説明

電磁妨害(EMI)遮蔽用ストリップガスケット

電磁妨害を遮蔽するために密閉面に対して低度の閉鎖力を利用しているストリップガスケットが開示されている。該ストリップガスケットは外面と内面とを有している。該内面は中空断面領域を提供する。その内面や外面、あるいはそれら双方の面の周囲に曲げモーメントが形成され、密閉面に対して低度の閉鎖力を提供する。曲げモーメントは前記ストリップガスケットの表面積を増大させ、その結果低抵抗を提供する。コーシ応力の分析が従来のストリップガスケットと比較して、ストリップガスケットを圧縮するために必要な力は低いことを明らかにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遮蔽ガスケット(shielding gasckets)に関し、詳しくは電磁妨害(EMI)遮蔽あるいは無線周波妨害(radio frequency interference: RFI)遮蔽を行うために密閉面(enclosing face)に対して低度の閉鎖力を利用するストリップガスケット(strip gaskets)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばテレビ、ラジオ、コンピュータ、医療器具、事務機械、通信設備などの電子設備の作動は典型的には電子システムの電子回路内で無線周波および(または)電磁放射の発生を伴うものである。例えば、ドアやアクセスパネル、コンピュータのキャビネットやドライブを遮蔽するハウジング、ブラウン管(CRTs)およびカーエレクトロニックスモジュールのような商業的な電子装置密閉体(commercial electronic enclosure)における作動周波数が増大するとその結果高周波電磁妨害(EMI)のレベルが上がることになる。ドアとかアクセスパネルに直面あるいは接合している金属表面の間に何らかの空隙があれば電磁放射が通過し、電磁妨害を発生させる機会を与える。これらの空隙はまた、吸収され、接地されるEMIエネルギからキャビネットの表面に沿って流れる電流も妨害する。
【0003】
適正に遮蔽されていないとすれば、そのような放射は無関係の設備に対してもかなりの妨害を発生させることが可能である。従って、電子システム内の無線周波および電磁放射のすべての発生源を有効に遮蔽し、接地することが必要である。よって、電磁妨害(EMI)の通路を塞ぐためにそのような表面の間に導電性遮蔽体(conducting shield)すなわちガスケットを使用することが望ましい。
【0004】
EMI作用を減衰させるためには、EMIエネルギを吸収し、および(または)反射させる能力を有する遮蔽ガスケットがEMIエネルギを発生源の装置内に閉じ込め、そしてその装置あるいはその他の「対象となる」装置をその他の発生源の装置から隔絶することの双方を行うために採用すればよい。そのような遮蔽は発生源とその他の装置との間に挿入される障壁として設けられ、典型的には当該装置を密閉する導電性で接地されたハウジングとして構成される。当該装置の回路は一般的に保守管理(servicing)などのためにアクセス可能な状態に留まる必要があるので、殆どのハウジングには例えばドア、ハッチ、パネルあるいはカバーのような開放可能あるいは取り外し可能なアクセス手段(accesses)が設けられている。しかしながら、これらのアクセスおよびその対応する適合、あるいは接合された表面が最大限平坦であるとしてもその間に、放射エネルギがそこを通って漏出、さもなければ当該装置へ出入りしうる開口を含むことによって遮蔽の効率を低減させる空隙が存在しうる。更に、そのような空隙はハウジングあるいはその他の遮蔽体の前記表面および接地の導電性の不連続を意味し、スロットアンテナの形態として機能することによってEMI放射の二次発生源を発生させることすらありうる。この点に関して、ハウジング内に誘導された大量の、あるいは表面の電流が遮蔽体におけるいずれかの境界空隙(interface gaps)に亘って電圧勾配を発現させ、それによって前記空隙はEMIノイズを放射するアンテナとして機能する。一般的に、ノイズの振幅は空隙の長さに比例するが、空隙の幅は目だった作用は少ない。
【0005】
ハウジングとその他のEMI遮蔽構造体との接合面内での空隙を埋めるために、前記構造体に亘っての電気的連続性を保持すること、および例えば湿気および塵のような汚染物体を当該装置の内部から排除することの双方の目的に対してガスケットやその他のシールが提案されてきた。そのようなシールは接合面の一つに接着するか、機械的に取り付けるか、あるいは圧入され、適用された圧力の下で前記表面の間の凹凸に適合することによってそこを横切る連続した導電通路を確立するようにどのような境界空隙も閉鎖してしまうよう機能する。従って、EMI遮蔽用に意図するシールは、たとえ圧縮状態にある間であっても電気的な表面の導電性を提供し、しかも前記シールが空隙の大きさにも適合するようにする弾性を有している構造ものであると規定される。更に、前記シールは耐摩耗性で、製造が経済的であり、圧縮および弛緩の繰り返しサイクルに耐えることが可能でなければならない。
【0006】
充填材、遮蔽体、あるいはコーティングのための導電性材料は金属、金属メッキした粒体、織布、メッシュや繊維を含む。好適な金属としては銅、ニッケル、銀、アルミニウム、錫、あるいは例えばモネルメタル(Monel)のような合金を含み、好適な繊維および織布は、例えば綿、羊毛、絹、セルローズ、ポリエステル、ポリアミド、ナイロンおよびポリイミドのような天然繊維あるいは合成繊維を含む。代替的に、カーボン、グラファイト、あるいは導電性高分子材料のようなその他の導電性粒体および繊維でも代替しうる。
