説明

電線撚り装置及び撚り合わせ電線の製造方法

【課題】複数の電線をより安定した撚り形態で撚り合わせることができるようにすること。
【解決手段】複数の電線を撚り合わせるための電線撚り装置20であって、複数の電線の一端部を保持する電線端部保持部30と、複数の電線の長手方向中間部を所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に支持可能に構成され、電線端部保持部30を通る鉛直線L上に配設された電線ガイド支持部40と、電線端部保持部30を鉛直線L周りに相対回転させる回転機構部50と、回転機構部50の駆動により電線端部保持部30を回転させるのに伴い、電線ガイド支持部40を鉛直線Lに沿って前記電線端部保持部30に対する離間方向に移動させる鉛直方向移動機構部60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の電線を撚り合わせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線撚り装置として、特許文献1に開示のものがある。この電線撚り装置は、複数の電線端部を固定する電線固定部と、電線の長手方向中間部を挿通自在に保持する電線ガイド部とを備えている。電線固定部は回転可能に配設され、電線ガイド部は前記電線固定部に対して水平方向に沿って離間移動可能に配設されている。そして、電線固定部を回転させつつ、電線ガイド部を電線固定部から離間する方向に移動させることで、電線を撚り合わせるようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−8467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の電線撚り装置では、撚り合わせ対象となる複数の電線は、電線固定部と電線ガイド部との間で水平姿勢となっている。ここで、水平姿勢で配設された複数の電線に対しては自重による垂れが発生するため、複数の電線に対する撚り合わせ部分に斜め下方向に引張る力が加わってしまう。また、複数の電線自体は、電線固定部の回転に伴って回転する。このため、複数の電線の自重によってその撚り合わせ部分に作用する力の方向は、複数の電線基準で見ると常に変動していることになる。従って、撚り合わせ部分に作用する力が不安定となり、撚り形態(例えば、撚りピッチ等)が不安定となっていた。撚り形態が不安定になってしまうと、撚り合わされた電線の外観形状にその長手方向に沿って大きな凸凹が生じ、当該撚り合わされた電線を略筒状の電線ガイド部材内に挿通するのが困難になる等の支障を生じてしまう。
【0005】
特に、電線本数が多い場合(例えば、10本以上)又は電線長が長い場合(例えば、1000mm以上)には、電線の自重によってその撚り合わせ部分に作用する力の影響が大となり、撚り形態の不安定さは実用上支障を生じ得る程度となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、複数の電線をより安定した撚り形態で撚り合わせることができるようにすること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様は、複数の電線を撚り合わせるための電線撚り装置であって、複数の電線の一端部を保持する電線端部保持部と、前記複数の電線の長手方向中間部を所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に支持可能に構成され、前記電線端部保持部を通る鉛直線上に配設された電線ガイド支持部と、前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を前記鉛直線周りに相対回転させる回転機構部と、前記回転機構部の駆動により前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を相対回転させるのに伴い、前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を前記鉛直線に沿って離間方向に移動させる鉛直方向移動機構部と、を備えたものである。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る電線撚り装置であって、前記複数の電線の他端部を、前記電線ガイド支持部による配列形態と略同じ配列形態で、かつ、それぞれ個別に回転可能に保持する電線端部位置保持部材をさらに備えたものである。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る電線撚り装置であって、前記複数の電線の他端部に取付けられた端子を回転可能な状態で挿通可能な端子保護孔を有する端子保護部材をさらに備えたものである。
【0010】
第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に係る電線撚り装置であって、前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方が撚り合わせ終了位置まで離間方向に移動した状態で、前記複数の電線のうち撚り合わされた部分の端部を保持可能なクランプ部をさらに備えたものである。
【0011】
第5の態様は、請求項1〜請求項4のいずれかの態様に係る電線撚り装置であって、前記電線ガイド支持部は、前記複数の電線の長手方向中間部を所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に挿通支持する複数の挿通支持孔を有し、前記複数の挿通支持孔は、前記鉛直線を中心とする複数の同心円のそれぞれに沿って形成されており、それぞれの同心円において周方向における前記複数の挿通支持孔が略同一間隔で、かつ、異なる同心円においても、周方向における前記複数の挿通支持孔が略同一間隔であるものである。
