説明

電源供給装置、電源供給方法、及び電源供給プログラム

【課題】負荷の個数や負荷側の電圧電流に変化が生じても、それに対応して、電源側から所望の電圧電流を供給できるようにする。
【解決手段】提供される電源供給装置1は、複数電圧種の電源を搭載する電源供給パッケージ(上位電源部)2と、該電源供給パッケージ2に搭載される前記複数の電源のうち、少なくとも任意の1の電源に接続されて、所定の電圧種と所定容量の電流とからなる所定の電力を受電して、それぞれ所望の系統の前記負荷へ供給するための複数種の電圧種供給部(供給電圧A、B、C、D)を有する機能パッケージ(下位電源部)3とを備えてなると共に、電源供給パッケージ2は、機能パッケージ3からの電圧電流情報に基づいて、機能パッケージ3の前記各電圧供給部に対して、要求される、所定の電圧種と前記所定容量の電流とからなる前記所定の電力を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源電圧種や電流容量の異なる複数の電源を有する電源供給装置、電源供給方法、及び該方法をコンピュータに実行させる電源供給プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源電圧種や電流容量の異なる複数の電源から各系統の負荷に対して個別に電力を供給する電源方式の一つとして、電源供給パッケージとそれに接続される機能パッケージとによって多系統の負荷に電力を供給する電源供給装置が知られている。このような電源供給装置においては、電源供給パッケージの各電源の電圧種や電流容量は、この電源供給パッケージの出力側に接続される機能パッケージに必要な電源電圧種や電流容量に基づいて設計されている。
【0003】
また、機能パッケージに対して追加機能や別機能を追加して付加価値を高めた電源供給装置の設計を行う場合は、電源供給装置を新規に開発する無駄を省くために、電源供給パッケージを交換することなく、機能パッケージの交換だけで新たな電源供給装置が構築できるように考慮した設計がなされている。さらに、追加機能パッケージや電源強化パッケージを設計する場合は、先行設計された機能パッケージに追加機能パッケージや電源強化パッケージを付加的に載せたり、機能パッケージを交換するだけで、機能パッケージの追加機能や電源強化機能に対応できるように考慮され、電源供給パッケージは交換することなく共用化できるように設計がなされている。
【0004】
また、複数系統の負荷に対して電力を供給する電源方式として、電源基板から、電源中継基板(つまり、機能パッケージに相当する基板)を介して電力系統を分散し、複数の制御装置(負荷)へ電力を供給する電源供給装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような電源供給装置によれば、1つの電源基板と1つの電源中継基板から複数系統に分散されている負荷(分散負荷)に対して電力を供給することができるので、スペースの有効活用を図ることができる。
【0005】
また、並列接続された複数の給電装置から複数の端末装置(負荷)へ電力を供給する並列給電方式において、全負荷へ供給する総和電流を複数の給電装置で均等に分割する均等分割給電方式の関連技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。このような均等分割給電方式によれば、複数の給電装置の電流容量や動作モードを均衡させながら給電装置を分散配置することができるので、給電装置の設置場所等のスペースファクタを向上させることが可能となる。
【0006】
さらに、共通の一つの電源装置から複数のブレード装置(負荷)に電力を供給する場合、各ブレード装置(負荷)が、電源装置の供給可能な電力量を検出しながら、この供給可能な電力量と消費電力合計値との差分に基づいて追加供給が可能な電力量を算出し、自ブレード装置(負荷)の消費電力制御を行う技術も開示されている(特許文献3参照)。この関連技術によれば、各ブレード装置(負荷)が個別に消費電力制御を行っているので、外部に総消費電力管理用のマネージメントコントローラを設ける必要がなくなるので、制御系の配線をシンプルにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−198316号公報
【特許文献2】特開2006−262593号公報
