電源切替方法及び電源切替装置
【課題】二次電池の充放電回数を減らし、充放電による二次電池の劣化を抑制することができる電源切替方法及び電源切替装置を提供することを課題とする。
【解決手段】電源切替装置は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池(1)と、前記太陽電池の電気エネルギーを充電する二次電池(3)と、前記太陽電池又は前記二次電池に接続され、指定された処理を行う処理ブロック(45a〜45e)と、前記太陽電池の出力可能な電力を検出する電力検出手段(44)と、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続する電源切替手段(41)とを有する。
【解決手段】電源切替装置は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池(1)と、前記太陽電池の電気エネルギーを充電する二次電池(3)と、前記太陽電池又は前記二次電池に接続され、指定された処理を行う処理ブロック(45a〜45e)と、前記太陽電池の出力可能な電力を検出する電力検出手段(44)と、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続する電源切替手段(41)とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源切替方法及び電源切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、太陽電池と組み合わされ、電源システムとして利用されている。例えば、太陽電池の余剰電力を二次電池に充電させ、日照センサ若しくはタイマーの信号により二次電池と太陽電池とからの電源供給を切り替える電源切替制御回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、太陽電池の出力により浮動充電される二次電池とを設け、太陽電池の出力あるいは二次電池の出力により、電力供給を行うデータ収集装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、太陽電池パネルの余剰発電電力が電源部に設置された二次電池に蓄積され、負荷の電力不足時に二次電池から電力が供給されるシステムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、太陽電池パネルで発生された電力が、所定値以下になり、電力が不足した場合でも、予備電源として備えられた二次電池より電源回路へ電力が供給される電子機器が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録実用新案第3015047号公報
【特許文献2】特開平10−62207号公報
【特許文献3】特開2000−121629号公報
【特許文献4】特開2004−361512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、二次電池の充放電回数を減らし、充放電による二次電池の劣化を抑制することができる電源切替方法及び電源切替装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
電源切替方法は、処理ブロックに太陽電池又は二次電池を接続する電源切替方法であって、電力検出手段により前記太陽電池の出力可能な電力を検出し、電源切替手段により、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続する。
【発明の効果】
【0009】
指定された処理の実行中に二次電池から太陽電池への接続の切り替えがなくなるので、二次電池の充放電回数が減り、充放電による二次電池の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】参考技術による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の機能ブロック〜第5の機能ブロックの消費電力の例を示す図である。
【図3】図2の測定Bの処理例を示す図である。
【図4】第1の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示す図である。
【図5】第1の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図6】第1の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図8】第2の実施形態によるマイコンの処理例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図11】第3の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(参考技術)
図1は、参考技術による電源切替装置の構成例を示す図である。太陽電池1は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、出力電圧S1を出力する。二次電池3は、充電制御回路2を介して太陽電池1の電気エネルギーを充電し、充電制御回路2を介して出力電圧S2を出力する。出力電圧S2を使用すると、充電制御回路2は充電を停止する。機器制御基板4は、電源切替回路41、基準電圧生成回路42、コンパレータ43、マイコン44、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45e、及び第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを有する。
【0012】
基準電圧生成回路42は、基準電圧Vrを生成する。コンパレータ43は、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrを比較し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときにはローレベルの切替信号S3を出力し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低いときにはハイレベルの切替信号S3を出力する。電源切替回路41は、切替信号S3に応じて、出力ノードOUTを太陽電池1及び二次電池3のいずれかに接続する。具体的には、電源切替回路41は、切替信号S3がローレベルのときには太陽電池1を出力ノードOUTに接続し、切替信号S3がハイレベルのときには二次電池3を出力ノードOUTに接続する。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、それぞれ第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTに接続される。マイコン44は、指定された処理に応じて、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eをオン/オフ制御する。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTから電圧が供給されると、所定の機能処理を行う。
【0013】
図2は、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eの消費電力の例を示す図である。第1の機能ブロック45aが行う機能処理の消費電力は20Wである。第2の機能ブロック45bが行う機能処理の消費電力は20Wである。第3の機能ブロック45cが行う機能処理の消費電力は30Wである。第4の機能ブロック45dが行う機能処理の消費電力は40Wである。第5の機能ブロック45eが行う機能処理の消費電力は5Wである。各消費電力は、例えばデータシートの値を用いることができる。
【0014】
マイコン44は、指定された処理を行う。処理の種類は、例えば、測定A、測定B及び待機である。
【0015】
マイコン44は、測定Aの処理が指定されると、機能N、機能Y及び機能Zの処理をシリアルに行う。機能Nは、第2のスイッチ11bがオンし、第2の機能ブロック45bにより行われる機能処理であり、20Wの消費電力を有する。機能Yは、第4のスイッチ11dがオンし、第4の機能ブロック45dにより行われる機能処理であり、40Wの消費電力を有する。機能Zは、第5のスイッチ11eがオンし、第5の機能ブロック45eにより行われる機能処理であり、5Wの消費電力を有する。
【0016】
マイコン44は、測定Bの処理が指定されると、機能M、機能N、機能X、機能Y及び機能Zの処理をシリアルに行う。機能Mは、第1のスイッチ11a及び第4のスイッチ11dがオンし、第1の機能ブロック45a及び第4の機能ブロック45dの組み合わせにより行われる機能処理であり、20W+40W=60Wの消費電力を有する。機能Nは、第2のスイッチ11bがオンし、第2の機能ブロック45bにより行われる機能処理であり、20Wの消費電力を有する。機能Xは、第3のスイッチ11c及び第4のスイッチ11dがオンし、第3の機能ブロック45c及び第4の機能ブロック45dの組み合わせにより行われる機能処理であり、30W+40W=70Wの消費電力を有する。機能Yは、第4のスイッチ11dがオンし、第4の機能ブロック45dにより行われる機能処理であり、40Wの消費電力を有する。機能Zは、第5のスイッチ11eがオンし、第5の機能ブロック45eにより行われる機能処理であり、5Wの消費電力を有する。
【0017】
マイコン44は、待機の処理が指定されると、機能Zの処理を行う。機能Zは、第5のスイッチ11eがオンし、第5の機能ブロック45eにより行われる機能処理であり、5Wの消費電力を有する。
【0018】
測定A及び測定Bの処理は、一定時間間隔で行われる処理である。待機の処理は、測定A及び測定Bの処理が行われていない期間で行われる待機状態の処理である。
【0019】
