説明

電磁波吸収シートの製造方法

【課題】樹脂組成物が、容器内で硬化して硬化物を生成することを防止し、また膜厚ムラのない電磁波吸収シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】シリンジ内の反応性液状樹脂及び磁性フィラーの混合物に硬化剤を添加し、シリンジを回転させることにより、磁性フィラーが均一に分散した、20℃における初期粘度が500〜5000Pa・sの樹脂組成物を作製し、シリンジをTダイ付きのディスペンサーにセットし、プランジャーにより樹脂組成物をTダイを通して基板フィルム上に押し出し、テンションロールのみで基板フィルムの張力を調整しながら押し出された樹脂組成物を基板フィルムと共に圧延ロールにより圧延して、ラミネートシートを成形し、樹脂組成物の反応性液状樹脂を硬化させる電磁波吸収シートの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波吸収シートの製造方法に関し、さらに詳しくは、フレキシブルな電気・電子部品、例えばフレキケーブルなどのフレキシブルプリント配線板や薄層化された半導体素子等の機器に接着され、機器から外部への電磁波の漏洩、外部からの電磁波の侵入を防ぐ電波吸収シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子技術において、民生機器の小型化から、それに使用されるフレキシブルプリント配線板はより小さく、より薄く、コンパクト化の一途を辿っている。したがって、フレキシブルプリント配線板はさらに柔軟性で、軽量であり、薄いものであることが必要であり、用途の拡大に伴い、耐熱性、電気特性等のフレキシブルプリント配線板用素材そのものの基本的性能に対する要求も高度のものになってきている。例えば、高屈曲性、柔軟性を保つには、薄型で柔軟なフレキシブルプリント配線板の適用が必要である。
【0003】
殊に最近ノート型パソコンは多機能、高機能とともに、小型、薄型化の傾向にある。それに伴い、ハードディスクやDVDドライブなどの光ピックアップ部に使用されるインターフェイスケーブルは、束ねたシールド線群からフラットで厚みの薄いフレキシブルプリント配線板へと変わりつつある。また、情報量の高速伝達が可能なようにデジタル信号を多く伝えるために、より高周波帯域の周波数を使うようになってきており、今まで以上の電磁波の吸収及びシールド特性が要求される。
【0004】
電磁波吸収シートは、電子機器が備えるCPU、高速ICなどの半導体素子に貼り付けることで外部から到来する電磁波及び半導体素子自身が発生する電磁波を吸収することで電磁干渉を抑制している。
また、半導体素子は熱を発生することから、これを冷却するために、電磁波吸収シートは放熱性にも優れていることが望まれる。
【0005】
引用文献1には、軟磁性合金粉末を樹脂基材内部に分散状に充填し、板状に成形した電磁波吸収体が記載されており、軟磁性合金粉末の充填性及び流動性等の観点から、樹脂基材として熱可塑性樹脂であるナイロン12を用いるのが望ましい旨が記載されている。そして、この電磁波吸収体の製造方法として、スクリューを用いた連続混練押出機により、熱可塑性樹脂と軟磁性合金粉末とを混練し、ペレットを製造し、このペレットを射出成形機により板状成形品に成形する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−68117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1では、樹脂基材として熱可塑性樹脂を用いるものであるが、熱可塑性樹脂は耐熱性が十分とはいえず、耐熱性の観点からは、反応性液状樹脂が好ましい。
この反応性液状樹脂は、反応開始剤を添加することにより硬化するものである。この反応性液状樹脂を用いた場合、反応性液状樹脂に磁性フィラーが均一に分散された樹脂組成物は粘度が高くなる。これを引用文献1に記載のスクリューを用いた連続混練押出機により押し出すと、スクリューの回転により熱が発生し、この熱により反応性液状樹脂の反応が促進され、連続混練押出機から押し出される前に反応性液状樹脂が硬化してスクリューの羽根や壁に付着しやすく、これらの除去に時間と労力を費やさなければならなくなるという問題がある。また、この硬化物が異物として電磁波吸収シート中に存在すると電磁波吸収シートの接着性や特性が低下するという問題がある。
【0008】
さらに、基板フィルムと共に樹脂組成物を圧延してラミネートシートとする磁波吸収シートでは、樹脂組成物の反応性液状樹脂が硬化する前に巻き取りを行うと、得られる電磁波吸収シートに膜厚ムラが生じ、電磁波吸収特性のバラツキが大きくなるという問題もある。
【0009】