【特許文献3】特開2008−083841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した関連技術のうち、電源供給パッケージと機能パッケージとによって多系統の負荷に電力を供給する電源供給装置にあっては、負荷が要求する電圧電流に対して電源供給パッケージに搭載された電源電圧の種類が不足していたり、負荷に必要かつ充分な電流容量を流すための配線パターンや配線幅や接続ピン数等に制約が生じる場合がある。このような場合は、現行の電源供給パッケージでは共用化することができないために、電源供給パッケージを再設計して交換する必要が生じる。
【0009】
また、市場動向等の影響により、開発当初に想定した仕様内容や機能内容に変更が生じることがある。このような場合には、先行開発した電源供給パッケージとは異なる電源電圧種や電流容量を備えた電源を搭載した電源供給パッケージが必要となる。このため、当初開発した電源供給パッケージの共用化ができないため、機能追加パッケージや機能強化パッケージと同様に、電源供給パッケージについても新規に開発しなければならない。さらに、当初の電源供給装置の開発時において、機能追加パッケージや機能強化パッケージの追加を考慮した給電方法で設計をしてしまうと、過剰な電源容量や給電ピン数が生じたり、不必要な給電ピンまで見積もったり、過剰な電流容量のコネクタを選定したりすることになるため、必要以上に電源供給装置をコストアップさせてしまうことになる。
【0010】
また、特許文献1の関連技術においては、電源基板の出力側に接続された電源中継基板が機能パッケージに相当するが、この電源中継基板は、分散負荷のそれぞれに定格電力以下の電力を供給することはできるが、分散負荷の個数や容量が増加した場合には、分散負荷の一部又は全てに所望の電力供給を行うことができないこともある。つまり、先行設計で想定した電源電圧種や電流容量とは異なる負荷が発生した場合は、電源中継基板から負荷に対して電力供給を行うことができない場合がある。
【0011】
また、特許文献2の関連技術においては、電源供給パッケージに相当する給電装置が複数個並列接続された並列電源方式において、負荷容量に変動が生じても各給電装置は常に供給電流のバランスを保つことができるが、各給電装置の出力電圧は一種類であるので、電源電圧種の異なった負荷が接続された場合は、この負荷の電源供給に対応することができない。
【0012】
さらに、特許文献3の関連技術においては、ブレード装置及びそれに接続された負荷(例えば、プロセッサやメモリ等)が機能パッケージに相当するが、各ブレード装置はそれぞれ対応する負荷のみに電力を供給するシステム構成となっているため、あるブレード装置の負荷電流が増加した場合、他のブレード装置から電流を追加供給することができない。すなわち、ブレード装置を機能パッケージと考えた場合、機能パッケージの電源系統が独立的に分割されているので、他系統の負荷の容量や個数に増減が生じても他系統のブレード装置から電力供給をバックアップすることができない。
【0013】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、負荷の個数や負荷側の電圧電流に変化が生じても、それに対応して電源供給を行うことができる電源供給装置、電源供給方法、及び該方法をコンピュータに実行させる電源供給プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、供給される電圧種が互いに異なる複数系統の負荷の夫々に電力を供給する電源供給装置に係り、複数電圧種の電源を搭載する上位電源部と、該上位電源部に搭載される前記複数の電源のうち、少なくとも任意の1の電源に接続されて、所定の電圧種と所定容量の電流とからなる所定の電力を受電して、それぞれ所望の系統の前記負荷へ供給するための複数種の電圧種供給部を有する下位電源部とを備えてなると共に、前記上位電源部は、下位電源部からの電圧電流情報に基づいて、前記下位電源部の前記各電圧供給部に対して、要求される、前記所定の電圧種と前記所定容量の電流とからなる前記所定の電力を供給することを特徴としている。
【0015】
また、この発明の第2の構成は、複数の電源を搭載する電源供給パッケージと、上記複数の電源から個別に電圧電流を受電して、複数の電圧種供給部を形成する機能パッケージとを備え、上記複数の電圧種供給部から負荷へ電圧電流を供給する電源供給方法に係り、上記機能パッケージが、自己の必要とする電圧電流の情報を示す電圧電流情報を格納する第1のステップと、上記電源供給パッケージが、上記機能パッケージから取得した電圧電流情報に基づいて、該機能パッケージが必要とする電圧電流を供給可能な電源を選択する第2のステップと、上記電源供給パッケージが、選択された電源の電圧種及び電流容量を上記機能パッケージの該当する電圧種供給部へ供給する第3のステップと、上記機能パッケージが、上記供給電圧領域から負荷へ電圧電流を供給する第4のステップとを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