図3は、図2の測定Bの処理例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は電力を示す。電力13は、太陽電池1の出力可能な電力である。電力14は、測定Bの処理を行った場合の消費電力であり、期間12Mは機能Mの処理期間、期間12Nは機能Nの処理期間、期間12Xは機能Xの処理期間、期間12Yは機能Yの処理期間である。各期間12M、12N、12X及び12Yの間では、機能Zの処理が行われ、5Wの電力が消費される。消費電力14は、測定Bの処理中は大幅に変化し得る。期間15は、消費電力14が太陽電池1の出力可能な電力13より大きくなる期間である。期間15では、消費電力14が電力13より大きくなるため、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低くなり、コンパレータ43はハイレベルの切替信号S3を出力する。その結果、期間15では出力ノードOUTが二次電池3に接続され、期間15以外の期間では出力ノードOUTが太陽電池1に接続される。すると、図3の場合、例えば10回の接続の切り替えが行われる。接続の切り替え回数が多くなると、二次電池3の充放電回数が多くなり、二次電池3の劣化により寿命が短くなる。そこで、以下、二次電池3の充放電回数を減らし、充放電による二次電池3の劣化を抑制することができる第1〜第3の実施形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図5は、第1の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。図5の電源切替装置は、図1の電源切替装置に対して、基準電圧生成回路42及びコンパレータ43を削除し、照度センサ5及び記憶部46を追加したものである。太陽電池1は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、出力電圧S1を出力する。二次電池3は、充電制御回路2を介して太陽電池1の電気エネルギーを充電し、充電制御回路2を介して出力電圧S2を出力する。機器制御基板4は、電源切替回路(電源切替手段)41、マイコン44、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45e、記憶部46、及び第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを有する。処理ブロックは、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eを有し、太陽電池1又は二次電池3に接続され、マイコン44により指定された処理を行う。処理の種類は、例えば、図2に示す測定A、測定B及び待機の処理である。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、それぞれ第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTに接続される。
【0021】
本実施形態の電源切替装置は図2の消費電力を有し、図2の説明は上記と同様である。記憶部46は、図2の対応関係の消費電力を記憶する。具体的には、記憶部46は、複数の機能M、機能N、機能X、機能Y、機能Zの処理の各々の消費電力を記憶する。照度センサ5は、照度を検出し、検出した照度をマイコン44に出力する。マイコン(電力検出手段)44は、照度センサ5により検出された照度を基に現在の太陽電池1の出力可能な電力を検出する。具体的には、マイコン44は、照度を基に計算式により電力を演算する。また、マイコン44は、図2に示す測定A、測定B及び待機の処理の中の指定された処理の実行を制御する。マイコン44は、マイコン44により検出された電力と、記憶部46に記憶されている処理の中の指定された処理の最大消費電力とを比較する。そして、マイコン44は、マイコン44により検出された電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときにはローレベルの切替信号S4を出力し、マイコン44により検出された電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときにはハイレベルの切替信号S4を出力する。電源切替回路41は、切替信号S4に応じて、出力ノードOUTを太陽電池1及び二次電池3のいずれかに接続する。具体的には、電源切替回路41は、切替信号S4がローレベルのときには太陽電池1を出力ノードOUTに接続し、切替信号S4がハイレベルのときには二次電池3を出力ノードOUTに接続する。次に、マイコン44は、指定された処理に応じて、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eをオン/オフ制御する。次に、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTから電圧が供給されると、所定の機能処理を行う。指定された処理の実行中は、電源切替回路41は接続の切り替えを行わない。
【0022】
図4は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示す図であり、図2の測定Bの処理例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は電力を示す。電力13は、マイコン44が照度センサ5を用いて検出した太陽電池1の出力可能な電力である。電力14は、測定Bの処理を行った場合の消費電力であり、期間12Mは機能Mの処理期間、期間12Nは機能Nの処理期間、期間12Xは機能Xの処理期間、期間12Yは機能Yの処理期間である。各期間12M、12N、12X及び12Yの間では、機能Zの処理が行われ、5Wの電力が消費される。
【0023】
マイコン44は、測定Bの処理開始が指示されると、まず、記憶部46を参照し、指定された測定Bの処理の最大消費電力17を求める。例えば、測定Bの処理は、期間12Mの機能M、期間12Nの機能N、期間12Xの機能X、期間12Yの機能Y、及び機能Zの処理を有し、その中の最大消費電力は期間12Xの機能Xの70Wの消費電力17である。次に、マイコン44は、照度センサ5を用いて太陽電池1の出力可能な電力13を検出する。次に、マイコン44は、太陽電池1の出力可能な電力13と、指定された測定Bの処理の最大消費電力17を比較する。この場合、太陽電池1の出力可能な電力13は、測定Bの処理の最大消費電力17より小さいので、マイコン44はハイレベルの切替信号S4を出力する。次に、電源切替回路41は、ハイレベルの切替信号S4を入力すると、出力ノードOUTへの接続を太陽電池1から二次電池3に切り替える。次に、マイコン44は、指定された測定Bの処理に応じて、スイッチ11a〜11eを制御する。機能ブロック45a〜45eは、それぞれスイッチ11a〜11eを介して電圧が供給されると、期間12Mの機能M、期間12Nの機能N、期間12Xの機能X、及び期間12Yの機能Yの処理をシリアルに行う。指定された測定Bの処理の実行中は、電源切替回路41は接続の切り替えを行わない。期間16は、二次電池3が出力ノードOUTに接続されている期間であり、測定Bの処理実行期間を含む。期間16では出力ノードOUTが二次電池3に接続され、期間16以外の期間では出力ノードOUTが太陽電池1に接続される。測定Bの処理実行中は、出力ノードOUTが二次電池3に接続される。これに対し、測定Bの処理の期間16の前後の期間は、待機の処理のため、最大消費電力(5W)が小さく、出力ノードOUTが太陽電池1に接続される。その結果、測定Bの処理実行中、電源切替回路41は接続の切り替えを行わないので、本実施形態は、図3の場合に比べ、接続の切り替え回数が少なくなり、二次電池3の充放電回数が少なくなり、二次電池3の寿命を長くすることができる。また、期間16では、二次電池3を出力ノードOUTに接続することにより、太陽電池1の出力電力不足による測定Bの処理エラーを防止することができる。
【0024】
図6は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。マイコン44は、測定A及び測定Bの処理を所定時間間隔で定期的に行い、測定A及び測定Bの処理期間以外の期間では待機の処理を行う。処理の種類は、例えば、測定A、測定B及び待機の処理である。これらの処理の中のいずれかの処理の開始が指示されると、マイコン44は、図6の処理を開始する。
【0025】
まず、ステップ100では、マイコン44は、記憶部46から各機能ブロック45a〜45eの消費電力(図2)を読み込む。
【0026】
次に、ステップ101では、マイコン44は、指定された処理に関し、記憶部46から同時に使用する機能ブロック45a〜45eの組み合わせ情報を読み込む。例えば、図2に示すように、測定Bは、機能M、機能N、機能X、機能Y及び機能Zを有する。マイコン44は、機能Mが第1の機能ブロック45a及び第4の機能ブロック45dの組み合わせである旨の情報、並びに機能Xが第3の機能ブロック45c及び第4の機能ブロック45dの組み合わせである旨の情報を記憶部46から読み込む。
【0027】
次に、ステップ102では、マイコン44は、指定された処理に関し、各機能ブロック45a〜45eの組み合わせ毎の消費電力の比較を行い、最大消費電力を求める。すなわち、マイコン44は、指定された処理に含まれる機能M〜機能Zの消費電力の比較を行い、最大消費電力を求める。例えば、図2に示すように、マイコン44は、測定Bの処理に含まれる機能Mの消費電力60W、機能Nの消費電力20W、機能Xの消費電力70W、機能Yの消費電力40W及び機能Zの消費電力5Wを比較し、その中の最大消費電力70Wを求める。
【0028】
次に、ステップ103では、マイコン44は、照度センサ5から照度データを取得する。
【0029】
次に、ステップ104では、マイコン44は、照度センサ5から取得した照度データを基に、太陽電池1の出力可能な電力(発電電力)を計算する。
【0030】
次に、ステップ105では、マイコン44は、ステップ104で計算した太陽電池1の出力可能な電力を変数OutAに設定し、ステップ102で求めた最大消費電力を変数InAに設定する。
【0031】
次に、ステップ106では、マイコン44は、太陽電池1の出力可能な電力OutAが最大消費電力InA以下であるか否かを判断する。太陽電池1の出力可能な電力OutAが最大消費電力InA以下であるときにはステップ107に進み、最大消費電力InAより大きいときにはステップ108に進む。
【0032】