【0012】
第6の態様は、複数の電線を撚り合わせた撚り合わせ電線の製造方法であって、複数の電線の一端部を保持する工程と、前記複数の電線の一端部を支持した位置を通る鉛直線に沿った位置で、前記複数の電線の長手方向中間部を所定の配列形態で支持する工程と、前記複数の電線の一端部及び前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分のうち少なくとも一方を前記鉛直線周りに相対回転させつつ、前記複数の電線の一端部と前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分とを前記鉛直線に沿って離間させる工程と、を備えたものである。
【0013】
第7の態様は、第6の態様に係る撚り合わせ電線の製造方法であって、前記複数の電線の一端部及び前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分のうち少なくとも一方を前記鉛直線周りに相対回転させつつ、前記複数の電線の一端部と前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分とを前記鉛直線に沿って離間させる際に、前記複数の電線の他端部を前記所定の配列形態と略同じ配列形態で回転可能に保持するものである。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様に係る電線撚り装置によると、複数の電線の一端部を電線端部保持部で保持すると共に、複数の電線の長手方向中間部を電線ガイド支持部で所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に支持した状態で、前記回転機構部の駆動により前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を相対回転させるのに伴い、鉛直方向移動機構部の駆動により前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を前記鉛直線に沿って離間方向に移動させることで、複数の電線を撚り合わせることができる。この際、複数の電線は鉛直線に沿った姿勢で撚り合わされる。このため、各電線による自重による張力は略鉛直線に沿って作用し、撚り合わせ部分に比較的安定した態様で力が作用する。これにより、複数の電線をより安定した撚り形態で撚り合わせることができる。
【0015】
第2の態様によると、前記複数の電線の他端部を、前記電線ガイド支持部による配列形態と略同じ配列形態で、かつ、それぞれ個別に回転可能に保持する電線端部位置保持部材をさらに備えているため、電線の撚り合わせ作業中に、複数の電線の他端部がばらつき難く絡み難い。また、各電線の他端部はそれぞれ個別に回転可能であるため、撚り合わせ作業を円滑に行える。
【0016】
第3の態様によると、各電線他端部に取付けられた端子を各端子保護孔に挿通して保護することができるので、端子の傷付を有効に防止できる。また、各端子は各端子保護孔で回転可能であるため、撚り合わせ作業を円滑に行える。
【0017】
第4の態様によると、前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方が撚り合わせ終了位置まで離間方向に移動した状態で、前記複数の電線のうち撚り合わされた部分の端部がクランプ部で保持されている。このため、当該撚り合わされた部分の形態が崩れ難い。
【0018】
第5の態様によると、前記鉛直線を中心とする複数の同心円のそれぞれに沿って複数の挿通支持孔が形成されているため、比較的多数の挿通支持孔を形成することができる。この場合に、それぞれの同心円において周方向における前記複数の挿通支持孔が略同一間隔で、かつ、異なる同心円においても、周方向における前記複数の挿通支持孔が略同一間隔であるため、撚り合わせ部分に比較的安定した態様で力が作用する。これにより、比較的多数の電線をより安定した撚り形態で撚り合わせることができる。
【0019】
第6の態様に係る撚り合わせ電線の製造方法によると、前記複数の電線の一端部及び前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分のうち少なくとも一方を前記鉛直線周りに相対回転させつつ、前記複数の電線の一端部と前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分とを前記鉛直線に沿って離間させるため、複数の電線は鉛直線に沿った姿勢で撚り合わされる。このため、各電線による自重による張力は鉛直線に沿って作用し、撚り合わせ部分に比較的安定した態様で力が作用する。これにより、複数の電線をより安定した撚り形態で撚り合わせることができる。
【0020】
第7の態様によると、複数の電線を撚り合わせる際に、前記複数の電線の他端部を前記所定の配列形態と略同じ配列形態で回転可能に保持するため、複数の電線の他端部がばらつき難く絡み難い。また、各電線の他端部はそれぞれ個別に回転可能であるため、撚り合わせ作業を円滑に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、実施形態に係る電線撚り装置及び撚り合わせ電線の製造方法について説明する。図1は実施形態に係る電線撚り装置20を示す概略図であり、図2は撚り合わせ対象となる電線21を示す図である。