本発明は、磁性フィラーが均一に分散された樹脂組成物が、容器内で硬化物を生成して壁等に付着すること及び異物として電磁波吸収シート中に存在することを防止し、膜厚ムラがなく、電磁波吸収特性のバラツキがない電磁波吸収シートの製造方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、シリンジ内の反応性液状樹脂及び磁性フィラーの混合物に硬化剤を添加し、このシリンジを回転させることにより、磁性フィラーが均一に分散した樹脂組成物とし、テンションロールのみで基板フィルムの張力を調整しながらラミネートシートを成形することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1) シリンジ内の反応性液状樹脂及び磁性フィラーの混合物に硬化剤を添加する工程と、
当該シリンジを回転させることにより、当該磁性フィラーが均一に分散した、20℃における初期粘度が500〜5000Pa・sの樹脂組成物を作製する工程と、
当該シリンジをTダイ付きのディスペンサーにセットし、プランジャーにより当該樹脂組成物をTダイを通して基板フィルム上に押し出す工程と、
テンションロールのみで当該基板フィルムの張力を調整しながら押し出された当該樹脂組成物を当該基板フィルムと共に圧延ロールにより圧延して、ラミネートシートを成形する工程と、
当該樹脂組成物の反応性液状樹脂を硬化させる工程と、
を含む電磁波吸収シートの製造方法、
(2) 上記(1)に記載のラミネートシートの成形が、さらにテンションロールのみで接着フィルムの張力を調整しながら、当該接着フィルムを圧延ロールにより圧延して樹脂組成物の上に形成することを含むものである電磁波吸収シートの製造方法、
(3)自公転ミキサーを用いてシリンジを回転させる上記(1)又は(2)に記載の電磁波吸収シートの製造方法、
(4) 反応性液状樹脂が、変性シリコーン系、シリコーン系、エポキシ系、ウレタン系及びポリイソブチレン系ポリマーの群の中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法、
(5) 磁性フィラーが、金属磁性フィラー及び金属酸化物磁性フィラーの群の中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法、
(6) 磁性フィラーが、平均長さ5〜200μm、平均厚み0.1〜10μmのフィラーである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法、
(7) ラミネートシートを成形すると同時に又は成形した後に当該ラミネートシートの一表面に磁力を作用させる上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法、
(8) 反応性液状樹脂及び磁性フィラーの混合物に、さらに熱伝導性フィラーが含まれている上記(1)〜(7)のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法、
(9) 熱伝導性フィラーが、炭素フィラー、酸化物フィラー、炭化物フィラー及び窒化物フィラーの群の中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法、
(10) 熱伝導性フィラーが、平均長さ0.5〜100μm、平均幅0.1〜200μmのフィラーである上記(1)〜(9)のいずれかに記載の電磁波吸収シート、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、磁性フィラーが均一に分散された樹脂組成物が容器内で硬化物を生成して付着する壁等を最小にし、異物として電磁波吸収シート中に存在することを防止することができ、膜厚ムラのない電磁波吸収シートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の製造方法の概略を示す概念図である。
【図2】シートに形成された樹脂組成物に磁力を作用させて磁性フィラーの分布状態を変化させる様子を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の反応性液状樹脂は、変性シリコーン系、シリコーン系、エポキシ系、ウレタン系及びポリイソブチレン系ポリマーの群の中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中で特に変性シリコーン樹脂が好ましく、硬化後の硬度(JIS K6253(タイプA))が20〜50度程度であるものが好ましい。
【0015】
変性シリコーン樹脂としては、特に、加水分解性ケイ素を少なくとも1分子以上有するポリオキシアルキレン系樹脂、例えば「MSポリマーS810」(株式会社カネカ製)が好適であるが、加水分解性ケイ素を少なくとも1分子以上有するポリイソブチレン系樹脂例えば「エピオンSタイプ」(株式会社カネカ製)や、加水分解性ケイ素を少なくとも1分子以上有するポリアクリル系樹脂なども用いることができる。
【0016】
加水分解性ケイ素基を少なくとも1分子以上有するポリオキシアルキレン系樹脂については多くの製法があり特に制限はされないが、例えば、特開2001−55438号公報に記載の方法にて製造することができる。
【0017】