【0007】
これらの遮蔽装置は広範なサイズで入手可能であり、連続したロールあるいはある長さに切断されて供給されうる。一般的に、これらの遮蔽装置はリベット、溶接、ネジなどによってハウジングに取り付けられ、好ましくは遮蔽装置を取り付け済みの連続したロール状に形成されたストリップ金属クリップ(strip metal clip)が使用される。
【0008】
キタガワ(Kitagawa)に対して発行された米国特許第5,008,485号(U.S.Patent No.5,008,485)は、例えばゴムなどの弾性で、非導電性の材料から形成された内側のシール部材と該シール部材の上にコーティングされた導電性の外層とを含む導電性のEMI遮蔽体を開示している。導電性の層の一部は、前記シール部材が取り付けられているハウジングの縁部と直接接触するように該シール部材を越えて延在している。導電性の層はカーボンブラック、金属パウダーなどが充填されてそれを導電性としている樹脂材料を含む導電性化合物から形成されている。
【0009】
ケイサー他(Keyser et al)に対して発行された米国特許第5,028,739号(U.S.Patent No.5,028,739)は、細かい織り目の開放したフォーマット編み(fine,open format knit)あるいは網目状になったワイヤメッシュ(braided wire mesh)内に包囲された弾力的で伸縮性の芯を含むEMI遮蔽ガスケットを開示している。前記ガスケットを密閉体に取り外し可能に直接固定できるようにする接着剤のストリップが該ガスケットの表面に沿って長さ方向に配置されている。
【0010】
ホージ二世他(Hoge,Jr.et al.)に対して発行された米国特許第5,105,056号(U,S,Patent No.5,105,056)は圧縮可能な芯の周りで周方向に巻きつけられた導電性被覆材(sheathing)から形成されたEMI遮蔽ガスケットを開示している。被覆材自体が重なるところでは、長手方向の継ぎ目が画成されており、それに対してガスケットを密閉体などのパネルに接着させるために接着剤が塗布される。接着剤は前記継ぎ目に亘って横方向に延在する非重なり線(non−overlapping line)を繰り返した形態で不連続に塗布されることが好ましい。
【0011】
ブオナンノ(Buonanno)に対して発行された米国特許第5,202,536号(U.S.Patent No.5,202,536)は部分的な導電性被覆材で被覆されている細長い弾性の芯を有するEMIシールを開示している。被覆材の導電性の部分、好ましくは樹脂結合剤に金属を被覆した織布(metallized fabric)などが非重なりである端部を画成するように前記芯の周りを部分的に延在するように設けられている。第二の非導電性の被覆材部分が導電性の被覆材部分の端部の間を延在するように前記芯要素に取り付けられている。シールを適所に保持するためにコンタクト接着剤(contact adhesive)を使用してもよい。
【0012】
ペング他(Peng,et.al)に対して発行された米国特許第6,121,545号(U.S.Patent No.6,121,545)は小型の電子装置密閉パッケージ(electronic enclosure packages)において使用するのに特に適合している低度の閉鎖力を提供するガスケットを開示している。開示されたガスケットは交互の局所の最大および最小高さにおいて周期的に「中断された」パターン(“interrupted” pattern)を形成するように設計されてきた。そのようなタイプのガスケットは成形加工あるいはフォームインプレース(form in place: FIP)プロセスを使用することによって形成することが可能であり、刻みのある、すなわちノッチ状、鋸歯状、あるいは正弦曲線状の「波形」の外形(profile)を有するか、あるいは一連の不連続のビードとして形成される。一般に、特定した接合形態に対して、そのような「中断した」外形すなわちパターンを有するガスケットは連続的な外形のものより所定の圧縮力の下ではより大きな撓みを見せるものと思われる。
【0013】
スペーサガスケットの設計においてより低度の閉鎖力を達成する別の方法がペン他(Peng,et al.)に対して発行され、本発明と共通に譲渡されている米国特許第6,121,545号(U.S.Patent 6,121,545)に記載されている。この方法は加えられた圧縮性負荷に応答するフレームに対して内方向あるいは外方向に角度をつけて撓み可能であるモーメントアーム部分(moment arm portion)を有するガスケットを構成することに関係する。それに説明されている曲げモード応答性の結果、そのようなガスケットは従来の圧縮モードで作動しているガスケットの外形と比較して力の偏向を見せることが判っている。
【0014】
典型的な小型の密閉体への適用は一般的に、比較的に低度の閉鎖力荷重(closure force loads)、例えばガスケットの長さの約0.2−1.5kg/cm(1.0−8.0ポンド/インチ)の下で撓み可能である低インピーダンス、低外形(プロフィール)の接続(low profile connection)を必要とする。その撓みは、ガスケットが接合されたハウジングあるいは盤の表面との間に導電性の通路を発生させるようにその面と確実に十分適合するようにさせる。しかしながら、ある適用に対しては、ある従来の外形に対して必要とされる閉鎖力、あるいはその他の撓み力は特定のハウジングあるいは盤組立体の設計によって許容しうるものより高い可能性があることが認められた。
