説明

電球および照明装置

【課題】キセノンを封入したことで、効率を向上できる電球において、問題となるアークの発生による短寿命の問題を解決できるとともにコストを低減化できる電球を提供する。
【解決手段】ガラスバルブ1内に、キセノンが体積比50%以上90%未満、クリプトンが5〜30%、窒素が5〜20%の混合ガスを封入したことにより、フィラメントのタングステンの蒸発を抑制できるとともにアーク放電開始電圧の低下を抑え、さらにキセノン量を減じて低価格化を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスバルブ内にフィラメントおよび不活性ガス等を封入した電球およびこの電球を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
白熱電球は、タングステン線を巻回したコイル状のフィラメントに通電してこれを発光させている。そして、フィラメントの温度が高いほど発光量は多くなるが、高温度になるほどフィラメントのタングステンの蒸発も促進される。タングステンの蒸発が進むと、フィラメントが次第に痩せて細くなる部分が生じ、この部分から断線して電球は寿命に至る。
【0003】
そこで、タングステンの蒸発を抑制するために、一般の白熱電球のバルブ内には不活性ガスとしてのアルゴンとともに窒素が封入されている。これによって、フィラメントに高電圧を印加して高温度とし、発光効率の向上を図っている。そして、このバルブ内に封入される不活性ガスも、分子量が大きいほどタングステンの蒸発を抑制できることからアルゴン主成分に代えてクリプトン主成分、さらにはクリプトン主成分に変えてキセノン主成分を封入することが試みられ、これらのことはたとえば特許文献1〜3に記載されている。
【特許文献1】特開平4−138654号公報
【特許文献2】特許第3419793号公報
【特許文献3】特公平4−80504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、キセノンは、第1にイオン化電圧が低いため、封入量が増加すると例えばフィラメントのコイル間で電源投入時等にアーク放電を発生させ、フィラメントを溶断させる問題がある。アーク放電は、フィラメントのコイル間の他、フィラメントをバルブ内に支持しているリード線間、フィラメントの両端間あるいはフィラメントとリード線間等でも発生することがあり、これらの場合も、フィラメントが溶断する等して電球を寿命に至らせる。これに対し、アーク放電開始電圧を大きくするために窒素を混合することが知られている。しかし、アーク放電開始電圧を十分大きくするために窒素を多く混合するとその分キセノンの封入量が減り、タングステンの蒸発抑制作用を十分に得られないことになる。
【0005】
また、第2に、キセノンは他の不活性ガスに比して高価であるという問題がある。したがって、コスト的には封入するキセノン量を少なくしたいところであるが、その場合にはタングステン蒸発抑制の作用を得難くなる。
【0006】
このように、キセノンおよび窒素だけではタングステンの蒸発抑制、アーク放電開始電圧およびコストの問題を同時に解決することは困難であった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、フィラメントのタングステン蒸発を抑制しつつフィラメントのコイル間等における不所望なアーク放電を起こし難くして、良好な光出力特性および点灯寿命特性を発揮し、かつ、低価格化を図れる電球を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の電球は、ガラスバルブと;ガラスバルブ内に配設されたフィラメントと;ガラスバルブ内に封入された、少なくともクリプトン、キセノンおよび窒素を含み、かつ、キセノンの体積比が50%以上90%未満である混合ガスと;を具備している。
【0009】
本発明および以下の発明において、用語の定義および技術的な意味は次のとおりである。
【0010】
ガラスバルブは、PS形、S形、R形、G形などその形状は限定されるものではなく、また、材質もソーダ石灰ガラスなどの軟質ガラスから硼ケイ酸塩ガラスなどの硬質ガラスあるいは石英ガラスなどを用いることができる。また、バルブにはシリカ膜などの散光処理がしてあってもよい。さらに、ガラスバルブの表面には必要に応じ光拡散膜や反射膜、着色膜等が形成してあってもよい。