【0022】
この電線撚り装置20は、複数の電線21を撚り合わせるための装置である。
【0023】
撚り合わせ対象となる複数の電線21について説明しておくと、複数の電線21は略同一寸法に揃えられている。複数の電線21のそれぞれの一端部には、端子が取付けられており、当該端子を介してコネクタ26に取付けられている。また、複数の電線21のそれぞれの他端部には、端子22が取付けられている。複数の電線21は、コネクタ26に取付けられた一端部を起点として、コネクタ26から略同一方向に延出している。なお、上記コネクタ26、端子22等は必ずしも必須ではないし、また、必ずしも全ての電線21が略同一寸法に揃えられている必要もない。また、上記複数の電線21は同一種類(電線径、材質、心線の種類等)であってもよいし、異なる種類の組合わせであってもよい。
【0024】
電線撚り装置20は、概略的には、電線端部保持部30と、電線ガイド支持部40と、回転機構部50と、鉛直方向移動機構部60とを備えている。
【0025】
電線端部保持部30は、複数の電線21の一端部を保持可能に構成されている。複数の電線21の一端部は、電線端部保持部30に対しては鉛直線L周りへの回転を抑制された状態で固定されている。
【0026】
電線ガイド支持部40は、複数の電線21の長手方向中間部を所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に支持可能に構成されている。また、この電線ガイド支持部40は、電線端部保持部30を通る鉛直線L上に配設されている。ここでは、電線ガイド支持部40は、上記電線端部保持部30から鉛直線Lに沿った下方に配設されている。
【0027】
そして、回転機構部50の駆動により電線端部保持部30を回転させつつ、鉛直方向移動機構部60の駆動により電線ガイド支持部40を鉛直線Lに沿って電線端部保持部30から離間する方向に移動させることで、上記複数の電線21を撚り合わせるようにしている。
【0028】
より具体的に説明する。
【0029】
ここでは、電線端部保持部30は、上記コネクタ26を着脱可能に取付可能なコネクタ着脱凹部32を有している。より具体的には、コネクタ着脱凹部32は、コネクタ26の外形状に対応する形状であって一側面及び下面が開口した凹部形状に形成されている。コネクタ26を当該コネクタ着脱凹部32に嵌め込むことで、複数の電線21の長手方向中間部及び他端部を下方に向けて延出させた姿勢で、コネクタ26が電線端部保持部30に取付固定される。
【0030】
ここでは、複数の電線21の一端部は、コネクタ26を介して電線端部保持部30に保持されており、このように複数の電線21の一端部をコネクタ26等の他の部材を介して保持する場合も、複数の電線21の一端部を保持する態様に含まれる。勿論、複数の電線21の一端部にコネクタ26が取付けられていない場合等には、複数の電線21の一端部を直接保持するようにしてもよい。つまり、電線端部保持部30は、複数の電線21の一端部を回り止状態で保持可能な構成であればよい。
【0031】
なお、上記電線端部保持部30には、上記コネクタ着脱凹部32からコネクタ26が容易に脱落しないように、当該コネクタ26を着脱可能に係止する係止爪等が組込まれていてもよい。
【0032】
図3は電線ガイド支持部40を示す斜視図である。電線ガイド支持部40は、略板状(ここでは略方形板状)に形成されており、その面上に分散する態様で、複数の挿通支持孔42が形成されている。各挿通支持孔42の径は、電線21の径よりも大きい。これにより、各挿通支持孔42は、各電線21を鉛直線Lに略直交する面において一定位置で、当該電線21をその長手方向に沿って移動可能かつ電線21の軸回りに回転可能に支持する。なお、各挿通支持孔42の径は、端子22の径よりも大きい。従って、電線21の端子22側の端部を挿通支持孔42に挿通することで、当該電線21を挿通支持孔42に挿通させることができる。
【0033】
また、挿通支持孔42は、撚り合わせ対象となる電線21の本数と同じ数形成されている。複数の挿通支持孔42の相互位置関係は、基本的には、上記鉛直線L周りに分散して形成される位置関係であり、一つの挿通支持孔42が鉛直線L部分に形成されていてもよい。もっとも、撚り合わせ態様となる電線21の本数よりも多くの挿通支持孔42が形成されていてもよい。
【0034】
複数の挿通支持孔42の相互位置関係のより好ましい態様について説明する。図4は電線ガイド支持部40を示す平面図である。複数の挿通支持孔42は、鉛直線Lを中心とする円C1に沿って形成されることが好ましい。また、円C1の周方向において各挿通支持孔42の間隔寸法a1を略同一とすることが好ましい。これらは、電線21の撚り合わせ部分に比較的安定した態様で力を作用させるためである。ここでは、円C1においてその周方向に沿って略等間隔で4つの挿通支持孔42が形成されている。また、鉛直線L上にも1つの挿通支持孔42が形成されている。
【0035】
図5は電線ガイド支持部140の変形例を示す図である。つまり、撚り合わせる電線21の本数によっては、特に、比較的多数の電線21を撚り合わせる場合には、一つの円C1上に当該比較的多数の電線21に応じた数の挿通支持孔42を形成できない場合もあり得る。このような場合には、鉛直線Lを中心とする複数(ここでは2つ)の同心円C2,C3のそれぞれに沿って複数の挿通支持孔42を形成するとよい。この場合、上記と同様の理由により、それぞれの同心円C2,C3において、周方向における複数の挿通支持孔42の間隔寸法a2を略同一にし、周方向における複数の挿通支持孔42の間隔寸法a3を略同一にすることが好ましい。また、異なる同心円C2,C3の挿通支持孔42に挿通される電線21に関しても電線21の撚り合わせ部分に比較的安定した態様で力を作用させるため、当該異なる同心円C2,C3に関して、周方向における複数の挿通支持孔42の間隔寸法a2と、周方向における複数の挿通支持孔42の間隔寸法a3とを略同一にすることが好ましい。この場合に、鉛直線L上にも1つの挿通支持孔42が形成されていてもよい。