ステップ108では、太陽電池1の出力可能な電力で処理可能であるため、マイコン44は、ローレベルの切替信号S4を電源切替回路41に出力する。すると、電源切替回路41は、太陽電池1を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ109に進む。
【0033】
ステップ107では、太陽電池1の出力可能な電力で処理できないため、マイコン44は、ハイレベルの切替信号S4を電源切替回路41に出力する。すると、電源切替回路41は、充電制御回路2を介して二次電池3を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ109に進む。
【0034】
ステップ109では、マイコン44は、指定された処理を開始する。具体的には、マイコン44は、指定された処理に応じてスイッチ11a〜11eをオン/オフ制御する。例えば、測定Bの処理が指定された場合、まず、マイコン44は、機能Mを実行するため、第1のスイッチ11a及び第4のスイッチ11dをオンにし、その他のスイッチ11b、11c、11eをオフにする。すると、第1の機能ブロック45a及び第4の機能ブロック45dは、第1のスイッチ11a及び第4のスイッチ11dを介して電圧の供給を受け、機能Mの処理を実行する。次に、マイコン44は、機能Nを実行するため、第2のスイッチ11bをオンにし、その他のスイッチ11a、11c〜11eをオフにする。すると、第2の機能ブロック45bは、第2のスイッチ11bを介して電圧の供給を受け、機能Nの処理を実行する。次に、マイコン44は、機能Xを実行するため、第3のスイッチ11c及び第4のスイッチ11dをオンにし、その他のスイッチ11a、11b、11eをオフにする。すると、第3の機能ブロック45c及び第4の機能ブロック45dは、第3のスイッチ11c及び第4のスイッチ11dを介して電圧の供給を受け、機能Xの処理を実行する。次に、マイコン44は、機能Yを実行するため、第4のスイッチ11dをオンにし、その他のスイッチ11a〜11c、11eをオフにする。すると、第4の機能ブロック45dは、第4のスイッチ11dを介して電圧の供給を受け、機能Yの処理を実行する。以上で、指定された処理が終了する。
【0035】
なお、測定Bの処理の指定後は、通常、待機の処理が指定される。待機の処理が指定された場合も、図6の処理を行う。待機の処理が指定されたときには、図2に示すように、最大消費電力が5Wと小さいため、晴天時であれば照度センサ5の照度が大きいので、太陽電池1が出力ノードOUTに接続され、第5の機能ブロック45eにより機能Zの処理が行われる。
【0036】
本実施形態によれば、二次電池3の充放電回数を減らすことができ、二次電池3の劣化を抑制することができる。また、二次電池3を削除した場合には、太陽電池1は、発電電力が消費電力より小さくならないように十分大きな電力を供給する太陽電池を使用する必要がある。これに対し、本実施形態によれば、十分大きな電力を供給できない太陽電池1の使用が可能となる。そのため、環境によって変化する太陽電池1の出力電力を有効利用し、低コスト化ができる。
【0037】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。図7の電源切替装置は、図5の電源切替装置に対して、基準電圧生成回路42、コンパレータ43、ラッチ回路47及び論理和(OR)回路48を追加したものである。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0038】
基準電圧生成回路42は、基準電圧Vrを生成する。コンパレータ43は、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrを比較し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときにはローレベルの切替信号S3を出力し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低いときにはハイレベルの切替信号S3を出力する。ラッチ回路47は、コンパレータ43の出力端子に接続され、切替信号S3がローレベルからハイレベルに変化するタイミングでハイレベルの切替信号S5をラッチして保持する。すなわち、ラッチ回路47は、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrに対して高い値から低い値に変化するタイミングで太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低くなった情報をラッチし、ラッチした情報を保持する。切替信号S3がローレベルからハイレベルに変化すると、切替信号S5もローレベルからハイレベルに変化する。その後、切替信号S3がハイレベルからローレベルに変化したとしても、切替信号S5はハイレベルを維持する。マイコン44は、切替信号S5を読み出し、ラッチ回路47をリセット可能である。論理和回路48は、マイコン44が出力する切替信号S4及びラッチ回路47が出力する切替信号S5の論理和信号を切替信号S6として電源切替回路41に出力する。ここで、ハイレベルを1とし、ローレベルを0とし、論理和信号が出力される。すなわち、切替信号S4及びS5の両方がローレベルのときに切替信号S6はローレベルとなり、それ以外の場合では切替信号S6はハイレベルになる。電源切替回路41は、切替信号S6に応じて、出力ノードOUTを太陽電池1及び二次電池3のいずれかに接続する。具体的には、電源切替回路41は、切替信号S6がローレベルのときには太陽電池1を出力ノードOUTに接続し、切替信号S6がハイレベルのときには二次電池3を出力ノードOUTに接続する。マイコン44は、指定された処理に応じて、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eをオン/オフ制御する。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTから電圧が供給されると、所定の機能処理を行う。
【0039】
第1の実施形態で説明したように、マイコン44は、図6において、ステップ109の測定B等の処理の前に、ステップ106で太陽電池1の出力可能な電力OutAと最大消費電力InAとを比較する。これに対し、コンパレータ43は、常時、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrとを比較する。これにより、論理和回路48の出力信号S6がローレベルであり、太陽電池1が出力ノードOUTに接続され、測定B等の処理が開始された場合でも、測定Bの処理の実行中に、ラッチ回路47が出力する切替信号S5がローレベルからハイレベルに変化すると、出力ノードOUTへの接続は太陽電池1から二次電池3に切り替わる。例えば、測定B等の処理開始時には、晴天であるために出力ノードOUTが太陽電池1に接続された場合でも、その後の測定B等の処理の実行中に、雨天になると、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrよりも低くなり、出力ノードOUTは二次電池3に接続される。このように、出力ノードOUTが太陽電池1に接続中に、天候の急変化等により瞬間的に太陽電池1の出力電圧S1が低下した場合、出力ノードOUTを二次電池3に接続することにより、測定B等の処理を継続させることができる。
【0040】
図8は、本実施形態によるマイコン44の処理例を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、図6のフローチャートに対して、ステップ107〜109の代わりにステップ501〜505を設けたものである。以下、図8が図6と異なる点を説明する。ステップ100〜106は、図6の説明と同じである。
【0041】
ステップ106では、マイコン44は、太陽電池1の出力可能な電力OutAが最大消費電力InA以下であるか否かを判断する。最大消費電力InA以下であるときにはステップ505に進み、最大消費電力InAより大きいときにはステップ501に進む。
【0042】
ステップ501では、マイコン44は、ラッチ回路47が出力している切替信号S5を読み出し、リード値RDとして設定する。
【0043】
次に、ステップ502では、マイコン44は、リード値RDがハイレベルか否かを判断する。リード値RDがハイレベルであるときにはステップ503に進み、リード値RDがローレベルであるときにはステップ504へ進む。
【0044】
ステップ503では、マイコン44は、ラッチ回路47をローレベルにクリアする。これにより、ラッチ回路47が出力する切替信号S5は、ローレベルになる。その後、ステップ504へ進む。
【0045】
ステップ504では、太陽電池1の出力可能な電力で処理可能であるため、マイコン44は、ローレベルの切替信号S4を論理和回路48に出力する。その後、マイコン44の処理は終了し、後述の図9の処理に移る。
【0046】
ステップ505では、太陽電池1の出力可能な電力で処理できないため、マイコン44は、ハイレベルの切替信号S4を論理和回路48に出力する。その後、マイコン44の処理は終了し、後述の図9の処理に移る。
【0047】
図9は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートであり、図8のマイコン44の処理以外の処理を示す。図9の処理は、常時、繰り返しのループ処理として実行される。
【0048】
まず、ステップ300では、基準電圧生成回路42は、基準電圧Vrをコンパレータ43に出力する。
【0049】
次に、ステップ301では、太陽電池1は、出力電圧S1をコンパレータ43に出力する。
【0050】
次に、ステップ302では、コンパレータ43は、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrとを比較し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときにはローレベルの切替信号S3をラッチ回路47に出力し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低いときにはハイレベルの切替信号S3をラッチ回路47に出力する。ラッチ回路47は、上記のように、切替信号S3がローレベルからハイレベルに変化するタイミングでハイレベルの切替信号S5をラッチして保持する。