【0011】
フィラメントは、例えば、タングステン素線をコイル状に巻回した発光部が形成されている。発光部は、一重または二重もしくは三重のコイル状に巻回されて、通電時は高温となって白熱発光する。
【0012】
混合ガスにおけるキセノンは、封入量が少ないとタングステンの蒸発速度の抑制作用が小さくなり、体積比で最低でも50%は必要である。また、90%以上では単価が高いキセノンを多く使用することになり、電球自体の価格を向上させてしまう。したがって、キセノン封入量の好ましい範囲は50%以上90%未満である。
【0013】
また、クリプトンは、キセノンに比して分子量が小さいためタングステンの蒸発抑制作用はキセノンに劣るものの、不活性ガスとして一般的なアルゴンより優れている。したがって、ある範囲内であれば、キセノンの封入量を減らしても、クリプトンで補うことが可能である。また、クリプトンはキセノンに比して単位量当たりの価格が数10分の1例えば40分の1であるため、キセノンの一部でもクリプトンに置き換えることはコスト面で極めて有効である。
【0014】
窒素は、相対的に安価であるとともにイオン化電圧が高く、アーク放電開始電圧を高める作用を行う。本発明においては、キセノンの体積比を50%以上90%未満とし、他にクリプトンを封入したことにより、例えばキセノンを体積比90%以上封入する場合よりアーク放電開始電圧が大きくなっているから、同量の窒素を封入してもアーク放電開始電圧を大きくできる。
【0015】
これらガラスバルブに封入する混合ガスの封入圧力は室温で、65〜101kPa(パスカル)が好ましい。65kPa未満であると、保温効果が損なわれるために光束など発光効率の低下や短寿命が発生し好ましくない。また、101kPaを超えると、軟質ガラスでは破裂する虞があり好ましくない。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の電球において、混合ガスは、クリプトンの体積比が5%〜30%、キセノンの体積比が50%以上90%未満、窒素の体積比が5%〜20%であることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明に加えて、クリプトンおよび窒素の体積比を特定したものである。この特定された範囲内で要求される寿命特性、アーク放電開始電圧、さらにはコストに応じて比率を設定することができる。これによって、一層確実に寿命特性およびアーク放電開始電圧を改善し、かつ、コスト低減が可能となる。
【0018】
請求項3記載の照明装置は、器具本体と;この器具本体に設けられたソケットと;このソケットに装着された上記請求項1または2記載の電球と;を具備している。
【0019】
照明装置はとしては、一般家庭や店舗などで使用されるペンダント、ブラケット、スタンドなどの照明器具の他、電球を使用するあらゆる照明装置を許容する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、少なくともクリプトン、キセノンおよび窒素を含みキセノンの体積比を特定範囲としたことにより、効率向上および長寿命化を図りながら低価格化も可能な白熱電球を提供することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えてクリプトンおよび窒素の体積比も特定したので、一層効率向上、長寿命化および低価格化が確実な白熱電球を提供できる。
【0022】
請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載の効果を奏する照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の電球の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は白熱電球を示す正面図、図2は図1の白熱電球のフィラメントの拡大断面図、図3は図2のフィラメントの中央部分の拡大図、図4は本実施形態の電球における混合ガスの成分を変化させた場合の特性を示す図である。
【0024】