【0036】
なお、各電線21は、どの位置の挿通支持孔42に挿通されるかによって長さ寸法を調整するとよい。例えば、より外周側の同心円C3に沿って形成された挿通支持孔42に挿通される電線21は、より内周側の同心円C2に沿って形成された挿通支持孔42に挿通される電線21よりもより外周側で撚り合わされると考えられる。このため、より外周側の挿通支持孔42に挿通される電線21については、内周側の挿通支持孔42に挿通される電線21よりも長尺にするとよい。また、なお、鉛直線L上に形成された1つの挿通支持孔42に挿通される電線21については、撚り合わせの中心となり、比較的直線状の形態を保つため、他の電線21よりも短くするとよい。
【0037】
このような電線ガイド支持部40,140は、支持部取付ブラケット46に着脱可能に取付けられる(図3参照)。支持部取付ブラケット46は、電線ガイド支持部40,140の平面視形状に対応する凹部46hを有する平板状に形成されている。凹部46hの両側部の両面にはガイド板47が取付けられており、凹部46hの各側面と上下のガイド板47とによって電線ガイド支持部40,140の両側部を嵌め込み可能な凹溝部48が形成されている。そして、電線ガイド支持部40,140の両側部を当該両凹溝部48に嵌め込むことによって、電線ガイド支持部40,140を支持部取付ブラケット46に対して着脱可能に取付けることができるようになっている。
【0038】
図1に戻って、回転機構部50は、上記電線端部保持部30及び電線ガイド支持部40のうち少なくとも一方を鉛直線L周りに相対回転させるように構成されている。ここでは、回転機構部50はモータ等のアクチュエータによって構成されており、本電線撚り装置20の上方の一定位置にブラケット等を介して固定されている。回転機構部50の固定対象箇所は、後述する昇降支持ガイド62の上端部であってもよいし、本装置20のその他の筐体部分等であってもよい。この回転機構部50は、鉛直線Lに沿った回転軸を有する回転軸部を有しており、その回転軸部は下方を向いている。この回転軸部に上記電線端部保持部30が支持されている。そして、本回転機構部50の回転駆動により、電線端部保持部30が鉛直線L周りに電線ガイド支持部40に対して相対回転する。
【0039】
鉛直方向移動機構部60は、上記電線端部保持部30の回転に伴い、電線端部保持部30及び電線ガイド支持部40のうち少なくとも一方を鉛直線Lに沿って離間方向に移動可能に構成されている。ここでは、鉛直方向移動機構部60は、電線ガイド支持部40を、電線端部保持部30から離間する方向である下方に向けて移動させるように構成されている。
【0040】
より具体的には、鉛直方向移動機構部60は、一対の昇降支持ガイド62と、昇降駆動部64とを有している。
【0041】
一対の昇降支持ガイド62は、電線ガイド支持部40を両側から挟む位置に立設されている。電線ガイド支持部40は、支持部取付ブラケット46を介して一対の昇降支持ガイド62に昇降移動可能に支持されている。
【0042】
昇降駆動部64は、ネジ軸部65と、昇降可動部66とを有している。ネジ軸部65は、電線端部保持部30から後述する電線端部位置保持部材90に達する長さ寸法を有しており、電線ガイド支持部40の外周位置(ここでは背面側)で、鉛直方向に沿って立設状に支持されている。昇降可動部66は、ネジ軸部65に螺合する雌ネジ部及び当該雌ネジ部を回転させるモータ等を内蔵している。そして、当該モータの駆動によりネジ軸部65に対して雌ネジ部を螺合させつつ回転させることで、ネジ軸部65に沿って昇降移動可能に構成されている。
【0043】
上記支持部取付ブラケット46は、昇降可動部66に連結固定されており、その昇降可動部66の昇降移動に伴って昇降移動するように構成されている。
【0044】
なお、昇降駆動部64としては、その他のリニアモータ等、直線駆動可能な他のリニアアクチュエータを用いてもよい。
【0045】
本電線撚り装置20は、任意付加的な構成要素として、電線固定端部クランプ部70と、クランプ部80と、電線端部位置保持部材90と、端子保護部材95と、制御ユニット98とを備えている。
【0046】
図6は電線固定端部クランプ部70を示す平面図である。図1及び図6に示すように、電線固定端部クランプ部70は、固定端部保持本体部72と、蓋部74とを有している。固定端部保持本体部72は、上下及び一側で開口する溝部72gを有している。溝部72gは、平面視略U字状の溝状に形成されており、内部に複数の電線21を収容可能に構成されている。溝部72gは、内部に複数の電線21を収容してその側方開口を蓋部74で閉じた状態で、当該電線21を束ねた形態で保持する程度の形状及び大きさに形成されている。
【0047】
蓋部74は、固定端部保持本体部72のうち溝部72gの側方開口を開閉可能に閉塞可能な板状部材に形成されており、バックル構造、係止構造等の所定の着脱可能固定部により、側方開口を開閉可能に閉塞した状態で固定されるように構成されている。
【0048】
固定端部保持本体部72は、上下及び一側で開口する溝部72gを有している。本蓋部74を閉じることで、複数の電線21が溝部72g内で収容保持される。
