静止誘導電器
【課題】非磁性体シールドを用いて大型化することなく下部締付金具の局部過熱を防止できる静止誘導電器を提供する。
【解決手段】下部締付金具5は奥面部材5aと底面部材5bと前面部材5cと上面部材5dにより絶縁油流路10を有する箱状にし、下部締付金具5の上面部材5dには絶縁油の通油孔12を形成している。下部締付金具5と巻線4a、4bの下部支持絶縁物8の間に、配置する非磁性体シールド20は、下部締付金具5の上面部材5dと同じ平板状にして取り付け、しかも非磁性体シールド20の平板状の一部を下部締付金具5の上面部材5d面と交差する方向に伸張させている。
【解決手段】下部締付金具5は奥面部材5aと底面部材5bと前面部材5cと上面部材5dにより絶縁油流路10を有する箱状にし、下部締付金具5の上面部材5dには絶縁油の通油孔12を形成している。下部締付金具5と巻線4a、4bの下部支持絶縁物8の間に、配置する非磁性体シールド20は、下部締付金具5の上面部材5dと同じ平板状にして取り付け、しかも非磁性体シールド20の平板状の一部を下部締付金具5の上面部材5d面と交差する方向に伸張させている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変圧器やリアクトル等の静止誘導電器に係り、特に鉄心の下部締付金具に非磁性の磁気シールドを設けた静止誘導電器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、静止誘導電器例えば変圧器は、図12に示す如く鉄心脚部及び鉄心継鉄部からなる鉄心2は、上下の鉄心継鉄部の両側に上部締付金具3及び下部締付金具5を配置して鉄心形状を保持して締め付け固定している。鉄心2の鉄心脚部に、同心状に配置されて絶縁筒7で離隔された高圧側巻線4a、低圧側巻線4bを巻装しており、各巻線4a、4bの上下に巻線支持用の上部支持絶縁物6と下部支持絶縁物8を配置し、上部締付金具3及び下部締付金具5間で各巻線4a、4bを支持させて変圧器本体を構成している。
【0003】
変圧器本体は、タンク1内に配置して絶縁油9を満たしており、また鉄心2の下部締付金具5は、その内部に絶縁油流路10が形成されており、絶縁油9を油導穴11から各巻線4a、4bに導入させて冷却するようにしている。
【0004】
上部締付金具3及び下部締付金具5は、十分な強度を有する鉄鋼やステンレス鋼等の金属材料を用いている。そして、各締付金具3、5は、高圧側巻線4aと低圧側巻線4bの両端付近に配置されるので、巻線からの漏れ磁束によって渦電流が流れて損失が増大し、局部加熱を引き起す恐れがある。最近の如く変圧器を小型化すると、漏れ磁束は高くなる傾向があるから、渦電流損失も大きくなり、局部過熱の問題が生ずる場合もある。
【0005】
このため、従来では例えば特許文献1及び2に記載されている如く、各巻線4a、4bの上下端部に、磁気シールドとして珪素鋼板等の磁性体シールドを配置している。この磁性体シールドにより、巻線からの漏れ磁束を吸収して、局部的な渦電流損失の集中や温度上昇を低減することが行われている。
【0006】
また、従来における別の漏れ磁束の対策として、例えば特許文献3及び4に記載されている如く下部締付金具5に銅板シールドの如き非磁性体シールドを取り付けることも行われている。一般に下部締付金具5は、図13(b)及び図14に示すように、下部継鉄部側に位置する奥面部材5aと、奥面部材5aに固定するタンク1底面側の底面部材5bと、底面部材5bに固定する前面部材5c、奥面部材5aと前面部材5cに固定する上面部材5dとによって箱状に構成し、絶縁油流路10を有するようにしている。しかも、下部締付金具5の上面部材5dは、油導穴11に対向する部分に通油孔12を形成し、油導穴11に対向しない破線で示す部分は除去されて奥面部材5aと底面部材5bの面がタンク1内に開口した完全開口部5eを形成している。
【0007】
このため、上記のように構成した下部締付金具5には、従来では図13(a)に示すように通油孔12を有する上面部材5dの形状面に合わせて作った幅Wの銅板の如き平板形の非磁性体シールド20を取り付けている。この非磁性体シールド20で、漏れ磁束を非磁性体シールド20及び下部締付金具底面部53等を還流する渦電流により減少することにより、集中的に発生する渦電流損失も低減することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭58−139415号公報
【特許文献2】特開平4−65809号公報
【特許文献3】特開2008−41929号公報
【特許文献4】特開2009−76534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した特許文献1、2で記載されている磁性体の磁気シールドを配置する構造では、局部的な渦電流損失の集中及び温度上昇の防止に有効である。しかし、磁気シールドは
漏れ磁束を還流させるためにある程度の体積にして設ける必要があるため、巻線上下端の構造物の高さが、磁気シールドを設けない場合よりも大きくなるから、鉄心寸法が高くなってしまい、タンクも大型になるという問題がある。