変性シリコーン樹脂の分子量には特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が3000〜50000であることが好ましい。数平均分子量を上記範囲にすることで良好なゴム的性質を有する硬化物が得られると共に、適度な重合体の粘度が得られ、施工性のためにも好ましい。さらに、変性シリコーン樹脂は常温では液状である必要があり、数平均分子量が5000〜30000であることが、粘度の点から特に好ましい。
【0018】
変性シリコーン樹脂が有する分子末端の加水分解性ケイ素基の数は、少なくとも1個、好ましくは1.2〜4個である。かかる加水分解性ケイ素基の数を上記範囲にすることで硬化が充分になり、柔軟な弾性挙動を発現することができる。なお、加水分解性ケイ素基が分子末端に存在することにより、形成される硬化物に含まれる重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる。
【0019】
また、本発明において、反応性液状樹脂を硬化させる硬化剤としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等の金属カルボン酸塩及びブチルアミン、モノエタノールアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,3−ジアザビシクロ(5.4.6)ウンデセン−7(DBU)等のアミン化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0020】
これら硬化剤の量は、触媒の種類や加水分解性ケイ素基の量などによって適宜決定することができ、例えば、反応性液状樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜3質量部である。
【0021】
本発明においては、反応性液状樹脂は、添加剤としてさらに所望により、ヒンダードアミン系等の光安定剤、サリチル酸エステル系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤及びキノン系、アミン系、フェノール系、リン系、硫黄系等の酸化防止剤の中から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。これらの添加剤を含有させることにより、得られる電磁波吸収シートの耐光性や耐候性がさらに向上する。
前記添加剤の含有量は、反応性液状樹脂100質量部に対し、それぞれ通常0.05〜5質量部程度であり、好ましくは0.1〜3質量部である。
【0022】
さらに、本発明においては、変性シリコーン樹脂等の樹脂成分と反応する官能基を有しない可塑剤を反応性液状樹脂100質量部に対して、1〜100質量部含むことが好ましい。
可塑剤としては、ポリアルキレン系可塑剤、パラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪族2塩基酸エステル系可塑剤リン酸エステル系可塑剤などがあげられる。
【0023】
本発明の磁性フィラーは、金属磁性フィラー及び金属酸化物磁性フィラーの群の中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。金属磁性フィラーとしては、センダスト、パーマロイ、アモルファス合金、ステンレス鋼等、金属酸化物磁性フィラーとしては、MnZnフェライト、NiZnフェライト等が好適に用いられる。中でも、その優れた磁気特性からセンダスト系の金属磁性フィラーであることが好ましい。これらの磁性フィラーは扁平形状であり、平均長さが5〜200μm、平均厚みが0.1〜10μmであることが好ましい。この範囲であれば、反応性液状樹脂と混練した樹脂組成物が十分に滑らかな展延性となるからである。また、これらの磁性フィラーのアスペクト比は高い方が望ましく、例えば、アスペクト比として、平均5〜100とするのがよい。
【0024】
また、電磁波吸収シートの熱伝導性を向上させるために、磁性フィラーと共に熱伝導性フィラーを用いることができる。
熱伝導性フィラーは、炭素、炭化物、酸化物又は窒化物の群の中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等、炭化物としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素等、酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等、窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が好適に用いられる。中でも、熱伝導性が高く、分散性、電磁波吸収性を有するという理由から炭素繊維、カーボンブラック、カーボンナノファイバーが好ましい。また、これらの熱伝導性フィラーは扁平形状であり、平均長さが0.5〜100μm、平均厚みが0.1〜200μmであることが好ましい。この範囲であれば、反応性液状樹脂と混練した樹脂組成物が十分に滑らかな展延性となるからである。また、これらの熱伝導性フィラーのアスペクト比は高い方が望ましく、例えば、アスペクト比として、平均5〜100とするのがよい。
