説明

電話番号からURL情報を提供するシステム

【課題】利用者が通信機器を用いてただ電話をかけるのみで、利用者の必要とする情報資源に係るURL情報が通信機器に得られ、利用者が直ちにこのURL情報に係る情報資源にアクセスして閲覧することが可能となる、URL情報を提供するシステムを提供する。
【解決手段】通信機器の端末情報と電子メールアドレスとをひとつのデータとして関連付けて複数記憶したデータ記憶手段と、利用者からの電話を受けて該利用者の使用している通信機器の端末情報を抽出するCTI手段と、これによって抽出された該端末情報に対応する電子メールアドレスを該記憶手段から抽出するデータ検索手段と、これによって抽出された該電子メールアドレスに対してURL情報を添付した電子メールを送信する電子メール送信手段と、URL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるインターネット上のさまざまな情報資源の格納場所(以下、「URL」という)についての情報(以下、「URL情報」という)を利用者に案内するサービスに係るシステムに関する。より詳しくは、利用者の求めに対応して、電子メールの受信機能及びインターネットへのアクセス機能を有する携帯電話機等の通信機器に、URL情報を含む電子メールを送信する、URL情報提供システムに関する。なお、URL情報は多くの場合、特定の文字列を選択することで当該URL情報に係る情報資源にアクセスが可能となる、いわゆるハイパーリンクの形で供給されることが多く行われているので、このようなシステムはサービスリンク提供システムとも呼ばれることがある。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるインターネット等のTCP/IPプロトコル通信網が広く利用されるようになっており、さまざまな企業等が自社の情報をインターネット上で配信するようになっている。このような情報には、典型的には商品カタログに該当する情報があげられ、多くの企業にとって重要な広告・宣伝手段となっている。
【0003】
しかし、インターネット上では非常に多くの情報を提供されているため、企業等にとっては如何に利用者に自社の情報を閲覧させるか、つまり如何に利用者に自社の情報資源にアクセスさせるかが大きな課題となっている。また、利用者の立場からも、目的の商品やサービスは分かっていても、これらに関する情報資源のインターネット上でのURLを発見することが容易でないという不便さがある。URLはインターネット上のアドレス情報であり、これが分かっていれば目的の情報資源に容易にアクセスし閲覧できるのであるが、URL自体には特別な意味があるわけではないために覚えにくく、また類似のURLが存在する場合があるなど紛らわしいものである。
【0004】
この不便さを解消するものとして、インターネット上では、適当なキーワードを元にそのキーワードと関連の深い情報資源のURLの候補を検索して表示するサービスが提供されている。しかし、インターネット上で提供されている情報が非常に多いため、目的の情報資源に係るURLを適切に見出すことは容易ではない。特に、携帯電話機に代表される通信機器(以下、単に「通信機器」という)を使用している場合には、この課題は深刻である。表示装置が小型であるために一度に表示できる情報量が少なく、目的の情報資源に係るURLの発見がより困難だからである。
【0005】
また、このような通信機器においては文字情報を入力するキーボードなどの入力装置も小型であることが常であり、文字情報を入力することは簡単ではない。限られた数のボタンしか備えない通信機器の入力装置では英字やかな文字を入力する際、1文字を入力するにも数回ボタンを押す必要があることが多く、比較的短いキーワードを入力するにも非常に多くの回数ボタンを押す必要がある。つまり、キーワードのような文字情報の入力は、通信機器の利用者に大きな負担を強いることになってしまう。
【0006】
多くの文字からなるURLを利用者に入力させるすることは、利用者の負担が重いのみならず、誤入力の危険も高い。なにより、利用者にとって面倒な作業であるために、当該URLに係る情報資源にアクセスしこれを閲覧する意欲を損なってしまう。これでは、インターネット上で配信する自社の情報資源にアクセスする利用者は限られてしまい、商品広告をはじめとした意図する効果を挙げることが困難となってしまう。
【0007】