【0010】
これに対し、特許文献3、4で記載されている銅板の如き非磁性体シールド20を配置する構造にすると、非磁性体シールド20を流れる渦電流により、下部締付金具の一部に磁束が集中するのを避け、局部温度上昇を防止できる。しかし、下部締付金具5の上面部材5dには、通油孔5eや完全開口部5fの形状に合わせて作った平板形の非磁性体シールド20を取り付けているため、非磁性体シールドの一部に狭窄部が生じているから、狭窄部に渦電流が集中してしまって渦電流損失の集中が起こり、これに伴って局部的な温度上昇を生じるという問題を生ずる恐れがあった。
【0011】
本発明の目的は、非磁性体シールドを用いて大型化することなく下部締付金具の局部過熱を防止できる静止誘導電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、鉄心脚部及び上下の鉄心継鉄部からなる鉄心と、前記各鉄心継鉄部に配置した上部締付金具と下部締付金具と、前記鉄心の鉄心脚部に巻装された高圧側巻線と低圧側巻線と、前記各巻線と前記上部締付金具及び前記下部締付金具の間に配置される支持絶縁物と、タンクを有し、前記下部締付金具は奥面部材と底面部材と前面部材と上面部材とにより絶縁油流路を有する箱状に構成すると共に、前記上面部材には通油孔を形成し、前記下部締付金具と前記下部支持絶縁物の間に非磁性体シールドを配置した静止誘導電器において、前記非磁性体シールドは、前記下部締付金具の上面部材と同じ平板状にして取り付けると共に、平板状の一部を上記下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させて構成したことを特徴としている。
【0013】
好ましくは、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向の伸張させる部分の厚みを、下部締付金具と下部支持絶縁物との間に取り付ける部分の厚みと異ならせて構成したことを特徴としている。
【0014】
また好ましくは、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向に伸張させる部分を、前記下部締付金具の絶縁油流路内に突出させて構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の静止誘導電器のように、下部締付金具と前記下部支持絶縁物の間に配置する非磁性体シールドを配置するとき、この非磁性体シールドは、前記下部締付金具の上面部材と同じ平板状にして取り付けると共に、平板状の一部を上記下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させて構成すると、非磁性体シールド中の実効的な断面積を増加させることにより渦電流密度を低減できから、局部的な温度上昇を回避して発生する渦電靡損失も従来に比べて大幅に低減させることができる。また、非磁性体シールドで発生した熱は、熱伝導率の良好な非磁性体シールドを伝導して広い面積で絶縁油に接して効率的に冷却ができる。更に、非磁性体シールドの一部を下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させているので、下部締付金具の上部材板に形成した通油孔を塞ぐことがないから、巻線側の冷却にも支障がないし、非磁性体シールドのために静止誘導電器が大型化することもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した変圧器の一実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の変圧器に使用する非磁性体シールドの詳細を示す斜視図である。
【図3】図1の変圧器の下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図4】図3の非磁性体シールドの展開図である。
【図5】図3の変形例である非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施例である下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図7】図6の変形例である非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の別の実施例である下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図9】非磁性体シールドの渦電電流密度分布図である。
【図10】非磁性体シールドの渦電流損失分布図である。
【図11】各構造別のおける非磁性体シールドの最高温度を、絶縁油温からの上昇値で表した説明図である。
【図12】従来の変圧器の概略縦断面図である。
【図13】(a)は図12に適用する非磁性体シールドを示す斜視図、(b)は下部締付金具を示す斜視図である。