【0015】
前述した、およびその他の既知のガスケットは適度に良好に機能を果たすものの、一方これらのガスケットはキャビネットに組み立てるには比較的コストが高くつく。更に、緊密に編製されたワイヤメッシュはドアあるいはパネルをシールするため高度の閉鎖力を必要とされることを要請され、かつ前記の緊密に編製されたメッシュと必要とされる金属クリップとを組み合わせるとガスケットを重くし、それは例えば航空機産業におけるように重量が重要な要素であるような用途においては有害である。
【0016】
例えば携帯電話機のような手持ちの電子装置のサイズは小型化し続けているので、ガスケットの外形の設計における更なる改良をすることは電子装置産業においては歓迎されるであろう。特に、益々工業規格となりつつある小型電子装置の密閉体において使用するために低度の閉鎖力のガスケット外形を提供することが望ましい。
【0017】
従って、安価であり、軽量で、かつ密閉面に対して低度の閉鎖力を許容する特定の構造を備えた弾性の芯を有する遮蔽ガスケットが必要とされている。遮蔽ガスケットはまた、複雑な密閉体においては極めて望ましい優れた圧縮−撓み特性を提供すべきである。更に、遮蔽ガスケットは、密閉面の種々の曲げ曲度で利用可能であるべきで、かつ新規な設計を許容するために例えば非対称形、あるいは平坦な長方形、C字形、V字形、D字形、P字形など各種の形状および外形で入手できるようにされるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の目的は軽量構造および密閉面に固定する上での可撓性を提供する中空断面を有しているストリップガスケットを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は低度の閉鎖力で密閉面をシールできるようにするストリップガスケットを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は電気抵抗をより低くしうるストリップガスケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
従来技術の前述の、およびその他の欠点に対処するために、本発明は電磁妨害(EMI)、無線周波妨害(RFI)を遮蔽し、かつ環境をシールするために中空の断面領域を有するストリップガスケットを提供する。
【0022】
本発明のストリップガスケットは、例えばドアおよびアクセスパネル、コンピュータのキャビネットおよびドライバを遮蔽するハウジング、ブラウン管(CRT)およびカーエレクトニクスモジュールのような多数の電子装置密閉体におけるEMI/RFI遮蔽および環境シールを提供する。該ストリップガスケットは電子装置密閉体の所望する部分あるいは位置に対して適用することができる。
【0023】
ストリップガスケットには内面と外面とが設けられる。ストリップガスケットの内面は中空の断面領域を提供するように構成されている。ストリップガスケットの内面および外面は一つ以上の曲げモーメント(bending moments)を有している。代替的に、該曲げモーメントはガスケットの内面あるいは外面のいずれかにおいて形成させることも可能である。ストリップガスケットは低閉鎖力および低抵抗を提供し、従ってEMI/RFI遮蔽に理想的なものとする。
【0024】
一実施例において、O字形を有するストリップガスケットが説明されている。前記の説明されたO字形のストリップガスケットには一つ以上の曲げモーメントを有する内面と外面とが設けられている。内面は中空の断面領域を提供するように構成される。曲げモーメントは前記の内面と外面との周囲において発生したエンボスパターン(浮き出し模様:embossed pattern)によって画成される。このように形成された曲げモーメントは表面積を増し、その結果ガスケットに亘って低抵抗をもたらす。
【0025】
ストリップガスケットにおけるコーシ(Cauchy)応力の効果を分析するために非線形有限要素分析(FEA)法が使用される。本発明によって構成された開示のガスケットの外形の静荷重−圧縮の応答性が、非線形有限要素分析(FEA)モデルリングプログラム、MARC K6(カリフォルニア州パロアルトのMARCアナリシスリサーチ会社−MARC Analysis Research Corp.,Palo Alto,Calif.)を使用して予測される。ストリップガスケットの力対圧縮のプロット(plot)は本発明によるストリップガスケットの曲線は従来のストリップガスケットの曲線より下方に位置することが認められることを示している。約0.0356kg/cm(0.2 lbs/inch)の特定の力において、本発明によるストリップガスケットは、5単位(0.1016ミリ(0.004”)/増分において)まで圧縮される従来のストリップガスケットと比較して15単位(0.1016ミリ(0.004インチ)/増分において)まで圧縮される。
【0026】
代替実施例において、本発明によるストリップガスケットにはD字形、P字形、あるいはそれらの組み合わせの中空断面を設けることができる。曲げモーメントはストリップガスケットの内面および外面においてエンボス加工される。代替的に、曲げモーメントはガスケットの内面あるいは外面のいずれかにエンボス加工することができる。
【0027】