そこで、従来より、情報資源に係るURL情報をカタログ等に直接表示するのみならず、この情報をいわゆる2次元コードとしても表示することが行われている。ここで、2次元コードとは電子情報を画像情報として対象物に印刷等して表示しておくことで、その後これを再び電子情報として読み取ることを可能としたものである。もっとも、2次元コードに限らず、単純なバーコードから、印刷等された文字情報を直接電子情報として読み取る、いわゆるOCR技術(光学式文字認識技術)も実用に供されており、適宜これら技術が2次元コード同様に利用されており、以下ではこれらを含めて2次元コード等と呼ぶ。
【0008】
情報資源に係るURL情報を2次元コード等としてもカタログ等に表示しておくことにより、利用者はURL情報を通信機器に入力することなく、通信機器にこれを読み込ますのみで容易に情報資源にアクセスすることが可能となる。しかし、すべての通信機器に2次元コード等の読み込みに必要な画像の撮影機能やソフトウェアが搭載されているとは限らず、また、街頭のポスターや看板類に2次元コード等を表示しても、これらの設置位置や大きさを2次元コードの読み取りに適したものとすることができるとは限らず、これの利用は容易ではない。加えて、仮に利用者が2次元コード等の読み取り機能を搭載した通信機器を使用していたとしても、利用者がそのような機能の扱いに精通しているとは限らず、多くの利用者に当該URLに係るサービスを閲覧させる手段として不十分である。
【0009】
このような課題を解決しようとした発明として、特開2001−339519号公報に開示された発明を挙げることができる。当該公報の[0005]段落乃至[0006]段落には、TCP/IPプロトコル通信網(当該公報ではほぼインターネットと同義で使用されている)またはTCP/IPプロトコル通信網に依存しない基礎的電話システムによって、電話番号またはファクシミリ番号から、これらに関連付けられたURL情報を案内するシステムが開示されている。
【0010】
この発明によれば、利用者は特定の電話番号に電話をかけ、音声案内にしたがって既知の電話番号やファクシミリ番号を入力すると、当該電話番号やファクシミリ番号に関連付けられたURL情報や電子メールアドレスの案内を受けることができる。一般的に携帯電話機等の通信機器であっても、電話番号等の数字情報を入力することは、英字やかな文字といった文字情報を入力するよりもはるかに容易であることが多く、利用者が戸惑う可能性はきわめて低い。また、通信機器に2次元コード等の読み取り機能等が備えられている必要も無い。したがって、多くの利用者が街頭のポスターや看板類をはじめとする広告類に普通に表示されている電話番号やファクシミリ番号からURL情報を容易に得ることができる。
【特許文献1】特開2001−339519号公報
【0011】
しかし、音声案内の使用法は容易であるものの、必ずしも使い勝手のよいものでは無い。音声案内に対する回答をするためにしばしば数字入力用のボタンや「#」「*」といった記号に対応するボタンを押す必要があるが、例えば通信機器が携帯電話機の場合ではボタンを押すためにキーボードを見る必要があると同時に、一方で音声を聞くために携帯電話機を耳にあてがう必要があるなど、操作法としてスムーズな操作を行うに難があるからである。
【0012】
また、URL情報を得たとしても、利用者はこの情報を記憶して通信機器に入力しなければならず、結局文字情報の入力が避けられないという課題がある。もっとも、近年の通信機器が備えるインターネットへの接続機能を利用して、特開2001−339519号公報に開示された発明の一実施形態であるインターネット上のサービスの形で電話番号やファクシミリ番号からURL情報を検索することも可能であるが、この場合はまず当該サービスを利用するための操作を習得する必要があり、通信機器の扱いに熟練していない利用者にとって容易に利用できるものとはいえない。つまり、多くの利用者に当該URLに係る情報資源にアクセスさせ、これを閲覧させる手段としては不十分であるという課題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、利用者が通信機器を用いてただ電話をかけるのみで、利用者の必要とする情報資源に係るURL情報が通信機器に得られ、利用者が直ちにこのURL情報に係る情報資源にアクセスして閲覧することが可能となる、URL情報を提供するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)以上説明した課題を解決するため、本発明においては、
通信機器の端末情報と電子メールアドレスとをひとつのデータとして関連付けて、それらを複数記憶したデータ記憶手段と、
利用者からの電話を受けて該利用者の使用している通信機器の端末情報を抽出するCTI手段と、
該CTI手段によって抽出された該端末情報に対応する電子メールアドレスを該データ記憶手段から抽出するデータ検索手段と、
該データ検索手段によって抽出された該電子メールアドレスに対してURL情報を添付した電子メールを送信する電子メール送信手段と、