【図14】図12に適用した下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1から図11に示す本発明の静止誘導電器を、変圧器に適用して従来と同一部分に同符号を付した各実施例を用いて順に説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明を適用した変圧器は、図1に示すように従来と同様に構成されており、しかも下部支持絶縁物8と下部締付金具5の間に、非磁性体シールド20が設けられている。非磁性体シールド20は、図1から図11の本発明の実施例では、全て銅板シールドを用いた例で示している。
【0019】
下部締付金具5は、従来と同様に図3に示した鉄心2側の奥面部材5aと、容器1の底面側の底面部材5bと、容器1の側面側の前面部材5cと、巻線4a、4b下部に位置する上面部材5dにより絶縁油流路10を有する箱状に形成している。下部締付金具5の上面部材5dには通油孔12を形成しており、絶縁油9を下部支持絶縁物8の油導穴11を通って各巻線4a、4b下部に導くようにしている。
【0020】
下部締付金具5の上面部材5d上には、上面部材5d面と同じ形の平板状にした非磁性体シールド20を取り付けている。非磁性体シールド20は、通油孔12に相当する部分と上面部材5d面が除去された完全開口部に相当する部分の寸法を、広げた特別な形状にしている。即ち、非磁性体シールド20は、広幅に形成した通油孔12に相当する部分及び完全開口部に相当する部分に、図4に示すように切込み21を入れ、上面部材5d上に位置する幅W1のシールド主板材20aと幅W2のシールド副板材20b及び幅W3のシールド副板材20cとなるように形成し、折り曲げ可能にしている。
【0021】
そして、このように形成した非磁性体シールド20は、図2及び図3に示すように下部締付金具の上面部材5d面上に配置してから、広幅に形成した通油孔12に相当する部分及び完全開口部に相当する部分では、シールド副板材20bを上面部材5d面と交差する方向である通油孔12や完全開口部側に折り曲げて伸張させている。しかも、図3の例ではシールド副板材20cを、更に折り曲げて絶縁油流路10内の上面部材5d面を覆うように取り付けている。
【0022】
上記の如く図3に示す通油孔12を有する上面部材5dの部分は、シールド主板材20aの幅W1とシールド副板材20bの幅W2及びシールド副板材20cの幅W3からなる非磁性体シールド20を取り付けている。このため、図3に示す非磁性体シールド20の取り付け構造とを、図5に示す渦電流密度分布及び図6に示す渦電流損失分布で検討してみると、次のようになっている。なお、図3の非磁性体シールド20を取り付け構造の特性を、図9及び図10中に示した白丸を結ぶ「側面厚小」と表示している分布線で示している。
【0023】
従来の図14示す非磁性体シールド20の場合は、一点鎖線で示す幅Wまでの原点側に渦電流と損失が集中する。これに対して、本発明の図3非磁性体シールド20の取り付け構造は、鉄心側である原点から離れるにつれて徐々に減少し、幅W1のシールド主板材20aの領域に比べて、幅W2のシールド副板材20bや幅W3のシールド副板材20cの領域になると大幅に低下する。このため、本発明の図3に示した非磁性体シールド20の取り付け構造の場合は、渦電流と渦電流損失とも広い範囲に分布することになり、渦電流密度と渦電流損失のピーク値は大幅に低下する。
【0024】
その上、本発明の非磁性体シールド20では、従来の取り付け構造に比較して、最高温度上昇を低減することができる。即ち、図11の各構造別のおける非磁性体シールドの絶縁油温からの最高温度上昇値で示すように、従来のシールド構造Aの最高温度に比べて、本発明の図3に示した非磁性体シールド20のシールド構造Bの最高温度上昇は、58%程度に低減される。
【0025】
図3に示す非磁性体シールド20の取り付け構造は、図5に示す変形した構造にして取り付けることができる。この構造は、非磁性体シールド20のシールド副板材20cを長くし、その先端部L形に折り曲げて奥面部材5aの内面に配置している。このようにすると、絶縁油9と接する非磁性体シールド20の面積を広くとることができる。このため、非磁性体シールド20の上面での渦電流損失が大きい場合でも、熱損失の多くを熱伝導により移動させて広い面積から放熱できるため、効率的な冷却が可能になる。この図5の非磁性体シールド20の取り付け構造では図11でシールド構造Cに示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べて、58%程度に低減される。
【0026】
本発明のように変圧器を構成すれば、容器1や鉄心2を大型化することなく、非磁性体シールド20の狭窄部の温度上昇を低減でき、非磁性体シールド20の効果により下部締付金具5における局部温度上昇を防止できる。
【実施例2】
【0027】
