説明

電解水生成装置

【課題】設置場所や設置方法、周囲の物の配置等に拘わらず、容易に操作でき且つ表示を容易に視認できる電解水生成装置を提供する。
【解決手段】装置本体2と、装置本体2のハウジング9に設けられる操作表示体3を備える。操作表示体3は、装置本体2の動作設定を行うための操作手段と、装置本体2の設定情報を表示する表示手段を有する。ハウジング9に操作表示体3の位置を変更する位置変更手段が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原水を電気分解して電解水を生成する電解水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水を電気分解してイオン水を生成するアルカリイオン整水器が開示されている。このアルカリイオン整水器の前面には、タッチパネルからなる操作表示部が設けられており、操作表示部により各種の設定と表示を行えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−70943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電解水生成装置は、流し台の上に置いて設置したり、壁に掛けて設置したりする等、利用者によって設置場所や設置方法が異なる。このため、特許文献1にあっては、設置箇所等によっては、操作表示部が操作し難くなったり、操作表示部の表示が見え難くなったりすることがある。また、設置箇所が同じでも、電解水生成装置の周囲の物の配置等によっても、操作表示部が操作し難くなったり、操作表示部の表示が見え難くなったりする場合がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、設置場所や設置方法、周囲の物の配置等に拘わらず、容易に操作でき且つ表示を容易に視認できる電解水生成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の電解水生成装置は、装置本体と、この装置本体のハウジングに設けられる操作表示体を備え、この操作表示体は、前記装置本体の動作設定を行うための操作手段と、前記装置本体の設定情報を表示する表示手段を有し、前記ハウジングに前記操作表示体の位置を変更する位置変更手段が設けられたことを特徴とする。
【0007】
前記装置本体は、前記生成された電解水を吐出する吐出部と、この吐出部から吐出される電解水をアルカリイオン水又は酸性イオン水に選択的に切り替える切換手段を有し、前記操作手段は前記吐出部から吐出される電解水をアルカリイオン水又は酸性イオン水のいずれかに設定する操作部を有し、前記表示手段が前記操作部で設定された電解水の水質を表示するものであることが好ましい。
【0008】
また、前記位置変更手段が、前記操作表示体をスライドさせるスライド機構により構成されることが好ましい。
【0009】
また、前記スライド機構が、任意の位置にスライドした操作表示体を保持する保持手段を有することが好ましい。
【0010】
また、前記ハウジングの複数箇所に前記操作表示体を着脱自在に取り付け可能な取付部が設けられ、これら複数の取付部により前記位置変更手段が構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記操作表示体が取り外された状態にある前記取付部を覆うカバーを備えることが好ましい。
【0012】
また、前記操作表示体の表示が前記操作表示体が取り付けられた取付部に応じて変更されるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明にあっては、設置場所や設置方法、周囲の物の配置等に拘わらず、容易に操作でき且つ表示を容易に視認できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一実施形態の電解水生成装置の斜視図である。
【図2】同上の電解水生成装置の説明図である。
【図3】操作表示体を図1とは異なる位置に配置した電解水生成装置の斜視図であり、(a)は操作表示体をハウジングの前面部と上面部の接続部分に配置した状態を示し、(b)は操作表示体をハウジングの上面部に配置した状態を示している。
【図4】同上の操作表示体及び保持手段を示す説明図である。
【図5】同上の操作表示体及び保持手段を示す説明図であり、(a)は操作表示体を保持手段で保持した状態を示し、(b)は操作表示体の保持手段による保持状態を解除した状態を示している。
【図6】同上の操作表示体を示し、(a)は側面図であり、(b)は背面図である。
【図7】同上の電解水生成装置を設置した流し台の説明図である。
【図8】第二実施形態の電解水生成装置の斜視図である。
【図9】図8の電解水生成装置の分解斜視図である。
【図10】同上のハウジングの上面部に操作表示体を取付けた電解水生成装置の斜視図である。