この発明の電源供給装置の構成によれば、機能パッケージが必要とする電圧電流の変化に対応して、電源供給パッケージが所望の電圧電流を供給できる電源の系統に適宜切り換えて、機能パッケージに所望の電圧電流を供給するため、電源供給パッケージを共用化することができる。したがって、負荷の変化に伴って発生する機能パッケージの新規開発時において、電源供給パッケージまで開発する必要がなくなるので、電源供給装置全体の設計開発費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施形態である電源供給装置の電気的構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】同電源供給装置から別の機能パッケージに変更したときの電気的構成を概念的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、この発明の好適な実施形態の概要について述べる。
この発明の好適な実施形態は、複数電圧種の電源と、各電源からの所定の電圧種の電力を外部へ供給する複数の供給ラインとを搭載する電源供給パッケージと、該電源供給パッケージに搭載される前記複数の電源のうち、少なくとも任意の1の電源に接続されて、所定の電圧種と所定容量の電流とからなる所定の電力を受電して、それぞれ所望の系統の前記負荷へ供給するための複数種の電圧種供給部を有する機能パッケージとを備えてなると共に、前記電源供給パッケージは、機能パッケージから供給される電圧電流情報に基づいて、前記機能パッケージの前記各電圧供給部に対して、所望の供給ラインを介して、要求される、前記所定の電圧種と前記所定容量の電流とからなる前記所定の電力を供給する。
【0019】
機能パッケージは、負荷の要求する電圧電流に対応して自己が必要とする電圧電流の情報を示す電圧電流情報を格納する電圧電流情報格納手段を備え、電源供給パッケージは、電圧電流情報格納手段から取得した電圧電流情報に基づいて、機能パッケージが必要とする電圧電流を供給可能な電源を選択し、選択された電源の電圧種及び電流容量を機能パッケージへ供給する給電経路選択手段を備えるのが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、上位電源部(電源供給パッケージ)の給電経路選択手段が、下位電源部(機能パッケージ)が必要とする電圧電流の情報を格納する電圧電流情報格納手段からの電圧電流情報に基づいて、下位電源部(機能パッケージ)で要求される電圧電流を供給可能な電源を選択し、上位電源部(電源供給パッケージ)から下位電源部(機能パッケージ)へ必要な電圧電流を供給することができる。
【実施形態】
【0021】
以下、図面を参照して、この発明の電源供給装置の一実施形態についてさらに詳述する。
図1は、この発明の一実施形態である電源供給装置の電気的構成を概略示すブロック図である。まず、この電源供給装置の構成について説明する。電源供給装置1は、電源の供給源となる電源供給パッケージ2と、この電源供給パッケージ2に接続されて多系統の負荷に電力(電圧電流)を供給する機能パッケージ3とが、コネクタ4によって接続された構成となっている。
【0022】
機能パッケージ3は、機能パッケージ3自身が必要とする供給電圧種(供給電圧A、供給電圧B、供給電圧C、及び供給電圧D)の情報と、負荷に供給する電流容量の情報と(以下、これらの2つの情報を合わせて電圧電流情報という)を格納する電圧電流情報格納手段30を備えている。
【0023】
電源供給パッケージ2は、電源A、電源B、及び電源Dの3種類の電源を搭載し、機能パッケージ3の電圧電流情報格納手段30から受信した電圧電流情報に基づいて、機能パッケージ3で要求される電圧電流を供給可能な電源を選択して、機能パッケージ3へ所望の電圧電流を供給するための給電経路選択手段20と、電源供給パッケージ2の電源電圧(第1の電圧)を機能パッケージ3が必要とする供給電圧(第2の電圧)に変換するための変換器(変換手段)10,11と、機能パッケージ3の供給電圧種(供給電圧A、供給電圧B、供給電圧C、及び供給電圧D)ごとに電流の供給を行う供給ライン40、41、42、43、44とを備えている。