【0051】
次に、ステップ303では、論理和回路48は、ラッチ回路47が出力する切替信号S5及びマイコン44が出力する切替信号S4を入力し、切替信号S4及びS5の論理和信号を切替信号S6として出力する。なお、切替信号S4は、図8の処理によりレベルが確定する。
【0052】
次に、ステップ304では、電源切替回路41は、論理和回路48が出力する切替信号S6を入力する。
【0053】
次に、ステップ305では、電源切替回路41は、切替信号S6がハイレベルであるときにはステップ306へ進み、切替信号S6がローレベルであるときにはステップ307へ進む。
【0054】
ステップ307では、太陽電池1の出力可能な電力で処理可能であるため、電源切替回路41は、太陽電池1を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ308に進む。
【0055】
ステップ306では、太陽電池1の出力可能な電力で処理できないため、電源切替回路41は、充電制御回路2を介して二次電池3を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ308に進む。
【0056】
ステップ308では、図6のステップ109と同様に、マイコン44は、指定された処理を開始する。具体的には、マイコン44は、指定された処理に応じてスイッチ11a〜11eをオン/オフ制御する。機能ブロック45a〜45eは、オンしたスイッチ11a〜11eから電圧の供給を受け、所定の機能処理を行う。以上で、指定された処理が終了する。
【0057】
本実施形態によれば、電源切替回路41は、検出された太陽電池1の出力可能な電力が指定された処理の最大消費電力より大きくかつ太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときには太陽電池1を所定の機能ブロック45a〜45eに接続し、それ以外のときには二次電池3を所定の機能ブロック45a〜45eに接続する。コンパレータ43の切替信号S3に基づく切り替えは、太陽電池1から二次電池3への切り替えのみ行う。コンパレータ43の比較は常時行われ、太陽電池1の接続中に、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより下がった場合に、太陽電池1の接続から二次電池3の接続に切り替わる。出力ノードOUTが太陽電池1に接続中に、天候の急変化等により瞬間的に太陽電池1の出力電圧S1が低下した場合、出力ノードOUTを二次電池3に接続することにより、測定B等の処理を継続させることができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。図10の電源切替装置は、図5の電源切替装置に対して、照度センサ5の代わりに負荷49及びスイッチ50を設けたものである。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。太陽電池1の出力端子は、スイッチ50を介して負荷49に接続される。スイッチ50は、マイコン44によりオン/オフ制御される。マイコン(電力検出手段)44は、スイッチ50をオンにし、太陽電池1の出力端子を負荷49に接続したときの太陽電池1の出力電圧S1を測定し、測定した出力電圧S1を基に太陽電池1の出力可能な電力を検出する。その後、マイコン44は、第1の実施形態と同様に、太陽電池1の出力可能な電力と最大消費電力を比較し、切替信号S4を電源切替回路41に出力する。電源切替回路41は、切替信号S4に応じて太陽電池1又は二次電池3の接続の切り替えを行う。
【0059】
図11は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。図11のフローチャートは、図6のフローチャートに対して、ステップ103及び104の代わりにステップ601及び602を設けたものである。以下、図11が図6と異なる点を説明する。ステップ100〜102は、図6の説明と同じである。
【0060】
ステップ102の後、ステップ601では、マイコン44は、スイッチ50をオンにし、太陽電池1を負荷49に接続し、太陽電池1の出力電圧S1を計測する。負荷49を接続すると、太陽電池1の出力可能な電力が小さい時は出力電圧S1が一気に下がり、出力可能な電力が大きい時には太陽電池1の出力電圧S1は解放電圧とほぼ同等の電圧となる。マイコン44は、太陽電池1の出力電圧S1を計測後、スイッチ50をオフにする。
【0061】
次に、ステップ602では、マイコン44は、計測した太陽電池1の出力電圧S1を基に太陽電池1の出力可能な電力を計算する。
【0062】
次に、ステップ105では、マイコン44は、ステップ602で計算した太陽電池1の出力可能な電力を変数OutAに設定し、ステップ102で求めた最大消費電力を変数InAに設定する。
【0063】
その後、ステップ106〜109の処理を行う。ステップ106〜109は、図6の説明と同じである。
【0064】
以上のように、第1の実施形態では、照度センサ5を基に太陽電池1の出力可能な電力を計算した。これに対し、第3の実施形態では、負荷49を太陽電池1に接続し、太陽電池1の出力電圧S1を計測し、太陽電池1の出力可能な電力を計算する。
【0065】
なお、太陽電池1を出力ノードOUTに接続中に、負荷49を太陽電池1に接続する場合もあるため、負荷49の抵抗値は大きいことが望ましい。負荷49は、例えば100Ω〜1kΩである。また、本実施形態は、第2の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0066】
以上のように、第1〜第3の実施形態によれば、指定された処理に応じて、図2の機能M〜機能Zの中の使用する機能の消費電力を計算し、その中の最大消費電力を求めることにより、出力ノードOUTに対して太陽電池1又は二次電池3を適切に接続することができる。マイコン(電力検出手段)44は、照度センサ5により検出された照度を基に太陽電池1の出力可能な電力を検出、又は太陽電池1の出力端子を負荷49に接続したときの太陽電池1の出力電圧S1を基に太陽電池1の出力可能な電力を検出する。電源切替回路41は、検出された太陽電池1の出力可能な電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときには太陽電池1を所定の機能ブロック45a〜45eに接続し、検出された太陽電池1の出力可能な電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときには二次電池3を所定の機能ブロック45a〜45eに接続する。これにより、太陽電池1のコストを抑え、太陽電池1の出力可能な電力を有効に活用することができる。また、二次電池1の充放電の回数を減らし、充放電による二次電池3の劣化を抑えることができる。具体的には、指定された処理の実行中に二次電池3から太陽電池1への接続の切り替えがなくなるので、二次電池3の充放電回数が減り、充放電による二次電池3の劣化を抑制することができる。
【0067】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 太陽電池
2 充電制御回路
3 二次電池
4 機器制御基板
5 照度センサ
11a〜11e スイッチ
41 電源切替回路
44 マイコン
45a〜45e 機能ブロック
46 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源切替方法及び電源切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、太陽電池と組み合わされ、電源システムとして利用されている。例えば、太陽電池の余剰電力を二次電池に充電させ、日照センサ若しくはタイマーの信号により二次電池と太陽電池とからの電源供給を切り替える電源切替制御回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、太陽電池の出力により浮動充電される二次電池とを設け、太陽電池の出力あるいは二次電池の出力により、電力供給を行うデータ収集装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、太陽電池パネルの余剰発電電力が電源部に設置された二次電池に蓄積され、負荷の電力不足時に二次電池から電力が供給されるシステムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、太陽電池パネルで発生された電力が、所定値以下になり、電力が不足した場合でも、予備電源として備えられた二次電池より電源回路へ電力が供給される電子機器が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録実用新案第3015047号公報
【特許文献2】特開平10−62207号公報
【特許文献3】特開2000−121629号公報
【特許文献4】特開2004−361512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、二次電池の充放電回数を減らし、充放電による二次電池の劣化を抑制することができる電源切替方法及び電源切替装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
電源切替方法は、処理ブロックに太陽電池又は二次電池を接続する電源切替方法であって、電力検出手段により前記太陽電池の出力可能な電力を検出し、電源切替手段により、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続する。
【発明の効果】
【0009】
指定された処理の実行中に二次電池から太陽電池への接続の切り替えがなくなるので、二次電池の充放電回数が減り、充放電による二次電池の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】参考技術による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の機能ブロック〜第5の機能ブロックの消費電力の例を示す図である。