ストリップガスケットは典型的に弾性の芯要素と導電性の被覆要素とからつくられている。弾性芯要素は典型的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−EPDMブレンド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、ニトリル、クロロスルホン酸塩(chlorosulfonate)、発泡ネオプレン、発泡ウレタン、あるいは発泡シリコンのような発泡状弾性熱可塑性材料でもよい弾性発泡体から形成される。代替的に、非発泡シリコン、ウレタン、ネオプレン、あるいは熱可塑性材料を中実あるいはチューブ状の形態のいずれかで使用してもよい。
【0028】
被覆材は織布あるいは非織布として、あるいは編製メッシュとして提供しうる。織布あるいはメッシュは、例えば銅、ニッケル、銀、アルミニウム、錫の金属ワイヤあるいはモネルメタル(Monel)のような合金の金属ワイヤ、あるいは、例えばカーボン、グラファイトのようなその他の導電性繊維あるいは導電性高分子材料から形成しうる。代替的に、例えば綿、羊毛、絹、セルローズ、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、ポリイミドなどの非導電性の天然繊維あるいは合成繊維を、例えば金属、カーボンなどのような導電性材料でメッキ、あるいはコーティングしてもよい。シールのための特定の用途の必要性に応じて、導電性および非導電性の繊維を使用してもよい。被覆材は非導電性の繊維と銅、アルミニウム、あるいは別の金属から形成された導電性金属薄膜のラミネートとして提供してもよい。しかしながら、好適な被覆材料は銀、銅、ニッケルあるいは錫でメッキしたナイロンあるいはポリエステルのヤーン(yarn)を含む。
【0029】
本発明を、類似の要素を同じ参照番号で指示する添付図面において、例としてであって限定的でなく以下説明する。
【0030】
当該技術分野の専門家は、図に示す要素は簡単に判り易くするために示されており、必ずしも正規の尺度に描かれていないことを認識するであろう。例えば、図に示す要素のあるものの寸法は本発明の実施例を理解し易くするために他の要素に対して誇張して示すことがありうる。
【0031】
本発明は遮蔽ガスケットを指向する。特に、本発明は複合密閉面(complex enclosing surfaces)において電磁妨害(EMI)あるいは無線周波妨害(RFI)遮蔽を提供するストリップガスケットを開示する。該ストリップガスケットは外面と、内面と、複数の曲げモーメントを含む。内面は中空の断面領域を提供する。曲げモーメントは前記内面、外面、あるいはそれらの双方の面の周囲において形成され、密閉面において低度の閉鎖力を提供する。
【0032】
二つの面が接触するように合わされる時、面の凹凸によってそれらの面は全ての点において完全に接合することを妨げられる。空隙は小さいものであっても、極めて高い閉鎖力が加えられたとしても、EMIエネルギのための漏出通路を提供する。完全な接合を達成するために、弾性材料のガスケットが前記面の間に設置される。閉鎖圧力が加えられると、ガスケット自体が双方の適合面における凹凸に適合し、接合部の全体にわたって局所の圧縮の段階的変化をそれ自体が調節して完全にシールする。同じように、もしも弾性のガスケットがメッシュあるいは粒体の形態でその周り、あるいはその容積を通して分配された金属を組み込んでいるとすれば、接合部は電磁エネルギの侵入に対してシールすることが可能であり、それによって密閉体の導電性並びに遮蔽の完全性が回復される。
【0033】
ストリップガスケットは、例えばドアおよびアクセスパネル、コンピュータのキャビネットやドライブを遮断するハウジング、ブラウン管(CRT)およびカーエレクトロニクスモジュールのような多数の電子装置密閉体においてEMI/RFI遮断および(または)周囲のシールを提供する。ストリップガスケットは電子装置密閉体の所望の部分あるいは位置に対して適用可能である。
【0034】
従来のEMI遮断ガスケットは、空隙充填能力を有し、その周りに導電性のチューブ状スリーブあるいはその他の被覆材が設けられている弾性の芯要素を含むものである。この弾性の芯要素は典型的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−EPDMブレンド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、ニトリル、クロロスルホン酸塩、あるいは発泡性のネオプレン、ウレタン、あるいはシリコンのような発泡性の弾性熱可塑性材料でもよい導電性の発泡弾性物質から形成される。代替的に、非発泡性のシリコン、ウレタン、ネオプレンあるいは熱可塑性材料を中実あるいはチューブ状のいずれかの形態で利用してもよい。
【0035】
被覆材は織布あるいは不織布、または編製メッシュとして提供しうる。前記織布あるいはメッシュは、例えば銅、ニッケル、銀、アルミニウム、錫のような金属ワイヤ、あるいはモネルメタル(Monel)のような合金の金属ワイヤ、あるいは例えばカーボン、グラファイトのようなその他の導電性繊維あるいは導電性高分子材料から形成しうる。代替的に、綿、羊毛、絹、セルローズ、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、ポリイミドなどの非電導性の天然繊維あるいは合成繊維を、例えば金属、カーボンなどの導電性材料でメッキするか、あるいはコーティングしてもよい。シールに対する特定の用途の必要性に応じて、導電性繊維と非導電性繊維との組み合わせを使用してもよい。被覆材はまた、非導電性繊維と、銅、アルミニウムあるいは別の金属から形成された導電性の金属薄膜とのラミネートとして提供しうる。好適な被覆材料は、銀、銅、ニッケルあるいは錫でメッキしたナイロンあるいはポリエステルのヤーンを含む。