非磁性体シールド20の他の取り付け構造を図6に示している。この例では、非磁性体シールド20を、シールド主板材20aと、シールド副板材20bとシールド副板材20cの二つに分割したものである。シールド主板材20aは、下部締付金具5の上面部材5d部分にL形に折り曲げて配置し、シールド主板材20aに一部重ならせてシールド副板材20bを取り付けて厚みを増加させ、シールド副板材20cは上面部材5dの絶縁油流路10側の面に折り曲げて取り付けている。なお、二つに分割するシールド主板材20aとシールド副板材20b1及びシールド副板材20c1は、厚さをもの或いは異なる厚さのものを組み合わせても使用することができる。
【0028】
この図6に示す非磁性体シールド20の取り付ける構造では、二つに分割したシールド主板材20aとシールド副板材20b1を、一部が重なるように配置して厚みを増加させているため、次に述べる二つの効果ある。
【0029】
まず、非磁性体シールド20に流れる渦電流をより広い範囲に分散させることにより、渦電流及び渦電流損失のピークを下げることができる。これは、図6の非磁性体シールド20を取り付け構造の特性が、図9及び図10中に示した白角を結ぶ「側面厚大」と表示した分布線で示した如く、幅W2の領域で図3の「側面厚小」で渦電流密度及び損失が急に低下するものよりも、低下が緩和されることからも明白である。また、非磁性体シールド20のシールド主板材20aから、シールド副板材20b1及びシールド副板材20c1へ熱伝導が促進されるから、より一層効率的な冷却を行うことができる。上記した二つの効果の結果、図6のように非磁性体シールド20を取り付けると図11にシールド構造Dで示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べて、52%程度に低減される。したがって、この例においても実施例1と同様な効果が達成できる。
【0030】
非磁性体シールド20は、図6を変形した図7に示す構造にして取り付けることができる。この非磁性体シールド20の取り付け構造は、図6の例と同様に二つに分割したシールド主板材20aとシールド副板材20b1及びシールド副板材20c1を組み合せたものであるが、図5の例と同様にシールド副板材20c1の先端部を長くし、その先端部L形に折り曲げて奥面部材5aの内面に配置したものである。
【0031】
この図7の場合も、絶縁油9と接する非磁性体シールド20の面積を広くできるため、同様に効率的な冷却が可能になる。この例の非磁性体シールド20の取り付け構造では、図11にシールド構造Eで示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べると、47%程度に低減される。
【実施例3】
【0032】
非磁性体シールド20の別の取り付け構造例を図8に示している。この非磁性体シールド20は、下部締付金具5の上面部材5d面に配置したシールド主板材20aから、シールド副板材20b及びシールド副板材20cを、上面部材5d面と交差する方向である直角に折り曲げ、シールド副板材20c部分を絶縁油流路10内に突出させている。
【0033】
このようにすると、非磁性体シールド20のシールド副板材20cの両面が、絶縁油9に接する放熱面となるため、簡単な構造で非磁性体シールドの効率良い冷却が可能になる。その結果、図8の非磁性体シールド20の取り付け構造は、図11にシールド構造Fで示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べて、47%程度に低減される。このため、この例においても実施例1と同様な効果が達成できる。
【符号の説明】
【0034】
1…容器、2…鉄心、3…上部締付金具、4a…高圧側巻線、4b…低圧側巻線、5…下部締付金具、5a…奥面部材、5b…底面部材、5c…前面部材、5d…上面部材、8…下部支持絶縁物、9…絶縁油、10…絶縁油流路、12…通油孔、20…非磁性体シールド、20a…シールド主板材、20b、20c…シールド副板材。
【技術分野】
【0001】
本発明は変圧器やリアクトル等の静止誘導電器に係り、特に鉄心の下部締付金具に非磁性の磁気シールドを設けた静止誘導電器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、静止誘導電器例えば変圧器は、図12に示す如く鉄心脚部及び鉄心継鉄部からなる鉄心2は、上下の鉄心継鉄部の両側に上部締付金具3及び下部締付金具5を配置して鉄心形状を保持して締め付け固定している。鉄心2の鉄心脚部に、同心状に配置されて絶縁筒7で離隔された高圧側巻線4a、低圧側巻線4bを巻装しており、各巻線4a、4bの上下に巻線支持用の上部支持絶縁物6と下部支持絶縁物8を配置し、上部締付金具3及び下部締付金具5間で各巻線4a、4bを支持させて変圧器本体を構成している。
【0003】
変圧器本体は、タンク1内に配置して絶縁油9を満たしており、また鉄心2の下部締付金具5は、その内部に絶縁油流路10が形成されており、絶縁油9を油導穴11から各巻線4a、4bに導入させて冷却するようにしている。
【0004】