【0025】
磁性フィラー及び熱伝導性フィラーの含有量は、反応性液状樹脂が硬化してマトリックス樹脂となった場合、そのマトリックス樹脂100質量部に対して、それぞれ10〜900質量部及び5〜100質量部の範囲であることが好ましい。磁性フィラー及び熱伝導性フィラーの含有量がこの範囲であれば、電磁波吸収特性が得られると共に、マトリックス樹脂が相対的に過多とならず、ベタツキ(粘着性)が生じることがないからである。
以下、磁性フィラーのみの場合と、磁性フィラーと熱伝導性フィラーとを含む場合とを併せて、「磁性フィラー等」という。)
【0026】
本発明で用いるシリンジは、反応性液状樹脂、磁性フィラー等及び硬化剤を均一に混合して樹脂組成物を作製するための容器であり、そのままTダイ付きのプランジャーにセットして用いることができ、接液面を連続混練押出機より減少させることができる。
【0027】
シリンジの形状としては、例えば、長さが5〜30cm、内径が5〜20cmの円筒形であり、シリンジの下方は傾斜が付けられており、内径が1〜3cmに絞り込まれている。そして、反応性液状樹脂及び磁性フィラー等の混合物、硬化剤等を入れるときは、シリンジの下方は、内容物が流出しないように蓋がされており、Tダイ付きのプランジャーにセットする際にこの蓋をはずす。
シリンジの材料としては、特に限定されず、鉄、鋼、ステンレス等を用いることができる。
【0028】
反応性液状樹脂及び磁性フィラー等は、シリンジ内で混合することもできるが、均一性を高めるために、シリンジとは別の容器内でこれらを均一に混練して混合物としておくことが好ましい。この場合、これらのフィラーを2回以上に分割して投入する分割投入法を採用するのが好ましい。この分割投入法によれば、これらのフィラーを十分に反応性液状樹脂中に分散させることができる。磁性フィラー等の投入は、これらを同時に投入しても、フィラーの種類別に投入してもよい。なお、実用的には、これらのフィラーのうちの1/3〜2/3をまず投入して混練し、残りを2〜4回程度、好ましくは略等分に分割して投入するのが好適である。
そして、この反応性液状樹脂及び磁性フィラー等の混合物をシリンジ内に入れ、その後、硬化剤を添加するのが好ましい。硬化剤を後から添加するのは、硬化剤の添加により反応性液状樹脂が硬化し始めるからである。
【0029】
シリンジを回転させる装置としては自公転ミキサーが好ましい。自公転ミキサーは液体や粘性体と粉体との攪拌、混練に優れた性能を有し、高度のニーディング効果(攪拌、混練、分散)を得ることができる。混練時間は特に制限はなく、例えば、0.5〜5分である。
シリンジの回転により、反応性液状樹脂、磁性フィラー等及び硬化剤が均一に混合され、反応性液状樹脂に磁性フィラー等が均一に分散された樹脂組成物となる。
【0030】
この樹脂組成物の20℃における初期粘度は、500〜5000Pa・sであることが好ましい。初期粘度が500〜5000Pa・sであれば、ディスペンサーにより容易にTダイを通して基板フィルム上に押し出すことができるからである。
粘度は、例えば、500mlビーカーに材料を入れ、回転粘度計を用いて測定することができる。
【0031】
シリンジ内で樹脂組成物を作製した後、このシリンジをTダイ付きのディスペンサーにセットする。ディスペンサー及びTダイは、樹脂成形に一般的に用いられる材質、形状のものを用いることができる。
ディスペンサーは、シリンジを固定するためのものであり、プランジャーは、シリンジ内の樹脂組成物を押し出すためのものである。そして、ディスペンサーに固定されたシリンジの上方からプランジャーに圧力をかけると、Tダイから一定の幅及び厚さを持った樹脂組成物が基板フィルム上に押し出される。押し出される樹脂組成物の厚さは、例えば、0.3〜0.9mmとすると、次の工程の圧延によるシート化が容易になり、例えば、容易に厚み50〜1000μmのシートにすることができる。
【0032】
プランジャーに加える圧力は、樹脂組成物の粘度、押し出される樹脂組成物の厚さ等により適宜決定することができるが、例えば、0.5〜5MPaとすることができる。
また、押し出される樹脂組成物の速さは、プランジャーに加える圧力、樹脂組成物の粘度、樹脂組成物の厚さ等により決定されるが、例えば、0.5〜15cm/sとすることができる。
【0033】
押し出された樹脂組成物は、基板フィルムと共に圧延ロールにより圧延されてラミネートシートに成形される。
基板フィルムは、電磁波吸収体層を保護するためのものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いることができる。
【0034】
圧延ロールは、樹脂組成物をシート化して、ラミネートシートを成形することができればよく、材質、大きさ、圧延の圧力等は、シートの大きさ、厚さ等により適宜決定することができる。
【0035】