【0036】
EMIガスケットの性能を測定するために使用される数種の基準がある。例えば、電気的性能は所定の圧縮負荷におけるオーム/平方(ohm/square)で示す表面抵抗率で測定される。低い抵抗率が望ましいが、これはガスケットの表面導電性が高いことを意味するからである。EMI遮断性能は20MHzから18GHzまでの範囲の周波数に亘ってデシベルで測定され、この範囲に亘る一定のデシベルのレベルが好ましい。ガスケットの性能はまた、ガスケットの被覆の導電性金属要素の厚さによっても変わり、より厚い層がより薄い層よりも良好な性能を提供する。
【0037】
遮断ガスケットはまた、通常作動の間は低度の閉鎖力を提供する。閉鎖力は、ガスケットを介してドアのフレームに対する電気的に適正な接合を保証するようにガスケットに必要な偏向を与えながら、ドアあるいはパネルを閉鎖するに必要な力として定義することができる。典型的には必要な閉鎖力は約0.089kg/cm(5ポンド/線状インチ(lbs/linear inch))以下である。遮蔽装置は接合面に掻き傷をつけたり、あるいは磨耗させることなくその高さの最大75%まで容易に圧縮することができる。30メガヘルツから3ギガヘルツまでの間の放射周波数に対しては、適度の遮蔽性を提供するために弾性の芯あるいはその他の類似の要素によって内部で支持されている導電性メッシュ材料を利用することが知られている。
【0038】
ストリップガスケットは、典型的な用途に対して、例えば成形されたガスケット、押出成形されたガスケット、そして強化ガスケットのような種々タイプで市販されている。典型的な用途とは、限定的でないが、電子ベイドア(bay doors),ウイングパネルアクセスカバー(wing panel access covers),エンジンパイロン、およびレードーム(radomes)を含む。ストリップガスケットは特定の用途に対応するために注文仕様の断面や形状のものを設計し、開発することができる。
【0039】
押出成形のガスケットは中空の構造体あるいは中実の構造体のいずれかで入手しうる。これらのガスケットはまた、例えば丸形、「D」字形、矩形、P字形およびC字形のような各種の断面形状で、中空および矩形の双方のタイプでも入手しうる。これらの断面形状はガスケットを所望の密閉面、すなわち接合面に位置させる上での融通性を提供する。
【0040】
強化ガスケットは、織製あるいは編製の布材料で強化した、耐蝕性のcho−シール弾性物質ベース(cho−seal elastomer base)から構成されている。これらのガスケットは航空機の機体の遮蔽用に意図されたものであり、航空宇宙や通信産業分野において広く使用されている。一体成形した強化材料は機械的特性を改良し、その結果高レベルの磨耗や酷使に耐え、一方導電性の弾性物質ベース材料の電気特性を保持しているガスケットを提供する。強化ガスケットは、航空機の機体の接合部、継ぎ目部および開口において表面の電気的連続性を保持することによってEMI遮蔽、照明保護、強力電磁場(HIRFs)の保護、レーダ断面縮小を提供するために使用される。
【0041】
ガスケットの重量を増やすことなく弾性物質の引張強度および引裂き強度を増すために編製されたダクロン(Dacron)布が強化層として使用される。落雷の衝撃から保護するために必要とされる高電流通電性を提供するためにアルミニウムあるいは「フェレックス(ferrex)」のワイヤメッシュの層が使用される。3M ネクステル(Nextel)織布として知られているその他の織布もまた、強化目的に使用することができる。種々タイプの織製ワイヤメッシュの形状におけるその他の強化材料もまた耐火性を提供するために入手可能である。
【0042】
添付図面を参照して本発明を以下説明する。図面は本発明の発明概念を説明するために使用されており、本発明を前記図面によって例証されている実施例に限定する意図のものではない。
【0043】
図1は本発明の一実施例による、ストリップガスケットをその中に取り付けている密閉体を示す。密閉体100は密閉面と、ハンドルを取り付けたドアと、該ドアを作動させるためのヒンジとを含む。ストリップガスケット108が前記密閉体100のドア106の内面の全周に張り付けられている。ドア106が閉鎖されると、ストリップガスケット108は密閉面102に広がり、その全周の周りで圧縮され良好な電気的接触すなわち接合を提供する。
【0044】
図2Aを参照すれば、本発明の一実施例による、中空の断面領域を提供する内面と外面とを有するO字形のストリップガスケットが示されている。ストリップガスケット200には外面208と内面206とが設けられている。前記内面206の周囲は中空の断面領域202を提供する。更に、前記内面206はその周囲に沿って曲げモーメント204Aおよび204Bを提供するように構成されている。また、前記ストリップガスケット200の外面208に沿って曲げモーメント216Aおよび216Bが設けられている。
【0045】
図2Aに示されている曲げモーメントは前記外面208と内面206との周囲に形成されたエンボスパターンとして定義される。曲げモーメント204と216とはストリップガスケット200の内面206および外面208の双方の周囲に形成することができる。代替的に、曲げモーメント204および216はガスケット200の内面206あるいは外面208のいずれかにおいて形成することができる。ストリップガスケットの表面に付与される曲げモーメントの形成(マウント)および位置は可変であり、特定の用途の全体設計および要件に応じて決まる。
【0046】
