説明

電磁石装置

【課題】本発明は、磁路とプランジャーとの接触面において破損および磁束損失等を防止し、磁気的吸引力を増加させ、電磁石装置の寿命を長くすることにある。
【解決手段】軸孔6とプランジャー軸13との間に金属環15を挿入し、軸孔6とプランジャー軸13との間に形成されている間隙6Aを狭くし、プランジャー軸13の傾斜を抑制し、プランジャー12と端部磁路3との接触面を増加させることにより、磁路とプランジャーとの接触面において破損および磁束損失が少なくなり、電磁石装置1の磁気的吸引力が増加し寿命が長くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁石装置に関するものであって、磁路内にプランジャーを配置し、磁路を構成する端部磁路に形成した軸孔と、この軸孔と該軸孔に挿入されたプランジャー軸とに形成される間隙に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電磁石(例えば、特許文献1)においては、磁路本体と、その磁路本体の各端部に対し該磁路本体を塞ぐように設けられた端部磁路と、により磁路が構成されている。前記の各端部磁路にはそれぞれ軸孔が設けられ、一端側の端部磁路には他端側の端部磁路方向に突出するように軸方向磁路が形成され、磁路の一部をなしている。前記の軸方向磁路には、端部磁路の軸孔に連通するように、軸孔が貫通して設けられている。磁路内にはプランジャーが配置され、そのプランジャーの両端部にはプランジャー軸が取付けられている。プランジャー軸は、前記の各軸孔に挿入される。したがって、前記の各軸孔によって、プランジャー軸が挿通される通路(以下、軸通路と称する)が形成される。
【0003】
そして、プランジャーの外周側と対向する磁路内には、電磁力発生手段である励磁コイルが配置されている。この励磁コイルにおいて給電すると、その給電によって発生する磁束が磁路内を循環し、プランジャーが磁気吸引力により駆動して軸方向磁路の端面に当接し、一端側のプランジャー軸に接続された負荷、例えば遮断器の操作器を駆動して遮断器を開閉する。
【特許文献1】特開2002−8498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような電磁石において、プランジャーと軸方向磁路の端面とにおける当接した接触面を観察すると、その接触面の一部が破損している場合がある。これは、軸通路とプランジャー軸との間に間隙が形成されているためと考えられる。この間隙においては、プランジャー軸の挿入寸法、および軸通路とプランジャー軸との製作時の許容誤差等により、間隙寸法が広くなってしまい、プランジャー軸が軸方向に対し傾斜して軸通路に挿入されるため、プランジャーが軸方向磁路の端面に対し傾斜して当接し、接触面の一部が当接してしまう。
【0005】
前記の当接面以外の他の部分においては、プランジャーと軸方向磁路端面との間に、前記の傾斜した分だけギャップを形成してしまう。また、プランジャーと磁路との間(例えば、プランジャーと磁路本体との間)に形成され得る間隙(後述する図2では符号60)においても、プランジャーが傾斜した分に応じて形成されてしまう。
【0006】
前記のギャップに等により、磁束損失及び前述の破損を生じ、磁気的吸引力が弱くなったり、電磁石装置の寿命が短くなってしまう。このギャップ等による問題を解決する方法として、前記の軸孔において、許容誤差を小さくすると共に、間隙を少なくし精度を良好にすることが考えられるが、コストが高くなってしまう欠点がある。
【0007】
本発明の目的は、前記の課題に基づいてなされたものであり、簡易的に間隙を狭くすることにより、接触面の破損および磁束損失を少なくし、磁気的吸引力の増加や電磁石装置の小型化を図ることが可能な電磁石装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電磁石装置は、前記の課題の解決を図るものであり、請求項1に記載の発明は、磁路本体と、前記磁路本体の各端部に対して該磁路本体を塞ぐように設けられた端部磁路と、から成る磁路と、前記磁路内に配置されたプランジャーと、前記磁路に設けられ前記プランジャーを端部磁路に対して磁気吸引力により接離する電磁力発生手段と、を備えた電磁石装置に関するものである。