【0049】
なお、上記溝部72gの大きさは、撚り合わせるべき電線21の本数に応じて適宜調整される。図6では比較的細径の電線21を9本、比較的太径の電線7本を収容した例を示している。勿論、電線21を5本収容する場合には、その径及び本数等に応じて適宜調整される。また、例えば、図7に示す変形例の電線固定端部クランプ部170では、溝部172gを小幅にして、比較的細径の電線21を2本、比較的太径の電線7本を収容した例を示している。
【0050】
これらの場合において、比較的細径の電線21を当該溝部72gの奥側に、比較的太径の電線21を当該溝部72gの開口側にまとめて配設することが好ましい。
【0051】
また、この電線固定端部クランプ部70は、電線固定端部クランプ部昇降駆動部76によって昇降駆動される。すなわち、電線固定端部クランプ部昇降駆動部76は、ネジ軸部65とクランプ昇降可動部78とを備えている。クランプ昇降可動部78は、上記昇降可動部66と同様構成とされ、ネジ軸部65に沿って昇降移動可能に構成されている。電線固定端部クランプ部70は、クランプ昇降可動部78に着脱可能に取付固定されており、そのクランプ昇降可動部78の昇降移動に伴って昇降移動するように構成されている。
【0052】
図8はクランプ部80を示す平面図である。クランプ部80は、電線端部保持部30及び電線ガイド支持部40のうち少なくとも一方が後述するように撚り合わせ終了位置まで離間方向に移動した状態で、複数の電線21のうち撚り合わされた部分の端部を保持可能に構成されている。
【0053】
ここでは、クランプ部80は、上記一対のクランプアーム部82とクランプ駆動部84とを備えており、上記支持部取付ブラケット46の上方位置に取付固定されている。
【0054】
クランプ駆動部84は、エアシリンダ等のアクチュエータを備えており、一対のクランプアーム部82を開閉駆動可能に構成されている。
【0055】
一対のクランプアーム部82は、長尺状に形成されており、クランプ駆動部84によって略水平姿勢である閉姿勢と、当該姿勢から開いた開姿勢との間で開閉可能に支持されている。一対のクランプアーム部82の先端側内向き部分には、内向きに開口する凹部83が形成されている。ここでは、凹部83は、直角頂点部分を外方に向けた略垂直三角形状の凹み形状とされている。そして、一対のクランプアーム部82が閉じることで、一対のクランプアーム部82の先端側内向き部分が突合わされ、一対の凹部83によって略方形状孔状の空間が形成される。この略方形孔状の空間は、複数の電線21を圧縮しつつ保持可能な大きさに形成されており、複数の電線21のうち撚り合わされた部分の端部を本空間内に配設することで、その撚り合わせ済部分の形態を維持できるようになっている。また、ここでは、クランプ部80で複数の電線20を保持した状態でクランプ部80が昇降するので(詳細は後述する)、一対の凹部83によって形成される略方形状孔状の空間は、複数の電線20が挿通可能な程度の大きさでもある。
【0056】
また、このクランプ部80は、電線ガイド支持部40と共に昇降移動し、電線ガイド支持部40の上方近傍位置で複数の電線21を束ねるように保持している。
【0057】
図9は電線端部位置保持部材90及び端子保護部材95を示す斜視図であり、図10は電線端部位置保持部材90及び端子保護部材95を示す部分断面図である。
【0058】
図1、図9及び図10に示すように、これらの電線端部位置保持部材90及び端子保護部材95は、上記電線端部位置保持部材90から電線21の長さ寸法分程度離れた下方位置に配設固定されている。
【0059】
電線端部位置保持部材90は、複数の電線21の他端部を、電線ガイド支持部40による配列形態と略同じ配列形態で、かつ、個別に回転可能に保持可能に構成されている。ここでは、電線端部位置保持部材90は、複数の挿通支持孔92を有する略板形状に形成されている。各挿通支持孔92は、上記各挿通支持孔42と略同様形状、略同様大きさ及び位置に形成されている。
【0060】
端子保護部材95は、複数の電線21の他端部に取付けられた端子22を回転可能な状態で挿通可能な端子保護孔97を有する部材に形成されている。ここでは、端子保護部材95は、端子22の長さ寸法よりも大きな厚み寸法を有するブロック状に形成されている。この端子保護部材95に、上方に開口する複数の端子保護孔97が形成されている。端子保護孔97は、端子22の長さ寸法よりも大きな長さ寸法を有する有底穴状に形成されている。また、端子保護孔97の径は、端子22の径よりも大きい。そして、端子22のほぼ全体を端子保護孔97内に挿入できるようになっている。また、各端子保護孔97は、上記各挿通支持孔42と略同様位置に形成されている。
【0061】
また、電線端部位置保持部材90は、端子保護部材95の上方に重ね合せ状に配設されている。この状態で、挿通支持孔92と端子保護孔97とは略直線状に連なる。そして、各電線21の端子22側の端部を、挿通支持孔92及び端子保護孔97に同時挿入できるようになっている。この状態で、電線21の端部及び端子22は挿通支持孔92及び端子保護孔97内で回転可能とされている。
【0062】
なお、電線端部位置保持部材90と端子保護部材95とは一体として構成されていてもよい。また、電線端部位置保持部材90と端子保護部材95とのうち一方が省略されていてもよい。
【0063】