【0024】
次に、図1に示す電源供給システム1の動作について説明する。機能パッケージ3は、図示しない負荷側の要求によって、供給電圧A、供給電圧B、供給電圧C、及び供給電圧Dと、それぞれの供給電圧種ごとに負荷に流れる電流容量を必要としている。したがって、供給電圧A、供給電圧B、供給電圧C、及び供給電圧Dの各供給電圧種の情報と、それぞれの供給電圧種ごとに必要な電流容量の情報とを合わせた電圧電流情報が、電圧電流情報格納手段30に格納されている。
【0025】
電源供給パッケージ2は、機能パッケージ3の電圧電流情報格納手段30から受信した電圧電流情報に基づいて、機能パッケージ3で要求されている供給電圧種(供給電圧A、供給電圧B、供給電圧C、及び供給電圧D)と、供給電圧種ごとの電流容量とに対応した電源電圧及び電流を機能パッケージ3へ供給する。
【0026】
この際、電源供給パッケージ2には、配線幅、配線パターン、及び接続ピン数等の制約から、供給ライン40、供給ライン41、供給ライン42、供給ライン43、及び供給ライン44には、設計上で決められた電流容量を超えた電流を供給することはできない。
【0027】
図1の電源供給装置1に示す例では、機能パッケージ3は、供給電圧A、供給電圧B、供給電圧C、及び供給電圧Dを要求しているが、供給電圧A、供給電圧B、及び供給電圧Cは、負荷によって要求されている電流容量から、供給ライン40、供給ライン41、及び供給ライン42によって所望の電流を供給することが可能である。
【0028】
しかし、機能パッケージ3の供給電圧Dについては、負荷が要求する電流容量が大きいために、電源Dから供給ライン44を通して供給する電流容量だけでは負荷に供給する電流容量を満たすことができない。そこで、変換器11によって電源Bの電圧(第1の電圧)から電源Dの電圧(第2の電圧)に変換した電圧電流を、給電経路選択手段20を介して供給ライン43から機能パッケージ3の供給電圧Dへ追加供給している。
【0029】
なお、機能パッケージ3の供給電圧Cについては、電源供給パッケージ2に該当する電圧源(電源C)が存在しないために、変換器10によって電源Bから電源Cに電圧変換し、給電経路選択手段20を介して供給ライン42から機能パッケージ3の供給電圧Cへ電圧供給を行っている。
【0030】
変換器10及び変換器11は、電源供給パッケージ2の電源Bが直流電圧であって、機能パッケージ3の供給電圧C及び供給電圧Dが直流電圧の場合は、例えば、スイッチングトランジスタで構成される昇圧型DC/DCコンバータや降圧型DC/DCコンバータによって実現することもできるし、チョッパ回路やブースタ回路によって実現することもできる。また、電源供給パッケージ2の電源Bが直流電圧であって、機能パッケージ3の供給電圧C及び供給電圧Dが交流電圧の場合は、例えば、インバータによって変換器10及び変換器11を実現することができる。
【0031】
また、電源供給パッケージ2の電源Bが交流電圧である場合は、例えば、整流器を介して、昇圧型DC/DCコンバータ、高圧型DC/DCコンバータ、チョッパ回路、又はブースタ回路を通せば、機能パッケージの供給電圧C及び供給電圧Dを直流電圧にすることができるし、整流器を介して、インバータを通せば、機能パッケージの供給電圧C及び供給電圧Dを交流電圧にすることができる。
【0032】
次に、電源供給装置において、負荷側の仕様変更等によって機能パッケージを変更した場合について説明する。図2は、図1に示す電源供給装置から機能パッケージを変更した場合の構成を示すブロック図である。すなわち、図2に示す電源供給装置1aは、図1の電源供給装置1における機能パッケージ3を機能パッケージ3aに交換した状態を示している。なお、図2の電源供給装置1aの電源供給パッケージ2については、図1の電源供給装置1の電源供給パッケージ2と全く同じである。
【0033】
図2において、機能パッケージ3aは、図示しない負荷側の要求によって、供給電圧A、供給電圧B、及び供給電圧Dと、それぞれの供給電圧ごとに負荷に流れる電流容量とを必要としている。したがって、供給電圧A、供給電圧B、及び供給電圧Dの各供給電圧種の情報と、それぞれの供給電圧種ごとに必要な電流容量の情報とを合わせた電圧電流情報が、電圧電流情報格納手段30に格納されている。
【0034】