上部締付金具3及び下部締付金具5は、十分な強度を有する鉄鋼やステンレス鋼等の金属材料を用いている。そして、各締付金具3、5は、高圧側巻線4aと低圧側巻線4bの両端付近に配置されるので、巻線からの漏れ磁束によって渦電流が流れて損失が増大し、局部加熱を引き起す恐れがある。最近の如く変圧器を小型化すると、漏れ磁束は高くなる傾向があるから、渦電流損失も大きくなり、局部過熱の問題が生ずる場合もある。
【0005】
このため、従来では例えば特許文献1及び2に記載されている如く、各巻線4a、4bの上下端部に、磁気シールドとして珪素鋼板等の磁性体シールドを配置している。この磁性体シールドにより、巻線からの漏れ磁束を吸収して、局部的な渦電流損失の集中や温度上昇を低減することが行われている。
【0006】
また、従来における別の漏れ磁束の対策として、例えば特許文献3及び4に記載されている如く下部締付金具5に銅板シールドの如き非磁性体シールドを取り付けることも行われている。一般に下部締付金具5は、図13(b)及び図14に示すように、下部継鉄部側に位置する奥面部材5aと、奥面部材5aに固定するタンク1底面側の底面部材5bと、底面部材5bに固定する前面部材5c、奥面部材5aと前面部材5cに固定する上面部材5dとによって箱状に構成し、絶縁油流路10を有するようにしている。しかも、下部締付金具5の上面部材5dは、油導穴11に対向する部分に通油孔12を形成し、油導穴11に対向しない破線で示す部分は除去されて奥面部材5aと底面部材5bの面がタンク1内に開口した完全開口部5eを形成している。
【0007】
このため、上記のように構成した下部締付金具5には、従来では図13(a)に示すように通油孔12を有する上面部材5dの形状面に合わせて作った幅Wの銅板の如き平板形の非磁性体シールド20を取り付けている。この非磁性体シールド20で、漏れ磁束を非磁性体シールド20及び下部締付金具底面部53等を還流する渦電流により減少することにより、集中的に発生する渦電流損失も低減することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭58−139415号公報
【特許文献2】特開平4−65809号公報
【特許文献3】特開2008−41929号公報
【特許文献4】特開2009−76534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した特許文献1、2で記載されている磁性体の磁気シールドを配置する構造では、局部的な渦電流損失の集中及び温度上昇の防止に有効である。しかし、磁気シールドは
漏れ磁束を還流させるためにある程度の体積にして設ける必要があるため、巻線上下端の構造物の高さが、磁気シールドを設けない場合よりも大きくなるから、鉄心寸法が高くなってしまい、タンクも大型になるという問題がある。
【0010】
これに対し、特許文献3、4で記載されている銅板の如き非磁性体シールド20を配置する構造にすると、非磁性体シールド20を流れる渦電流により、下部締付金具の一部に磁束が集中するのを避け、局部温度上昇を防止できる。しかし、下部締付金具5の上面部材5dには、通油孔5eや完全開口部5fの形状に合わせて作った平板形の非磁性体シールド20を取り付けているため、非磁性体シールドの一部に狭窄部が生じているから、狭窄部に渦電流が集中してしまって渦電流損失の集中が起こり、これに伴って局部的な温度上昇を生じるという問題を生ずる恐れがあった。
【0011】
本発明の目的は、非磁性体シールドを用いて大型化することなく下部締付金具の局部過熱を防止できる静止誘導電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、鉄心脚部及び上下の鉄心継鉄部からなる鉄心と、前記各鉄心継鉄部に配置した上部締付金具と下部締付金具と、前記鉄心の鉄心脚部に巻装された高圧側巻線と低圧側巻線と、前記各巻線と前記上部締付金具及び前記下部締付金具の間に配置される支持絶縁物と、タンクを有し、前記下部締付金具は奥面部材と底面部材と前面部材と上面部材とにより絶縁油流路を有する箱状に構成すると共に、前記上面部材には通油孔を形成し、前記下部締付金具と前記下部支持絶縁物の間に非磁性体シールドを配置した静止誘導電器において、前記非磁性体シールドは、前記下部締付金具の上面部材と同じ平板状にして取り付けると共に、平板状の一部を上記下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させて構成したことを特徴としている。
【0013】
好ましくは、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向の伸張させる部分の厚みを、下部締付金具と下部支持絶縁物との間に取り付ける部分の厚みと異ならせて構成したことを特徴としている。
【0014】