【図3】図2の測定Bの処理例を示す図である。
【図4】第1の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示す図である。
【図5】第1の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図6】第1の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図8】第2の実施形態によるマイコンの処理例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。
【図11】第3の実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(参考技術)
図1は、参考技術による電源切替装置の構成例を示す図である。太陽電池1は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、出力電圧S1を出力する。二次電池3は、充電制御回路2を介して太陽電池1の電気エネルギーを充電し、充電制御回路2を介して出力電圧S2を出力する。出力電圧S2を使用すると、充電制御回路2は充電を停止する。機器制御基板4は、電源切替回路41、基準電圧生成回路42、コンパレータ43、マイコン44、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45e、及び第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを有する。
【0012】
基準電圧生成回路42は、基準電圧Vrを生成する。コンパレータ43は、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrを比較し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときにはローレベルの切替信号S3を出力し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低いときにはハイレベルの切替信号S3を出力する。電源切替回路41は、切替信号S3に応じて、出力ノードOUTを太陽電池1及び二次電池3のいずれかに接続する。具体的には、電源切替回路41は、切替信号S3がローレベルのときには太陽電池1を出力ノードOUTに接続し、切替信号S3がハイレベルのときには二次電池3を出力ノードOUTに接続する。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、それぞれ第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTに接続される。マイコン44は、指定された処理に応じて、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eをオン/オフ制御する。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTから電圧が供給されると、所定の機能処理を行う。
【0013】
図2は、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eの消費電力の例を示す図である。第1の機能ブロック45aが行う機能処理の消費電力は20Wである。第2の機能ブロック45bが行う機能処理の消費電力は20Wである。第3の機能ブロック45cが行う機能処理の消費電力は30Wである。第4の機能ブロック45dが行う機能処理の消費電力は40Wである。第5の機能ブロック45eが行う機能処理の消費電力は5Wである。各消費電力は、例えばデータシートの値を用いることができる。
【0014】
マイコン44は、指定された処理を行う。処理の種類は、例えば、測定A、測定B及び待機である。
【0015】
マイコン44は、測定Aの処理が指定されると、機能N、機能Y及び機能Zの処理をシリアルに行う。機能Nは、第2のスイッチ11bがオンし、第2の機能ブロック45bにより行われる機能処理であり、20Wの消費電力を有する。機能Yは、第4のスイッチ11dがオンし、第4の機能ブロック45dにより行われる機能処理であり、40Wの消費電力を有する。機能Zは、第5のスイッチ11eがオンし、第5の機能ブロック45eにより行われる機能処理であり、5Wの消費電力を有する。
【0016】
マイコン44は、測定Bの処理が指定されると、機能M、機能N、機能X、機能Y及び機能Zの処理をシリアルに行う。機能Mは、第1のスイッチ11a及び第4のスイッチ11dがオンし、第1の機能ブロック45a及び第4の機能ブロック45dの組み合わせにより行われる機能処理であり、20W+40W=60Wの消費電力を有する。機能Nは、第2のスイッチ11bがオンし、第2の機能ブロック45bにより行われる機能処理であり、20Wの消費電力を有する。機能Xは、第3のスイッチ11c及び第4のスイッチ11dがオンし、第3の機能ブロック45c及び第4の機能ブロック45dの組み合わせにより行われる機能処理であり、30W+40W=70Wの消費電力を有する。機能Yは、第4のスイッチ11dがオンし、第4の機能ブロック45dにより行われる機能処理であり、40Wの消費電力を有する。機能Zは、第5のスイッチ11eがオンし、第5の機能ブロック45eにより行われる機能処理であり、5Wの消費電力を有する。
【0017】
マイコン44は、待機の処理が指定されると、機能Zの処理を行う。機能Zは、第5のスイッチ11eがオンし、第5の機能ブロック45eにより行われる機能処理であり、5Wの消費電力を有する。
【0018】
測定A及び測定Bの処理は、一定時間間隔で行われる処理である。待機の処理は、測定A及び測定Bの処理が行われていない期間で行われる待機状態の処理である。
【0019】
図3は、図2の測定Bの処理例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は電力を示す。電力13は、太陽電池1の出力可能な電力である。電力14は、測定Bの処理を行った場合の消費電力であり、期間12Mは機能Mの処理期間、期間12Nは機能Nの処理期間、期間12Xは機能Xの処理期間、期間12Yは機能Yの処理期間である。各期間12M、12N、12X及び12Yの間では、機能Zの処理が行われ、5Wの電力が消費される。消費電力14は、測定Bの処理中は大幅に変化し得る。期間15は、消費電力14が太陽電池1の出力可能な電力13より大きくなる期間である。期間15では、消費電力14が電力13より大きくなるため、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低くなり、コンパレータ43はハイレベルの切替信号S3を出力する。その結果、期間15では出力ノードOUTが二次電池3に接続され、期間15以外の期間では出力ノードOUTが太陽電池1に接続される。すると、図3の場合、例えば10回の接続の切り替えが行われる。接続の切り替え回数が多くなると、二次電池3の充放電回数が多くなり、二次電池3の劣化により寿命が短くなる。そこで、以下、二次電池3の充放電回数を減らし、充放電による二次電池3の劣化を抑制することができる第1〜第3の実施形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図5は、第1の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。図5の電源切替装置は、図1の電源切替装置に対して、基準電圧生成回路42及びコンパレータ43を削除し、照度センサ5及び記憶部46を追加したものである。太陽電池1は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、出力電圧S1を出力する。二次電池3は、充電制御回路2を介して太陽電池1の電気エネルギーを充電し、充電制御回路2を介して出力電圧S2を出力する。機器制御基板4は、電源切替回路(電源切替手段)41、マイコン44、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45e、記憶部46、及び第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを有する。処理ブロックは、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eを有し、太陽電池1又は二次電池3に接続され、マイコン44により指定された処理を行う。処理の種類は、例えば、図2に示す測定A、測定B及び待機の処理である。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、それぞれ第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTに接続される。
【0021】
本実施形態の電源切替装置は図2の消費電力を有し、図2の説明は上記と同様である。記憶部46は、図2の対応関係の消費電力を記憶する。具体的には、記憶部46は、複数の機能M、機能N、機能X、機能Y、機能Zの処理の各々の消費電力を記憶する。照度センサ5は、照度を検出し、検出した照度をマイコン44に出力する。マイコン(電力検出手段)44は、照度センサ5により検出された照度を基に現在の太陽電池1の出力可能な電力を検出する。具体的には、マイコン44は、照度を基に計算式により電力を演算する。また、マイコン44は、図2に示す測定A、測定B及び待機の処理の中の指定された処理の実行を制御する。マイコン44は、マイコン44により検出された電力と、記憶部46に記憶されている処理の中の指定された処理の最大消費電力とを比較する。そして、マイコン44は、マイコン44により検出された電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときにはローレベルの切替信号S4を出力し、マイコン44により検出された電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときにはハイレベルの切替信号S4を出力する。電源切替回路41は、切替信号S4に応じて、出力ノードOUTを太陽電池1及び二次電池3のいずれかに接続する。具体的には、電源切替回路41は、切替信号S4がローレベルのときには太陽電池1を出力ノードOUTに接続し、切替信号S4がハイレベルのときには二次電池3を出力ノードOUTに接続する。次に、マイコン44は、指定された処理に応じて、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eをオン/オフ制御する。次に、第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTから電圧が供給されると、所定の機能処理を行う。指定された処理の実行中は、電源切替回路41は接続の切り替えを行わない。