また、通常、基板フィルムは、テンションロール及びラミネートシートを巻き取るシート巻き取り装置等により張力が調整されている。
しかしながら、本発明の方法では、シート化後の樹脂組成物の反応性液状樹脂を硬化させる必要があることから、ラミネートシートはすぐには巻き取らない。
そこで、通常の場合とは異なり、テンションロールのみにより基板フィルムの張力を調整する。
具体的には、圧延ロールの回転量を微調整することにより基板フィルムの張力を調整し、ラミネートシートの厚さは、圧延ロールに形成される樹脂組成物のバンクにより調整し、膜厚ムラが生じないようにしてある。
【0036】
さらに、電磁波吸収シートを電磁波を遮断する半導体素子等に強固に接着させるために、ラミネートシートの電磁波吸収体層に接着剤層を形成するのが好ましく、接着剤層として接着フィルムを用いた場合、上記の樹脂組成物をシート化して、ラミネートシートを成形すると同時に接着フィルムもラミネートするのが好ましく、この場合、基板フィルムの場合と同様に、テンションロールのみにより基板フィルムと共に接着フィルムの張力を調整するのがよい。
【0037】
接着剤層の種類としては、特に限定されず、例えば、熱硬化性ウレタンシート、熱硬化性エポキシシート等の熱硬化型接着剤層を用いることができる。
また、この熱硬化型接着剤層は室温から150℃程度の接着作業温度まで粘着性を有していることが好ましい。特に、熱硬化型接着剤層は、半導体素子等に接着させる場合の仮留め時温度(100℃)においても粘着性が保持されるものが望ましい。
このような条件を満たす熱硬化型接着剤層としては、東洋インキ製造(株)製TSU系(ウレタン系)などが例示される。
【0038】
この熱硬化型接着剤層は、厚みが薄すぎると十分な接着強度が得られない。また厚すぎると、接着するフレキシブルプリント配線板等と電磁波吸収シートとの間隔のため電波吸収特性が悪化する。このため熱硬化型接着層の厚さは10〜100μm、特に10〜50μm程度が望ましい。
そして、樹脂組成物の反応性液状樹脂を硬化させることにより、樹脂組成物が電磁波吸収体層となり、電磁波吸収シートを製造することができる。
【0039】
また、上記の樹脂組成物をシート化して、ラミネートシートを成形すると同時に又は成形した後に、このラミネートシートの一表面に磁力を作用させることにより、樹脂組成物中の磁性フィラーを引き付け、樹脂組成物中に磁性フィラーの濃度分布を形成することができる。
【0040】
ラミネートシートを成形すると同時に磁力を作用させる場合は、例えば、圧延ロールに磁石を内蔵させることによりラミネートシートに磁力を作用させる。また、ラミネートシートを成形した後に磁力を作用させる場合は、ラミネートシートの上面又は下面に磁石を接触させたりして磁力を作用させる。具体的には、板状の磁石上にラミネートシートを乗せたり、ラミネートシート上に板状の磁石を乗せたりすることにより磁力を作用させることができる。
【0041】
磁石としては、公知の永久磁石や電磁石等を用いることができ、永久磁石として、ネオジム鉄ボロン磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石等を用いることができる。
樹脂組成物に作用させる磁力の強さ及び時間は、磁性フィラーの種類、大きさ、樹脂組成物の粘度、目的とする磁性フィラーの濃度分布等により、適宜決定することができ、磁力としては、例えば0.1〜2T程度、好ましくは1.5〜2T程度である。時間としては、ラミネートシートを成形すると同時に磁力を作用させる場合は、0.5〜10秒程度、好ましくは1〜10秒程度であり、ラミネートシートを成形した後に磁力を作用させる場合は、1秒〜1時間程度である。
【0042】
反応性液状樹脂は、硬化剤の添加と共に序々に硬化し始め、通常10分〜12時間で硬化が終了するので、樹脂組成物の粘度を高めておく等、磁性フィラーが移動しないようにしてシートを常温、常湿等の条件の下放置すればよい。
また、硬化促進のため加熱することもでき、加熱温度としては、例えば、50〜150℃が好ましい。
【0043】
このような磁力を作用させた電磁波吸収シートでは、磁性フィラーの濃度は、マトリックス樹脂の一表面付近が最も高く、マトリックス樹脂の厚さ方向に向かって濃度が低くなっている。これにより、磁性フィラーの濃度(充填率)を高めることができ、効率的に電磁波を吸収することができる。特に、磁性フィラーをマトリックス樹脂の一表面からその厚さの2分の1の領域に磁性フィラー全体の55質量%以上の割合で存在させるようにして、磁性フィラーの充填率を高めることが好ましい。特に好ましくは70質量%以上であり、最も好ましくは80質量%以上である。
【0044】
また、熱伝導性フィラーは、磁力の作用を受けないので、マトリックス樹脂中に一様に分散しており、これにより、熱源から発せられる熱をバインダー樹脂中で効率的に伝導することができ、効率的に放熱することができる。
特に、電磁波吸収シートを半導体素子等に接着させると、そこから発生する電磁波を効率的に吸収すると共に発生する熱を効率的に放熱することができる。