電源供給パッケージ2は、機能パッケージ3aの電圧電流情報格納手段30から取得した電圧電流情報に基づいて、機能パッケージ3aが必要としている供給電圧種(供給電圧A、供給電圧B、及び供給電圧D)と各供給電圧種の電流容量を機能パッケージ3aに供給する。この際、供給ライン40、供給ライン41、供給ライン42、供給ライン43、及び供給ライン44には、それぞれ決まった電流容量しか供給できない。
【0035】
図2の例の場合は、供給電圧Aと供給電圧Dは、負荷から要求されている電流容量から、現状の供給ライン40と供給ライン44によって所望に電流を供給することが可能である。しかし、供給電圧Bについては、負荷からの要求によって電流容量が非常に大きいため、供給ライン41だけでは所望の電流を供給することができない。
【0036】
したがって、電源供給パッケージ2は、機能パッケージ3aの電圧電流情報格納手段30からの電圧電流情報により、電源Bからの電流を給電経路選択手段20によって分配し、供給ライン42と供給ライン43とによって機能パッケージ3aの供給電源Bへ追加供給している。
【0037】
この場合、供給ライン41の配線パターンが細い等配線容量不足の理由で、供給電圧Bへの電流を供給ライン42と供給ライン43とによって追加供給しているが、電源供給パッケージ2の電源Bの電流容量は充分にあるので、変換器10や変換器11を使用することなく、電源供給パッケージ2の電源Bから機能パッケージ3aの供給電圧Bへ、供給ライン41、42、43によって所望の電流容量を供給することができる。
【0038】
なお、変換器10が電源Bの電圧を電源Cの電圧に変換したり、変換器11が電源Bの電圧を電源Dの電圧に変換したりしているが、これらの電源Cや電源Dの電圧は機能パッケージ3aでは使用されないので、給電経路選択手段20でスタンバイ状態となっている。
【0039】
なお、前述した電源供給方法は、コンピュータがプログラム読み込むことによって実現される。したがって、前述した電源供給方法の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、前述した各処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このプログラムを通信回線によって外部のコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明の電源供給装置は、電源供給基板と機能基板とに分割されていて、機能基板のみを交換すれば様々な負荷に対応できるので、通信機器、放送機器、又は大型コンピュータ等の多出力電源に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1、1a 電源供給装置
2 電源供給パッケージ(上位電源部)
3、3a 機能パッケージ(下位電源部)
4 コネクタ
10、11 変換器
20 給電経路選択手段
30 電圧電流情報格納手段
40、41、42、43、44 供給ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される電圧種が互いに異なる複数系統の負荷の夫々に電力を供給する電源供給装置であって、
複数電圧種の電源を搭載する上位電源部と、
該上位電源部に搭載される前記複数の電源のうち、少なくとも任意の1の電源に接続されて、所定の電圧種と所定容量の電流とからなる所定の電力を受電して、それぞれ所望の系統の前記負荷へ供給するための複数種の電圧種供給部を有する下位電源部とを備えてなると共に、
前記上位電源部は、下位電源部からの電圧電流情報に基づいて、前記下位電源部の前記各電圧供給部に対して、要求される、前記所定の電圧種と前記所定容量の電流とからなる前記所定の電力を供給することを特徴とする電源供給装置。
【請求項2】
前記下位電源部は、前記負荷の要求する電圧電流に対応して自己が必要とする電圧電流の情報を示す前記電圧電流情報を格納する電圧電流情報格納手段を備えていると共に、
前記上位電源部は、前記電圧電流情報格納手段から取得した前記電圧電流情報に基づいて、前記下位電源部が必要とする電圧種・電流容量を供給可能な前記電源を選択し、選択された電源の電力を前記下位電源部へ供給する給電経路選択手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の電源供給装置。
【請求項3】
前記上位電源部は、自己が搭載している電源が発生する第1の電圧種を第2の電圧種に変換する変換手段をさらに備え、