図2Bに従来のO字形ストリップガスケットが示されている。図2Bに示されているように、内面212と外面214とを有する従来のO字形のストリップガスケット210の正面図が示されている。図2Bから判りうるように、従来のO字形のガスケット210には中空の断面領域218が設けられ、曲げモーメントは欠如している。
【0047】
前述のように、曲げモーメントは密閉面に低度の閉鎖力を提供するために形成される。閉鎖力とは、ガスケットを介してドアのフレームに対する適度の電気的接合を保証するようにガスケットの必要な撓みを得ると共に、ドアあるいはパネルを閉鎖するのに必要な力として定義される。典型的には、前記の閉鎖力は約0.089kg/cm(5ポンド/線状インチ)以下である。
【0048】
前記面にこのように形成された曲げモーメントは取り付けられたガスケットの表面積を増大させ、従って該ガスケットの有効設置跡(footprints)を増大させる。表面積が増大することによって抵抗を低くする(R=ρ(L/A)、但し、Rは断面積の抵抗値、ρは使用された材質の抵抗値、Lは長さ、そしてAは面積である)。抵抗は断面積に間接的に比例するので、全体の抵抗は表面積の増大に伴って減少する。
【0049】
更に、ストリップガスケット200は負荷状態においてコーシの応力を満足させる。コーシの法則によれば、密閉された容積が材料の残りの部分に加える体部内の力は該体部の残りの部分から密閉容積に加えられる力と均衡しなければならない。
【0050】
前述の実施例はその内面および外面に曲げモーメントを備えた中空断面領域を有する、本発明によるO字形のストリップガスケットを説明している。しかしながら、本発明はO字形のストリップガスケットに制限、すなわち限定されるものでない。本発明はまた、その内面および外面に曲げモーメントを備えた中空の断面領域を有する、例えばD字形、P字形、あるいはその他いずれかの形状のような種々の形状および構造を備えた実施例にも展開される。
【0051】
図3Aを参照すれば、本発明の一実施例による、中空の断面領域を提供する内面と外面とを有する倒立D字形ストリップガスケットの正面図が示されている。ストリップガスケット300には外面308と内面306とが設けられている。前記内面306の周囲は中空の断面領域302を提供する。更に、前記内面306はその周囲に沿って曲げモーメント304Aおよび304Bを提供するように構成されている。更に、曲げモーメント316がストリップガスケット300の外面308に沿って設けられている。
【0052】
従来のD字形ストリップガスケットが図3Bに示されている。図3Bに示すように、内面312と外面314とを有する従来のD字形ストリップガスケット310の正面図が示されている。図3Bから判りうるように、従来のD字形ガスケット310には中空の断面318が設けられており、曲げモーメントは欠如している。
【0053】
図4Aを参照すれば、本発明の更に別の実施例による、中空断面領域を提供する内面と外面とを有する倒立P字形ストリップガスケットの正面図が示されている。図4AはP字形のストリップガスケット400の正面図を示す。ストリップガスケット400には外面408と内面406とが設けられている。内面406の周囲は中空断面領域402を提供する。更に、内面406はその周囲に沿って、例えば404Aおよび404Bのような曲げモーメントを提供するように構成されている。更に、ストリップガスケット400の外面408に沿って曲げモーメント416Aおよび416Bが設けられている。
【0054】
従来のP字形のストリップガスケットが図4Bに示されている。図4Bに示すように、内面412と外面414とを有する従来のP字形のストリップガスケット410の正面図が示されている。図4Bから判りうるように、従来のP字形ガスケット410には中空の断面418が設けられており、曲げモーメントは欠如している。
【0055】
図5から図10までに示す各種のガスケットの幾何学的形状に対する応力を分析するために非線形有限要素分析(FEA)法が使用される。ガスケットのFEA法により分析された外形が選択された撓みレベルにおけるコーシの応力の第二の成分に対してプロットされている。
【0056】
以下の例は前述してきた本発明の実用的で、かつ独特の特徴を説明している。この例は何ら限定的な意味で解釈すべきでないことを理解すべきである。
【0057】

実際の製品構成において本発明の利点を更に高めるために、本発明により構成された開示のガスケットの外形の静荷重−圧縮応答性を非線形有限要素分析(FEA)のモデリングプログラム、MARC K6(カリフォルニア州、パロアルトのMSC/MAR/モンタット アナリシスリサーチ社(MSC/MAR/Montat Analysis Research Corp.,Palo Alto,Calif.))を使用して予測された。
【0058】
図11は本発明の一実施例による、O字形ストリップガスケットと従来のO字形ストリップガスケットとの力−圧縮の局面を比較したグラフを表す。グラフ1100は縦軸1108において(ガスケットを圧縮するのに要する力をポンド/線状インチで示す)力を、横軸1106において(0.004インチ/増分で示す)圧縮を定義している。グラフ1100はストリップガスケットの表面に特定の力が加えられたとき発生する圧縮のパラメータを示す。曲線1102は従来のO字形ストリップガスケットに力が加えられたときガスケット上で発生する圧縮の変動を表す。曲線1104は本発明によるO字形のストリップガスケットに力が加えられてときガスケット上で発生する圧縮の変動を表す。
【0059】
