説明

電球形蛍光ランプおよび照明器具

【課題】点灯装置18の基板17を小形化でき、発光管14と点灯装置18との電気的接続の自動化にも容易に対応できる電球形蛍光ランプ11を提供する。
【解決手段】複数の接続部材55をホルダ15の一端側と他端側とに貫通して設ける。ホルダ15から突出する各接続部材55の一端側端部に、点灯装置18の基板17から導出する各リード線67を接続する。ホルダ15から突出する各接続部材55の他端側端部に、発光管14から導出する各リード線を接続する。各接続部材55は、発光管14の各リード線と点灯装置18のリード線67との電気的接続を中継する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般照明用電球に置き換えて使用できる電球形蛍光ランプ、およびこの電球形蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電球形蛍光ランプは、両端部に電極が封装された屈曲形のバルブを有する発光管、この発光管の一端側を支持するホルダ、一端側に口金が取り付けられるとともに他端側にホルダを介して発光管を支持するカバー、このカバー内でホルダと口金との間に収納される点灯装置、発光管を覆ってカバーの他端側に取り付けられるグローブなどを備えている。
【0003】
点灯装置は、点灯回路の部品を配設した基板を備え、この基板に点灯回路に接続された複数のラッピングピンが立てられている。
【0004】
そして、電球形蛍光ランプの組立時に、発光管の両端の各電極に接続されてバルブの端部から導出されている各一対のリード線をホルダの他端側から一端側に通し、ホルダの一端側において、各リード線を各ラッピングピンに巻き付けて接続している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−302861号公報(第12頁、図1−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基板に立てた各ラッピングピンに各リード線を巻き付けることを可能とするには、ラッピングピンの周囲に巻き付け作業用のスペースを必要とするため、基板の面積を大きくする必要があり、基板の小形化の障害となる問題がある。
【0006】
また、ホルダと基板に配設した点灯回路の部品との間の少ないスペースでリード線をラッピングピンに巻き付ける必要があるため、機械による自動化が困難で、手作業で行う必要があり、リード線接続の自動化の支障をきたしていた。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、点灯装置の基板を小形化でき、発光管と点灯装置との電気的接続の自動化にも容易に対応できる電球形蛍光ランプ、およびこの電球形蛍光ランプを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、両端に一対の電極が封装されたバルブ、および各電極に接続されていてバルブ端部からそれぞれ導出されたリード線を有する発光管と;発光管の一端側を支持したホルダと;ホルダの一端側に配設された口金と;ホルダと口金との間に配設され、口金と電気的に接続されるとともに発光管の各電極に対してそれぞれ接続される複数リード線が導出された点灯装置と;ホルダの一端側と他端側とに貫通して設けられ、ホルダから突出する一端側端部に点灯装置のリード線がそれぞれ接続され、ホルダから突出する他端側端部に発光管のリード線がそれぞれ接続される複数の接続部材と;を具備しているものである。
【0009】
発光管は、複数本のU字形バルブを並設して1本の放電路を形成した屈曲形の発光管、1本のバルブを螺旋状に屈曲した発光管などのいずれでもよい。
【0010】
ホルダは、発光管の一端側のバルブ端部を接着剤にて接着固定することにより支持してよい。また、ホルダの一端側に口金を設けたカバーを取り付け、このカバーの他端側に発光管を覆うグローブを取り付けてもよい。
【0011】
口金は、E形と称されるねじ込みタイプが通常使用されるが、一般照明用電球が装着されるソケットに取付可能であればこれに限定されない。
【0012】
点灯装置は、例えば、10kHz以上の高周波電力を発光管に印加して発光管を点灯させる電子部品を主体としたインバータ回路などで構成してもよい。
【0013】
接続部材は、例えば、金属板で構成され、ホルダに差し込んでホルダの一端側および他端側の両端から突出するように貫通した状態に取り付けられる。接続部材の一端側端部および他端側端部には、自動機でも容易にリード線を接続することができるように、リード線を通すことで接続できるスリットを設けることが好ましい。
【0014】