図中1はPS35型のガラスバルブ、2はこのバルブ1の開口端部に封着されたフレヤステム3を有するマウントである。フレヤステム3は、ステム管3Tの一端側に一対のリード線4,4、ケーングラス3Cおよび排気管(図示しない。)を気密に植設した圧潰封止部3Sを形成している。ケーングラス3Cの先端部にはモリブデン線などの高融点金属からなるアンカー5が植設されている。
【0025】
また、6は110V60W用の二重コイル状フィラメントで、タングステン素線を巻回した単コイル6Sをさらに巻いた二重コイル状の発光部6C、6Cを有し、この発光部6C、6Cの中間には二重コイル状部の約1〜2ターン分の長さを単コイル6Sのままとした支持部(飛び部)6Tが形成されている。また、コイル状をなす発光部6C、6Cの両端には同様に素線のままとしたレグ部6L,6Lが形成されている。
【0026】
そして、この二重コイル状フィラメント6は、その両端のレグ部6L、6Lが上記リード線4、4の先端部分を折曲げ形成したフックに挟圧あるいは先端部分に溶接等の手段で継線されている。また、中間の支持部6Tにはアンカー線5の他端側に形成したループ部5Rが巻き付けられて、全体として逆V字形をなすCC−2型のフィラメント6を構成している。すなわちフィラメント6は単コイル6Sからなるレグ部6L,6Lおよび支持部6Tがそれぞれアンカー5他端側の接続部7L,7Lおよびループ部5Rによって支持されている。本実施形態の場合、フィラメント6の全長23mm、発光部6C、6Cの長さはそれぞれ11mm、タングステンの素線の径は0.049mm、タングステン素線の全長は約502mmのものを使用している。
【0027】
また、上記バルブ1内にはキセノン(Xe)、クリプトン(Kr)および窒素ガス(N2)の混合ガスが常温で約82.6kPaで封入されている。また、バルブの内容積は24.0cm3〜49.0cm3である。
【0028】
また、図中8はバルブ1端部の封着部に接着剤等を介し接合された口金で、上記リード線4、4と連接した外部リード線と接続している。そして、上記構成の電球10は、図示しないソケット等に装着して通電され、リード線4、4を介し接続したフィラメント6の二重コイル状の発光部6C、6Cは高温となって発光しバルブ1外に光放射をする。
【0029】
なお、前記口金8は、ねじ込みタイプのいわゆるE形口金であって、ねじが形成されたシェル部、頂部のアイレット部およびシェル部とアイレット部との間を絶縁する絶縁部からなる。この場合、キセノンガスが混合された高効率ランプであることが消費者から認識可能なように、口金8のシェル部を従来の銀色ではなく、金色等に色付けすることができる。口金8のシェルは一般には真鍮製であり、この外表面にニッケル鍍金することで表面が銀色に見えるが、このニッケル層の表面に0.01〜10μm、好ましくは0.01〜1.0μm、最適には0.05〜0.5μmの金(Au)鍍金を施して、外観上金色のシェルを実現することができる。この金メッキの膜厚が0.01μm未満だと金色が薄くて良好に視認できない。また、金メッキの膜厚が10μmを超えるとメッキがはがれやすく、またコストも上昇するので不可である。なお、金メッキの下地層はニッケルに限らず、導電性を有する鍍金可能な金属であればよい。
【0030】
図2中Aは、フィラメントの両端間の距離(接続部7L,7L間の直線距離)であり、Bはフィラメントの端部とアンカーが支持する支持部6Tの距離(接続部7Lとループ部5Rの直線距離)、Cはフィラメントの発光部の中心とガラスバルブの最短距離、θはフィラメントの各発光部6C、6Cが形成する最小角度を示している。
【0031】
前記フィラメント6の両端間の距離Aは、8〜15mmであり、フィラメント6の端部と支持部6Tとの距離Bは7〜10mmである。また、フィラメント6の各発光部6C、6Cが形成する最小角度θは、25〜120°に設定されている。
【0032】
つぎに、以上のように構成された電球10に封入する混合ガスの成分を変化させた場合の実験結果を図4を参照して説明する。図4において、混合ガス比率(%)はバルブ内に封入される各ガスの体積比を示し、アーク電圧はアーク放電開始電圧を示している。
【0033】
また、図4中のサンプル1(キセノン(Xe)90%、クリプトン(Kr)0%、窒素(N2)10%)は、寿命およびアーク電圧に関しては優れた特性であるが、高価なキセノンを多く使用するためコストが大きい。したがって、サンプル2〜12についての特性、コストはこのサンプル1と相対評価したもので、○は優れている、△は同等ないしは若干劣る、×は劣ることを示している。