【0022】
図4は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示す図であり、図2の測定Bの処理例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は電力を示す。電力13は、マイコン44が照度センサ5を用いて検出した太陽電池1の出力可能な電力である。電力14は、測定Bの処理を行った場合の消費電力であり、期間12Mは機能Mの処理期間、期間12Nは機能Nの処理期間、期間12Xは機能Xの処理期間、期間12Yは機能Yの処理期間である。各期間12M、12N、12X及び12Yの間では、機能Zの処理が行われ、5Wの電力が消費される。
【0023】
マイコン44は、測定Bの処理開始が指示されると、まず、記憶部46を参照し、指定された測定Bの処理の最大消費電力17を求める。例えば、測定Bの処理は、期間12Mの機能M、期間12Nの機能N、期間12Xの機能X、期間12Yの機能Y、及び機能Zの処理を有し、その中の最大消費電力は期間12Xの機能Xの70Wの消費電力17である。次に、マイコン44は、照度センサ5を用いて太陽電池1の出力可能な電力13を検出する。次に、マイコン44は、太陽電池1の出力可能な電力13と、指定された測定Bの処理の最大消費電力17を比較する。この場合、太陽電池1の出力可能な電力13は、測定Bの処理の最大消費電力17より小さいので、マイコン44はハイレベルの切替信号S4を出力する。次に、電源切替回路41は、ハイレベルの切替信号S4を入力すると、出力ノードOUTへの接続を太陽電池1から二次電池3に切り替える。次に、マイコン44は、指定された測定Bの処理に応じて、スイッチ11a〜11eを制御する。機能ブロック45a〜45eは、それぞれスイッチ11a〜11eを介して電圧が供給されると、期間12Mの機能M、期間12Nの機能N、期間12Xの機能X、及び期間12Yの機能Yの処理をシリアルに行う。指定された測定Bの処理の実行中は、電源切替回路41は接続の切り替えを行わない。期間16は、二次電池3が出力ノードOUTに接続されている期間であり、測定Bの処理実行期間を含む。期間16では出力ノードOUTが二次電池3に接続され、期間16以外の期間では出力ノードOUTが太陽電池1に接続される。測定Bの処理実行中は、出力ノードOUTが二次電池3に接続される。これに対し、測定Bの処理の期間16の前後の期間は、待機の処理のため、最大消費電力(5W)が小さく、出力ノードOUTが太陽電池1に接続される。その結果、測定Bの処理実行中、電源切替回路41は接続の切り替えを行わないので、本実施形態は、図3の場合に比べ、接続の切り替え回数が少なくなり、二次電池3の充放電回数が少なくなり、二次電池3の寿命を長くすることができる。また、期間16では、二次電池3を出力ノードOUTに接続することにより、太陽電池1の出力電力不足による測定Bの処理エラーを防止することができる。
【0024】
図6は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。マイコン44は、測定A及び測定Bの処理を所定時間間隔で定期的に行い、測定A及び測定Bの処理期間以外の期間では待機の処理を行う。処理の種類は、例えば、測定A、測定B及び待機の処理である。これらの処理の中のいずれかの処理の開始が指示されると、マイコン44は、図6の処理を開始する。
【0025】
まず、ステップ100では、マイコン44は、記憶部46から各機能ブロック45a〜45eの消費電力(図2)を読み込む。
【0026】
次に、ステップ101では、マイコン44は、指定された処理に関し、記憶部46から同時に使用する機能ブロック45a〜45eの組み合わせ情報を読み込む。例えば、図2に示すように、測定Bは、機能M、機能N、機能X、機能Y及び機能Zを有する。マイコン44は、機能Mが第1の機能ブロック45a及び第4の機能ブロック45dの組み合わせである旨の情報、並びに機能Xが第3の機能ブロック45c及び第4の機能ブロック45dの組み合わせである旨の情報を記憶部46から読み込む。
【0027】
次に、ステップ102では、マイコン44は、指定された処理に関し、各機能ブロック45a〜45eの組み合わせ毎の消費電力の比較を行い、最大消費電力を求める。すなわち、マイコン44は、指定された処理に含まれる機能M〜機能Zの消費電力の比較を行い、最大消費電力を求める。例えば、図2に示すように、マイコン44は、測定Bの処理に含まれる機能Mの消費電力60W、機能Nの消費電力20W、機能Xの消費電力70W、機能Yの消費電力40W及び機能Zの消費電力5Wを比較し、その中の最大消費電力70Wを求める。
【0028】
次に、ステップ103では、マイコン44は、照度センサ5から照度データを取得する。
【0029】
次に、ステップ104では、マイコン44は、照度センサ5から取得した照度データを基に、太陽電池1の出力可能な電力(発電電力)を計算する。
【0030】
次に、ステップ105では、マイコン44は、ステップ104で計算した太陽電池1の出力可能な電力を変数OutAに設定し、ステップ102で求めた最大消費電力を変数InAに設定する。
【0031】
次に、ステップ106では、マイコン44は、太陽電池1の出力可能な電力OutAが最大消費電力InA以下であるか否かを判断する。太陽電池1の出力可能な電力OutAが最大消費電力InA以下であるときにはステップ107に進み、最大消費電力InAより大きいときにはステップ108に進む。
【0032】
ステップ108では、太陽電池1の出力可能な電力で処理可能であるため、マイコン44は、ローレベルの切替信号S4を電源切替回路41に出力する。すると、電源切替回路41は、太陽電池1を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ109に進む。
【0033】
ステップ107では、太陽電池1の出力可能な電力で処理できないため、マイコン44は、ハイレベルの切替信号S4を電源切替回路41に出力する。すると、電源切替回路41は、充電制御回路2を介して二次電池3を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ109に進む。
【0034】
ステップ109では、マイコン44は、指定された処理を開始する。具体的には、マイコン44は、指定された処理に応じてスイッチ11a〜11eをオン/オフ制御する。例えば、測定Bの処理が指定された場合、まず、マイコン44は、機能Mを実行するため、第1のスイッチ11a及び第4のスイッチ11dをオンにし、その他のスイッチ11b、11c、11eをオフにする。すると、第1の機能ブロック45a及び第4の機能ブロック45dは、第1のスイッチ11a及び第4のスイッチ11dを介して電圧の供給を受け、機能Mの処理を実行する。次に、マイコン44は、機能Nを実行するため、第2のスイッチ11bをオンにし、その他のスイッチ11a、11c〜11eをオフにする。すると、第2の機能ブロック45bは、第2のスイッチ11bを介して電圧の供給を受け、機能Nの処理を実行する。次に、マイコン44は、機能Xを実行するため、第3のスイッチ11c及び第4のスイッチ11dをオンにし、その他のスイッチ11a、11b、11eをオフにする。すると、第3の機能ブロック45c及び第4の機能ブロック45dは、第3のスイッチ11c及び第4のスイッチ11dを介して電圧の供給を受け、機能Xの処理を実行する。次に、マイコン44は、機能Yを実行するため、第4のスイッチ11dをオンにし、その他のスイッチ11a〜11c、11eをオフにする。すると、第4の機能ブロック45dは、第4のスイッチ11dを介して電圧の供給を受け、機能Yの処理を実行する。以上で、指定された処理が終了する。
【0035】
なお、測定Bの処理の指定後は、通常、待機の処理が指定される。待機の処理が指定された場合も、図6の処理を行う。待機の処理が指定されたときには、図2に示すように、最大消費電力が5Wと小さいため、晴天時であれば照度センサ5の照度が大きいので、太陽電池1が出力ノードOUTに接続され、第5の機能ブロック45eにより機能Zの処理が行われる。
【0036】
本実施形態によれば、二次電池3の充放電回数を減らすことができ、二次電池3の劣化を抑制することができる。また、二次電池3を削除した場合には、太陽電池1は、発電電力が消費電力より小さくならないように十分大きな電力を供給する太陽電池を使用する必要がある。これに対し、本実施形態によれば、十分大きな電力を供給できない太陽電池1の使用が可能となる。そのため、環境によって変化する太陽電池1の出力電力を有効利用し、低コスト化ができる。
【0037】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。図7の電源切替装置は、図5の電源切替装置に対して、基準電圧生成回路42、コンパレータ43、ラッチ回路47及び論理和(OR)回路48を追加したものである。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0038】