また好ましくは、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向に伸張させる部分を、前記下部締付金具の絶縁油流路内に突出させて構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の静止誘導電器のように、下部締付金具と前記下部支持絶縁物の間に配置する非磁性体シールドを配置するとき、この非磁性体シールドは、前記下部締付金具の上面部材と同じ平板状にして取り付けると共に、平板状の一部を上記下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させて構成すると、非磁性体シールド中の実効的な断面積を増加させることにより渦電流密度を低減できから、局部的な温度上昇を回避して発生する渦電靡損失も従来に比べて大幅に低減させることができる。また、非磁性体シールドで発生した熱は、熱伝導率の良好な非磁性体シールドを伝導して広い面積で絶縁油に接して効率的に冷却ができる。更に、非磁性体シールドの一部を下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させているので、下部締付金具の上部材板に形成した通油孔を塞ぐことがないから、巻線側の冷却にも支障がないし、非磁性体シールドのために静止誘導電器が大型化することもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した変圧器の一実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の変圧器に使用する非磁性体シールドの詳細を示す斜視図である。
【図3】図1の変圧器の下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図4】図3の非磁性体シールドの展開図である。
【図5】図3の変形例である非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施例である下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図7】図6の変形例である非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の別の実施例である下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【図9】非磁性体シールドの渦電電流密度分布図である。
【図10】非磁性体シールドの渦電流損失分布図である。
【図11】各構造別のおける非磁性体シールドの最高温度を、絶縁油温からの上昇値で表した説明図である。
【図12】従来の変圧器の概略縦断面図である。
【図13】(a)は図12に適用する非磁性体シールドを示す斜視図、(b)は下部締付金具を示す斜視図である。
【図14】図12に適用した下部締付金具における非磁性体シールドの取り付け状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1から図11に示す本発明の静止誘導電器を、変圧器に適用して従来と同一部分に同符号を付した各実施例を用いて順に説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明を適用した変圧器は、図1に示すように従来と同様に構成されており、しかも下部支持絶縁物8と下部締付金具5の間に、非磁性体シールド20が設けられている。非磁性体シールド20は、図1から図11の本発明の実施例では、全て銅板シールドを用いた例で示している。
【0019】
下部締付金具5は、従来と同様に図3に示した鉄心2側の奥面部材5aと、容器1の底面側の底面部材5bと、容器1の側面側の前面部材5cと、巻線4a、4b下部に位置する上面部材5dにより絶縁油流路10を有する箱状に形成している。下部締付金具5の上面部材5dには通油孔12を形成しており、絶縁油9を下部支持絶縁物8の油導穴11を通って各巻線4a、4b下部に導くようにしている。
【0020】
下部締付金具5の上面部材5d上には、上面部材5d面と同じ形の平板状にした非磁性体シールド20を取り付けている。非磁性体シールド20は、通油孔12に相当する部分と上面部材5d面が除去された完全開口部に相当する部分の寸法を、広げた特別な形状にしている。即ち、非磁性体シールド20は、広幅に形成した通油孔12に相当する部分及び完全開口部に相当する部分に、図4に示すように切込み21を入れ、上面部材5d上に位置する幅W1のシールド主板材20aと幅W2のシールド副板材20b及び幅W3のシールド副板材20cとなるように形成し、折り曲げ可能にしている。
【0021】
そして、このように形成した非磁性体シールド20は、図2及び図3に示すように下部締付金具の上面部材5d面上に配置してから、広幅に形成した通油孔12に相当する部分及び完全開口部に相当する部分では、シールド副板材20bを上面部材5d面と交差する方向である通油孔12や完全開口部側に折り曲げて伸張させている。しかも、図3の例ではシールド副板材20cを、更に折り曲げて絶縁油流路10内の上面部材5d面を覆うように取り付けている。