【0034】
この実験結果によると、キセノン、クリプトンおよび窒素をそれぞれ含み、かつ、キセノンを50%以上90%未満とすることにより、寿命およびアーク放電開始電圧に関してはサンプル1に対して若干劣る〜優れている特性を示しながらコストを低減できることが明らかである。
【0035】
特に、キセノンを80〜85%、クリプトンを5〜10%、窒素を10〜15%とした場合には、アーク放電開始電圧およびコストにおいてサンプル1より優れた特性となり、しかも、寿命においてサンプル1と略同等の特性となったため、これらの範囲が最適である。
【0036】
なお、本実施形態のように、内部にキセノンガスを封入している電球は、特に電位差が大きく温度が高温になるフィラメント6の両端部間付近で、アーク放電が発生しやすい。このため、フィラメント6の両端部間の距離(A)を5〜20mmとなるように設定することが好ましい。フィラメント6の両端部間の距離が5mm未満であると、フィラメント6の両端部間でアーク放電が発生しやすく、20mmを超えるとフィラメント6の発光部6C、6Cがガラスバルブ1と近づいてしまいガラスバルブ1の温度が上昇し、ガラスバルブ1が劣化してしまうおそれがある。なお、距離(A)の好ましい範囲は8〜15mmであり、最適範囲は10〜12mmである。
【0037】
また、フィラメント6の端部と支持部6Tとの距離(B)は7〜10mm、特に8〜8.5mmが好ましい。距離Bは、フィラメント6の発光部6C、6Cがガラスバルブ1に近づき過ぎないようにフィラメント6を部分的に屈曲させて非直線的にバルブ内に配設させたときの支持部6T−接続部6L間(支持部が複数存在する場合には隣接する支持部間)の距離を意味する。フィラメント6の両端部間の距離(A)が5〜20mmとした場合に、距離Bが7mm未満であると、フィラメント全長が小さくなるので所定の光束で発光することができない。なお、フィラメント全長を確保した場合であってもフィラメントを複数回屈曲させる必要があるので、必要な発光部長さのフィラメントを一般電球用ガラスバルブ1内に配設するのが困難になってしまう。
【0038】
また、距離Bが10mmを超える場合には、距離Aを5〜20mmとした場合においてフィラメント6を一般電球用ガラスバルブ1内に配設するのが困難になってしまう。なお、支持部6T−接続部6L間(支持部が複数存在する場合には隣接する支持部間)は温度が上昇し、また電位差が大きくなる部分でもあるので、上記アーク放電が発生することも考えられる。この場合であっても、距離Bを7〜10mm、好ましくは8〜8.5mmとしているので、アーク放電の発生を抑制することが可能である。
【0039】
また、フィラメント6の各発光部6C、6Cの形成する最小角度θ(発光部が2つの場合に形成される略V字状のフィラメントの場合には、フィラメントが形成する平面に直交する方向から見たときのフィラメントの各発光部が交わる角度)が25〜120°となるようにアンカー5によって支持部6Tが支持される。この角度が25°未満であると発光部6C、6C間の距離が近くなるのでアーク放電が発生しやすく、120°を超えるとフィラメントの発光部6C、6Cがガラスバルブ1と近づいてしまいガラスバルブ1の温度が上昇し、劣化してしまうおそれがある。角度θは、発光部6Cを3つ以上有する(支持部が複数存在する)フィラメントの場合には、複数存在することになるが、全ての角度θが25〜120°となっていればよい。
【0040】
また、ガラスバルブ1は、温度が高い状態が続くと劣化しやすく、特に220℃以上になるとガラスバルブ1の表面に外部雰囲気の水分とガラスバルブ1の表面成分が化学反応して歪などが生じてしまうおそれがある。このためガラスバルブ1の表面温度が高温にならないようにガラスバルブ1とフィラメント発光部6Cの中心の距離を12mm以上とする必要がある。ここで「フィラメントの発光部の中心」とは、フィラメントの発光部分6Cの略中央であって、最も温度の高い点を示している。
【0041】
しかし、フィラメント発光部6Cの中心とガラスバルブ1の距離が16mmより大きくなるとガラスバルブ1の寸法が大きくなり、あるいはフィラメント6が略平らに形成されてマウント2が広く大きくなりやすい。例えば、PS35サイズのバルブを用いた場合では、フィラメント6をバルブネックよりも大きく形成しなければならないので製造が困難であり、またフィラメント6などが変形しやすい等の不具合が生じる。