【0045】
以下に本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明の製造方法の概略を示す概念図であり、1はシリンジ、2はディスペンサー、3はTダイ、4はプランジャー、5a及び5bは圧延ロール、6a及び7aはテンションロール、6b及び7bはガイドロール、11は反応性液状樹脂、12は磁性フィラー、13は熱伝導性フィラー、14は硬化剤、15は樹脂組成物、16は基板フィルム、17は離型シート付き接着フィルム、18はバンク、19は離型シート付き接着フィルムを有するラミネートシートであり、圧延ロール5aには磁石が内蔵されている。
【0046】
図1(a)に示すように、反応性液状樹脂11に磁性フィラー12、熱伝導性フィラー13が分散された混合物及び硬化剤14を、シリンジ1内に入れる。
次に、図1(b)に示すように、シリンジ1を図示しない自公転ミキサー等を用いて回転させることにより、シリンジ1内で反応性液状樹脂11、磁性フィラー12、熱伝導性フィラー13及び硬化剤14が均一に混合され、反応性液状樹脂11に磁性フィラー12及び熱伝導性フィラー13が均一に分散された20℃における初期粘度が500〜5000Pa・sの樹脂組成物となる。
【0047】
次に、図1(c)に示すように、シリンジ1をTダイ3付きのディスペンサー2にセットし、プランジャー4により所定の圧力をかけ、シリンジ1内の樹脂組成物15をTダイ3を通して一定の幅及び厚さの樹脂組成物15として基板フィルム16上に押し出す。
【0048】
押し出された樹脂組成物15は、基材フィルム16と共に圧延ロール5a、5bにより圧延されてラミネートシートに成形され、圧延と同時に、圧延ロール5aに内蔵された磁石から磁力の作用を受ける。
このとき、バンク18により、圧延される樹脂組成物15の量を微調整する。
基板フィルム16は、図示しない基板フィルムロールからテンションロール6a、ガイドロール6bを経て圧延ロール5a、5bに送りこまれるようになっている。
【0049】
さらに、離型シート付き接着フィルム17を、樹脂組成物15が圧延されると同時に離型シート側を上面として樹脂組成物15上に形成する。
離型シート付き接着フィルム17は、図示しない接着フィルムロールからテンションロール7a、ガイドロール7bを経て圧延ロール5a、5bに送りこまれるようになっており、これにより、離型シート付き接着フィルム17も一緒にラミネートされ、離型シート付き接着フィルムを有するラミネートシート19が作製される。
【0050】
このとき、基板フィルム16、離型シート付き接着フィルム17の張力は、それぞれテンションロール6a、7aによって調整されている。
そして、樹脂組成物15の液状硬化樹脂11が硬化することにより、樹脂組成物15が電磁波吸収体層となり、離型シート付き接着フィルムを有するラミネートシート19は、離型シート付き接着フィルムを有する電磁波吸収シートとなる。
【0051】
図2は、樹脂組成物に磁力を作用させて磁性フィラーの分布状態を変化させる様子を示す概念図であり、11'は反応性液状樹脂11に硬化剤14が添加された、硬化前のマトリックス樹脂である。また、8は磁石であり、その他の符号は図1と同様である。
【0052】
図2(a)に示されるように、シートに形成された樹脂組成物15に磁力を作用させる前は、磁性フィラー12と熱伝導性フィラー13は、硬化前のマトリックス樹脂11'中に均一に分散している。この状態で、図2(b)に示すように、樹脂組成物15の一表面(図1(b)では下面)に磁石8を接触させる。
すると、硬化前のマトリックス樹脂11'中の磁性フィラー12は、磁力により引き付けられて、樹脂組成物15の一表面からその厚さ方向に向かって濃度が低くなるように偏在して分散するようになる。
【0053】
他方、熱伝導性フィラー12は、磁力による影響を受けないので、硬化前のマトリックス樹脂11'中に一様に分散したままの状態で存在する。
そして、硬化前のマトリックス樹脂11'を常温で数十時間放置する等して硬化させることにより、樹脂組成物15は電磁波吸収体層となり、電磁波吸収シートを製造することができる。
【実施例】
【0054】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
次の(1)の材料を用い、(2)の方法によって電磁波吸収シートを製造した。また、(3)の測定及び評価方法によって電磁波吸収シートの特性を測定及び評価した。
【0055】
(1)材料
・反応性液状樹脂:100g(カネカ社製「MSポリマーS810」)
・可塑剤:40g(フタル酸ジイソノニル)
・硬化剤:12g(ジブチルスズジラウレートとブチルアミンとの混合物)
・光安定剤:1g(チバスペシャルティーケミカル社製「チヌビン770」)
・紫外線吸収剤:1g(チバスペシャルティーケミカル社製「チヌビン327」)
・酸化防止剤:1g(チバスペシャルティーケミカル社製「イルガノックス1010」)