図11における分析は圧縮の各増分を0.1016ミリメートル(0.004inchs)として、ガスケットの自由状態からの圧縮を示す。圧縮に要する力はポンド/線状インチで測定される。図11から判りうるように、本発明によるO字形のストリップガスケットの力−撓み曲線は従来のO字形ストリップガスケットの力−撓み曲線の下方に位置している。例えば、曲線1104における点Eによって示されているように、15単位の圧縮値を発生させるために本発明によるO字形のストリップガスケットには0.2単位の力が加えられる。同様に、直接的な比較において、曲線1102の点Fによって示すように同じ圧縮値(15単位)を発生させるために従来のO字形のストリップガスケットには0.54単位の力が加えられる。前記グラフから判りうるように、従来のO字形のストリップガスケットにおいて特定の圧縮を発生させるには本発明によるO字形のストリップガスケットにおけるものよりも大きな力を必要とする。
【0060】
図11から判りうるように、本発明によるO字形のストリップガスケットは従来のO字形のストリップガスケットと比較して低度の閉鎖力を要する。その低い閉鎖力は中空のガスケット構造の内面あるいは外面において形成される曲げモーメントを介して達成される。
【0061】
図12は本発明の別の実施例によるD字形のストリップガスケットの力−圧縮局面を従来のD字形のストリップガスケットと比較したグラフを表す。グラフ1200は縦軸1208において(ポンド/線状インチで示す)力を、横軸1206において(増分当たり0.1016ミリメートル(0.004inchs)で示す)圧縮を定義している。グラフ1200は、特定の力がストリップガスケットの表面に加えられたとき発生する圧縮のパラメータを示す。曲線1202は従来のD字形のストリップガスケットに力が加えられたときガスケットにおいて発生する圧縮の変動を表す。曲線1204は本発明によるD字形ストリップガスケットに力が加えられたときガスケットに発生する圧縮の変動を表す。プロットから判りうるように、本発明によるD字形のストリップガスケットの力−撓み曲線は従来のD字形のストリップガスケットの力−撓み曲線の下方に位置する。例えば、曲線1204の点Gによって示されるように15単位の圧縮値を達成するために本発明によるD字形のストリップガスケットには0.42単位の力が加えられる。同様に、直接的な比較において、曲線1202の点Hによって示すように、同じ圧縮値(15単位)を達成するためには従来のD字形のストリップガスケットには1.3単位の力が加えられる。グラフから判りうるように、従来のD字形のストリップガスケットにおいて特定の圧縮を達成するには本発明によるD字形のストリップガスケットにおけるよりも大きな力を必要とする。
【0062】
図12から判りうるように、本発明によるD字形のストリップガスケットは従来のD字形のストリップガスケットと比較して低度の閉鎖力を必要とする。低い閉鎖力は中空のガスケット構造の内面あるいは外面において形成される曲げモーメントによって達成される。
【0063】
図13は本発明の別の実施例による、倒立P字形のストリップガスケットの力ー圧縮局面と従来のP字形のストリップガスケットとを比較したグラフを表す。グラフ1300は縦軸1308において(ポンド/線状インチで示す)力と横軸1306において(増分当たり0.1016ミリメートル(0.004inchs)で示す)圧縮とを定義している。グラフ1300はストリップガスケットの表面に特定の力が加えられたとき発生する圧縮のパラメータを示す。曲線1302は従来のP字形のストリップガスケットに力が加えられたときガスケットにおいて発生する圧縮の変動を表す。曲線1304は力が本発明によるP字形のストリップガスケットに加えられたときガスケットにおいて発生する圧縮の変動を表す。プロットから判りうるように、本発明によるP字形のストリップガスケットの力−撓み曲線は従来のP字形のストリップガスケットの力−撓み曲線の下方に位置する。例えば、曲線1304の点Iによって示すように、15単位の圧縮値を達成するためには本発明によるP字形のストリップガスケットには0.35単位の力が加えられる。同様に、直接的な比較において、曲線1302の点Jによって示されるように同じ圧縮値(15単位)を達成するためには0.75単位の力が従来のP字形のストリップガスケットに加えられる。グラフから判りうるように、従来のP字形のストリップガスケットにおいて特定の圧縮を発生することは本発明によるP字形のストリップガスケットにおけるよりも大きな力を必要とする。
【0064】
図13から判りうるように、本発明によるP字形のストリップガスケットは従来のP字形のストリップガスケットと比較して低度の閉鎖力を要する。低い閉鎖力は中空のガスケット構造の内面あるいは外面に形成される曲げモーメントを介して達成される。
【0065】
本発明によるストリップガスケットは今日の商業的な通信および宇宙航空産業の厳重な遮蔽および機械的性能の要件に対応するように設計されている。電子的に導電性のジャケットや軟質の発泡状芯を成功裡に最適化することの結果により卓越したEMI遮蔽性能と超低度の閉鎖力を有する製品を提供する。
【0066】
本発明によるストリップガスケットは多くの利点を提供する。ストリップガスケットは複数の密閉体に対して周囲に対する密封性、あるいは電磁妨害(EMI)/無線周波妨害(RFI)に対する遮蔽性を提供するように実施することができる。ストリップガスケットは設置が容易であり、複数の面に対して調整するよう可撓性の形状で市販され、かつ効果的な遮蔽性を提供するように密閉体に対して複数の方法で簡単に取り付けることができる。更に、ストリップガスケットは中空の断面領域を有し、その周囲に沿って曲げモーメントを備え、密閉面に対して低度の閉鎖力を提供し、かつ最適な性能を発揮するように所望する位置に固定することができる。