そして、前記の磁路とプランジャーとの間に形成された間隙を狭めることが可能な形状の磁性部材を、その磁路,プランジャーのうち少なくともいずれか一方側に配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、磁路本体と、前記磁路本体の各端部に対して該磁路本体を塞ぐように設けられる端部磁路と、から成る磁路と、前記磁路内に配置されたプランジャーと、前記磁路に設けられ前記プランジャーを端部磁路に対して磁気吸引力により接離する電磁力発生手段と、を備えた電磁石装置に関するものである。そして、前記の磁路とプランジャーとの間に形成された間隙を狭めることが可能な形状の部材で該磁路と該プランジャーとの各対向面側のうち少なくとも何れか一方側に摺動層を有する磁性部材を、その磁路,プランジャーのうち少なくとも何れか一方側に配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記請求項1または2記載の発明において、磁路に設けられたプランジャー軸が挿通する軸通路を有し、前記軸通路とプランジャー軸との間の間隙に対し、この間隙を調整することが可能な部材であって前記軸通路側に摺動層を有する磁性部材を配置することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載の発明において、前記の磁性部材を挿入することが可能な形状の挿入孔を、前記端部磁路に設けることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3記載の発明において、前記磁路に永久磁石を配置し、その永久磁石の磁気的吸引力によって前記の磁性部材を保持すること特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至3記載の発明において、前記磁性部材は、金属環であること特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電磁石装置によれば、磁路とプランジャーまたはプランジャー軸との間(間隙;例えば、軸通路(軸孔)とプランジャー軸との間の間隙)に磁性部材(金属環等)を挿入することにより、その磁路とプランジャーまたはプランジャー軸との間に形成されている間隙が狭められ、プランジャー軸が傾斜し難くなり、プランジャーと端部磁路との接触面積が増加すると共に、ギャップ間隔が狭くなる。
【0015】
また、金属環等の磁性部材を使用するだけの簡単な構造によって、間隙を狭くできると共に、磁気吸引力によって金属環を軸孔内面に保持できるため、その磁性部材の保持が簡単にできる。
【0016】
そして、前記のように間隙が狭められた分に応じて、接触面での破損および磁束損失等が少なくなり、磁気的吸引力が増加し電磁石装置の寿命が長くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施の形態の電磁石装置を図面等に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形態における電磁石装置1の断面図であり、図2は図1に示す金属環15を説明するための部分拡大図であり、図3は金属環15の斜視図を示すものである。
【0018】
(実施例1)
まず、本実施の形態の電磁石装置の実施例1を説明する。実施例1において、磁路本体2は包囲体(略筒状体)により形成され、その磁路本体2の上側および下側端部には各端部を塞ぐように(被覆するように)上側端部磁路3および下側端部磁路4が配置されている。これら磁路本体2と各端部磁路3,4とにより、磁路1Aが形成されている。
【0019】
各端部磁路3,4内面には窪部(図1中では切り欠き部)3A,4Aが形成され、それら窪部3A,4Aには磁路本体2が嵌込まれている。前記の上側端部磁路3には、その上側端部磁路3から下側端部磁路4に向かって、軸方向(図1中では、プランジャー軸13の軸方向)に沿って突出する軸方向磁路5が形成されている。軸方向磁路5および各端部磁路3,4には、軸孔(すなわち、軸通路)6が形成されている。軸方向磁路5は、ボルト5Aを介して、上側端部磁路3に取付けられている。磁路本体2の中間には、その磁路本体2から内径方向に突出する中間磁路部7が形成され、磁路1Aの一部を構成している。
【0020】