【図11】図10の電解水生成装置の分解斜視図である。
【図12】同上の操作表示体の背面図である。
【図13】同上のハウジングに取付けた操作表示体を示し、(a)はハウジングの前面部に取り付けたときの操作表示体の正面図であり、(b)はハウジングの上面部に取り付けたときの操作表示体の平面図である。
【図14】同上のハウジングに設けられた嵌込部を示し、(a)はハウジングの前面部に設けられた嵌込部の正面図であり、(b)はハウジングの上面部に設けられた嵌込部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
(第一実施形態)
本実施形態の電解水生成装置1は、図1に示すように、装置本体2と、装置本体2に設けられた操作表示体3を備えている。
【0017】
装置本体2は、図2に示す水栓11を介して原水管10に接続され、原水管10から供給された原水を電気分解して、電解水としてアルカリイオン水と酸性イオン水を生成するものである。
【0018】
装置本体2は、外郭を構成する図1に示す縦長のハウジング9と、図2に示す、ハウジング9内に設けられた、浄水部4、カルシウム供給部5、電解部6、制御部7、及び電源部8を有している。
【0019】
ハウジング9内には原水管10から水道水又は井戸水である原水を電解部6に供給する給水路12が設けられており、給水路12には上流側から順に浄水部4及びカルシウム供給部5が設けられている。
【0020】
浄水部4は、原水中に含まれる残留塩素及びトリハロメタンを吸着する活性炭と、一般細菌及び不純物を取り除く中空糸膜を有している。カルシウム供給部5は、浄水部4を通過した水に、グリセロリン酸カルシウムや乳酸カルシウム等のカルシウムイオンを付与して導電率を高める。
【0021】
電解部6は、カルシウム供給部5を通過した水を電気分解し、電解水としてアルカリイオン水と酸性イオン水を生成する。電解部6は、カルシウム供給部5を通過した水が供給される電解槽13と、電解槽13内を二分して一対の電解室14,15を形成する隔膜16を有している。
【0022】
給水路12はカルシウム供給部5の下流側の分岐点22で二流路に分岐され、このうち一方の分岐流路23は電解室14に接続され、他方の分岐流路24は電解室15に接続されている。電解室14には、電解室14に生成された電解水を装置本体2の外部に吐出する吐出部として吐出路19が接続されており、電解室15には電解室15内の電解水を排出する排出部として排出路20が接続されている。
【0023】
電解室14には第一電極17が設けられ、電解室15には第二電極18が設けられている。電解室14、15に水が供給された状態で、両電極17、18間に電圧を印加して水の電気分解を生じさせると、電解槽13には電解水としてアルカリイオン水と酸性イオン水が生成される。このとき、第一電極17に負の電圧が印加され且つ第二電極18に正の電圧が印加されると、電解室14ではアルカリイオン水が生成され、電解室15では酸性イオン水が生成される。逆に、第一電極17に正の電圧が印加され且つ第二電極18に負の電圧が印加されると、電解室14では酸性イオン水が生成され、電解室15ではアルカリイオン水が生成される。すなわち、両電極17、18は、吐出路19から吐出される電解水をアルカリイオン水又は酸性イオン水に選択的に切り替える切換手段を構成している。
【0024】
浄水部4とカルシウム供給部5の間の給水路12には、流量センサー21が設けられている。また、カルシウム供給部5と電解部6の間の給水路12は、分岐点22よりも上流側において、接続路25を介して排出路20に接続されており、接続路25には電磁弁26が設けられている。
【0025】
電源部8は電源プラグ27に接続され、電源プラグ27を介して交流電源から供給された電力を直流の電力に変換する。制御部7は電源部8に接続されて電源部8から電力が供給される。第一電極17、第二電極18、電磁弁26、及び操作表示体3は制御部7に電気的に接続され、制御部7を介して電源部8から電力が供給される。
【0026】
操作表示体3は、図1に示すようにハウジング9に設けられており、装置本体2の動作設定を行うための操作手段と、装置本体2の動作状態を表示する表示手段を有している。
【0027】
操作表示体3は左右方向に長い長方形状の表面板37を有している。表面板37には、
薄型の表示装置38が設けられており、表示装置38の画面である表示部49により表示手段が構成されている。表示装置38には、図1に示す位置に操作表示体3が配置された状態で操作表示体3の下部に位置する複数の操作部39が設けられており、これら複数の操作部39により操作手段が構成されている。
【0028】