を備えたことを特徴とする、URL情報提供システムとしている。
【0015】
このような構成とすることで、利用者は広告等に記載された電話番号に電話をかけるのみで、当該広告等に係る情報資源のURL情報を通信機器に得ることができ、直ちに当該URLに係る情報にアクセスすることができる。すなわち、利用者からの電話を受けると、CTI手段が利用者が用いている通信機器の端末情報を抽出する。つぎに、データ検索手段によって該端末情報に関連付けられた電子メールアドレスが抽出される。続けて、電子メール送信手段により、該電子メールアドレスに対して、該広告等に係る情報資源のURL情報を添付した電子メールが送信される。
【0016】
前記電子メールは利用者の通信機器で受信され、利用者は添付されたURL情報に係る情報資源に直ちにアクセスし、閲覧できることになる。なお、電子メールに添付されるURL情報はいわゆるハイパーリンク形式とすることが好ましい。多くの通信機器ではハイパーリンクを選択することで、直ちにこれに関連付けられたURLの指し示す情報資源にアクセス可能な機能を備えており、利用者がより容易に目的の情報を閲覧することができるからである。
【0017】
なお、CTI手段とはCTI技術(Computer Telephony Integration)によって、例えばかかってきた音声通話電話やファクシミリ等をコンピュータ処理と統合することを可能とする技術であるが、本発明においてはCTI技術を用いてかかってきた電話について利用者が使用している通信機器の端末情報を抽出する機器類という意図である。これは、近年では例えばCTI機能を有する拡張カードを挿入したパーソナルコンピュータで専用のソフトウェアを動作させることなどで実現できる。
【0018】
(2)また、本発明においては、
前記端末情報には少なくとも前記通信機器の電話番号を含む、
ことを特徴とする、(1)に記載のURL情報提供システムとすることが好ましい。
【0019】
通信機器の電話番号は通常はおのおのの通信機器に一意に割り当てられる情報であり、URL情報を添付した電子メールを送信する電子メールアドレスとの対応付けを行うのに都合が良い。利用者が使用した通信機器に電子メールを送信することで、利用者が直ちに電子メールに添付されたURL情報に係る情報資源にアクセスし、これを閲覧できるからである。また、利用者が通信機器を故障その他の理由で買い換える等したとしても、電話番号は新しい通信機器に引き継がれることが多く、このような事態にあってもURL情報提供システムのサービスを継続的に提供できる可能性が高い点でも優れているといえる。
【0020】
また、電話番号は電子メールアドレス同様、利用者が通信機器と組にして認識していることが常であるので、電子メールアドレスと関連付けるデータを利用者自身が登録する場合にも、電話番号であれば比較的容易に行うことができる。仮に、通信機器の製造番号等を抽出することができたとしても、これは利用者自身も認識していないことの多い情報であり、このような情報と電子メールアドレスの対応を得ることは困難であるので、この意味でも電話番号は端末情報として優れている。
【0021】
(3)また、本発明においては、
前記端末情報は少なくとも前記通信機器の電話番号及び前記通信機器のキャリア種別を含む、
ことを特徴とする、(1)に記載のURL情報提供システムとすることが好ましい。
【0022】
キャリア種別とは、ここでは無線通信事業を営む事業者(キャリア)の種別を指している。通常、無線通信機能を有する通信機器の利用者は、キャリアと契約することで無線通信サービスを利用しており、キャリアの設備を介してインターネットを利用する。また、国内においては通信機器はそれぞれ特定のキャリアの提供するサービスのみと適合するように設計されていることが多い。
【0023】
また、通信機器の備える機能はキャリアによって特色あるものとなっており、従って、端末情報としてキャリア種別を抽出することにより、送信する電子メールにURL情報のみならず、通信機器に係るキャリア独自の特色を付与することが可能になる。また、キャリアごとに通信機器の操作感や画面表示のデザインに多少の差異があるが、送信する電子メールの操作やデザインをキャリアごとに変えることによって、各キャリアと契約する利用者がより違和感無くサービスを利用できるようにすることもできる。特に、不慣れな利用者はわずかな操作やデザインの違いに戸惑うことも少なくないため、このような工夫により不慣れな利用者をも無理なく目的のURLに係る情報を閲覧することが可能になる。
【0024】
(4)また、本発明においては、
