をもつ。これにより、小さな足場(面積)しかもたない設備に落雷したとき、実際に遭遇してきた大電流に対する保護を、有効に行うことができるシステムを提供する。第1タイプのサージ阻止器4は少なくとも4KA、好ましくは8KAの定格をもつ。これは落雷後発生するこれらの素子を通って流れる電流に対して十分である。
【0044】
以上説明した態様のすべての素子は、一つのキャビネットに統合して収納できる。非ブローオフ・タイプの避雷器9・11・12を使うことにより、加熱ガスも高圧も発生させないので、これらの素子もすべて一つのキャビネットに統合して収納できる。それらを通る高電流に耐えるため、中性導体7および/またはアース導体5、およびクランプのようなそれらの間の相互接続はすべて、少なくとも8mm、好ましくは16mmの断面積をもつ素材からなる。これは中性導体7および/またはアース導体5が接続されるクランプの相互接続を含んで、電流が流れるすべての接続を含む。最大電流が中性導体7とアース導体5を通って流れるので、それが流れる完全なパスは所定の最小直径をもたなければならない。好ましくは、アース導体5の少なくとも一部は金属板からなる。これにより、アース導体5を流れる有効な電流をより低い電気機械作用に導くことができる。また、図2〜4のRとRに向かうアース電極への接続も、最小直径をもたなければならない。閉じたキャビネット内では、落雷があったとき最大電流が避雷器9を流れるので、その装着には注意を払わなければならない。最大電流によって大きな電気機械作用が生じ、避雷器9の装着部を損傷する恐れがある。
【0045】
電源側Iにあるキロワット時メータ(積算電力計)に新しい導体を接続するときにも、本発明による効果が生じることは明らかである。
【0046】
本発明による解決は単相電源にも適用可能であることも明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来技術による低電圧設備の保護システムの概略回路図である。
【図2】本発明による第1の態様のシステムの概略回路図である。
【図3】本発明による第2の態様のシステムの概略回路図である。
【図4】本発明による第3の態様のシステムの概略回路図である。
【符号の説明】
【0048】
I:電源側
II:ユーザー側
1:トランス
2:フューズ
3:スイッチ
4:サージ阻止器(バリスタ)
5:アース導体
6:相導体
7:中性導体
8:アース導体
9、11、12:避雷器
10:減結合インピーダンス
、R:インピーダンス(アース抵抗)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスを含む電源供給システムであって、前記電源供給システムは、対象物への落雷電流のサージ電流からの保護のために用いられるシステムであって、前記対象物は、アンテナの支柱の基部の大きさよりも小さい足場を具備し、
前記サージ電流からの保護のために用いられるシステムは、中性導体(7)に接続される少なくとも1つの相導体(6)を有する電源ユニットを具備し、
それぞれの相導体に対する接続である第1接続は、第1のタイプのサージ保護装置(4)からなり、
中性導体(7)は、第2接続により、前記対象物のアース導体(5)に接続され、
前記第2接続は、第2のタイプのサージ保護装置(9)を含み、
前記第1のタイプのサージ保護装置(4)は、予め決められた第1の定格を有する電圧依存抵抗素子又はバリスタからなり、
前記第2のタイプのサージ保護装置(9)は、予め決められた第2の定格を有するスパーク・ギャップ素子からなり、
前記第1の定格は少なくとも4KA、前記第2の定格は少なくとも40KAであり、
前記電源ユニットを構成する素子は、1つの筐体内に収納されると共に、前記雷電流の高電流が、前記アース導体(5)と中性導体(7)とを通ることで、前記筐体内のスパーク・ギャップ素子を流れるように構成され、
前記相導体(6)と中性導体(7)とが、スイッチ(3)を介して前記トランスの2次出力の導体に直接接続され、
これにより、前記電源ユニットが、前記トランスと保護されるべき対象物との間のサージ保護を行うことを特徴とする電源供給システム。
【請求項2】
前記外部トランス(1)の2次巻線が前記電源ユニットに接続され、
前記第1のタイプのサージ保護デバイス(4)及び前記第2のタイプのサージ保護デバイス(9)が、前記外部トランス(1)から電力の流れの向きに見て、前記電源ユニットに設けられたスイッチ(3)の前方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電源供給システム。
【請求項3】
前記スイッチ(3)が、アース漏れ回路ブレーカによって切られることを特徴とする請求項1又は2記載の電源供給システム。
【請求項4】
前記アース漏れ回路ブレーカが、自己リセット型であることを特徴とする請求項3記載の電源供給システム。
【請求項5】
前記第2のタイプのサージ保護デバイス(9)が、非ブロー・オフタイプであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電源供給システム。
【請求項6】
前記第2のタイプのサージ保護デバイス(9)が、完全にシールドされていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電源供給システム。
【請求項7】
前記第1のタイプのサージ保護デバイスが、電圧依存抵抗器またはバリスタからなり、前記第2のタイプのサージ保護デバイスが、落雷電流阻止器またはスパーク・ギャップ素子からなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電源供給システム。
【請求項8】
前記電源ユニットの各素子が、閉じられた前記筐体内に配設されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の電源供給システム。
【請求項9】
前記第2のタイプのサージ保護デバイス(9)の定格が、少なくとも50KA、好ましくは少なくとも100KAであり、前記第1のタイプのサージ保護デバイス(4)の定格が、少なくとも8KAであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の電源供給システム。
【請求項10】
前記アース導体(5)に接続されている導体の一部が、金属板で形成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の電源供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−230197(P2006−230197A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134631(P2006−134631)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【分割の表示】特願2002−514856(P2002−514856)の分割
【原出願日】平成13年7月9日(2001.7.9)
【出願人】(500098057)コニンクリジケ ケーピーエヌ エヌブィー (9)
【Fターム(参考)】