表示装置38には、操作部39として、水質決定釦及びpH調節釦が設けられている。水質決定釦は、吐出路19から吐出される電解水(すなわち利用者によって利用される電解水)をアルカリイオン水又は酸性イオン水のいずれかに設定するために用いられる。pH調節釦は、吐出路19から吐出される電解水のpH値を調節するために用いられる。
【0029】
表示装置38の表示部49には、水質決定釦及びpH調節釦で設定した電解水の水質等の操作部39により設定した設定情報や、装置本体2の現在の動作状態等が表示される。なお、前記表示部49で表示される、水質決定釦で決定した電解水の水質情報は、例えば「アルカリイオン水」や「酸性イオン水」といった表現で表示されるものであってもよいし、「pH9.5」といった間接的な表現で表示されるものであってもよい。
【0030】
操作表示体3は、ハウジング9に設けられた位置変更手段によりハウジング9に対して位置変更可能に設けられている。位置変更手段は、操作表示体3をハウジング9の外面に沿ってスライドさせるスライド機構により構成されている。
【0031】
図1に示すように、ハウジング9は、鉛直な前面部41と、前側程下方に位置するように傾斜した上面部40を有している。上面部40と前面部41の接続部分42は側断面形状が前斜め上方に向かって突となる弧状に形成されており、上面部40と前面部41は稜線を介在させずに連続している。
【0032】
ハウジング9の上部には、ハウジング9の外方に向かって開口し、前面部41の上部から上面部40まで連続して延びる凹溝部43が形成されている。凹溝部43の底面には、凹溝部43の長さ方向に延びるスライド溝部44が左右に複数条(図示例では2条)形成されている。図示は省略するが、各スライド溝部44には長手方向の全長に亘って本体側電気接続部が設けられており、これら本体側電気接続部は制御部7に電気的に接続されている。
【0033】
図4に示すように、凹溝部43の両側面部には内側方に開口する凹部45が凹溝部43の長さ方向に複数設けられている。凹溝部43の一方の側面部に設けられた凹部45は他方の側面部に設けられた凹部45と左右対称となる位置に配置されている。そして、前記凹部45及びスライド溝部44を有する凹溝部43によって、スライド機構が構成されている。
【0034】
図6のように、操作表示体3は、左右に長い長方形状の裏面板35を有しており、裏面板35は複数のばね36を介して表面板37の裏面側に設けられている。操作表示体3は、図5のように、凹溝部43に、裏面板35が溝奥側、表面板37が溝開口側に位置するように収納され、凹溝部43の長さ方向にスライド可能となっている。
【0035】
図6のように、裏面板35の各スライド溝部44に対応する箇所には、表面板37と反対側に向かって突出する突起47が形成されており、両突起47は裏面板35において左右対称位置に配置されている。各突起47は対応するスライド溝部44にスライド自在に挿入され、各スライド溝部44は操作表示体3を凹溝部43の長さ方向にスライドする際のガイドとして機能する。
【0036】
図示は省略するが、各突起47には表示体側電気接続部が設けられており、これら表示体側電気接続部は表示装置38の表示部49及び各操作部39に電気的に接続されている。各突起47の表示体側電気接続部は対応するスライド溝部44の本体側電気接続部と電気的に接続され、これにより操作表示体3の表示装置38には制御部7を介して電源部8からの電力が供給される。前記突起47とスライド溝部44は、操作表示体3を凹溝部43のいずれの位置にスライドさせた場合にも電気的に接続されるようになっている。また、この電気的接続により、操作表示体3の表示装置38と制御部7の双方向通信が行われるようになっている。
【0037】
表面板37の両側端面には、外側方に向かって突出する凸部46が形成されている。両凸部46は、表面板37において左右対称となる位置で、且つ、図1のように操作表示体3をハウジング9の前面部41に沿って配置した状態において表面板37の下端部となる位置に設けられている。
【0038】
図4のように、表面板37の両側端部には、裏面板35と反対側に向かって突出する押圧部48が設けられている。各押圧部48は対応する凸部46と操作表示体3のスライド方向において同位置に配置されている。
【0039】
操作表示体3は、図4及び図5(a)に示すように両凸部46を凹溝部43の左右対象位置にある任意の凹部45に嵌め込んだ状態でハウジング9の外面に沿って配置される。この状態の操作表示体3は、両凸部46が対応する凹部45に嵌まるので、凹溝部43の長さ方向の移動が規制された状態で保持される。すなわち、凹溝部43に設けられた各凹部45は任意の位置にスライドした操作表示体3を保持する保持手段を構成している。
【0040】