前記CTI手段によって抽出された前記キャリア種別に応じて、前記電話番号に対してURL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段を備えたことを特徴とする、(3)に記載のURL情報提供システムとすることが好ましい。
【0025】
ショートメッセージサービスとは、携帯電話間等でごく短い文字メッセージを送受信できるサービスであり、国内ではキャリア毎にサービスが提供されている。利用者にとっては同じキャリアと契約する利用者間であれば、電子メールアドレスが分からなくても、電話番号さえ分かっていればメッセージを送信できるという利点がある。
【0026】
ショートメッセージサービスを用いることで、情報資源の提供者である企業にとっては、電子メールアドレスではなく電話番号を用いてメッセージを送信できるのでCTI手段によって抽出された電話番号に直ちにURL情報を添付したメッセージを送信することが可能である。
【0027】
なお、ショートメッセージサービスは国内ではキャリア毎にサービスが提供されているため、CTI手段は電話番号に加えてキャリア種別を抽出し、ショートメッセージ送信手段はキャリア種別に応じて当該キャリアのショートメッセージサービスを利用してショートメッセージを送信する。また、ショートメッセージサービスにおいても各キャリアが独自の付加機能を提供している場合があり、キャリア毎に送信するショートメッセージのデザイン等を変えることによって、利用者が寄り違和感無くサービスを利用するようにすることもできる。このような工夫により不慣れな利用者をも無理なく目的のURLに係る情報を閲覧が可能になることは先と同様である。
【0028】
念のために詳説すると、第1のステップとして、利用者から電話がかかってくると、CTI手段は利用者が使用している通信機器の端末情報として、そのキャリア種別と電話番号を抽出する。
【0029】
第2のステップとして、データ検索手段はデータ記憶手段から、抽出された電話番号に対応する電子メールアドレスを検索する。データ記憶手段に、当該電話番号と電子メールが関連付けられたデータが記憶されていれば、電子メールアドレスが抽出されるのであるが、このような関連付けられたデータが記憶されていない場合も当然ありえる。この場合は、データが無いことを記憶する(典型的には、データが無いことを示すために電子メールアドレスとして空文字(ヌル)を抽出するなどの処理が行われる)。
【0030】
第3のステップとして、第2のステップで首尾よく電子メールアドレスが抽出されていれば、当該電子メールアドレスに対してURL情報を添付したメッセージを電子メール送信手段によって送信する。これで処理完了である。
【0031】
第4のステップとして、第2のステップで電子メールアドレスが抽出されなければ(上記の典型的な例であれば、電子メールアドレスとして空文字(ヌル)が抽出されれば)、利用者のキャリア種別に応じて、利用者の通信端末の電話番号に対してURL情報を添付したメッセージをショートメール送信手段によって送信する。これで処理完了である。
【0032】
以上の説明から明らかな通り、利用者の端末情報と電子メールアドレスの対応がデータ記憶手段に記憶されていなくても、利用者に無事URL情報を添付したメッセージを送信できる点で、より多くの利用者に確実にURL情報を提供できるシステムとなることは大きな利点である。なお、近年は電話番号を変えずにキャリアを変更できるサービス(ナンバーポータビリティサービス)が提供されており、キャリア種別の抽出に失敗する可能性があるため、電子メールアドレスが抽出できた場合は優先的に電子メールを送信することでURL情報を提供することがより好ましい。
【0033】
(5)また、本発明においては、
利用者からの電話を受けて該利用者の使用している通信機器の電話番号及びキャリア種別を抽出するCTI手段と、
該CTI手段によって抽出された該キャリア種別に応じて該電話番号に対してURL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段と、
を備えたことを特徴とする、URL情報提供システムとすることができる。
【0034】
これにより、(1)乃至(3)のように電子メールを利用する際に必要であった、データ記憶手段、および、データ検索手段が不要になるという利益がある。
【0035】
(6)また、本発明においては、
前記URL情報には、少なくとも2つのURLを含む、
ことを特徴とする、(1)乃至(5)のいずれか一に記載のURL情報提供システムとすることができる。
【0036】