そして、ホルダから突出する各接続部材の一端側端部に点灯装置のリード線をそれぞれ接続し、ホルダから突出する接続部材の他端側端部に発光管のリード線をそれぞれ接続することにより、各接続部材を中継して発光管と点灯装置とが電気的に接続される。そのため、基板に立てるラッピングピンを必要とせず、基板の小形化や、発光管と点灯装置との電気的接続の自動化が可能となる。
【0015】
請求項2記載の電球形蛍光ランプは、請求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、発光管は、複数の管状バルブの一端側の各端部がホルダの中心部の周囲に位置する屈曲した形状に形成され、複数の接続部材は、ホルダに支持する発光管の隣り合う管状バルブの一端側の端部間に対向して配設されているものである。
【0016】
複数の管状バルブの一端側の各端部とは、管状バルブが複数本のU字形バルブを並設して構成されている場合、各U字形バルブの両端部を含む。
【0017】
このような位置に接続部材を配設しているので、接続部材が管状バルブからの発光を阻害しにくく、また、例えば、発光管を覆うグローブを用いる場合でも、接続部材をグローブから遠ざけ、接続部材の影がグローブに出にくくなる。
【0018】
請求項3記載の照明器具は、器具本体と;器具本体に取り付けられたソケットと;ソケットに接続された請求項1および2記載の電球形蛍光ランプと;を具備しているものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の電球形蛍光ランプによれば、複数の接続部材をホルダの一端側と他端側とに貫通して設けることにより、ホルダから突出する各接続部材の一端側に点灯装置の各リード線をそれぞれ接続でき、ホルダから突出する接続部材の他端側に発光管の各リード線をそれぞれ接続できるため、点灯装置の基板に立てるラッピングピンを必要とせず、基板を小形化でき、発光管と点灯装置との電気的接続の自動化にも容易に対応できる。
【0020】
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、各接続部材をホルダに支持する発光管の隣り合う管状バルブの一端側の端部間に対向して配設されているため、接続部材がバルブからの発光を阻害しにくく、また、例えば、発光管を覆うグローブを用いる場合でも、接続部材をグローブから遠ざけ、接続部材の影がグローブに出にくくできる。
【0021】
請求項3記載の照明器具によれば、請求項1および2記載に記載された電球形蛍光ランプの作用を有する照明器具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は電球形蛍光ランプのバルブ並設方向から見た断面図、図2は電球形蛍光ランプのバルブ並設方向に対して交差する方向から見た断面図、図3は電球形蛍光ランプのホルダの斜視図、図4は電球形蛍光ランプのホルダの点灯装置側の底面図、図5は電球形蛍光ランプのホルダの発光管側の平面図、図6は電球形蛍光ランプの発光管の展開図、図7は電球形蛍光ランプのバルブの製造方法を(a)〜(d)に示す説明図、図8は電球形蛍光ランプの発光管の別の構造を示す展開図、図9は電球形蛍光ランプを用いた照明器具の断面図である。
【0024】
図1および図2において、11は電球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ランプ11は、高さ方向(管軸方向)の一端に口金12を有するカバー13、このカバー13の他端側に支持された発光管14、この発光管14の一端側を支持してカバー13に取り付けられたホルダ15、発光管14を覆うとともに一端側でホルダ15の周囲も覆ってカバー13に取り付けられたグローブ16、口金12およびカバー13の内側に収納された基板17を有する点灯装置18を備えている。そして、定格電力が例えば40Wタイプ、60Wタイプ、100Wタイプの白熱電球などの一般照明用電球に近い外観に形成されている。この一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されている。
【0025】
口金12は、エジソンタイプのE26形などで、ねじ山を備えた筒状のシェル21、このシェル21の一端側の頂部に絶縁部22を介して設けられたアイレット23を備えている。シェル21の他端側をカバー13の一端部に被せて接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0026】
次に、カバー13は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂にて形成され、一端側には口金12のシェル21が取り付けられる円筒状の口金取付部26が形成され、他端側には拡開した円環状のカバー部27が形成され、内側にはホルダ15を取り付けるホルダ取付部28が形成されている。