基準電圧生成回路42は、基準電圧Vrを生成する。コンパレータ43は、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrを比較し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときにはローレベルの切替信号S3を出力し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低いときにはハイレベルの切替信号S3を出力する。ラッチ回路47は、コンパレータ43の出力端子に接続され、切替信号S3がローレベルからハイレベルに変化するタイミングでハイレベルの切替信号S5をラッチして保持する。すなわち、ラッチ回路47は、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrに対して高い値から低い値に変化するタイミングで太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低くなった情報をラッチし、ラッチした情報を保持する。切替信号S3がローレベルからハイレベルに変化すると、切替信号S5もローレベルからハイレベルに変化する。その後、切替信号S3がハイレベルからローレベルに変化したとしても、切替信号S5はハイレベルを維持する。マイコン44は、切替信号S5を読み出し、ラッチ回路47をリセット可能である。論理和回路48は、マイコン44が出力する切替信号S4及びラッチ回路47が出力する切替信号S5の論理和信号を切替信号S6として電源切替回路41に出力する。ここで、ハイレベルを1とし、ローレベルを0とし、論理和信号が出力される。すなわち、切替信号S4及びS5の両方がローレベルのときに切替信号S6はローレベルとなり、それ以外の場合では切替信号S6はハイレベルになる。電源切替回路41は、切替信号S6に応じて、出力ノードOUTを太陽電池1及び二次電池3のいずれかに接続する。具体的には、電源切替回路41は、切替信号S6がローレベルのときには太陽電池1を出力ノードOUTに接続し、切替信号S6がハイレベルのときには二次電池3を出力ノードOUTに接続する。マイコン44は、指定された処理に応じて、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eをオン/オフ制御する。第1の機能ブロック45a〜第5の機能ブロック45eは、第1のスイッチ11a〜第5のスイッチ11eを介して出力ノードOUTから電圧が供給されると、所定の機能処理を行う。
【0039】
第1の実施形態で説明したように、マイコン44は、図6において、ステップ109の測定B等の処理の前に、ステップ106で太陽電池1の出力可能な電力OutAと最大消費電力InAとを比較する。これに対し、コンパレータ43は、常時、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrとを比較する。これにより、論理和回路48の出力信号S6がローレベルであり、太陽電池1が出力ノードOUTに接続され、測定B等の処理が開始された場合でも、測定Bの処理の実行中に、ラッチ回路47が出力する切替信号S5がローレベルからハイレベルに変化すると、出力ノードOUTへの接続は太陽電池1から二次電池3に切り替わる。例えば、測定B等の処理開始時には、晴天であるために出力ノードOUTが太陽電池1に接続された場合でも、その後の測定B等の処理の実行中に、雨天になると、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrよりも低くなり、出力ノードOUTは二次電池3に接続される。このように、出力ノードOUTが太陽電池1に接続中に、天候の急変化等により瞬間的に太陽電池1の出力電圧S1が低下した場合、出力ノードOUTを二次電池3に接続することにより、測定B等の処理を継続させることができる。
【0040】
図8は、本実施形態によるマイコン44の処理例を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、図6のフローチャートに対して、ステップ107〜109の代わりにステップ501〜505を設けたものである。以下、図8が図6と異なる点を説明する。ステップ100〜106は、図6の説明と同じである。
【0041】
ステップ106では、マイコン44は、太陽電池1の出力可能な電力OutAが最大消費電力InA以下であるか否かを判断する。最大消費電力InA以下であるときにはステップ505に進み、最大消費電力InAより大きいときにはステップ501に進む。
【0042】
ステップ501では、マイコン44は、ラッチ回路47が出力している切替信号S5を読み出し、リード値RDとして設定する。
【0043】
次に、ステップ502では、マイコン44は、リード値RDがハイレベルか否かを判断する。リード値RDがハイレベルであるときにはステップ503に進み、リード値RDがローレベルであるときにはステップ504へ進む。
【0044】
ステップ503では、マイコン44は、ラッチ回路47をローレベルにクリアする。これにより、ラッチ回路47が出力する切替信号S5は、ローレベルになる。その後、ステップ504へ進む。
【0045】
ステップ504では、太陽電池1の出力可能な電力で処理可能であるため、マイコン44は、ローレベルの切替信号S4を論理和回路48に出力する。その後、マイコン44の処理は終了し、後述の図9の処理に移る。
【0046】
ステップ505では、太陽電池1の出力可能な電力で処理できないため、マイコン44は、ハイレベルの切替信号S4を論理和回路48に出力する。その後、マイコン44の処理は終了し、後述の図9の処理に移る。
【0047】
図9は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートであり、図8のマイコン44の処理以外の処理を示す。図9の処理は、常時、繰り返しのループ処理として実行される。
【0048】
まず、ステップ300では、基準電圧生成回路42は、基準電圧Vrをコンパレータ43に出力する。
【0049】
次に、ステップ301では、太陽電池1は、出力電圧S1をコンパレータ43に出力する。
【0050】
次に、ステップ302では、コンパレータ43は、太陽電池1の出力電圧S1と基準電圧Vrとを比較し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときにはローレベルの切替信号S3をラッチ回路47に出力し、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより低いときにはハイレベルの切替信号S3をラッチ回路47に出力する。ラッチ回路47は、上記のように、切替信号S3がローレベルからハイレベルに変化するタイミングでハイレベルの切替信号S5をラッチして保持する。
【0051】
次に、ステップ303では、論理和回路48は、ラッチ回路47が出力する切替信号S5及びマイコン44が出力する切替信号S4を入力し、切替信号S4及びS5の論理和信号を切替信号S6として出力する。なお、切替信号S4は、図8の処理によりレベルが確定する。
【0052】
次に、ステップ304では、電源切替回路41は、論理和回路48が出力する切替信号S6を入力する。
【0053】
次に、ステップ305では、電源切替回路41は、切替信号S6がハイレベルであるときにはステップ306へ進み、切替信号S6がローレベルであるときにはステップ307へ進む。
【0054】
ステップ307では、太陽電池1の出力可能な電力で処理可能であるため、電源切替回路41は、太陽電池1を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ308に進む。
【0055】
ステップ306では、太陽電池1の出力可能な電力で処理できないため、電源切替回路41は、充電制御回路2を介して二次電池3を出力ノードOUTに接続する。その後、ステップ308に進む。
【0056】
ステップ308では、図6のステップ109と同様に、マイコン44は、指定された処理を開始する。具体的には、マイコン44は、指定された処理に応じてスイッチ11a〜11eをオン/オフ制御する。機能ブロック45a〜45eは、オンしたスイッチ11a〜11eから電圧の供給を受け、所定の機能処理を行う。以上で、指定された処理が終了する。
【0057】
本実施形態によれば、電源切替回路41は、検出された太陽電池1の出力可能な電力が指定された処理の最大消費電力より大きくかつ太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより高いときには太陽電池1を所定の機能ブロック45a〜45eに接続し、それ以外のときには二次電池3を所定の機能ブロック45a〜45eに接続する。コンパレータ43の切替信号S3に基づく切り替えは、太陽電池1から二次電池3への切り替えのみ行う。コンパレータ43の比較は常時行われ、太陽電池1の接続中に、太陽電池1の出力電圧S1が基準電圧Vrより下がった場合に、太陽電池1の接続から二次電池3の接続に切り替わる。出力ノードOUTが太陽電池1に接続中に、天候の急変化等により瞬間的に太陽電池1の出力電圧S1が低下した場合、出力ノードOUTを二次電池3に接続することにより、測定B等の処理を継続させることができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態による電源切替装置の構成例を示す図である。図10の電源切替装置は、図5の電源切替装置に対して、照度センサ5の代わりに負荷49及びスイッチ50を設けたものである。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。太陽電池1の出力端子は、スイッチ50を介して負荷49に接続される。スイッチ50は、マイコン44によりオン/オフ制御される。マイコン(電力検出手段)44は、スイッチ50をオンにし、太陽電池1の出力端子を負荷49に接続したときの太陽電池1の出力電圧S1を測定し、測定した出力電圧S1を基に太陽電池1の出力可能な電力を検出する。その後、マイコン44は、第1の実施形態と同様に、太陽電池1の出力可能な電力と最大消費電力を比較し、切替信号S4を電源切替回路41に出力する。電源切替回路41は、切替信号S4に応じて太陽電池1又は二次電池3の接続の切り替えを行う。
【0059】
図11は、本実施形態による電源切替装置の電源切替方法の処理例を示すフローチャートである。図11のフローチャートは、図6のフローチャートに対して、ステップ103及び104の代わりにステップ601及び602を設けたものである。以下、図11が図6と異なる点を説明する。ステップ100〜102は、図6の説明と同じである。
【0060】