前記保持された操作表示体3のハウジング9における位置の変更は、以下のように行われる。まず、利用者は、操作表示体3の両押圧部48を押圧し、図5(b)に示すように、表面板37を複数のばね36に抗して凹溝部43の溝奥側に押し込む。このようにすると、操作表示体3の両凸部46は凹部45から外れ、操作表示体3は凹溝部43の溝奥側において凹溝部43の長さ方向にスライドできる状態になる。続いて、利用者は、両押圧部48を押圧したまま、操作表示体3を凹溝部43の長さ方向における任意の位置までスライドし、この後、両押圧部48の押圧を解除する。これにより、表面板37は複数のばね36により付勢されて裏面板35から離れる方向に移動し、両凸部46が凹溝部43の長さ方向における任意の凹部45に嵌まり込み、操作表示体3が当該位置で保持される。従って、操作表示体3を、図1のようにハウジング9の前面部41に沿って配置したり、図3(b)のようにハウジング9の上面部40に配置することができる。
【0041】
水質決定釦及びpH調節釦により電解水の水質及びpH値を設定した状態で、図2に示す水栓11から給水路12に原水が供給されると、装置本体2の電解部6により電解水が生成され、電解室14に生成された電解水が吐出路19から吐出される。
【0042】
前記水栓11から給水路12に供給された原水は浄水部4で浄化され、次に流量センサー21を通過してカルシウム供給部5でカルシウムイオンが付与され、この後、電解部6の電解槽13に供給される。このとき、流量センサー21の測定結果に基づいて給水路12への通水が検知される。すると、制御部7は、電磁弁26を閉じると共に、両電極17,18間に電圧を印加する。この際、制御部7は、水質決定釦及びpH調節釦により設定された電解水が電解室14で生成されるように、流量センサー21の測定結果に基づいて、両電極17,18間に印加される電解電圧値又は両電極17,18間に流れる電解電流値を制御する。これにより、電解室14内で生成された電解水が吐出路19から吐出され、電解室15内で生成された電解水が排出路20から排出される。そして、前記両電極17,18間への電圧印加は流量センサー21の測定結果に基づいて給水路12への通水が遮断されたときに終了する。また、このとき、電磁弁26が開き、これにより電解槽13や給水路12に残った水が接続路25及び排出路20を介して排出される。
【0043】
電解水生成装置1は、装置本体2がキッチンの壁に掛けられたり、図7のように流し台32上に載置されることで、設置される。図7では、流し台32に設けられた水栓11に切換弁34が設けられており、切換弁34を手動操作することにより、原水管10から供給された原水をシンク33又は装置本体2のいずれかに選択的に供給できるようになっている。また、装置本体2の吐出路19の下流側端部はシンク33に臨んでおり、吐出路19から吐出された電解水をシンク33において利用できるようになっている。
【0044】
以上説明した本実施形態の電解水生成装置1は、ハウジング9に操作表示体3の位置を変更する位置変更手段が設けられている。このため、操作表示体3を、装置本体2の設置場所等に応じて、操作手段を操作しやすく、表示手段を視認しやすい位置に移動することができる。従って、装置本体2の設置場所等に拘わらず、操作表示体3を容易に操作することができ、操作表示体3の表示を容易に視認することができる。
【0045】
また、操作表示体3の操作手段は吐出路19から吐出される電解水をアルカリイオン水又は酸性イオン水のいずれかに設定する水質決定釦を有し、操作表示体3の表示手段が水質決定釦で設定された電解水の水質を表示する機能を有している。この構成により、操作表示体3を、吐出される電解水の設定を行うための水質決定釦を操作しやすく、水質決定釦で設定された電解水の水質を表示するための表示手段を視認し易い位置に配置することができる。
【0046】
また、位置変更手段は、操作表示体3をスライドさせるスライド機構により構成されているので、簡単な構成で操作表示体3の位置を変更することが可能になる。
【0047】
また、スライド機構は、任意の位置にスライドした操作表示体3を保持する凹部45を有しているので、操作表示体3が操作時や視認時に不意に移動することを抑制できる。
【0048】
なお、操作表示体3をスライドさせるスライド機構は上記に限定されるものではなく、例えば操作表示体3にスライド溝部を設けると共にハウジング9にスライド溝部にスライド自在に挿入される突起を設ける等してもよい。また、操作表示体3のスライド範囲も上記に限定されるものではない。
【0049】
また、凸部46を凹部45から着脱するにあたっては、例えば凸部46を操作表示体3に対して突没自在に設け、釦等により凸部46を突没させることで、凹部45に対して着脱自在にしてもよい。また、任意の位置にスライドした操作表示体3を保持する保持手段も上記に限定されるものではなく、例えば凹溝部43の両側面部に沿って複数の凸部を設けると共に、表面板37の両側端部に前記複数の凸部のうちの任意の凸部に嵌合する凹部を設ける等してもよい。
【0050】
(第二実施形態)