【0022】
上記の如く図3に示す通油孔12を有する上面部材5dの部分は、シールド主板材20aの幅W1とシールド副板材20bの幅W2及びシールド副板材20cの幅W3からなる非磁性体シールド20を取り付けている。このため、図3に示す非磁性体シールド20の取り付け構造とを、図5に示す渦電流密度分布及び図6に示す渦電流損失分布で検討してみると、次のようになっている。なお、図3の非磁性体シールド20を取り付け構造の特性を、図9及び図10中に示した白丸を結ぶ「側面厚小」と表示している分布線で示している。
【0023】
従来の図14示す非磁性体シールド20の場合は、一点鎖線で示す幅Wまでの原点側に渦電流と損失が集中する。これに対して、本発明の図3非磁性体シールド20の取り付け構造は、鉄心側である原点から離れるにつれて徐々に減少し、幅W1のシールド主板材20aの領域に比べて、幅W2のシールド副板材20bや幅W3のシールド副板材20cの領域になると大幅に低下する。このため、本発明の図3に示した非磁性体シールド20の取り付け構造の場合は、渦電流と渦電流損失とも広い範囲に分布することになり、渦電流密度と渦電流損失のピーク値は大幅に低下する。
【0024】
その上、本発明の非磁性体シールド20では、従来の取り付け構造に比較して、最高温度上昇を低減することができる。即ち、図11の各構造別のおける非磁性体シールドの絶縁油温からの最高温度上昇値で示すように、従来のシールド構造Aの最高温度に比べて、本発明の図3に示した非磁性体シールド20のシールド構造Bの最高温度上昇は、58%程度に低減される。
【0025】
図3に示す非磁性体シールド20の取り付け構造は、図5に示す変形した構造にして取り付けることができる。この構造は、非磁性体シールド20のシールド副板材20cを長くし、その先端部L形に折り曲げて奥面部材5aの内面に配置している。このようにすると、絶縁油9と接する非磁性体シールド20の面積を広くとることができる。このため、非磁性体シールド20の上面での渦電流損失が大きい場合でも、熱損失の多くを熱伝導により移動させて広い面積から放熱できるため、効率的な冷却が可能になる。この図5の非磁性体シールド20の取り付け構造では図11でシールド構造Cに示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べて、58%程度に低減される。
【0026】
本発明のように変圧器を構成すれば、容器1や鉄心2を大型化することなく、非磁性体シールド20の狭窄部の温度上昇を低減でき、非磁性体シールド20の効果により下部締付金具5における局部温度上昇を防止できる。
【実施例2】
【0027】
非磁性体シールド20の他の取り付け構造を図6に示している。この例では、非磁性体シールド20を、シールド主板材20aと、シールド副板材20bとシールド副板材20cの二つに分割したものである。シールド主板材20aは、下部締付金具5の上面部材5d部分にL形に折り曲げて配置し、シールド主板材20aに一部重ならせてシールド副板材20bを取り付けて厚みを増加させ、シールド副板材20cは上面部材5dの絶縁油流路10側の面に折り曲げて取り付けている。なお、二つに分割するシールド主板材20aとシールド副板材20b1及びシールド副板材20c1は、厚さをもの或いは異なる厚さのものを組み合わせても使用することができる。
【0028】
この図6に示す非磁性体シールド20の取り付ける構造では、二つに分割したシールド主板材20aとシールド副板材20b1を、一部が重なるように配置して厚みを増加させているため、次に述べる二つの効果ある。
【0029】
まず、非磁性体シールド20に流れる渦電流をより広い範囲に分散させることにより、渦電流及び渦電流損失のピークを下げることができる。これは、図6の非磁性体シールド20を取り付け構造の特性が、図9及び図10中に示した白角を結ぶ「側面厚大」と表示した分布線で示した如く、幅W2の領域で図3の「側面厚小」で渦電流密度及び損失が急に低下するものよりも、低下が緩和されることからも明白である。また、非磁性体シールド20のシールド主板材20aから、シールド副板材20b1及びシールド副板材20c1へ熱伝導が促進されるから、より一層効率的な冷却を行うことができる。上記した二つの効果の結果、図6のように非磁性体シールド20を取り付けると図11にシールド構造Dで示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べて、52%程度に低減される。したがって、この例においても実施例1と同様な効果が達成できる。
【0030】
非磁性体シールド20は、図6を変形した図7に示す構造にして取り付けることができる。この非磁性体シールド20の取り付け構造は、図6の例と同様に二つに分割したシールド主板材20aとシールド副板材20b1及びシールド副板材20c1を組み合せたものであるが、図5の例と同様にシールド副板材20c1の先端部を長くし、その先端部L形に折り曲げて奥面部材5aの内面に配置したものである。