・磁性フィラー:400g(センダスト系の金属磁性フィラーを以下のように調製した。Siを9.6質量%、Alを5.5質量%、残部がFeからなるFe−Si−Al合金(センダスト)粉末をアトリッションミル(商品名アトライター)にて粉砕処理を行い、扁平の磁性フィラーを得た。得られた磁性フィラーの平均長さは約10〜150μmであり、平均幅は約1〜5μmであった。)
・熱伝導フィラー:10g(平均長さ約15μm、平均幅約150μmの日東電工社製炭素繊維(商品名:VGCF))
・基材フィルム:(帝人社製PETフィルム、厚さ100μm)」)
・接着フィルム:東洋インキ製造(株)製熱硬化型接着シート(粘着性有り)「TSU4(ウレタン樹脂シート、厚さ35μm)」
【0056】
なお、可塑剤、硬化剤、光安定剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤は、反応性液状樹脂100質量部に対して、それぞれ40質量部、12質量部、1質量部、1質量部、1質量部に相当し、磁性フィラー及び熱伝導フィラーは、反応性液状樹脂が硬化してマトリックス樹脂となった場合のマトリックス樹脂100質量部に対して、それぞれ258質量部、6.5質量部に相当する。
【0057】
(2)製造方法
図1に示す方法によって、電磁波吸収シートを製造した。
まず、反応性液状樹脂、可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、磁性フィラー、熱伝導フィラーをシリンジとは別の容器内に入れ混合物を作製した。その後、図1(a)に示すように、反応性液状樹脂11に磁性フィラー12及び熱伝導フィラー13が分散された混合物と硬化剤14とを鋼製のシリンジ1内に入れ、このシリンジ1を図示しない自公転ミキサーにセットし、図1(b)に示すように、シリンジ1を室温にて1分間回転ささせることにより、磁性フィラー12及び熱伝導フィラー13が均一に分散された樹脂組成物15を作製した。この樹脂組成物15の20℃における初期粘度は、3000Pa・sであった。
【0058】
次に、シリンジ1をTダイ3付きのディスペンサー2にセットし、0.9MPaの圧力をプランジャー4に加えて、シリンジ1内の樹脂組成物15をTダイ3を通して1cm/sの速さで、基板フィルム16上に押し出た。この樹脂組成物15をの幅は約15cmで、厚さは約0.5mmの板状であった。
次に、図1(c)に示すように、基板フィルム16上に押し出された樹脂組成物15を基板フィルム16と共に1cm/sの速さで鋼製の圧延ロール5a、5bに送り、樹脂組成物15をシート化した。このとき、基板フィルム16の張力は、テンションロール6aのみで調整した。
この圧延ロール5aには、ネオジム鉄ボロン磁石が内蔵されており、樹脂組成物15に1.5Tの磁力を作用させることができるようになっている。
【0059】
また、圧延ロール5aを介して、離型シート付き接着フィルム17を、樹脂組成物15が圧延されると同時に離型シート側を上面として樹脂組成物15上に形成し、樹脂組成物15の厚みが350μm、基板フィルム16の厚みが100μm、離型シート付き接着フィルム17の厚みが130μmの離型シート付き接着フィルムを有するラミネートシート19を得た。このとき、離型シート付き接着フィルム17の張力は、テンションロール7aのみで調整した。
その後、この離型シート付き接着フィルムを有するラミネートシート19を常温、常湿の条件下8時間放置して、樹脂組成物15の反応性液状樹脂11を硬化させ、電磁波吸収体層とし、離型シート付き接着フィルムを有する電磁波吸収シートを製造した。得られた電磁波吸収シートには、膜厚ムラはなかった。
また、樹脂組成物15を押し出した後のシリンジ1の内部には、硬化物はほとんど付着していなかった。
【0060】
(3)特性の測定及び評価方法
[磁性フィラー及び熱伝導性フィラーの濃度分布]
電磁波吸収シートの断面を蛍光X線により測定して、磁性フィラー及び熱伝導性フィラーの濃度分布の状態を調べた。
その結果、磁性フィラーの濃度は、電磁波吸収シートの一表面付近で濃度が最も高く、シートの厚さ方向にしたがって濃度が低くなっており、電磁波吸収シートの厚さの2分の1を過ぎたところからは、その存在が確認されず、シートの2分の1の領域に85質量%以上の割合で存在していることが確認された。
これに対し、熱伝導性フィラーの濃度は、断面の全域においてほぼ等しく存在していることが確認された。
【0061】
[電磁波吸収率]
マイクロストリップライン上のシートの吸収特性を測定した。電磁波吸収率=損失電力/入力電力、シート大きさは50×50×2mm、周波数は0.5GHzとした。その結果、電磁波吸収率は0.15と高く、電磁波吸収率のバラツキも見られなかった。
[放熱性]
電磁波吸収シートの放熱性は、50×50×2mmのシートをサンプルとして、平板熱流計法による熱伝導率で評価した。その結果、熱伝導性は8.4W/m・Kと高いものであった。
【0062】
[耐熱性]