次に上記とは異なる実施形態について説明する。なお、以下の説明では、第一実施形態と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0051】
本実施形態の電解水生成装置1のハウジング9の外面部の複数箇所には、図9に示すように、操作表示体3を着脱自在に取り付け可能な取付部として嵌込部50が設けられており、これら複数の嵌込部50により位置変更手段が構成されている。
【0052】
各嵌込部50は、ハウジング9の外方に開口する長方形状の凹部で構成されており、同一形状に形成されている。嵌込部50は、ハウジング9の前面部41の上部と、ハウジング9の上面部40に形成されている。以下、特に区別する場合には、前面部41に形成された嵌込部50を嵌込部501と記載し、上面部40に形成された嵌込部50を嵌込部502と記載する。
【0053】
長方形状の各嵌込部50はその長手方向が異なっており、嵌込部501の長手方向は上下方向と平行であり、嵌込部502の長手方向は左右方向と平行である。
【0054】
図14に示すように各嵌込部50の奥面部において点対称位置となる二箇所には、本体側電気接続部53が設けられており、これら本体側電気接続部53は制御部7に電気的に接続されている。
【0055】
図14(a)のように、嵌込部501の本体側電気接続部53は、嵌込部501の右上の隅部と左下の隅部の夫々に設けられている。図14(b)のように、嵌込部502の本体側電気接続部53は、嵌込部502の左後の隅部と右前の隅部に設けられている。
【0056】
図13に示すように、操作表示体3は液晶タッチパネルである表示装置52により構成されている。パネル状の表示装置52は各嵌込部50と合致する長方形状に形成されており、任意の嵌込部50に嵌め込むことでハウジング9に着脱自在に取り付けられる。
【0057】
表示装置52の画面である表示部54は長手方向が表示装置52の長手方向と平行になる長方形状に形成されており、この表示部54により表示手段が構成されている。表示部54には複数の操作部55が表示され、これら複数の操作部55により操作手段が構成されている。表示部54には、第一実施形態の操作部39と同様、操作部55として、水質決定釦及びpH調節釦が表示されるようになっている。
【0058】
図12に示すように、表示装置52の内部には表示部49を制御する表示体側制御部56が設けられている。表示装置52の裏面には、表示体側制御部56に電気的に接続された表示体側電気接続部57が設けられている。表示体側電気接続部57は、表示装置52が任意の嵌込部50に取り付けられたときに当該嵌込部50の本体側電気接続部53に接続される。そして、この電気的接続により、表示装置52の表示体側制御部56と装置本体2の制御部7の双方向通信が行われるようになっている。
【0059】
表示体側電気接続部57は表示装置52の一隅部に設けられており、表示装置52がいずれの嵌込部50に取り付けられた場合にも、当該嵌込部50のいずれか一つの本体側電気接続部53に接続されるようになっている。
【0060】
表示体側制御部56は、表示装置52が任意の嵌込部50に取り付けられた際、表示体側電気接続部57が接続された本体側電気接続部53がいずれの嵌込部50に設けられた本体側電気接続部53であるかを検知する。同時に、表示体側電気接続部57が、各嵌込部50に設けられた2個の本体側電気接続部53のうち、いずれの本体側電気接続部35に接続されたのかを検知する。そして、表示体側制御部56は、これら検知結果に応じて、表示部49で表示する表示内容(操作部55を含む)を変更する。
【0061】
表示体側電気接続部57に嵌込部501の本体側電気接続部53が接続された場合、表示部54には図13(a)に示すように表示内容が表示されるようになる。この場合、長方形状の表示部54の長手方向が縦方向と平行になるので、表示部54に表示される文字等の表示内容の上下方向を、表示部54の長手方向と平行にする。なお、図13(a)では、表示部54の右側に操作部55が上下に並べて表示され、その左側に水質決定釦及びpH調節釦で設定した電解水の水質が表示されている。
【0062】
また、表示体側電気接続部57に嵌込部502の本体側電気接続部53が接続された場合、表示部54には表示内容が図13(b)に示すように表示がなされる。この場合、長方形状の表示部54の長手方向が横方向と平行になるので、表示部54に表示される文字等の表示内容の上下方向を、表示部54の長手方向に対して直交させる。なお、図13(b)では、表示部54の手前側に操作部55が左右に並べて表示され、この後側に水質決定釦及びpH調節釦で設定した電解水の水質が表示されている。
【0063】
このように操作表示体3で表示する表示内容の向きや位置を、操作表示体3が取り付けられた嵌込部50に応じて変更することで、操作表示体3をいずれの嵌込部50に取り付けられた場合にも容易に視認できるようになり、また容易に操作することができるようになる。