【0067】
本発明の精神内において各種のその他の実施例が可能であり、前述した実施例は単に説明のためのものであり、本発明を何ら限定する意図のものではない。ストリップガスケットは現場で入手可能であり、当該技術分野の専門家には既知である各種の材料から所望する形状でつくることが可能である。本発明は均等な実施例を全て網羅する意図のものであり、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例による、ストリップガスケットをその中に取り付けている密閉体を示す。
【図2A】本発明の一実施例による、O字形のストリップガスケットの正面図を示す。
【図2B】従来のO字形ストリップガスケットの正面図を示す。
【図3A】本発明の一実施例による、D字形のストリップガスケットの正面図を示す。
【図3B】従来のD字形のストリップガスケットの正面図を示す。
【図4A】本発明の一実施例による、P字形のストリップガスケットの正面図を示す。
【図4B】従来のP字形のストリップガスケットの正面図を示す。
【図5】従来のO字形のストリップガスケットに対するコーシ(Cauchy)応力の第二の成分の非線形有限要素分析を示すプロットを示す。
【図6】本発明によるO字形のストリップガスケットに対するコーシ応力の第二の成分の非線形有限要素分析を示すプロットを示す。
【図7】従来のD字形のストリップガスケットに対するコーシ応力の第二の成分の非線形有限要素分析を示すプロットを示す。
【図8】本発明によるD字形ストリップガスケットに対するコーシ応力の第二の成分の非線形有限要素分析を示すプロットを示す。
【図9】従来のP字形ストリップガスケットに対するコーシ応力の第二の成分の非線形有限要素分析を示すプロットを示す。
【図10】本発明によるP字形ストリップガスケットに対するコーシ応力の第二の成分の非線形有限要素を示すプロットを示す。
【図11】図5および図6に示すストリップガスケットの力と圧縮との関係を示すグラフを示す。
【図12】図7および図8に示すストリップガスケットの力と圧縮との関係を示すグラフを示す。
【図13】図9および図10に示すストリップガスケットの力と圧縮との関係を示すグラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面と、
中空の断面領域を有する内面と、
前記内面および外面の一つ以上の周囲において形成される少なくとも1個の曲げモーメントと、を含むことを特徴とする密閉面に低度の閉鎖力を提供する遮蔽ストリップガスケット。
【請求項2】
少なくとも1個の前記曲げモーメントが前記内面においてエンボス加工されることを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項3】
少なくとも1個の前記曲げモーメントが前記外面においてエンボス加工されることを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項4】
少なくとも1個の前記曲げモーメントが前記内面および外面の双方においてエンボス加工されることを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項5】
前記ガスケットが、成形されたガスケット、押出成形されたガスケットおよび強化されたガスケットから構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項6】
前記の中空の断面領域が、D字形、矩形、P字形、O字形およびC字形から構成されるグループから選択される形状を有することを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項7】
前記ガスケットがダクロン(Dacron)織布を使用して強化されることを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項8】
前記ガスケットがアルミニウムのワイヤおよびフェレックス(ferrex)ワイヤから構成されるグループから選択されるワイヤを使用して強化されることを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項9】
前記ガスケットが導電性弾性物質あるいは非導電性弾性物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。
【請求項10】
前記ストリップガスケットが電磁妨害遮蔽あるいは無線周波妨害遮蔽のために使用されることを特徴とする請求項1に記載のストリップガスケット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−541486(P2008−541486A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512490(P2008−512490)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/019160
【国際公開番号】WO2006/125045
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(597175961)パーカー.ハニフィン.コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】