制御ユニット98は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって本電線撚り装置20の動作制御を行う。この制御ユニット98は、回転機構部50、昇降駆動部64及びクランプ駆動部84に接続されると共に、外部からの操作指令を受付けるスイッチ等の入力部99に接続されている。そして、当該入力部99からの操作指令等に基づいて、次述する動作を行わせるように回転機構部50、昇降駆動部64及びクランプ駆動部84の動作制御を行う。
【0064】
以上のように構成された電線撚り装置20の動作を、その使用手順と共に説明する。なお、図11〜図17では説明の便宜上、実際の寸法関係を必ずしも反映していない。
【0065】
まず、初期状態では、図11に示すように、電線ガイド支持部40を支持する支持部取付ブラケット46はクランプ部80と共に、電線端部位置保持部材90の上方近傍位置まで下降している。また、電線固定端部クランプ部70もクランプ部80上方近傍位置まで下降している。また、回転機構部50の回転は停止しており、クランプ部80は開いた状態となっている。
【0066】
この状態で、作業者が、別場所で、複数の電線21の端子22側の端部を電線ガイド支持部40の各挿通支持孔42にそれぞれ挿通する。
【0067】
この後、図12に示すように、作業者が、電線ガイド支持部40を支持部取付ブラケット46に取付ける。
【0068】
次に、図13に示すように、作業者が、複数の電線21を各挿通支持孔42から上方に引出しつつ、コネクタ26を上方に持上げて、当該コネクタ26を電線端部保持部30にセットする。そして、電線固定端部クランプ部70により、複数の電線21を保持する。
【0069】
次に、図14に示すように、作業者が入力部99を通じて指令を与えることで、制御ユニット98は、電線固定端部クランプ部昇降駆動部76の駆動により電線固定端部クランプ部70を電線端部保持部30の下方近傍位置に上昇させると共に、鉛直方向移動機構部60の駆動により、電線ガイド支持部40をクランプ部80と共に、電線固定端部クランプ部70の下方近傍位置まで上昇させる。この際、複数の電線21の下端部部分を作業者が手等で保持しておくとよい。これらが上昇すると、制御ユニット98は、クランプ駆動部84の駆動によりクランプ部80を閉じて、電線ガイド支持部40の上方近傍位置で、クランプ部80により複数の電線21を保持させる。これにより、複数の電線21は、鉛直線Lに沿って配設される。
【0070】
この後、作業者が、各電線21の端子22側の(下側の)端部を、挿通支持孔92及び端子保護孔97内に挿入する。
【0071】
続いて、作業者が入力部99を通じて指令を与えることで、制御ユニット98は、回転機構部50の駆動により電線端部保持部30を回転させると共に、鉛直方向移動機構部60の駆動により電線ガイド支持部40をクランプ部80と共に下降させる。電線端部保持部30の回転速度と、電線ガイド支持部40の下降速度とは、必要とされる撚り合わせピッチ等に応じて相対的に決定される。
【0072】
図18は複数の電線21が撚り合わされる状態を示す説明図である。すなわち、複数の電線21の一端部である上端部を回転させつつ、電線ガイド支持部40を下降させると、複数の電線21は各挿通支持孔42により挿通ガイドされつつ引出される。そして、その引出された領域部分が順次撚り合わされる。つまり、電線ガイド支持部40の下降初期では、まず、電線ガイド支持部40の各挿通支持孔42から上方に引出されている部分がまず撚り合わされる。そして、電線ガイド支持部40がさらに下降すると、既に撚り合わされた部分Paは電線ガイド支持部40に対して相対的に上方に移動する。そして、新たに電線ガイド支持部40の各挿通支持孔42から引出された直後の部分Pbが撚り合わされる。このようにして、各挿通支持孔42から引出された直後の部分Pbが順次撚り合わされることになる。
【0073】
この際、各挿通支持孔42は、円C1に沿って配設されているため、鉛直線Lを基準にして、撚り合わされる部分Pbに対する電線21の延在方向が略同一角度になる。このため、複数の電線21を比較的安定した態様で撚り合わせることができる。
【0074】
また、円C1に沿って略同一間隔で各挿通支持孔42を形成しているため、各電線21の相互関係も当該周方向において略同じに揃えることができる。この点からも、安定した形態で撚り合わせることができる。
【0075】
これは、異なる同心円C2,C3において、それぞれの周方向における各挿通支持孔42の間隔が略同一間隔である場合にも妥当する。
【0076】
また、上記のように各挿通支持孔42から引出された直後の部分Pbが順次撚り合わされることになるため、撚り合わせる力が順次当該引出された部分Pbに集中して作業する。このため、しっかりと撚られて当該撚られた状態の曲り癖が付き易く、比較的安定した撚り形態とすることができる。
【0077】
なお、複数の電線21が撚り合わされる際、各電線21の(下)端部及び端子22は、挿通支持孔92及び端子保護孔97内に挿入されているため、所定の配列形態で維持される。また、複数の電線21の(上の)一端部は全体として回転されるため、個々の電線21もその電線軸周りに回転するところ、各電線21の(下)端部及び端子22は、挿通支持孔92及び端子保護孔97内でそれぞれ個別に自由回転する。このため、個々の電線21がよじれてしまうことが抑制される。
【0078】
そして、図16に示すように、電線ガイド支持部40がクランプ部80と共に電線端部位置保持部材90の上方近傍位置(撚り合わせ終了位置)まで達すると、制御ユニット98は、電線ガイド支持部40及びクランプ部80の下降を停止させると共に、電線端部保持部30の回転を停止させる。この状態で、作業者は、クランプ部80の上方近傍及び電線固定端部クランプ部70の下方近傍で、撚られた複数の電線21に粘着テープ等を巻回する等して、巻戻り抑制部材Tを取付ける(図16の矢符T1、T2参照)。なお、複数の電線21のうち撚り合わされていない(下)端部部分は、端子22を他のコネクタに装着する際の作業用の部分として供される。