【0064】
前記表示部54で表示される表示内容は、表示体側電気接続部57が同一の嵌込部50に設けられた本体側電気接続部53に接続された場合、常に同じ向きで表示がなされるようになっている。すなわち、表示装置52は、表示体側電気接続部57を同一の嵌込部50の他方の本体側電気接続部53に接続した場合、表示部54が左右に反転することになるが、この場合も表示部54では同様の態様で表示内容が表示される。このため、表示装置52を嵌込部50に向きを気にすることなく容易に取り付けることができる。
【0065】
電解水生成装置1は、図9及び図11に示すように、操作表示体3が取り外された状態にある嵌込部50を覆うカバー58を備えている。カバー58は嵌込部50と同一形状に形成されており、嵌込部50に嵌め込むことでハウジング9に着脱自在に取付けられる。カバー58は、嵌込部501及び嵌込部502のいずれにも取り付け可能であり、嵌込部50に嵌め込んだ状態では、その表面が周囲のハウジング9の外面と略面一となる。
【0066】
このように操作表示体3が取り外された状態にある嵌込部50をカバー58で覆うことにより、外観を向上できる。また、カバー58は、嵌込部50に設けられた使用しない本体側電気接続部53も覆うことができ、この本体側電気接続部53に塵や埃がついたり、水等がかかったりして不具合が生じることを防止できる。
【0067】
以上説明した本実施形態の電解水生成装置1は、ハウジング9の複数箇所に操作表示体3を着脱自在に取り付け可能な嵌込部50が設けられている。このため、操作表示体3を装置本体2の設置場所等に応じて、操作手段を操作しやすく、表示手段を視認しやすい位置に配置することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、操作表示体3を着脱自在に取り付け可能な取付部を嵌込部50で構成したが、これに限定されるものではない。また、ハウジング9において取付部が設けられる箇所や数も上記に限定されない。また、本実施形態では操作手段を表示部54に表示される操作部55で構成したが、操作手段を機械的に動作させる釦等で構成しても構わない。
【符号の説明】
【0069】
1 電解水生成装置
2 装置本体
9 ハウジング
39 操作部
49 表示部
58 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、この装置本体のハウジングに設けられる操作表示体を備え、この操作表示体は、前記装置本体の動作設定を行うための操作手段と、前記装置本体の設定情報を表示する表示手段を有し、前記ハウジングに前記操作表示体の位置を変更する位置変更手段が設けられたことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
前記装置本体は、前記生成された電解水を吐出する吐出部と、この吐出部から吐出される電解水をアルカリイオン水又は酸性イオン水に選択的に切り替える切換手段を有し、前記操作手段は前記吐出部から吐出される電解水をアルカリイオン水又は酸性イオン水のいずれかに設定する操作部を有し、前記表示手段が前記操作部で設定された電解水の水質を表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項3】
前記位置変更手段が、前記操作表示体をスライドさせるスライド機構により構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電解水生成装置。
【請求項4】
前記スライド機構が、任意の位置にスライドした操作表示体を保持する保持手段を有することを特徴とする請求項3に記載の電解水生成装置。
【請求項5】
前記ハウジングの複数箇所に前記操作表示体を着脱自在に取り付け可能な取付部が設けられ、これら複数の取付部により前記位置変更手段が構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電解水生成装置。
【請求項6】
前記操作表示体が取り外された状態にある前記取付部を覆うカバーを備えたことを特徴とする請求項5に記載の電解水生成装置。
【請求項7】
前記操作表示体の表示が前記操作表示体が取り付けられた取付部に応じて変更されるものであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電解水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−228630(P2012−228630A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96700(P2011−96700)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】