説明

電灯及び外側バルブにおいてランプベッセルを取り付ける方法

本発明は、実質的に管状の外側バルブにおいて封入される実質的に管状のランプベッセルを有する電灯に係る。ランプベッセルは、ランプベッセル内部で電気素子に対して電流を与えるようランプベッセルの夫々の端部から延在する電流コンダクタを有し、電流コンダクタは、ランプベッセルが外側バルブにおいて軸方向に位置合わせされるよう、外側バルブにおいて取り付けられる。また、少なくとも1つの電流コンダクタは、外側バルブの内径と実質的の同等である外径を有する少なくとも部分的に円形の外側支持端部を有する支持部材を用いて外側バルブにおいて取り付けられる。本発明は、支持部材が、電流コンダクタが固定的に取り付けられるところの実質的に半径方向に延在する固定端部を有する、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に管状の外側バルブにおいて封入される実質的に管状のランプベッセルを有する電灯に係る。ランプベッセルは、ランプベッセル内部で電気素子に対して電流を与えるようランプベッセルの夫々の端部から延在する電流コンダクタを有し、電流コンダクタは、ランプベッセルが外側バルブにおいて軸方向に位置合わせされるよう、外側バルブにおいて取り付けられる。また、少なくとも1つの電流コンダクタは、外側バルブの内径と実質的の同等である外径を有する少なくとも部分的に円形の外側支持端部を有する支持部材を用いて外側バルブにおいて取り付けられる。
【背景技術】
【0002】
かかるランプは、GB 1 330 958(特許文献1)中に開示される。ランプにおける支持部材は、螺旋形のセンタリング部材を有し、モリブデン電流コンダクタワイヤの一部によって形成される。この場合のランプは、高圧ナトリウムランプである。
【0003】
自動車用(放電)ランプ又はハロゲン映写用ランプ等の電灯は、より小さくなってきており、螺旋形又はスプリングの部材を用いる外側バルブにおけるランプベッセルのセンタリングは、非常に正確ではない。更には、バーナの形状は、常に必ず同一ではなく、ランプベッセルの位置合わせにおいて偏差をもたらし得る。
【特許文献1】GB 1 330 958
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、位置合わせがより正確であり、ランプベッセルの不規則な形状に対して容易に適合され得るランプ与える、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、支持部材は、電流コンダクタが固定的に取り付けられるところの実質的に半径方向に延在する固定端部を有する。該端部は、望ましくは、外側バルブの直径の大部分、望ましくはその50%より多くに沿って延在する。支持部材に対する電流コンダクタの固定の半径方向の位置は、したがって非常に正確に達成され得、形状における不規則性は、容易に補正され得る。
【0006】
望ましい一実施例では、実質的に管状の軸受け筒は、前出の外側支持端部を形成する。前出の軸受け筒は、一端において望ましくは開放され、末端壁を用いて外側端部において実質的に閉鎖される。前出の半径方向に延在する固定端部は、該末端壁におけるスロットによって形成される。望ましい一実施例では、軸受け筒の開放端部は、ランプベッセル又はバーナの端部を囲み、非常に小型の配置が達成されるようにし、軸受け筒の末端壁は、バーナの端部をちょうど超えて延在する。
【0007】
スロットの幅は、電流コンダクタの直径に対して望ましくは実質的に同等であり、電流コンダクタがスロットの両側に対して固定的に固定され得るようにする。支持部材の材料は、電流コンダクタの材料と望ましくは実質的に同一であり、例えばニオブであり、電流コンダクタが望ましくはレーザ溶接を用いて支持部材の固定端部に対して溶接され得るようにする。
【0008】
本発明は更に、実質的に管状の外側バルブにおいて電灯の実質的に管状のランプベッセルを取り付ける方法に係る。ランプベッセルは、ランプベッセル内部で電気素子に対して電流を与えるようランプベッセルの夫々の端部から延在する電流コンダクタを有し、電流コンダクタは、ランプベッセルが外側バルブにおいて軸方向に位置合わせされるよう、外側バルブにおいて取り付けられる。また、少なくとも1つの電流コンダクタは、外側バルブの内径と実質的の同等である外径を有する少なくとも部分的に円形の外側支持端部を有する支持部材を用いて外側バルブにおいて取り付けられる。本発明は、電流コンダクタが、支持部材の実質的に半径方向に延在する固定端部上に固定的に取り付けられる、ことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に従ったランプの上述された及び更なる態様は、図面(実寸大ではない)を参照してこれより説明される。