【0079】
この後、図17に示すように、作業者が入力部99を通じて指令を与えることで、制御ユニット98は、クランプ部80を開く。これにより、作業者は、複数の電線21の端子22側の(下)端部を挿通支持孔92及び端子保護孔97から引抜くと共に、コネクタ26を電線端部保持部30から取外す。これにより、撚り合わせ電線が製造される。
【0080】
以上のように構成された電線撚り装置20及び撚り合わせ電線の製造方法によると、複数の電線21の一端部を保持すると共に、複数の電線21の長手方向中間部を所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に支持した状態で、複数の電線21の固定側の一端部と、前記所定の配列形態で支持された部分とを鉛直線L周りに相対回転させつつ、これらを鉛直線Lに沿って離間させるため、複数の電線21をしっかりと撚り合わせることができる。この際、複数の電線21は、鉛直線Lに沿った姿勢で配設される。このため、各電線21の自重による張力は略鉛直線に沿った方向で作用し、撚り合せ部分に対して比較的安定した態様で作業する。これにより、複数の電線21をより安定した撚り形態で撚り合わせることができる。
【0081】
また、複数の電線21の(下)端部を、電線ガイド支持部40いよる配列形態と略同じ配列形態で、かつ、それぞれ個別に回転可能に保持する電線端部保持部30を備えているため、電線21の撚り合せ作業中に、複数の電線21の(下)端部が所定の配列形態で保持され、ばらつき難く絡み難い。また、絡み防止により端子22の傷付きも抑制できる。また、各電線21の(下)端部はそれぞれ個別に回転可能であるため、それぞれ自己の電線軸周りに自転することができ、撚り合せ作業を円滑に行える。
【0082】
また、電線21の(下)端部に取付けられた端子22を端子保護部材95の各端子保護孔97に挿通して保護することができるので、この点からも端子22の傷付を有効に防止できる。ここでは、各端子22は自己の軸周りに自転可能であるため、撚り合せ作業を円滑に行える。なお、端子保護部材95は、必ずしもブロック状に形成された部材に有底穴を形成した構成とされる必要はなく、例えば、端子22を挿入可能な筒部材を複数所定の配列形態で立設した構成であってもよい。
【0083】
また、電線ガイド支持部40が撚り合せ終了位置まで離間方向に移動した状態で、複数の電線21のうち撚り合わされた部分の端部(電線ガイド支持部40の上方近傍の部分)がクランプ部80で保持されている。このため、撚り合せ後の形態を崩れ難く保つことができる。これは、より具体的には次のような利点を有する。すなわち、電線ガイド支持部40の真上部分では複数の電線21が放射状に延びている。このため、電線ガイド支持部40の上方で撚り合せ部分の端部に粘着テープ等の巻戻り抑制部材Tを取付けようとすると、放射状に延びる部分が撚り合せ済の部分に弛み等として波及し、撚り合せ済の部分の形態を乱してしまう恐れがある。そこで、複数の電線21のうち撚り合わされた部分の端部をクランプ部80で保持した状態で粘着テープ等の巻戻り抑制部材Tを取付けることで、撚り合せ済の部分の形態の乱れを防止することができることになる。
【0084】
なお、本実施形態では、クランプ部80は、電線ガイド支持部40が下降する際に既に複数の電線21を保持しているが、電線ガイド支持部40が下降した時点で複数の電線21を保持するようにしてもよい。
【0085】
また、このようなクランプ部は、複数の電線21のうち撚り合わされた部分の上側の端部を保持するように設けられていてもよい。
【0086】
{変形例}
なお、上記実施形態では、電線端部保持部30を回転させているが、電線端部保持部30を固定し、電線ガイド支持部40、電線端部位置保持部材90及び端子保護部材95を回転させてもよい。また、電線端部保持部30と、電線ガイド支持部40、電線端部位置保持部材90及び端子保護部材95との逆方向に回転させてもよい。要するに、これらは鉛直線L周りに相対回転すればよい。
【0087】
また、上記実施形態では、電線端部保持部30を鉛直方向に固定し、電線ガイド支持部40を下降させているが、電線端部保持部30を上昇させて、電線ガイド支持部40を鉛直方向において一定位置に設けてもよいし、また、両方を離間方向に移動させてもよい。要するに、電線端部保持部30と電線ガイド支持部40とが鉛直線Lに沿って相対的に離間方向に移動すればよい。
【0088】
また、電線端部保持部30と電線ガイド支持部40との上下関係は問わず、これらは鉛直線Lに沿って配設されていればよい。
【0089】
また、電線ガイド支持部40に形成された挿通支持孔42、電線端部位置保持部材90に形成された挿通支持孔92、端子保護部材95に形成された端子保護孔97は、挿通又は挿入される電線21の径、端子22の径等に応じて適宜設定される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施形態に係る電線撚り装置を示す概略図である。
【図2】撚り合せ対象となる電線を示す図である。
【図3】電線ガイド支持部を示す斜視図である。
【図4】電線ガイド支持部を示す平面図である。
【図5】電線ガイド支持部の変形例を示す図である。
【図6】電線固定端部クランプ部を示す平面図である。
【図7】電線固定端部クランプ部の変形例を示す平面図である。