軸方向磁路5と対向する上側端部磁路3と中間磁路部7との間には、第1励磁コイル8が配置されている。下側端部磁路4と中間磁路部7との間には永久磁石からなる始動磁石9と第2励磁コイル10が配置され、始動磁石9と第2励磁コイル10との間には支持金具11が配置されている。この支持金具11により、下側端部磁路4と中間磁路部7との間に、始動磁石9と第2励磁コイル10が支持されている。
【0021】
第1励磁コイル8,第2励磁コイル10および始動磁石9の内周側には、プランジャー12が配置され、このプランジャー12の軸方向寸法は軸方向磁路5の軸方向寸法よりも短く形成されている。プランジャー12の両端には、プランジャー軸13が取付けられ、このプランジャー軸13は軸孔6を貫通して外部側に伸びている。
【0022】
なお、プランジャー12及び磁路1Aには、磁性部材が使用される。また、前記の軸孔6においては、その軸孔6の軸方向に対する横断面の形状が丸型以外の形状(例えば、楕円状,多角形状等)であって、プランジャー軸13の形状に応じて任意に設計された軸通路とすることが好ましい。
【0023】
プランジャー軸13と軸孔6との間には間隙6Aが形成され、この間隙6Aには金属環15が挿入されている。この金属環15の詳細は図2,3に示すとおりである。この金属環15は、磁性材料から成る部材(以下、磁性部材と称する)であって、例えば図2,3に示すように、薄い磁性板をリング形状に成形して成る基材(以下、磁性基材と称する)15Aによって構成される。
【0024】
磁性基材15Aのプランジャー軸13と対向する面(対向面)には、摺動層15Bが設けられる。この摺動層15Bを構成する摺動部材としては、自己潤滑性があり、摩擦係数が小さく、磨耗し難い部材を使用する。このような摺動部材の具体例として、四フッ化エチレン樹脂(フッ化樹脂),ポリエチレン樹脂,シリコーン樹脂,ポリアタール樹脂等から成る部材が挙げられる。なお、間隙6Aを狭め、且つ磁束(図1中ではΦ)が透過する部材であれば、例えば図2,3に示したような金属環15以外の形状のもの、例えば金属片を適用しても良い。すなわち、磁束を透過する磁性部材であれば良い。
【0025】
前記の金属環15においては、軸方向磁路5の軸孔6にプランジャー軸13を挿入し、軸孔6とプランジャー軸13との間隙6Aに該金属環15を挿入した状態で上側端部磁路3を磁路本体2に被せ、ボルト5Aを上側端部磁路3より軸方向磁路5に捩じ込むことにより、軸方向磁路5と共に上側端部磁路3に支持される。
【0026】
なお、図1では、磁路1Aの一部として軸方向磁路5,端部磁路3が構成されているが、例えば軸方向磁路5を省略した構成であっても良い。この場合には、例えば金属環15を保持するための部材を備え、軸方向磁路5の替わりにプランジャ軸13を磁路1Aの一部として利用する。
【0027】
以上示したような構成において、第1励磁コイル8および第2励磁コイル10に励磁電流を給電すると、この励磁電流により発生した磁束Φが中間磁路部7を介して磁路1A内を循環し、この発生した電磁吸引力によりプランジャー12を軸方向磁路5に対して接離する。
【0028】
軸方向磁路5とプランジャー12とが接触する接触面17においては、金属環15を軸孔6とプランジャー軸13との間に挿入した分に応じて間隙6Aが狭められ(簡単に狭めることができるため)、プランジャー軸13が傾斜し難くなるため、プランジャー12と軸方向磁路5との接触面積が増加すると共に、そのギャップ間隔が狭くなり、軸方向磁路5とプランジャー12との接触面17での破損および磁束損失が少なくなる。すなわち、電磁石装置1の寿命が長くなる。
【0029】
また、電磁石装置1の磁気的性能を向上することができると共に、電磁石装置1の磁束損失が少なくなり、該電磁石装置1の消費電力を減少することもできる。さらに、軸孔の精度を高めることなく(例えば、コストを費やして精度を高めなくとも)、簡単に間隙6Aを狭くすることができる。
【0030】
さらにまた、磁路1Aに金属環15を使用することにより、磁路1Aの磁気吸引力によって該金属環15を常に軸孔6内面にて保持できる。この保持力により、プランジャー軸13が摺動層15Bと接触しながら移動しても、金属環15自体は移動することなく軸孔6内面にて保持される。
【0031】
プランジャー軸13が摺動層15Bと接触しながら移動する場合には、摺動層15Bの自己潤滑性によりプランジャー軸13が円滑に移動できるため、余分な負荷が生じることはなく、前記のように電磁石装置1の消費電力を減少することができる。