【0027】
次に、発光管14は、図1、図2および図6に示すように、バルブ30として少なくとも3本の管状バルブであるU字形バルブ31,32,33を有し、これらU字形バルブ31,32,33が連通部34で順次接続されて1本の連続した放電路35が形成されている。
【0028】
U字形バルブ31,32,33は、管外径が3〜8mmのガラス製の断面略円筒状の管体が、中間部で湾曲されて頂部を有する略U字状に形成されている。すなわち、U字形バルブ31,32,33は、湾曲する屈曲部とこの屈曲部に連続する互いに平行な一対の直管部とを備えている。中央のU字形バルブ32の高さが、両側のU字形バルブ31,33の高さより高い関係を有している。そして、U字形バルブ31,32,33は、そのU字形をなす面が互いに平行に対向するように並設されている。
【0029】
発光管14の内面には例えば3波長形の蛍光体が形成され、発光管14の内部にはアルゴン(Ar)やクリプトン(Kr)などの希ガスや水銀などを含む封入ガスが封入されている。
【0030】
放電路35の両端に位置する両側のU字形バルブ31,33の各一端部には一対の電極36が封装されている。各電極36は、フィラメントコイル36aを有し、このフィラメントコイル36aが一対の線状のウエルズに支持されている。各ウエルズは、例えば、両側のU字形バルブ31,33の一端部に封装されたジュメット線を介して両側のU字形バルブ31,33の一端部から外部に導出された一対のリード線37に接続されている。
【0031】
中央のU字形バルブ32の一端部には、封装されて排気管とも呼ばれる円筒状の細管38が連通状態に突設されている。この細管38は、発光管14内の排気がなされるとともに封入ガスが封入されて置換された後に、溶断することによって封止されている。
【0032】
中央のU字形バルブ32の細管38は、先端部が口金12の内側まで延設されるように長く形成され、その先端部には封止する際にアマルガムとしての主アマルガム39が封入されている。この主アマルガム39は、ビスマス、錫および水銀にて構成される合金であり、略球形状に形成され、発光管14内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する作用を有している。なお、主アマルガム39としては、ビスマス、錫の他に、インジウム、鉛などを組み合わせた合金によって形成したものを用いてもよい。
【0033】
中央のU字形バルブ32の両端には、水銀吸着放出作用を有する補助アマルガム40がジュメット線などを用いた支持線41を介して封装されている。中央のU字形バルブ32の一端には、バルブ中心に対して細管38と補助アマルガム40の支持線41とがそれぞれオフセットした位置に封装されている。
【0034】
このように構成された発光管14は、U字形バルブ31,32,33のバルブ端部31a,32a,33aが高さ方向の一端側でかつ発光管14の中心部の周囲の同一円周上に位置するとともに、各バルブ端部31a,32a,33aの端面が同一平面上に配置されている。
【0035】
また、連通部34は、U字形バルブ31,32,33の一端部のみを封止した状態で、U字形バルブ31,32,33の互いに接続する端部近傍を加熱溶融させた後、接続するU字形バルブ31,32,33の封止されていない他端部から空気を送り込んで吹き破ることにより形成された開口同士をつなぎ合わせて形成されている。
【0036】
また、U字形バルブ31,32,33のバルブ端部31a,32a,33aは、ピンチシールなどの周知の封止方法によって封止されていてもよいが、本実施の形態では、ピンチシールなどによる封止ではなく、焼き丸められて封止されている。そのため、ピンチシールで封止する場合に較べて、U字形バルブ31,32,33のバルブ端部31a,32a,33aからの封止部分の突出量を少なくでき、これにより、封止部分がホルダ15を通じて点灯装置18側に突出するのを少なくしたり無くすことができ、点灯装置18側との干渉などの問題を解決でき、点灯装置18のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0037】
例えば、図7に、中央のU字形バルブ32の他端部に補助アマルガム40を焼き丸めて封止する封止方法を示す。図7(a)に示すように、U字形バルブ32の他端部の封止する途中の箇所を加熱溶融させて軸方向に伸張させ、図7(b)に示すように溶断する。この溶断状態では、U字形バルブ32の他端部は開口しているものの開口径がバルブ内径より狭まるように少し丸まっている。続いて、図7(c)に示すように、補助アマルガム40をU字形バルブ32の他端部の開口から内側に挿入し、U字形バルブ32の他端部の開口周辺部を加熱溶融させ、図7(d)に示すように、補助アマルガム40の支持線41を封装してU字形バルブ32の他端部を封止する。そして、電極36や細管38を封装する端部、何も封装しない端部を含めて、U字形バルブ31,32,33の全てのバルブ端部31a,32a,33aについて、同様に封止することができる。