電磁波吸収シートの耐熱性は、125℃のオーブンにて、1000時間耐久性試験をおこない、その後外観と電磁波吸収率の変化を測定することによりおこなった。その結果、電磁波吸収シートの外観に異常は認められず、電磁波吸収率もほとんど変化しておらず、耐熱性に問題はなかった。
[異物の存在]
電磁波吸収シートに異物が存在しないことを倍率10倍の光学顕微鏡により観察した。その結果、電磁波吸収シート内に異物は存在していなかった。
【0063】
これらの結果から、反応性液状樹脂は、硬化物として容器の壁等に付着せず、電磁波吸収シート内に異物としても存在せず、膜厚ムラがなく、電磁波吸収特性のバラツキがない電磁波吸収シートが得られることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、フレキシブルな電気・電子部品、例えばフレキケーブルなどのフレキシブルプリント配線板や薄層化された半導体素子等の機器に接着され、機器から外部への電磁波の漏洩、外部からの電磁波の侵入をシールドする電磁波吸収率、放熱性及び耐熱性に優れた電波吸収シートを製造する方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 シリンジ
2 ディスペンサー
3 Tダイ
4 プランジャー
5a,5b 圧延ロール
6a テンションロール
7a テンションロール
11 反応性液状樹脂
12 磁性フィラー
13 熱伝導性フィラー
14 硬化剤
15 樹脂組成物
16 基板フィルム
17 離型シート付き接着フィルム
19 離型シート付き接着フィルムを有するラミネートシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジ内の反応性液状樹脂及び磁性フィラーの混合物に硬化剤を添加する工程と、
当該シリンジを回転させることにより、当該磁性フィラーが均一に分散した、20℃における初期粘度が500〜5000Pa・sの樹脂組成物を作製する工程と、
当該シリンジをTダイ付きのディスペンサーにセットし、プランジャーにより当該樹脂組成物をTダイを通して基板フィルム上に押し出す工程と、
テンションロールのみで当該基板フィルムの張力を調整しながら、押し出された当該樹脂組成物を当該基板フィルムと共に圧延ロールにより圧延して、ラミネートシートを成形する工程と、
当該樹脂組成物の反応性液状樹脂を硬化させる工程と、
を含む電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のラミネートシートの成形が、さらにテンションロールのみで接着フィルムの張力を調整しながら、当該接着フィルムを圧延ロールにより圧延して樹脂組成物の上に形成することを含むものである電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項3】
自公転ミキサーを用いてシリンジを回転させる請求項1又は2に記載の電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項4】
反応性液状樹脂が、変性シリコーン系、シリコーン系、エポキシ系、ウレタン系及びポリイソブチレン系ポリマーの群の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項5】
磁性フィラーが、金属磁性フィラー及び金属酸化物磁性フィラーの群の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項6】
磁性フィラーが、平均長さ5〜200μm、平均厚み0.1〜10μmのフィラーである請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項7】
ラミネートシートを成形すると同時に又は成形した後に当該ラミネートシートの一表面に磁力を作用させる請求項1〜6のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項8】
反応性液状樹脂及び磁性フィラーの混合物に、さらに熱伝導性フィラーが含まれている請求項1〜7のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項9】
熱伝導性フィラーが、炭素フィラー、酸化物フィラー、炭化物フィラー及び窒化物フィラーの群の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の電磁波吸収シートの製造方法。
【請求項10】
熱伝導性フィラーが、平均長さ0.5〜100μm、平均幅0.1〜200μmのフィラーである請求項1〜9のいずれかに記載の電磁波吸収シート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−251378(P2010−251378A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96332(P2009−96332)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】