【0010】
図1は、ランプベッセル3を備えられるメタルハライドランプを示す。ランプベッセルは、Xe及びNai及びCeIを有してイオン性フィリングを有するランプ空間11を封入するセラミック壁を有する。電気素子としての2つの電極4,5は、ランプベッセルにおいて配置される。
【0011】
放電ベッセルは、ランプベッセル中に配置される電極4,5に対する夫々の電流リードスルーコンダクタ(current lead−through conductor)40,50を狭い間隔をあけて封入する夫々のセラミック突出プラグ34,35によって、どちらの端部においても(at either end)閉鎖される。あるいは、電気素子は、タングステンフィラメントであり得、その場合電灯は、(ハロゲン)白熱灯である。ランプベッセルは、外側バルブ1によって囲まれる。ランプは、ランプキャップ2を更に与えられる。ランプは、ランプの動作状態において電極4と電極5との間に生成される。電極4は、電流コンダクタ8を介してランプキャップ2の一部を形成する第1の電気接点に対して接続される。電極5は、電流コンダクタ9及び19を介してランプキャップ2の一部を形成する第2の電気接点に対して接続される。電流コンダクタ19は、セラミック間110によって囲まれる。
【0012】
図面に示す通りの本発明に従ったランプの実際の具現化においては、複数のランプは、各々26Wの定格出力を有して製造された。ランプは、自動車におけるヘッドランプとしての使用に適切である。各個別ランプのランプベッセルのイオン性フィリングは、0.35mgのHg、及び、85.7モルパーセントのNa及び14.3モルパーセントのCe(モル比6:1)における0.7mgのNaCeヨウ化物を有する。該フィリングは更に、7バールの室温におけるフィリング圧を有するXeを有する。
【0013】
電極4,5の先端間の距離は、5mmであり、ランプベッセルの内径は1.4mmである。ランプベッセルの壁の厚さは、0.3mmである。ランプの外側バルブ1は、石英ガラスを有して作られる。外側バルブの内径は3mmであり、その壁の厚さは2mmである。外側バルブは、1.5バールのフィリング圧を有するNを有して充填される。
【0014】
図2は、外側バルブ1においてランプベッセル3を位置合わせするよう先行技術による支持部材20を示す。端部プラグ34,35は、ランプベッセル3の軸と一致して図示されないが、実際にはその場合もあり得る。支持部材20は、スプリング型又は螺旋型であるニオブ電流コンダクタ8,9を有し、その外径は、外側バルブ1の内径と実質的に同等である。スプリング又は螺旋部材20はまた、温度変化により、バーナの拡張に対して補正を与える。ランプベッセル3と外側バルブ1との間の位置合わせが、特に各端部プラグ34,35が僅かに異なる角度においてランプベッセル3から延在する場合において、電流コンダクタ8,9の一部分であるかかる支持部材20を有しては達成が困難であることが理解される。
【0015】
図3及び図4によれば、支持部材21は、一側において末端壁22を有するニオブ管状部分を有する。末端壁22は、その全体の直径にわたってスロット23を備えられる。かかる直径は、外側バルブ1の内径と実質的に同一であり、支持部材21は、外側バルブ1にぴったりと適合する。スロット23の幅は、電流コンダクタ8,9の直径と実質的に同一である。ランプベッセル3が外側バルブ1において取り付けられる際、支持部材21は、外側バルブ1において回転され得、電流コンダクタ8,9は、外側バルブ1においてランプベッセル3を完全に位置合わせするようスロット23において動かされ得る。この完全な位置合わせが達成され次第、電流コンダクタ8,9は、レーザ溶接によってスロット23の両端に対して固定される。
【0016】
各支持部材21は、末端壁22に対向する開放端部が端部プラグ34,35を囲むよう配置される。末端壁22は故に、端部プラグ34,35の端部をちょうど超えて(just past)延在し、電流コンダクタの小さなスプリング型の部分24のみを封入する。スプリング型部分24は、温度変化による拡張を補正するよう必要である。このようにして、図2中の実施例と比較して非常に小型のランプが達成され得る。
【0017】