【0038】
なお、発光管14は、図8に示すように、補助アマルガム40を両側のU字形バルブ31,33の電極36を封装しない端部に封装してもよく、この場合、中央のU字形バルブ32では、図6のように細管38と補助アマルガム40とをオフセット配置する必要がなく、細管38をバルブ中心に封装できる。
【0039】
次に、図1ないし図5に示すように、ホルダ15は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料にて形成され、円板状の基台部43、この基台部43の周縁部から一端側に突出する円筒状の筒部44を備えている。
【0040】
基台部43の中心部にはU字形バルブ31,32,33のバルブ端部31a,32a,33aの内側間に挿入される突部45が突出形成されている。この突部45の周面部には発光管14の中心部に臨む各バルブ端部31a,32a,33aの周面内側部分が対向して配置される窪み部46が形成されている。基台部43には突部45の各窪み部46に配置される各バルブ端部31a,32a,33aが配置される凹部47が形成されている。この凹部47は、基台部43の外周部の部分が切り欠かれて開口されているとともに、バルブ端部31a,32a,33aを位置決め可能でかつバルブ端部31a,32a,33aから放出される光を遮らない程度の高さ寸法に形成されている。これら突部45の窪み部46の中央域から凹部47の底部の中央域にかけて開口部48が連続して形成されている。凹部47の底部に形成された開口部48はバルブ端部31a,32a,33aの外径より小さく、バルブ端部31a,32a,33aが開口部48を挿通しない寸法としている。
【0041】
突部45の内側部には、突部45の周面部の内面との間に間隙をあけて環状の壁部49が突出形成されている。
【0042】
筒部44の一端部には、カバー13のホルダ取付部28に取り付けられる爪部50が形成されている。筒部44の内側には、点灯装置18の基板17を保持するために、ホルダ15の中心線からオフセットした位置で互いに対向する一対の基板取付溝51を有する一対の基板取付部52が形成されている。また、筒部44には、一対の基板取付部52がオフセットして形成された側に対して反対側に、一対の切欠部53が形成されている。
【0043】
そして、発光管14とホルダ15とを組み合わせた状態で、これらの間に例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤を注入して接着固定されている。
【0044】
また、ホルダ15の基台部43には、発光管14の各電極36の一対のリード線37と点灯装置18との電気的接続を中継する中継端子でもある4つの接続部材55が取り付けられている。
【0045】
これら接続部材55は、導電性を有する金属板で構成され、基台部43における基板17がオフセットする側に対して反対側で、ホルダ15に支持する発光管14の隣り合うバルブ端部31a,32a,33a間の隙間であって、基台部43の周縁部より中心側でかつ基台部43の隣り合う凹部47の間の位置に、金属板面が径方向に向くとともにホルダ15の一端側と他端側とにそれぞれ突出するように貫通して設けられている。
【0046】
接続部材55のホルダ15の一端側と他端側とに突出する各先端には、スリット56を有する二股状のリード線係止部57が形成されている。なお、接続部材55の他端側の幅が一端側の幅より狭く、この接続部材55の他端側をホルダ15の一端側からこのホルダ15に形成されている貫通孔に差し込んでホルダ15に固定することができる。
【0047】
次に、グローブ16は、透明または光拡散性を有するガラスや合成樹脂などの材質により、白熱電球などの一般照明用電球のガラス球の形状に近い滑らかな曲面状に形成されている。グローブ16の一端部に開口部60が形成され、この開口部60の縁部61がカバー13のカバー部27の内側に嵌合されて例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤により接着固定されている。
【0048】
次に、点灯装置18は、基板17を備え、この基板17に点灯回路65を構成する複数の電子部品66が実装されている。基板17は、口金12の内側に挿入可能とする幅寸法で、幅寸法に対して高さ寸法が長い矩形状に形成されており、この基板17の両側縁部がホルダ15の一対の基板取付溝51に差し込み係合されてホルダ15の中心軸の方向に沿って縦形に配置されるとともに、ホルダ15の中心線に対してオフセットした位置に配置されている。すなわち、口金12とカバー13とホルダ15とを組み合わせた状態において、基板17は、口金12の内側に対して、その口金12の中心線の方向に沿って縦形に配置されるとともに、口金12の中心線に対してオフセットした位置に配置されている。