近年では、一企業が多数の商品を取り扱うことは一般的であり、利用者が本サービスを利用して通信端末から企業のURLを得て情報資源にアクセスしても、ここで直ちに利用者が求める情報を提供できるとは限らない。無論、利用者が最初にアクセスする情報資源に各商品についての専用の情報資源のURLへのリンクを設けておき、利用者に必要に応じてこれらリンク先のURLの示す情報資源にアクセスすることを求めることも可能であるが、この部分は各企業がどのように情報資源を構成するかによって外観や操作に差異が生じる部分であり、通信端末の利用に慣れていないものにとって混乱を招く原因となりえる。
【0037】
また、商品ごとに専用の電話番号を割り当てることによって上記課題は解消するようにも見えるが、これでは各商品に対応する多くの電話番号が乱立することになり、電話の掛け間違いなどの原因になる。また、多数の電話番号を管理する企業にとって維持・管理費の負担が大きくなるという問題がある。
【0038】
また、旧来からある商店街のように、独立した小規模な商店の集合体では、各店舗毎に専用の電話番号を持つよりも商店街としての代表の電話番号があるほうが自然で、かつ、電話番号の維持・管理費の負担の点でも好ましい場合が考えられるが、この場合も、前記と同様、商店街ごとに特有の外観や操作を要するのでは、通信端末の利用に慣れていないものにとって混乱を招く原因になりえることは共通している。
【0039】
そこで、代表の電話番号に電話をかけるのみで、各商品に対応するURLや、あるいは各店舗に対応するURLといった複数のURLからなるURL情報が添付された電子メールが送信される、または、ショートメッセージが送信されるURL情報提供システムであれば、どの企業の情報であっても、あるいは、どの商店街の情報であっても統一された共通の外観や操作を提供することが可能となり、通信端末の利用に慣れていないものであっても混乱を生じることなく所望のURLにかかる情報資源にアクセスさせることが可能となる。
【0040】
(7)また、本発明においては、
前記URL情報を添付した電子メールまたは前記URL情報を添付したメッセージには、
商業広告情報が添付されている、
ことを特徴とする、(1)乃至(6)のいずれか一に記載のURL情報提供システムとすることができる。
【0041】
本発明に係るURL情報提供サービスは、その運営に要する費用はURL情報の提供者が負担することが通常の形態であると考えられる。利用者に自社のURLに係る情報資源にアクセスさせ、その情報を閲覧させることによって一定の効果を得ることを目的にURL情報提供サービスを運営するのであるから、これに要する費用を負担することが前提と考えられるからである。
【0042】
しかし、近年においては、特に有名で人気のある事業者の情報資源には多数の利用者がアクセスすることから、このような情報資源のURLそのものが利用者をひきつける効果を奏する場合がある。つまり、URL情報を求める利用者に、URL情報とともに商業広告を添付して、電子メールを送付又はメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信すること自体が事業として成り立つ場合がある。
【0043】
そこで、URL情報を添付した電子メールまたはURL情報を添付したメッセージには商業広告情報を添付することとすることで、URL情報の提供者は広告収入を得ることができることになる。この収入は、URL情報の提供者の利益となることはもちろん、本発明にかかるURL情報提供サービスの運営資金ともなりえるものであり、このサービスを安価又は無償で利用者に提供可能とするものであるので、URL情報の提供者のみならず利用者にとっても利益のある方策である。
【発明の効果】
【0044】
(1)本発明においては、通信機器の端末情報と電子メールアドレスとをひとつのデータとして関連付けて、それらを複数記憶したデータ記憶手段と、利用者からの電話を受けて該利用者の使用している通信機器の端末情報を抽出するCTI手段と、該CTI手段によって抽出された該電話番号に対応する電子メールアドレスを該記憶手段から抽出するデータ検索手段と、該データ検索手段によって抽出された該電子メールアドレスに対してURL情報を添付した電子メールを送信する電子メール送信手段と、を備えたことを特徴とする、URL情報提供システムとしたので、利用者は広告等に表示された電話番号に電話をかけるのみで、電話をかけるために用いた通信機器に広告等に係るURL情報を添付した電子メールを受けることができ、これによってURLに係る情報資源を容易にアクセスし、閲覧することが可能となる。これにより、利用者は小型端末で英字やかな文字を入力したり、特定の検索サービスを利用するまでも無く必要な情報を閲覧することができるので、通信機器の操作に慣れない者を含めた多くの利用者にURLに係る情報資源がアクセス・閲覧されると期待できる。
【0045】