【図8】クランプ部を示す平面図である。
【図9】電線端部位置保持部材及び端子保護部材を示す斜視図である。
【図10】電線端部位置保持部材及び端子保護部材を示す部分断面図である。
【図11】電線撚り装置による撚り合せ動作を示す説明図である。
【図12】電線撚り装置による撚り合せ動作を示す説明図である。
【図13】電線撚り装置による撚り合せ動作を示す説明図である。
【図14】電線撚り装置による撚り合せ動作を示す説明図である。
【図15】電線撚り装置による撚り合せ動作を示す説明図である。
【図16】電線撚り装置による撚り合せ動作を示す説明図である。
【図17】電線撚り装置による撚り合せ動作を示す説明図である。
【図18】複数の電線が撚り合わされる状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0091】
20 電線撚り装置
21 電線
22 端子
26 コネクタ
30 電線端部保持部
40,140 電線ガイド支持部
42 挿通支持孔
50 回転機構部
60 鉛直方向移動機構部
80 クランプ部
90 電線端部位置保持部材
92 挿通支持孔
95 端子保護部材
97 端子保護孔
98 制御ユニット
C1 円
L 鉛直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線を撚り合わせるための電線撚り装置であって、
複数の電線の一端部を保持する電線端部保持部と、
前記複数の電線の長手方向中間部を所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に支持可能に構成され、前記電線端部保持部を通る鉛直線上に配設された電線ガイド支持部と、
前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を前記鉛直線周りに相対回転させる回転機構部と、
前記回転機構部の駆動により前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を相対回転させるのに伴い、前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方を前記鉛直線に沿って離間方向に移動させる鉛直方向移動機構部と、
を備えた電線撚り装置。
【請求項2】
請求項1記載の電線撚り装置であって、
前記複数の電線の他端部を、前記電線ガイド支持部による配列形態と略同じ配列形態で、かつ、それぞれ個別に回転可能に保持する電線端部位置保持部材をさらに備えた電線撚り装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電線撚り装置であって、
前記複数の電線の他端部に取付けられた端子を回転可能な状態で挿通可能な端子保護孔を有する端子保護部材をさらに備えた電線撚り装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電線撚り装置であって、
前記電線端部保持部及び前記電線ガイド支持部のうち少なくとも一方が撚り合わせ終了位置まで離間方向に移動した状態で、前記複数の電線のうち撚り合わされた部分の端部を保持可能なクランプ部をさらに備えた電線撚り装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電線撚り装置であって、
前記電線ガイド支持部は、前記複数の電線の長手方向中間部を所定の配列形態でかつその長手方向に沿って移動可能に挿通支持する複数の挿通支持孔を有し、前記複数の挿通支持孔は、前記鉛直線を中心とする複数の同心円のそれぞれに沿って形成されており、
それぞれの同心円において周方向における前記複数の挿通支持孔が略同一間隔で、かつ、異なる同心円においても、周方向における前記複数の挿通支持孔が略同一間隔である、電線撚り装置。
【請求項6】
複数の電線を撚り合わせた撚り合わせ電線の製造方法であって、
複数の電線の一端部を保持する工程と、
前記複数の電線の一端部を支持した位置を通る鉛直線に沿った位置で、前記複数の電線の長手方向中間部を所定の配列形態で支持する工程と、
前記複数の電線の一端部及び前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分のうち少なくとも一方を前記鉛直線周りに相対回転させつつ、前記複数の電線の一端部と前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分とを前記鉛直線に沿って離間させる工程と、
を備えた撚り合わせ電線の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の撚り合わせ電線の製造方法であって、
前記複数の電線の一端部及び前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分のうち少なくとも一方を前記鉛直線周りに相対回転させつつ、前記複数の電線の一端部と前記複数の電線のうち前記所定の配列形態で支持された部分とを前記鉛直線に沿って離間させる際に、前記複数の電線の他端部を前記所定の配列形態と略同じ配列形態で回転可能に保持する、撚り合わせ電線の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−170294(P2009−170294A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8012(P2008−8012)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】