本発明の範囲は、上述された事例に制限されない。本発明は、各新しい特徴及び特徴の各組み合わせにおいて実現される。参照符号は、請求項の範囲を制限しない。「有する」という語は、請求項中にあげられる他の要素又は段階の存在を除外しない。単数形で示される要素は、かかる要素の複数の存在を除外しない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ランプベッセル及び外側バルブを有するランプを概略的に図示する。
【図2】図1中のランプベッセル及び外側バルブの先行技術による位置合わせを概略的に図示する。
【図3】図1中のランプベッセル及び外側バルブの本発明に従った位置合わせを概略的に図示する。
【図4】電流コンダクタが取り付けられる本発明に従った支持部材の末端壁を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電灯であって、
実質的に管状の外側バルブにおいて封入される実質的に管状のランプベッセルを有する電灯であって、
前記ランプベッセルは、前記ランプベッセル内部で電気素子に対して電流を与えるよう前記ランプベッセルの夫々の端部から延在する電流コンダクタを有し、
前記電流コンダクタは、前記ランプベッセルが前記外側バルブにおいて軸方向に位置合わせされるよう、前記外側バルブにおいて取り付けられ、
少なくとも1つの電流コンダクタは、前記外側バルブの内径と実質的の同等である外径を有する少なくとも部分的に円形の外側支持端部を有する支持部材を用いて外側バルブにおいて取り付けられ、
前記支持部材は、前記電流コンダクタが固定的に取り付けられるところの実質的に半径方向に延在する固定端部を有する、ことを特徴とする、
電灯。
【請求項2】
端部プラグは、前記ランプベッセルの夫々の端部から延在し、前記電流コンダクタは、前記端部プラグから延在する、
請求項1記載の電灯。
【請求項3】
実質的に管状の軸受け筒は、前記外側支持端部を形成する、
請求項1又は2記載の電灯。
【請求項4】
前記軸受け筒は、一端が開放され、他端において末端壁を用いて実質的に閉鎖され、
前記半径方向に延在する固定端部は、前記末端壁におけるスロットによって形成される、
請求項3記載の電灯。
【請求項5】
前記スロットの幅は、前記電流コンダクタの直径と実質的に同等である、
請求項4記載の電灯。
【請求項6】
前記支持部材の材料は、前記電流コンダクタの材料と実質的に同一であり、例えばニオブである、
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の電灯。
【請求項7】
前記電流コンダクタは、前記支持部材の前記固定端部に対して溶接される、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の電灯。
【請求項8】
前記電流コンダクタは、前記ランプベッセルと前記固定端部との間に延在するスプリングを有する、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の電灯。
【請求項9】
前記電灯は、高圧ガス放電灯である、
請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の電灯。
【請求項10】
実質的に管状の外側バルブにおいて電灯の実質的に管状のランプベッセルを取り付ける方法であって、
前記ランプベッセルは、前記ランプベッセル内部で電気素子に対して電流を与えるよう前記ランプベッセルの夫々の端部から延在する電流コンダクタを有し、
前記電流コンダクタは、前記ランプベッセルが前記外側バルブにおいて軸方向に位置合わせされるよう、前記外側バルブにおいて取り付けられ、
少なくとも1つの電流コンダクタは、前記外側バルブの内径と実質的の同等である外径を有する少なくとも部分的に円形の外側支持端部を有する支持部材を用いて外側バルブにおいて取り付けられ、
前記電流コンダクタは、前記支持部材の実質的に半径方向に延在する固定端部上に固定的に取り付けられる、ことを特徴とする、
方法。
【請求項11】
前記電流コンダクタは、レーザを用いて前記支持部材の前記固定端部に対して溶接される、
請求項10記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−505438(P2008−505438A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518781(P2007−518781)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052120
【国際公開番号】WO2006/003601
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】