(2)また、本発明においては、前記端末情報には少なくとも前記通信機器の電話番号を含む、ことを特徴とする、(1)に記載のURL情報提供システムとしたので、利用者に電子メールを送る際に必要な電子メールアドレスと端末情報の関係が一意的になり、間違いの無いサービスを提供することができるとともに、電話番号という利用者自身が認識している情報を利用することで電子メールアドレスと端末情報の関係を収集・整理することがより容易になるという効果が得られる。
【0046】
(3)また、本発明においては、前記端末情報は少なくとも前記通信機器の電話番号及び前記通信機器のキャリア種別を含む、ことを特徴とする、(1)に記載のURL情報提供システムとしたので、各キャリアの提供するサービスと違和感の無いデザインや操作性の電子メールを利用者に送信することができる。これにより、通信機器の操作等に不慣れな利用者であっても戸惑うことなくサービスを利用可能となり、多くの利用者にURLに係る情報が閲覧されると期待できる。
【0047】
(4)また、本発明においては、
前記CTI手段によって抽出された前記キャリア種別に応じて、前記電話番号に対してURL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段を備えたことを特徴とする、(3)に記載のURL情報提供システムとしたので、データ記憶手段に利用者の使用している通信機器の電話番号が記憶されていないためにURL情報を添付した電子メールを送信できないといった事態の発生を防ぐことができ、より確実に多くの利用者にサービスを提供可能となるので、これによって多くの利用者にURLに係る情報が閲覧されると期待できる。
【0048】
(5)また、本発明においては、利用者からの電話を受けて該利用者の使用している通信機器の電話番号及びキャリア種別を抽出するCTI手段と、該CTI手段によって抽出された該キャリア種別に応じて該電話番号に対してURL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段と、を備えたことを特徴とする、URL情報提供システムとしたので、電子メールを利用する際に必要であった、データ記憶手段、および、データ検索手段が不要になるという利益がある。
【0049】
(6)また、本発明においては、前記URL情報には、少なくとも2つのURLを含む、ことを特徴とする、(1)乃至(5)のいずれか一に記載のURL情報提供システムとしたので、ひとつの電話番号に対して数多くの情報資源が対応する場合においても、利用者が共通の外観や操作によって目的の情報資源に係るURLにたどり着けるようになる。
【0050】
(7)また、本発明においては、前記URL情報を添付した電子メールまたは前記URL情報を添付したメッセージには、商業広告情報が添付されている、ことを特徴とする、(1)乃至(6)のいずれか一に記載のURL情報提供システムとしたので、URL情報の提供者が広告収入を得ることが可能となり、利用者にとってもより安価又は無償で本発明に係るURL情報提供サービスを利用可能となるという利益がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の実施例について、図面をもとに詳細に説明する。
【実施例1】
【0052】
図1は、本発明に係るURL情報提供システムの一実施例の概略を示す説明図である。また、図2は本発明に係るURL情報提供システムの動作フローの概略を示す説明図である。
【0053】
本実施例に係るURL情報提供システム(1)は、CTI手段、データ記憶手段、データ検索手段、電子メール送信手段とショートメッセージ時送信手段からなる。具体的には、パーソナルコンピュータ(2)にCTIボード(3)とハードディスク(4)を内蔵し、CTIボード(3)に電話回線(7)を接続する。また、パーソナルコンピュータ(2)はインターネットへの接続の可能なLAN(8)を接続する。さらに、パーソナルコンピュータ(2)はUSB等の通信手段を介してデータ送信BOX(5)を接続し、データ送信BOX(5)はキャリア毎に携帯電話機(6a〜6c)と電気的または機械的な手段で接続される。
【0054】
CTIボード(3)は電話回線(7)にかかってきた電話について、使用されている通信機器の端末情報を抽出する機能を有しており、CTI手段として働く。また、ハードディスク(4)は電話番号と電子メールアドレスの対応が多数記録されたデータ記憶手段として働く。また、パーソナルコンピュータ(2)の内蔵するCPU(9)は当該データ読み取って、電話番号に対応する電子メールアドレスを抽出するデータ検索手段として働く。また、パーソナルコンピュータ(2)のLAN(8)機能は、これを通じてURL情報を添付した電子メールを送信する電子メール送信手段として働く。さらに、データ送信BOX(5)はキャリア毎の携帯電話機(6a〜6c)を制御することでURL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段として働く。以上の通り、図1の構成は、本発明に係るURL情報提供システムを構成している。