【0049】
基板17の両面側に電子部品66が実装されるが、基板17の口金12との間隔が広い側の一面には、電子部品66のうちの限流インダクタとしてのバラストチョークなどのトランスCT、コンデンサC1、平滑用コンデンサとしての電解コンデンサC2などの大形の電子部品66が実装され、また、基板17の口金12との間隔が狭い側の他面には、電子部品66のうちの高さの低いトランジスタ、チップ形のコンデンサや整流素子などの面実装タイプの電子部品66が実装されている。なお、トランジスタとしてのMOS形のNチャンネルの電界効果トランジスタQ1およびMOS形のPチャンネルの電界効果トランジスタQ2は1つのパッケージ部品として他面に面実装されている。
【0050】
基板17の発光管14側である他端側で、かつ基板17の口金12との間隔が広い側の一面には、基板17の幅方向に離間した位置から、点灯回路65に接続された4本のリード線67が導出されている。これら各リード線67はホルダ15の各接続部材55の一端側に突出するリード線係止部57のスリット56に差し込まれて電気的および機械的に接続されている。
【0051】
また、点灯回路65の出力側で発光管14の一対の電極36間に接続される電子部品66として、正温度特性抵抗素子PTC1がある。この正温度特性抵抗素子PTC1は、2本のリード線68を有するディスクリート部品であり、これら各リード線68が対応する接続部材55のリード線係止部57のスリット56に差し込まれて電気的および機械的に接続されている。この正温度特性抵抗素子PTC1は、点灯回路65の電子部品66のうちの熱に比較的強い部品で、ホルダ15の突部45の内側であって壁部49の内側に配置され、すなわち発光管14のU字形バルブ31,32,33の内側間に配置されている。
【0052】
また、基板17の口金12との間隔が狭い面側との間には、主アマルガム39を封入した細管38が配置されている。これにより、口金12の内側に点灯装置18と細管38とが効率よく配置される。
【0053】
そして、口金12の中心軸に対する基板17のオフセット量は、口金12の内径の3/4の位置までの範囲が好ましい。このオフセット量が3/4の位置よりも口金12の内面側に接近した場合には、基板17の幅が狭くなり、基板17の実装面積が小さくなって電子部品66の実装効率が低下するので好ましくない。
【0054】
また、カバー13の内側には、口金12側と発光管14側とを熱的に遮断する熱遮断部材を充填してもよい。この熱遮断部材は、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などが用いられ、少なくともカバー13の内周面と基板17および電子部品66との間の開口を埋めるように注入されている。また、熱遮断部材は、口金12の内側やホルダ15の内側まで設けてもよく、口金12の内側まで設ければカバー13と口金12とが接着固定されるので、カバー13と口金12との強度が向上する。また、ホルダ15の内側まで設ければ、同様の理由により、カバー13とホルダ15との強度が向上する。
【0055】
口金12の内側には、口金12内に配置される主アマルガム39を封入した細管38の先端部と口金12とを熱的に接続する熱伝導性部材を充填してもよい。この熱伝導性部材には、発熱部品である電解コンデンサC2などの一部の電子部品66をさらに熱的に接続させてもよい。この熱伝導性部材は、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などが用いられ、例えば、口金12を組み合わせる前に、口金12に収容される細管38の先端部、基板17、電子部品66などに熱伝導性部材を注入したり、熱伝導性部材を内側に注入した口金12を組み合わせることにより、各部品を熱伝導性部材で接続できる。なお、熱伝導性部材は、口金12の内側全体に充填するようにしてもよく、つまり熱遮断部材に接触していてもよい。
【0056】
次に、電球形蛍光ランプ11の組立について説明する。
【0057】
発光管14の一端側とホルダ15の他端側とを組み合わせ、発光管14の両端部から導出された各リード線37を、ホルダ15の他端側に突出する対応した接続部材55のリード線係止部57のスリット56に差し込んで電気的および機械的に接続する。このとき、リード線37の先端側を保持しておいて、リード線37の途中位置をスリット56の先端開口側から奥側に移動させるようにして差し込むことで、スリット56内のリード線37をリード線係止部57で挟持して係止できるため、リード線37の接続作業の自動機による自動化を可能とする。