【0042】
また、フィラメントの発光部6Cにおける一次コイル径に対するコイル巻線間隔の割合(%P)が140%よりも小さくなると、光出力が大きくなるものの発光部6Cの温度が過度に上昇するのでタングステンの蒸発が促進され、一般電球に必要な寿命特性(例えばフィラメント断線までの点灯時間として2000時間)を確保することが困難である。180%よりも大きくなると、フィラメントの発光部6Cの温度が適度に上昇しないので、希ガス封入白熱電球として要求される一般的な省電力特性(例えば13lm/W)を満足することが困難である。
【0043】
また、従来のクリプトン電球のランプ効率を損なうことなく高効率点灯を実現するためには、封入混合ガスの組成、混合比率、封入圧力とともにフィラメント6のコイル設計が重要である。本発明者は、これらを踏まえて最適なフィラメント6を検討した結果、タングステン素線の外径は0.02〜0.08mmとし、フィラメントの1次巻線径に対する2次巻線ピッチの割合を140〜180%とするのが最適であるのが分かった。
【0044】
タングステン素線の直径が0.02mm未満であるとランプ効率が低下するとともに強度が低下するので好ましくない。直径が0.08mmを超えると所定の電力を投入するためにはフィラメントサイズが大きくなってしまい、白熱電球の小形化には不向きである。
【0045】
また、キセノンガスの封入によってフィラメント6は高効率発光することになるが、バルブ1内は保温効果によって一層高温となる。ガラスバルブ1の内容積が24.0cm3未満の場合には、バルブ1内の圧力が過度に上昇してバルブが破裂しやすくなるため不可である。ガラスバルブ1の内容積が49.0cm3を超えると保温効果による高効率点灯が期待できず、また白熱電球が大形化するため好ましくない。
【0046】
次に図5を参照して照明装置の実施形態を説明する。本実施形態の照明装置9は、吊下げ形照明器具である。図4において91は器具本体、92は器具本体91に設けられたソケット、93は器具本体91に取付けられたセード、グローブや反射体等の制光体、94はソケット92に接続した給電線である。上記ソケット92に上記電球10の口金8が装着されている。
【0047】
このような構成の照明装置(照明器具)9は、給電線94を介して給電されると、ソケット92に装着された電球10が点灯する。そして、この電球10は、上述したようにコイル状フィラメント6の熱損失が少なく、良好な発光特性および寿命を損なうことなく点灯する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の白熱電球の一実施形態を示す正面図。
【図2】同じくフィラメント部分の拡大図。
【図3】同じくフィラメントの中央部分の拡大図。
【図4】混合ガスの成分を変化させた場合の特性を示す。
【図5】図1の白熱電球を装着した本発明の照明装置の一実施形態を一部を断面して示す正面図。
【符号の説明】
【0049】
10:電球、1:ガラスバルブ、2:マウント、3:ステム、4:リード線、5:アンカー、6:フィラメント、6C:発光部、6T:支持部(飛び部)、7L:接続部、9:照明装置(照明器具)、91:器具本体、92:ソケット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバルブと;
ガラスバルブ内に配設されたフィラメントと;
ガラスバルブ内に封入された、少なくともクリプトン、キセノンおよび窒素を含み、かつ、キセノンの体積比が50%以上90%未満である混合ガスと;
を具備していることを特徴とする電球。
【請求項2】
前記混合ガスは、クリプトンの体積比が5%〜30%、キセノンの体積比が50%以上90%未満、窒素の体積比が5%〜20%であることを特徴とする請求項1記載の電球。
【請求項3】
器具本体と;
この器具本体に設けられたソケットと;
このソケットに装着された請求項1または2記載の電球と;
を具備していることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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