【0055】
以下、図2を用いて、本発明に係るURL情報提供システムの動作フローを説明する。
【0056】
本システムは、利用者が電話をかけることが動作の開始点である。なお、CTIボード(3)に接続される電話回線(7)には、典型的にはいわゆるフリーダイヤルが割り当てられる。フリーダイヤルサービスは、通話料を着信側で負担する電話通信サービスであり、URL情報提供サービスの利用者に費用負担が発生しないために、より多くの利用者が見込めるからである。
【0057】
さて、ステップS01で、ある利用者が典型的には通信機器である携帯電話機から前記フリーダイヤルに電話をかける。単に電話をかけるだけであるから、利用者は基本的に携帯電話機に数字を入力するのみである。そして、特段の操作をすることなく利用者は通話を切ることができる。システムにとっては、電話回線(7)に電話が着信することになる。なお、ここでCTI手段から適宜音声ガイダンスによって通話を切ることを即するメッセージを流すことも自由である。
【0058】
実は、ステップS01で電話が着信した際に、CTIボード(3)は利用者の使用する通信機器の電話番号及びキャリア種別情報を読み取っている。そこで、続くステップS02では、パーソナルコンピュータで動作する専用のソフトウェアにより、ハードディスク(4)に記憶された電話番号と電子メールアドレスが関連付けられたデータから、かかってきた電話番号に対応する電子メールアドレスを検索・抽出する。首尾よく電子メールアドレスが抽出されればよいが、ハードディスク(4)に該当する電話番号と電子メールアドレスが関連付けられたデータが発見できなかった場合には電子メールアドレスとして、例えば空文字(ヌル)を抽出したように振舞う。
【0059】
ステップS03では、ステップS02で電子メールアドレスが抽出されていた場合にはステップS04に制御を移し、電子メールアドレスが抽出できなかった場合(見かけ上、電子メールアドレスが空文字(ヌル)の場合)には、ステップS05に制御を移すという条件分岐を行う。
【0060】
ステップS04、つまり、ステップS02で電子メールアドレスが抽出されていた場合には、パーソナルコンピュータ(2)で動作する専用のソフトウェアによって検索された電子メールアドレスに対して、URL情報を添付した電子メールをLAN(8)経由で送信する。送信する電子メールは典型的には「○○○○のホームページは、http://www.abcde.ne.jp/i を開いてください。」といった内容のものである。なお、電子メール内のURL情報部分は、ハイパーリンクとすることもできるし、電子メールの文面は適宜変更可能であることは言うまでも無い。
【0061】
ステップS05、つまり、ステップS02で電子メールアドレスが抽出できなかった場合(見かけ上、電子メールアドレスが空文字(ヌル)の場合)には、パーソナルコンピュータ(2)で動作する専用のソフトウェアは、送信制御装置(5)にショートメッセージサービスを用いてURL情報を添付したメッセージを送信する指令を発する。送信制御装置(5)は、かかってきた電話番号とキャリア種別をもとに、適当な携帯電話機(6a〜6c)を制御して、ショートメッセージサービスを用いたメッセージを送信する。なお、メッセージの内容は、電子メールの場合と同様である。
【0062】
ところで、送信制御装置(5)によって携帯電話機(6a〜6c)を制御してショートメッセージを送信するには多少の工夫を要する。一部の業者が利用者が望まない電子メールやショートメッセージを大量に送りつける、いわゆるジャンクメールが社会問題化しており、これを抑制するために各キャリアが携帯電話機がショートメッセージを送信する機能を外部からの電気的な制御では利用できないように制限している場合があるからである。本発明に係るURL情報提供システムは、そもそも利用者が情報提供を求めて電話をかけてきたことに呼応して自動的に電子メールやショートメッセージを送信しようとするものであり、利用者が望まない情報を一方的に送りつけるジャンクメールとは本質的に異なるものであるものの、その実現には自動制御でこれらを送信できる機能が必要だからである。
【0063】