【0032】
(実施例2)
次に、本実施の形態における電磁石装置の実施例2を説明する。なお、実施例1と同様なものについては同一符号等を用いて、その詳細な説明を適宜省略する。実施例2において、支持金具11は、始動磁石9と第2励磁コイル(例えば、反撥コイル)10との間に配置される。支持金具11には、プランジャー12と対向する対向面に対し、摺動層15Bを有する磁性リング基材15Aから成る金属環15が取付けられている。
【0033】
なお、前記の金属環15は、プランジャー12と磁路2との間に取付け、そのプランジャー12と磁路2との間に形成される間隙(図2中ではプランジャー12と支持金具11との間の間隙)60を狭めることができるものであれば良く、例えば始動磁石9に取り付けても良い。
【0034】
また、金属環15の構成は実施例1と同様の構造であり、実施例1と同様な作用効果が得られる。例えば、本実施例のように金属環15を用いることにより、支持金具11とプランジャー12との間の間隙60が狭くなり、プランジャー12が軸方向に傾き難くなる。さらに、たとえプランジャー12が摺動層15Bと接触しながら移動しても、そのプランジャー12が損傷し難くなると共に、余分な負荷が生じることはなく、電磁石装置1の消費電力の増加を招くこともない。
【0035】
さらにまた、金属環15により、磁路2とプランジャー12との間の間隙が狭められることから、その狭められた分に応じて磁気損失が少なくなり、磁気的吸引力が増加することになる。特に、金属環15に摺動層15Bが設けられている場合には、プランジャー12が摺動層15Aに接触しながら移動するため、前記の間隙をさらに狭めて、磁気的吸引力をさらに増加させることができる。
【0036】
本実施例における金属環15は、図2,3に示した以外の形状、例えば金属片であってもよい。すなわち、金属環15は、磁路2とプランジャー12との間の間隙を容易に調整できる磁性部材であれば、磁性基材と摺動層とを備えたものであっても、単に磁性基材を備えたものであっても良い。
【0037】
加えて、前記の金属環15や金属片等の磁性部材は、プランジャー側に設けても良い。例えば、磁路とプランジャー12との間に形成された間隙を調整するようにした部材であって該磁路と該プランジャーとの対向面側に摺動層を有する磁性部材を、その磁路,プランジャーのうち少なくともいずれか一方側に配置することにより、前記の間隙を狭めることができる。
【0038】
加えてまた、磁路とプランジャーとの間に形成された間隙を調整するようにした磁性部材を、その磁路,プランジャーのうち少なくともいずれか一方側に配置した場合においても、前記の間隙を狭めることができる。
【0039】
以上示したように、本実施例によれば、金属環15により支持金具11とプランジャー12との間の間隙が狭められ、プランジャー12が軸方向に傾斜し難くなり、プランジャー12と軸方向磁路5との接触面積が増加し、ギャップ損失を少なくできる。
【0040】
摺動層15Bを使用することにより、プランジャー12が摺動層15Bと接触しながら移動しても、余分な負荷が生じることはなく、電磁石装置1の消費電力が増加することはない。なお、金属環15においては、磁路1Aを内径方向に突出させた突出部により支持しても良く、その金属環15の形成時に支持手段を一体成形することにより該金属環15を支持しても良い。
【0041】
したがって、プランジャーと磁路との間における通路(軸通路)の間隙を狭めることにより、磁束損失等が少なくなり、磁気的吸引力が増加した分に応じて、小型化や容量を増加させた電磁石装置を提供することができる。
【0042】
(実施例3)
次に、本実施の形態における電磁石装置の実施例3を説明する。なお、実施例1,2と同様なものについては同一符号等を用いて、その詳細な説明等を適宜省略する。実施例3においては、実施例2で示した金属環15に対向する端部磁路4に対し挿入孔18を設け、この挿入孔18から金属環15を挿入することにより、該金属環15をプランジャー12と支持金具11との間に配置する。支持金具11および支持座19Aは端部磁路4に形成された挿入孔18から挿入し、その挿入孔18を栓19で封止する。前記の支持座19Aによって、支持金具11の一部が支持される。
【0043】