【0058】
また、図5に示すように、発光管14のリード線37が導出された一方の端部の両側には2つの接続部材55が隣り合うように近い位置に配置されているため、各リード線37を近い位置の各接続部材55に接続する。一方、発光管14のリード線37が導出された他方の端部には1つの接続部材55が隣り合うように近い位置に配置されるがもう1つの接続部材55は他のバルブ端部を隔てて遠い位置に配置されているため、発光管14の端部から導出された2本のリード線37のうち、1本のリード線37は近い位置の接続部材55に接続し、もう1本のリード線37は他のバルブ端部の内周面側を通して遠い位置の接続部材55に接続する。これにより、もう1本のリード線37を他のバルブ端部の外周面側を通した場合に、リード線37の影が発生してしまうことを防止できる。
【0059】
発光管14の一端側とホルダ15の他端側とを組み合わせた状態で、ホルダ15の内側から各開口部48を通じて発光管14とホルダ15との間に接着剤を注入し、発光管14とホルダ15とを接着固定する。
【0060】
正温度特性抵抗素子PTC1をホルダ15の壁部49内に配置し、正温度特性抵抗素子PTC1の各リード線68を、ホルダ15の一端側に突出する対応した接続部材55のリード線係止部57のスリット56に差し込んで電気的および機械的に接続する。このとき、リード線68の先端側を保持しておいて、リード線68の途中位置をスリット56の先端開口側から奥側に移動させるようにして差し込むことで、スリット56内のリード線68をリード線係止部57で挟持して係止できるため、リード線68の接続作業の自動機による自動化を可能とする。
【0061】
図4に示すように、ホルダ15の一対の基板取付溝51に基板17の両側縁部を差し込んで、ホルダ15の内側に基板17を挿入し、基板17から導出されている各リード線67を、ホルダ15の一端側に突出する対応した接続部材55のリード線係止部57のスリット56に差し込んで電気的および機械的に接続する。このとき、リード線67の先端側を保持しておいて、リード線67の途中位置をスリット56の先端開口側から奥側に移動させるようにして差し込むことで、スリット56内のリード線67をリード線係止部57で挟持して係止できるため、リード線67の接続作業の自動機による自動化を可能とする。
【0062】
ホルダ15とカバー13とを組み合わせて結合する。熱遮断部材をカバー13の内周面と基板17および電子部品66との間の開口を埋めるように注入する。
【0063】
基板17の入力部側に予め接続されている図示しない電線を口金12のシェル21およびアイレット23に接続し、カバー13に口金12を嵌合してかしめや接着によって固定する。
【0064】
口金12を組み合わせる前には、口金12に収容される細管38の先端部、基板17、電子部品66などに熱伝導性部材を注入したり、口金12の内側に熱伝導性部材を内側に注入し、この口金12を組み合わせることにより、細管38の先端部、基板17、電子部品66および口金12を熱伝導性部材で熱的に接続する。
【0065】
続いて、発光管14にグローブ16を被せ、グローブ16をカバー13に接着剤によって固定する。
【0066】
そして、このように形成された電球形蛍光ランプ11は、図9に示すように、例えばダウンライトである照明器具81に用いることができる。この照明器具81は、器具本体82を有し、この器具本体82内にソケット83および反射体84が取り付けられ、ソケット83には電球形蛍光ランプ11が装着される。
【0067】
このように構成された電球形蛍光ランプ11では、複数の接続部材55をホルダ15の一端側と他端側とに貫通して設けることにより、ホルダ15から突出する各接続部材55の一端側に点灯装置18の各リード線68をそれぞれ接続でき、ホルダ15から突出する接続部材55の他端側に発光管14の各リード線37をそれぞれ接続できるため、従来のような基板17に立てるラッピングピンを必要とせず、点灯装置18の基板17を小形化でき、発光管14と点灯装置18との電気的接続の自動化にも容易に対応できる。
【0068】
また、各接続部材55をホルダ15に支持する発光管14の隣り合うバルブ端部31a,32a,33a間の隙間に対向する位置に配設させているため、接続部材55がバルブ端部31a,32a,33aからの発光を阻害しにくくなる。また、バルブ端部31a,32a,33aの外側位置よりもホルダ15の中心側に配設されているので、ホルダ15を小径化して小形化することが可能となるとともに、接続部材55がグローブ16から遠ざけられるので、点灯時の接続部材55の影がグローブ16に映りにくくなる。
【0069】