これには、サービス内容が利用者の不利益にならないことがはっきりしていることから、前記の様な制限の無い携帯電話機を準備してこれを利用することが簡単であるほか、携帯電話機のキー入力を電気的又は機械的にエミュレートすることであたかも人間が操作しているように携帯電話機を操作してショートメッセージを送信することでも、本URL情報提供システムは実現可能である。ジャンクメールと異なり、あくまでも利用者の要求に呼応して情報を送信するものであるから、不特定多数にあてて大量のジャンクメールを送る場合に匹敵する数のショートメッセージを送信することは事実上想定できず、前記のような1通のメッセージを送信するのにある程度の時間を要する手法を用いても十分なサービスを提供することが可能だからである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したとおり、本発明は利用者が携帯電話機等の通信機器によって電話をかけるのみで目的の情報資源に係るURL情報を添付した電子メールを受け取れるようにしたことにより、通信機器が2次元コード等の読み取り機能を備えるかどうかに関わらず、また通信機器の使用に不慣れな者であっても容易に情報資源へのアクセスと閲覧をすることを可能としたものである。これにより、より多くの利用者が情報資源へアクセスすることが期待され、企業広告をはじめとする情報資源配信の効果を高める利用価値の高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施方法を示した説明図である。
【図2】本発明の実施方法を示した説明図である。
【符号の説明】
【0066】
1 URL情報提供システム
2 パーソナルコンピュータ
3 CTIボード
4 ハードディスク装置
5 送信制御装置
6a〜6c 携帯電話装置
7 電話回線
8 LAN
9 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機器の端末情報と電子メールアドレスとをひとつのデータとして関連付けて、それらを複数記憶したデータ記憶手段と、
利用者からの電話を受けて該利用者の使用している通信機器の端末情報を抽出するCTI手段と、
該CTI手段によって抽出された該端末情報に対応する電子メールアドレスを該データ記憶手段から抽出するデータ検索手段と、
該データ検索手段によって抽出された該電子メールアドレスに対してURL情報を添付した電子メールを送信する電子メール送信手段と、
を備えたことを特徴とする、URL情報提供システム。
【請求項2】
前記端末情報には少なくとも前記通信機器の電話番号を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のURL情報提供システム。
【請求項3】
前記端末情報は少なくとも前記通信機器の電話番号及び前記通信機器のキャリア種別を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のURL情報提供システム。
【請求項4】
前記CTI手段によって抽出された前記キャリア種別に応じて、前記電話番号に対してURL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段を備えたことを特徴とする、請求項3に記載のURL情報提供システム。
【請求項5】
利用者からの電話を受けて該利用者の使用している通信機器の電話番号及びキャリア種別を抽出するCTI手段と、
該CTI手段によって抽出された該キャリア種別に応じて該電話番号に対してURL情報を添付したメッセージをショートメッセージサービスを用いて送信するショートメッセージ送信手段と、
を備えたことを特徴とする、URL情報提供システム。
【請求項6】
前記URL情報には、少なくとも2つのURLを含む、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載のURL情報提供システム。
【請求項7】
前記URL情報を添付した電子メールまたは前記URL情報を添付したメッセージには、
商業広告情報が添付されている、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のURL情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−124445(P2010−124445A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298898(P2008−298898)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【出願人】(504118760)アレス有限会社 (1)
【出願人】(508348211)株式会社マックスコンフィデンス (1)
【Fターム(参考)】