ステップ102の後、ステップ601では、マイコン44は、スイッチ50をオンにし、太陽電池1を負荷49に接続し、太陽電池1の出力電圧S1を計測する。負荷49を接続すると、太陽電池1の出力可能な電力が小さい時は出力電圧S1が一気に下がり、出力可能な電力が大きい時には太陽電池1の出力電圧S1は解放電圧とほぼ同等の電圧となる。マイコン44は、太陽電池1の出力電圧S1を計測後、スイッチ50をオフにする。
【0061】
次に、ステップ602では、マイコン44は、計測した太陽電池1の出力電圧S1を基に太陽電池1の出力可能な電力を計算する。
【0062】
次に、ステップ105では、マイコン44は、ステップ602で計算した太陽電池1の出力可能な電力を変数OutAに設定し、ステップ102で求めた最大消費電力を変数InAに設定する。
【0063】
その後、ステップ106〜109の処理を行う。ステップ106〜109は、図6の説明と同じである。
【0064】
以上のように、第1の実施形態では、照度センサ5を基に太陽電池1の出力可能な電力を計算した。これに対し、第3の実施形態では、負荷49を太陽電池1に接続し、太陽電池1の出力電圧S1を計測し、太陽電池1の出力可能な電力を計算する。
【0065】
なお、太陽電池1を出力ノードOUTに接続中に、負荷49を太陽電池1に接続する場合もあるため、負荷49の抵抗値は大きいことが望ましい。負荷49は、例えば100Ω〜1kΩである。また、本実施形態は、第2の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0066】
以上のように、第1〜第3の実施形態によれば、指定された処理に応じて、図2の機能M〜機能Zの中の使用する機能の消費電力を計算し、その中の最大消費電力を求めることにより、出力ノードOUTに対して太陽電池1又は二次電池3を適切に接続することができる。マイコン(電力検出手段)44は、照度センサ5により検出された照度を基に太陽電池1の出力可能な電力を検出、又は太陽電池1の出力端子を負荷49に接続したときの太陽電池1の出力電圧S1を基に太陽電池1の出力可能な電力を検出する。電源切替回路41は、検出された太陽電池1の出力可能な電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときには太陽電池1を所定の機能ブロック45a〜45eに接続し、検出された太陽電池1の出力可能な電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときには二次電池3を所定の機能ブロック45a〜45eに接続する。これにより、太陽電池1のコストを抑え、太陽電池1の出力可能な電力を有効に活用することができる。また、二次電池1の充放電の回数を減らし、充放電による二次電池3の劣化を抑えることができる。具体的には、指定された処理の実行中に二次電池3から太陽電池1への接続の切り替えがなくなるので、二次電池3の充放電回数が減り、充放電による二次電池3の劣化を抑制することができる。
【0067】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 太陽電池
2 充電制御回路
3 二次電池
4 機器制御基板
5 照度センサ
11a〜11e スイッチ
41 電源切替回路
44 マイコン
45a〜45e 機能ブロック
46 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ブロックに太陽電池又は二次電池を接続する電源切替方法であって、
電力検出手段により前記太陽電池の出力可能な電力を検出し、
電源切替手段により、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続することを特徴とする電源切替方法。
【請求項2】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、
前記太陽電池の電気エネルギーを充電する二次電池と、
前記太陽電池又は前記二次電池に接続され、指定された処理を行う処理ブロックと、
前記太陽電池の出力可能な電力を検出する電力検出手段と、
前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続する電源切替手段と
を有することを特徴とする電源切替装置。
【請求項3】
前記処理ブロックは、指定された処理に応じて複数の機能処理をシリアルに行い、
前記電源切替手段は、記憶部に記憶されている消費電力を参照し、前記指定された処理に応じた前記複数の機能処理の消費電力の中の最大消費電力と、前記電力検出手段により検出された電力とを比較することを特徴とする請求項2記載の電源切替装置。
【請求項4】
さらに、前記太陽電池の出力電圧及び基準電圧を比較するコンパレータを有し、
前記電源切替手段は、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より大きくかつ前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧より高いときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、それ以外のときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続することを特徴とする請求項2又は3記載の電源切替装置。
【請求項5】
さらに、前記コンパレータの出力端子に接続され、前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧に対して高い値から低い値に変化するタイミングで前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧より低くなった情報をラッチし、前記ラッチした情報を保持するラッチ回路を有し、
前記電源切替手段は、前記ラッチ回路に記憶された情報を基に前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧より低いか否かを判断することを特徴とする請求項4記載の電源切替装置。
【請求項6】
前記電力検出手段は、照度センサにより検出された照度を基に前記太陽電池の出力可能な電力を検出、又は前記太陽電池の出力端子を負荷に接続したときの前記太陽電池の出力電圧を基に前記太陽電池の出力可能な電力を検出することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の電源切替装置。
【請求項1】
処理ブロックに太陽電池又は二次電池を接続する電源切替方法であって、
電力検出手段により前記太陽電池の出力可能な電力を検出し、
電源切替手段により、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記検出された電力が指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続することを特徴とする電源切替方法。
【請求項2】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、
前記太陽電池の電気エネルギーを充電する二次電池と、
前記太陽電池又は前記二次電池に接続され、指定された処理を行う処理ブロックと、
前記太陽電池の出力可能な電力を検出する電力検出手段と、
前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より大きいときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より小さいときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続する電源切替手段と
を有することを特徴とする電源切替装置。
【請求項3】
前記処理ブロックは、指定された処理に応じて複数の機能処理をシリアルに行い、
前記電源切替手段は、記憶部に記憶されている消費電力を参照し、前記指定された処理に応じた前記複数の機能処理の消費電力の中の最大消費電力と、前記電力検出手段により検出された電力とを比較することを特徴とする請求項2記載の電源切替装置。
【請求項4】
さらに、前記太陽電池の出力電圧及び基準電圧を比較するコンパレータを有し、
前記電源切替手段は、前記電力検出手段により検出された電力が前記指定された処理の最大消費電力より大きくかつ前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧より高いときには前記太陽電池を前記処理ブロックに接続し、それ以外のときには前記二次電池を前記処理ブロックに接続することを特徴とする請求項2又は3記載の電源切替装置。
【請求項5】
さらに、前記コンパレータの出力端子に接続され、前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧に対して高い値から低い値に変化するタイミングで前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧より低くなった情報をラッチし、前記ラッチした情報を保持するラッチ回路を有し、
前記電源切替手段は、前記ラッチ回路に記憶された情報を基に前記太陽電池の出力電圧が前記基準電圧より低いか否かを判断することを特徴とする請求項4記載の電源切替装置。
【請求項6】
前記電力検出手段は、照度センサにより検出された照度を基に前記太陽電池の出力可能な電力を検出、又は前記太陽電池の出力端子を負荷に接続したときの前記太陽電池の出力電圧を基に前記太陽電池の出力可能な電力を検出することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の電源切替装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−125113(P2012−125113A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276145(P2010−276145)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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