また、発光管14は、U字形バルブ31,32,33のバルブ端部31a,32a,33aを、ピンチシールなどによる封止ではなく、焼き丸めて封止しているため、ピンチシールで封止する場合に較べて、U字形バルブ31,32,33のバルブ端部31a,32a,33aからの封止部分の突出量を少なくできる。これにより、封止部分がホルダ15の一端側である点灯装置18側に突出するのを少なくしたり無くすことができるため、接続部材55に対する正温度特性抵抗素子PTC1の各リード線68の接続や基板17からの各リード線67の接続の障害とならず、リード線67,68の接続作業の自動機による自動化に容易に対応できる。
【0070】
また、U字形バルブ31,32,33のバルブ端部31a,32a,33aからの封止部分の突出量を少なくできるため、ホルダ15に開口部48を設けなくてもよく、発光管14側と点灯装置18側との熱的な遮断効果を高めることができる。
【0071】
なお、接続部材55のスリット56は必須ではなく、リード線36,67,68の仮止めが可能な手段が設けられていればよい。レーザ溶接などの溶接によってリード線36,67,68と接続部材55を接続してもよい。
【0072】
なお、ホルダ15の筒部44には、各接続部材55の外側位置に対応して切欠部53を設けることにより、リード線67,68の接続作業の自動機による自動化に対応しやすくできる。
【0073】
また、グローブ16を省略し、発光管14が露出するタイプに構成してもよい。この場合には、接続部材55などを覆うカバーを設ければよい。
【0074】
また、発光管14のU字形バルブ31,32,33の数は、3本に限られず、2本でも、あるいは4本以上を並設して放電路長をより長くすることもできる。
【0075】
また、発光管としては、複数本のU字形バルブを並設して1本の放電路を形成した屈曲形の発光管に限らず、1本のバルブを螺旋状に屈曲した発光管でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電球形蛍光ランプのバルブ並設方向から見た断面図である。
【図2】同上電球形蛍光ランプのバルブ並設方向に対して交差する方向から見た断面図である。
【図3】同上電球形蛍光ランプのホルダの斜視図である。
【図4】同上電球形蛍光ランプのホルダの点灯装置側の底面図である。
【図5】同上電球形蛍光ランプのホルダの発光管側の平面図である。
【図6】同上電球形蛍光ランプの発光管の展開図である。
【図7】同上電球形蛍光ランプのバルブの製造方法を(a)〜(d)に示す説明図である。
【図8】同上電球形蛍光ランプの発光管の別の構造を示す展開図である。
【図9】同上電球形蛍光ランプを用いた照明器具の断面図である。
【符号の説明】
【0077】
11 電球形蛍光ランプ
12 口金
14 発光管
15 ホルダ
18 点灯装置
30 バルブ
31a,32a,33a バルブ端部
36 電極
37 リード線
55 接続部材
81 照明器具
82 器具本体
83 ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に一対の電極が封装されたバルブ、および各電極に接続されていてバルブ端部からそれぞれ導出されたリード線を有する発光管と;
発光管の一端側を支持したホルダと;
ホルダの一端側に配設された口金と;
ホルダと口金との間に配設され、口金と電気的に接続されるとともに発光管の各電極に対してそれぞれ接続される複数リード線が導出された点灯装置と;
ホルダの一端側と他端側とに貫通して設けられ、ホルダから突出する一端側端部に点灯装置のリード線がそれぞれ接続され、ホルダから突出する他端側端部に発光管のリード線がそれぞれ接続される複数の接続部材と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
発光管は、複数の管状バルブの一端側の各端部がホルダの中心部の周囲に位置する屈曲した形状に形成され、
複数の接続部材は、ホルダに支持する発光管の隣り合う管状バルブの一端側の端部間に対向して配設されている
ことを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
器具本体と;
器具本体に取り付けられたソケットと;
ソケットに接続された請求項1および2記載の電球形蛍光ランプと;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−181779(P2008−181779A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14745(P2007−14745)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】