前記給電経路選択手段は、前記電圧電流情報格納手段からの前記電圧電流情報に基づいて、前記変換手段が変換した第2の電圧種を、前記下位電源部の該当する前記電圧種供給部へ供給することを特徴とする請求項3記載の電源供給装置。
【請求項4】
供給される電圧種が互いに異なる複数系統の負荷の夫々に電力を供給する電源供給装置であって、
複数電圧種の電源と、各電源からの所定の電圧種の電力を外部へ供給する複数の供給ラインとを搭載する電源供給パッケージと、
該電源供給パッケージに搭載される前記複数の電源のうち、少なくとも任意の1の電源に接続されて、所定の電圧種と所定容量の電流とからなる所定の電力を受電して、それぞれ所望の系統の前記負荷へ供給するための複数種の電圧種供給部を有する機能パッケージとを備えてなると共に、
前記電源供給パッケージは、機能パッケージから供給される電圧電流情報に基づいて、前記機能パッケージの前記各電圧供給部に対して、所望の供給ラインを介して、要求される、前記所定の電圧種と前記所定容量の電流とからなる前記所定の電力を供給することを特徴とする電源供給装置。
【請求項5】
前記機能パッケージは、前記負荷の要求する電圧電流に対応して自己が必要とする電圧電流の情報を示す前記電圧電流情報を格納する電圧電流情報格納手段を備え、
前記電源供給パッケージは、前記電圧電流情報格納手段から取得した前記電圧電流情報に基づいて、前記機能パッケージが必要とする電圧種・電流容量を供給可能な電源を選択し、選択された電源の電圧種及び電流容量を前記機能パッケージへ供給する給電経路選択手段を備えていることを特徴とする請求項4記載の電源供給装置。
【請求項6】
前記給電経路選択手段は、前記電圧電流情報格納手段から取得した電圧電流情報に基づいて前記供給ラインを選択的に切り換え、前記機能パッケージが必要とする電圧電流を該機能パッケージへ供給することを特徴とする請求項5に記載の電源供給装置。
【請求項7】
前記電源供給パッケージは、自己が搭載している電源が発生する第1の電圧種を第2の電圧種に変換する変換手段をさらに備え、
前記給電経路選択手段は、前記電圧電流情報格納手段からの前記電圧電流情報に基づいて、前記変換手段が変換した第2の電圧種を、前記機能パッケージの該当する前記電圧種供給部へ供給することを特徴とする請求項6に記載の電源供給装置。
【請求項8】
前記給電経路選択手段は、前記機能パッケージが必要とする電圧電流の増加/減少に伴って前記供給ラインを選択的に追加/削除することを特徴とする請求項5、6又は7記載の電源供給装置。
【請求項9】
複数の電源を搭載する電源供給パッケージと、前記複数の電源から個別に電圧電流を受電して、複数の電圧種供給部を形成する機能パッケージとを備え、前記複数の電圧種供給部から負荷へ電圧電流を供給する電源供給方法であって、
前記機能パッケージが、自己の必要とする電圧電流の情報を示す電圧電流情報を格納する第1のステップと、
前記電源供給パッケージが、前記機能パッケージから取得した電圧電流情報に基づいて、該機能パッケージが必要とする電圧電流を供給可能な電源を選択する第2のステップと、
前記電源供給パッケージが、選択された電源の電圧種及び電流容量を前記機能パッケージの該当する電圧種供給部へ供給する第3のステップと、
前記機能パッケージが、前記電圧種供給部から負荷へ電圧電流を供給する第4のステップと
を含むことを特徴とする電源供給方法。
【請求項10】
前記電源供給パッケージは、前記第2のステップにおいて、前記機能パッケージから取得した電圧電流情報に基づいて供給ラインを選択的に切り換え、該機能パッケージが必要とする電圧電流を供給可能な電源を選択することを特徴とする請求項9記載の電源供給方法。
【請求項11】
前記電源供給パッケージは、前記第2のステップにおいて、自己が搭載している電源の第1の電圧種を第2の電圧種に変換し、前記第3のステップにおいて、前記第2の電圧種を前記機能パッケージの該当する電圧種供給部へ供給することを特徴とする請求項9又は10記載の電源供給方法。
【請求項12】
請求項9乃至11の何れか一に記載の電源供給方法をコンピュータに実行させる電源供給プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−178455(P2010−178455A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16484(P2009−16484)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】