【0031】
この図7の場合も、絶縁油9と接する非磁性体シールド20の面積を広くできるため、同様に効率的な冷却が可能になる。この例の非磁性体シールド20の取り付け構造では、図11にシールド構造Eで示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べると、47%程度に低減される。
【実施例3】
【0032】
非磁性体シールド20の別の取り付け構造例を図8に示している。この非磁性体シールド20は、下部締付金具5の上面部材5d面に配置したシールド主板材20aから、シールド副板材20b及びシールド副板材20cを、上面部材5d面と交差する方向である直角に折り曲げ、シールド副板材20c部分を絶縁油流路10内に突出させている。
【0033】
このようにすると、非磁性体シールド20のシールド副板材20cの両面が、絶縁油9に接する放熱面となるため、簡単な構造で非磁性体シールドの効率良い冷却が可能になる。その結果、図8の非磁性体シールド20の取り付け構造は、図11にシールド構造Fで示した如く、従来のシールド構造Aの最高温度上昇に比べて、47%程度に低減される。このため、この例においても実施例1と同様な効果が達成できる。
【符号の説明】
【0034】
1…容器、2…鉄心、3…上部締付金具、4a…高圧側巻線、4b…低圧側巻線、5…下部締付金具、5a…奥面部材、5b…底面部材、5c…前面部材、5d…上面部材、8…下部支持絶縁物、9…絶縁油、10…絶縁油流路、12…通油孔、20…非磁性体シールド、20a…シールド主板材、20b、20c…シールド副板材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄心脚部及び上下の鉄心継鉄部からなる鉄心と、前記各鉄心継鉄部に配置した上部締付金具と下部締付金具と、前記鉄心の鉄心脚部に巻装された高圧側巻線と低圧側巻線と、前記各巻線と前記上部締付金具及び前記下部締付金具の間に配置される支持絶縁物と、タンクを有し、前記下部締付金具は奥面部材と底面部材と前面部材と上面部材とにより絶縁油流路を有する箱状に構成すると共に、前記上面部材には通油孔を形成し、前記下部締付金具と前記下部支持絶縁物の間に非磁性体シールドを配置した静止誘導電器において、前記非磁性体シールドは、前記下部締付金具の上面部材と同じ平板状にして取り付けると共に、平板状の一部を上記下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させて構成したことを特徴とする静止誘導電器。
【請求項2】
請求項1において、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向の伸張させる部分の厚みを、下部締付金具と下部支持絶縁物との間に取り付ける部分の厚みと異ならせて構成したことを特徴とする静止誘導電器。
【請求項3】
請求項2又は3において、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向に伸張させる部分を、前記下部締付金具の絶縁油流路内に突出させて構成したことを特徴とする静止誘導電器。
【請求項1】
鉄心脚部及び上下の鉄心継鉄部からなる鉄心と、前記各鉄心継鉄部に配置した上部締付金具と下部締付金具と、前記鉄心の鉄心脚部に巻装された高圧側巻線と低圧側巻線と、前記各巻線と前記上部締付金具及び前記下部締付金具の間に配置される支持絶縁物と、タンクを有し、前記下部締付金具は奥面部材と底面部材と前面部材と上面部材とにより絶縁油流路を有する箱状に構成すると共に、前記上面部材には通油孔を形成し、前記下部締付金具と前記下部支持絶縁物の間に非磁性体シールドを配置した静止誘導電器において、前記非磁性体シールドは、前記下部締付金具の上面部材と同じ平板状にして取り付けると共に、平板状の一部を上記下部締付金具の上面部材面と交差する方向に伸張させて構成したことを特徴とする静止誘導電器。
【請求項2】
請求項1において、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向の伸張させる部分の厚みを、下部締付金具と下部支持絶縁物との間に取り付ける部分の厚みと異ならせて構成したことを特徴とする静止誘導電器。
【請求項3】
請求項2又は3において、前記非磁性体シールドは、上面部材と交差する方向に伸張させる部分を、前記下部締付金具の絶縁油流路内に突出させて構成したことを特徴とする静止誘導電器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−69973(P2013−69973A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208814(P2011−208814)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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