このように、挿入孔18から金属環15を支持金具11とプランジャー12との間の間隙60(または、軸通路)に挿入できるから、この間隙幅を調整する場合には寸法の異なる金属環15を挿入することにより、該間隙幅の調整作業および金属環15の挿入作業を容易にできる利点がある。
【0044】
(実施例4)
次に、本実施の形態における電磁石装置の実施例4を説明する。なお、実施例1乃至3と同様なものについては同一符号等を用いて、その詳細な説明等を適宜省略する。実施例4においては、始動磁石9として永久磁石を用いる。この始動磁石9には励磁コイルを使用しても良いが、本実施例のように永久磁石を使用することにより、該永久磁石からの磁束Φが磁路1Aを循環し、第1励磁コイル8および第2励磁コイル10に励磁電流が流れていない場合でも、この永久磁石からの磁気吸引力によって、常に金属環15を支持金具11或いは磁路1Aに保持することができる。また、第1励磁コイル8および第2励磁コイル10の場合には、残留磁束によって、磁路1A等に金属環15を保持できる。すなわち、本実施例によれば、余分な支持手段を必要としないので、電磁石装置の構造を簡素化できる利点がある。
【0045】
以上のように、本発明の電磁石装置によれば、磁路とプランジャーまたはプランジャー軸との間の間隙(例えば、軸孔6とプランジャー軸13との間の間隙)を簡単に狭めることができ、磁路とプランジャーとの接触面における破損および磁束損失等を少なくして、磁気的吸引力を増加させることができ、電磁石装置の寿命を長くすることができる。
【0046】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係わる電磁石装置の縦断面図。
【図2】図1の電磁石装置に使用した金属環を示す部分拡大断面図。
【図3】図1および図2に使用した金属環の斜視図。
【符号の説明】
【0048】
1…電磁石装置、1A…磁路、2…磁路本体、3…上側端部磁路、3A…窪部、4…下側端部磁路、5…軸方向磁路、5A…ボルト、6…軸孔(軸通路)、6A,60…間隙、7…中間磁路、8…第1励磁コイル、9…始動磁石、10…第2励磁コイル、11…支持金具、12…プランジャー、13…プランジャー軸、15…金属環、15A…磁性リング基材、15B…摺動層、17…接触面、18…挿入孔、Φ…磁束。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁路本体と、前記磁路本体の各端部に対して該磁路本体を塞ぐように設けられた端部磁路と、から成る磁路と、
前記磁路内に配置されたプランジャーと、
前記磁路に設けられ前記プランジャーを端部磁路に対して磁気吸引力により接離する電磁力発生手段と、を備えた電磁石装置であって、
前記の磁路とプランジャーとの間に形成された間隙を狭めることが可能な形状の磁性部材を、その磁路,プランジャーのうち少なくともいずれか一方側に配置したことを特徴とする電磁石装置。
【請求項2】
磁路本体と、前記磁路本体の各端部に対して該磁路本体を塞ぐように設けられる端部磁路と、から成る磁路と、
前記磁路内に配置されたプランジャーと、
前記磁路に設けられ前記プランジャーを端部磁路に対して磁気吸引力により接離する電磁力発生手段と、を備えた電磁石装置であって、
前記の磁路とプランジャーとの間に形成された間隙を狭めることが可能な形状の部材で該磁路と該プランジャーとの各対向面側のうち少なくとも何れか一方側に摺動層を有する磁性部材を、その磁路,プランジャーのうち少なくとも何れか一方側に配置したことを特徴とする電磁石装置。
【請求項3】
前記磁路に設けられたプランジャー軸が挿通する軸通路を有し、
前記軸通路とプランジャー軸との間の間隙に対し、この間隙を調整することが可能な部材であって前記軸通路側に摺動層を有する磁性部材を配置することを特徴とする請求項1または2記載の電磁石装置。
【請求項4】
前記の磁性部材を挿入することが可能な形状の挿入孔を、前記端部磁路に設けることを特徴とする請求項1乃至3記載の電磁石装置。
【請求項5】
前記磁路に永久磁石を配置し、その永久磁石の磁気的吸引力によって前記の磁性部材を保持すること特徴とする請求項1乃至3に記載の電磁石装置。
【請求項6】
前記磁性部材は、金属環であること特徴とする請求項1乃至3に記載の電磁石装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate